JPH0535016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 産業上の利用分野 本考案は貨物車・消防車等のように車体上に荷
台を有する車両、特に荷台上にハシゴや板材のよ
うな長尺物を搭載する車両に関するものである。

(b) 従来の技術 従来、貨物車の荷台上に長尺物を格納する場合
には人力にて長尺物を荷台上に持上げ、適宜固縛
手段を操作して長尺物を荷台に固定するようにな
つている。

(c) 考案が解決しようとする課題 ところが、前記作業を行なう場合には、地上か
ら長尺物を押し上げる者と荷台に乗つて長尺物を
持ち上げるとともに長尺物を固定させる者が必要
であり、少なくとも２名の作業者を必要としてい
る。特に消防車の如く多くの道具を収容するため
荷台が高くなつているものにおいては３名以上の
作業者を必要とし、長尺物の積卸し作業のみに多
大な労力を必要とする欠点がある。

本考案は前記問題を解決するためになされたも
ので、その目的は昇降アームの回動にて長尺物の
積卸しを行なうとともに積込み時の長尺物の固縛
を自動的に行なわせるようにし、作業時の労力を
軽減させるようにした貨物車等における長尺物用
荷役装置を提供するものである。

(d) 課題を解決するための手段 本考案は前記課題を解決するもので、車体上に
荷台を設け、前記荷台の後部には駆動手段にて後
方に回動しうる昇降アームを軸支し、前記昇降ア
ームの自由端には長尺物の一部を固縛するロツク
装置を設け、一方荷台上部には、支持部材を架設
した立枠を前後に設け、前記前部立枠から前方に
フレームを張出し、前記フレームの先端には前記
長尺物の一部を上方移動規制のために係合させる
係合部材を後上り傾斜状に設けたことを特徴とす
るものである。

(e) 作用 長尺物積込時には、長尺物の前部を後部立枠の
支持部材に立てかけるとともに長尺物の後部を幾
分持ち上げて長尺物の一部を下方に位置する昇降
アームのロツク装置にロツクする。

その状態で昇降アームを上方回動させると、長
尺物は円弧移動にて押し上げられ、昇降アームが
最上位置に近づくとロツク装置が略直線移動にな
ることから長尺物も略直線移動となり、長尺物の
一部が係合部材に係合して長尺物は自動的に固縛
状態となる。

長尺物を卸ろす場合には昇降アームを下方回動
させれば、回動初期において長尺物が係合部材か
ら外れ、その後長尺物は円弧移動して卸ろすこと
ができる。

(f) 実施例 以下実施例を図面にて説明すると、１は貨物車
若しくは消防車の車体で、該車体１上に荷台２を
設け、この荷台２上に被輸送物や消火のための各
種道具を載せるようになつている。

３は前記荷台２後部内側に軸支された昇降アー
ムで、該昇降アーム３はブラケツト４を介して荷
台２上のシリンダ５に連結され、前記シリンダ５
の伸縮作動にて昇降アーム３が上下回動されるよ
うになつている。

前記アーム３の自由端には長尺物６を結合する
ためのロツク装置７が設けられており、このロツ
ク装置７は第３図および第４図に示す如く、左右
一対設けられ、それぞれ固定フツク８、可動フツ
ク９及び取手１０から成り、両フツク８，９は円
弧状で、可動フツク９は固定フツク８の溝１１内
に格納可能になつており、また取手１０は可動フ
ツク９に取付けられている。

前記可動フツク９を固定フツク８に格納すると
固定フツク８の上方が開放され、可動フツク９を
張り出すと固定フツク８の上方を閉じ、長尺物６
の横桁１２を固縛できるようになつている。

１３，１４，１５は荷台２上に前後間隔をもう
けて立設した前部立枠、中間立枠、後部立枠であ
る。前記各立枠１３，１４，１５には支持部材と
してローラ１６，１６，１６が架設され、ローラ
１６，１６，１６にて長尺物６を支持するととも
に立枠１３，１４，１５にて長尺物６の横移動を
規制するようになつている。

前部立枠１３には前方に延びたフレーム１７が
固定され、このフレーム１７の先端には第２図に
示す如く平板状の係合部材１８が後上りの傾斜状
に固定されている。

尚、ロツク装置及び係合部材は実施例の構造に
限定されるものではなく、前者では長尺物の一部
を結合できるものであればよく、後者では長尺物
の前後移動にて長尺物の一部と自動的に係脱でき
るものであればよい。

本考案は前記の如き構成で次に作用について説
明すると、まず昇降アーム３を下方回動させ（第
１図一点鎖線）、ロツク装置７の可動フツク９を
固定フツク８に格納して固定フツク８を開放させ
る。

この状態で、長尺物６の前部を後部立枠１５の
ローラ１６に当接させるとともに長尺物６の横桁
１２を固定フツク８に上方から入れる。

横桁１２が固定フツク８に入ると可動フツク９
を張り出させて横桁１２をロツクする。

すなわち第１図一点鎖線の状態になる。

次にシリンダ５を縮小させて昇降アーム３を上
方回動させると、長尺物６は荷台２上方に押し上
げられるとともに第１図二点鎖線の如く円弧移動
する。

更に昇降アーム３が最上昇位置に近づくとロツ
ク装置７が略直線移動になることから長尺物６も
前方に略直線移動し、長尺物６の横桁１２が係合
部材１８に係合し、長尺物６の上方移動を規制す
ることになるので、長尺物６を自動的に固縛状態
にすることができる。

長尺物６を卸す時には第１図実線位置からシリ
ンダ５を伸長させて昇降アーム３を一点鎖線位置
まで回動させる。

これにより長尺物６は係合部材１８から自動的
に外れ、卸ろすことができる。

(g) 考案の効果 以上の如く本考案は昇降アームにて長尺物を押
し上げるとともに、長尺物の移動にて荷台上方の
フレームに取付けられた係合部材に長尺物の一部
が自動的に係合するようにしたので、長尺物の荷
台への積卸し作業をわずかな労力にて行なうこと
ができ、更に荷台上での固縛作業が不要になるた
め、地上から１人で積卸し作業が行なえるととも
に被輸送物や道具類が積み込まれた荷台上での不
安定な作業からも解放される。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体図、第２図は係合部材の拡大図、
第３図はロツク装置の拡大図、第４図は第３図Ａ
−Ａ図である。 １は車体、２は荷台、３は昇降アーム、６は長
尺物、７はロツク装置、１３，１４，１５は立
枠、１６は支持部材、１７はフレーム、１８は係
合部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体上に荷台を設け、前記荷台の後部には駆動
   手段にて後方に開口しうる昇降アームを軸支し、
   前記昇降アームの自由端には長尺物の一部を固縛
   するロツク装置を設け、一方荷台上部には、支持
   部材を架設した立枠を前後に設け、前記前部立枠
   から前方にフレームを張出し、前記フレームの先
   端には前記長尺物の一部を上方移動規制のために
   係合させる係合部材を後上り傾斜状に設けてなる
   貨物車等における長尺物用荷役装置。