JPS6242800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱印刷装置にかかわり、特に再生可能
なサーマルリボンを使用し例えば普通紙の如き被
転写体に印字できるようにした熱印刷装置に関す
る。

本発明の目的は少ないエネルギでサーマルリボ
ンの再生をすることにある。

本発明の他の目的は、小型で簡単な構造の熱印
刷装置を提供することにある。

従来の熱印刷装置は感熱紙に印字するものが多
く、維持費がかかり、記録の保存性が悪いという
欠点があつた。これを改善するためフイルムに熱
溶融性のインクを塗布したサーマルリボンを使用
することで普通紙に印字するものもあるが、サー
マルリボンは一度しか使用できないため維持費が
高いという問題は残されている。またエンドレス
のフイルムを使用し、印字後熱溶融性インクを溶
融塗布し再生して用いるという提案もある。しか
しながら溶融再生のためのエネルギは直接印字に
用いられるエネルギよりも大きいという欠点があ
つた。

また熱印刷ヘツドの他に再生溶融のための加熱
装置が必要となり装置が大型化するという欠点が
あつた。

本発明はかかる欠点を除去するもので、補充部
材と、耐熱性のある帯状部材を加圧接触させなが
ら相対移動させ、補充部材の一部を帯状部材に移
動付着させることで、少ないエネルギで帯状部材
を再生し、小型で簡単な構造の熱印刷装置を提供
せんとするものである。

本発明の実施例を第１図、第２図により説明す
る。

１はポリイミドフイルムをベース１１とし、外
側面にワツクスにカーボンブラツクを混合した熱
溶融インク１２を塗布した帯状部材で、外側面の
一部は記録紙２に接している。３は熱印刷ヘツド
で記録紙２と対向して帯状部材１の内側面に接し
ている。４，５は帯状部材１の案内部である。６
は帯状部材１の外側面に塗布されている熱溶融イ
ンク１２と同一物質からなる補充部材である。７
は補充部材６に回転力を与える駆動部材である。
８は基台で、その上に帯状部材１、熱印刷ヘツド
３、案内部４，５、補充部材６、駆動部材７が配
置されている。９は基台８の案内軸である。

以上の構成においてその動作を説明する。

熱印刷ヘツド３に、図示されていない制御回路
から駆動信号が与えられ、その熱で帯状部材１の
一部は加熱され外側面の熱溶融インク１２は記録
紙２に転写される。転写された後、基台８は図示
されていない駆動機構によつて案内軸９に沿つて
右方に１ドツト分移動される。この時帯状部材１
と記録紙２が相対移動して記録紙が汚れないよう
に補充部材６と帯状部材１との接触圧および相対
速度を定める。このようにして基台８の移動につ
れ記録紙２に印字が行なわれる。一行分の印字が
終わると、図示されていない機構により基台８は
記録紙２と離れるように移動され、帯状部材１が
記録紙２と離れた状態で左方に復帰する。この間
に記録紙２は１行分送られ次の行の印字にそなえ
る。以上の印字動作にともない、記録紙２上に、
ドツトとして熱溶融インクの転写が行なわれた帯
状部材は、基台８の移動につれて補充部材６に対
向する位置に移送される。補充部材６は帯状部材
１の移動速度と異なる周速度、すなわち、補充部
材６は帯状部材１の移動速度よりも高速で駆動部
材７にて回転駆動される。この時、補充部材６は
バネ部材などにより案内部５方向へ付勢されてお
り、補充部材６が駆動部材７にて高速回転される
際は補充部材６はバネ部材の付勢方向とは逆方向
に位置して帯状部材１と接触し回転している。し
たがつて補充部材６の表面付近に剪断力が働ら
き、補充部材６の表面付近の熱溶融インクの一部
は帯状部材の外側面に移動付着する。この再生に
要するエネルギは、加熱によつて再生するエネル
ギにくらではるかに小さくて良い。たとえば、ベ
ースフイルム１１の巾：w₁＝６mm、厚さ；t₁＝12
μｍ、比重；＝1.43ｇ／cm²、比熱；C₁＝2.2J／
ｇ・degとし、同様に熱溶融インク１２の巾；w₂
＝６mm、厚さ；t₂＝10μｍ、比重；γ_２＝1.1
ｇ／cm²、比熱；C₂＝1.13J／ｇ・deg、また加熱
温度；Ｔ＝100℃、１ドツト分の移動距離；ｌ＝
0.35mmとすると、他に熱が逃げないとしても、 w₁＝w₁・t₁・ｌ・C₁・Ｔ＋w₂・t₂・ｌ・C₂・
Ｔ ＝9.1ｍＪ が加熱のためのエネルギとなる。

一方本実施例による再生のエネルギは、たとえ
ば、Ｆ＝50ｇの力で、補充部材の周速度を帯状部
材の移動速度の３倍で矢印方向に回転させたとす
れば、帯状部材と、補充部材の相対速度は、帯状
部材の移動速度の２倍となり１ドツトの再生には
l₂＝2l＝0.7mmの移動を要する。したがつてその時
のエネルギは、絶対単位系に変換して計算する
と、 W₂＝Ｆ・l₂＝0.34ｍＪ となり、加熱溶融による再生エネルギ；W₁＝9.1
ｍＪにくらべ、はるかに小さいエネルギで良いこ
とがわかる。

なお第１図、第２図の実施例では帯状部材の外
側面と補充部材が接触する例を説明したが、第３
図のように、帯状部材のベース２１を多孔質の薄
紙とし、内側面に補充部材６を接触させ、印字に
あたつては、加熱溶融した熱溶融インクが浸透し
外側面を通して記録紙に転写されるようにしても
良い。この場合には、帯状部材の案内部を補充部
材が兼ねるため、構造が簡単になるという利点が
ある。

また以上述べた実施例では常温で固体の補充イ
ンクを説明したが、常温で極めて高粘度である粘
性体を使うことも考えられる。

以上の説明でわかるように、本発明によれば、
補充部材の回転速度を帯状部材の移動速度よりも
大とし、補充部材と帯状部材を加圧接触させなが
ら相対移動させているので、低エネルギーで補充
部材のインクを均一に滑らかに帯状部材に付着さ
せることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面図、第２図
は第１図の実施例の一部拡大図、第３図は本発明
の他の実施例を示す一部拡大図である。 １……帯状部材、３……熱印刷ヘツド、６……
補充部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱溶融性インクを用いて印刷を行なう熱印刷
   装置において、 耐熱性帯状部材と、該帯状部材の内側面に接す
   る熱印刷ヘツドと、前記帯状部材の一方の面に接
   する補充部材と、該補充部材を回転駆動し前記補
   充部材と前記帯状部材とを加圧接触させる駆動部
   材とを備え、 前記駆動部材が前記補充部材を前記帯状部材の
   移動速度よりも高速で回転駆動し、前記帯状部材
   の一方の面に前記補充部材のインクを付着移動さ
   せることを特徴とする熱印刷装置。