JPH0537887Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は乗物用ワイパー装置に用いられるワイ
パーアーム装置に関し、特に刷掃されるガラスな
どの面にワイパーブレードエレメントを押圧する
力を調整する手段を備えたワイパーアーム装置に
関する。

（従来の技術） ワイパーアーム装置は、通常、ワイパーアーム
装置を所定の軸の周囲に揺動させる駆動手段に取
付けられるアームヘツドと、前記軸にほぼ平行な
平面内で揺動し得るようにアームヘツドに取付け
られてワイパーブレードを担持するリテーナと、
アームヘツド及びリテーナ間に張設されてリテー
ナを所定の方向に、すなわち刷掃されるガラスな
どの面の方に、付勢するアームスプリングとを有
する。

従来、この種のワイパーアーム装置における上
記の押圧力の調整は、アームスプリングを単に伸
縮させたり、あるいは、アームスプリングの取付
部材をガラス面方向に移動させるなどの手段によ
つて行なわれていた。

（考案が解決しようとする問題点） アームスプリングの張力は相当大きいので、こ
れを伸縮させたり、あるいはその取付部材を移動
させるための装置しとて電動モータ及び減速歯車
をワイパーアーム装置自体に組み込んだものがあ
る。このワイパーアーム装置が外形が大きくて重
く、機構も複雑であり、しかも高価である。

電動モータや減速装置のような複雑で高価な装
置を用いず、手動でアームスプリングの伸縮や取
付部材の移動を行なうようにしたワイパーアーム
装置もある。この装置は、外形の大きさ、機構、
製造コストなどの観点からは問題が無いのである
が、実用上不便な点がある。すなわち、このワイ
パーアーム装置が例えば自動車のウインドワイパ
ーに用いられた場合、走行条件などに応じてワイ
パーアーム装置のワイパーブレードエレメント押
圧力を変えるには、自動車を停止させ、車外に出
てワイパーアーム装置に所要の操作を施すという
煩わしい手間が掛かるのである。

本考案は、上記のような従来のワイパーアーム
装置の問題点を解決して、小型、軽量で機構が単
純であり、しかも安価なワイパーアーム装置を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の目的を達成するため、上記の
軸にほぼ平行な面内で揺動し得るようにリンクを
アームヘツドに枢着し、このリンクの枢軸から上
記の軸の方へ離れた部位にアームスプリングの一
端を取付け、このリンクのアームヘツドに対する
角度を調整する調整手段を設けたものである。

（作用） 上記調整手段によつてリンクのアームヘツドに
対する角度を変えれば、このリンクに一端が取付
けられてるアームスプリングの作用線の方向が変
化する。この作用線の方向の変化に伴つて、アー
ムスプリングがリテーナに及ぼす作用、すなわち
リテーナをワイパーブレードと共に刷掃面の方へ
付勢する作用の大きさが変化する。

（実施例） 次に、添付図面を参照して本考案の実施例を説
明する。

第１図は、風圧を利用して押圧力を調整するよ
うにした本考案の実施例であるワイパーアーム装
置１０を示す側面図である。ワイパーアーム装置
１０は、軸１２の周囲に揺動し得るように、電動
モータ等を含む駆動装置（図示せず）に接続され
るアームヘツド１４を有する。リテーナ１６がそ
の一端において回転つがい１８によりアームヘツ
ド１４に結合されており、矢印２０，２２で示す
ように、軸１２を含む平面（図の紙面と平行な
面）内で枢軸２４の周囲に揺動自在である。リテ
ーナ１６の他端には、ワイパーブレード（図示せ
ず）を支えるアーム２６の一端部が固着されてい
る。

アームヘツド１４とリテーナ１６との間にアー
ムスプリング２８が張設されている。アームスプ
リング２８の一端は、アーム２６の端部の孔２９
に掛止され、他端は、フツク３０を介して、アー
ムヘツド１４に枢着されたリンク３２の中間部の
ローラピン３４に取付けられている。

リンク３２は、アームヘツド１４に枢軸２４と
平行に設けられた枢軸３６の周囲に揺動自在であ
る。リンク３２の揺動し得る範囲は、リンク３２
の中立位置（すなわち、アームスプリング２８の
作用線８０が枢軸３６を通ることとなる位置）の
一方の側においてアームヘツド１４に形成された
ストツパ３８と、他方の側に形成されたアームヘ
ツド１４の壁４０とによつて画定されている。

リンク３２の角度を調整する手段は、第１図の
実施例では、図示したように彎曲した風受板４２
を含む。風受板４２は、適当な案内手段（図示せ
ず）によつて案内され、風受板ストツパ４４で画
定される実線で示す位置と、点線で示す位置との
間を平行移動することが出来る。風受板４２は、
以下に述べる機構を介してリンク３２に結合され
ており、風受板４２の位置に応じてリンク３２の
角度位置が変化するようになつている。

風受板４２の底部の外面の突部４６の先端部
に、突部４６の長手方向に垂直なピン４８が突設
されている。突部４６と交差するようにレバー５
０が設けられている。レバー５０は、ピボツトピ
ン５４の周囲に揺動自在であり、一端部の近傍に
長孔５２が形成されている。ピン４８は長孔５２
に係合しており、風受板４２が矢印５６の方向に
移動すると、ピン４８は長孔５２の中をレバー５
０の長手方向に移動してレバー５０をピボツトピ
ン５４の周囲に揺動させる。

レバー５０の他端部にスプリング５８の一端が
掛止されている。スプリング５８の他端部は、フ
レキシブルワイヤ装置６４の取付部品６０を介し
て取付板６２に取付けられている。このスプリン
グ５８は無負荷時にはレバー５０を実線位置に引
張り保持している引張ばねである。フレキシブル
ワイヤ装置６４の他方の取付部品６６は、取付板
６８に固着されている。取付板６８は、軸１２と
連動させてもよく、アームヘツド１４と一体的に
形成してもよい部材である。フレキシブルワイヤ
装置６４のワイヤ７０は、リンク３２の自由端の
ピン７２とレバー５０の一端部のピン７４とに接
続されて、リンク３２とレバー５０とを連動させ
る。

この実施例は次のように作用する。すなわち、
風受板４２の風受面７６に作用する風圧７８が所
定値以下であるときは、レバー５０の一端部のピ
ン７４を取付板６２に引付けるスプリング５８の
作用により風受板４２は風受板ストツパ４４に押
圧され、風受板４２、レバー５０、リンク３２、
フツク３０及びアームスプリング２８はそれぞれ
図に実線で示す位置に保たれる。一方、風圧７８
が上記所定値より大きくなつてスプリング５８を
圧倒すると、風受板４２に作用する風圧が突部４
６のピン４８を介してレバー５０に作用してレバ
ー５０を反時計方向に回動させる。レバー５０の
反時計方向への回動に伴つてリンク３２が時計方
向に回動する。リンク３２は、風圧により時計方
向に回動されて上述の中立位置を越えると、風圧
の作用にアームスプリング２８の作用が加わつて
更に急速に時計方向に回動し、ストツパ３８に当
接して停止する（第１図の点線の位置）。このよ
うにして、リンク３２は、中立位置の一方の側か
ら他方の側へ風圧により自動的に移動される。図
から明らかなように、リンク３２が実線の位置か
ら時計方向に回動すると、アームヘツド１４及び
リテーナ１６に対するアームスプリング２８の作
用線の方向８０が変化し、この作用線方向の変化
に対応して、リテーナ１６の矢印２２の方向へ付
勢するアームスプリング２８の作用が大となる。
リンク３２を押し下げる力とスプリング５８の張
力をほぼ等しくしておけば無段階にワイパーブレ
ードエレメントの押圧力を変えることもできる。

この実施例は、ワイパーブレードを担持したリ
テーナ１６の刷掃面の方（矢印２２の方向）へ付
勢する作用の大きさを風圧に応じて自動的に調整
するように構成されている。従つて、例えば自動
車などの乗物の風防ガラス窓などに用いるのに適
している。

（考案の効果） 本考案のワイパーアーム装置においては、アー
ムヘツドに枢着したリンクにアームスプリングの
一端を取付けたので、小さな力でアームスプリン
グの作用線の方向を変化させてワイパーブレード
エレメント押圧力を変化させることができる。こ
の機構は単純なので、製造も容易で安価であり、
故障し難く、また故障した場合にも故障箇所を容
易に発見することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例であるワイパーアーム
装置を示す略側面図である。 符号の説明、１０……ワイパーアーム装置、１
２……軸（ワイパーシヤフト）、１４……アーム
ヘツド、１６……リテーナ、１８……回転つが
い、２４……枢軸、２６……アーム、２８……ア
ームスプリング、３０……フツク、３２……リン
ク、３６……枢軸、４２……風受板、４６……突
部、４８……ピン、５０……レバー、５４……ピ
ボツトピン、５８……スプリング、６４……フレ
キシブルワイヤ装置、６８……取付板、７０……
ワイヤ、７２……ピン、７４……ピン、８０……
作用線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ワイパーアーム装置１０を所定の軸１２の周囲
   にて揺動させるため一端が該軸１２に取付けられ
   ているアームヘツド１４と、前記軸１２にほぼ平
   行な平面内で揺動し得るように一端が前記アーム
   ヘツド１４の他端に取付けられ、他端がワイパー
   ブレードを担持しているリテーナ１６と、前記ア
   ームヘツド１４とリテーナ１６との間に張設され
   前記リテーナ１６を所定方向に付勢しているアー
   ムスプリング２８と、を有するワイパーアーム装
   置１０において、 前記軸１２にほぼ平行な平面内で枢軸３６回り
   を揺動するように前記アームヘツド１４にリンク
   ３２を枢着し、前記リンク３２の枢軸３６から前
   記軸１２の方へ離れた部位に前記アームスプリン
   グ２８の一端が直接あるいはフツク３０を介して
   取付けてあり、前記リンク３２を枢軸３６周りに
   回動し、これによりワイパーブレードの押圧力を
   調整自在とした調整手段を備えて成り、 前記調整手段は、風圧に応じて移動する風受板
   と、前記風受板及び前記リンクを連動させる装置
   と、を含むことを特徴とするワイパーアーム装
   置。