JPH0535997Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、品物特に重量物を無重量状態で任意
の位置に移動、静止させるためのつりあいアーム
に関し、更に詳しくは、ベースアームの基端がヒ
ンジピンを介してつりあいアーム取付部に取りつ
けられ、トツプアームの基端がヒンジピンを介し
てベースアームの先端に取りつけられ、品物吊り
部材がトツプアームの先端に設けられ、ベースア
ームとトツプアームが、ヒンジピンの回りに設け
た電磁ブレーキによつて静止位置に保持されるつ
りあいアームに係わる。このつりあいアームは、
手を品物にあてがい、或る動作範囲内で任意の位
置に品物を上下、左右、前後に移動させ所定の位
置に静止させることができる無重量操作の物上げ
機である。

〔従来の技術〕

この種の従来のつりあいアームは、ベースアー
ムが水平なヒンジピンを介してつりあいアーム取
付部に取りつけられ、トツプアームが水平なヒン
ジピンを介してベースアームに取りつけられてい
る。この場合、動作範囲内の上側の位置に品物を
移動するときに、水平なヒンジピンの回りにベー
スアームを上方へ揺動させなければならないの
で、ベースアームの先端とトツプアームの基端が
非常に高い位置まで上昇する。従つて、例えばト
ンネル内のように狭い空間での作業の場合には、
ベースアームの先端またはトツプアームの基端が
天井に当たるので、使用不可能である。更に、ベ
ースアームとトツプアームを静止位置に保持する
電磁ブレーキが、この水平なヒンジピンの回りに
設けられているので、品物の重量が電磁ブレーキ
に直接的に作用する。従つて、重い品物の場合に
は、電磁ブレーキに大きな負荷がかかり、電磁ブ
レーキを傷めることになる。

〔考案の目的〕

そこで、本考案は上記欠点のないつりあいアー
ムを提供せんとするものである。

〔実施例〕 次に、図を参照して本考案の一実施例を説明す
る。第１図に示すように、本実施例に係るつりあ
いアームは実質的に、水平なベースアーム１とト
ツプアーム２からなつている。ベースアーム１は
その基端部分と先端部分が補強部材１ａ，１ｂに
よつて補強され、その基端がヒンジ３を介してつ
りあいアーム取付部４に連結されている。ヒンジ
３は第２図から判るように、ベースアーム１に固
定された鉛直なヒンジピン５と、このヒンジピン
を回転可能に支承する軸受６からなつている。ヒ
ンジピン５の下部には、インナードラム７とブレ
ーキデイスク７′とアウタードラム７″からなる、
ヒンジピン５を回転しないように固定保持するた
めの電磁ブレーキ８が付設されている。前記つり
あいアーム取付部４は本実施例では、自走式シヨ
ベルのブームに取りつけられた垂直な昇降部材で
ある。しかしこのつりあいアーム取付部は、垂直
方向に昇降可能な他のリフト、クレーンブーム、
ポール台車等でもよく、また固定された部材、例
えば固定式ポール、天井等でもよい。

ベースアーム１の先端には、ヒンジ９を介して
トツプアーム２の基端が連結されている。このヒ
ンジ９は第３図に示すように、トツプアーム２に
固定された鉛直なヒンジピン１０と、このヒンジ
ピンを回転可能に支承する軸受１１とからなつて
いる。ヒンジピン１０の下部には、インナードラ
ム１２とブレーキデイスク１２′とアウタードラ
ム１２″からなる、ヒンジピン１０を回転しない
ように固定保持するための電磁ブレーキ１３が付
設されている。

トツプアーム２は、互いにピン１４によつて連
結されたインナーアーム部分１５およびアウター
アーム部分１６と、ボルト１７によつてアウター
アーム部分に固定されたウインチケース１８とか
らなつている。ウインチケース１８内のウインチ
は、油圧モータ１９と、図示していない歯車を介
して油圧モータに接続されたドラム２０からなつ
ている。

一端がドラム２０に固定されたワイヤロープ２
１は、ドラムからトツプアーム２の中を通り、そ
してトツプアーム２の先端に取りつけた滑車２２
を経て下方へ案内されている。ワイヤロープは更
に、トツプアーム２に固定したテレスコープ状の
伸縮管２３の中を下方へ延び、他端が品物吊り部
材２４に接続されている。品物吊り部材２４は本
実施例では、非常に重い岩盤破砕用のくさび装置
２５を吊り下げている。このくさび装置２５は手
で当てがわれて上下左右前後に動かされる。くさ
び装置はその端部に、電磁ブレーキ８，１３操作
用のスイツチ２６と、ウインチの油圧モータ１９
を操作するためのスイツチ２７を備え、この両ス
イツチは図示していない導線によつて電磁ブレー
キおよび油圧モータに接続されている。

上記構造のつりあいアームは、次のようにして
操作される。先ず、重量物であるくさび装置２５
を、ワイヤロープ２１の先端に取りつけた品物吊
り部材２４に吊り下げる。次に、岩盤にあけた孔
にくさび装置２５を差し込むために、くさび装置
を前後左右と上下に移動させる。水平面内で左右
前後にくさび装置を移動させる場合には、くさび
装置２５に手を当てがつて手動で動かす。この移
動は２個のヒンジ３，９を中心に両アーム１，２
を円運動させることによつて行われる。この場
合、くさび装置２５がウインチで支持されている
ので、この移動は無重量状態で行われる。水平面
内での移動の後で、スイツチ２６により電磁ブレ
ーキ８，１３を操作し、両アーム１，２を動かな
いように固定する。くさび装置２５を上下させる
場合には、スイツチ２７によつてウインチを操作
する。

上記水平面内での移動と上下移動により、非常
に広い動作範囲が得られる。更に、移動の際に、
両アームが上下方向に移動しないので、天井が低
い空間例えばトンネル内でも、このつりあいアー
ムを使用することができる。更に、鉛直なヒンジ
ピン５，１０の回りに電磁ブレーキ８，１３を設
けたので、品物吊り下げ時に、電磁ブレーキに、
荷重による大きな負荷が作用することがない。

上記実施例では、スイツチ２６，２７をくさび
装置２５に設け、くさび装置２５に手をあてがう
ようにしたが、スイツチを伸縮管２３に設け、こ
の伸縮管に手をあてがつてくさび装置を移動させ
てもよい。

〔考案の効果〕

本考案では、水平なベースアームの基端が鉛直
なヒンジピンを介してつりあいアーム取付部に取
りつけられ、水平なトツプアームの基端が鉛直な
ヒンジピンを介してベースアームの先端に取りつ
けられ、品物吊り部材がトツプアームの先端側に
設けられ、吊り部材に接続されたワイヤロープを
巻き取るためのウインチがトツプアームに設けら
れ、ベースアームとトツプアームを静止位置に保
持するための電磁ブレーキが、鉛直なヒンジピン
の回りに設けられているので、非常に広い動作範
囲が得られ、しかも両アームが上下方向に移動し
ないので、天井が低い空間例えばトンネル内で
も、作業を行うことができ、更に、品物吊り下げ
時に、荷重による大きな負荷が電磁ブレーキに作
用しないという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例に係るつりあいアー
ムの側面図、第２図はつりあいアーム取付部とベ
ースアームの間に設けたヒンジの縦断面図、第３
図は、ベースアームとトツプアームの間に設けた
ヒンジの縦断面図である。 １……ベースアーム、２……トツプアーム、４
……つりあいアーム取付部、５，１０……ヒンジ
ピン、８，１３……電磁ブレーキ、１９，２０…
…ウインチ、２１……ワイヤーロープ、２４……
品物吊り部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平なベースアーム１の基端が鉛直なヒンジピ
   ン５を介してつりあいアーム取付部４に取りつけ
   られ、水平なトツプアーム２の基端が鉛直なヒン
   ジピン１０を介してベースアーム１の先端に取り
   つけられ、品物吊り部材２４がトツプアーム２の
   先端側に設けられ、吊り部材２４に接続されたワ
   イヤロープ２１を巻き取るためのウインチ１９，
   ２０がトツプアーム２に設けられ、ベースアーム
   １とトツプアーム２を静止位置に保持するための
   電磁ブレーキ８，１３が、鉛直なヒンジピン５，
   １０の回りに設けられていることを特徴とするつ
   りあいアーム。