JP3489267B2 - ガス遮断性に優れた包装材 - Google Patents

ガス遮断性に優れた包装材

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JP3489267B2 JP13096595A JP13096595A JP3489267B2 JP 3489267 B2 JP3489267 B2 JP 3489267B2 JP 13096595 A JP13096595 A JP 13096595A JP 13096595 A JP13096595 A JP 13096595A JP 3489267 B2 JP3489267 B2 JP 3489267B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス遮断性に優れた包装
材に関する。さらに詳細には医薬等の薬剤の包装に用い
る包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてプラスチックス材は広く
使用されているが包装材用のプラスチックスはガスの透
過性が大きい欠点を有している。包装材には内容物の保
護と保存のためガスの透過を防止することが強く要求さ
れている。
【0003】ガスの透過を防止するため種々の試みがな
されて来た。その代表的なものを例示すると、 プラスチックス材にSiOやアルミニウム酸化物
等の無機の薄膜を被覆する方法、 ポリ塩化ビニリデン等のバリヤ性樹脂層を設けて積
層体とする方法、 アルミ箔等の金属フイルムを積層する方法、 等である。この他特開平3−183759号公報にはプ
ラスチックスフイルムにそのプラスチックスと同じ合成
樹脂を真空蒸着や、スパッタリングによって薄膜状で被
覆して有機物層を形成し、その上に無機物を蒸着して有
機物と無機物の混合層を形成し、その上に無機物層を形
成した積層フイルムが示されている。このプラスチック
スは、被覆層の無機物とは全く異なる物質であって親和
性が乏しいためプラスチックスには同じ合成樹脂を被覆
し、無機被覆の定着性を良くするために中間に合成樹脂
と無機物のブレンド層を形成したものであるが、ブレン
ド層の表面は無機物のみの面ではなく合成樹脂の面も存
在するので無機物層の定着性は期待した程には向上しな
い。また、合成樹脂と無機物を2工程で蒸着することは
シート状物以外例えば成形体には適用出来ない。さらに
合成樹脂は蒸着すると分子量が低下するのでこのプラス
チックス材は加工性が劣化する。このような問題がある
ので充分満足出来るものではない。本発明者は先に特開
平4−195784号と、特開平5−345831号を
出願した。これ等の発明はプラスチックス材表面に有機
ケイ素化合物の重合体層をを形成し、その上にケイ素化
合物層を設けてガス遮断性の向上を図るものである。こ
のガス遮断性はガス透過量が0.3〜0.4g/m
ayで非常に良好であるが、ガス透過量を0.1g/m
day以下とすることは出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来試みられたガス透
過遮断方法はいずれも1長1短があり充分満足すること
が出来るものではなかった。
【0005】前述のの方法による無機の薄膜はリサイ
クル性があり廃棄上の問題もないがガス遮断性が不充分
である。の方法によるポリ塩化ビニリデンはガス遮断
性は良いが塩素を発生するので廃棄上重大な問題があ
る。の方法によるアルミ箔等の金属フイルムを積層す
ると廃棄上の問題はなくガス遮断性も良好であるが不透
明となって内容物が見えず、またマイクロ波を遮断する
ので電子レンジでの加熱が出来ない。本発明は極めて薄
い層でガスの透過を防止した透明なガス遮断性プラスチ
ックス材の包装材料を提供し、これ等の問題を解決する
ものである。
【0006】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. プラスチック材に無機薄膜を被覆した包装材に
おいて、該プラスチック材が環状オレフィンを30モル
%以上含有する環状オレフィン共重合体で形成されてい
ることを特徴とする、ガス遮断性に優れた包装材。 2. プラスチック材を被覆した無機薄膜が、シリコン
の酸化物で形成された薄膜である、1項に記載されたガ
ス遮断性に優れた包装材。 3. プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマ
CVD法により形成された薄膜である、1項または2項
に記載されたガス遮断性に優れた包装材。 4. プラスチック材に被覆した無機薄膜が、低温プラ
ズマ法により有機シリコン化合物モノマーをプラズマと
なし、このプラズマでプラスチックス材を処理して表面
に有機シリコン化合物重合体の被膜を形成し、ついでこ
の有機シリコン化合物重合体の被膜上にシリコン酸化物
膜を被覆した無機薄膜である、1項ないし3項のいずれ
か1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。 5. 有機シリコン化合物モノマーがビニルアルコキシ
シラン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコ
キシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ポリメチ
ルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロキサンか
ら選んだ1または2以上である、4項に記載されたガス
遮断性に優れた包装材。 6. シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコン化合物
をプラスチックス材上で酸素ガスと反応させて被覆した
膜である、4項または5項のいずれか1項に記載された
ガス遮断性に優れた包装材。 7. シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をPVD法又
はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形成した膜
である、4項ないし6のいずれか1項に記載されたガス
遮断性に優れた包装材。 8. シリコン酸化物膜がモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ
素の混合物を真空蒸着により被覆した膜である、請求項
4ないしいずれか1項に記載され5に記載されたガス遮
断性に優れた包装材。 9. シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他の金属の
化合物の混合物である、請求項4ないし6のいずれか1
項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。 10. ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が60%以
上であり、その組成がSiOx (x =1.5〜2.
0)である、請求項4ないし6のいずれか1項に記載さ
れたガス遮断性に優れた包装材。」に関する。
【0007】
【作用】本発明の第1の特徴は包装材料の基体として環
状オレフィン共重合体を使用することである。この共重
合体は透明性が優れており、水蒸気遮断性が優れてい
る。しかしながら医薬品等の薬剤の包装にはまだ不充分
である。水蒸気透過量が0.1g/mday以下でな
いと医薬等の薬剤の包装に使用することが出来ない。透
過した水蒸気により薬剤が影響されるからである。この
ような薬剤には具体的には抗生物質等がある。食品包装
用の包装材は水蒸気の透過が1g/mdayであるこ
とからみて薬剤包装の水蒸気透過性は、非常に厳しい条
件である。この水蒸気透過量0.1g/mday以下
の条件が満たされると種々の特種な用途に使用する包装
材料として非常に有用である。
【0008】本発明者は共重合体の組成を種々変えてみ
たがそれだけでは水蒸気の透過が0.1g/mday
以下にすることはできなかった。ところが、共重合体の
環状オレフィンの含有量を30モル%以上とするとフイ
ルム自体のガスバリヤ性は変化しないがその表面に無機
質のガスバリヤ層を設けるとガスバリヤ性が著しく向上
することがわかった。
【0009】本発明者は、この相乗効果について環状オ
レフィンを30モル%以上含有する共重合体はガラス転
移温度が著しく高くなり無機質被膜の製膜時の基材の形
状変動が小さく、しかもこの製膜時にフイルム表面に異
物がブリードしないので異物のない状態で無機被膜が形
成されるので均一な欠陥のない被膜が形成されるためで
あると考えている。環状オレフィン共重合としては、環
状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物
とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体
を付加重合してなる共重合体、または前記重合体に炭化
水素系重合体、塩素含有重合体、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリカーボネート、不飽和酸、不飽和ア
ルコール誘導重合体、アミン誘導重合体などの重合体を
混合したものを含む。
【0010】本発明の第2の特徴は環状オレフィン重合
体の表面に被覆する無機質の薄膜である。無機被膜とし
てはシリコン酸化物質が最も好ましい。プラスチックス
材にシリコン酸化物SiOを被覆する方法には a. SiO、SiOを原料とした真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD法、 b. モノシラン(SiH)と酸素含有ガスを原料と
したプラズマCVD法、 c. テトラエトキシシラン等の有機シリコン化合物と
酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、 等がある。
【0011】その中で、有機シリコン化合物と酸素の混
合ガスを原料としたプラズマCVD法により形成したシ
リコン酸化物薄膜が最も好ましい。PVD法やCVD法
でプラスチックス材表面に供給された無機的粒子は基体
上を動いて最も安定した位置で安定化して基体に定着す
る。そしてその上にまた無機物粒子が積もって被膜が形
成される。実施例の項で具体的に説明するが、環状オレ
フィンを30モル%以上含有した共重合体基材にシリコ
ン酸化物の薄膜を被覆すると、夫々の層では実現出来な
かった、0.1g/mdayのガス遮断性の作用が奏
されるのである。
【0012】本発明の第3の特徴は、有機シリコン化合
物を原料とし低温プラズマCVD法によりプラスチック
ス材の上に有機シリコン化合物の重合体被膜を形成する
ことである。この重合体膜は少なくともケイ素、炭素、
酸素を含有し、それ等の組成比において、ケイ素は15
%以上であり炭素は20%以上である。そしてこの垂合
膜の厚さは0.01〜0.1μmであるが好ましくは
0.02〜0.07μmである。有機シリコン化合物重
合体の被膜形成は高温プラズマ法ではプラスチックス材
が熱の影響を受けるので好ましくない。低温プラズマ法
としては高周波プラズマ法、交流プラズマ法、直流プラ
ズマ法、マイクロ波プラズマ法のいずれも使用出来る。
そしてこの有機シリコン化合物重合体被膜の上に前述の
PVD法またはCVD法によりシリコン酸化物SiO
膜を形成することである。シリコン酸化物膜の厚さは
0.03〜0.2μm好ましくは0.05〜0.14μ
mである。
【0013】有機シリコン化合物重合体被膜はガス遮断
性を示さないが、この被膜の上にケイ素酸化物被膜が形
成されるとガス遮断性が著しく向上する。ケイ素酸化物
層はケイ素酸化物からなる層であるが、この層はケイ素
酸化物以外の金属化合物例えばMgOやMgFやCu
COなどを含むことも出来る。しかしながら、この第
2層はケイ素酸化物が主成分であり、ケイ素酸化物は好
ましくは60%以上、より好適には65%以上存在しな
ければならない。プラスチックス材の表面に有機シリコ
ン化合物重合体被膜が存在するとその上にPVD法やC
VD法により供給されたケイ素酸化物微粒子は良好に安
定化するので均一な安定化したケイ素酸化物の被膜が形
成されガス遮断性が向上する有機シリコン化合物重合体
被膜の上に設けるケイ素酸化物被覆はSiOなどのシ
リコン酸化物を真空蒸着等のPVD法によって薄膜状に
被覆してもよく、有機シリコン化合物重合体被覆を形成
する方法と同様なプラズマCVD法を用い酸素ガスを導
入して酸化膜を形成してもよい。
【0014】本発明で使用する有機シリコン化合物モノ
マーとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、1133−テトラメチルジシ
ロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等である。本発明
の包装材料はシート状、袋状、ボトル状等任意の形状の
ものを包含する。
【0015】
【実施例】使用する装図を図1に示す。
【0016】図1は本発明で使用した有機シリコン化合
物被膜を形成する高周波プラズマCVD装置である。こ
の装置は常温液体モノマーを気体状態で導入する導入口
7及び酸素ガス導入口6を備えた直径60cmのステン
レス製ベルジャー型真空チャンバー1と日本電子株式会
社製、高周波電源5(13.56MH、1.5KW、
JEH−01B)及びマッチングボックス4そして直径
13cmの円盤状高周波電極6、直径20cm、高さ
1.5cmの円筒状アース電極2、両電極間に設置した
試料用治具8等からなっている。この図1の装置は、中
間層である有機ケイ素化合被覆とガス遮断層であるシリ
コン酸化物膜の被覆の両方を行なうことが出来る。真空
ポンプは油回転ポンプと油拡散ポンプを使用し、前処理
及び成膜中は常にポンプを引き続け、前処理及び薄膜被
覆試験を行なった。常温液体モノマーとしては、ヘキサ
メチルジシロキサン(以下HMDSという)、反応ガス
としては、酸素ガスを使用した。これ等のガスはそれぞ
れ別ルートでチャンバー内に導入され、アース電極内で
混合されチャンバー内に放出される。アース電極と高周
波電極は平行(距離7cm)に配置し、実施例1、2で
は環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モル%
のプラスチックシートを、また比較例1、2では25モ
ル%のシートを使用した。これらシートを絶縁体試料治
具によって、高周波電極とアース電極間(高周波電極よ
り0.5cm)に設置した。立体形状の成膜は、図1の
高周波電極3、アース電極2、試料用治具8として図2
の立体形状用の電極を使用した。
【0017】図2は基板である直径3.5cm、高さ7
cmの円筒状のプラスチックボトル9の内側に直径3c
m、高さ6.5cmの凸型の高周波電極10、内径10
cm、高さ10cmの凹型のアース電極11、高周波電
極とアース電極の間に絶縁性ボトル固定治具12、アー
ス電極上方にはガス導入口13、高周波電極とボトル固
定治具にガス排気口14から構成されている。高周波電
極とボトルの中心が一致するようにセットして、前処理
及び成膜中は常にポンプを引き続け、前処理及び薄膜被
覆試験を行った。立体形状の実施例として、実施例3、
4では環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モ
ル%の円筒状プラスチックボトルを、また比較例3、4
では25モル%の同形状のボトルを使用した。
【0018】図3はガス遮断層であるシリコン酸化膜を
被覆する真空蒸着装置である。直径60cmのステンレ
スチャンバー1内に2系統のガス導入口6と、蒸発金属
加熱用のタングステンボード17と直径5mm、1.5
mのステンレス製コイル高周波電極3と日本電子株式会
社製、高周波電源5(13.56Mhz、1.5KW、
JEH−O1B)及びマッチングボックス4、アース電
極3からなる。基板はアース電極上にセットし、真空ポ
ンプは油回転ポンプと油拡散ポンプを使用し、製膜中は
常にポンプを引き続け、薄膜被覆試験を行った。
【0019】実施例1 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、3
2、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のア
ペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い
厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の
試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の
高周波電極とアース電極に設置した。真空チャンバー内
にヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10−3
torr、と酸素ガスを真空度2.0×10−3tor
rを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応さ
せ、アース電極と向い合う基板表面に約700Åのシリ
コン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過
量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロ
ール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得
られた結果を表1に示した
【0020】実施例2 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、3
2、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のア
ペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い
厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の
試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の
高周波電極とアース電極に設置した。真空チャンバー内
にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10−3
3torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応
させ、アース電極と向い合う基板表面に約100Åの有
機ケイ素化合物被膜を作製した。続いてヘキサメチルジ
シロキサンを真空度1.0×10−3torr、と酸素
ガスを真空度2.0×10−3torrを混入し、高周
波出力を200Wで10分間反応させ、基板表面に約7
00Åのシリコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材
の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モ
ダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で
測定した。得られた結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル
%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例1と同様の実験を行った。得られた結果を表
2に示した。
【0023】比較例2 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル
%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例2と同様の実験を行った。得られた結果を表
2に示した
【0024】
【表2】
【0025】実施例3 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、3
2、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のア
ペルを使用し、直径3.5cm、高さ7cmの円筒状ボ
トルを作製した。ボトルは内測に高周波電極、外側にア
ース電極になるように設置した。真空チャンバー内にヘ
キサメチルジシロキサンを真空度1.0×10−3to
rr、と酸素ガスを真空度2.0×10−3torrを
混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、ア
ース電極と向い合うボトル外表面に約700Åのシリコ
ン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過量
はPERMATRAN W3/30(モダンコントロー
ル社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得ら
れた結果を表3に示した。
【0026】実施例4 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、3
2、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のア
ペルを使用し、直径3.5cm、高さ7cmの円筒状ボ
トルを作製した。ボトルは内側に高周波電極、外側にア
ース電極になるように設置した。真空チャンバー内にヘ
キサメチルジシロキサンを真空度8.0×10−3to
rr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、
アース電極と向い合う基板外表面に約100Åのケイ素
化合物膜を作製した。続いてヘキサメチルジシロキサン
を真空度1.0×10−3torr、と酸素ガスを真空
度2.0×10−3torrを混入し、高周波出力を2
00Wで10分間反応させ、基板表面に約700Åのシ
リコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透
過量はPERMATRAN W3/30(モダンコント
ロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した得
られた結果を表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】実施例5 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、
32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製の
アペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行
い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1
の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内
の高周波電極とアース電極間に設置した。真空チャンバ
ー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10
−3torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反
応させ、基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜
を作製した。ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波
電源を停止し、大気によりチャンバー内を常圧にして基
板を取り出し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20c
m離れた対向位置に基板をセットした。油回転ポンプと
油拡散ポンプによりチャンバー内の真空度を2〜3×1
−5torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×
10−4torrにした。タングステンボードに入れた
モノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるた
め、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行い、基
板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸
着法によりSiO膜を900Å被覆した。このSiO
x膜の元素組成はSi:O=1:1.8であった。作製
した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3
/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%R
Hの条件で測定した。得られた結果を表5に示した。
【0029】実施例6 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、
32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製の
アペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行
い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1
の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内
の高周波電極とアース電極間に設置した。真空チャンバ
ー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10
−3torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反
応させ、基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜
を作製した。ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波
電源を停止し、大気によりチャンバー内を常圧にして基
板を取り出し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20c
m離れた対向位置に基板をセットした。油回転ポンプと
油拡散ポンプによりチャンバー内の真空度を2〜3×1
−5torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×
10−4torrにした。高周波電源より出力200W
をマッチングボックスを経由してチャンバー内に導入
し、酸素プラズマを発生させた。タングステンボードに
入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発さ
せるため、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行
い、基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に
真空蒸着法によりSiOx膜を850Å被覆した。この
SiOx膜の元素組成はSi:O=1:1.8であっ
た。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRA
N W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、
90%RHの条件で測定した。得られた結果を表5に示
した。
【0030】
【表5】
【0031】比較例3 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル
%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例3と同様の実験を行った。得られた結果を表
4に示した。
【0032】比較例4 プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル
%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例4と同様の実験を行った。得られた結果を表
4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】比較例5 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を25モ
ル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例5と同様の実験を行った。得られた結果を表
6に示した。
【0035】比較例6 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を25モ
ル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、実施例6と同様の実験を行った。得られた結果を表
6に示した。
【0036】
【表6】
【0037】実施例7 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を33モ
ル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300
μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具
を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極
とアース電極間に設置した。真空チャンバー内にヘキサ
メチルジシロキサンを真空度8.0×10−3torr
導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、基板
表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。
ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波電源を停止
し、大気によりチャンバー内を常圧にして基板を取り出
し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れた対
向位置に基板をセットした。油回転ポンプと油拡散ポン
プによりチャンバー内の真空度を2〜3×10−5to
rrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×10−4
orrにした。タングステンボードに入れたモノ酸化ケ
イ素と二酸化ケイ素の混合物と、別のタングステンボー
ドに入れたMgOを蒸発させるため、ボードの両端にそ
れぞれ異なる電圧をかけ蒸発速度を調整して、製膜され
る無機酸化膜のSiとMgの比がSi:Mg=70:3
0になるような条件で電気抵抗加熱を行い、基板の表面
に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によ
り無機酸化膜を1000Å被覆した。この無機酸化膜の
組成は酸化ケイ素化合物が70%、MgOが30%であ
った。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATR
AN W3/30(モダンコントロール社製)で40
℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表7
に示した。
【0038】
【表7】
【0039】比較例7 プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を33モ
ル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用
し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300
μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具
を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極
とアース電極間に設置した。真空チャンバー内にヘキサ
メチルジシロキサンを真空度8.0×10−3torr
導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、基板
表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。
ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波電源を停止
し、大気によりチャンバー内を常圧にして基板を取り出
し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れた対
向位置に基板をセットした。油回転ポンプと油拡散ポン
プによりチャンバー内の真空度を2〜3×10−5to
rrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×10−4
orrにした。タングステンボードに入れたモノ酸化ケ
イ素と二酸化ケイ素の混合物と、別のタングステンボー
ドに入れたMgOを蒸発させるため、ボードの両端にそ
れぞれ異なる電圧をかけ蒸発速度を調整して、製膜され
る無機酸化膜のSiとMgの比がSi:Mg=50:5
0になるような条件で電気抵抗加熱を行い、基板の表面
に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によ
り無機酸化膜を1000Å被覆した。この無機酸化膜の
組成は酸化ケイ素化合物が50%、MgOが50%であ
った。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATR
AN W3/30(モダンコントロール社製)で40
℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表8
に示した。
【0040】
【表8】
【0041】
【発明の効果】本発明の包装材は水蒸気透過量を0.1
g/mday以下とした優れたガス遮断効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する高周波プラズマCVD装置の
説明図である。
【図2】本発明で使用する容器外表面にシリコン酸化物
を被覆する装置の説明図である。
【図3】本発明で使用する高周波プラズマPVD装置の
説明図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 アース電極 3 高周波電極 4 マッチボックス 5 高周電源 6 ガス導入口 7 ガス入口 8 真空チャンバー試料用治具 9 円筒状容器 10 内部高周波電極 11 外部アース電極 12 絶縁体 13 ガス導入口 14 ガス排出口 15 外部高周波電極 16 内部アース電極 17 タングステンボード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−261875(JP,A) 特開 平8−142263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/00 C08J 7/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック材に無機薄膜を被覆した包
    装材において、該プラスチック材が環状オレフィンを3
    0モル%以上含有する環状オレフィン共重合体で形成さ
    れており、プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラ
    ズマCVD法により形成された薄膜であることを特徴と
    する、ガス遮断性に優れた包装材。
  2. 【請求項2】 プラスチック材を被覆した無機薄膜が、
    プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物の
    薄膜である、請求項1に記載されたガス遮断性に優れた
    包装材。
  3. 【請求項3】 プラスチック材に被覆した無機薄膜が、
    低温プラズマ法により有機シリコン化合物モノマーをプ
    ラズマとなし、このプラズマでプラスチックス材を処理
    して表面に有機シリコン化合物重合体の被膜を形成し、
    ついでこの有機シリコン化合物重合体の被膜上にシリコ
    ン酸化物膜を被覆した無機薄膜である、請求項1または
    2に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
  4. 【請求項4】 有機シリコン化合物モノマーがビニルア
    ルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アルキルト
    リアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、
    ポリメチルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロ
    キサンから選んだ1または2以上である、請求項3に記
    載されたガス遮断性に優れた包装材。
  5. 【請求項5】 シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコ
    ン化合物をプラスチックス材上で酸素ガスと反応させて
    被覆した膜である、請求項3または4に記載されたガス
    遮断性に優れた包装材。
  6. 【請求項6】 シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をP
    VD法又はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形
    成した膜である、請求項3ないし5のいずれか1項に記
    載されたガス遮断性に優れた包装材。
  7. 【請求項7】 シリコン酸化物膜がモノ酸化ケイ素と二
    酸化ケイ素の混合物を真空蒸着により被覆した膜であ
    る、請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス
    遮断性に優れた包装材。
  8. 【請求項8】 シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他
    の金属の化合物の混合物である、請求項3ないし5のい
    ずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
  9. 【請求項9】 ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が6
    0%以上であり、その組成がSiOx (x =1.5
    〜2.0)である、請求項3ないし5のいずれか1項に
    記載されたガス遮断性に優れた包装材。
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