JPH0536591A - X線マスクの製造方法 - Google Patents

X線マスクの製造方法

Info

Publication number
JPH0536591A
JPH0536591A JP3187631A JP18763191A JPH0536591A JP H0536591 A JPH0536591 A JP H0536591A JP 3187631 A JP3187631 A JP 3187631A JP 18763191 A JP18763191 A JP 18763191A JP H0536591 A JPH0536591 A JP H0536591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
mask
ray
thin film
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3187631A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamitsu Ito
正光 伊藤
Shinji Sugihara
真児 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP3187631A priority Critical patent/JPH0536591A/ja
Publication of JPH0536591A publication Critical patent/JPH0536591A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 リフトオフ法によるX線吸収体薄膜パタ−ン
の形成に際し、マスクを薄く形成し、高精度のX線吸収
体薄膜パターンを形成する。 【構成】 X線吸収体パターンをリフトオフ法で形成す
るためのエッチングマスクとしてCr、Cr合金または
Cr化合物を用いる。あるいは、Ni、Ni合金または
Ni化合物からなるマスクを形成するに際し、酸性溶液
を用いた液相エッチング法を用いる。あるいは、Cr、
Cr合金またはCr化合物を用い、かつX線吸収体パタ
ーン形成後、硝酸第2セリウムアンモニウムを含む溶液
で洗浄する。あるいは、炭素膜、グラファイト膜、ダイ
ヤモンドライクカーボン膜あるいはダイヤモンド膜を、
エッチングのためのマスク材料として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線露光用マスク(以
下X線マスク)の製造方法に係り、特にX線吸収体薄膜
パターン形成のためのエッチングマスクの高精度化に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高密度化および
高集積化への要求が高まるにつれて、回路パターンの微
細加工技術のなかでも、感光剤にパターンを形成するリ
ソグラフィ技術の研究開発が急速な進展を見せている。
【0003】現在、量産ラインでは光を露光媒体とする
フォトリソグラフィ技術が主流であるが、解像力の限界
に近づきつつあり、このフォトリソグラフィ技術に代わ
るものとして、原理的に解像力が飛躍的に向上するX線
リソグラフィ技術の研究開発が急速な進展をみせてい
る。
【0004】X線リソグラフィでは、光を用いた露光方
法とは異なり所定のパターンを縮小させて転写するよう
な技術は現在のところない。このため、X線露光では、
所定のパターンの形成されたX線露光用マスクと試料と
を10μmオーダーの間隔で平行に保持し、このX線マ
スクを通してX線を照射することにより露光対象物表面
に転写パターンを形成する1:1転写方式が採用されて
いる。
【0005】この等倍転写方式では、X線マスクのパタ
ーンの寸法精度、位置精度がそのままデバイス精度にな
るため、X線マスクのパタ―ンにはデバイスの最小線幅
の10分の1程度の寸法精度、位置精度が要求される。
このために、X線リソグラフィの実現のためには、高い
X線吸収体パターン位置精度を達成することのできるX
線マスクの開発が最も重要な鍵となっている。
【0006】X線マスクは一般的には次のような構造を
有している。すなわち、リング状のマスク支持体上にX
線に対する吸収率の特に小さいX線透過性材料からなる
薄膜を形成し、このX線透過性薄膜上にX線に対する吸
収率の大きい材料からなるマスクパターン(X線吸収体
パターン)を形成した構造となっている。ここでマスク
支持体は、X線透過性薄膜が極めて薄く機械的強度が弱
いのを補強すべく、このX線透過性薄膜を支持するのに
用いられている。
【0007】ところで、このX線露光用マスクは、従
来、図9(a) 乃至図9(e) に示すような方法で製造され
ている。
【0008】まず、基板温度1200℃の条件でLPC
VD法により、図9(a) に示すようにSi基板11上に
膜厚1μmのSiC膜12を形成する。この条件では、
多結晶構造を有し、内部応力3×109 dyn /cm2 のS
iC膜が得られている。次に、Si基板11の裏面側に
開口部を有するNi膜13を形成する。ここで、SiC
膜12がX線透過性薄膜として用いられる。なお、X線
透過性薄膜には、X線を透過し且つアライメント光(可
視、赤外線)に対する透過性に優れ、引張り応力を有す
る自立支持膜であることが要求される。その材料とし
て、現在のところ、BN,Si,SiC,Ti等が報告
されている。
【0009】次いで、図9(b) に示すように、裏面側の
SiC膜3の中央部を選択的に除去した後、表面側のS
iC膜12上にX線吸収体としてW膜14を形成する。
X線吸収体には、露光波長(約1nm程度)におけるX線
吸収係数が大きいこと、内部応力が低いこと、微細加工
が容易であることが要求される。その材料として、現在
のところAu,Ta,W,WNx 等が報告されている。
X線吸収体の内部応力については、1×107 dyn /cm
2 程度の低応力であることが不可欠であり、応力制御が
可能なスパッタリング法により内部応力を制御して堆積
される。そしてさらにこのW膜14上に、電子ビ―ム描
画用のレジスト15を塗布する。
【0010】次いで、図9(c) に示すように、KOH等
をエッチング液として用いた液相エッチング法により、
裏面のNi膜13をマスクとしてSi基板11をエッチ
ングする。
【0011】この後、図9(d) に示すように、電子ビ―
ム描画法によりパタ―ン描画を行ない、レジスト15に
所望のパタ―ンを形成する。
【0012】最後に、図9(e) に示すように、ドライエ
ッチング法により、レジスト15をマスクとしてW膜1
4を選択エッチングし、X線吸収体パタ−ンを得る。
【0013】以上の様にしてX線マスクが製造される。
【0014】このようにしてX線マスクが形成される
が、X線マスクの製造プロセスのうちで最も困難なプロ
セスはX線吸収体パターンの形成である。上述したプロ
セスのなかで、X線吸収体であるW膜の応力を小さくし
ても、W膜上に塗布したレジストの応力が大きいために
X線吸収体パターンの位置歪が発生するという問題があ
る。レジストのようなX線吸収体エッチングのマスクの
応力が大きくても、その膜厚を薄くする事ができるなら
ば問題はないが、W膜のドライエッチングの場合、レジ
ストとW膜との選択比が小さいためにレジストの膜厚は
1μm 以上と厚くしなければならないという問題があ
る。
【0015】また、1GDRAMレベルのX線吸収体パ
ターンの最小線幅は0.15μm であるので、厚さ1μ
m のレジストをマスクとして厚さ0.5μm のW膜をエ
ッチングする場合、そのアスペクト比は10倍近くにも
なる。このようなアスペクト比の大きなエッチングで
は、マイクロローディング効果が顕著となる。すなわ
ち、微細パターンはエッチング速度が遅く、粗いパター
ンはエッチング速度が早いために、エッチングのエンド
ポイントがパターン寸法により異なってくる。さらにパ
ターンの断面形状もパターン寸法により異なってくる。
このマイクロローディング効果の影響を低減するために
はエッチングマスクの厚さを薄くすることである。しか
しながら、上述したようにW膜のドライエッチングの場
合、レジストとW膜との選択比が小さいためにレジスト
の膜厚は1μm 以上と厚くなってしまう。また、レジス
ト以外のマスク材としてSiO2 膜を用いた例もある
が、やはり選択比は小さくW膜と同程度の膜厚が必要と
なる。またエッチングマスクがX線吸収体上に残る場合
はその応力が問題となる。
【0016】このように、X線吸収体エッチングのエッ
チングマスクは、極力薄く、しかも低応力であることが
求められていた。
【0017】そこで、エッチングマスク材の膜厚を薄く
することのできるプロセスとして図10に示すAuを用
いたリフトオフ法が知られている。AuはCF4 やCH
3 んどフッ素系のガスやCl2 、Cl2 2 などの塩
素系のガスを用いたプラズマエッチングにおいてもほと
んどエッチングされず、マスク材として適した材料であ
る。
【0018】この方法では、図10(a) に示すように、
まず被エッチング層21の上層に後工程で除去可能なレ
ジストなどのパターン22を形成する。
【0019】次に、Au膜23を図10(b) に示すよう
に真空蒸着法により堆積する。
【0020】この後、図10(c) に示すように、レジス
トパターン22を除去すると共に、レジストパターン2
2上のAu膜23をも除去し、被エッチング層21上に
残留するAuパターン23がマスクとなる。ここでAu
膜の膜厚は0.1μm 程度であるため、レジストの膜厚
も0.2〜0.3μm 程度と薄膜でよい。
【0021】Auの膜厚が0.1μm 必要なのは、Au
膜が膜形成の初期段階では島状構造を示すため、ピンホ
ールの無い連続膜を形成しようとすると0.1μm 程度
の膜厚が必要となるためである。
【0022】また、真空蒸着法により形成したAu膜の
応力は1×108dyn /cm2 程度であり、前述のX線マ
スク形成の場合、X線吸収体の膜厚は0.5μm である
ため、X線吸収体の応力に影響を与えないためにはAu
膜の厚さは0.05μm 以下とする必要がある。しかし
ながら0.05μm という厚さのAu膜ではピンホール
が多くマスク材とならない。
【0023】このような点から、Auを用いたリフトオ
フ法を用いてもX線マスクを形成するに十分なX線吸収
体エッチングのためのマスク材料を作るのは困難な状況
にあった。
【0024】そこでまた、エッチングマスク材の膜厚を
薄くすることのできるプロセスのもう1つの例として図
11に示すNiを用いたリフトオフ法がある。NiもC
4 やCHF3 等のフッ素系のガスやCl2 、Cl2
2 などの塩素系のガスを用いたプラズマエッチングにお
いてもほとんどエッチングされず、マスク材として適し
た材料である。このようなNiのエッチング耐性の高さ
ゆえにリフトオフ法が用いられているともいえる。
【0025】この方法では、図11(a) に示すように、
まず被エッチング層31の上層に後工程で除去可能なレ
ジストなどのパターン32を形成する。
【0026】次に、Ni膜33を図11(b) に示すよう
に真空蒸着法により堆積する。
【0027】この後、図11(c) に示すように、レジス
トパターン32を除去すると共に、レジストパターン3
2上のNi膜33をも除去し、被エッチング層31上に
残留するNiパターン33がマスクとなる。
【0028】しかしながら、この方法も困難な面が多
い。1つにはNi膜を堆積する際にレジストパターン側
壁にもNi膜が付着してしまい、レジスト除去ができな
くなるという問題である。これはNiの堆積に際し、N
i粒子の入射方向を平行にするのが困難であることによ
るものである。そこでレジストパターンの断面形状を上
部で太くし、下部で細く形状とすることにより側壁への
Niの付着を防止するようにしている。しかしながらこ
のような逆テーパ状のレジストパターン形状を得るのは
一般には困難であり、技術的制約が大きい。また、レジ
ストの除去には過酸化水素水と硫酸の混合液によるウエ
ットエッチングか酸素プラズマによるプラズマエッチン
グが用いられるが、レジストパターンの面積が大きくな
るとNi膜が保護膜となり、レジスト除去が困難とな
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のX
線マスクの製造において、リフトオフ法によるX線吸収
体のパターン形成のための低応力でかつ膜厚の薄いマス
ク材料を形成するのは困難であるという問題があった。
【0030】またNi、Ni合金またはNi化合物をマ
スク材料として用いる場合、リフトオフ法では前述した
ようにレジストパターンの断面形状が限定される等技術
的制約が大きく、Ni、Ni合金またはNi化合物から
なるマスク材料を形成するのは極めて困難であった。
【0031】本発明の第1は、前記実情に鑑みてなされ
たもので、リフトオフ法によるX線吸収体薄膜パタ−ン
の形成に際し、マスクを薄く形成し、高精度のX線吸収
体薄膜パターンを形成することを目的とする。
【0032】本発明の第2では、Ni、Ni合金または
Ni化合物からなるマスクを容易に高精度に形成する方
法を提供することを目的とする。
【0033】本発明の第3では、マスク材料の残留もな
く高精度のX線マスクを提供することを目的とする。
【0034】本発明の第4では、X線吸収体薄膜パター
ンの形成のためのマスクを薄くし、高精度のX線吸収体
薄膜パターンを形成することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1で
は、X線吸収体パターンをリフトオフ法で形成するため
のエッチングマスクとしてCr、Cr合金またはCr化
合物を用いることを特徴とする。
【0036】また本発明の第2では、X線吸収体パター
ンをリフトオフ法で形成するためのエッチングマスクと
してNi、Ni合金またはNi化合物からなるマスクを
形成するに際し、酸性溶液を用いた液相エッチング法を
用いることを特徴とする。
【0037】さらに本発明の第3では、X線吸収体パタ
ーンをリフトオフ法で形成するためのエッチングマスク
としてCr、Cr合金またはCr化合物を用い、かつX
線吸収体パターン形成後、硝酸第2セリウムアンモニウ
ムを含む溶液で洗浄するようにしたことを特徴とする。
【0038】本発明の第4では、X線吸収体パターンを
形成するためのエッチングマスクとして炭素膜、グラフ
ァイト膜、ダイヤモンドライクカーボン膜あるいはダイ
ヤモンド膜を、エッチングのためのマスク材料として用
いるようにしたことを特徴とする。
【0039】
【作用】本発明の第1によれば、X線吸収体パターンを
リフトオフ法で形成するためのエッチングマスクとして
Cr、Cr合金またはCr化合物を用いるようにしてい
るため、極薄膜のエッチングマスクを形成することがで
き、低応力で高精度のマスク形成を行う事が可能とな
る。
【0040】すなわちCrのエッチング耐性はAu膜と
同様、フッ素系のガスやCl2 、Cl2 2 などの塩素
系のガスを用いたプラズマエッチングにおいてもほとん
どエッチングされず、被エッチング層との選択比は非常
に大きくなり、エッチング速度の遅いWなどの金属でも
選択比20以上を確保することができる。またSiO2
などは100以上の選択比を持たせることができる。
【0041】このように極めて大きい選択比を持たせる
ことができるため、マスク材としてのCrの膜厚は極薄
でよいことになる。例えば厚さ0.5μm のW膜をエッ
チングするのに必要なCrマスクの膜厚は選択比だけか
らいうと0.025μm でよいことになる。また、この
膜はAu膜に比べピンホールも小さい。
【0042】したがって他の条件を考慮しても0.03
μm 程度の極薄膜でエッチングマスクとして用いること
ができる。またCr膜はレジスト剥離に用いられる過酸
化水素水と硫酸との混合液にも腐食されないため、レジ
ストを用いるリフトオフ法でこのCrパターンをパター
ニングする場合にも非常に適したものであるということ
ができる。
【0043】さらに、本発明の第2の構成によれば、酸
性溶液を用いた液相エッチングを用いてエッチングマス
クとなるNi,Ni合金またはNi化合物をパターニン
グするようにしているため、レジストの種類を選択する
必要がなく、ほとんどのレジストを使用することができ
る。すなわち一般に樹脂は酸性溶液に対する強い耐性を
有しているため、ほとんどのレジストをマスクとして使
用することができる。また液相エッチングは一般に等方
的に進むので、レジストの線幅とNiの線幅とが異なっ
てくる。すなわちNiの線幅が小さくなるのである。し
かしながら前述したようにNiは、CF4 やCHF3
フッ素系のガスや、Cl2 、Cl2 2 などの塩素系の
ガスを用いたプラズマエッチングにおいてもほとんどエ
ッチングされないため、被エッチング層との選択比は非
常に大きくなり、エッチング速度の遅いWなどの金属で
も選択比20以上を確保することができる。またSiO
2 などは100以上の選択比を持たせることができる。
例えば、厚さ1μm の酸化シリコン膜をエッチングする
のに必要となるNiマスクの膜厚は10nmでよい。すな
わち、等方的にエッチングが進んだとしても、レジスト
とNiとのパターン寸法変換差は20nmに過ぎない。す
なわち、レジストパターン寸法で補正可能である。
【0044】このように本発明の第2の方法によれば、
一般に用いられているレジストを用いてNiパターンを
容易に形成する事が可能となる。
【0045】本発明の第3によれば、硝酸第2セリウム
アンモニウムを含む溶液はWやTaのエッチング速度は
1nm/min. 以下と極めて遅いのに対しCrパターンのエ
ッチング速度は540nm/min. と極めてはやく、ほぼ1
分でCrはすべて溶解するため、X線吸収体パターン形
成後、硝酸第2セリウムアンモニウムを含む溶液で洗浄
することにより、パターンに影響を与えることなくマス
ク表面に残留するCrのごみを除去することが可能であ
る。
【0046】本発明の第4によれば、X線吸収体パター
ンを形成するためのエッチングマスクとして炭素膜、グ
ラファイト膜、ダイヤモンドライクカーボン膜あるいは
ダイヤモンド膜を、エッチングのためのマスク材料とし
て用いるようにしているため、低応力でかつ膜厚の薄い
エッチングマスクを得ることができる。
【0047】すなわち、炭素膜のエッチング耐性は、フ
ッ素系のガスやCl2 、Cl2 2 などの塩素系のガス
を用いたプラズマエッチングにおいても高いエッチング
耐性を有しており、被エッチング層との選択比は非常に
大きくなる。例えば、エッチング速度の遅いWなどの重
金属でも選択比5以上を確保することができる。
【0048】このように大きい選択比を持たせることが
できるため、マスク材としてのCの膜厚は極薄でよいこ
とになる。例えば厚さ0.5μm のW膜をエッチングす
るのに必要なCマスクの膜厚は選択比だけからいうと
0.1μmでよいことになる。このようなエッチング耐
性の高さは、プラズマCVD法等で形成する同じ炭素で
結晶構造の異なるグラファイト膜、ダイヤモンドライク
カーボン膜あるいはダイヤモンド膜についても同様に得
られる特性である。
【0049】このようにC膜は0.1μm という極薄膜
で、エッチング用のマスク材料として用いることが可能
であり、しかも低応力であるため、X線吸収体のエッチ
ングマスクとして良好である。
【0050】ここで、マスク支持体としては、例えばS
iが用いられる。X線透過性薄膜としては、例えばSi
C,Si3 4 ,BN、ボロンド―プしたSi等が挙げ
られる。X線吸収体薄膜として、W,Ta 及びその窒化
物(WNx ,TaNx ),炭化物(WCx,TaC)等
の化合物或いは合金が挙げられるが、このうちでも特
に、高密度のW薄膜が望ましい。これらの薄膜は、例え
ばスパッタリング法により形成される。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ詳細に説明する。
【0052】<実施例1>図1は本発明の第1の実施例
のX線マスクの製造工程を示す断面図である。
【0053】ここではX線吸収体パターンの形成にリフ
トオフ法を用いるに際し、エッチングマスクとしてCr
薄膜を用いるようにしたことを特徴とするものである。
【0054】製造に際してはまず、高周波加熱方式のL
PCVD装置を用い、グラファイト表面にSiCをコ―
ティングしたサセプタ上に、両面研磨を行った厚さ60
0μm 、面方位(100)の3インチSi基板41を設
置し、100℃においてHC1ガスによりSi基板の気
相エッチングを施すことにより、Si基板上に存在する
自然酸化膜及び重金属類の汚染物を除去した。これによ
り、Si基板の表面マスク清浄化処理が完了する。
【0055】次いで、図1(a) に示す如く、シリコン原
料としてシラン(SiH4 )、炭素原料としてアセチレ
ン(C2 2)、キャリアガスとして水素(H2 )ガ
ス、添加ガスとして塩化水素(HCl)を供給しつつ、
基板温度1050℃にて、Si基板41上にSiC膜4
2を1μm堆積する。
【0056】この後、さらに、Si基板41の裏面に電
子ビームを用いた真空蒸着装置を用いて、Si基板41
の裏面に膜厚0.1μm のCr膜43を堆積した。
【0057】そして、図1(b) に示すように、通常のフ
ォトリソグラフィ技術により中央部に直径20mmの開口
部を有するレジストパターン44を形成する。
【0058】次いで、図1(c) に示すように、このレジ
ストパターン44をマスクとして、硝酸第2セリウムア
ンモニウム溶液を用いた液相エッチングによりCr膜4
3に開口部を形成した。
【0059】この後、図1(d) に示すように、マグネト
ロンDCスパッタリング装置を用いて、SiC膜42の
裏面側に、X線吸収体として膜厚0.5μmのW膜45
を堆積する。ここでスパッタリング条件としては、電力
を1.7w/cm2 とし、ガス圧力を密度の大きいW膜を
形成できる低圧力側で、応力が0となる3mTorr となる
ようにした。このようにして形成したW膜45の応力は
シリコン基板の反りから測定した結果2×107 N/m2
であった。次にW膜45内にArイオンをエネルギー1
80keV,2×1015atoms/cm2 のドーズ量でイオン
注入を行い応力を0にする。この後、W膜45上に電子
ビームレジスト46として膜厚0.5μm のSAL60
1を塗布した。
【0060】次に、図1(e) に示すように、95℃に加
熱した濃度30%の水酸化カリウム溶液によりCr膜4
3をマスクとしてシリコン基板41を液相でエッチング
し除去した。これにより、直径20mmの開口部を形成す
ることができた。
【0061】この後、図1(f) に示すように、W膜45
上に電子ビームレジスト46に対し、電子ビーム描画装
置により描画して所望のレジストパターン(最小線幅
0.15μm )を形成する。そしてこの上層に真空蒸着
装置によってレジストパターン46上にCr膜47を3
0nm堆積した。
【0062】そして、図1(g) に示すように、過酸化水
素水と硫酸の混合液によりレジストパターン46を剥離
した。これにより、レジストパターン46上のCr膜4
7はレジスト46と共に除去され、W膜45上のCrパ
ターン47が残る。
【0063】そして、図1(h) に示すように、Crパタ
ーン47をマスクとして、SF6 ++Cl2 +10%O
2 をエッチングガスとして用いた異方性エッチングによ
りW膜45をパターニングする。印加電力は200W,
放電圧力は10mTorr とした。また、試料としてはチラ
ーを用いて−30℃まで冷却した。
【0064】そして最後に、このようにしてて形成され
たX線マスクを液温20℃に保持した10%の硝酸第2
セリウムアンモニウム溶液に1分間浸漬することにより
Crを含むごみを除去し、超純水で10分間洗浄し、最
後にスピン乾燥した。
【0065】以上の工程により形成したX線マスクのパ
ターン位置歪みを、ニコン社製「光波3l」と指称され
ているレーザ干渉測長器によって測定した結果、0.0
3μm (3σ)という高い位置精度を達成することがで
きた。
【0066】また、このX線マスクを用いて、ピーク波
長1nmの放射光を光源としてレジスト(PMMA)上に
パターン転写を行った。そしてSEM観察を行った結
果、最小線幅0.15μm のレジストパターンがエッジ
ラフネスもなく、良好に形成されていることが確認され
た。また、形成したX線吸収体パターンの断面を同様に
SEMにより観察したところ、やはり、0.15μmの
ライン&スペースが寸法変換差0.01μm 以内という
高精度で形成されており、エッジラフネスもなく、垂直
形状のWパターンとなっていた。このことから硝酸第2
セリウムアンモニウム溶液に1分間浸漬することにより
Crを含むごみが良好に除去され、X線吸収体の損傷も
まったくないこともわかる。
【0067】なお、最後の硝酸第2セリウムアンモニウ
ム溶液による洗浄は、必要に応じて取捨選択可能であ
る。
【0068】ここでCr膜の膜厚は0.1μm と極めて
薄くしたが、これはWやTaに対するエッチング耐性が
高いのみならず、従来から用いられていたAu膜等に比
べ、薄くてもピンホールのない緻密な薄膜形成を行う事
ができるためでもある。比較のために真空蒸着法で形成
したCr膜とAu膜のピンホールの有無を測定するため
比抵抗と膜厚との関係を測定したその結果を図2に示
す。すなわち比抵抗が大きいほどピンホールなどの欠陥
が多く、連続膜になっていないことを示す。
【0069】図2からCr膜もAu膜も蒸着の初期段階
は非常に比抵抗が大きく、結晶粒間に隙間が多い状態で
連続膜を成していないが、膜厚が増加するにつれ、比抵
抗は減少していき、Au膜は0.09μm 程度で比抵抗
の減少が止まっており、0.03μm という極薄膜で連
続膜となっていることがわかる。また真空蒸着法により
形成した金属薄膜の応力は一般に0.5〜3×108 N
/m2 であり、このCr膜も0.8×108 N/m2 であっ
た。この値は、0.03μm という極薄膜で、エッチン
グ用のマスク材料として用いることができることからみ
て、X線吸収体パターン形成のためのマスクとして十分
な値である。また、Cr膜はレジスト剥離に用いられる
過酸化水素水と硫酸の混合液にも腐食されないので、レ
ジストを用いるリフトオフ法には非常に適している。
【0070】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、電子ビームレジストとしても
SAL601に限定されるものではなく、ノボラック系
レジストのCMSなどでも良い。またX線吸収体もWに
限らず、Ta,Au及びこれらの窒化物及び炭化物を用
いることもできる。X線透過性薄膜としてSiC膜を用
いたが、SiNx ,BN,ボロンド―プしたSi基板を
用いることができる。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施することができる。
【0071】<実施例2>次に、本発明の第2の実施例
について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0072】図3(a) 乃至(d) は本発明の第2の実施例
の酸化シリコン膜パターンの形成工程を示す図である。
【0073】この例では、酸化シリコンパターン形成の
ためのエッチングマスクとして、Niマスクを形成する
に際し、液相エッチングを用いたことを特徴とするもの
である。
【0074】まず、反応性スパッタリング法によって、
シリコン基板51上にエッチングストッパーとして厚さ
50nmのAl2 3 膜52を形成する。ここでターゲッ
トにアルミニウムを用いスパッタリングガスとしてはA
r+O2 の混合ガス、印加電力を1.7w/cm2 とし
た。次に、被エッチング層である厚さ1μm のSiO2
膜53をやはり反応性スパッタリング法によって形成し
た。スパッタリングターゲットにSiO2 を用い、スパ
ッタリングガスにAr+O2の混合ガス、印加電力を
1.7w/cm2 とした。そしてこのSiO2 膜53の上
層に厚さ20nmのNi膜54を電子ビームを用いた真空
蒸着によって形成した(図3(a) )。ここで膜厚のモニ
ターには水晶振動子膜厚計を用いた。蒸着中の真空度は
5×10-7Torrとした。
【0075】次に、図3(b) に示すように、Ni膜54
上にエキシマレーザを用いた光露光装置によって0.4
μm のライン&スペースレジストパターン55を形成す
る。ここでレジストとしては化学増幅型のXP8843
を用い、膜厚は0.8μm とした。
【0076】そして、図3(c) に示すように、20%の
硝酸溶液を用いてレジスト55をマスクとしてNi膜5
4を液相エッチングした。エッチング時間は40秒であ
った。このエッチングにより線幅0.38μm のNiパ
ターン54が形成された。次にO2 プラズマを用いたア
ッシングによりレジストパターン55を除去した。
【0077】この後、図3(d) に示すように、Niマス
ク54を用いてSiO2 膜53をエッチングした。エッ
チング装置は平行平板型を用い、電極の直径は300n
m、エッチングガスとしてはCF4 +O2 (30%)の
混合ガスを用い、圧力は10mTorr 、印加電力は200
Wとした。これにより、Ni膜54をマスクとした線幅
0.38μm のSiO2 膜パターン53を形成すること
ができた。
【0078】硝酸溶液に対するNiに対するノボラック
系レジストのエッチング選択性を測定するために図4
に、30%の硝酸溶液を用いてNiおよびノボラック系
レジストをエッチングしたときのエッチング深さを測定
した結果を示す。この結果レジストはNiに比べ極めて
エッチング速度が遅いことがわかる。またNiは1分程
度で50nmもエッチングされる。
【0079】<実施例3>次に、本発明の第3の実施例
としてX線マスクの製造工程について説明する。この例
では酸性溶液を用いた液相エッチングで形成したNi膜
パターンを用いて、X線吸収体パターンを形成すること
を特徴とするものである。
【0080】すなわちまず、前処理として高周波加熱方
式のLPCVD装置を用い、グラファイト表面にSiC
をコーティングしたサセプタ上に支持体として面方位
(100)のシリコン基板61を設置し、1100℃に
加熱しHClガスを導入して気相エッチングを行い、シ
リコン基板上に存在する自然酸化膜および重金属類の汚
染物を除去する。
【0081】次に、図5(a) に示すように、シリコン原
料としてシラン(SiH4 )、炭素原料としてアセチレ
ン(C2 2)、キャリアガスとして水素(H2 )ガ
ス、添加ガスとして塩化水素(HCl)を供給しつつ、
基板温度1100℃にて、Si基板61上にSiC膜6
2を1μm堆積する。次いで電子ビーム蒸着装置を用い
てSi基板の裏面にCr膜63を堆積する。
【0082】続いて、図5(b) に示すように、通常のフ
ォトリソグラフィ技術によりCr膜63の中央部に直径
20mmの開口部を有するレジストパターン64を形成す
る。次いで、図5(c) に示すように、このレジストパタ
ーン64をマスクとして、硝酸第2セリウムアンモニウ
ム溶液を用いた液相エッチングによりCr膜63に開口
部を形成した。
【0083】この後、図5(d) に示すように、マグネト
ロンDCスパッタリング装置を用いて、SiC膜62の
裏面側に、X線吸収体として膜厚0.5μmのW膜65
を堆積する。ここでスパッタリング条件としては、電力
を1kwとし、ガス圧力を密度の大きいW膜を形成でき
る低圧力側で、応力が0となる3mTorr となるようにし
た。このようにして形成したW膜65の応力はシリコン
基板の反りから測定した結果2×107 N/m2 であっ
た。次にW膜65内にArイオンをエネルギー180k
eV,2×1015atoms/cm2 のドーズ量でイオン注入を
行い応力を0にする。この後、W膜65上に電子ビーム
を用いた真空蒸着装置によってNi膜66を10nm堆積
する。
【0084】次に、図5(e) に示すように、シリコンか
らなる補強枠67とマスク支持体であるシリコン基板6
1とを接着剤を用いない直接接合により接着し、この後
400℃3分間の熱処理を行い接着強度を高める。
【0085】この後、図5(f) に示すように、W膜65
上に電子ビームレジスト68として膜厚0.5μm のC
MS(クロロメチル化ポリスチレン)を塗布し、N2
囲気中で150℃のベーキングを行い電子ビームレジス
ト中の溶媒を除去した後、電子ビーム描画装置により描
画して所望のレジストパターン(最小線幅0.15μm
)を形成する。Niエッチングは等方性エッチングで
あるために生じるパターンの細りは、あらかじめレジス
トパターン68をその分だけ大きくしておくことにより
補正した。ここではNi膜の膜厚は10nmであるため、
レジストを20nm大きくしておいた。
【0086】そして、図5(g) に示すように、レジスト
68をマスクとして、濃度30%の硝酸溶液を用いてN
i膜66を液相エッチングする。
【0087】そして、図5(h) に示すように、酸素アッ
シングによりレジスト68を除去した後、マグネトロン
反応性イオンエッチング装置により、エッチングガスと
してSF6 +Cl2 +10%O2 を使用しNi膜66を
マスクとしてW膜65を異方性エッチングによりパター
ニングする。ここで圧力は10mTorr 、印加電力は20
0Wとした。また、試料はチラーを用いて−30℃まで
冷却した。
【0088】最後に、図5(i) に示すように、95℃に
加熱した濃度30%の水酸化カリウム(KOH)溶液に
よりCr膜63をマスクとしてシリコン基板61を液相
エッチング(バックエッチ)し直径20mmの開口部を形
成する。
【0089】このようにして形成したX線マスクを用い
て、ピーク波長1nmの放射光を光源としてレジスト(P
MMA)上にパターン転写を行った。その結果、最小線
幅0.15μm のレジストパターンがエッジラフネスも
なく、良好に形成されていることがSEM観察により確
認された。また、形成したX線吸収体パターンの断面を
同様にSEMにより観察したところ、やはり、0.15
μm のライン&スペースが寸法変換差0.01μm 以内
という高精度で形成されており、エッジラフネスもな
く、垂直形状のWパターンとなっていた。
【0090】<実施例4>次に、本発明の第4の実施例
としてX線マスクの製造工程について説明する。この例
ではスパッタリング法で形成したC膜をエッチングマス
クを用いてX線吸収体パターンを形成することを特徴と
するものである。
【0091】すなわちまず、前処理として高周波加熱方
式のLPCVD装置を用い、グラファイト表面にSiC
をコーティングしたサセプタ上に支持体として面方位
(100)のシリコン基板71を設置し、1100℃に
加熱しHClガスを導入して気相エッチングを行い、シ
リコン基板上に存在する自然酸化膜および重金属類の汚
染物を除去する。
【0092】次に、図6(a) に示すように、シリコン原
料としてシラン(SiH4 )、炭素原料としてアセチレ
ン(C2 2)、キャリアガスとして水素(H2 )ガ
ス、添加ガスとして塩化水素(HCl)を供給しつつ、
基板温度1100℃にて、Si基板71上にSiC膜7
2を1μm堆積する。
【0093】次いで図6(b) に示すように、回転塗布に
よりSiO2 膜73を膜厚109nmとなるように形成し
た。形成条件は、東京応化工業株式会社製のSiO2 被
膜形成塗布液(SiO2 濃度5%)を回転数3000r
pmにて回転塗布し、その後窒素雰囲気中で250℃3
0分の加熱処理を行った。そして、反応性スパッタリン
グ法により窒化アルミニウム膜74を厚さ30nmとなる
ように形成した。ここででスパッタリングターゲットと
してはアルミニウムを用い、スパッタリングガスにAr
とN2 の混合ガスを用いた。
【0094】続いて、図6(c) に示すように、シリコン
基板71の裏面に電子ビームを用いた真空蒸着装置を用
いてCr膜75を0.1μm 堆積させる。
【0095】この後、図6(d) に示すように、通常のフ
ォトリソグラフィ技術によりCr膜75の中央部に直径
30mmの開口部を有するレジストパターン76を形成す
る。そして、図6(e) に示すように、このレジストパタ
ーン76をマスクとして、硝酸第2セリウムアンモニウ
ム溶液を用いた液相エッチングによりCr膜75に開口
部を形成した。
【0096】この後、図6(f) に示すように、マグネト
ロンDCスパッタリング装置を用いて、SiO2 膜73
の上に、X線吸収体として膜厚0.5μmのW膜77を
堆積する。ここでスパッタリング条件としては、電力を
1kwとし、ガス圧力を密度の大きいW膜を形成できる
低圧力側で、応力が0となる3mTorr となるようにし
た。このようにして形成したW膜25の応力はシリコン
基板の反りから測定した結果3×107 N/m2 であっ
た。次にW膜77内にArイオンをエネルギー180k
eV,3×1015atoms/cm2 のドーズ量でイオン注入を
行い応力を0にする。この後、W膜77上にスパッタリ
ング法によりエッチングマスクとしてのC膜78を0.
15μm 堆積する。
【0097】次に、図6(g) に示すように、シリコンか
らなる補強枠79とマスク支持体であるシリコン基板7
1とを接着剤を用いない直接接合により接着し、この後
400℃3分間の熱処理を行い接着強度を高める。
【0098】この後、図6(h) に示すように、C膜78
上に電子ビームレジスト80として膜厚0.5μm の化
学増幅型のレジスト(SAL601)を塗布し、電子ビ
ーム描画装置によりレジスト80を描画して所望のレジ
ストパターン(最小線幅0.15μm )を形成する。ド
ーズ量は13μC/cm2 とした。
【0099】そして、図6(i) に示すように、ECR型
プラズマエッチング装置により、エッチングガスとして
2 を用い、レジスト80をマスクとして、C膜78を
エッチングする。
【0100】そして、図6(j) に示すように、酸素アッ
シングによりレジスト80を除去した後、エッチングガ
スとしてSF6 +Cl2を使用しC膜78をマスクとし
てW膜77を異方性エッチングによりパターニングす
る。ここで圧力は20mTorr 、印加電力は200Wとし
た。
【0101】ついで、図6(k) に示すように、95℃に
加熱した濃度30%の水酸化カリウム(KOH)溶液に
よりCr膜75をマスクとしてシリコン基板71を液相
エッチング(バックエッチ)し直径30mmの開口部を形
成する。
【0102】最後に、図6(l) に示すように、反射防止
膜としてのSiO2 膜81を反応性スパッタリング法に
よりX線透過性膜のX線吸収体パターンのある面とは反
対側に厚さ109nmとなるように形成した。成膜条件は
スパッタリングターゲットにSiO2 を用い、スパッタ
リングガスにArとO2 の混合ガスを用いた。
【0103】以上の工程により形成したX線マスクのパ
ターン位置歪みを、ニコン社製「光波3l」と指称され
ているレーザ干渉測長器によって測定した結果、0.0
3μm (3σ)という高い位置精度を達成することがで
きた。
【0104】また、このX線マスクを用いて、ピーク波
長1nmの放射光を光源としてレジスト(PMMA)上に
パターン転写を行った。そしてSEM観察を行った結
果、最小線幅0.15μm のレジストパターンがエッジ
ラフネスもなく、良好に形成されていることが確認され
た。
【0105】ここでエッチングガスとしてSF6 +Cl
2 の混合ガスを使用したときのC膜のエッチング速度
と、Wのエッチング速度に対する選択比との関係を測定
した結果を図7に示す。この結果からエッチング速度の
遅いW膜に対しても選択比5以上を確保することができ
ることがわかる。例えば厚さ0.5μm のW膜をエッチ
ングするのに必要となるCマスクの膜厚は選択比の点だ
けからいうと0.1μmでよい。
【0106】またスパッタリング法により形成した膜厚
200nmのC膜の応力のスパッタリング圧力依存性を測
定した結果を図8に示す。5mTorr以上のスパッタリン
グ圧力領域で1×108 N/cm2 以下の応力となること
がわかる。エッチングマスクとしては膜厚が0.1μm
と極薄でよいことから、十分な低応力であることがわか
る。
【0107】このようにC膜は0.1μm という極薄膜
でエッチング用のマスク材として用いる事が可能であ
り、しかも低応力であるため、X線吸収体のエッチング
マスクとして極めて有効である。
【0108】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えばX線吸収体のエッチングマスク
であるC膜は、グラファイト、ダイヤモンドライクカー
ボン膜、ダイヤモンド膜等でも良い。また、このC膜の
エッチングもレジストをマスクとするだけでなく、Si
O2 膜をマスクとしてもよい。さらにまた、X線吸収体
薄膜としてはWに限らず、Ta,Mo及びこれらの窒化
物及び炭化物を用いることもできる。X線透過性薄膜と
してSiC膜を用いたが、SiNx ,BN,ボロンド―
プしたSi基板を用いることができる。
【0109】さらに、補強枠も、シリコンに限定される
こと無く、シリコン化合物やパイレックスガラスなどの
ガラスでもよい。さらに、反射防止膜上に被着する有る
化合物も、窒化アルミニウムに限らず、酸化アルミニウ
ムなどを用いても良い。また、裏面の反射防止膜の形成
方法についても、反応性スパッタリングに限らず、CV
D法、蒸着法、LPD法等を用いても良い。
【0110】その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。なお本発明の
方法は、X線マスクの製造のみならず、微細パターンの
エッチングにも適用可能であることはいうまでもない。
【0111】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の第1
によれば、光吸収体パターンなどのパターン形成のため
のマスク材料にCrやCr合金やCr化合物を用いるこ
とにより、極薄膜のエッチングマスクを形成することが
可能となり、高いX線吸収体パターン位置精度を有する
X線マスクの形成が可能となる。
【0112】また本発明の第2によれば、光吸収体パタ
ーンなどのパターン形成のためのエッチングマスクとし
て最適なNi,Ni合金またはNi化合物を用いたマス
クをリフトオフ法を用いることなく容易に高精度に形成
することができる。
【0113】さらにまた本発明の第3によれば、マスク
材料にCrやCr合金やCr化合物を用いて光吸収体パ
ターンなどのパターンを形成したのち硝酸第2セリウム
アンモニウム溶液で洗浄することにより、X線吸収体パ
ターンなどに損傷を与えることなくCrを含むごみが良
好に除去され、信頼性の高いX線マスクを得ることがで
きる。
【0114】本発明の第4によれば、X線吸収体パター
ンを形成するためのエッチングマスクとして炭素膜、グ
ラファイト膜、ダイヤモンドライクカーボン膜あるいは
ダイヤモンド膜を、エッチングのためのマスク材料とし
て用いるようにしているため、エッチングマスクを薄膜
化し、X線吸収体パターン形成の精度を大幅に向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のX線マスクの製造工程
【図2】真空蒸着法で形成したCr膜とAu膜の比抵抗
と膜厚との関係を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例のエッチング方法を示す
工程図
【図4】Niとレジストのエッチング時間とエッチング
深さとの関係を測定した結果を示す図。
【図5】本発明の第3の実施例のX線マスクの製造工程
図。
【図6】本発明の第4の実施例のX線マスクの製造工程
図。
【図7】C膜のエッチング速度とW膜との選択比を示す
図。
【図8】C膜の応力のスパッタ圧力依存性を示す図。
【図9】従来例のX線マスクの製造工程図
【図10】従来例のX線マスクの製造工程図
【図11】従来例のX線マスクの製造工程図
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 X線透過膜 4 X線吸収膜パターン 41 Si基板 42 SiC膜 43 Cr膜 44 レジストパターン 45 W膜 46 電子ビームレジスト 47 Cr膜 51 シリコン基板 52 Al2 3 膜 53 SiO2 膜 54 Ni膜 55 レジストパターン 61 Si基板 62 SiC膜 63 Cr膜 64 レジストパターン 65 W膜 66 Ni膜 67 補強枠 71 Si基板 72 SiC膜 73 SiO2 膜 74 窒化アルミニウム膜 75 Cr膜 76 レジストパターン 77 W膜 78 C膜 79 補強枠 80 電子ビームレジスト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク支持体上にX線透過性薄膜を形成
    するX線透過性薄膜形成工程と、 前記X線透過性薄膜上にCr、Cr合金またはCr化合
    物からなるマスクパターンを形成するマスクパターン形
    成工程と、 この上層にX線吸収体薄膜を形成するX線吸収体薄膜形
    成工程と、 前記マスクパターンをエッチング除去することにより、
    前記マスクパターン上の前記X線吸収体薄膜を除去し、
    前記X線吸収体薄膜を所望の形状にパタ―ニングするリ
    フトオフ工程とを含むことを特徴とするX線マスクの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 マスク支持体上にX線透過性薄膜を形成
    するX線透過性薄膜形成工程と、 前記X線透過性薄膜上にX線吸収体薄膜を形成するX線
    吸収体薄膜形成工程と、 前記X線吸収体薄膜上にNiまたはNi合金またはNi
    化合物を堆積し、酸性溶液を用いて液相エッチングし、
    所望の形状にパタ―ニングしてマスクパターンを形成す
    るマスクパターン形成工程と、 前記マスクパターンをマスクとして前記X線吸収体薄膜
    をパターニングするX線吸収体薄膜パタ―ン形成工程と
    を含むことを特徴とするX線マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 マスク支持体上にX線透過性薄膜を形成
    するX線透過性薄膜形成工程と、 Cr、Cr合金またはCr化合物からなるマスクパター
    ンを用いて前記X線透過性薄膜上にX線吸収体薄膜パタ
    ーンを形成するX線吸収体薄膜パターン形成工程と、 硝酸第2セリウムアンモニウムを用いて洗浄する洗浄工
    程とを含むX線マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 マスク支持体上にX線透過性薄膜を形成
    するX線透過性薄膜形成工程と、 前記X線透過性薄膜上にX線吸収体薄膜を形成するX線
    吸収体薄膜形成工程と、 前記X線吸収体薄膜上に炭素膜、グラファイト膜または
    ダイヤモンドライクカーボン膜またはダイヤモンド膜か
    らなるマスクパターンを形成するマスクパターン形成工
    程と、 前記マスクパターンをマスクとして前記X線吸収体薄膜
    をパターニングするX線吸収体薄膜パタ―ン形成工程と
    を含むことを特徴とするX線マスクの製造方法。
JP3187631A 1991-07-26 1991-07-26 X線マスクの製造方法 Pending JPH0536591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187631A JPH0536591A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 X線マスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3187631A JPH0536591A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 X線マスクの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0536591A true JPH0536591A (ja) 1993-02-12

Family

ID=16209494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3187631A Pending JPH0536591A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 X線マスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0536591A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286632A (ja) * 2009-06-11 2010-12-24 Asahi Glass Co Ltd フォトマスクブランクスの洗浄方法
JP2012169316A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Think Laboratory Co Ltd エッチングマスク付基材及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286632A (ja) * 2009-06-11 2010-12-24 Asahi Glass Co Ltd フォトマスクブランクスの洗浄方法
JP2012169316A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Think Laboratory Co Ltd エッチングマスク付基材及びその製造方法
US9188873B2 (en) 2011-02-10 2015-11-17 Think Laboratory Co., Ltd. Substrate having etching mask and method for producing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3433721B2 (ja) ドライエッチング方法及び微細加工方法
JP6311772B2 (ja) ナノインプリント用テンプレートの製造方法
WO2017141605A1 (ja) マスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び半導体デバイスの製造方法
JP3105990B2 (ja) X線マスクおよびx線マスクの製造方法
KR20220006887A (ko) 극자외선 리소그라피용 펠리클의 제조방법
JPH09321023A (ja) 金属配線の形成方法
JP2001100395A (ja) 露光用マスク及びその製造方法
JP4027458B2 (ja) X線マスクブランク及びその製造方法並びにx線マスクの製造方法
JPH0536591A (ja) X線マスクの製造方法
JP6903878B2 (ja) 位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク
JP3036320B2 (ja) 荷電ビーム露光用透過マスクの製造方法
JP3995784B2 (ja) ドライエッチング方法、及びx線マスクの製造方法
JP2003007590A (ja) ステンシルマスク、その製造方法及び露光方法
JPH09306822A (ja) プラズマエチング方法及びフォトマスクの製造方法
JPH0366656B2 (ja)
JPH03173116A (ja) X線マスクおよびその製造方法
JP3195328B2 (ja) X線マスクおよびx線マスクの製造方法
JPS6237530B2 (ja)
JPH05136028A (ja) 酸化アルミニウム膜の形成方法およびx線マスクの製造方法
JP4792666B2 (ja) ステンシルマスク、その製造方法及び露光方法
JPH0536590A (ja) X線マスクおよびx線マスクの製造方法
JP2635322B2 (ja) X線マスクの製造方法
JP2006080359A (ja) 窒化シリコン膜の製造方法及び窒化シリコン膜を用いたパターン形成方法
CN118805142A (en) Method for producing EUV-transmissive film and protector
JPH08162395A (ja) X線マスク及びその製造方法