JP2008132697A - 繊維強化樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コア材を有する強化繊維基材を用いる繊維強化樹脂の製造において、コア材の端部に対応する位置に発生しやすいピンホール等の表面欠点の発生を防止可能な、繊維強化樹脂の製造方法、およびその方法により製造された繊維強化樹脂を提供する。
【解決手段】実質的に密閉された空間内に(例えば、型のキャビティ内に)コア材を有する強化繊維基材を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂の製造において、強化繊維基材中のコア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材をコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置した状態で、樹脂を含浸させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法、およびその方法により製造された繊維強化樹脂。
【選択図】図1
【解決手段】実質的に密閉された空間内に(例えば、型のキャビティ内に)コア材を有する強化繊維基材を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂の製造において、強化繊維基材中のコア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材をコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置した状態で、樹脂を含浸させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法、およびその方法により製造された繊維強化樹脂。
【選択図】図1
Description
本発明は、繊維強化樹脂およびその製造方法に関し、とくに、ピンホール等のない表面品位に優れた繊維強化樹脂、およびその製造方法に関する。
成形される繊維強化樹脂の軽量化や高剛性化等をはかるために、コア材を有する強化繊維基材、例えば、コア材の両面側に強化繊維の層を配置してサンドイッチ形態にした強化繊維基材に、樹脂を注入、含浸させて繊維強化樹脂を成形する方法が知られている。
一般に、繊維強化樹脂を成形するに際しては、注入樹脂が極力全体にわたって均一に含浸され、ボイドやピンホールが発生しないようにすることが望まれる。特許文献1には、3層構造を有する繊維強化プラスチック成形品の製造方法として、内層に補強繊維マット層を用いて樹脂含浸を行うようにした方法が記載されているが、表層材に多軸組布を用いているため、ピンホールが発生しやすいという問題がある。
一方、コア材を有するサンドイッチ積層板の製造方法として、特許文献2に、コア溝を所定範囲内の寸法にて形成することで、表面意匠性を改善することを目的とした方法が開示されているが、とくにコア端部で樹脂の流動が不安定になり、樹脂中の気泡が濾過されて成形体の表面側へと露出され、成形体の表面にピンホールが形成されやすくなるという問題がある。
特開2002−120315号公報
特開2005−335242号公報
そこで本発明の課題は、とくにコア材を有する強化繊維基材を用いる繊維強化樹脂の製造において、コア材の端部に対応する位置に発生しやすいピンホール等の表面欠点の発生を防止あるいは抑制可能な、繊維強化樹脂の製造方法、およびその方法により製造された繊維強化樹脂を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る繊維強化樹脂の製造方法は、実質的に密閉された空間内に(例えば、型のキャビティ内に)コア材を有する強化繊維基材を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂の製造方法であって、前記強化繊維基材中の前記コア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材をコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置した状態で、樹脂を含浸させることを特徴とする方法からなる。この樹脂流動基材はコア材の端部のみに配置すればよく、コア材の全面にわたっている必要はない。また、樹脂流動方向に少なくとも一方の端部に配置されていればよいが、望ましくは両端部に配置される。
このような本発明に係る繊維強化樹脂の製造方法においては、コア材の端部に、特定の高い樹脂含浸係数を有する樹脂流動基材層が配置されることで、コア材端部での樹脂流動が極めて安定し、従来この部位から成形体の表面へと至りやすかった気泡が、成形体内部に細かく分散されて封じ込められ、表面に露出しにくくなる。その結果、成形体の表面品位が大幅に向上されることになる。
上記方法においては、コア材の少なくとも片面に樹脂拡散媒体層を配置すること、または/および、コア材の少なくとも片面に溝加工が施されていることが好ましい。樹脂拡散媒体層の配置あるいはコア溝により、樹脂が迅速にかつ均一に拡散されるので、上記コア材端部に配置された樹脂流動基材による作用と併せて、局部的に気泡が滞留したり成長したりすることが回避され、均一な成形が可能となる。
また、より具体的な配置形態として、上記強化繊維基材の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材と、該表層形成用基材の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層と、該中間層の内層側に位置し該中間層との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体層を配置し、該樹脂拡散媒体層と上記コア材との間に上記樹脂流動基材を配置する形態を挙げることができる。このような形態を採用すれば、表層形成用基材で良好な表面形態を実現しつつ、カバーファクターの高い中間層により、より内層側からの表層形成用基材側への気泡の流動を阻止することが可能になり、一方で、それよりも内部側では、樹脂拡散媒体層と樹脂流動基材により、安定した良好な樹脂流動を達成して、前述の如く、たとえ気泡が存在していても、成形体内部に細かく分散させて封じ込めるようにし、表面には露出しないようにすることができる。したがって、気泡が表面に露出することによるピンホールの発生を、効率よく、より確実に防止できる。
樹脂流動基材としては上記樹脂含浸係数と配置箇所さえ満たせばとくに限定しないが、厚みが100μm以上の樹脂流動基材を用いることが好ましい。厚みが薄すぎると、これをコア材の端部に配置した上記の作用効果が小さくなる。
本発明に係る繊維強化樹脂は、コア材を有する強化繊維基材に樹脂を注入、含浸させて硬化させることにより製造された繊維強化樹脂であって、前記強化繊維基材中の前記コア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材がコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置されていることを特徴とするものからなる。
上記コア材の少なくとも片面には樹脂拡散媒体層が配置されていること、または/および、コア材の少なくとも片面に溝加工が施されていることが好ましい。コア溝の形態としては、例えば、樹脂の流動方向に沿って平行なものや、さらに直交方向を加えた十字パターン等が挙げられるが、特に限定しない。また、より具体的な形態として、前記強化繊維基材の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材と、該表層形成用基材の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層と、該中間層の内層側に位置し該中間層との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体層が配置され、該樹脂拡散媒体層と前記コア材との間に前記樹脂流動基材が配置されている形態を挙げることができる。さらに、樹脂流動基材としては、厚みが100μm以上の樹脂流動基材が用いられていることが好ましい。
このように、本発明に係る繊維強化樹脂およびその製造方法によれば、コア材の端部に、特定の高い樹脂含浸係数を有する樹脂流動基材層を配置してコア材端部での樹脂流動を安定させるようにしたので、気泡が成形体の表面に露出しにくくなり、成形体の表面品位を大幅に向上することが可能になり、成形体の表面意匠性の大幅な向上が可能になる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
図1は、本発明に係る繊維強化樹脂およびそのの製造方法の基本形態の一例を示している。実質的に密閉された空間(例えば、型のキャビティ)内に、図1に示すような、コア材1を有する強化繊維基材2(全体を強化繊維基材2と呼ぶ)を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材2に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂を製造するに際し、強化繊維基材2中のコア材1の少なくとも一方の端部に、本実施態様では、樹脂の流れ方向における両端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材3が、コア材1の端部に沿う方向(図1における紙面と垂直の方向)に、少なくとも10mm以上の幅で配置される。この状態で、樹脂を注入、含浸され、含浸後に硬化されて繊維強化樹脂が成形される。とくに本実施態様では、さらに、強化繊維基材2の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材4(図示例では、両表面側に表層形成用基材4が配置されている)と、該表層形成用基材4の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層5(図示例では、両側に中間層5が配置されている)と、該中間層5の内層側に位置し該中間層5との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体6の層が配置されており、該樹脂拡散媒体6層と上記コア材1との間に上記樹脂流動基材3を配置されている。
図1は、本発明に係る繊維強化樹脂およびそのの製造方法の基本形態の一例を示している。実質的に密閉された空間(例えば、型のキャビティ)内に、図1に示すような、コア材1を有する強化繊維基材2(全体を強化繊維基材2と呼ぶ)を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材2に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂を製造するに際し、強化繊維基材2中のコア材1の少なくとも一方の端部に、本実施態様では、樹脂の流れ方向における両端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材3が、コア材1の端部に沿う方向(図1における紙面と垂直の方向)に、少なくとも10mm以上の幅で配置される。この状態で、樹脂を注入、含浸され、含浸後に硬化されて繊維強化樹脂が成形される。とくに本実施態様では、さらに、強化繊維基材2の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材4(図示例では、両表面側に表層形成用基材4が配置されている)と、該表層形成用基材4の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層5(図示例では、両側に中間層5が配置されている)と、該中間層5の内層側に位置し該中間層5との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体6の層が配置されており、該樹脂拡散媒体6層と上記コア材1との間に上記樹脂流動基材3を配置されている。
このような本発明に係る繊維強化樹脂の製造においては、コア材1の端部に、特定の高い樹脂含浸係数を有する樹脂流動基材3の層が配置されることで、コア材1の端部での樹脂流動が安定し、従来この部位から成形体の表面へと至りやすかった気泡が、成形体内部に細かく分散されて封じ込められ、表面には露出しにくくなる。その結果、成形体の表面においてピンホールの発生が防止あるいは抑制され、表面品位、とくに表面の意匠性が大幅に向上される。
また、樹脂拡散媒体6層の配置により、樹脂が迅速にかつ均一に拡散され、局部的に気泡が滞留したり成長したりすることが抑制され、均一な成形が可能となる。また、表層形成用基材4の配置により良好な表面形態を実現しつつ、カバーファクターの高い中間層5により、表面側への気泡の流動を効率よく阻止でき、それよりも内部側では、樹脂拡散媒体6層と樹脂流動基材3により、安定した良好な樹脂流動を達成でき、気泡が表面に露出することによるピンホールの発生を、より確実に防止できるようになる。
上記繊維強化樹脂の製造における樹脂含浸係数とは、以下の測定法により測定された値のことである。
樹脂の含浸過程において、基材に含浸する樹脂の挙動は下式に示すダルシー則に従うことが知られており、含浸速度は以下の式で得られる。
v=(K/μ)×(ΔP/ΔL)・・・(1)
ここで、v(m/s)は含浸速度、K(m2)は含浸係数、μは樹脂粘度(Pa・s)、ΔP(Pa)/ΔL(m)は単位長さ当たりの圧力勾配である。この式を時間t(s)で積分すれば、含浸係数は以下の式で得ることができる。
K=(L×L×μ)/(2×P×t)・・・(2)
ここで、L(m)は樹脂注入口からフローフロント(流動樹脂の先端)までの距離である。(2)式から、樹脂注入口からフローフロントまでの距離とそこへの到達時間、樹脂粘度、成形圧力が分かれば、含浸係数が計算できる。よって含浸係数の測定は、一例として図2に示すような装置を用いて平板のような基本形状に対して含浸係数測定実験を行い、これらを測定することで含浸係数Kが測定できる。
樹脂の含浸過程において、基材に含浸する樹脂の挙動は下式に示すダルシー則に従うことが知られており、含浸速度は以下の式で得られる。
v=(K/μ)×(ΔP/ΔL)・・・(1)
ここで、v(m/s)は含浸速度、K(m2)は含浸係数、μは樹脂粘度(Pa・s)、ΔP(Pa)/ΔL(m)は単位長さ当たりの圧力勾配である。この式を時間t(s)で積分すれば、含浸係数は以下の式で得ることができる。
K=(L×L×μ)/(2×P×t)・・・(2)
ここで、L(m)は樹脂注入口からフローフロント(流動樹脂の先端)までの距離である。(2)式から、樹脂注入口からフローフロントまでの距離とそこへの到達時間、樹脂粘度、成形圧力が分かれば、含浸係数が計算できる。よって含浸係数の測定は、一例として図2に示すような装置を用いて平板のような基本形状に対して含浸係数測定実験を行い、これらを測定することで含浸係数Kが測定できる。
本発明では含浸係数を測定する場合は、図2に示すような樹脂含浸係数測定装置11を用い、該装置11内をゲージ圧で-100kPaよりも真空度の高い圧力を保持することで、圧力ΔPを100kPaとする。また測定においては、実際の樹脂を用いて、成形温度中で測定することが好ましいが、予め成形温度下での樹脂粘度が分かっていれば、その粘度に調整した液体、例えばシリコンオイルやエーテル系合成油等を用いて測定することもできる。なお、樹脂中入口からフローフロントまでの距離Lは、本発明では、500mmとし、この時の樹脂の到達した時間tを1/100secまで測定可能なディジタル式のストップウオッチで計測する。更にこれら測定は、計3回行った平均値を用いて、含浸係数を算出する。図2において、11は含浸係数測定装置、12は樹脂タンク、13は真空ポンプ、14は基材、15は注入口、16は排出口を、それぞれ示している。
また、本発明におけるカバーファクターは、例えば次のように測定される。
ここでカバーファクターとは、単位面積あたりに占める繊維面積の割合のことを示し、基材が織布の場合、以下の手順で測定される。対象となる基材をコピー機等で拡大し、繊維束10本辺りの縦寸法Yと横寸法Xを測定する。この時のコピー機での拡大は、繊維束10本辺りの横寸法が100±5mmになるように行い、0.01mmまで表示可能なノギスを用いて測定を行う。次にその10本の各繊維束の幅を縦繊維に対しては、X/2のピッチで各繊維束3点の計30点を、横方向の繊維に対しては、Y/2のピッチで各繊維3点の計30点を測定し、縦方向繊維幅平均値xと横方向繊維幅平均値yを算出する。そして、カバーファクターCfは以下の式で表される。
Cf={Y*x+(X−x)*y}/(X*Y)
ここでカバーファクターとは、単位面積あたりに占める繊維面積の割合のことを示し、基材が織布の場合、以下の手順で測定される。対象となる基材をコピー機等で拡大し、繊維束10本辺りの縦寸法Yと横寸法Xを測定する。この時のコピー機での拡大は、繊維束10本辺りの横寸法が100±5mmになるように行い、0.01mmまで表示可能なノギスを用いて測定を行う。次にその10本の各繊維束の幅を縦繊維に対しては、X/2のピッチで各繊維束3点の計30点を、横方向の繊維に対しては、Y/2のピッチで各繊維3点の計30点を測定し、縦方向繊維幅平均値xと横方向繊維幅平均値yを算出する。そして、カバーファクターCfは以下の式で表される。
Cf={Y*x+(X−x)*y}/(X*Y)
実施例で用いる基材および含浸させる樹脂として、以下のものを準備した。
・基材a:炭素繊維織物、東レ(株)製CO6343B(織り組織:平織り、織物目付:198g/m2 、強化繊維:T300B−3K、弾性率:230GPa、強度:3530MPa、繊度:198tex、フィラメント数:3000本)、カバーファクター:95〜97%
・基材b:炭素繊維織物、東レ(株)製BT70−30(織り組織:平織り、織物目付:317g/m2 、強化繊維:T700SC−12K、弾性率:230GPa、強度:4900MPa、繊度:800tex、フィラメント数:12000本)、カバーファクター:96〜98%
・基材c:炭素繊維織物、東レ(株)製BT70−20(織り組織:平織り、織物目付:214g/m2 、強化繊維:T700SC−12K、弾性率:230GPa、強度:4900MPa、繊度:800tex、フィラメント数:12000本)、カバーファクター:93〜96%
・基材d:ガラス繊維サーフェースマット、日東紡(株)製MF30P100BS6(布帛の形態:連続繊維不織布、目付:30g/m2 )
・基材g:メッシュシート、NB20(NBC株式会社製:ナイロンメッシュ,厚み520μm)
・コア材a:積水化学工業社製、フォーマックHR#1006、(耐熱アクリル樹脂製発泡体)、密度:0.1g/cm3 、厚み:6mm
・樹脂a:東レ(株)製、エポキシ樹脂TR−C35
主剤:エピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)
硬化剤:東レ(株)製ブレンドTR−C35H(イミダゾール誘導体)
混合比:主剤:硬化剤=10:1
100℃での樹脂粘度:17mmPa・s(E型粘度計を用いて30℃,50℃,70℃にて粘度を測定しWLF式に基づき換算した値)
・基材a:炭素繊維織物、東レ(株)製CO6343B(織り組織:平織り、織物目付:198g/m2 、強化繊維:T300B−3K、弾性率:230GPa、強度:3530MPa、繊度:198tex、フィラメント数:3000本)、カバーファクター:95〜97%
・基材b:炭素繊維織物、東レ(株)製BT70−30(織り組織:平織り、織物目付:317g/m2 、強化繊維:T700SC−12K、弾性率:230GPa、強度:4900MPa、繊度:800tex、フィラメント数:12000本)、カバーファクター:96〜98%
・基材c:炭素繊維織物、東レ(株)製BT70−20(織り組織:平織り、織物目付:214g/m2 、強化繊維:T700SC−12K、弾性率:230GPa、強度:4900MPa、繊度:800tex、フィラメント数:12000本)、カバーファクター:93〜96%
・基材d:ガラス繊維サーフェースマット、日東紡(株)製MF30P100BS6(布帛の形態:連続繊維不織布、目付:30g/m2 )
・基材g:メッシュシート、NB20(NBC株式会社製:ナイロンメッシュ,厚み520μm)
・コア材a:積水化学工業社製、フォーマックHR#1006、(耐熱アクリル樹脂製発泡体)、密度:0.1g/cm3 、厚み:6mm
・樹脂a:東レ(株)製、エポキシ樹脂TR−C35
主剤:エピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)
硬化剤:東レ(株)製ブレンドTR−C35H(イミダゾール誘導体)
混合比:主剤:硬化剤=10:1
100℃での樹脂粘度:17mmPa・s(E型粘度計を用いて30℃,50℃,70℃にて粘度を測定しWLF式に基づき換算した値)
実施例1
図3に示す形状の480mm×480mmの製品キャビティ21を有する成形下型23に、図1に示した強化繊維基材を配置し、シール材22でシールしつつ図示しない上型を閉じた。ここで用いた強化繊維等の各基材の構成は以下の通りである。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
樹脂流動基材:基材g(幅40mm)をコア材の4辺に配置
コア材:コア材a
図3に示す形状の480mm×480mmの製品キャビティ21を有する成形下型23に、図1に示した強化繊維基材を配置し、シール材22でシールしつつ図示しない上型を閉じた。ここで用いた強化繊維等の各基材の構成は以下の通りである。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
樹脂流動基材:基材g(幅40mm)をコア材の4辺に配置
コア材:コア材a
次に、成形下型23および上型を100℃の温度に保持し、真空状態に保った状態で、図示しない樹脂注入機を用いて樹脂aを樹脂注入口24より注入した。樹脂排出口25から排出される樹脂にφ2mmを超えるような気泡が含まれていないことを目視にて確認して樹脂排出口25を閉じ、続いて樹脂注入口24を閉じた。この時の樹脂に与えた注入圧は最大で0.75MPaであった。この状態で15分保持した後、成形型を開けて成形品を得た。
この成形品の表面を#600のサンディングペーパーで研磨し、アセトンで脱脂後、FRP用プライマー(武蔵ホルト社製)を塗布して、1時間室温で乾燥させた。その後、成形品の表面に蛍光灯の光を当てながら、目視にて口径φ0.2mmを超える表面のピンホール数を数えたところ、ピンホールは皆無であった。
また、この時の各基材の樹脂含浸係数を下記に示す。樹脂含浸係数測定装置により基材a,d,gの含浸係数の測定を行った。測定に際して、成形温度100℃での樹脂aの粘度と25℃でほぼ同等の粘度を有する液体を用いて、25℃で測定を行ったところ以下の数値を得た。
基材aの含浸係数K=0.6×10-10m2
基材dの含浸係数K=1.3 ×10-10m2
基材gの含浸係数K=2.3×10-10m2
したがって、この時の含浸係数比率は2.2であった。
基材aの含浸係数K=0.6×10-10m2
基材dの含浸係数K=1.3 ×10-10m2
基材gの含浸係数K=2.3×10-10m2
したがって、この時の含浸係数比率は2.2であった。
実施例2
1,450mm×1,450mmの自動車用ボンネットアウター形状の製品キャビティを有する成形下型を用い、強化繊維等の構成を以下の通りにした以外は実施例1と同じ手法で成形体を得た。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(±45°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
樹脂流動基材:基材g(幅40mm)をコア材の4辺に配置
コア材:コア材a
1,450mm×1,450mmの自動車用ボンネットアウター形状の製品キャビティを有する成形下型を用い、強化繊維等の構成を以下の通りにした以外は実施例1と同じ手法で成形体を得た。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(±45°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
樹脂流動基材:基材g(幅40mm)をコア材の4辺に配置
コア材:コア材a
この成形品の表面を#600のサンディングペーパーで研磨し、アセトンで脱脂後、FRP用プライマー(武蔵ホルト社製)を塗布して、1時間室温で乾燥させた。その後、成形品の表面に蛍光灯の光を当てながら、目視にて口径φ0.2mmを超える表面のピンホール数を数えたところ、ピンホールは皆無であった。
比較例1
強化繊維等の構成を以下の通りにした以外は実施例2と同じ手法で成形体を得た。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(±45°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
コア材:コア材a
強化繊維等の構成を以下の通りにした以外は実施例2と同じ手法で成形体を得た。
表層形成用基材:基材a(0/90°繊維配向)×1Ply
中間層の基材:基材a(±45°繊維配向)×1Ply
樹脂拡散媒体層:基材d×2Ply
コア材:コア材a
この成形品の表面を#600のサンディングペーパーで研磨し、アセトンで脱脂後、FRP用プライマー(武蔵ホルト社製)を塗布して、1時間室温で乾燥させた。その後、成形品の表面に蛍光灯の光を当てながら、目視にて口径φ0.2mmを超える表面のピンホール数を数えたところ、ピンホールは58個であった。
本発明に係る繊維強化樹脂およびその製造方法は、コア材を有する強化繊維基材を用いるあらゆる繊維強化樹脂の製造に適用可能である。
1 コア材
2 強化繊維基材
3 樹脂流動基材
4 表層形成用基材
5 中間層
6 樹脂拡散媒体
11 含浸係数測定装置
12 樹脂タンク
13 真空ポンプ
14 基材
15 注入口
16 排出口
21 キャビティ
22 シール材
23 成形下型
24 樹脂注入口
25 樹脂排出口
2 強化繊維基材
3 樹脂流動基材
4 表層形成用基材
5 中間層
6 樹脂拡散媒体
11 含浸係数測定装置
12 樹脂タンク
13 真空ポンプ
14 基材
15 注入口
16 排出口
21 キャビティ
22 シール材
23 成形下型
24 樹脂注入口
25 樹脂排出口
Claims (10)
- 実質的に密閉された空間内にコア材を有する強化繊維基材を配置し、樹脂を注入し強化繊維基材に含浸させて硬化させる繊維強化樹脂の製造方法であって、前記強化繊維基材中の前記コア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材をコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置した状態で、樹脂を含浸させることを特徴とする繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記コア材の少なくとも片面に樹脂拡散媒体層を配置する、請求項1に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記コア材の少なくとも片面に溝加工を施す、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 前記強化繊維基材の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材と、該表層形成用基材の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層と、該中間層の内層側に位置し該中間層との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体層を配置し、該樹脂拡散媒体層と前記コア材との間に前記樹脂流動基材を配置する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- 厚みが100μm以上の樹脂流動基材を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
- コア材を有する強化繊維基材に樹脂を注入、含浸させて硬化させることにより製造された繊維強化樹脂であって、前記強化繊維基材中の前記コア材の少なくとも一方の端部に、樹脂含浸係数が1×10-10m2 以上の樹脂流動基材がコア材の端部に沿う方向に少なくとも10mm以上の幅で配置されていることを特徴とする繊維強化樹脂。
- 前記コア材の少なくとも片面に樹脂拡散媒体層が配置されている、請求項6に記載の繊維強化樹脂。
- 前記コア材の少なくとも片面に溝加工が施されている、請求項6または7に記載の繊維強化樹脂。
- 前記強化繊維基材の少なくとも一方の表面側に、少なくとも1層の表層形成用基材と、該表層形成用基材の内層側に位置しカバーファクターが90%〜100%である少なくとも1枚の織物からなる中間層と、該中間層の内層側に位置し該中間層との樹脂含浸係数比率が1.5〜10である樹脂拡散媒体層が配置され、該樹脂拡散媒体層と前記コア材との間に前記樹脂流動基材が配置されている、請求項6〜8のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
- 厚みが100μm以上の樹脂流動基材が用いられている、請求項6〜9のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
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