JPH0645400Y2 - ワイパブレード構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、ワイパブレード構造に関し、特に車輌等の高
速走行時に於けるワイパブレードの浮き上がりを防止す
るためのワイパブレード構造に関する。

＜従来の技術＞ 一般に、各種車輌には、ウィンドシールドのガラス面に
付着した雨滴等を払拭するためにワイパ装置が設けられ
ているが、車輌の走行時には、ガラス面を流れる気流に
より揚力が生じて、ワイパブレードが浮き上がり易くな
る。そこで、その浮き上がりを防止するためのフィンを
ワイパアームに設けて、気流を利用してワイパブレード
をガラス面に押し付けるものがある。

ところで、ウィンドシールドの後傾度の大きい車輌では
比較的長いワイパブレードを用いているが、その長さに
応じて揚力も大きくなるためフィンも大きくする必要が
ある。しかしながら、フィンを大きくすると、ワイパモ
ータのトルクも大きくしなければならず、高出力型のワ
イパモータが必要となり、ワイパ装置の製造コストが高
騰するという問題があった。

＜考案が解決しようとする課題＞ このような従来技術の問題点に鑑み、本考案の主な目的
は、高速走行時に於けるワイパブレードの浮き上がりを
防止し、かつワイパブレード側の負荷を減少し得る改良
されたワイパブレード構造を提供することにある。

［考案の構成］ ＜課題を解決するための手段＞ このような目的は、本考案によれば、往復回動運動を行
うワイパアームと、ガラス面に付着した雨滴等を払拭す
るためのブレードラバーと、前記ブレードラバーを前記
ワイパアームの遊端部に連結するべく両者間に設けられ
た複数の支持レバーとを有するワイパブレード構造に於
て、前記ワイパアームに回動自在に中間部を枢支された
揺動レバーと、前記ブレードラバーの一端部を前記揺動
レバーの一端部に結合するための結合手段と、走行風に
より前記ガラス面に向かう力を発生するべく前記揺動レ
バーの他端部に設けられたフィンとを有することを特徴
とするワイパブレード構造を提供することにより達成さ
れる。

＜作用＞ このようにすれば、高速走行時には、その走行風により
フィンが受ける空気抵抗力が大きくなって、てこの作用
により、ブレードラバーの一端部をガラス面から離反さ
せる向きに揺動レバーが回動するため、ブレドラバーの
ガラス面に接触する長さが短くなったのと同じになると
共に、フィンに生じるガラス面に向かう力が、揺動レバ
ーを介してブレードラバーの残りの部分をガラス面に押
し付ける力として加わり、ブレードラバーの単位長さの
当りの押し付け力が大きくなる。従って、高速走行時に
ワイパブレードの浮き上りを防止するために、空気抵抗
力によるフィンの押し付け力を大きくする必要がないた
め、フィンを小形化でき、ワイパモータに対するワイパ
ブレード側の負荷を減らすことができる。

＜実施例＞ 以下に添付の図面を参照して本考案を特定の実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図に、本考案が適用された例えば自動車のワイパブ
レードが模式的に示されている。ワイパ装置の図示され
ないリンク機構のワイパ軸にワイパアーム１の基端部が
結合されており、ワイパアーム１が、ガラス面９に沿っ
て往復回動運動を行うようにされている。図に示される
ように、ワイパアーム１の遊端部には、例えば横ピン形
式のワイパブレード２が結合されている。

ワイパブレード２は、センタヒンジ式構造にて構成され
ており、ワイパアーム１の遊端部に結合された枢支ピン
３にはプライマリレバー５の基端部が回動自在に枢支さ
れており、プライマリレバー５の遊端部とブレードラバ
ー４の図に於ける左端部とが互いに結合されている。枢
支ピン３には、一対のセカンダリレバー６、７の基端部
が同様に枢支されており、各セカンダリレバー６、７の
遊端部が、互いに間隔をおいてブレードラバー４の中間
部と結合されている。更に、枢支ピン３には、プライマ
リレバー５よりも長い揺動レバー８の中間部が同様に支
持されており、揺動レバー８の一方の遊端部に設けられ
た結合部8aにより、ブレードラバー４の図に於ける右方
の端部4aが支持されている。

なお、ブレードラバー４がガラス面９の曲率の変化に追
従し得るように、枢支ピン３に巻回された図示されない
トーションスプリングのばね付勢力、各レバー５、６、
７、８の長さ、及びブレードラバー４自身の弾性力など
により、ブレードラバー４に適正な荷重分布が生じるよ
うにされている。

また、揺動レバー８は、枢支ピン３による枢支部に対し
て結合部8aとは相反する側にも延出されており、その延
出部にはフィン10が設けられている。このフィン10は、
走行時のガラス面９上の気流を受けて空気抵抗力を生じ
るように形成されており、その空気抵抗力により、結合
部8a側の遊端部をガラス面９から離反させるべく、図の
矢印Ａの向きに揺動レバー８を回動させることとなる。
従って、走行風によりフィン10が受ける空気抵抗力をも
って、揺動レバー８には、てこの作用により、上記した
トーションスプリングのばね付勢力に抗する図の矢印Ｍ
の向きのモーメントが作用することとなる。

次に作動要領について以下に示す。

比較的低速時には、ガラス面９上の走行風の風圧が弱い
ため、フィン10が受ける空気抵抗力が小さく、結合部8a
側の遊端部に作用する上記トーションスプリングのばね
付勢力及びブレードラバー４自身の弾性復元力よりも、
フィン10が受ける空気抵抗力によるモーメントＭの方が
小さいため、ブレードラバー４の端部4aがガラス面９に
押し付けられている第１図の状態である。従って、ブレ
ードラバー４がその全長Ｌに亘ってガラス面９に押し付
けられている。

次に、比較的高速時には、ガラス面９上の風圧が強くな
るため、フィン10が受ける空気抵抗力が大きく、上記し
た結合部8a側の遊端部に作用する力よりもフィン10が受
ける空気抵抗力によるモーメントＭの方が大きくなるた
め、第２図に示されるように、ブレードラバー４の端部
4aをガラス面９から離反させる向きに揺動レバー８が回
動する。すると、ガラス面９にはブレードラバー４の端
部4a側の非接触部分の長さａを除いた長さL-aのみが接
触するため、ワイパブレード２全体の単位長さ当りの押
し付け力が相対的に増加したのと同様になり、フィン10
による押し付け力を大きくすることなく、十分な押し付
け力を確保できる。従って、大きなフィン10を設けるこ
となく、高速時にもワイパブレード２に対する十分な押
付け力を確保することができるため、大型のワイパモー
タを設ける必要がない。

なお、高速走行時に於けるガラス面９に対して、ブレー
ドラバー４の持ち上げられた部分については払拭しなく
なるが、高速走行時の視野を確保するのに必要なエリア
を払拭するようにすれば良く、何ら不都合を生じること
がない。また、フィン10に作用する空気抵抗力もブレー
ドラバー４のガラス面９への押し付け力として加算され
るため、従来のフィン型ブレードと同様に揚力による浮
き上がりを好適に防止することができる。

［考案の効果］ このように本考案によれば、高速走行時には、ブレード
ラバーの一端部を揺動レバーを介してガラス面から離反
させると共に、残りの部分をガラス面に向けて押し付け
る力が生じるため、ブレードラバーの単位長さ当りの押
し付け力が相対的に大きくなり、比較的小さなフィンに
より十分な押し付け力を確保することができる。従っ
て、ワイパモータを小形化できるため、ワイパ装置の小
形化及び低廉化が可能であり、その効果は極めて大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案が適用されたワイパブレードを模式的
に示す図である。 第２図は、ワイパブレードの作動要領を示す第１図に対
応する図である。 １……ワイパアーム、２……ワイパブレード ３……枢支ピン、４……ブレードラバー ５……プライマリレバー ６、７……セカンダリレバー ８……揺動レバー、8a……結合部 ９……ガラス面、10……フィン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】往復回動運動を行うワイパアームと、ガラ
   ス面に付着した雨滴等を払拭するためのブレードラバー
   と、前記ブレードラバーを前記ワイパアームの遊端部に
   連結するべく両者間に設けられた複数の支持レバーとを
   有するワイパブレード構造に於て、 前記ワイパアームに回動自在に中間部を枢支された揺動
   レバーと、前記ブレードラバーの一端部を前記揺動レバ
   ーの一端部に結合するための結合手段と、走行風により
   前記ガラス面に向かう力を発生するべく前記揺動レバー
   の他端部に設けられたフィンとを有することを特徴とす
   るワイパブレード構造。