JPH0685164U - 貨物台車のコンテナ積降し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】貨物台車の車台上にコンテナ毎の積降し装置を
設け、コンテナの積降し作業の円滑化を効果的に図る。 【構成】貨物台車A により輸送可能なコンテナC,C をス
テーションS のホームH上との間で積降すようにしたコ
ンテナ積降し装置5 を、上記貨物台車A の車台1上に設
けた，上記コンテナC を貨物台車A の進行方向およびホ
ームH への積降し方向の間で旋回させるターンテーブル
よりなる旋回手段6 と、コンテナC を積降し方向へ旋回
させた状態で、コンテナC をコンテナ載置台62とホーム
H との間で押し引きにより移載する伸縮シリンダよりな
る移載手段7 と、該移載手段7 の第２シリンダロッド73
先端に設けられ、コンテナC の底壁4b他側端の係合部材
81を移載手段7 による車台1 上への移載開始時からステ
ーションS 側への移載完了時まで固縛しておく固縛／解
除可能な固縛部材82を有する固縛手段8 とを備えて構成
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、貨物台車により輸送可能なコンテナをステーションとの間で積降す ようにした貨物台車のコンテナ積降し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、貨物台車により輸送されるコンテナは、ステーションに配備されたフ ォークリフトやクレーン等のコンテナ積降し装置により積降されるようになって いる。つまり、コンテナ積降し装置は、コンテナのバランスを考慮した所定部位 への係合により保持した状態で持ち上げて積降すようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このようにフォークリフトやクレーン等によりコンテナを積降すも のでは、コンテナ積降し時にコンテナの所定部位に対する位置決めが必要となり 、その位置決め作業が非常に煩わしいものとなる。その上、コンテナ積降し時に コンテナ毎の個別の位置決め作業が必要となるため、複数のコンテナの積降し作 業に多大な時間を要することになる。

【０００４】 本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、貨物台 車の車台上にコンテナ毎の積降し装置を設け、コンテナの積降し作業を簡単かつ 短時間で行い得るようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案が講じた解決手段は、貨物台車により輸送可 能なコンテナをステーションとの間で積降すようにした貨物台車のコンテナ積降 し装置を前提とする。そして、上記貨物台車の車台上に設けられ、上記コンテナ を貨物台車の進行方向およびステーションへの積降し方向の間で旋回させる旋回 手段と、該旋回手段によりコンテナを積降し方向へ旋回させた状態で、上記コン テナを車台とステーションとの間で押し引きして移載する移載手段と、該移載手 段に設けられ、上記コンテナを移載手段による車台上への移載開始時からステー ション側への移載完了時まで固縛しておく固縛／解除可能な固縛手段とを設ける 構成としたものである。

【０００６】

【作用】

上記の構成により、本考案では、コンテナを貨物台車の車台上からステーショ ンに降す場合、旋回手段によりコンテナを貨物台車の進行方向からステーション への積降し方向へ旋回させ、この状態で、移載手段によりコンテナを車台上から ステーションへ押出して移載完了してから、固縛手段による固縛を解除してコン テナの降し作業を完了する。

【０００７】 一方、コンテナをステーションから貨物台車の車台上に積み込む場合、旋回手 段を車台上で積降し方向へ旋回させた後、移載手段を車台上からステーションへ 押出し動作させておき、この状態で、固縛手段によりコンテナを固縛してから、 移載手段によりコンテナをステーションから車台上へ引き込んでコンテナの積み 込み作業を完了する。

【０００８】 このように、貨物台車の車台に設けた旋回手段、移載手段および固縛手段によ り構成されるコンテナ積降し装置によって、ステーションとの間でコンテナが積 降されるので、フォークリフトやクレーン等によりコンテナを積降すもののよう に、コンテナ積降し時にコンテナのバランスを考慮した所定部位に対する位置決 め作業が不要となり、コンテナ積降し作業が簡単に行われる。しかも、コンテナ 積降し装置による積降しがコンテナ毎に行われるので、複数のコンテナの積降し 作業に要する時間が大幅に短縮されることになる。

【０００９】

【考案の効果】

以上の如く、本考案における貨物台車のコンテナ積降し装置によれば、貨物台 車の車台上のコンテナ積降し装置によってステーションとの間でのコンテナの積 降しを可能としたので、コンテナに対する位置決め作業を不要にしてコンテナの 積降し作業の簡単化を図りつつ、コンテナ毎の積降し作業による積降し作業の大 幅な短縮により複数のコンテナの積降し作業を短時間で行い、よってコンテナの 積降し作業の円滑化を図ることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１ないし図３は本考案の一実施例に係る貨物台車のコンテナ積降し装置を示 し、１は塵芥などを収容可能なコンテナＣ，Ｃを輸送可能な貨物台車Ａ（図では １車両のみ示す）の車台、２，…は車台１の車輪であって、ステーションＳまで 敷設されたレール３，３上での貨物台車Ａの滑走を可能にしている。この貨物台 車Ａ（車両）は、図示しない先頭の機関車により牽引されるようになっている。

【００１２】 また、上記各コンテナＣは、長方形平板状の上壁４ａおよび底壁４ｂ、並びに 上壁４ａおよび底壁４ｂよりも若干短手方向に短い長方形平板状の側壁４ｃ（図 では一方のみ示す）により断面略横長長方形状の筒に形成されてなる収容部分と 、該収容部分の開口端を閉塞する一端壁４ｅおよび他端壁４ｆとからなり、その 一端壁４ｅが開閉可能な扉に形成されてなる。さらに、上記底壁４ｂ下面の一側 および他側には、後述するコンテナ載置台６２上およびステーションＳのホーム Ｈ上を滑走可能なコンテナ車輪４ｇ，…が設けられている。

【００１３】 そして、上記車台１上の進行方向前後位置には、貨物台車Ａにより輸送される 各コンテナＣをステーションＳとの間で積降すコンテナ積降し装置５，５が設け られている。

【００１４】 該各コンテナ積降し装置５は、上記車台１上の進行方向前後に設けられ、上記 各コンテナＣを貨物台車Ａの進行方向とステーションＳへの積降し方向との間で 旋回させる旋回手段６と、各コンテナＣを積降し方向へ旋回させた状態で、コン テナＣを車台１とステーションＳとの間で押し引きにより移載する移載手段７と 、該移載手段７に設けられ、上記コンテナＣを移載手段７による車台１上への移 載が開始されてからステーションＳ側への移載が完了するまで固縛しておく固縛 ／解除可能な固縛手段８とを備えている。

【００１５】 上記旋回手段６は、車台１上の進行方向前後位置に設けられ、その前後位置よ り鉛直線方向へ延びる軸芯ｍ回りに回動自在な回転軸６１と、該回転軸６１の上 端に固設され、貨物台車Ａの輸送時のコンテナＣの底壁４ｂの形状と略一致する 進行方向に長い長方形板状のコンテナ載置台６２とからなるターンテーブルであ って、車台１に設けた操作スイッチ（図示せず）により、上記各コンテナＣを貨 物台車Ａの進行方向、つまり一端壁４ｅおよび他端壁４ｆが進行方向前後向きと なる方向と、ステーションＳへの積降し方向、つまり左右側壁４ｃ，４ｄが進行 方向前後向きとなって他端壁４ｆがホームＨ側に向く方向との２位置間で各コン テナ載置台６２（コンテナＣ）を個別に略９０°旋回させるようにしている。ま た、上記コンテナ載置台６２は、その略中央部を長手方向（コンテナＣの一側か ら他側）へ連続的に凹ませた凹部６３を有して断面略凹字状に形成されている。 この場合、回転軸６１は、コンテナ載置台６２の短手寸法と略一致する直径に形 成されていて、コンテナ載置台６２上でのコンテナＣの安定感が十分に確保され るようにしている。

【００１６】 また、上記移載手段７は、コンテナ載置台６２の長手方向へ延びるシリンダチ ューブ７１と、該シリンダチューブ７１に対して伸縮するチューブ状の第１シリ ンダロッド７２と、該第１シリンダロッド７２に対して伸縮する第２シリンダロ ッド７３とを備えた伸縮シリンダよりなり、車台１に設けた操作スイッチ（図示 せず）により伸縮動作されて、積降し方向へ旋回させた状態のコンテナＣを車台 １とステーションＳのホームＨとの間で押し引きにより移載するようにしている 。また、上記シリンダチューブ７１は、上記コンテナ載置台６２の凹部６３内に 下部が埋設されていて、コンテナＣの底壁４ｂとコンテナ載置台６２との間の小 さな隙間に円滑に配置されるようになっている。そして、上記シリンダチューブ ７１の基端は、コンテナ載置台６２の凹部６３一端側に支持されている。この場 合、コンテナＣは、各シリンダロッド７２，７３の伸長完了時にステーションＳ のホームＨ上への移載完了位置に到達する一方、各シリンダロッド７２，７３の 縮短完了時にコンテナ載置台６２上への移載完了位置に到達するようになされて いる。

【００１７】 さらに、上記固縛手段８は、コンテナＣの底壁４ｂ下面の他側端中央に設けら れた係合部材８１と、上記第２シリンダロッド７３の先端に設けられ、上記係合 部材８１に対して出没自在な突起などにより係脱自在に固縛する固縛部材８２と により構成されていて、上記移載手段７の各シリンダロッド７２，７３伸長完了 時にコンテナＣの係合部材８１に対して固縛部材８２を固縛させた車台１上への 移載開始時から貨物台車Ａによる輸送工程を経てステーションＳ側への各シリン ダロッド７２，７３の伸長完了によりホームＨ上への移載が完了するまでコンテ ナＣを固縛するようにしている。そして、上記ステーションＳには、ステーショ ンＳ側へ移載完了したコンテナＣをホームＨ上から載せ換えて塵芥処理場などの 目的地まで陸送するコンテナ積降し車両９が配備されている。

【００１８】 該コンテナ積降し車両９は、車台枠９１上に設けられたサブシャーシＳＣの後 端部にて水平軸Ｏ回りに傾動自在に枢支された傾動フレーム９２と、該傾動フレ ーム９２の前部において横軸Ｐ回りに起伏可能にかつ摺動可能に連結され、上記 傾動フレーム９２に連結される後端から水平方向前方に延びたのち略垂直上方に 延びてなる略Ｌ字形の起伏フレーム９３と、該起伏フレーム９３を傾動フレーム ９２に対して略水平方向へ摺動させる摺動シリンダ９４と、上記起伏フレーム９ ３の先端に設けられ、コンテナＣの他端壁４ｆ上端に設けられたバー状のフック 係合部Ｃａに係合されるコンテナＣ運搬用のフックＦと、上記起伏フレーム９３ の水平部後端に近い部位と上記サブシャーシＳＣとの間に連携され、伸長時に起 伏フレーム９３を後方へ回動させて起立状態にする一方、縮短時に起伏フレーム ９３を前方へ回動させて倒伏状態にする１対のリフトシリンダ９５と、上記サブ シャーシＳＣ後端部に設けられ、コンテナＣの底壁４ｂ下面を滑動案内する案内 ローラ９６とを備えてなる。

【００１９】 ここで、コンテナ積降し車両９の運転席から行われる車台枠９１上のコンテナ Ｃの積降しおよびダンプする際の動作について説明する。

【００２０】 すなわち、ホームＨに移載完了したコンテナＣを車台枠９１上に搭載するとき には、摺動シリンダ９４を伸長させて起伏フレーム９３を後退させた状態でリフ トシリンダ９５を伸長させることにより、図１に示すように、起伏フレーム９３ の後方への移動位置において横軸Ｐを中心に起伏フレーム９３を起立させ、その 起伏フレーム９３先端のフックＦをコンテナＣのフック係合部Ｃａに対して係合 させる。そして、この状態からリフトシリンダ９５を縮短させることにより、起 伏フレーム９３が横軸Ｐ回りに前方へ倒伏して、コンテナＣを案内ローラ９６上 を滑動させながら、車台枠９１上の後部にコンテナＣの前部を搭載する。この状 態で摺動シリンダ９４を縮短させることにより、起伏フレーム９３が前進してコ ンテナＣを車台枠９１上に搭載完了する。

【００２１】 一方、車台枠９１上のコンテナＣをホームＨ上に降す際には、上記の起伏フレ ーム９３の起立動作と同様に伸縮シリンダ９４の伸長により起伏フレーム９３を 後退させて車台枠９１上のコンテナＣの後部を車台枠９１の後端から外方に突出 させる。そして、リフトシリンダ９５を伸長させることにより、起伏フレーム９ ３が横軸Ｐを中心に起立し、コンテナＣをその自重により案内ローラ９６上を滑 動させながらホームＨ上に降される。

【００２２】 また、車台枠９１上のコンテナＣをダンプさせる場合には、摺動シリンダ９４ の縮短状態でのリフトシリンダ９５の伸長動作により、起伏フレーム９３と傾動 フレーム９２とが一体的に連結された状態で水平軸Ｏ回りに傾動し、コンテナＣ をダンプさせるようになされていて、このダンプ時に開放する一側壁４ｅにより コンテナＣ内の塵芥が排出されるようにしている。

【００２３】 次に、貨物台車Ａの車台１上とステーションＳのホームＨ上との間で行われる コンテナＣの積降し動作について説明する。

【００２４】 先ず、コンテナＣを貨物台車Ａの車台１上からステーションＳのホームＨ上に 降す場合、旋回手段７により、コンテナＣを、図２に実線で示すように一側壁４ ｅおよび他側壁４ｆが進行方向前後向きとなる貨物台車Ａの進行方向から、図２ に仮想線（二点鎖線）で示すように左右側壁４ｃ，４ｄが進行方向前後向きとな るステーションＳへの積降し方向へコンテナ載置台６２を旋回させて、コンテナ Ｃの他端壁４ｆをステーションＳのホームＨ側に向ける。この状態で、移載手段 ７の各シリンダロッド７２，７３をそれぞれ伸長させ、コンテナＣをコンテナ載 置台６２上からステーションＳのホームＨへ押出してホームＨ上への移載を完了 してから、第２シリンダロッド７３先端の固縛手段８によるコンテナＣの底壁４ ｂ下面の係合部材８１に対する固縛を解除してコンテナＣの降し作業を完了する 。その後、上述したコンテナ積降し車両９の車台枠９１上への搭載動作によりコ ンテナＣを搭載した後、該車両９により目的地まで陸送するようにしている。

【００２５】 一方、コンテナＣをステーションＳのホームＨ上から貨物台車Ａの車台１上に 積み込む場合、旋回手段６によりコンテナ載置台６２をその他端側がステーショ ンＳ側に向くように積降し方向へ旋回させておき、この状態で、各シリンダロッ ド７２，７３をそれぞれ伸長させ、固縛手段８によるコンテナＣの係合部材８１ への固縛部材８２の固縛を完了させる。それから、各シリンダロッド７２，７３ をそれぞれ縮短させてコンテナＣをステーションＳのホームＨ上からコンテナ載 置台６２上へ引き込んでコンテナＣを積み込んだ後、コンテナＣの一側壁４ｅお よび他側壁４ｆが進行方向前後向きとなるようにコンテナ載置台６２を貨物台車 Ａの進行方向向きに旋回させ、コンテナＣの貨物台車Ａへの移載を完了する。

【００２６】 このように、貨物台車Ａの車台１に設けた旋回手段６、移載手段７および固縛 手段８により構成されるコンテナ積降し装置５によって、ステーションＳのホー ムＨとの間でコンテナＣが積降されるので、フォークリフトやクレーン等により コンテナを積降すもののように、コンテナ積降し時にコンテナのバランスを考慮 した所定部位に対する位置決め作業が不要となり、コンテナＣの積降し作業を簡 単に行うことができる。しかも、コンテナ積降し装置５による積降しがコンテナ Ｃ毎に行われるので、複数のコンテナＣ，Ｃの積降し作業に要する時間を大幅に 短縮でき、よってコンテナ積降し作業の簡単化と相俟って、コンテナＣの積降し 作業の円滑化を効果的に図ることができる。

【００２７】 尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包 含するものである。例えば、上記実施例では、塵芥などを収容可能なコンテナＣ としたが、その他あらゆる収容物の収容可能なコンテナに適用されるのは勿論で ある。

【００２８】 また、上記実施例では、車台１上の進行方向前後にコンテナＣ，Ｃを搭載した が、車台上の進行方向に３つ以上のコンテナが搭載されるようにしたり、車台上 に１つのコンテナのみが搭載されるようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】貨物台車進行方向より視たホーム上へのコンテ
ナ移載完了状態を示すコンテナ積降し装置の正面図であ
る。

【図２】コンテナ積降し装置の平面図である。

【図３】貨物台車側方より視たコンテナ積降し装置の側
面図である。

【符号の説明】

１ 車台 ５ コンテナ積降し装置 ６ 旋回手段 ７ 移載手段 ８ 固縛手段 Ａ 貨物台車 Ｃ コンテナ Ｓ ステーション

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貨物台車により輸送可能なコンテナをス
   テーションとの間で積降すようにした貨物台車のコンテ
   ナ積降し装置において、 上記貨物台車の車台上に設けられ、上記コンテナを貨物
   台車の進行方向およびステーションへの積降し方向の間
   で旋回させる旋回手段と、該旋回手段によりコンテナを
   積降し方向へ旋回させた状態で、上記コンテナを車台と
   ステーションとの間で押し引きして移載する移載手段
   と、該移載手段に設けられ、上記コンテナを移載手段に
   よる車台上への移載開始時からステーション側への移載
   完了時まで固縛しておく固縛／解除可能な固縛手段とが
   設けられていることを特徴とする貨物台車のコンテナ積
   降し装置。