JPH0534919Y2 - - Google Patents

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JPH0534919Y2
JPH0534919Y2 JP11675088U JP11675088U JPH0534919Y2 JP H0534919 Y2 JPH0534919 Y2 JP H0534919Y2 JP 11675088 U JP11675088 U JP 11675088U JP 11675088 U JP11675088 U JP 11675088U JP H0534919 Y2 JPH0534919 Y2 JP H0534919Y2
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resin
fiber fabric
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、硬質発泡体やハニカム材を芯材と
するサンドイツチ複合材の表皮や、アタツシユケ
ース、スーツケース、旅行用トランク等のトラン
ク類の構成材料などとして適した、炭素繊維強化
プラスチツク(CFRP)に関する。
(従来の技術) 炭素繊維織物を補強材とするCFRPは、よく知
られている。たとえば、特開昭56−80425号公報
には、炭素繊維織物を補強材とし、熱硬化性樹脂
や熱可塑性樹脂をマトリクスとするCFRPが記載
されている。
ところで、意匠効果を付与したり、つや消し感
を与えたり、表面を傷付きにくくするなどの目的
で、樹脂材料の表面にしぼ加工を施すことがよく
ある。このしぼ加工は、炭素繊維織物を補強材と
するCFRPにおいても施し得るが、CFRPに通常
使用されている炭素繊維織物は比較的目が粗く、
表面に樹脂部分が多いために、しぼ加工を施して
も、擦過やひつかきに対しては、樹脂材料の場合
とあまり大きくは変わらない。
(考案が解決しようとする課題) この考案の目的は、意匠効果や、つや消し感等
を有するのはもちろん、擦過やひつかきに対して
強いCFRPを提供するにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、この考案において
は、炭素繊維織物を補強材とする炭素繊維強化プ
ラスチツクであつて、表面にしぼ加工が施されて
おり、しぼは炭素繊維織物まで達しており、その
炭素繊維織物はカバーフアクターが少なくとも80
%であることを特徴とする炭素繊維強化プラスチ
ツクが提供される。
この考案をさらに詳細に説明するに、この考案
のCFRPは、炭素繊維織物を補強材とし、樹脂を
マトリクスとするものである。
炭素繊維織物は、炭素繊維糸(マルチフイラメ
ント)を経糸および緯糸とするもので、平織物、
綾織物、朱子織物等、いずれであつてもよいが、
好ましいのは、織密度を高くできて、後述するカ
バーフアクターを高くできる綾織物や朱子織物で
ある。しかして、織物は、ただ1枚で用いても、
積層して用いてもよい。
この考案においては、炭素繊維織物が、カバー
フアクターが少なくとも80%であるものでなけれ
ばならない。90%以上であるのが好ましい。ここ
で、織物を積層して使用しているものにあつて
は、しぼが達する最外層に位置している織物が、
カバーフアクターが少なくとも80%であるもので
あればよい。
カバーフアクターは、織物の組織、織密度、織
糸の太さや、CFRPを成形する際の加圧力等に依
存する。これら注意深く選定して、カバーフアク
ターが少なくとも80%になるようにする。
ここで、カバーフアクターは、織物業界におい
て使用されている、織物の緻密さを表す指標であ
る。この考案においては、カバーフアクターを次
のようにして求める。
すなわち、金網にCFRPを載せ、バーナーで樹
脂を焼いた後、さらに30秒間バーナーに当てて樹
脂を完全に熱分解し、飛散させる。ただ1枚の織
物を使用している場合にはその1枚の織物につい
て、織物を積層して使用している場合にはしぼが
達する最外層に位置している織物について光をあ
て、その透過パターンから、作図によつて、光が
透過した面積S1と透過しなかつた面積S2とを求
め、次式によつて計算する。
Cf=[S2/(S1+S2)]×100 マトリクスを構成している樹脂は、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フエノール樹脂、
ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミド
樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリフエニレンサルフアイド樹脂
等の熱可塑性樹脂や、熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー、熱可塑性ポリエーテルエステルエラス
トマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー等の熱
可塑性エラストマーである。なかでも、これは用
途等にもよるが、上述したトランク類等に使用す
るCFRPである場合には、擦過やひつかきに対し
て比較的強いという理由で、熱可塑性エラストマ
ーが好ましい。
そのような熱可塑性エラストマーとしては、上
述したように、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー、熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマ
ー、熱可塑性ポリアミドエラストマーがある。熱
可塑性ポリウレタンエラストマーは、平均分子量
が500〜3000程度の長鎖グリコールと、平均分子
量が500程度以下の短鎖グリコールと、ジイソシ
アネートとが付加重合したもので、大日本インキ
化学社製の“パンデツクス”、日本エラストラン
社製の“エラストラン”、日本ポリウレタン社製
の“パラプレン”、武田薬品工業社製の“タケラ
ツク”等がある。また、熱可塑性ポリエーテルエ
ステルエラストマーは、平均分子量が500〜2000
程度の長鎖グリコールと、平均分子量が500程度
以下の短鎖グリコールと、ジカルボン酸とが縮合
重合したもので、米国デユポン社製の“ハイトレ
ル”、東洋紡績社製の“ペルプレン”等がある。
さらに、熱可塑性ポリアミドエラストマーは、ポ
リアミドとポリエーテルもしくはポリエステルと
をブロツク共重合させたものや、ナイロンに、N
−エチル−O−、Pトルエンスルホンアミド、ベ
ンゼンスルホンブチルアミド等のスルホン酸アミ
ド類や、ノニルフエノール等のフエノール類や、
2エチルヘキシル−2−オキシエチルフタル酸エ
ステル等のカルボン酸エステルなどを5〜30重量
%程度混入させたもので、ダイセル化学工業社製
の“ダイアミド”PAE、大日本インキ化学社製
の“グリラツクス”、西ドイツ国ヒユルス社製の
“フエスタミド”等がある。
さて、この考案のCFRPは、表面にしぼ加工が
施されている。しかして、そのしぼ加工によるし
ぼは、織物にまで達している。もちろん、しぼ加
工は、織物を積層して使用している場合には、最
外層を形成している織物に達しているものであ
る。
表面に形成されたしぼは、しぼが達している炭
素繊維織物のカバーフアクターが少なくとも80%
であることと相まつて、CFRPの耐擦過性や耐ひ
つかき性を大きく向上させる。
すなわち、しぼ加工は、上述したように、もと
もと耐擦過性や耐ひつかき性の向上には有効なも
のであるが、この考案においては、しぼが炭素繊
維織物にまで達しており、しかも、その織物のカ
バーフアクターが少なくとも80%であるために、
ダイアモンドと同様に硬い、織物を構成している
炭素繊維が、大部分、表面に露出したような状態
が作り出されており、耐擦過性や耐ひつかき性が
大きく向上するわけである。もし、カバーフアク
ターが80%に満たないような織物では、多くのし
ぼが、樹脂のみからなる、織物の織糸間に達する
ことになり、耐擦過性や耐ひつかき性は、樹脂に
しぼ加工を施したものとあまり変わらなくなつて
しまう。
しぼの形状はどのようなものでもよいが、しぼ
加工は、いろいろな方法によることができる。た
とえば、CFRPを成形する際に、しぼ模様を有す
る金型を使用したり、しぼ模様を付した鏡面板を
押し付けることでしぼを付与できる。また、合成
皮革等のしぼ加工で多用されている、離型紙によ
つてしぼを転写する方法や、その他、エンボス加
工法やホツトスタンプ法等によることができる。
賦型の容易さや、しぼの多様性や、鮮明さや、つ
や消しの容易さや、加工コスト等を考慮すると、
離型紙による方法が最も好ましい。
この考案CFRPは、樹脂の体積含有率が35〜75
%の範囲にあるのが好ましい。より好ましい範囲
は、45〜60%である。35%未満では、織物組織の
交錯部分にボイドができることがあり、その場
合、しぼによる意匠効果や、品位が損われる。ま
た、75%を越えると、しぼ加工を施しても、織物
まで達しないしぼが増え、耐擦過性や耐ひつかき
性が低下することがある。
ところで、この考案のCFRPは、それ自体で使
用できることはもちろんであるが、用途によつて
は、たとえば、上述したトランク類においては、
そのようなトランク類の構成材料には剛性が要求
されることから、この考案のCFRPを表皮とし、
硬質発泡体やハニカム体を芯材とするサンドイツ
チ複合材にしたほうが有利である。表皮としての
CFRPの厚みは、使用部位によるが、0.1〜2mm
程度でよい。また、芯材の厚みは、1〜10mm程度
でよい。なお、硬質発泡体としては、独立気泡を
有する、ポリウレタン発泡体、フエノール発泡
体、エポキシ発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、ポ
リスチレン発泡体、ポリアクリル発泡体、ガラス
発泡体、アルミニウム発泡体等を使用することが
できる。これらの発泡体は、密度が0.02〜0.5g/
cm3で、圧縮強度が1〜50Kg/cm2であるものが好ま
しい。また、ハニカム体としては、ペーパーハニ
カムやアルミニウムハニカム等を使用することが
できる。表皮と芯材とは接合されるが、接合は、
接着剤による方法や、熱融着による方法など、周
知の方法によることができる。
(実施態様) 第1図において、CFRPは、炭素繊維糸を経糸
1および緯糸2とする織物3で樹脂4を強化して
なり、表面には、しぼ5が炭素繊維織物4にまで
達するしぼ加工が施されている。織物3は、カバ
ーフアクターが少なくとも80%であるものであ
る。
第2図に示すものは、上記第1図に示した
CFRPを表皮6とし、表皮6と同様であるが、し
ぼ加工は施していないCFRPをもう一方の表皮7
とし、硬質発泡体を芯材8として構成したサンド
イツチ構造材である。
(実施例) 2枚の、武田薬品工業社製の熱可塑性ポリウレ
タンエラストマーシート“タケラツク”T590(厚
み:0.08mm)の間に、東レ社製炭素繊維“トレ
カ”T300−3Kからなる、2/2の綾組織で、織
密度が6本/cmである炭素繊維織物を挟み、さら
に創研化工社製離型紙R−8を重ね合わせ、200
℃の温度下に20Kg/cm2の圧力で10分保持し、圧力
を保持したまま室温まで冷却し、離型紙を剥ぎ取
り、表面に1平方センチメートル当り約580個の
しぼを有するCFRPを得た。
このCFRPについて、織物のカバーフアクター
を測定したところ、92%であつた。また、大栄科
学精器社製学振型染色堅牢度試験機を用い、荷重
を500g、摩耗回数を20往復、相手材を#1000の
サンドペーパーとして表面の耐擦過性、耐ひつか
き性を試験したが、傷はほとんど認められなかつ
た。
(比較例) 織物を、東レ社製炭素繊維“トレカ”T300−
3Kからなる、平組織で、織密度が4本/cmであ
るものに変え、成形温度を190℃、成形圧力を17
Kg/cm2としてほかは実施例1と同様にして、
CFRPを得た。
このCFRPについて、織物のカバーフアクター
を測定したところ、75%であつた。また、実施例
と同様にして表面の耐擦過性、耐ひつかき性を試
験したところ、全面ではないが、所々に、擦過に
よるかなり大きな傷が認められた。
(考案の効果) この考案のCFRPは、炭素繊維織物を補強材と
するものであつて、表面にしぼ加工が施されてお
り、しぼは炭素繊維織物まで達しており、その炭
素繊維織物のカバーフアクターが少なくとも80%
であるものであるから、ダイアモンドと同様に硬
い、織物を構成している炭素繊維が、大部分、表
面に露出しているような状態が作り出されてお
り、耐擦過性や耐ひつかき性が大きく向上する。
もちろん、しぼ加工の特徴である意匠効果やつや
消し感等は、優るとも劣らない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この考案の炭素繊維強化プラスチツ
クの一実施態様を示す概略縦断面図、第2図は、
上記第1図に示した炭素繊維強化プラスチツクを
使用したサンドイツチ複合材を示す概略縦断面図
である。 1……炭素繊維織物の経糸、2……炭素繊維織
物の緯糸、3……炭素繊維織物、4……樹脂、5
……しぼ、6……表皮、7……表皮、8……芯
材。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 炭素繊維織物を補強材とする炭素繊維強化プ
    ラスチツクであつて、表面にしぼ加工が施され
    ており、しぼは炭素繊維織物まで達しており、
    その炭素繊維織物はカバーフアクターが少なく
    とも80%であることを特徴とする炭素繊維強化
    プラスチツク。 (2) 請求項(1)記載の炭素繊維強化プラスチツクを
    表皮として有するサンドイツチ複合材。
JP11675088U 1988-09-02 1988-09-02 Expired - Lifetime JPH0534919Y2 (ja)

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