JPH0537006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は燃料注入の際に燃料タンク内のベーパ
をキヤニスタに導くベーパラインの開閉装置に関
する。

＜従来の技術＞ 自動車の燃料タンクの概略構造を第６図に示
す。１は燃料タンクで、２は燃料注入管、３は燃
料タンク１の上部から燃料注入管２上部近くに接
続されたブリーザパイプ（レベリングパイプ）、
４は燃料タンク１の上部に接続されたベーパパイ
プ、５はベーパパイプ４に設けられたキヤニスタ
である。

燃料注入管２に燃料注入ガンを挿入することに
より燃料タンク１内に燃料６は供給される。燃料
供給時燃料タンク１内の空気、ベーパ（燃料蒸
気）はブリーザパイプ３から放出され、液面がブ
リーザパイプ３の先端に達すると残りのベーパは
タンク１内に閉じ込められ、その圧力上昇が検知
されて燃料注入ガンは停止される。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 最近では燃料注入時に前記ブリーザパイプ３か
ら放出されるベーパをも車両内部で処理すること
が試みられている。つまり、ベーパパイプを通し
てキヤニスタで捕集し、従来と同様にエンジンル
ームに制御供給するのである。

ところで、燃料注入時に発生するベーパは既存
のベーパ捕集系統とは別系統で捕集することが望
ましい。これは、各キヤニスタで捕集したベーパ
をパージコントロールバルブにより最適に制御し
てエンジンルーム側に供給するためである。

本考案はこのような事情にかんがみてなされた
もので、燃料注入時に発生するベーパを新たに設
けたベーパラインを通して捕集するようにした場
合にこのベーパラインが燃料注入時以外は閉止さ
れるようにして、各ベーパ捕集系統の制御の容易
化を図ることを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成する本考案の構成は、燃料注入
管を介して内部に燃料が注入される燃料タンク
と、燃料蒸気を捕集するキヤニスタと、一端が上
記燃料タンク内に臨み他端が上記キヤニスタに連
結するベーパパイプと、同ベーパパイプに介設さ
れて上記燃料注入管に燃料注入ガンが挿入された
ときに上記ベーパパイプを連通するとともに上記
注入ガンが引き抜かれたときに上記ベーパパイプ
を遮断する開閉弁とを備えたことを特徴とするベ
ーパライン開閉装置に存する。

＜作用＞ 燃料タンク内に燃料を供給するために燃料注入
管に燃料注入ガンを挿入すると開閉弁が開かれ
る。従つて、燃料注入時に発生するベーパはベー
パパイプを通つてキヤニスタに捕集される。燃料
の注入が終了し燃料注入ガンが引き抜かれると開
閉弁も閉じ、以後当該ベーパパイプにベーパが導
かれることはない。

＜実施例＞ 第１図には本考案に係るベーパライン開閉装置
の一実施例の全体概略構成を示してあり、第２図
には第１図中の部詳細を示してあり、第３図、
第４図には開閉弁の詳細、第５図には液面高さ制
御弁の詳細を示してある。

１は燃料タンクで、燃料６を注入するための燃
料注入管２が接続されている。又、燃料タンク１
の上部には従来のものと同じ第１ベーパパイプ４
が設けられ、この第１ベーパパイプ４はキヤニス
タ５に接続されている。キヤニスタ５はエンジン
の燃料供給側に接続され、捕集したベーパをエン
ジンルームに制御供給するようになつている。第
１ベーパパイプ４、キヤニスタ５等からなるこの
ベーパ捕集系はおもに燃料注入時以外において発
生するベーパを捕集する働きをなす。

燃料タンク１内の上部には第２ベーパパイプ１
１の一端が臨み、この第２ベーパパイプ１１の他
端は開閉弁１２を介してキヤニスタ１３に接続さ
れている。このキヤニスタ１３も前記キヤニスタ
５と同様にエンジンの燃料供給側に接続され、捕
集したベーパをエンジンルームに制御供給するよ
うになつている。第２ベーパパイプ１１、キヤニ
スタ１３等からなるこのベーパ捕集系は燃料注入
時に発生するベーパを捕集するものであり、従つ
て、前記開閉弁１２は燃料注入時にのみ開とな
り、それ以外のときは閉となるようになつてい
る。

開閉弁１２の構造、その開閉機構を第２図ない
し第３図に基づき説明する。

開閉弁１２は燃料注入管２の上部近くに設けら
れており、そのバルブボデー１４には接続部１
５，１６が形成されており、その一方の接続部１
５には第２ベーパパイプ１１の燃料タンク１側が
接続され、他方の接続部１６には第２ベーパパイ
プ１１のキヤニスタ１３側が接続されている。バ
ルブボデー１４内には環状にバルブシート１７が
形成されており、バルブシート１７に対し密着す
るようにばね１８によりばね力が付与されて弁体
１９が設けられている。弁体１９周面にはバルブ
シート１７との密着度合を高めるためのパツキン
グ２０が設けられている。この弁体１９の移動に
より前記接続部１５，１６同士は連通あるいは遮
断される。前記弁体１９にはロツド２１が一体と
なつており、このロツド２１が燃料注入管２の上
部に移動自在に貫通している。図中、２４はロツ
ド２１と燃料注入管２との密封を図るためのパツ
キンである。一方、燃料注入管２内の上部には、
燃料注入ガン先端のノズル２２の挿入により開動
されるトラツプドア２３が設けられており、この
トラツプドア２３の開放動範囲内に前記開閉弁１
２のロツド２１が臨まされている。従つて、トラ
ツプドア２３がノズル２２により押し開けられる
と、ロツド２１が押し上げられ、ロツド２１と一
体の弁体１９が移動して開閉弁１２が開とされ
る。ノズル２２が引き抜かれてトラツプドア２３
が閉まると、弁体１９はばね１８により押し戻さ
れ、バルブシート１７に着座し、開閉弁１２は閉
となる。

尚、第２ベーパパイプ１１の燃料タンク１内に
臨む端部には液面高さ制御用バルブ２５が取付け
られている。このバルブ２５はバルブボデー２６
とフロート２７とからなつている。バルブボデー
２６は段付円筒状をなし、その上部はベーパ通路
２８となつており、上部側部には第２ベーパパイ
プ１１と接続するための接続管部２９が設けられ
ている。図中、３０は接続管部２９をベーパパイ
プ１１端部に留めるためのバンドである。バルブ
ボデー２６において前記ベーパ通路２８の下側に
はテーパ状のバルブシート部３１が形成されてお
り、更にその下側には複数の縦長の流入口３２が
開口されている。バルブボデー２６の下端には、
中心部にガイド軸３３を有する底板３４が嵌着さ
れている。底板３４の周縁部において前記流入口
３２に対応した位置には爪３５が穿設され、底板
３４をバルブボデー２６下部に嵌め込んだとき
に、この爪３５が前記流入口３２の下縁３６に引
つ掛かつて両者が結合されるようになつている。
底板３４のガイド軸３３には当該ガイド軸３３に
沿つて上下動自在に前記フロート２７が遊嵌され
ている。フロート２７は、球面状をなしかつバル
ブボデー２６側のバルブシート部３１に当接し得
る弁部３７と、この弁部３７と一体となつている
フロート部３８とからなつている。

上記構成のベーパライン開閉装置において、燃
料タンク１に燃料を供給するために燃料注入管２
に燃料注入ガン先端のノズル２２を差し込むと、
ノズル２２により押されてトラツプドア２３が開
けられ（第２図中鎖線で示す）、それに伴つて開
閉弁１２のロツド２１が移動し、弁体１９がばね
１８のばね力に抗して押し上げられて開閉弁１２
が開（第３図中鎖線で示す状態）とされる。ま
た、液面高さ制御バルブ２５においては、フロー
ト２７がバルブシート部３１から離れ、流入口３
２、ベーパ通路２８、第２ベーパパイプ１１が連
通した状態にある。

上記状態で燃料注入ガンにより燃料を供給す
る。燃料供給時に発生するベーパは液面高さ制御
バルブ２５、第２ベーパパイプ１１、開となつて
いる開閉弁１２を通つて、キヤニスタ１３により
捕集される。

燃料６の供給により燃料タンク１内が満タンに
なると、フロート２７が燃料６により押し上げら
れてその弁部３７がバルブシート部３１に着座
し、流入口３２とベーパ通路２８とを遮断する。
従つて、ベーパが抜けなくなつて、燃料タンク１
内の圧力が上昇し、その圧力が感知されて燃料注
入ガンは停止される。

この後、燃料注入ガンは引き抜かれる。ノズル
２２が燃料注入管２から抜かれると、トラツプド
ア２３が閉まり、弁体１９はばね１８のばね力に
より押し戻されてバルブシート１７に着座し、開
閉弁１２は閉じられる。

燃料の消費により燃料タンク１内の燃料６が減
少して行くと、液面高さ制御バルブ２５における
フロート２７が下りて、当該バルブ２５は開とな
るが、前述の如く開閉弁１２は閉となつているの
で、ベーパが第２ベーパパイプ１１に導かれるこ
とはない。つまり、キヤニスタ１３は燃料注入時
のベーパ捕集にのみ使われるのであり、燃料注入
時以外においては在来のキヤニスタ５によりベー
パ捕集がなされるのである。

＜考案の効果＞ 本考案に係るベーパライン開閉装置によれば、
在来のベーパラインとは別に設けたベーパライン
が燃料供給時にのみ開となり、それ以外の時は閉
とされるので、各キヤニスタにはそれぞれ予測可
能なベーパ量が導かれることとなり、各キヤニス
タからエンジンへの燃料供給路への放出燃料の制
御が容易となり、最適なパージ性能を得ることが
可能となる。尚、ベーパパイプに設けられ開閉弁
は通常は閉じているので、車両が転倒した場合の
ロールオーババルブとしての機能も果たし、燃料
がキヤニスタに入るのが防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るベーパライン
開閉装置の全体概略図、第２図は第１図中の部
の拡大断面図、第３図は開閉弁の断面図、第４図
はその平面図でその−矢視断面が第３図に相
当する。第５図は液面高さ制御バルブの断面図、
第６図は従来の燃料タンクの概略図である。 図面中、１は燃料タンク、２は燃料注入管、４
は第１ベーパパイプ、１１は第２ベーパパイプ、
１２は開閉弁、１３はキヤニスタ、１９は弁体、
２１はロツド、２２は燃料注入ガンのノズル、２
３はトラツプドア、２５は液面高さ制御用バルブ
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料注入管を介して内部に燃料が注入される燃
   料タンクと、燃料蒸気を捕集するキヤニスタと、
   一端が上記燃料タンク内に臨み他端が上記キヤニ
   スタに連結するベーパパイプと、同ベーパパイプ
   に介設されて上記燃料注入管に燃料注入ガンが挿
   入されたときに上記ベーパパイプを連通するとと
   もに上記注入ガンが引き抜かれたときに上記ベー
   パパイプを遮断する開閉弁とを備えたことを特徴
   とするベーパライン開閉装置。