JPH05345831A - ガス遮断性プラスチックス材の製造方法 - Google Patents

ガス遮断性プラスチックス材の製造方法

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JPH05345831A
JPH05345831A JP4195786A JP19578692A JPH05345831A JP H05345831 A JPH05345831 A JP H05345831A JP 4195786 A JP4195786 A JP 4195786A JP 19578692 A JP19578692 A JP 19578692A JP H05345831 A JPH05345831 A JP H05345831A
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gas barrier
silicon oxide
film
plasma
chamber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄いガス遮断性被膜を表面に形成したプラス
チックス材を製造する方法を提供する。 【構成】 低温プラズマ法により有機シリコン化合物モ
ノマーをプラズマとなし、このプラズマでプラスチック
ス基体を処理して表面に有機シリコン化合物重合体の被
膜を形成し、ついでこの基体の有機シリコン化合物重合
体の被膜上にシリコン酸化物膜を被覆することを特徴と
するガス遮断性プラスチックス材の製造方法であって、
有機シリコン化合物モノマーはビニルアルコキシシラ
ン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシ
シラン等であり、低温プラズマ法は高周波プラズマ法、
交流プラズマ法、マイクロ波プラズマ法等である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスの透過を防止したガ
ス遮断性ブラスチックス材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてプラスチックス材は広く
使用されているが包装材用のプラスチックスはガスの透
過性が大きい欠点を有している。包装材には内容物の保
護と保存のためガスの透過を防止することが強く要求さ
れている。
【0003】ガスの透過を防止するため種々の試みがな
されて来た。その代表的なものを例示すると、 プラスチックス材にSiOやアルミニウム酸化物
等の無機の薄膜を被覆する方法、 ポリ塩化ビニリデン等のバリヤ性樹脂層を設けて積
層体とする方法、 アルミ箔等の金属フイルムを積層する方法、 等である。この他特開平3−183759号公報にはプ
ラスチックスフイルムにそのプラスチックスと同じ合成
樹脂を真空蒸着や、スパッタリングによって薄膜状で被
覆して有機物層を形成し、その上に無機物を蒸着して有
機物と無機物の混合層を形成し、その上に無機物層を形
成した積層フイルムが示されている。このプラスチック
スは、被覆層の無機物とは全く異なる物質であって親和
性が乏しいためプラスチックスには同じ合成樹脂を被覆
し、無機被覆の定着性を良くするために中間に合成樹脂
と無機物のブレンド層を形成したものであるが、ブレン
ド層の表面は無機物のみの面ではなく合成樹脂の面も存
在するので無機物層の定着性は期待した程には向上しな
い。また、合成樹脂と無機物を2工程で蒸着することは
シート状物以外例えば成形体には適用出来ない。さらに
合成樹脂は蒸着すると分子量が低下するのでこのプラス
チックス材は加工性が劣化する。このような問題がある
ので充分満足出来るものではない。
【発明が解決しようとする課題】従来試みられたガス透
過遮断方法はいずれも1長1短があり充分満足すること
が出来るものではなかった。
【0004】の方法による無機の薄膜はリサイクル性
があり廃棄上の問題もないがガス遮断性が不充分であ
る。の方法によるポリ塩化ビニリデンはガス遮断性は
良いが塩素を発生するので廃棄上重大な問題がある。
の方法によるアルミ箔等の金属フイルムを積層すると廃
棄上の問題はなくガス遮断性も良好であるが不透明とな
って内容物が見えず、またマイクロ波を遮断するので電
子レンジでの加熱が出来ない。本発明は極めて薄い層で
ガスの透過を防止したガス遮断性プラスチックス材の製
造方法を提供し、これ等の問題を解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1.低温プラズマ法により有機シリコン化合物モノマ
ーをプラズマとなし、このプラズマでプラスチックス基
体を処理して表面に有機シリコン化合物の被膜を形成
し、ついでこの基体のシリコン化合物の被膜上にシリコ
ン酸化物膜を被覆することを特徴とするガス遮断性プラ
スチックス材の製造方法。 2.有機シリコン化合物モノマーをプラズマとなす低温
プラズマ法が高周波プラズマ法、交流プラズマ法、直流
プラズマ法、マイクロ波プラズマ法から選んだ方法であ
る、1項に記載されたガス遮断性プラスチックス材の製
造方法。 3.有機シリコン化合物モノマーがビニルアルコキシシ
ラン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキ
シシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ポリメチル
ジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロキサンから
選んだ1または2以上である、1項または2項に記載さ
れたガス遮断性プラスチックス材の製造方法。 4.シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコン化合物を
プラスチックス基体上で酸素ガスと反応させて被覆した
膜である、1項または3項のいずれか1項に記載された
ガス遮断性プラスチックス材の製造方法。 5. シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をPVD法又
はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形成した膜
である、1項〜3項のいずれか1項に記載されたガス遮
断性プラスチックス材の製造方法。 6. シリコン酸化物膜がモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ
素の混合物を真空蒸着により被覆した膜である、5項に
記載された、ガス遮断性プラスチックス材の製造方法。 7. シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他の金属の
化合物の混合物である、5項に記載されたガス遮断性プ
ラスチックス材の製造方法。 8. ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が60%以上
であり、その組成がSiO×(×=1.5〜2.0)で
ある、1項ないし7項のいずれか1項に記載されたガス
遮断性積層プラスチックス材の製造方法。」 に関する。
【0006】
【作用】本発明者の研究によるとプラスチク材に被覆し
たシリコン酸化物SiO膜はガス遮断性を有する効果
が充分ではなかった。
【0007】プラスチックス材にシリコン酸化物SiO
を被覆する方法には a. SiO、SiOを原料とした真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD法、 b. モノシラン(SiH)と酸素含有ガスを原料と
したプラズマCVD法、 c. テトラエトキシシラン等の有機シリコン化合物と
酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、 等がある。ところがこれ等の方法でプラスチックス材に
設けたシリコン酸化物薄膜はガス遮断性が不充分であっ
た。
【0008】本発明の特徴の第1は有機シリコン化合物
を原料とし低温プラズマCVD法によりプラスチックス
材の上に有機シリコン化合物の重合体被膜を形成するこ
とである。この重合体膜は少なくともケイ素、炭素、酸
素を含有し、それ等の組成比において、ケイ素は15%
以上であり炭素は20%以上である。そしてこの重合膜
の厚さは0.01〜0.1μmであるが好ましくは0.
02〜0.07μmである。高温プラズマ法ではプラス
チックス基体が熱の影響を受けるので好ましくない。低
温プラズマ法としては高周波プラズマ法、交流プラズマ
法、直流プラズマ法、マイクロ波プラズマ法のいずれも
使用出来る。
【0009】本発明の第2の特徴は上記の有機シリコン
化合物重合体被膜の上に前述のPVD法またはCVD法
によりシリコン酸化物SiO膜を形成することであ
る。シリコン酸化物膜の厚さは0.03〜0.2μm好
ましくは0.05〜0.14μmである。有機シリコン
化合物重合体被膜はガス遮断性を示さないが、この被膜
の上にケイ素酸化物被膜が形成されるとガス遮断性が著
しく向上する。ケイ素酸化物層はケイ素酸化物からなる
層であるが、この層はケイ素酸化物以外の金属化合物例
えばMgOやMgFやCuCOなどを含むことも出
来る。しかしながら、この第2層はケイ素酸化物が主成
分であり、ケイ素酸化物は好ましくは60%以上より好
適には65%以上存在しなければならない。
【0010】何故このような特異な作用効果が奏される
のか学問的解明は必ずしも充分ではないが本発明は反復
再現性のある結果を示す。PVD法やCVD法でプラス
チックス材表面に供給された無機的粒子は基体上を動い
て最も安定した位置で安定化して基体に定着する。そし
てその上にまた無機物粒子が積もって被膜が形成され
る。本発明者はプラスチックス材の表面に有機シリコン
化合物重合体被膜が存在するとその上にPVD法やCV
D法により供給されたケイ素酸化物微粒子は良好に安定
化するので均一な安定化したケイ素酸化物の被膜が形成
されガス遮断性が向上すると考えている。本発明者はこ
の考えに基きプラスチックス材表面に種々の方法で有機
シリコン化合物重合体被膜を形成して研究を行なったが
通常の方法で形成した被膜は効果がなかった。しかしな
がら、有機シリコン化合物モノマーを低温プラズマ法を
用いて重合させた薄膜の膜状の被膜は特別の効果を奏し
たのである。こうして形成された被膜の上に設けるケイ
素酸化物被覆はSiOなどのシリコン酸化物を真空蒸
着等のPVD法によって薄膜状に被覆してもよく、有機
シリコン化合物重合体被覆を形成する方法と同様なプラ
ズマCVD法を用い酸素ガスを導入して酸化膜を形成し
てもよい。
【0011】本発明の方法に用いられるプラスチックス
としてはPET等ポリエステル、PP,PE等のポリオ
レフィン、ナイロン、ポリビニールアルコール、PV
C,PVDC,PC等である。本発明により形成された
ガス遮断層は流通過程等における取扱によってはプラス
チックス材から剥離することはないが成形加工を行なう
と剥離する危険があるのでガス遮断性成形材料を製造す
るよりも袋状、ボトル等の容器に成形した包装材を処理
してガス遮断性のある包装材を製造することが良好な効
果を奏する。フイルムの場合はガス遮断層の上に合成樹
脂をラミネートすることにより袋状に成形することが出
来る。本発明の製造方法により得られたプラスチックス
材を用いた包装材は熱湯殺菌も出来るのでレトルト食品
の包装材として優れている。
【0012】本発明で使用する有機シリコン化合物モノ
マーとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、1133−テトラメチルジシ
ロキサン、ヘキサンメチルジシロキサン等である。
【0013】
【実施例】次に実施例について本発明を具体的に説明す
る。まず使用した装置について説明する。
【0014】図1は本発明で使用した有機シリコン化合
物被膜を形成する高周波プラズマCVD装置である。こ
の装置は常温液体モノマーを気体状態で導入する導入口
1及び酸素ガス導入口2を備えた直径60cmのステン
レス製ベルジャー型真空チャンバー3と日本電子株式会
社製、高周波電源4(13.56MH、1.5KW、
JEH−01B)及びマッチングボックス5そして直径
13cmの円盤状高周波電極6、直径20cm、高さ
1.5cmの円筒状アース電極7、両電極間に設置した
試料用治具8等からなっている。この図1の装置は、中
間層である有機ケイ素化合被覆とガス遮断層であるシリ
コン酸化物膜の被覆の両方を行なうことが出来る。真空
ポンプは油回転ポンプと油拡散ポンプを使用し、前処理
及び成膜中は常にポンプを引き続け、前処理及び薄膜被
覆試験を行なった。常温液体モノマーとしては、ヘキサ
メチルジシロキサン(以下HMDSという)、反応ガス
としては、酸素ガスを使用した。これ等のガスはそれぞ
れ別ルートでチャンバー内に導入され、アース電極内で
混合されチャンバー内に放出される。アース電極と高周
波電極は平行(距離7cm)に配置し、各実施例では試
料として2種類のプラスチックスフイルムを使用した。
すなわち100μPETシートまたは50μPPフイル
ムを絶縁性試料治具によって、高周波電極とアース電極
間(高周波電極より0.5cm)に設置した。又ボトル
形状の試料については図3に示す形状のPET樹脂製容
器を用いた。試料治具(図に示していない)は自転機構
が付いた絶縁性で、高周波電極とアース電極間(ボトル
の中心軸が高周波電極より1.75cm)に設置した。
【0015】図2は実施例で使用したガス遮断層である
シリコン酸化物膜を被覆する真空状蒸着装置である。こ
の装置は2系統のガス導入口1、2を備えた直径60c
mのステンレス製ベルジャー型真空チャンバー1と日本
電子株式会社製、高周波電源4(13.56MH
1.5KW、JEH−O1B)及びマッチングボックス
5そして直径5mm、1.5mのステンレス丸棒による
コイル高周波電極、タングステンボード7及び試料用治
具等からなっている。真空ポンプは油回転ポンプと油拡
散ポンプを使用し、成膜中は常にポンプを引き続け、薄
膜被覆試験を行なった。
【0016】実施例1 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の装置を使用し油回転ポンプと油拡
散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10−5
torrまで真空に引き、チャンバー内真空度を3×1
−3torrになるまでHMDS蒸気を導入した。高
周波電源より入射電力300Wをマッチングボックスを
経由し、チャンバー内に導入し、HMDSのプラズマを
発生させ、チャンバー内真空度が1×10−3torr
になるようにHMDS蒸気の導入量を調節し、5分間保
持した。こうしてHMDS重合体被膜が形成された。5
分後、HMDS蒸気のチャンバー内への導入及び高周波
電力の導入を停止した。そしてチャンバー内真空度が1
×10−3torrになるまでチャンバー内に酸素ガス
を導入し、更にチャンバー内真空度が2×10−3to
rrになるまでチャンバー内にHMDSの蒸気を導入し
た。高周波電源より入射電力300Wをマッチングボッ
クスを経由し、チャンバー内に導入し、HMDS及び酸
素のプラズマを発生させ、10分間保持し、試料(10
0μBOPETシート)の上に形成したHMDS重合体
被膜の上にシリコン酸化物被膜が形成された。上に薄膜
を形成した。中間層の厚みは0.036μmであり、そ
の元素組成はSi:O:C=2:3:5であった。ガス
遮断層の厚みは0.062μmであり、その元素組成は
Si:O:C=3:6:1であった。
【0017】実施例2 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャ
ンバー内真空度を2〜3×10−5torrまで真空に
引き、チャンバー内真空度が3×10−3torrにな
るまでHMDS蒸気を導入した。高周波電源より入射電
力300Wをマッチングボックスを経由し、チャンバー
内に導入し、HMDSのプラズマを発生させ、チャンバ
ー内真空度が1×10−3torrになるようにHMD
S蒸気の導入量を調節し、5分間保持した。こうしてH
MDS重合体被膜が形成された。5分後、HMDS蒸気
のチャンバー内への導入及び高周波電力の導入を停止
し、大気によりチャンバー内を常圧にし、試料を取り出
し、別の図2の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れ
た対向位置に試料をセットする。油回転ポンプと油拡散
ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10−5
orrまで真空に引き、酸素ガスを導入し、3×10
−4torrにする。タングステンボードに入れたモノ
酸化珪素と二酸化珪素の混合物を蒸発させるため、ボー
ドの両端に電圧をかけ、電気抵抗加熱を行ない、試料の
表面に形成したHMDS重合体被覆の上に真空蒸着法に
よりSiO膜を被覆した。中間層の厚みは0.04μ
mであり、その元素組成はSi:O:C=2:3:5で
あった。ガス遮断層の厚みは0.095μmであり、そ
の元素組成はSi:O:C=1:1.8:0であった。
【0018】実施例3 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の油回転ポンプと油拡散ポンプによ
りチャンバー内真空度を2〜3×10−5torrまで
真空に引き、チャンバー内真空度が3×10−3tor
rになるまでHMDS蒸気を導入した。高周波電源より
入射電力300Wをマッチングボックスを経由し、チャ
ンバー内に導入し、HMDSのプラズマを発生させ、チ
ャンバー内真空度が1×10−3torrになるように
HMDS蒸気の導入量を調節し、5分間保持した。こう
してHMDS重合体被膜が形成された。5分後、HMD
S蒸気のチャンバー内への導入及び高周波電力の導入を
停止し、大気によりチャンバー内を常圧にし、試料を取
り出し、別の図2の真空蒸着装置の蒸発源から20cm
離れた対向位置に試料をセットする。油回転ポンプと油
拡散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10
−5torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し、3×
10−4torrにする。高周波電源より入射電力20
0Wをマッチングボックスを経由し、チャンバー内に導
入し、酸素プラズマを発生させる。タングステンボード
に入れたモノ酸化珪素と二酸化珪素の混合物を蒸発させ
るため、ボードの両端に電圧をかけ、電気抵抗加熱を行
ない、試料の表面に形成したHMDS被覆の上に高周波
イオンプレーテイング法によりSiO膜を被覆した。
中間層の厚みは0.038μmであり、その元素組成は
Si:O:C=2:3:5であった。ガス遮断層の厚み
は0.084μmであり、その元素組成はSi:O:C
=1:1.8:0であった。
【0019】実施例4 実施例1のプラスチックス材の代わりに図3のボトル形
状試料を用い、その他は実施例1と同じとして被覆中の
ボトルの自転速度は10R.P.Mで実施した。ボトル
の口径は20mm、底径は25mmで口部までの高さは
47.5mm肩部までの高さは30mmである。中間層
の厚み:0.044μ、元素組成はSi:O:C=2:
3:5であった。ガス遮断層の厚み:0.069μ、元
素組成は Si:O:C=3:6:1であった。
【0020】比較例1 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の装置を使用し油回転ポンプと油拡
散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10−5
torrまで真空に引き、チャンバー内真空度が1×1
−3torrになるまでチャンバー内に酸素ガスを導
入し、更にチャンバー内真空度が2×10−3torr
になるまでチャンバー内にHMDSの蒸気を導入した。
高周波電源より入射電力300Wをマッチングボックス
を経由し、チャンバー内に導入し、HMDS及び酸素の
プラズマを発生させ、10分間保持し、試料(100μ
BOPETシート)上にHMDS重合体の薄膜を形成し
た。ガス遮断層の厚みは0.14μmであり、その元素
組成はSi:O:C=3:6:1であった。
【0021】比較例2 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の装置を使用し油回転ポンプと油拡
散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10−5
torrまで真空に引き、チャンバー内真空度が3×1
−3torrになるまでエチレンガスを導入した。高
周波電源より入射電力300Wをマッチングボックスを
経由し、チャンバー内に導入し、エチレンガスのプラズ
マを発生させ、チャンバー内真空度が1×10−3to
rrになるようにエチレンガスの導入量を調節し、5分
間保持した。こうしてエチレン重合体被覆が形成され
た。5分後、エチレンガスのチャンバー内への導入及び
高周波電力の導入を停止した。そしてチャンバー内真空
度が1×10−3torrになるまでチャンバー内に酸
素ガスを導入し、更にチャンバー内真空度が2×10
−3torrになるまでチャンバー内にHMDSの蒸気
を導入した。高周波電源より入射電力300Wをマッチ
ングボックスを経由し、チャンバー内に導入し、HMD
S及び酸素のプラズマを発生させ、10分間保持し、試
料(100μBOPETシート)上に薄膜を形成した。
中間層の厚みは0.047μmであり、その元素組成は
Si:O:C=0:1:4であった。ガス遮断層の厚み
は0.069μmであり、その元素組成はSi:O:C
=3:6:1であった。
【0022】比較例3 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図2の真空蒸着装置の蒸発源から20c
m離れた対向位置に試料(未処理の100μのPETシ
ート)をセットする。油回転ポンプと油拡散ポンプによ
りチャンバー内真空度を2〜3×10−5torrまで
真空に引き、酸素ガスを導入し、3×10−4torr
にする。タングステンボードに入れたモノ酸化珪素と二
酸化珪素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電
圧をかけ、電気抵抗加熱を行ない、試料に真空蒸着法に
よりSiO膜を被覆した。ガス遮断層の厚みは0.1
4μmであり、その元素組成はSi:O:C=1:1.
8:0であった。
【0023】比較例4 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の装置を使用し油回転ポンプと油拡
散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10−5
torrまで真空に引き、チャンバー内真空度が3×1
−3torrになるまでエチレンガスを導入した。高
周波電源より入射電力300Wをマッチングボックスを
経由し、チャンバー内に導入し、エチレンガスのプラズ
マを発生させ、チャンバー内真空度が1×10−3to
rrになるまでエチレンガスの導入量を調節し、5分間
保持した。5分後、エチレンガスのチャンバー内への導
入及び高周波電力の導入を停止し、大気によりチャンバ
ー内を常圧にし、試料を取り出し、別の真空蒸着装置
(装置2)の蒸発源から20cm離れた対向位置に試料
をセットする。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャ
ンバー内真空度を2〜3×10−5torrまで真空に
引き、酸素ガスを導入し、3×10−4torrにす
る。タングステンボードに入れたモノ酸化珪素と二酸化
珪素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧を
かけ、電気抵抗加熱を行ない、試料の処理面に真空蒸着
法によりSiO膜を被覆した。中間層の厚みは0.0
41μmであり、その元素組成はSi:O:C=0:
1:4であった。ガス遮断層の厚みは0.13μmであ
り、その元素組成はSi:O:C=1:1.8:0であ
った。
【0024】比較例5 処理するプラスチックス材としてPETシートとPPシ
ートを用いた。図1の装置を使用し真空蒸着装置(装置
2)の蒸発源から20cm離れた対向位置に試料をセッ
トする。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバー
内真空度を2〜3×10−5torrまで真空に引き、
酸素ガスを導入し、3×10−4torrにする。高周
波電源より入射電力200Wをマッチングボックスを経
由し、チャンバー内に導入し、酸素プラズマを発生させ
る。タングステンボードに入れたモノ酸化珪素と二酸化
珪素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧を
かけ、電気抵抗加熱を行ない、試料の処理面に高周波イ
オンプレーテイング法によりSiO膜を被覆した。ガ
ス遮断層の厚みは0.09μmであり、その元素組成は
Si:O:C=1:1.8:0であった。 測定装置 酸素ガス透過量: モダンコントロール社製、ox−t
ran 100 測定条件: 27℃(透過量単位: cc/m da
y atm) 水蒸気透過量: Lyssy社製、Automatic
Permeability Tester L80−
4000 測定条件: 40℃90%RH(透過量単位:g/m
day)
【0025】〔性能試験〕次に実施例と比較例により得
たシートのガス透過性能試験の結果を表1に示す。試験
方法 水蒸気透過量測定法 ボトル中に2gの水を充填し、アルミ箔/PET積層体
のPET面をボトル側に向け、ヒートシールし、50℃
40%RH雰囲気に保存し、重量変化を測定した。使用
したボトルの透過面積は50cmである。水蒸気透過
量の結果、未処理ボトル3.8g/m dayであ
り、実施ボトル0.3g/m day であった。
【0026】
【表1】 (註) 実施例および比較例は試料としてPETの他P
Pを用いた結果も併記した。
【0027】
【発明の効果】本発明により容易にプラスチックス材の
表面に安定に定着した非常に薄いシリコン酸化物膜を形
成することが出来る。この膜はガスの透過を防止するこ
とが出来しかも薄いのでリサイクルにも廃棄上にも問題
は全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用した高周波プラズマCVD装置の
説明図である。
【図2】シリコン酸化物膜を被覆する真空蒸着装置の説
明図である。
【図3】本発明で用いたボトルの側面図である。
【符号の説明】
1 ガス導入口 2 ガス導入口 3 真空チャンバー 4 高周波電源 5 マッチングボックス 6 高周波電極 7 アース電極 8 試料用治具

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温プラズマ法により有機シリコン化合
    物モノマーをプラズマとなし、このプラズマでプラスチ
    ックス基体を処理して表面に有機シリコン化合物重合体
    の被膜を形成し、ついでこの基体の有機シリコン化合物
    重合体の被膜上にシリコン酸化物膜を被覆することを特
    徴とするガス遮断性プラスチックス材の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機シリコン化合物モノマーをプラズマ
    となす低温プラズマ法が高周波プラズマ法、交流プラズ
    マ法、直流プラズマ法、マイクロ波プラズマ法から選ん
    だ方法である、請求項1に記載されたガス遮断性プラス
    チックス材の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機シリコン化合物モノマーがビニルア
    ルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アルキルト
    リアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、
    ポリメチルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロ
    キサンから選んだ1または2以上である、請求項1また
    は2に記載されたガス遮断性プラスチックス材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコ
    ン化合物をプラスチックス基体上で酸素ガスと反応させ
    て被覆した膜である、請求項1または3のいずれか1項
    に記載されたガス遮断性プラスチックス材の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をP
    VD法又はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形
    成した膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載され
    たガス遮断性プラスチックス材の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコン酸化物膜がモノ酸化ケイ素と二
    酸化ケイ素の混合物を真空蒸着により被覆した膜であ
    る、請求項5に記載されたガス遮断性プラスチックス材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他
    の金属の化合物の混合物である、請求項5に記載された
    ガス遮断性プラスチックス材の製造方法。
  8. 【請求項8】 ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が6
    0%以上であり、その組成がSiO(X=1.5〜
    2.0)である、請求項1ないし7のいずれか1項に記
    載されたガス遮断性積層プラスチックス材の製造方法。
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