JPS637990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、磁気デイスクをケース内に収納し
た状態でもつてデイジタル信号又はオーデイオ信
号などのアナログ信号を記録再生できるようにし
た磁気デイスク装置に関する。

まず、本願出願人の提案に係る磁気デイスク装
置について説明すると、第１図はその分解斜視
図、第２図は、その上面図及び底面図である。図
において、１は薄い円板状の高分子フイルムをベ
ースとし、その下面に磁性層が均一に形成された
フレキシブルな磁気デイスクを示し、２は磁気デ
イスク１の中央の円形の開口にリング状の両面接
着テープ３を介して固着されるセンタープレート
を示す。センタープレート２は金属薄板をプレス
加工してフランジ４を有するものとされ、このフ
ランジ４に磁気デイスク１が装着される。またセ
ンタープレート２の中央部にほぼ正方形を成すモ
ータ軸挿入孔５が形成され、この挿入孔５から所
定距離だけ偏倚した位置に長方形状の位置規制ピ
ン挿入孔６が形成されている。

このセンタープレート２を一体に有する磁気デ
イスク１が上側シエル７及び下側シエル８を合体
してなるケース内に収納される。これらのシエル
７，８は、例えば静電防止剤を含むABS樹脂製
射出成形品であつて、両者はその外周部が互に超
音波溶着により接合される。下側シエル８の中央
に円形の開口９が形成され、この開口９にセンタ
ープレート２が多少のガタを有する状態で配置さ
れる。１０は、開口９に対して同心円上に沿つて
延びる４分割された円弧状リブを示し、上側シエ
ル７の内面にも対応して円弧状リブが形成されて
いる。

また、上側シエル７及び下側シエル８の夫々の
内面にレーヨンなどの不織布からなるライナー１
１，１２が熱溶着或いは超音波溶着されている。
ライナー１１，１２は、磁気デイスク１が回転す
る際に、自動的にゴミを除き、ドロツプアウトを
防止すると共に、磁気デイスク１の摩耗、静電気
の発生を防止するために設けられている。下側シ
エル８にライナー１２を内張りする場合、合成樹
脂製の舌片１３が介在されており、ライナー１２
が確実に磁気デイスク１の磁性面に押し付けられ
るようにされている。

上述の上側シエル７、下側シエル８、ライナー
１１，１２には、磁気デイスク１の半径方向に延
びる同形状の長穴１４，１５，１６，１７が形成
され、合体状態では、これらの長穴が重ね合わさ
れる。そして、磁気デイスクを装置本体に装着す
ると、下側シエル８の長穴１７及びライナー１２
の長穴１６を介して磁気ヘツドが磁気デイスク１
に当接されると共に、上側シエル７の長穴１４及
びライナー１１の長穴１５を介してヘツドパツド
が挿入される構成とされている。

また、長穴１４，１７が形成されている部分を
含む上側シエル７及び下側シエル８の外面に凹部
１８，１９が形成され、この凹部１８，１９内に
アルミニウムなどの断面コ字状で長穴１４〜１７
と同一形状のスリツト２１，２２を有するシヤツ
ター２０が摺動自在に取付けられている。第２図
Ｂに示すように、下側シエル８の外面の側縁部に
沿つてガイド溝２３が設けられ、これに対応して
シヤツター２０にプレス等により内側に突出され
た３個の突起２４が設けられ、したがつてシヤツ
ター２０がガイド溝２３によつて案内され、第２
図Ａ及び同図Ｂにおいて実線図示のように、ヘツ
ド挿入用の長穴１６，１７とパツド挿入用の長穴
１４，１５と夫々スリツト２１，２２が一致し、
磁気デイスク１が外部に露呈する使用状態と、上
図において仮想線で示すように、長穴１４〜１７
が閉塞され、磁気デイスク１がシヤツター２０で
被われる不使用状態とを選択できるようにされて
いる。このシヤツター２０によつて磁気デイスク
１の保護が図られると共に、ゴミの侵入が防止さ
れている。

更に、下側シエル８のひとつのコーナー部に誤
消去防止用のラグ２５が設けられており、ラグ２
５を折つて取り去れば、消去ができないようにさ
れている。第２図Ｂに示すように、この下側シエ
ル８の２つのコーナー部には、磁気デイスク装置
をデイスクレコーダ本体に装着する際の位置決め
のために、一対の位置決め用孔２６，２７が設け
られている。この下側シエル８の位置決め用孔２
６，２７が設けられていない、他の２つのコーナ
ー部における第２図Ｂにおいて斜線図示の位置２
８，２９が基準面となり、４個のコーナー部にお
いて、磁気デイスク装置が基準位置に支持され
る。この状態において、磁気デイスク１がモータ
によつて回転され、デジタル信号或いはアナログ
信号の記録又は再生がなされる。

上述の磁気デイスク装置では、舌片１３によつ
て常にライナーが磁気デイスク１に押し付けられ
ている。そのために、デイスク回転用のモータの
負荷が舌片１３でライナーを押し付けない場合よ
り大きくなり、例えばモータの負荷電流が舌片１
３を設けない場合で70〜80〔mA〕とすると、舌
片１３を設けることによつて150〜180〔mA〕に
上昇する。デイスクレコーダは、記録又は再生動
作時以外でも、モータが回転しているので、上述
のように、モータ負荷電流が上昇することは、電
力消費の点で好ましくない。また、舌片１３は、
長い間使用していると、その弾性が失なわれ、ク
リーニング効果が低下し、ドロツプアウトが増大
するおそれがあつた。

この考案は、上述の問題点が解決された磁気デ
イスク装置の実現を目的とするものである。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。この一実施例では、第３図Ａに示
すように、上側シエル７、ライナー１１、シヤツ
ター２０に幅がより広げられた窓３０，３１，３
４を形成すると共に、第３図Ｂに示すように、下
側シエル８、ライナー１２、ヤツター２０に同様
の形状の窓３２，３３，３５を形成するようにな
す。そして、磁気デイスク１の記録再生時にの
み、第３図Ａで２点鎖線で示すように、上側の窓
３０，３１，３４を通じてヘツドパツド３６及び
ライナー３８Ａが磁気デイスク１を押し付けるよ
うになす。また、第３図Ｂで２点鎖線で示すよう
に、下側の窓３２，３３，３５内のパツド３６及
びライナー３８Ａと対応する位置に磁気ヘツド３
７及びライナー３８Ｂが位置しており、記録再生
時には、磁気デイスク１がパツド３６及び磁気ヘ
ツド３７、ライナー３８Ａ及び３８Ｂの夫々によ
つて挾持される。第３図において矢印で示す磁気
デイスク１の回転方向から明かなように、磁気ヘ
ツド３７により走査されるトラツクを含み且つ磁
気ヘツド３７より先行してライナー３８Ａ及び３
８Ｂが位置するようになされる。

第４図はこの考案が適用されたデイスクレコー
ダのヘツド移動装置の部分を示しており、磁気ヘ
ツド３７及びライナー３８Ｂが取付板３９を介し
て支持基体４０に固着される。また、支持基体４
０には、シヤーシ４１に対して垂直方向に延びか
つ互いに対向する一対の垂直片４２が設けられ、
この垂直片４２に対して支持部材４３が回転可能
に支持されている。この支持部材４３の先端部に
は、磁気ヘツド３７及びライナー３８Ｂの夫々と
対向するパツド３６及びライナー３８Ａが取り付
けられている。ライナー３８Ａ及び３８Ｂは、例
えばパツド３６と同様の部材の先端に貼り付けら
れている。支持部材４３は、図示せずも、スプリ
ングによつてパツド３６を磁気ヘツド３７に押し
付けるａ方向の回動力が付与されており、また、
磁気デイスク装置がデイスクレコーダに装着され
てないときは、所定の付勢機構により、ｂ方向に
付勢され、パツド３６及びライナー３８Ａが磁気
デイスク１から離れるようにされている。

このように取付板３９及び支持部材４３を有す
る支持基体４０は、ステツプモータ４４によつて
移動される構成とされている。つまり、ステツプ
モータ４４のモータ軸に送りねじ４５の一端が直
結され、その他端がシヤーシ４１の切起し片４６
に回転自在に取付けられ、また、この送りねじ４
５と平行にガイド軸４７が配置され、ガイド軸４
７が支持基体４０を貫通している。ステツプモー
タ４４の回転によつて支持基体４０が第４図にお
いて、矢印ｃ又はｄで示す方向に移動する。従つ
て記録又は再生時には、パツド３６及び磁気ヘツ
ド３７と共に、ライナー３８Ａ及び３８Ｂが磁気
デイスク１の径方向において一体に移動する。

なお、第４図において、４８及び４９の夫々
は、シヤーシ４１から植立されたカセツト受け用
ピンを示し、これらの先端部と磁気デイスク装置
の底面に設けられている位置決め用孔２６，２７
とが係合するように、磁気デイスク装置がデイス
クレコーダに装着される。

上述のこの考案の一実施例においては、磁気デ
イスクを記録又は再生するときには、第５図Ａに
示すように、磁気ヘツド３７に対して先行する位
置においてライナー３８Ａ及び３８Ｂにより磁気
デイスク１が挾持されるので、磁気デイスク１に
付着しているゴミが確実に除去される。また、デ
イスクレコーダに磁気デイスク装置を装着しただ
けでは、第５図Ｂに示すようにヘツドパツド３６
及びライナー３８Ａが押し付けられていないの
で、デイスク回転用のモータの負荷電流が減少す
る。

なお、この考案の一実施例では、ライナー１
１，１２を介在させているが、これは帯電防止と
磁気デイスク１の保護とのためである。

上述の一実施例の説明から理解されるように、
この考案に依れば、記録再生時のみライナー３８
Ａ，３８Ｂを磁気デイスク１に対して押し付ける
ので、舌片によつて常時ライナーを磁気デイスク
１に押し付ける場合と異なり、記録再生動作以外
におけるモータの負荷電流を減少することがで
き、全体として消費電力の低減を図ることができ
る。また、この考案によれば、舌片の弾性がなく
なり、ドロツプアウトが増加することを防止でき
る。従来のフロツピーデイスクのように柔かいジ
ヤケツト内に磁気デイスクを収納している場合に
は、記録再生時にジヤケツトの上下から押圧力を
加えて、ライナーを磁気デイスクに押し付けるこ
とも可能であるが、固いケースを用いているとき
には、かかる方法を使用できず、この考案は、固
いケースを有する磁気デイスク装置に使用して好
適である。更に、上述の一実施例のように、磁気
ヘツドと同様にライナーを移動する構成とすれ
ば、磁気デイスクに接触するライナーの面積を小
さくすることができ、一層モータの負荷を小とす
ることができる。

もつとも、この考案では、ライナーを移動させ
ることを必ずしも必要としない。第６図に示すよ
うに、上側シエル７及び下側シエル８に幅広い窓
を形成すると共に、ライナー１１，１２の窓は広
げない構成とし、したがつてはみ出たライナー１
１，１２の一部を記録再生時のみ上下から部材５
０Ａ，５０Ｂによつて挾持する構成としても良
い。この第６図に示すこの考案の他の実施例も、
記録再生時のみ磁気デイスク１に対してライナー
１１，１２を押し付けるので、前述のような消費
電力の低減、信頼性の向上という作用効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用しうる磁気デイスク装
置の一例の分解斜視図、第２図はこの磁気デイス
ク装置の上面図及び底面図、第３図はこの考案の
一実施例の上面図及び底面図、第４図はデイスク
レコーダの一部の斜視図、第５図はこの考案の一
実施例の説明に用いる断面図、第６図はこの考案
の他の実施例の一部上面図及び一部断面図であ
る。 １……磁気デイスク、７……上側シエル、８…
…下側シエル、１１，１２……ライナー、３６…
…パツド、３７……磁気ヘツド、３８Ａ，３８Ｂ
……ライナー、４０……支持基体、４５……送り
ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気デイスクがその内部に回転自在に収納され
   たケースと、このケースに形成された上記磁気デ
   イスクを回転駆動するための透孔と、上記ケース
   の上面及び底面の所定位置に形成された窓とを有
   し、上記磁気デイスクの記録又は再生時に、上記
   窓を通じて磁気ヘツド及びヘツドパツドが上記磁
   気デイスクを挟持すると同時に、上記窓内の上記
   磁気ヘツドより先行する位置において上記磁気デ
   イスクがクリーニング用部材により挟持されるよ
   うにした磁気デイスク装置。