JP2019217694A - 繊維強化樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

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嗣久 宮本
Tsuguhisa Miyamoto
嗣久 宮本
村井 誠
Makoto Murai
誠 村井
中村 晴彦
Haruhiko Nakamura
晴彦 中村
哲康 助信
Noriyasu Sukenobu
哲康 助信
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Abstract

【課題】繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを低減し、機械的性質に優れた繊維強化樹脂複合体を提供する。【解決手段】VaRTM法を用いた繊維強化樹脂複合体(1)の製造方法において、繊維質基材(3)として、4枚の繊維シート(9a,9b,9c,9d)のうち成形型(33)の成形面(35)とは反対側の端に位置する第1繊維シート(9a)の繊維方向と、第1繊維シートと隣り合う第2繊維シート(9b)の繊維方向とが互いに交差する繊維質基材を用い、繊維質基材を、第1繊維シートの繊維方向と第2繊維シートの繊維方向とが注入ポート(61)から減圧ポート(75)に向かう方向に対して互いに逆側に向けて傾斜するように、成形型にセットする。【選択図】図8

Description

本開示は、気圧差を利用して繊維質基材に液状樹脂を含浸し硬化させる真空補助樹脂注入成形法、いわゆるVaRTM(Vacuum-assisted Resin Transfer Molding)法を用いた繊維強化樹脂複合体の製造方法に関する。
従来から、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)に代表される繊維強化樹脂複合体の製造方法として、繊維質基材に予めマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを用い、加熱加圧炉(オートクレーブ)内での加熱および加圧処理を伴うオートクレーブ成形法が多用されているが、近年これに代えて、大掛かりな設備が不要であり且つプリプレグを用いず材料コストの低減を図れることから、VaRTM法が普及してきている。
VaRTM法を用いた繊維強化樹脂複合体の製造方法では、成形型にドライ状態の繊維質基材をセットし、その繊維質基材をバッグ材で密封するように覆い、バッグ材の内部、つまりバッグ材と成形型との間の成形空間を繊維質基材の一側方に設けた減圧ポートを通じて減圧すると共に、当該成形空間に対し繊維質基材の他側方に設けた注入ポートからマトリックス樹脂を注入して、マトリックス樹脂を繊維質基材に含浸させた後に加熱し硬化させることが行われる(例えば、特許文献1参照)。
そのような製造方法で用いられる繊維質基材は、多数本の強化繊維が一方向に引き揃えられた繊維シートを複数枚積層してなる。これら複数枚の繊維シートの積層構造には、繊維強化樹脂複合体の機械的性質などを向上させるべく、隣り合う繊維シートの強化繊維同士が基準となる所定の方向に対し等間隔にずれた角度(例えば0°、45°、90°、−45°)の繊維配向をなして互いに交差角度を持つように積層する疑似等方積層方式が好適に採用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−214386号公報 特開2006−103305号公報
VaRTM法では、注入ポートから注入されたマトリックス樹脂が減圧ポートを通じた減圧による気圧差を以て注入ポートから減圧ポートに向かう吸引方向に流動することにより繊維質基材に含浸される。このとき、マトリックス樹脂は、繊維質基材において、繊維方向が吸引方向に沿う繊維シートの層内では流れやすい一方で、繊維方向が吸引方向と直交する繊維シートの層内では流れにくい。また、マトリックス樹脂は、繊維質基材とバッグ材との間を流れ易いことから、繊維質基材のバッグ材側の層内に優先的に浸透される。
このため、繊維質基材におけるバッグ材側の端部に位置する2枚の隣り合う繊維シートのうち一方の繊維シートの繊維方向が吸引方向に対して0°の繊維配向とされ、他方の繊維シートの繊維方向が吸引方向に対して90°の繊維配向とされるなど、それら2枚の繊維シートにおける繊維方向の吸引方向に対する角度差が大きいと、隣り合う繊維シートの層内でのマトリックス樹脂の流速差が大きくなる。そうなると、当該2枚の繊維シートの界面で空気がトラップされやすくなるため、繊維強化樹脂複合体内にボイド(空洞)が多く発生し、繊維強化樹脂複合体の強度などの機械的性質が損なわれてしまう。
本開示の技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを低減し、機械的性質に優れた繊維強化樹脂複合体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本開示の技術では、VaRTM法により繊維質基材にマトリックス樹脂を含浸させるときに、当該繊維質基材の裏面側で隣り合う繊維シートの層内でのマトリックス樹脂の流速差が抑えられるよう、それら2枚の繊維シートの配置を工夫した。
具体的には、本開示の技術は、多数本の強化繊維が一方向に引き揃えられた繊維シートを複数枚積層してなる繊維質基材を成形型にセットするセットステップと、成形型にセットした繊維質基材をバッグ材で覆って密封する密封ステップと、成形型とバッグ材との間の成形空間を繊維質基材のシート面方向における一方側に設けられた減圧ポートを通じて減圧すると共に、当該成形空間に対し繊維質基材のシート面方向における他方側に設けられた注入ポートからマトリックス樹脂を注入することにより、繊維質基材にマトリックス樹脂を含浸させる含浸ステップとを含む繊維強化樹脂複合体の製造方法を対象とする。
ここで、「繊維質基材を成形型にセットし」とは、予め複数枚の繊維シートを積層して形成された繊維質基材を準備し、その繊維質基材を成形型に配置させる場合は勿論、複数枚の繊維シートを成形型に順に積層配置して成形型で繊維質基材をセットした状態に作製する場合をも含む意である。また、「繊維質基材のシート面方向における一方側」と「繊維質基材のシート面方向における他方側」とは、繊維質基材の全体を間に挟む一方側と他方側の位置関係に限らず、繊維質基材の一部を間に挟む一方側と他方側の位置関係も含まれる意である。
そして、本開示の技術に係る繊維強化樹脂複合体の製造方法は、セットステップでは、繊維質基材として、複数の繊維シートのうち成形型の成形面とは反対側の端に位置する第1繊維シートの繊維方向と、第1繊維シートと隣り合う第2繊維シートの繊維方向とが互いに交差する繊維質基材を用いる。そして、このような繊維質基材を、第1繊維シートの繊維方向が注入ポートから減圧ポートに向かう第1方向(マトリックス樹脂の吸引方向)に対して当該繊維質基材のシート面方向のうち第1方向と直交する第2方向における一側に向けて傾斜し、且つ、第2繊維シートの繊維方向が第1方向に対して当該繊維質基材のシート面方向のうち第2方向における他側に向けて傾斜するように、成形型にセットする。
この構成によると、第1繊維シートおよび第2繊維シートを第1方向に対して繊維方向が互いに逆側に傾斜した繊維配向として繊維質基材を成形型にセットし、その繊維質基材をバッグ材により密封した状態で、バッグ材内部の成型空間にてマトリックス樹脂を注入ポートから減圧ポートに亘り第1方向に向けて流動させることにより繊維質基材に含浸させるようにしたので、繊維質基材において第1繊維シートの層内でのマトリックス樹脂と第2繊維シートの層内でのマトリックス樹脂との流速差が抑えられて、第1繊維シートと第2繊維シートの界面で空気がトラップされにくくなる。それによって、繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを低減し、強度などの機械的性質に優れた繊維強化樹脂複合体を実現することができる。
上記繊維強化樹脂複合体の製造方法において、セットステップでは、繊維質基材を、第1方向に対して第1繊維シートの繊維方向がなす角度と第2繊維シートの繊維方向がなす角度とが同程度となるように、成形型にセットすることが好ましい。
この構成によると、繊維質基材において第1繊維シートの層内でのマトリックス樹脂の流速と第2繊維シートの層内でのマトリックス樹脂の流速とが同程度となるので、第1繊維シートと第2繊維シートの界面での空気のトラップを防止するのに有利になる。それにより、繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを好適に低減することができる。
また、セットステップでは、繊維質基材として、第2繊維シートよりも成形型側に位置する第3繊維シートと、その第3繊維シートよりも成形型側に位置する第4繊維シートとを含む繊維質基材を用いてもよい。さらに、これら第3繊維シートの繊維方向と第4繊維シートの繊維方向とは、互いに交差し、且つ第1繊維シートの繊維方向と第2繊維シートの繊維方向とにもそれぞれ交差していてもよい。
この構成によると、繊維質基材を、第1繊維シートおよび第2繊維シートに加え、第3繊維シートおよび第4繊維シートをさらに備え、これら第1〜第4繊維シートの繊維方向が互いにする交差する構成としたので、繊維強化樹脂複合体における機械的性質の異方性を低減して、全体に亘る機械的性質のバランスを向上させることができ、好ましくは繊維強化樹脂複合体に疑似等方性を持たせることができる。
さらに、セットステップでは、繊維質基材として、第1繊維シートの繊維方向と第2繊維シートの繊維方向とが互いに直交し、且つ、第3繊維シートの繊維方向と第4繊維シートの繊維方向とが互いに直交する繊維質基材を用いることが好ましい。
この構成によると、繊維質基材を、第1繊維シートと第2繊維シート、および第3繊維シートと第4繊維シートとでそれぞれ繊維方向が互いに直交し、第1繊維シートおよび第2繊維シートの繊維方向と第3繊維シートおよび第4繊維シートの繊維方向とが互いに交差する構成としたので、繊維強化樹脂複合体における機械的性質の異方性を良好に低減することができ、繊維質基材を構成する繊維シートが少ない枚数、例えば4枚であっても繊維強化樹脂複合体に疑似等方性を実現することができる。
また、セットステップでは、繊維質基材を、第1繊維シートおよび第2繊維シートのうち一方の繊維シートにおける繊維方向が第1方向に対して−45°の角度をなし、且つ、他方の繊維シートにおける繊維方向が第1方向に対して45°の角度をなすように、成形型にセットすることが好ましい。
この構成によると、繊維質基材を、第1繊維シートおよび第2繊維シートの第1方向に対する繊維配向が45°および−45°のいずれかであり互いに異なる構成としたので、繊維強化樹脂複合体における機械的性質の異方性を低減しながら、第1繊維シートと第2繊維シートとの界面で空気がトラップされにくくして、繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを好適に低減することができる。
また、セットステップでは、繊維質基材を、第3繊維シートおよび第4繊維シートのうち一方の繊維シートにおける繊維方向が第1方向に対して0°の角度をなし、且つ、他方の繊維シートにおける繊維方向が第1方向に対して90°の角度をなすように、成形型にセットすることが好ましい。
この構成によると、繊維質基材を、第3繊維シートおよび第4繊維シートの第1方向に対する繊維配向が0°および90°のいずれかであり且つ互いに異なる構成としたので、繊維強化樹脂複合体の裏面側ではボイドの発生を好適に低減しつつ、繊維強化樹脂複合体における機械的性質の異方性を良好に低減し、繊維強化樹脂複合体に疑似等方性を持たせることができる。
本開示の技術に係る繊維強化樹脂複合体の製造方法によれば、繊維強化樹脂複合体内に発生するボイドを低減することができ、機械的性質に優れた繊維強化樹脂複合体を実現することができる。
図1は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の構成を示す概略図である。 図2は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の部分的な断面図である。 図3は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材の繊維シートの積層構造を示す概念図である。 図4は、繊維シートの部分的な断面斜視図である。 図5は、図2の繊維強化樹脂複合体におけるVで囲んだ箇所の拡大図である。 図6は、図5のVI−VI線における繊維強化樹脂複合体の断面図である。 図7は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の成形装置を示す概略構成図である。 図8は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の成形装置を示す概略構成図である。 図9は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の製造方法における含浸ステップで繊維質基材にマトリックス樹脂が浸透していく様子を示す要部断面図である。 図10は、実施形態に係る繊維強化樹脂複合体の製造方法における含浸ステップで繊維質基材の第1繊維シートおよび第2繊維シートの各層内にてマトリックス樹脂が流動しやすい箇所と方向を示す概念図である。 図11は、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材の繊維シートの積層構造を示す概念図である。 図12は、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体の部分的な板厚方向におけるCT断層画像(図面代用写真)である。 図13は、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体の部分的な板面方向におけるCT断層画像(図面代用写真)である。 図14は、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体の部分的な板厚方向におけるCT断層画像(図面代用写真)である。 図15は、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体の部分的な板面方向におけるCT断層画像(図面代用写真)である。 図16は、比較例2に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材の繊維シートの積層構造を示す概念図である。 図17は、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材の繊維シートの積層構造を示す概念図である。 図18は、比較例2に係る繊維強化樹脂複合体の弾性率と温度との関係を示す図である。 図19は、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体の弾性率と温度との関係を示す図である。 図20は、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体の弾性率と温度との関係を示す図である。 図21は、変形例に係る繊維強化樹脂複合体の成形装置の概略構成図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、この実施形態に係る繊維強化樹脂複合体1の構成の概略図を示す。図2に、繊維強化樹脂複合体1の部分的な断面図を示す。図3に、繊維強化樹脂複合体1を構成する繊維質基材3の繊維シート9の積層構造の概念図を示す。図4に、繊維シート5の部分的な断面斜視図を示す。図5に、図2の繊維強化樹脂複合体1におけるVで囲んだ箇所の拡大図を示す。図6に、図5のVI−VI線における繊維強化樹脂複合体1の断面図を示す。なお、図3では、繊維シート5の繊維方向(強化繊維7の長さ方向)を破線で示す。
繊維強化樹脂複合体1は、自動車のドア(サイドドアやバックドア)、フード、ルーフ、フェンダーなどを構成するボディパネル(車体外板)に用いられる。繊維強化樹脂複合体は、図1に示すように、繊維質基材3と、繊維質基材3を内包したマトリックス樹脂5とで構成されており、繊維質基材3の強化繊維7同士がマトリックス樹脂5によって結着一体化された構造を有している。
繊維質基材3は、図2にも示すように、多数本の強化繊維7が一方向に引き揃えられたUD(Uni-Direction)材である繊維シート9を複数枚積層してなる。具体的には、この実施形態の繊維質基材3は、4枚の繊維シート9によって構成されている。これら繊維シート9には、図4に示すように、強化繊維7を補助糸11により束ねた繊維束(ストランド)13がシート面方向における一方向に複数並ぶように構成されたストランドシートが用いられる。ストランドシートとしては、例えばNCF(Non-Crimp Fabric)と呼ばれる編物が挙げられる。
強化繊維7としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維、セラミックス繊維などの無機繊維、ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維、アラミド繊維やポリエチレン繊維などの有機繊維が挙げられる。なかでも、炭素繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的性質を有している。繊維シート9には、強化繊維7が一種単独で用いられていてもよいし、二種以上が併用されていてもよい。補助糸11としては、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの合成樹脂糸、ガラス繊維糸などのステッチ糸が用いられる。
4枚の繊維シート9は、第1繊維シート9a、第2繊維シート9b、第3繊維シート9cおよび第4繊維シート9dである。これら第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dは、図3に示すように、繊維強化樹脂複合体1の裏面側から意匠面側に向かって順に配置され、疑似等方積層方式で積層されている。第1繊維シート9aと第2繊維シート9b、第2繊維シート9bと第3繊維シート9c、第3繊維シート9cと第4繊維シート9dとの強化繊維7同士および繊維束11同士は、基準となる方向に対し所定角度の繊維配向をなして互いに交差角度を持っている。
第1繊維シート9aの繊維方向と第2繊維シート9bの繊維方向とは互いに直交し、第3繊維シート9cの繊維方向と第4繊維シート9dの繊維方向とは互いに直交している。そして、第2繊維シート9bの繊維方向と第3繊維シート9cの繊維方向とは、鋭角に交差している。具体的には、第1繊維シート9aの繊維配向は−45°であり、第2繊維シート9bの繊維配向は45°であり、第3繊維シート9cの繊維配向は90°であり、第4繊維シート9dの繊維配向は0°である。
こうした積層レイアウトを以て、繊維強化複合体1には、優れた強度(弾性率など)の機械的性質を実現しつつ疑似等方性が付与されている。第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dの表裏両面には、隣り合う繊維束11の合せ目の隙間からなる凹条15が繊維束11に沿って直線状に複数形成されている。第1繊維シート9aの凹条15と第2繊維シート9bの凹条15、第2繊維シート9bの凹条15と第3繊維シート9cの凹条15、第3繊維シート9cの凹条15と第4繊維シート9dの凹条15とは、それら両方の繊維シート9の繊維方向と同じ交差関係にある。
マトリックス樹脂5は、繊維質基材3の全体に満遍なく含侵された状態で硬化されており、図5および図6に示すように、第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dの各凹条13内にも充填されている。そして、マトリックス樹脂5は、繊維質基材3を固めると共にその外面を覆って、繊維強化複合体1の表層を形成している。すなわち、繊維複合体1の外殻はマトリックス樹脂5からなる。マトリックス樹脂5には、熱硬化性樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂が挙げられる。なかでもエポキシ樹脂およびビニルエステル樹脂は、耐熱性、衝撃吸収性、耐薬品性に優れた特性を有している。熱硬化性樹脂には、硬化剤や硬化促進剤、難燃剤などの添加剤が含有されていてもよい。熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、二種以上で併用されてもよい。
上記繊維強化樹脂複合体1はVaRTM法を用いて製造される。図7および図8に、繊維強化樹脂複合体1の成形装置31の概略構成図を示す。図9に、繊維強化樹脂複合体1の製造方法における含浸ステップで繊維質基材3にマトリックス樹脂5が含浸していく要部断面の様子を示す。図10に、繊維強化樹脂複合体1の製造方法における含浸ステップで繊維質基材3の第1繊維シート9aおよび第2繊維シート9bの各層内にてマトリックス樹脂が流動しやすい箇所と方向の概念図を示す。なお、図8および図10では、第1繊維シート9aの凹条15を破線で示し、第2繊維シート9bの凹条15を二点鎖線で示す。
繊維強化樹脂複合体1の成形装置31は、図7および図8に示すように、成形型33と、成形型33の成形面35側を覆うフィルム状のバッグ材37とを備えている。成形面35は、図7で平坦形状に示すが、繊維強化樹脂複合体1がなすボディパネルに応じた形状とされる。成形型33には、成形面35を囲むようにシール部材39が設けられている。バッグ材37は、ナイロンやシリコーンゴムなどの柔軟性を有する材料からなり、その周縁部が図示しない固定部材によりシール部材39に押圧されて内部を密封し、成形面35との間に成形空間(キャビティ)41を形成するようになっている。
成形空間41には、ピールプライと呼ばれる剥離シート43と、パスメディアやフローメディアと呼ばれる樹脂拡散媒体45とが繊維質基材3に被せて配置される。剥離シート43は、成形空間41に注入される液状のマトリックス樹脂5が透過可能であり、且つ離形性を有する化学繊維からなる。樹脂拡散媒体45は、流動抵抗の低いメッシュ状のシート材からなり、液状のマトリックス樹脂5を成形空間41に行き渡らせる流路として機能する。成形型33は、図示しない加熱装置を備え、温度調整が可能に構成されている。
成形装置31はさらに、成形空間41に液状のマトリックス樹脂5を注入する樹脂供給装置47と、成形空間41を減圧して液状のマトリックス樹脂5を吸引する吸引装置49とを備える。
樹脂供給装置47は、液状のマトリックス樹脂5を貯留する樹脂貯留タンク51を備える。樹脂貯留タンク51には、バッグ材37の内部に連通する樹脂供給配管53の一端が接続されている。樹脂供給配管53の途中には開閉弁55が設けられている。樹脂供給配管53の他端は、バッグ材37の内部で成形面35の一辺に沿わせて配置された吐出レール57を有している。
吐出レール57は、その長手方向に間隔をあけて設けられた複数箇所の吐出孔59から液状のマトリックス樹脂5を吐出するようになっている。樹脂供給配管53は、液状のマトリックス樹脂5をバッグ材37の内部に注入する注入ポート61を構成している。注入ポート61は、成形型33にセットされる繊維質基材3のシート面方向における一方側に位置するように設けられている。
吸引装置49は、真空ポンプ63を備える。真空ポンプ63には、バッグ材37の内部に連通する減圧配管65の一端が接続されている。減圧配管65の途中には、マトリックス樹脂5を回収するトラップとして機能する樹脂回収タンク67と開閉弁69とが設けられている。減圧配管65の他端は、バッグ材37の内部で吐出レール57の対面に位置する成形面35の一辺に沿わせて配置された吸引レール71を有している。
吸引レール71は、その長手方向に間隔をあけて設けられた複数箇所の吸引孔73を通じて減圧作用によりマトリックス樹脂5を吸引するようになっている。減圧配管65は、バッグ材37内部の成形空間41を減圧する減圧ポート75を構成している。減圧ポート75は、成形型33にセットされる繊維質基材3のシート面方向における他方側、つまり注入ポート61とは異なる側に位置し、注入ポート61との間に繊維質基材3を介するように設けられている。
上記のような成形装置31を用いた繊維強化樹脂複合体1の製造では、注入ポート61から減圧ポート75に向かう第1方向に対する第1繊維シート9aおよび第2繊維シート9bにおける繊維方向の角度差が大きいと、それら2枚の繊維シート9a,9bの界面で、特に互いの凹条13の交差部分にボイドが大きく発生しやすい。繊維強化樹脂複合体1内で局所的にでもボイドが大きく発生した場合には、繊維強化樹脂複合体1の機械的性質が損なわれる。
そこで、この実施形態の繊維強化複合体1の製造方法では、繊維質基材3にマトリックス樹脂5を含浸させるときに、当該繊維質基材3の裏面側で隣り合う第1繊維シート9aおよび第2繊維シート9bの層内でのマトリックス樹脂5の流速差が抑えられるよう、それら2枚の繊維シート9a,9bの配置を工夫した。この繊維強化樹脂複合体1の製造方法について以下に説明する。繊維強化樹脂複合体1の製造方法は、セットステップと、密封ステップと、含侵ステップと、硬化ステップとを含む。
セットステップでは、繊維質基材3を成形型33にセットする。繊維質基材3としては、第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dが予め積層されて所定の形状に賦形されたプリフォームを用いる。プリフォームを構成する第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dには、液状のマトリックス樹脂5と強化繊維7の接着性(馴染み)を良くするためのサイジング剤が塗布されている。このサイジング剤としては、例えば、ビスフェノールAエポキシと不飽和ポリエステルの混合物やビスフェノールAエステルが用いられる。
このとき、注入ポート61から減圧ポート75に向かう第1方向(マトリックス樹脂5の吸引方向)に対して、第1繊維シート9aの繊維方向が第1の方向と直交する第2方向における一側に向けて傾斜し、且つ、第2繊維シート9bの繊維方向が第2方向における他側に向けて傾斜するように、繊維質基材3を成形型33にセットする。具体的には、第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dの繊維配向の基準方向を第1方向に対応させ、第1方向に対して、第1繊維シート9aの繊維方向が−45°の角度をなし、第2繊維シート9bの繊維方向が45°の角度をなし、第3繊維シート9cの繊維方向が90°の角度をなし、第4繊維シート9dの繊維方向が0°の角度をなすように、繊維質基材3を成形型33にセットする。こうして、成形型33にセットされた繊維質基材3では、第1方向に対して第1繊維シート9aの繊維方向がなす角度と第2繊維シート9bの繊維方向がなす角度とが同程度とされる。
続いて、密封ステップでは、成形型33にセットした繊維質基材3上に剥離シート43を配置し、剥離シート43を介して繊維質基材3に樹脂拡散媒体45を被せた後に、これら剥離シート43および樹脂拡散媒体45ともども繊維質基材3をバッグ材37で覆い、バッグ材37の周縁部を固定部材(不図示)によりシール部材39に押し付けた状態で固定する。それにより、繊維質基材3をバッグ材37の内部に密封すると共に、バッグ材37と成形面35との間に成形空間41を形成する。
次いで、含侵ステップでは、吸引装置49の開閉弁55を開状態として真空ポンプ63を作動させることにより、樹脂回収タンク67内と共に成形空間41を減圧ポート75を通じて真空吸引により減圧する。そうした減圧後、樹脂注入装置47の開閉弁55を開状態すると、樹脂貯留タンク51内と樹脂回収タンク67内との気圧差を以て、樹脂貯留タンク51に貯留された液状のマトリックス樹脂5が樹脂供給配管53を通じて成形空間41に注入され、第1方向に向かって流動することで繊維質基材3に浸透していき、繊維質基材3を経た分は減圧配管65を通じて樹脂回収タンク67に回収される。このようにして、繊維質基材3の全体に亘ってマトリックス樹脂5を含浸させる。
このとき、成形空間41に注入されたマトリックス樹脂5は、図9に示すように、まず実質的に流動抵抗の低い材料からなる樹脂拡散媒体45の面方向に拡散される。すなわち、マトリックス樹脂5は、樹脂拡散媒体45のある繊維質基材3の裏面を優先的に流動し、繊維質基材3の側面から浸透すると共に、繊維質基材3の裏面からも厚さ方向に浸透していく。また、マトリックス樹脂5は、第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dの凹条15内を優先的に流動しやすい。ここで、図10に示すように、第1繊維シート9aの繊維方向と第2繊維シート9bの繊維方向との第1方向に対してなす角度が同程度であるので、繊維質基材3において第1繊維シート9aの凹条15内でのマトリックス樹脂5と第2繊維シート9bの凹条15内でのマトリックス樹脂5との流速差が殆どなく、第1繊維シート9aと第2繊維シート9bとの界面で互いの凹条15の交差部分にあっても空気がトラップされにくい。
さらに、硬化ステップでは、加熱装置を作動させて成形型33の温度をマトリックス樹脂5が硬化する所定の温度にまで加熱することにより、繊維質基材3に含浸したマトリックス樹脂5を硬化させる。しかる後、成形型33からバッグ材37を取り外し、繊維強化樹脂複合体1を成形型33から取り出し、樹脂分散媒体45および剥離シート43を取り除く。しかる後、繊維強化樹脂複合体1の外形を端末処理を施すことにより整える。こうして、繊維強化樹脂複合体1を製造することができる。
この実施形態に係る繊維強化樹脂複合体1の製造方法によると、繊維質基材3にマトリックス樹脂5を含浸させるときに、第1繊維シート9aの繊維方向と第2繊維シート9bの繊維方向との第1方向に対してなす角度を同程度とするようにしたので、繊維質基材3において第1繊維シート9aの層内でのマトリックス樹脂5の流速と第2繊維シート9bの層内でのマトリックス樹脂5の流速とが同程度となり、第1繊維シート9aと第2繊維シート9bの界面で空気がトラップされにくくなる。それによって、繊維強化樹脂複合体1内に発生するボイドを低減し、強度などの機械的性質に優れた繊維強化樹脂複合体1を実現することができる。
− 機械的性質の評価1 −
以下に示す実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101とを、VaRTM法を用いて製造し、それらの機械的性質をそれぞれ評価した。なお、以下では、便宜上、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101の構成についても、上記実施形態と同様な参照符号を付して説明する。このことは、後に説明する比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体についても同じである。
[実施例1]
実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1は、上記実施形態と同じく4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いて製造した。成形型33にセットしたときの第1方向に対する第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向は、それぞれ−45°、45°、90°、0°である。これら第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dには、それぞれ炭素繊維からなるNCFを用いた。マトリックス樹脂5としては、エポキシ樹脂を用いた。また、サイジング剤としては、ビスフェノールAエポキシと不飽和ポリエステルの混合物を用いた。
[比較例1]
図11に、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101を構成する繊維質基材3の積層構造の概念図を示す。比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101も、上記実施例と同じく4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いて製造した。図11に示すように、成形型33にセットしたときの第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向は、それぞれ0°、90°、45°−45°である。第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9d、マトリックス樹脂5およびサイジング剤には、上記実施例1と同じものを採用した。
これら実施例1の繊維強化樹脂複合体1と比較例1の繊維強化樹脂複合体101について、CT(Computed Tomography)断層撮影を行った。図12に、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101の部分的な板厚方向におけるCT断層画像を示す。図13に、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101の部分的な板面方向におけるCT断層画像を示す。図14に、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1の部分的な板厚方向におけるCT断層画像を示す。図15に、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1の部分的な板面方向におけるCT断層画像を示す。
比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101のCT断層画像を観察したところ、図12および図13に示すように、第1繊維シート109aから第2繊維シート109bにかけての部分に比較的大きなボイドXが発生していることが確認された。このボイドXは、第1繊維シート109aと第2繊維シート109bとの界面でシート面方向に広がっており、第1繊維シート109aの凹条15と第2繊維シート109bの凹条15との交差部分にて空気がトラップされることに起因して発生したものであると推測される。他方、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1のCT断層画像を観察したところ、図14および図15に示すように、第1繊維シート9aから第2繊維シート9bにかけての部分でのボイドの発生は確認されなかった。
また、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101とについて、繊維体積含有率(Vf)および空洞率(Vv)をそれぞれ測定した。繊維体積含有率(Vf)および空洞率(Vv)の測定は、灰化法を用いて行った。具体的には、繊維体積含有率(Vf)は、乾式灰化法により残留物(炭素繊維)の体積を算出し、残留物の体積から繊維強化樹脂複合体101全体の体積を除すことで測定した。また、空洞率(Vv)は、繊維強化樹脂複合体101全体の体積から残留物(炭素繊維)と燃焼除去物(マトリックス樹脂5)の体積を差し引くことで空洞部の体積を求め、空洞部の体積から繊維強化樹脂複合体101全体の体積を除すことで測定した。
比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101についての繊維体積含有率(Vf)は58.8%であり、空洞率(Vv)は0.4%であった。これに対し、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1についての繊維体積含有率(Vf)は57.1%であり、空洞率(Vv)は0.1%であった。こうした繊維含有率(Vf)および空洞率(Vv)の測定結果から、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1のマトリックス樹脂5の含浸率は、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101のマトリックス樹脂5の含浸率よりも高められていることが確認された。
また、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101について弾性率を測定した。当該弾性率の測定は、動的粘弾性測定装置(UBM社製 Rheogel−E4000)を用いて、30℃における繊維強化樹脂複合体1,101の動的粘弾性を測定することにより行った。
比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101についての弾性率は18.0GPaであった。これに対し、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1についての弾性率は24.1GPaであった。こうした弾性率の測定結果から、実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1の弾性率は、比較例1に係る繊維強化樹脂複合体101の弾性率よりも高められており、繊維強化樹脂複合体1のマトリックス樹脂5の含浸率が高くなるのに応じて同複合体1の弾性率が高められて、繊維強化樹脂複合体1の機械的性質が改善されていることが確認された。
− 機械的性質の評価2 −
以下に示す実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体とを、VaRTM法を用いて製造し、それらの機械的性質をそれぞれ評価した。
[実施例2]
実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1は、上記実施形態と同じく4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いて製造した。成形型33にセットしたときの第1方向に対する第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向は、それぞれ−45°、45°、90°、0°である。これら第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dには、それぞれ炭素繊維からなるNCFを用いた。マトリックス樹脂5としては、エポキシ樹脂を用いた。また、サイジング剤としては、ビスフェノールAエポキシと不飽和ポリエステルの混合物を用いた。繊維強化樹脂複合体1の厚さは0.8mmとした。
[比較例2]
図16に、比較例2に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材3の積層構造の概念図を示す。比較例2に係る繊維強化樹脂複合体も、上記実施例2と同じく4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いて製造した。図16に示すように、成形型33にセットしたときの第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向は、それぞれ−45°、90°、45°、0°である。第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9d、マトリックス樹脂5およびサイジング剤には上記実施例2と同じものを採用し、上記実施例2と同じ厚さで維強化樹脂複合体を成形した。
[比較例3]
図17に、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体を構成する繊維質基材3の積層構造の概念図を示す。比較例3に係る繊維強化樹脂複合体も、上記実施例2と同じく4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いて製造した。図17に示すように、成形型33にセットしたときの第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向は、それぞれ90°、−45°、45°、0°である。第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9d、マトリックス樹脂5およびサイジング剤には上記実施例と同じものを採用し、上記実施例2と同じ厚さで維強化樹脂複合体を成形した。
実施例1に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体1について、成形後の反り量をそれぞれ測定した。比較例2に係る繊維強化樹脂複合体の反り量は21.0mmであり、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体の反り量は9.5mmであった。これに対し、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1の反り量は、4.5mmであり、比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体に比べて、成形後の残留応力およびそれによる変形が好適に抑えられていることが確認された。
また、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1と比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体とについて、上述した実施例1および比較例1と同様な動的粘弾性率の測定手法により弾性率を測定した。図18に、比較例2に係る繊維強化樹脂複合体の弾性率と温度との関係のグラフを示す。図19に、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体の弾性率と温度との関係のグラフを示す。図20に、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1の弾性率と温度との関係のグラフを示す。
比較例2に係る繊維強化樹脂複合体の30℃における弾性率は16.6GPaであり、比較例3に係る繊維強化樹脂複合体の30℃における弾性率は17.0GPaであった。これに対し、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1の30℃における弾性率は20.5GPaであった。また、比較例2および3に係る繊維強化樹脂複合体は、図18および図19に示すように、いずれの温度においても20GPa以上の弾性率を発揮することがないが、実施例2に係る繊維強化樹脂複合体1は、図20に示すように、−50℃〜150℃の広い温度域に亘って20GPa以上の高い弾性率を発揮している。
こうした弾性率の測定結果から、成形型33にセットしたときの第1繊維シート9aの繊維配向、第2繊維シート9bの繊維配向、第3繊維シート9cの繊維配向および第4繊維シート9dの繊維配向を、それぞれ−45、45°、90°、0°とすることで、4枚の繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維質基材3を用いた繊維強化樹脂複合体1であっても、成形後に発生する反りを大幅に抑えて高い弾性率を実現できることが確認された。
一般的に、CFRPなどの繊維強化樹脂複合体には、成形後の反りや残留応力による物性の低下を抑制するために、繊維シートの繊維方向を0°、45°、90°、−45°のように徐々に角度を変えて厚さ方向に対称な配置となるように積層する対称積層による疑似等方積層方式が採用される。しかし、繊維強化樹脂複合体でボディパネルなどの薄い板状部材を形成する場合、繊維シートの対称積層を実現しようとすると、目付けの小さい繊維シートを使用する必要があり、繊維シートの枚数増加に伴いカットおよび積層の作業時間がかかるため、繊維強化樹脂複合体の生産性が大きく低下してしまう。
これに対し、上述した「機械的性質の評価2」から分かるように、上記実施形態に係る繊維強化樹脂複合体1によれば、対称積層方式を採用しなくても成形後の残留応力およびそれによる変形を好適に抑制することができ、少ない枚数(例えば4枚)の繊維シート9で疑似等方性を持たせた繊維強化樹脂複合体1を製造できるから、繊維シート9のカットや積層の作業時間を短縮して、繊維強化樹脂複合体1の生産性を高めることができる。
以上のように、本開示の技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示の技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須でない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちにそれらの必須でない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
例えば、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、成形装置31について、成形型33にセットされる繊維質基材3の一側方に注入ポート61が設けられ、当該繊維基材3の他側方に減圧ポート75が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、成形装置31には種々の構成を採用し得る。例えば、成形装置31は、繊維質基材3の中程からマトリックス樹脂5を成形空間41に注入し、マトリックス樹脂5を繊維質基材3の周囲に向けて流動させるように吸引する構成とされていてもよい。
図21に、そうした変形例に係る繊維強化樹脂複合体1の成形装置31の概略構成図を示す。図21に示す成形装置31では、吸引装置49の吸引レール71が、成形型33にセットされる繊維質基材3の両側に位置するようにそれぞれ成形面35の一辺に沿わせて一対に設けられている。また、樹脂供給装置47の吐出レール57は、一対の吸引レール71の間を延びており、成形型33にセットされる繊維質基材3の中程に位置するように設けられている。
吐出レール57は、両方の吸引レール71側に長手方向に間隔をあけて設けられた複数箇所の吐出孔59から液状のマトリックス樹脂5を吐出するようになっている。当該構成の成形装置31では、繊維質基材3の中程で吐出レール57から注入されたマトリックス樹脂5が繊維質基材3の両側にある吸引レール71に向かって流動し、その過程で繊維質基材3にマトリックス樹脂5が浸透していき、全体に亘って含浸される。繊維強化樹脂複合体1の製造には、このような成形装置31が採用されていてもよい。
また、上記実施形態では、繊維強化樹脂複合体1の製造において、第1方向に対して第1繊維シート9aの繊維方向がなす角度と第2繊維シート9bの繊維方向がなす角度とが同程度となるように繊維質基材3を成形型33にセットするとしたが、これに限らない。第1繊維シート9aの繊維方向が第1方向に対して第2方向における一側に向けて傾斜し、且つ、第2繊維シート9bの繊維方向が第1方向に対して第2方向における他側に向けて傾斜するように繊維質基材3を成形型33にセットしていれば、第1方向に対して第1繊維シート9aの繊維方向がなす角度と第2繊維シート9bの繊維方向がなす角度とが異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、繊維質基材3が第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dからなる繊維強化樹脂複合体1を例に挙げて説明したが、これに限らない。繊維強化樹脂複合体1の繊維質基材3は、裏面側に位置する第1繊維シート9aの繊維方向と第2繊維シート9bの繊維方向とが互いに交差し、それら第1繊維シート9aおよび第2繊維シート9bを第1方向に対する繊維方向が互いに逆側に傾斜した繊維配向として繊維質基材3を成形型33にセットできるものであれば、5枚以上の繊維シート9によって構成されていてもよいし、3枚以下の繊維シート9によって構成されていても構わない。
また、上記実施形態では、第1繊維シート9aの繊維配向が−45°であり、第2繊維シート9bの繊維配向が45°であり、第3繊維シート9cの繊維配向が90°であり、第4繊維シート9dの繊維配向が0°であるとしたが、これに限らない。例えば、第1繊維シート9aの繊維配向が45°であり、第2繊維シート9bの繊維配向が−45°であってもよく、第3繊維シート9cの繊維配向が0°であり、第4繊維シート9dの繊維配向が90°であってもよい。また、第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dの繊維配向は、繊維強化樹脂複合体1に要望される機械的性質に応じて種々の態様を採り得る。
また、上記実施形態では、繊維質基材3を構成する第1〜第4繊維シート9a,9b,9c,9dにNCFなどのストランドシートが用いられるとしたが、これに限らない。繊維質基材3に用いられる繊維シート9は、多数本の強化繊維7が一方向に引き揃えられたものであれば、その他の織物や編物などであってもよい。
また、上記実施形態では、繊維強化樹脂複合体1の製造においてマトリックス樹脂5として熱硬化性樹脂を用いるとしたが、これに限らない。マトリックス樹脂5には、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられてもよい。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
また、上記実施形態では、繊維強化樹脂複合体1は自動車のボディパネルに用いられるとしたが、これに限らない。自動車のボディパネルは、繊維強化樹脂複合体1の用途の一例に過ぎず、繊維強化樹脂複合体1は、シートやサスペンション、フロアなどのその他の自動車部品に用いられていてもよいし、自動車用途に限らず、航空機部材や自転車部材、船舶部材、風車ブレード、スポーツ用具、建築構造材などの他用途にも広く用いることが可能である。
以上説明したように、本開示の技術は、VaRTM法を用いた繊維強化樹脂複合体の製造方法について有用である。
1 繊維強化樹脂複合体
3 繊維質基材
5 マトリックス樹脂
7 強化繊維
9 繊維シート
11 補助糸
13 繊維束
15 凹条
31 成形装置
33 成形型
35 成形面
37 バッグ材
39 シール部材
41 成形空間
43 剥離シート
45 樹脂拡散媒体
47 樹脂供給装置
49 吸引装置
51 樹脂貯留タンク
53 樹脂供給配管
55 開閉弁
57 吐出レール
59 吐出孔
61 注入ポート
63 真空ポンプ
65 減圧配管
67 樹脂回収タンク
69 開閉弁
71 吸引レール
73 吸引孔
75 減圧ポート

Claims (6)

  1. 多数本の強化繊維(7)が一方向に引き揃えられた繊維シート(9)を複数枚積層してなる繊維質基材(3)を成形型(33)にセットするセットステップと、
    前記成形型(33)にセットした前記繊維質基材(3)をバッグ材(37)で覆って密封する密封ステップと、
    前記成形型(33)と前記バッグ材(37)との間の成形空間(41)を前記繊維質基材(3)のシート面方向における一方側に設けられた減圧ポート(75)を通じて減圧すると共に、前記成形空間(41)に対し前記繊維質基材(3)のシート面方向における他方側に設けられた注入ポート(61)からマトリックス樹脂(5)を注入することにより、前記繊維質基材(3)に前記マトリックス樹脂(5)を含浸させる含浸ステップと、を含む繊維強化樹脂複合体の製造方法であって、
    前記セットステップでは、
    前記繊維質基材(3)として、複数の前記繊維シート(9)のうち前記成形型(33)の成形面(35)とは反対側の端に位置する第1繊維シート(9a)の繊維方向と、前記第1繊維シート(9a)と隣り合う第2繊維シート(9b)の繊維方向とが互いに交差する繊維質基材(3)を用い、
    前記繊維質基材(3)を、前記第1繊維シート(9a)の繊維方向が前記注入ポート(61)から前記減圧ポート(75)に向かう第1方向に対して当該繊維質基材(3)のシート面方向のうち前記第1方向と直交する第2方向における一側に向けて傾斜し、且つ、前記第2繊維シート(9b)の繊維方向が前記第1方向に対して当該繊維質基材(3)のシート面方向のうち前記第2方向における他側に向けて傾斜するように、前記成形型(33)にセットする
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  2. 請求項1に記載された繊維強化樹脂複合体の製造方法において、
    前記セットステップでは、前記繊維質基材(3)を、前記第1方向に対して前記第1繊維シート(9a)の繊維方向がなす角度と前記第2繊維シート(9b)の繊維方向がなす角度とが同程度となるように、前記成形型(33)にセットする
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された繊維強化樹脂複合体の製造方法において、
    前記セットステップでは、前記繊維質基材(33)として、前記第2繊維シート(9b)よりも前記成形型(33)側に位置する第3繊維シート(9c)と、該第3繊維シート(9c)よりも前記成形型(33)側に位置する第4繊維シート(9d)と、を含み、前記第3繊維シート(9c)の繊維方向と前記第4繊維シート(9d)の繊維方向とが、互いに交差し、且つ前記第1繊維シート(9a)の繊維方向と前記第2繊維シート(9b)の繊維方向とにもそれぞれ交差する繊維質基材(3)を用いる
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  4. 請求項3に記載された繊維強化樹脂複合体の製造方法において、
    前記セットステップでは、前記繊維質基材(3)として、前記第1繊維シート(9a)の繊維方向と前記第2繊維シート(9b)の繊維方向とが互いに直交し、且つ、前記第3繊維シート(9c)の繊維方向と前記第4繊維シート(9d)の繊維方向とが互いに直交する繊維質基材(3)を用いる
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載された繊維強化樹脂複合体の製造方法において、
    前記セットステップでは、前記繊維質基材(3)を、前記第1繊維シート(9a)および前記第2繊維シート(9b)のうち一方の繊維シート(9)における繊維方向が前記第1方向に対して−45°の角度をなし、且つ、他方の繊維シート(9)における繊維方向が前記第1方向に対して45°の角度をなすように、前記成形型(33)にセットする
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載された繊維強化樹脂複合体の製造方法において、
    前記セットステップでは、前記繊維質基材(3)を、前記第3繊維シート(9c)および前記第4繊維シート(9d)のうち一方の繊維シート(9)における繊維方向が前記第1方向に対して0°の角度をなし、且つ、他方の繊維シート(9)における繊維方向が前記第1方向に対して90°の角度をなすように、前記成形型(33)にセットする
    ことを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方法。
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