JPH0538880A - カード処理方法 - Google Patents

カード処理方法

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JPH0538880A
JPH0538880A JP22229891A JP22229891A JPH0538880A JP H0538880 A JPH0538880 A JP H0538880A JP 22229891 A JP22229891 A JP 22229891A JP 22229891 A JP22229891 A JP 22229891A JP H0538880 A JPH0538880 A JP H0538880A
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card
recording
heat
erasing
layer
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JP22229891A
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English (en)
Inventor
Fumito Masubuchi
文人 増渕
Yoshihiko Hotta
吉彦 堀田
Kunichika Morohoshi
邦親 諸星
Makoto Kawaguchi
誠 川口
Yukio Konagaya
行夫 小長谷
Toru Nogiwa
通 野際
Nobuo Yamada
信夫 山田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録部と可逆性感熱記録材料を用いた書
換え可能な表示部とを有するカード(プリペイトカー
ド、クレジットカードなど)の処理(記録部の読取り、
記録部の書換え、表示部の消去、表示部の書込み)が迅
速に行なえるととも、特に読取りエラーの発生を極力減
少せしめる方法を提供する。最近のカードは、その全面
を有効に利用しようとするため、磁気記録層上に感熱表
示層を積層したものがある。本発明の方法はそうしたカ
ードの使用に殊に効果的である。 【構成】 本発明は(a)記録部の読取り、(b)記録
部の書換え、(c)表示部の消去、及び(d)表示部の
書込み、の4つの処理手段がとられるカード処理方法に
おいて、前記の手段としてa→d→c→bの行程を採用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明のカード処理方法に関し、
詳しくは、プリペイドカードやクレジットカードなど多
くのもので磁気記録部を有するいわゆる「カード」類に
可逆性感熱記録表示部を設けることにより、繰り返し書
換え表示を可能としたカード処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリペイドカードやクレジットカード等
多種多様の「カード」類が市場に登場し、すでに多分野
で社会に浸透している。これらのカード類はその書換え
可能な表示部の殆どが磁気記録法の利用に頼っているの
が実情である。そして、これらのカード類は、登場当
初、それ自体に残高等を表示する機能を持っていなかっ
たが、最近では感熱記録材料を用いた追記型の表示部を
備えたカード類も開発されている。現在ではさらに、書
換え型の表示部を備えたカード類の登場が望まれてい
る。
【0003】ところで、表示部を書換え可能にする最も
有力な手段として、可逆性感熱記録材料を用いた表示方
法が知られている。可逆性感熱記録材料としては、支持
体上にポリエステル等の樹脂中に高級アルコール、高級
脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱層を設けたも
のがあげられる(例えば特開昭54−119377号、
特開昭55−154198号等の公報)。この種の可逆
性感熱記録材料による記録即ち画像形成及び消去は、感
熱層の温度による透明度変化を利用したものであり、従
来の不可逆的な感熱記録材料と同様にサーマルヘッドや
ホットスタンプなどによる画像形成が可能で、それに加
えて、消去も可能という特徴をもつものである。
【0004】そこで、前記の磁気記録材料と可逆性感熱
記録材料とを併用させた「カード」類(以降、単に「カ
ード」と称することがある)提案されるに至っている
(例えば特開平1−181766号公報)。この可逆性
感熱記録材料を表示部に用い、かつ、磁気記録材料を記
録部に用いたカードの使用に際しては、 (a)記録部の読取り (b)記録部の書換え (c)表示部の消去 (d)表示部の書込み という4つの処理手段が存在する。
【0005】カードの全面を有効的に利用するために、
最近は、磁気記録層の上にも印刷や感熱表示層などを重
ねているカードが多いが、この様なカードでは感熱表示
部の消去や書込みの行程の直後に磁気記録の書換え行程
を行なうと、表示部に加熱が施されたところの磁気記録
層には磁気記録にむらが生じて、時として、正確な記録
が行なわれないといった不都合が認められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は磁気記録部
(書換え可能な不可視情報の記録部)と可逆性感熱記録
材料を用いた書換え可能な表示部とを有するカードへの
読取り、書込み(書換え)、消去がともに短時間が行な
え、特に磁気記録部の読取りエラーの極めて少ないカー
ド処理方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気記録部と
可逆性感熱記録材料を用いた書換え可能な表示部とを有
するカードに(a)記録部の読取り、(b)記録部の書
換え、(c)表示部の消去、及び(d)表示部の書込
み、の4つの処理手段がとられるカード処理方法におい
て、前記の手段が(a)、(b)、(c)、(d)の順
で行なわれることを特徴としている。
【0008】本発明者らは、既述の課題解決のため熟考
を重ねた結果、前記のごときカード処理手段(処理行
程)の順番を工夫することでそれがなし得るのを確め、
本発明をなすに至ったものである。
【0009】以下に本発明方法をさらに詳細に説明す
る。
【0010】本発明に係るカードは、これまでの記載か
ら容易に推察されるように、支持体(樹脂フィルム)上
に磁気記録材料からなる記録層に設け、その上に望まし
くは金属蒸着層からなる光反対層を設け、その上に可逆
性感熱記録材料からなる表示層を設けたものであり、更
には、この表示層(表示部)上には望ましくは保護層が
設けられたものである。磁気記録部の記録むらを防ぐに
は、記録部に熱がかかっていない状態で書換え行程を行
なえばよく、このためには、(1)感熱表示部の消去や
書込みの行程の直後にある程度の時間をおいてから磁気
記録の書込み行程を始める、(2)感熱表示部の消去や
書込みの行程の直後に冷却の行程を設ける、などのカー
ドの冷却による解決法が考えられる。だが、単に時間を
おいただけでは行程全体の処理速度が落ちてしまうし、
行程を増やすことは機構を複雑化して信頼性を落とす結
果となる。
【0011】そこで、磁気記録部の書換え行程を表示部
(感熱表示部)の消去や書込みの行程の前に行なってし
まえば、熱がかかる前に磁気記録の書換えを行なうので
記録むらも起きないし、行程の順序を規定しただけなの
で上記2通りの解決方法でみられたような欠点も解消さ
れる。
【0012】先に触れたとおり、カード処理装置には
(a)から(d)まで4つの行程がある。その順序には
「記録部の読取り行程は記録部の書換み行程よりも前に
くる」というような幾つかの規則があるが、それでも順
序の組合わせは何通りも考えられる。それら数多くの組
合わせの中で全行程の時間をのばしたり装置を複雑化す
ることなく上記問題を解決できる組合わせが、すなわち
本発明で定めた条件を満たす組み合わせである。
【0013】本発明方法は、行程の順番を規定するもの
であり、装置構成を規定するものではない。複数の行程
を一つの装置で行なおうが、複数の装置に分けて行なお
うが構わない。
【0014】磁気記録にむらが生じる問題の原因はさだ
かでないが、サーマルヘッドなどによる感熱表示部の消
去/書込み行程の直後はカードの表面が温度の高い場所
と低い場所に分れるので、温度の高い場所では低い場所
よりも保磁力が低下する為に、信号強度が異なってしま
うものと思われる。
【0015】稀には磁気記録の「消去」の行程が必要と
なる場合も考えられるが、その際の行程の順番として
は、本発明で定めるまでもなく、必ず磁気記録の読取り
行程と書換え行程との間に来なくてはならないので、本
発明では特に規定していない。
【0016】本発明における可逆性感熱記録材料とは、
温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす材料
である。目に見える変化は色調の変化と形状の変化に分
けられるが、本発明では主に色調の変化を起こす材料を
使用する。色調の変化には、透過率、反射率、吸収波
長、散乱度などの変化があり、実際の可逆性感熱記録材
料はこれらの変化の組合わせで表示を行なっている。よ
り具体的には、現状では下記の(イ)及び(ロ)という
2種類の系統に分類できる。 (イ)透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料。 (ロ)染料等の色彩が可逆的に変化する材料。
【0017】(イ)としては従来の技術でも述べたよう
に、ポリエステル等の樹脂母材中に高級アルコール、高
級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱層を設けた
ものが代表例として挙げられ、また(ロ)としては従来
のロイコ系感熱記録材料の可逆性を増強したもの(例え
ば特開平1−88293号、特開平1−88294号な
どの公報に記載)などが代表的として挙げられる。本発
明方法でのカードには特に(イ)のものの使用が有効で
ある。
【0018】このような可逆性感熱記録材料(感熱表示
部)に対する書込みの方法としては従来の不可逆な感熱
記録材料と同様の方法が使用できる。具体的には (1)サーマルヘッドやホットスタンプの様に電気的に
加熱した書込み素子を可逆性感熱記録材料に接触させ
る、(2)レーザービーム等の強い光を感熱記録材料に
あてて加熱する、(3)原稿に強い光を当て、色の濃い
部分が高温になった原稿を可逆性感熱記録材料又は保護
層に接触させて熱を転写する、などの書込み方法があ
る。
【0019】また、可逆性感熱記録材料(感熱表示部)
の消去方法としては、書込みと同様にサーマルヘッドや
ホットスタンプでの消去が可能である。この方法は感熱
表示部の中で任意の領域のみを消去することができる点
ですぐれている。中でも、サーマルヘッドによる消去
は、書込みと消去とを一つのサーマルヘッドで兼用させ
ることも可能であるので、特にすぐれている。表示面全
体を消去するのであれば、ヒートローラーやホットプレ
ートなどのような大面積の恒温発熱体による加熱で消去
する方法もある。この方法によれば消去を高速に行なう
ことが可能な点で極めて優れている。その他の消去方法
としては、赤外線などの電磁波による加熱や、温風など
の恒温の流体による加熱がある。これらの消去方法は、
複数のカードの表示を同時に消去するような場合に特に
有効である。
【0020】ただし、本発明においては感熱表示部の消
去行程では均一な加熱が要求されるので、ヒートローラ
ーのような大面積の加熱装置が最も適している。サーマ
ルヘッドで消去する場合には、任意の場所だけ消去する
ようなことはせずに、少なくとも磁気記録部と重なる場
所では全面を消去するように設定し、また、パルスの印
加方法もドット単位で加熱されないように工夫する必要
がある。
【0021】更に、本発明の可逆性感熱記録材料におけ
る「樹脂母材及びその樹脂母材中に分散された有機低分
子物質で構成され、加熱により透明と白濁の状態を可逆
的に変化させる材料」にみられる透明状態と白濁不透明
状態との違いは次のように推測される。
【0022】すなわち、(I)透明の場合には樹脂母材中
に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子物質の
大きな粒子で構成されており、片側から入射した光は散
乱されること無く反対側に透過するため透明に見えるこ
と、また、(II)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は
有機低分子物質の微細な結晶が集合した多結晶で構成さ
れ、個々の結晶の結晶軸がいろいろな方向を向いている
ため片側から入射した光は有機低分子物質粒子の結晶の
界面で何度も屈折し、散乱されるため白く見えること、
等に由来している。
【0023】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分とする感熱層は、例えばT0
下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2に加
熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常温に戻
しても透明のままである。これは温度T2からT0以下に至
るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多結晶から
単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。更にT3
上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不透明度との
中間の半透明状態になる。次に、この温度を下げて行く
と、再び透明状態をとることなく最初の白濁不透明状態
に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物質が溶融後、
冷却されることにより多結晶が析出するためであると考
えられる。なお、この不透明状態のものをT1〜T2間の温
度に加熱した後、常温即ちT0以下の温度に冷却した場合
には透明と不透明との中間の状態をとることができる。
また、前記常温で透明になったものも再びT3以上の温度
に加熱した後常温に戻せば再び白濁不透明状態に戻る。
即ち、常温で不透明及び透明の両形態並びにその中間状
態をとることができる。従って、熱を選択的に与えるこ
とにより感熱表示層を選択的に加熱し、透明地に白濁画
像、白濁地に透明画像を形成することができ、その変化
は何回も繰り返することが可能である。
【0024】本発明に係る可逆性感熱記録材料による表
示層を形成するには一般に(1)樹脂母材及び有機低分子
物質の2成分を溶解した溶液、又は(2)樹脂母材の溶液
(溶剤としては有機低分子物質のうちの少なくとも1種を
溶解しないものを用いる)に有機低分子物質を微粒子状
に分散した分散液を調製し、これを例えば磁気記録層上
に直接又は望ましくは光反射層上に塗布乾燥して感熱層
を形成せしめればよい。
【0025】感熱層形成用又は感熱記録材料調製用溶剤
としては、樹脂母材及び有機低分子物質の種類によって
いろいろ選択できるが、例えばテトラヒドロフラン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、エタノール、トルエン、ベンゼン等
が挙げられる。なお、分散液を使用した場合はもちろん
であるが、溶液を使用した場合も得られる感熱層中では
有機低分子物質は微粒子として析出し、分散状態で存在
する。
【0026】感熱層(表示部)に使用される樹脂母材は有
機低分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共
に、最大透明時の透明度に影響を与える材料である。こ
のため樹脂母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ
成膜性の良い樹脂が好ましい。
【0027】このような樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル;塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸
ビニル-ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル-酢酸ビ
ニル-マレイン酸共重合体、塩化ビニル-アクリレート共
重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン系
共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート
又はポリメタクリレート或いはアクリレート-メタクリ
レート共重合体;シリコン樹脂等が挙げられる。これら
は単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0028】一方、有機低分子物質としては記録層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150℃程度のも
のが使用される。このような有機低分子物質としてはア
ルカノール;アルカンジオール;ハロゲンアルカノール
またはハロゲンアルカンジオール;アルキルアミン;ア
ルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロ
ゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シ
クロアルケン;シクロアルキン;飽和または不飽和モノ
またはジカルボン酸又はこれらのエステル、アミド又は
アンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン脂肪酸また
はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;アリ
ルカルボン酸またはそれらのエステル、アミド又はアン
モニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸またはそれらの
エステル、アミド又はアンモニウム塩;チオアルコー
ル;チオカルボン酸又はそれらのエステル、アミンまた
はアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン酸エステ
ル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合し
て使用される。これらの化合物の炭素数は10〜60、好ま
しくは10〜38、特に10〜30が好ましい。エステル中のア
ルコール基部分は飽和していても飽和していなくてもよ
く、またハロゲン置換されていてもよい。いずれにして
も有機低分子物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロ
ゲンの少くとも1種、例えば-OH、-COOH、-CONH-、-COO
R、-NH-、-NH2、-S-、-S-S-、-O-、ハロゲン等を含む化
合物であることが好ましい。
【0029】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル; 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも、本発
明では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂
肪酸が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に
好ましい。
【0030】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63-3
9378号、特開昭63-130380号などの公報や、特願昭63-14
754号、特願平1-140109号などの明細書で明らかにされ
ているが、これらに限定されるものではない。なお、感
熱層中の有機低分子物質と樹脂母材との割合は、重量比
で2:1〜1:16程度が好ましく、1:1〜1:3く
らいが更に好ましい。樹脂母材の比率がこれ以下になる
と、有機低分子物質を樹脂母材中に保持した膜を形成す
ることが困難となり、またこれ以上になると、有機低分
子物質の量が少ないため、不透明化が困難になる。
【0031】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。
【0032】高沸点溶剤の例;リン酸トリブチル、リン
酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン
酸トリクレジル、オレイン酸ブチル、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
ヘプチル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-2-エチ
ルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジオクチ
ルデシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベン
ジル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ-n-ヘキシ
ル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アゼライン酸ジ-
2-エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ
-2-エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエ
ート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチラー
ト、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール
酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチ
ルクエン酸トリブチル。
【0033】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、芳香族カル
ボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫
酸モノエステル又はリン酸モノ-又はジ-エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアクリレ
ート;アクリル系オリゴマー;ポリ長鎖アルキルメタク
リレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含有モ
ノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;
オレフィン−無水マレイン酸共重合体。
【0034】この感熱記録材料の画像を反射画像として
用いる場合には、記録層の背面に光を反射する層(光反
射層)を設けるようにすれば記録層の厚みを薄くしても
コントラストを上げることができる。具体的にはAl、N
i、Sn等を蒸着することが挙げられる(特開昭64-14079号
公報に記載)。
【0035】また、感熱層(可逆性感熱記録層)上には
その感熱層を保護するために保護層を設けることができ
る。感熱層上に積層する保護層(厚さ0.1〜5μm)の材料
としては、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭6
3-221087号公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリ
マー(特願昭62-152550号に記載)や紫外線硬化樹脂又は
電子線硬化樹脂(特願昭63-310600号に記載)等が挙げら
れる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用いるが、その
溶剤は、感熱層の樹脂ならびに有機低分子物質を溶解し
にくいほうが望ましい。感熱層の樹脂及び有機低分子物
質を溶解しにくい溶剤としてはn-ヘキサン、メチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等
が挙げられ、特にアルコール系の溶剤がコスト面から望
ましい。
【0036】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等から感熱層を保護するために、保護層と感熱層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1-133781号
公報に記載)。中間層の材料としては感熱層中の樹脂母
材として挙げたものの他に下記のような熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和ポリエ
ステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられ
る。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好ましい。
【0037】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。ここでの部は重量基準である。
【0038】実施例1 磁気記録部と可逆性感熱記録材料を用いた書換え可能な
表示部とを備えたカードを作成し、自製のカード処理機
(試験機)で試験した。
【0039】 1、カードの作成 約188μm厚の白色PET上に、 γ−Fe23 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 10部 (UCC社製 VAGH) イソシアネート 2部 (日本ポリウレタン社製コロネートL、50%トルエン溶液) メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 よりなる液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約1
0μm厚の磁気記録層を設けた。その磁気記録層の上に
アルミニウムを約400オングストロ−ム厚となるよう
に真空蒸着して光反射層を設けた。そして光反射層の上
に、 ベヘン酸 7部 エイコサン2酸 3部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル/リン酸エステル共重合体 25部 (電気化学工業社製、デンカビニル#1000P) THF 150部 トルエン 15部 よりなる液を塗布し、加熱乾燥して約5μm厚の可逆性
感熱記録材料による表示部を設けた。これを成型してカ
ードを作成した。
【0040】2、表示部の書込み/消去の条件出し 作成したカードにサーマルヘッドを用いて書込み/消去
の試験を行ない、印加エネルギーと印加パルス幅をパラ
メータとした書込み/消去条件を見出した。結果を図2
及び図3に示す。消去は1msec以下のパルス幅では充分
な透明度が得られていなかった。書込みでは試験機で出
せる最小のパルス幅でも印字できたが、0.5msecよりも
短いパルスではカードの表面に微小な穴が無数に生じ
た。これらの結果から、書込みの最小パルス幅は0.5mse
c、消去の最小パルス幅は1msecに決定した。
【0041】3、カード処理試験 図4のようなカード処理試験装置を組立て、作成したカ
ードを用いて試験をおこなった。図中、11は磁気読取
りヘッド、12は磁気書換えヘッド、21は表示部消去
用ヒートローラ、22は表示部書込み用サーマルヘッド
を表わしており、また31、32、33及び34はロー
ラー、41は搬送ベルト、51はカード搬入案内版、6
1はカード搬出案内板を示している。全てのローラー及
びヘッド(11,12,21,22)を用意してカード
処理機全体の処理速度を測定する実験を行った。なお、
この処理機ではいずれかのローラ又はヘッドにカードの
先端がかかるように工夫されている。このときのカード
処理の行程の順番は、最初に磁気記録部の読取り行程、
次いで磁気記録部の書換え行程、続いて感熱表示部の消
去行程、最後に感熱表示部の書込み行程の順(a→b→
c→d)に進行するようにした。
【0042】比較例1 図4に記載したカード処理試験装置におけるローラ及び
ヘッドの配置をかえ、カード処理の行程の順番を、最初
に磁気記録部の読取り行程、次いで感熱表示部の消去行
程、続いて感熱表示部の書込み行程、最後に磁気記録部
の書換え行程の順(a→c→d→b)に進行するように
した。
【0043】比較例2 磁気記録部の書換え行程の直前に冷却ローラーでカード
を冷却する行程を追加した以外は比較例1とまったく同
様にしてカード処理を行なった。
【0044】これら実施例1、比較例1及び2について
カード処理を行なった結果、実施例1では何等の不都合
もみられなかったが、比較例1では幾らかの磁気記録部
のエラーが認められた。また、比較例2では冷却工程を
設けた分だけ機構が複雑になり、処理時間も長くなるの
が認められた。
【0045】
【発明の効果】実施例の記載から明らかなように、本発
明方法によれば、磁気記録層を記録部として有するとと
もに、可逆性感熱記録材料による書換え可能な表示部を
備えたカードの読取りを良好に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可逆性感熱記録材料の熱による透明度の変化を
説明するための図である。
【図2】本発明に係る感熱表示部の消去の様子を印加エ
ネルギー及び印加パルス幅をパラメータとして表わした
グラフである。
【図3】本発明に係る感熱表示部の書込みの様子を印加
エネルギー及びパルス幅をパラメータとして表わしたグ
ラフである。
【図4】本発明方法の実施に有用な装置の一例の概略図
である。
【符号の説明】
11 磁気読取りヘッド 12 磁気書換えヘッド 21 表示部消去用ヒートローラー 22 表示部書込み用サーマルヘッド
フロントページの続き (72)発明者 川口 誠 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小長谷 行夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 野際 通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山田 信夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録部と可逆性感熱記録材料を用い
    た書換え可能な表示部とを有するカードに、(a)記録
    部の読取り、(b)記録部の書換え、(c)表示部の消
    去、及び(d)表示部の書込み、の4つの処理手段がと
    られるカード処理方法において、前記の手段が(a)、
    (b)、(c)、(d)の順で行なわれることを特徴と
    するカード処理方法。
  2. 【請求項2】 前記可逆性記録材料が樹脂母材及びその
    樹脂母材に分散された有機低分子物質で構成され、か
    つ、加熱により透明と白濁との状態を可逆的に変化させ
    る材料であることを特徴とする請求項1記載のカード処
    理方法。
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