JPH0535337U

JPH0535337U - 熱記録シート

Info

Publication number: JPH0535337U
Application number: JP8601291U
Authority: JP
Inventors: 佳明尾台
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-10-22
Filing date: 1991-10-22
Publication date: 1993-05-14

Abstract

(57)【要約】【目的】光を熱に変換して熱転写を行う熱記録装置に
おいて、少ない光エネルギーで低平滑紙に良好な印字が
できる熱記録シートを得ることを目的とする。【構成】ベースフィルムの片面に設けられる発泡イン
ク層を光熱変換層と一体化あるいは光熱変換層より記録
用紙側に設けた。【効果】少ない光エネルギーで印字できるので、装置
の小型化あるいは高速化が可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はレーザなどの光を熱に変換して記録を行う熱記録装置に用いる、熱記録シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

レーザなどの光を熱に変換して、ベースフィルム上の熱溶融性インクを溶かして紙へ転写するための熱記録シートのうち、特に低平滑に対しても良好な印字ができるように構成されたものとして特開昭６３−１９７６８８に示された熱記録シートがある。これを図２に示す。図２において、１はベースフィルムでありＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）などが用いられる。２は熱を加えると発泡して体積膨張を起こす発泡インク層、３は光を熱に変換するための光熱変換層であり基材にカーボンなどを分散させて形成される。４は一般に熱転写式プリンタなどで用いられている熱溶融性インク層である。

【０００３】印字時には記録用紙の上に当該シートを重ね、上から透明な部材で押し付け密着させレーザ等で印字パターンに従って光照射を行う。光が当った箇所は前記光熱変換層３にて発熱を生じ、近傍の熱溶融性インク層４が溶融し記録用紙に接着する。その後、当該シートを記録用紙から剥離すると、印字パターンに従い熱溶融性インクが記録用紙に転写される。上記動作において、発泡インク層で体積膨張が生じるため、当該シートと記録用紙との密着性が向上し、記録用紙表面が低平滑度であっても良好な印字が行われる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の熱記録シートは以上のように構成されているので発泡インク層（完全に透明ではない）中で照射した光の損失が生じる。また、発熱する箇所（光熱変換層）と発泡層あるいは熱溶融性インク層との間に熱伝導性の悪いベースフィルムが存在し、熱の損失も生ずるため、記録に大きな光エネルギーが必要となり、印字速度が遅くなるという問題点があった。

【０００５】この考案は上記のような問題点を解消するためになされたもので、比較的小さな光エネルギーで、低平滑紙にもきれいに印字できる熱記録シートを得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る熱記録シートは発泡インク層を、光熱変換層をはさんでベースフィルムと反対側の面に設けるか、あるいは、光熱変換層を発泡インク層と同一の層としたものである。

【０００７】

【作用】

この考案における熱記録シートは、照射光のほぼ１００％が光熱変換されるとともに、生じた熱が発泡インク層あるいは熱溶融性インク層に効率良く伝わるため、小さい光エネルギーで低平滑紙への記録が可能となる。

【０００８】

【実施例】

実施例１．以下、この考案の一実施例を図について説明する。図１（ａ）において１はベースフィルム、４は熱溶融性インク層、５は少なくとも発泡インクと光熱変換物質を含む層で、ここで光が吸収されて発熱するとともに熱膨張を起こす。６は印字される用紙であり、７は上記用紙６と上記１、４、５よりなる熱記録シートとを密着させるための透明板である。また、８はレンズ、９はレーザ光である。

【０００９】印字時には次のように動作する。レーザ光９が、レンズ８によつて絞られ、透明板７を透過して当該熱記録シートに照射される。すると、上記レーザ光９はベースフィルム１をも透過し、光熱変換発泡層５にて吸収され発熱する。この時、発泡インクが発泡して体積膨張を起こし、発生した熱によって溶融状態にある溶融インク層４を用紙６側へ圧着する。上記透明板７及びベースフィルム１はレーザ光をほぼ１００％透過するため光エネルギーを有効に使えるとともに、発熱部のすぐ近くに発泡インクがあるため体積膨張を起こし易い。したがって用紙が低平滑紙であってもきれいに印字できる。用紙に付着したインクが冷却固化し、用紙から当該熱記録シートを引きはがすことによって転写するのは一般的な熱転写記録と同様である。

【００１０】実施例２．図１（ｂ）及び（ｃ）は、光熱変換と発泡（体積膨張）の機能を分離させて別個の層にした例である。（ｂ）の場合は前記（ａ）の場合と同様の効果がある。また、（ｃ）の場合は発泡インク層を一番外側（用紙側）に設けたものである。この場合の発泡インク層は例えば通常の熱溶融インク中に発泡剤を分散させたものなどが考えられる。発熱のメカニズムは前述の実施例と同様であるが、用紙への転写の動作においては、上記発泡インク層中の熱溶融インクが溶融（あるいは軟化）して用紙に接着され、隣接する熱溶融インク層と一体化されて転写が行われる。この場合、用紙のごく近傍で膨張が生じ、用紙の凹部にまでインクが入り易いため、平滑度の低い用紙にも良く対応できる効果がある。なお、上記発泡インク層は、上記実施例（ｃ）では熱転写インク中に発泡剤を分散させたものを示したが、発泡する物質を含み、溶融加熱時に熱溶融インクと接着可能であれば、これに限らない。また、実施例（ａ）及び（ｂ）の場合は発泡する物質を含む層であれば良い。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば熱記録シートの発泡インク層を光熱変換層と一体化あるいは光熱変換層より用紙側に設けたもので、従来より小さい光エネルギーで印字でき装置の小型化あるいは高速化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による熱記録シートの説明
図

【図２】従来の熱記録シートの説明図

【符号の説明】

１ベースフイルム２発泡インク層３光熱変換層４熱溶融性インク層５光熱変換発泡層６用紙７透明板８レンズ９レーザ光

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ベースフィルムの片面に、発泡インクと
光熱変換物質を配合してなる光熱変換発泡層を設け、そ
の上に熱溶融性インク層を設けたことを特徴とする熱記
録シート。
【請求項２】ベースフィルムの片面に、順に光熱変換
層、発泡インク層、熱溶融性インク層を設けたことを特
徴とする熱記録シート。
【請求項３】ベースフィルムの片面に、順に光熱変換
層、熱溶融性インク層、発泡インク層を設けたことを特
徴とする熱記録シート。