JPH0535485Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は音声、画像等の情報の記録再生用とし
て用いられる磁気デイスクカートリツジに関し、
更に詳しくは簡単な構造でしかも安定した状態で
可撓性磁気デイスク体（以下メデイアと称する）
を回転保持部材（以下センターコアと称する）に
固設できる磁気デイスクカートリツジに関するも
のである。

（従来技術） 音声、画像等の情報の記録・再生用として、オ
ーデイオテープ、ビデオテープ等の磁気テープの
他に磁気デイスクが広く用いられている。この磁
気デイスクはコンピユータ、ワードプロセツサ等
のOA機器に広く使用されているが、最近はその
小型化が進み写真感光材料の代りに磁気材料を使
用するいわゆる電子カメラ（例えばソニー型「マ
デイカ」）にも使用されるようになつてきた。こ
のような小型のフロツピーデイスク（マイクロフ
ロツピーデイスク）と呼ばれるものでは、小さい
直径のデイスクに多量の情報の記録を行うため記
録密度が非常に高くなる。このためメデイアにわ
ずかな変形や変位が生ずると記録再生される情報
に歪が生じ、良好な記録再生が困難となる可能性
が大であつた。メデイアをカートリツジケース内
に保持する構造としては、従来より種々のものが
知られているが、上述のように特に小型の磁気デ
イスクカートリツジにおいては、ケース内面にメ
デイアと擦れ合うライナーを設けることが困難で
あるという事情があるため、第４図に示すよう
に、互いに同心状に組み付けて一体化されるアツ
パーコア１とアンダーコア４との間にメデイア２
を保持し、これら両コア１，４からなるセンター
コア（回転保持部材）を、カートリツジケース１
０によりアツパーコア１側とアンダーコア４側双
方から位置規制して（つまりコア軸方向への移動
を規制して）回転自在に保持する、という構造が
広く採用されている。

なお上記回転保持部材は、さらに詳しくは、メ
デイア２の中心穴２ａ周辺をその上面に載置可能
な鍔部４ａと、該鍔部４ａから上方に突設せしめ
た突起部４ｂと、該突起部４ｂの上方端面周辺に
設けた段差部４ｃとを具備したアンダーコア４、
および、 上記メデイア２の上方移動をカートリツジケー
ス１０の内面との当接で規制する上方端面と、突
起部４ｂの上方端段差部４ｃに嵌着してその鍔部
１ｂの下面がアンダーコア４の鍔部４ａの上面と
一定の間隙を保つように位置規制可能な段差部１
ｃを具備したアツパーコア１、 から成るものである。またこの第４図において、
３は後述するリング状弾性体である。

そして上記のようなメデイア保持構造におい
て、センアーコアに対するメデイアの位置を安定
させるためには、第１図に示す如くアツパーコア
１とメデイア２との間にリング状弾性体３を同心
状に挾持し、その下部からアンダーコア４を同心
状に嵌合して前記アツパーコアと超音波溶着など
の手段で固設し、前記リング状弾性体の表面摩擦
力で前記メデイア２の円周方向の変位を規制する
方法が一般に用いられているが、この方法では超
音波溶着により強く押さえ付けられるために前記
リング状弾性体３に歪が発生し、前記メデイア２
にそりなどの変形（この様子を第４図に破線で示
す）や円周方向の回動変位が生ずる欠点があつ
た。この点を解決するためにリング状弾性体３の
代りにアンダーコア４とメデイア２の間に両面接
着テープを貼つてメデイア２をアンダーコア４に
固設する方法が提案された。この方法によれば、
メデイアに対して上下から加圧力を付与する必要
がないので、上記の変形や変位を防止でき、その
上、従来各部品が小形軽量で組立時の位置決めが
困難であつた点が解消され、ロボツトによる自動
組立てが可能になるが、両面接着テープは不織布
に接着剤をしみ込ませたものであるので厚さが50
〜150μｍと厚いため、第４図に示すごときメデ
イア２の下面からアンダーコア４の鍔部下面まで
の距離Ｌの規格値0.5±0.02mmを満足させること
ができなかつた。

なお、この種の小型の磁気デイスクカートリツ
ジでは、例えば3.5インチの磁気デイスクカート
リツジのようにメデイアが記録再生用ヘツドとパ
ツドとで両面から挟圧して位置規定されることが
なく、メデイアの記録面（下面）に記録再生用ヘ
ツドを当接させるだけで、つまり上記パツドのよ
うな裏面からの物理的押圧手段を用いないで記録
再生がなされるという事情があるため、記録再生
装置のスピンドルに装着されるアンダーコア４の
鍔部下面とメデイア下面との間に上述のような規
格値を設定して、メデイア下面を位置規定してい
るのである。

（考案の目的） 本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、簡単な構造でしかもメデ
イアの変位変形を生ずることなく容易にメデイア
をセンターコアに固設することのできる磁気デイ
スクカートリツジを提供するにある。

（考案の構成） 本考案の磁気デイスクカートリツジは、メデイ
アと、該メデイアの中心部周辺を支承する回転保
持部材とをカートリツジケース内に回転自在に収
納してなり、 上記回転保持部材が、先に説明した通り、メデ
イアの中心穴周辺をその上面に載置可能な鍔部
と、該鍔部から上方に突設せしめた突起部と、該
突起部の上方端面周辺に設けた段差部とを具備し
たアンダーコア、および、 上記メデイアの上方移動をカートリツジケース
の内面との当接で規制する上方端面と、突起部の
上方端段差部に嵌着してその鍔部の下面がアンダ
ーコアの鍔部の上面と一定の間隙を保つように位
置規制可能な段差部を具備したアツパーコアから
成る磁気デイスクカートリツジにおいて、 アンダーコアの鍔部の上面に、基材なし両面接
着テープを介してメデイアの下面が固着され、 上記アツパーコアが、その鍔部の下面がメデイ
アに変位、変形を与えることなく該メデイアの上
面に近接した状態で、アンダーコアの突起部の上
方端に固定されていることを特徴とするものであ
る。

（考案の効果） 本考案によれば、アンダーコアにメデイアを固
設する手段として薄い厚さの基板なし両面接着テ
ープを用いたので、アンダーコア鍔部下面よりメ
デイア上面までの距離の規格値を満足した状態で
メデイアをセンターコアに確実に固定でき、従来
例の如きリング状弾性体は不要となり、よつて該
弾性体をメデイアに強く押し付けることがなくな
るから、メデイアの変位変形を確実に防止でき、
その上組立の自動化が容易となり、しかもコスト
の低減ができるという効果がある。

（考案の実施例） 以下本考案に係る磁気デイスクカートリツジの
一実施例を図面を参照して説明する。

第２図は本考案の一実施例を示す斜視図、第３
図はその縦断面図である。該図において第１図に
示す従来例と同一部分は同一番号で示してある。
アンダーコア４に形成された鍔部４ａ上面には基
板なし両面接着テープ５（例えば日東電工製
＃593）が転写固設されており、この上に円盤状
の可撓性部材よりなるメデイア２が同心状に固設
されている。前記アンダーコア４の鍔部４ａの上
面には前記メデイア２の中心に形成された穴２ａ
と係合する突起部４ｂが形成されており、この突
起部４ｂの上には中央部にリブ４ｄを備える段差
部４ｃが同心状に形成されている。このリブ４ｄ
はアツパーコア１の中心に形成された穴１ａと嵌
合し、前記基板なし両面接着テープ５を介して前
記アンダーコア４に固設されたメデイア２をアツ
パーコア１が上方から挾持し、アンダーコア４の
段差部４ｃの上面と、アツパーコア１の下面とが
当接して超音波溶着またはかしめなどの手段で固
設されている。このようにセンターコアと一体と
なつたメデイアは、センターコアを構成する両コ
ア１，４が第４図の従来装置におけるのと同様に
してカートリツジケース（図示せず）に保持され
ることにより、該ケース内に回転自在に収納され
磁気デイスクカートリツジを構成している。

上記の如く構成された本考案に係る磁気デイス
クカートリツジによれば、メデイア２は基板なし
両面接着テープ５によつてアンダーコア４に固設
され上方よりアツパーコア１によつて挾持される
ため組立時の超音波溶着などによるメデイア２の
変形や円周方向の回転変位が確実に防止でき、安
定した状態でセンターコアに固設できる。なお上
記の「挾持される」状態とは、メデイア２が変
位、変形するような実効的な加圧力を受けずに挾
まれている状態を意味するものである。またメデ
イア２の回転変位は、基板なし両面接着テープ５
によつて防止される。しかも基板なし両面接着テ
ープ５は接着剤の層だけで形成されているため厚
さが約10μｍと極めて薄いため、アンダーコア鍔
部４ａの下面よりメデイア２の下面までの距離の
規格値である0.5±0.02mmを充分に満足でき、磁
気デイスクカートリツジの性能をそこなうことは
ない。また従来使われていたリング状弾性体が不
要となるためコストが安くなり、ロボツトによる
自動組立も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気デイスクカートリツジを示
す分解斜視図、第２図は本考案に係る磁気デイス
クカートリツジを示す分解斜視図、第３図は本実
施例の組立てた状態を示す縦断面図、第４図は従
来の磁気デイスクカートリツジを示す縦断面図で
ある。 １……アツパーコア、１ａ……アツパーコアの
穴、１ｂ……アツパーコアの鍔部、１ｃ……アツ
パーコアの段差部、２……メデイア、３……リン
グ状弾性体、４……アンダーコア、４ａ……アン
ダーコアの鍔部、４ｂ……アンダーコアの突起
部、４ｃ……アンダーコアの段差部、４ｄ……ア
ンダーコアのリブ、５……基板なし両面接着テー
プ、１０……カートリツジケース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 可撓性磁気デイスク体と、該デイスク体の中心
   部周辺を支承する回転保持部材とをカートリツジ
   ケース内に回転自在に収納してなる磁気デイスク
   カートリツジにおいて、 前記回転保持部材が、 前記デイスク体２の中心穴２ａ周辺をその上面
   に載置可能な鍔部４ａと、該鍔部４ａから上方に
   突設せしめた突起部４ｂと、該突起部４ｂの上方
   端面周辺に設けた段差部４ｃとを具備したアンダ
   ーコア４、および、 前記デイスク体２の上方移動をカートリツジケ
   ース１０の内面との当接で規制する上方端面と、
   前記突起部４ｂの上方端段差部４ｃに嵌着してそ
   の鍔部１ｂの下面が前記アンダーコア４の鍔部４
   ａの上面と一定の間隙を保つように位置規制可能
   な段差部１ｃを具備したアツパーコア１、 から成り、 前記アンダーコア４の鍔部４ａの上面に、基材
   なし両面接着テープ５を介して前記磁気デイスク
   体２の下面が固着され、 前記アツパーコア１が、その鍔部１ｂの下面が
   前記磁気デイスク体２に変位、変形を与えること
   なく該デイスク体２の上面に近接した状態で、前
   記突起部４ｂの上方端に固定されていることを特
   徴とする磁気デイスクカートリツジ。