JPH0692018A - 改ざん防止カード - Google Patents

改ざん防止カード

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JPH0692018A
JPH0692018A JP3348005A JP34800591A JPH0692018A JP H0692018 A JPH0692018 A JP H0692018A JP 3348005 A JP3348005 A JP 3348005A JP 34800591 A JP34800591 A JP 34800591A JP H0692018 A JPH0692018 A JP H0692018A
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rewritable
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heat
card
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JP3348005A
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English (en)
Inventor
Fumito Masubuchi
文人 増渕
Yoshihiko Hotta
吉彦 堀田
Makoto Kawaguchi
誠 川口
Yukio Konagaya
行夫 小長谷
Kunichika Morohoshi
邦親 諸星
Toru Nogiwa
通 野際
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱記録方式を採用したカード類であって、
その改ざんが一目瞭然に判断できるものを提供する。 【構成】 支持体の表面に書換え不能な感熱記録層(サ
ーマル層)、書換え可能な可逆性感熱記録材料層(TC
層)をこの順で形成したカードである。このカードで
は、サーマル層の発色又は消色温度はTC層の消去温度
以下にされているため、一般人がこのカードを熱湯に浸
すとか、アイロンで加熱する等により改ざんしようとし
た場合には、サーマル層までが発色又は消色してしま
い、改ざんが容易に判る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改ざん防止カードに関
し、詳しくは、印字及び消去を繰り返し行なうことが可
能な記録表示部を有する改ざん防止カードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、プリペイドカードやクレジットカ
ードなど多くのカード類が出廻っており、それらの中に
は、感熱記録による表示部を設け残額などの情報を表示
できるカードも発行されている。だが、この感熱記録を
採用したカードは、その表示部は書換えが不可能な感熱
記録材料を使用しているので追記型であり、情報を書き
込める回数が限定される。また、書込んだ文字も小さく
て見づらく、漢字などの細かい字には適さないものであ
る。
【0003】こうした実情を配慮して、記録表示部を加
熱・冷却することにより印字と消去を繰り返して行なう
ことのできる材料(可逆性感熱記録材料)で形成するこ
とが提案され、これによれば大きな文字を何回でも繰返
し書込むことができ、また、残額以外の詳しい情報もふ
んだんに書込めるといった効果が認められる。その為、
次世代のカード用表示手段として、そのような可逆な感
熱記録材料が注目されている。だがその一方で、可逆性
感熱記録材料を用いた表示体は書換えが可能なために、
不正に改ざんのなされる危険性がある。例えば、プリペ
イドカードの残額表示を実際よりも高額に書換えたり、
表示を消去して未使用のカードに見せかける、などであ
る。これらの不正改ざんはカードを読取る機械には通用
しないが、利用者間で売買などが行なわれる場合には被
害が予想されるので、改ざん防止の手段はどうしても必
要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、書換えが可
能な表示部を有しているにもかかわらず、改ざんされた
際にはそれが容易に判るようにしたカードを提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の改ざん防止カー
ドの第1は、支持体上に書換え不可能な感熱記録材料層
及び書換え可能な可逆性感熱記録材料層を有し、かつ、
前記の書換え不可能な感熱記録材料層はその発色又は消
色の温度が可逆性感熱記録材料の消去温度の下限以下で
あることを特徴としている。本発明の改ざん防止カード
の第2は、支持体上に書換え不可能な感熱記録材料層及
び書換え可能な可逆性感熱記録材料層を有し、かつ、前
記の書換え可能な層が書換え不可能な層よりも表面側に
位置してなることを特徴としている。なお、これら第1
及び第2の発明において、前記の書換え可能な可逆性感
熱記録材料層は樹脂母材及びその樹脂母材に分散された
有機低分子物質を主成分とし、加熱により透明と白濁と
の状態を可逆的に変化させる材料で構成されたものが好
ましい。更にまた、これら本発明においては、必要に応
じて、支持体上に磁気記録層などのような目に見えない
情報の記録層が更に設けられる。
【0006】本発明者らは、前記課題の解決のため多く
の研究・検討を行なってきたが、表示部を書換え可能な
可逆性感熱記録材料層からなるものと、書換え不可能な
感熱記録材料層からなるものとを組み合わせて形成する
ことによって、それが達成しうることを確めた。本発明
はかかる知見によりなされたものである。
【0007】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
これまでの記述から理解しうるように、本発明では、1
枚のカードに可逆性感熱記録材料(以降「TC材料」と
略記することがある)と不可逆な感熱記録材料(以降
「サーマル材料」と略記することがある)とを用いるこ
とに意味がある。
【0008】不正改ざんの為にTC材料層を書換えるに
は、まずすでに書込んである文字を消去する必要があ
る。消去するには、TC材料の消去温度にカード表面を
加熱すれば良いが、家庭でできる最も簡単な加熱方法と
しては、熱温にひたすとかアイロンで加熱するなどが考
えられる。これらの方法をとった場合はカード全体が加
熱されるが、ここでカードにサーマル材料の表示部(以
降「サーマル表示部」と称することがある)があってそ
の発色温度がTC材料の消去温度以下であれば、そのサ
ーマル表示部が発色してしまうのでカードは改ざんでき
なくなる。
【0009】TC材料層即ちTC材料の表示部(以降
「TC表示部」と称することがある)とサーマル表示部
とを面方向に交互に位置させておけば、改ざん防止の効
果はさらにあがる。また、サーマル表示部を発色前には
表示部であることが判らないように目立たない配色にし
たり目立たない場所に配置しておくことも有効である。
もっとも、改ざんしようとする者が加熱方法を工夫する
ことにより加熱する場所をTC表示部に限定できた場合
は、単に表示部を併在させる方法では改ざん防止が出来
ない。
【0010】だが、カードの表示部をサーマル材料の層
(以降「サーマル層」と称することがある)の上にTC
材料層(以降「TC層」と称することがある)を重ねた
構成を採用することによって改ざんの防止は可能とな
る。即ち、この構成では、上層であるTC層への書込み
と消去とをサーマルヘッドの瞬間的な加熱で行なえば、
下層であるサーマル層に届く熱がTC層に較べて少ない
ために、たとえサーマル層の発色温度がTC層の消去温
度よりも低くても発色を起こさないようにできる。そし
て、これをアイロンなどで加熱したときには熱がサーマ
ル層まで伝わるのでサーマル層が発色してしまい、改ざ
んが露呈する。従って、本発明に係るカードはサーマル
ヘッドの様な瞬間的に加熱する加熱する方法でなければ
書き込みも消去もできない。
【0011】改ざんしようとする者が、カードを読み書
きする装置を持っていれば、以上述べたような改ざん防
止方法は勿論すべて通用しないので、計画的・組織的な
不正改ざんに対しては防止効果はない。しかし、一般人
がいわゆる「できごころ」でカードを改ざんするような
ことなら充分それを防止することができる。
【0012】本発明における書換えのできない感熱記録
材料とは、加熱によって消色または発色をおこし、もと
には戻らない材料を意味している。このような材料の種
類としては、ロイコ染料などの染料系材料や金属塩、金
属箔などがある。これらの材料の中で低い発色温度を得
やすいロイコ系染料が本発明には特に適している。但
し、本発明の表示部の層構成を考えると、加熱により透
明及び白濁の状態を可逆的に変化させるTC材料を用い
た場合には、TC層の表示部のコントラストを上げるた
めに、TC層の下には黒色または濃く暗い色の層か或い
はアルミニウム、ニッケル、スズなどの蒸着層のような
鏡面反射する層を設けるのが望ましい。従って、発色前
のサーマル層としては、鏡面反射は無理であるから、色
が黒色や濃く暗い色又は透明な層で形成しておくのが有
利である。黒色や濃く暗い色のサーマル層の場合は加熱
すると、色が消えるか或いは明るい色に変わることが望
ましい。このような材料の例としては、ロイコ染料と酸
化化合物とを予め接触反応させて得られた染料と、消色
剤とを支持体の同一面に塗布したものなどがある。
【0013】一方、加熱前に透明なサーマル層の場合
は、加熱によって黒やその他の暗い色に発色することが
望ましい。このような材料としては無色のロイコ染料を
マイクロカプセル化し、このカプセルと顕色剤とを乳化
分散して塗布したものなどがある。サーマル層は加熱に
より消色又は別の色に変わり、あるいは、黒色などに発
色した場合、これが改ざんである旨判りやすく層形成し
ておくのが望ましい。
【0014】本発明における可逆性感熱記録材料とは、
温度変化によって目に見える変化を可逆的に起こす材料
を意味している。“目に見える変化”は色調の変化と形
状の変化に分けられるが、本発明では主に色調の変化を
起こす材料を使用する。色調の変化には透過率、反射
率、吸収波長、散乱度などの変化があり、実際の可逆性
感熱記録材料はこれらの変化の組合わせで表示を行なっ
ている。より具体的には、 (イ)透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料 (ロ)染料等の色彩が可逆的に変化する材料 という2種類の系統に現状では分類できる。
【0015】前記(イ)としては従来の技術でも述べた
ように、ポリエステル等の樹脂母材中に高級アルコー
ル、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した感熱層を
設けたものが代表例として挙げられ、また、前記(ロ)
としては従来のロイコ系感熱記録材料の可逆性を増強し
たもの(例えば特開平2−188293号、特開平2−
188294号などの公報に記載)等がある。
【0016】実際に本発明に係る改ざん防止カードをつ
くるには、樹脂フィルム、合成紙、その他適当な支持
体の表面に、直接又は反射層を介して、書換え不能な感
熱記録材料層を形成し、更にその上に、書換え可能な感
熱記録材料層を形成し、必要に応じて、支持体の裏面に
磁気記録層を形成するか、又は支持体の表面に磁気記
録層、書換え不能な感熱記録材料層、書換え可能な可逆
性感熱記録材料層をこの順で形成するかすればよい。こ
れらの改ざん防止カードの表面及び/又は裏面に
は、必要な記述が印刷によって施されてよいことは言う
までもない。
【0017】また、前記の書換え可能な可逆性感熱記録
材料層(TC層)上には、このTC層を保護するために
保護層を設けることができる。TC層上に積層する保護
層(厚さ0.1〜5μm)の材料としては、シリコーン
系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−221087号
公報に記載)、ポリシロキサングラフトポリマー(特願
昭62−152550号に記載)や紫外線硬化樹脂又は
電子線硬化樹脂(特願昭63−310600号に記載)
等が挙げられる。いずれの場合も、塗布時に溶剤を用い
るが、その溶剤は、TC層の樹脂ならびに有機低分子物
質を溶解しにくいほうが望ましい。TC層の樹脂及び有
機低分子物質を溶解しにくい溶剤としてはn−ヘキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等が挙げられ、特にアルコール系の溶剤が
コスト面から望ましい。
【0018】更にまた、保護層形成液の溶剤やモノマー
成分等からTC層を保護するために、保護層とTC層と
の間に中間層を設けることができる(特開平1−133
781号公報に記載)。中間層の材料としてはTC層中
の樹脂母材として挙げたものの他に下記のような熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂が使用可能である。即ち、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、飽和
ポリエステル、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げ
られる。中間層の厚さは0.1〜2μmくらいが好まし
い。
【0019】かかるカードの可逆性感熱記録材料に対す
る書込み方法としては従来の不可逆な感熱記録材料と同
様の方法が使える。具体的には、 (1)サーマルヘッドやホットスタンプの様に電気的に
加熱した書込み素子を感熱記録材料に接触させる (2)原稿に強い光を当て、色の濃い部分が高温になっ
た原稿を感熱記録材料に接触させて転写する などの書込み方法がある。
【0020】また、可逆性感熱記録材料の消去方法とし
ては、書込みと同様にサーマルヘッドやホットスタンプ
で消去が可能である。この方法は感熱表示部のうちで任
意の領域のみを消去することが可能な点ですぐれてい
る。中でもサーマルヘッドによる消去は、書込み及び消
去を一つのサーマルヘッドで兼用させることも可能であ
って、特にすぐれている。記録面全体を消去するのであ
れば、ヒートローラーやホットプレートなどのような大
面積の恒温発熱体による加熱で消去する方法もある。こ
の方法では消去を高速に行なうことが可能な点が優れて
いる。その他の消去方法としては、赤外線などの電磁波
による加熱や、温風などの恒温の流体による加熱があ
る。これらの消去方法は、複数のカードを同時に消去す
るような場合に特に有効である。
【0021】なお、「樹脂母材と樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質で構成され、加熱により透明と白濁の
状態を可逆的に変化させる材料」における透明状態と白
濁不透明状態との違いは次のように推測される。すなわ
ち、(I)透明の場合には樹脂母材中に分散された有機
低分子物質の粒子は有機低分子物質の大きな粒子で構成
されており、片側から入射した光は散乱されること無く
反対側に透過するため透明に見えること、また、(I
I)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質の微細な結晶が集合した多結晶で構成され、個々の
結晶の結晶軸がいろいろな方向を向いているため片側か
ら入射した光は有機低分子物質粒子の結晶の界面で何度
も屈折し、散乱されるため白く見えること、等に由来し
ている。
【0022】図1(熱による透明度の変化を表わしてい
る)において、樹脂母材と、この樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質とを主成分とするTC層は、例えばT
0以下の常温では白濁不透明状態にある。これを温度T2
に加熱すると透明になり、この状態で再びT0以下の常
温に戻しても透明のままである。これは温度T2からT0
以下に至るまでに有機低分子物質が半溶融状態を経て多
結晶から単結晶へと結晶が成長するためと考えられる。
更にT3以上の温度に加熱すると、最大透明度と最大不
透明度との中間の半透明状態になる。次に、この温度を
下げて行くと、再び透明状態をとることなく最初の白濁
不透明状態に戻る。これは温度T3以上で有機低分子物
質が溶融後、冷却されることにより多結晶が析出するた
めであると考えられる。なお、この不透明状態のものを
1〜T2間の温度に加熱した後、常温即ちT0以下の温
度に冷却した場合には透明と不透明との中間の状態をと
ることができる。また、前記常温で透明になったものも
再びT3以上の温度に加熱した後常温に戻せば、再び白
濁不透明状態に戻る。即ち、常温で不透明及び透明の両
形態並びにその中間状態をとることができる。従って、
熱を選択的に与えることによりTC層を選択的に加熱
し、透明地に白濁画像、白濁地に透明画像を形成するこ
とができ、その変化は何回も繰り返することが可能であ
る。
【0023】本発明に係るTC層を形成するには、一般
に(1)樹脂母材及び有機低分子物質の2成分を溶解し
た溶液、又は(2)樹脂母材の溶液(溶剤としては有機
低分子物質のうちの少なくとも1種を溶解しないものを
用いる)に有機低分子物質を微粒子状に分散した分散液
をサーマル層上に塗布乾燥せしめればよい。
【0024】TC層形成用溶剤としては、樹脂母材及び
有機低分子物質の種類によって種々選択できるが、例え
ばテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノー
ル、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。なお、分散液
を使用した場合はもちろんであるが、溶液を使用した場
合も得られるTC層中では有機低分子物質は微粒子とし
て析出し、分散状態で存在する。
【0025】TC層に使用される樹脂形成母材は有機低
分子物質を均一に分散保持した層を形成すると共に、最
大透明時の透明度に影響を与える材料である。このため
樹脂母材は透明性が良く、機械的に安定で、且つ成膜性
の良い樹脂が好ましい。このような樹脂としては、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
アクリレート共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩
化ビニリデン系共重合体;ポリエステル;ポリアミド;ポ
リアクリレート又はポリメタクリレート或いはアクリレ
ート−メタクリレート共重合体;シリコン樹脂等が挙げ
られる。これらは単独で或いは2種以上混合して使用さ
れる。
【0026】一方、有機低分子物質としてはTC層中で
熱により多結晶から単結晶に変化するものであればよ
く、一般に融点30〜200℃好ましくは50〜150
℃程度のものが使用される。このような有機低分子物質
としてはアルカノール;アルカンジオール;ハロゲンア
ルカノールまたはハロゲンアルカンジオール;アルキル
アミン;アルカン;アルケン;アルキン;ハロゲンアル
カン;ハロゲンアルケン;ハロゲンアルキン;シクロア
ルカン;シクロアルケン;シクロアルキン;飽和または
不飽和モノまたはジカルボン酸又はこれらのエステル、
アミド又はアンモニウム塩;飽和または不飽和ハロゲン
脂肪酸またはこれらのエステル、アミド又はアンモニウ
ム塩;アリルカルボン酸またはそれらのエステル、アミ
ド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリルカルボン酸また
はそれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;チオ
アルコール;チオカルボン酸又はそれらのエステル、ア
ミンまたはアンモニウム塩;チオアルコールのカルボン
酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以
上混合して使用される。これらの化合物の炭素数は10
〜60、好ましくは10〜38、特に好ましくは10〜
30である。エステル中のアルコール基部分は飽和して
いても飽和していなくてもよく、またハロゲン置換され
ていてもよい。いずれにしても有機低分子物質は分子中
に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少くとも1種、例え
ば−OH、−COOH、−CONH−、−COOR、−
NH−、−NH2、−S−、−S−S、−O−、ハロゲ
ン等を含む化合物であることが好ましい。
【0027】更に具体的には、これら化合物としてはラ
ウリン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカ
ン酸、アラギン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ステア
リン酸メチル、ステアリン酸テトラデシル、ステアリン
酸オクタデシル、ラウリン酸オクタデシル、パルミチン
酸テトラデシル、ベヘン酸ドデシル等の高級脂肪酸のエ
ステル;C1633−O−C163 , C1633−S−C
1633 ,C1837−S−C1837 , C1225−S−
1225 ,C1939−S−C1939 , C1225−S
−S−C1225 , 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪
酸が好ましく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好
ましい。
【0028】透明化できる温度の巾を広げるには、この
明細書において記載した有機低分子物質を適宜組合せる
か、または、そうした有機低分子物質と融点の異なる他
の材料とを組合せればよい。これらは例えば特開昭63
−39378号、特開昭63−130380号などの公
報や、特願昭63−14754号、特願平1−1401
09号などの明細書に開示されているが、これらに限定
されるものではない。なお、TC層中の有機低分子物質
と樹脂母材との割合は、重量比で2:1〜1:16程度
が好ましく、1:1〜1:3が更に好ましい。樹脂母材
の比率がこれ以下になると、有機低分子物質を樹脂母材
中に保持した膜を形成することが困難となり、またこれ
以上になると、有機低分子物質の量が少ないため、不透
明化が困難になる。
【0029】TC層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、高沸点溶剤等の
添加物を添加することができる。これらの添加物の具体
例は次の通りである。高沸点溶剤の例; リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸
ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オ
クチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
イソノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイ
ソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチ
ル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−
エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエ
チレングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチル
リシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブ
チルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸ト
リブチル。
【0030】界面活性剤、その他の添加物の例; 多価アルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高
級アルキルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステ
ル、高級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂
肪酸高級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又は
ポリプロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド
付加物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼン
スルホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;高級脂肪酸、
芳香族カルボン酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スル
ホン酸、硫酸モノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エ
ステルのCa、Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長
鎖アルキルアクリレート;アクリル系オルゴマー;ポリ
長鎖アルキルメタクリレート;長鎖アルキルメタクリレ
ート〜アミン含有モノマー共重合体;スチレン〜無水マ
レイン酸共重合体;オレフィン〜無水マレイン酸共重合
体。
【0031】
【実施例】下記に実施例をあげ、本発明をさらに具体的
に説明する。ここでの部は重量基準である。
【0032】実施例1 カードの作成 約188μm厚の白色PET(支持体)上に、 γ−Fe23 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 10部 (UCC社製、VAGH) イソシアネート 2部 (日本ポリウレタン社製、コロネートL:50%トルエン溶液) メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
10μm厚の磁気記録層を設けた。その反対面にアルミ
ニウムを約400オングストローム厚となるように真空
蒸着し、光反射層を設けた。その上に、ストライプ状に
下記のA液とB液を1:1で混合した液を塗工して厚さ
約5μmのサーマル表示部を設けた。 [A液] クリスタルバイオレットラクトン 10部 ステアリン酸アミド 15部 シリカ 5部 PVA10%水溶液 10部 水 60部 上記組成物をボールミルで分散した。 [B液] ビスフェノールA 20部 PVA10%水溶液 20部 水 60部 上記組成物をボールミルで分散した。このサーマル表示
部上に ベヘン酸 70部 エイコサン2酸 30部 フタル酸ジイソデシル 2部 塩化ビニル/酢酸ビニル/リン酸エステル共重合体 25部 (電気化学工業社製、デンカビニル#1000P) THF 150部 トルエン 15部 よりなる液を塗布し、加熱乾燥して約5μm厚のTC表
示部を設けたて本発明のカードを作成した。このように
構成されたカードの可逆性表示部をサーマルヘッドで印
字及び消去をおこなったところ、鮮明な画像形成及びク
リアな画像消去が可能であった。これは、100回以上
画像の形成と消去を繰返しても劣化は見られなかった。
また、このカード全体を90℃の湯の中に浸漬したとこ
ろ、可逆性感熱記録材料の表示部の画像は消去された
が、書換えの出来ない感熱記録材料の表示部が発色し、
改ざんしようとしたことが明らかに判った。
【0033】実施例2 実施例1と同様のPETフィルム上にアルミの反射層、
更にその上にTC層を設けた。その反対面に磁気記録層
を設け、その上に実施例1と同様にしてサーマル表示部
を設けて本発明に係るカードを作成した。このカードも
サーマルヘッドによるTC表示部の書込み及び消去は実
施例1と同様なんの支障もなく、またカードの磁気層の
側にあるサーマル表示部には熱が伝わらず発色しなかっ
た。次に、このカードの印字した部分だけをホットスタ
ンプを用いて消去しようと試みたところ、TC表示部は
消去できたが、裏のサーマル表示部にまで熱が伝わって
しまい、サーマル表示部が発色したため、改ざんしよう
としたことが明らかに判った。ホットスタンプによる加
熱温度を短くして再度消去を試みたところ100枚試し
て2〜3枚しか消去できず、非常に困難だった。
【0034】実施例3 下記構造式(化1)の塩基性染料30部と安息香酸べン
ジル30部をポリビニルアルコール5%水溶液250部
に加え、まず96℃に加熱した。その後で常温に戻し、
ボールミルで平均粒径が約3μmになるように分散し、
発色剤液とした。
【化1】 次に、トリフェニルグアニジン30部をポリビニルアル
コール5%水溶液150部に加えボールミルで平均粒径
約2μmになるように分散し、発色剤液とした。次に、
実施例1と同様にして厚さ125μmのPETフィルム
上に磁気記録層を設け、その反対の面には「このカード
の改ざんは犯罪になります」と文字を印刷した。そして
印刷面側の全面に、 発色剤液 30部 消色剤液 70部 50%スチレンブタジェンラテックス 10部 を塗工して、厚さ約10μmの青色サーマル層を設け
た。次に厚さ約50μmのPETフィルムの片面全体に
実施例1と同様のTC層を設けた。最後にTC層を設け
たPETフィルムとサーマル層を設けたPETフィルム
とを張り合わせて本発明に係るカードを作成した。この
とき、表示部として使用する四角い領域からは接着剤を
除いて、フィルムとフィルムの間に空気の層が残るよう
にした。このカードもサーマルヘッドによるTC表示部
の書込み及び消去は実施例1と同様なんの支障もなく、
またTC層の下にあるサーマル層には熱が伝わらないの
で消色せず、青い色を保持していた。次に、このカード
の印字した部分だけをホットスタンプを用いて消去しよ
うと試みたところ、TC表示部は消去できたが、サーマ
ル層にまで熱が伝わってしまい、サーマル表示部が消色
して透明になったため、「カードの改ざんは法律により
犯罪となります」の文字が透けて見えて、改ざんしよう
としたことが明らかに判った。ホットスタンプによる加
熱温度を短くして再度消去を試みたが、結局サーマル層
の発色を抑えることはできなかった。
【0035】実施例4 実施例1と同様にしてPETフィルム上に磁気記録層と
アルミの反射層を設け、反射層の上に下記のC液とD液
を1:2の比率で混合した液を全面に塗工して厚さ5μ
mのほぼ透明なサーマル層を設けた。さらに、サーマル
層の上に実施例1と同じTC層を全面に設けて図4のよ
うな構成のカードを作成した。 [C液] 2−アニリノ−3−メチル−6−N− エチル−N−ブチルアミノフルオラン 14部 タケネートD−110N 60部 (武田薬品製カプセル壁剤) スミソープ200 2部 上記組成物を 1−フェニル−1−キシリルエタン 55部 メチレンクロライド 55部 の混合洋媒に溶解して染料液を得た。この染料液を ポリビニルアルコール(8%水溶液) 100部 水 40部 スルホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩 1.4部 の水溶液に混合し、乳化分散をしながら40℃で3時間
反応させてカプセル化し、カプセルの分散液とした。 [D液]下記構造式の顕色剤
【化2】
【化3】
【化4】 を 1−フェニル−1−キシリルエタン 8部 酢酸エチル 30部 に溶解し、得られた顕色剤溶液を ポリビニルアルコール(8%水溶液) 100部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.5部 の水溶液に混合して乳化分散物とした。このように構成
されたカードもサーマルヘッドによるTC表示部の書込
み及び消去は実施例1と同様なんの支障もなく、またT
C層の下にあるサーマル層には熱が伝わらないので消色
せず、透明性を保持していた。次に、このカードの印字
した部分だけをホットスタンプを用いて消去しようと試
みたところ、TC表示部は消去できたが、サーマル層に
まで熱が伝わってしまい、サーマル表示部が発色して黒
色になったため、改ざんしようとしたことが明らかに判
った。ホットスタンプによる加熱温度を短くして再度消
去を試みたが、結局サーマル層の発色を抑えることはで
きなかった。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明により、可逆性感熱
記録材料を用いた書換え可能な表示部を備えたカードに
おいて、そのカードの改ざんを防止することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるTC層の温度変化に対する透明
・不透明の状態を説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B42D 15/10 P 9111−2C G06K 19/10 G11B 25/04 U 8623−5L G06K 19/00 R (72)発明者 小長谷 行夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 諸星 邦親 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 野際 通 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に書換え不可能な感熱記録材料
    層及び書換え可能な可逆性感熱記録材料層を有し、か
    つ、前記の書換え不可能な感熱記録材料層はその発色又
    は消色の温度が可逆性感熱記録材料の消去温度の下限以
    下であることを特徴とする改ざん防止カード。
  2. 【請求項2】 支持体上に書換え不可能な感熱記録材料
    層及び書換え可能な可逆性感熱記録材料層を有し、か
    つ、前記の書換え可能な層が書換え不可能な層よりも表
    面側に位置してなることを特徴とする改ざん防止カー
    ド。
  3. 【請求項3】 前記の書換え可能な可逆性感熱記録材料
    層は樹脂母材及びその樹脂母材に分散された有機低分子
    物質を主成分とし、加熱により透明と白濁との状態を可
    逆的に変化させる材料で構成されたものである請求項1
    又は2記載の改ざん防止カード。
  4. 【請求項4】 前記書換え不可能な感熱記録材料は、加
    熱前には黒色または暗く濃い色を持ち、加熱後は色が消
    えるか又は別の色に変化する材料である請求項1又は2
    記載の改ざん防止カード。
  5. 【請求項5】 前記書換え不可能な感熱記録材料は、加
    熱前には透明であり、加熱すると発色する材料である請
    求項1又は2記載の改ざん防止カード。
  6. 【請求項6】 前記書換え不可能な感熱記録材料は、改
    ざんしたことを示す文字または記号として予め印刷され
    ていて、加熱されると発色することにより改ざんしたこ
    とを示す文字または記号が表われるものである請求項1
    又は2記載の改ざん防止カード。
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