JPH05339552A - 繊維用接着剤組成物およびこれを用いた接着方法 - Google Patents

繊維用接着剤組成物およびこれを用いた接着方法

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JPH05339552A
JPH05339552A JP4152248A JP15224892A JPH05339552A JP H05339552 A JPH05339552 A JP H05339552A JP 4152248 A JP4152248 A JP 4152248A JP 15224892 A JP15224892 A JP 15224892A JP H05339552 A JPH05339552 A JP H05339552A
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義広 有田
Kiyoshi Kawamura
清 川村
Kenta Kanaida
健太 金井田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維材料とゴムとの接着処理において高い接
着力を与え、優れた耐疲労性を付与する接着剤組成物を
提供する。 【構成】 この接着剤組成物は、2−オキサゾリン基を
含有する水溶性の重合体が水性媒体に溶解してなってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車タイヤ、ベル
ト等に用いられるゴムの補強用材料としてのポリエステ
ル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維または
スチール繊維等の繊維材料とゴムを接着させるための接
着剤組成物、および、この接着剤組成物を用いた接着方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで補強繊維とゴムとの接着性を改
良する方法に関しては、従来から多くの方法が提案され
ている。その代表例としては、ナイロンやレイヨンとゴ
ムの接着に用いられているレゾルシンとホルマリンのア
ルカリ初期縮合物とゴムラテックスの混合液、すなわち
RFL液にp−クロルフェノールとレゾルシンとホルマ
リンの反応物で収着型接着剤としてよく知られているバ
ルカボンドE(バルナックス社製商品名)を添加してな
る接着剤組成物で処理する方法が知られている。
【0003】また、特公平1−14956号公報には、
上記の成分にさらにレゾルシンと一塩化イオウ及びホル
ムアルデヒドとを酸性下にて反応させて得られる反応物
を添加する方法が、特公昭52−17553号公報に
は、RFL液にN−アルコキシメチルナイロンを添加す
る方法がそれぞれ開示されている。また、特開昭56−
2156号公報、特開昭57−51877号公報、特開
昭57−133041号公報及び特開昭58−6007
4号公報には、ゴム補強用繊維をRFL液と、ポリエポ
キシド化合物、ブロックドポリイソシアネート化合物、
水溶性ポリウレタン樹脂あるいはエチレン尿素化合物と
で処理する方法が開示されている。
【0004】さらに、特公平2−52649号公報に
は、ビニルピリジン基含有エラストマー性ラテックスを
含む組成物が、特公昭63−44775号公報には、エ
ポキシ基を含有する乳化重合物またはビニルピリジン基
を含有する乳化重合物を含む接着剤が開示されている。
また、特公平3−26690号公報には、タイヤコード
接着用のオキサゾリン基含有ラテックスが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの先行技術にお
いては、繊維材料とゴムとの接着力が完全に満足できる
ものではなく、しかも、ゴム製品の強度(ゴムと繊維の
接着力及び強力、硬さ)および耐疲労性が劣っていると
いう問題が残る。この発明は、繊維材料とゴムとの接着
処理において高い接着力を与え、優れた耐疲労性および
強度を付与する接着剤組成物および接着方法を提供する
ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、2−オキサゾリン基を含有する水溶性
の重合体が水性媒体に溶解してなる繊維用接着剤組成物
を提供する。この発明は、上記課題を解決するために、
上記この発明の繊維用接着剤組成物を用いた、下記〜
の、繊維材料とゴムとの接着方法を提供する。
【0007】 上記この発明の繊維用接着剤組成物を
繊維材料に付着させて熱処理した後、得られた熱処理物
をゴム組成物と接着させる方法。 上記この発明の繊維用接着剤組成物を繊維材料に付
着させて熱処理したものに、レゾルシンとホルムアルデ
ヒドとをアルカリの存在下において反応させて得られる
アルカリ初期縮合物とゴムラテックスとの混合液を付着
させて熱処理した後、得られた熱処理物をゴム組成物と
接着させる方法。
【0008】 レゾルシンとホルムアルデヒドとをア
ルカリの存在下において反応させて得られるアルカリ初
期縮合物とゴムラテックスとの混合液を繊維材料に付着
させて熱処理したものに、上記この発明の繊維用接着剤
組成物を付着させて熱処理した後、得られた熱処理物を
ゴム組成物と接着させる方法。 この発明の接着剤組成物には、必要に応じて、レゾルシ
ンとホルムアルデヒドとをアルカリの存在下において反
応させて得られるアルカリ初期縮合物、および/また
は、ゴムラテックスを添加することが可能である。
【0009】この発明において使用される2−オキサゾ
リン基を含有する水溶性の重合体(A)〔以下、重合体
(A)と略すことがある〕とは、付加重合性オキサゾリ
ン(a)及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体
(b)を重合してなるものである。2−オキサゾリン基
は、下記一般式(I)で表される1価の有機基である。
【0010】
【化1】
【0011】〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェ
ニルまたは置換フェニルである。〕この発明において付
加重合性オキサゾリン(a)とは、一般式(II)
【0012】
【化2】
【0013】〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェ
ニルまたは置換フェニルであり、R5 は付加重合性不飽
和結合を持つ非環状有機基である。〕によって表される
ものである。付加重合性オキサゾリン(a)の具体例と
しては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−
4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキ
サゾリンを挙げることができ、これらの群から選ばれる
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業
的にも入手し易く好適である。
【0014】付加重合性オキサゾリン(a)の使用量は
特に限定されるものではないが、重合体(A)を得る際
に使用する単量体混合物中、5重量%以上であることが
好ましい。5重量%未満の量では硬化の程度が不充分で
あり、耐久性、耐水性等が損なわれる傾向にある。この
発明において他の単量体(b)とは、2−オキサゾリン
基と反応しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重
合可能な単量体であれば特に制限はなく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸メトキシポリエチエレングリコール、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−アミノエチル及びその塩等の(メタ)アクリル酸エス
テル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル
類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル
類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲン
α,β−不飽和単量体類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和
芳香族単量体類が挙げられ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。
【0015】重合体(A)は、付加重合性オキサゾリン
(a)及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体
(b)を、従来公知の重合法によって水性媒体中で溶液
重合を行うことにより製造できる。使用できる水性媒体
は、水、または、水と混合可能な有機溶媒と水の混合物
であれば特に制限はない。前記有機溶媒は水と混合可能
なものであれば特に制限はないが、例示すれば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、ターシャリーブタノール、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を使用することができる。
【0016】水性媒体中での溶液重合は、たとえば、重
合開始剤としてアゾ系、過硫酸塩系またはパーオキサイ
ド系化合物等を用い、窒素ガスを導入しながら、20〜
150℃の温度で1〜24時間加熱攪拌することで行わ
れる。単量体混合物は、初期に一括で反応釜に仕込んで
も良いし、滴下などにより逐次導入しても良い。重合開
始剤は、初期一括仕込み、滴下その他の逐次添加等の方
法で仕込めば良い。
【0017】上記のようにして重合を行うことにより、
重合体(A)が水性媒体に溶解した状態で製造される。
重合体(A)に水溶性を付与するためには、単量体混合
物中の親水性単量体の割合が50重量%以上、好ましく
は70重量%以上である。親水性単量体とは、付加重合
性オキサゾリン(a)及び他の単量体(b)の中の、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチエレングリコー
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−アミノエチル及びその塩、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシ
エチル)(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸
ナトリウム等が挙げられる。
【0018】この発明の接着剤組成物は、重合体(A)
が上記水性媒体に対して溶解してなるものであり、特に
濃度に限定はない。この発明の接着剤組成物は、重合体
(A)のみでも充分効果が得られるが、重合体(A)
に、レゾルシンとホルムアルデヒドとをアルカリの存在
下にて反応させて得られるアルカリ初期縮合物(B)
(以下、縮合物(B)と略すことがある)及びゴムラテ
ックス(C)を併用することにより更に高い接着力が得
られる場合がある。
【0019】ここで使用されるレゾルシンとホルムアル
デヒドとをアルカリの存在下にて反応させて得られるア
ルカリ初期縮合物(B)とゴムラテックス(C)との混
合液は、レイヨンやナイロンに通常用いられているRF
L液と本質的に同一のものである。縮合物(B)は、た
とえば、レゾルシン1.0モルに対してホルムアルデヒ
ドを0.8ないし2.0モルの割合で、アルカリの存在
下pH8.0以上で反応させることによって得られるも
のである。ゴムラテックス(C)としては、天然ゴム、
あるいはスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブ
タジエン−アクリル酸共重合体、ビニルピリジン−スチ
レン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポ
リイソプレンのような合成ゴムからなるゴムラテックス
を使用することができる。
【0020】この発明において、重合体(A)に縮合物
(B)とゴムラテックス(C)を併用する場合は、重合
体(A)が1重量部に対して縮合物(B)とゴムラテッ
クス(C)(固形分換算)の合計量が50重量部以下の
割合が好ましく、より好ましくは20重量部以下の割合
である。50重量部より多いと耐疲労性が劣る傾向があ
る。また、縮合物(B)とゴムラテックス(C)の配合
割合は、縮合物(B)が1重量部に対してゴムラテック
ス(C)が0.2ないし10重量部の割合が好ましく、
より好ましくは0.5ないし8重量部が適当である。
【0021】この発明の接着剤組成物が適用される繊維
材料は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、
アラミド繊維またはスチール繊維等である。この発明の
接着剤組成物が適用されるゴムは、アクリルゴム、イソ
プレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレンゴム等である。
【0022】この発明の接着剤組成物は、一浴型処理法
及び二浴型処理法のいずれも適用できる。一浴型処理法
の場合は、重合体(A)単独、あるいは重合体(A)、
縮合物(B)及びゴムラテックス(C)を混合して有効
成分として5ないし30%の組成物となし、これをディ
ッピング、スプレー等の方法により繊維材料に付着させ
熱処理し、ゴム組成物(たとえば、ゴムに加硫剤、着色
剤、安定剤等のうちの1または2以上を配合した、加硫
前のゴム)との密着加硫を行い、各種タイヤ、ベルト等
のゴム製品とする。二浴型処理法の場合は、繊維材料を
第一浴で処理し熱処理した後、第二浴で処理し、以降は
一浴型処理法と同様にしてゴム製品とする。第一浴と第
二浴との組み合わせは種々考えられるが、例示すれば、
第一浴:重合体(A),第二浴:縮合物(B)とゴム
ラテックス(C)、第一浴:重合体(A)と縮合物
(B),第二浴:縮合物(B)とゴムラテックス
(C)、第一浴:重合体(A)とゴムラテックス
(C),第二浴:縮合物(B)とゴムラテックス
(C)、第一浴:重合体(A)と縮合物(B)とゴム
ラテックス(C),第二浴:縮合物(B)とゴムラテッ
クス(C)、第一浴:縮合物(B)とゴムラテックス
(C),第二浴:重合体(A)と縮合物(B)とゴムラ
テックス(C)等が挙げられる。これら一浴型または二
浴型処理方法の中で、一浴型処理法または二浴型処理法
のが特に好ましい。熱処理は、一浴型の処理浴
も、二浴型の第一浴も第二浴も、通常80℃ないし30
0℃で数秒ないし10分行うのが好ましい。
【0023】
【作用】この発明の接着剤組成物は、2−オキサゾリン
基を含有する水溶性の重合体(A)を含むため、ポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維ま
たはスチール繊維等の繊維材料とゴムとの接着処理にお
いて高い接着力を与え、優れた耐疲労性を付与すること
ができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下では、特にことわりのない限り、「%」は
「重量%」、「部」は「重量部」を示す。なお、実施例
においてプライ間剥離力とは繊維材料とゴムとの接着性
を示すもので、2プライの処理コードを90度の角度を
成す様にしてクロスプライ(コード密度27endo/25
cm)として自動車タイヤ用カーカス配合ゴム中に埋め込
み、160℃で20分間プレスにより加硫した後、両プ
ライを200mm/分の引張り速度で剥離させるに要する
力をkg/3cmで表したものである。
【0025】また、ゴム付着率も繊維材料に対するゴム
の接着性を示す尺度で、上記のプライ間剥離力測定の際
に、ゴムから剥離されたコードを肉眼で観察し、コード
表面の中ゴムが付着している部分を百分率(コード全体
にゴムが付着している場合が100%、全く付着してい
ない場合が0%である)で表したものである。コードの
曲げ強さは、ガーレー式で測定したもので、測定値が大
きいほど硬いことを示す。更に強力保持率は耐疲労度を
表す尺度で、グッドリッチ式疲労試験機によりコードに
回転ディスク盤間で、設定6%(変形の%)、圧縮18
%(変形の%)の繰り返し疲労を350万回与えた後、
強力がいくら残存しているかを百分率〔(疲労試験後の
強力/初期の強力)×100(%)〕で表したものであ
る。
【0026】−製造例1(重合体(A)の製造例)− 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を備えたフ
ラスコに、脱イオン水1350部、過硫酸ソーダ5部、
2−イソプロペニル−2−オキサゾリン120部及びア
クリル酸エチル30部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを
流しながら50℃に加熱した。フラスコ内の温度を50
±1℃に保ち、10時間攪拌を続けて反応を完結させた
後冷却し、不揮発分10.2%の2−オキサゾリン基含
有重合体水溶液(1)を得た。この重合体の数平均分子
量は約2万であった。
【0027】−製造例2(重合体(A)の製造例)− 製造例1と同様のフラスコに、脱イオン水1350部、
過硫酸ソーダ5部、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン150部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しなが
ら50℃に加熱した。フラスコ内の温度を50±1℃に
保ち、10時間攪拌を続けて反応を完結させた後冷却
し、不揮発分10.2%の2−オキサゾリン基含有重合
体水溶液(2)を得た。この重合体の数平均分子量は約
2万であった。
【0028】上記製造例1,2で生成した水溶性重合体
に2−オキサゾリン基が存在していることは赤外吸収ス
ペクトル測定で確認した。この測定には、日本バイオ・
ラッド・ラボラトリーズ株式会社製のフーリエ変換赤外
分光光度計(FT−IR)FTS−45を使用し、重合
体溶液をIR用硫化亜鉛窓に塗布し、室温で真空乾燥し
たものをサンプルとして使用した。2−オキサゾリン基
中の炭素−窒素二重結合の吸収は波数1655〜165
7カイザー(cm-1)に強くあらわれるので、その波数域
での吸収を調べた。
【0029】−製造例3(比較用の重合体の製造例)− 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロー
トを備えたフラスコに、脱イオン水782.4部及びハ
イテノールN−08(第一工業製薬株式会社製のポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム
塩)15%水溶液128部を仕込み、適量の28%アン
モニア水でpH9.0に調整し、ゆるやかに窒素ガスを
流しながら70℃に加熱した。そこへ過硫酸カリウムの
5%水溶液64部を注入し、続いて予め調整しておいた
アクリル酸ブチル288部、スチレン288部及び2−
イソプロペニル−2−オキサゾリン64部からなる単量
体混合物を3時間にわたって滴下した。反応中は窒素ガ
スを吹き込み続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保
った。滴下終了後も2時間同じ温度に保った後、内温を
80℃に昇温させて1時間攪拌を続けて反応を完結させ
た。その後冷却し、不揮発分39.8%、pH8.0の
2−オキサゾリン基含有重合体水性分散液(3)を得
た。
【0030】−製造例4(縮合物(B)とゴムラテック
ス(C)の混合液の製造例)− レゾルシン22部、37%ホルマリン31部、28%ア
ンモニア水31部及び水500部を25℃で3時間攪拌
しつつ反応させ、これにニッポール2518FS(日本
ゼオン株式会社製、ビニルピリジン−スチレン−ブタジ
エン共重合体の40%水乳化物)418部を混合し、2
8℃で48時間ゆっくりと攪拌し、縮合物(B)とゴム
ラテックス(C)の混合液を得た。
【0031】−実施例1〜6及び比較例1〜5− 表1に示した配合に従って処理浴を調製した。実施例1
〜2は、一浴型処理法で処理剤が重合体(A)単独の場
合、実施例3〜4は、一浴型処理法で処理剤が重合体
(A)、縮合物(B)及びゴムラテックス(C)の混合
物の場合、実施例5〜6は、二浴型処理法で、第一浴が
重合体(A)、第二浴が縮合物(B)とゴムラテックス
(C)の混合物の場合である。それぞれに対応する比較
例として、比較例1は未処理の場合、比較例2は、比較
用の2−オキサゾリン基含有重合体水性分散液単独で処
理する場合、比較例3は、縮合物(B)及びゴムラテッ
クス(C)の混合物で処理する場合、比較例4は、一浴
型処理法で処理剤が比較用の2−オキサゾリン基含有水
性分散液、縮合物(B)及びゴムラテックス(C)の混
合物の場合、比較例5は、二浴型処理法で、第一浴が比
較用の2−オキサゾリン基含有水性分散液、第二浴が縮
合物(B)とゴムラテックス(C)の混合物の場合であ
る。
【0032】1500デニール/2プライ、上撚40回
/10cm、下撚40回/10cmのポリエチレンテレフタ
レート繊維から成るコードを処理浴中に浸漬した後、1
20℃で2分間乾燥し、さらに250℃で1分間熱処理
を行った。二浴型処理法の場合は第二浴についても同様
の処理を行った。得られた処理コードについてプライ間
剥離力、ゴム付着率、コード強力、コード曲げ強さ及び
疲労後の強力保持率を測定した。その結果を表1に示し
た。
【0033】
【表1】
【0034】表1にみるように、この発明の接着剤組成
物は繊維とゴムとの接着力に優れ、ゴムに優れた強度及
び耐疲労性を与えることができる。
【0035】
【発明の効果】この発明の接着剤組成物は、ポリエステ
ル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維または
スチール繊維等の繊維材料とゴムとの接着処理において
高い接着力を与え、優れた耐疲労性を付与することがで
きる。従って、自動車タイヤ、ベルト等に用いられるゴ
ムの補強用繊維材料用の接着剤として有用である。
【0036】この発明の接着方法によれば、繊維材料と
ゴムとの接着処理において、上記この発明の接着剤組成
物の性能が充分に発揮される。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】付加重合性オキサゾリン(a)の使用量は
特に限定されるものではないが、重合体(A)を得る際
に使用する単量体混合物中、5重量%以上であることが
好ましい。5重量%未満の量では硬化の程度が不充分で
あり、耐久性、耐水性等が損なわれる傾向にある。この
発明において他の単量体(b)とは、2−オキサゾリン
基と反応しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重
合可能な単量体であれば特に制限はなく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−
アミノエチル及びその塩等の(メタ)アクリル酸エステ
ル類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリ
ル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩類;(メ
タ)アクリロニトリル酸の不飽和ニトリル類;(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルア
ミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、
プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和
単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、スチレンス
ルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族単量体類
等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を
使用することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】上記のようにして重合を行うことにより、
重合体(A)が水性媒体に溶解した状態で製造される。
重合体(A)に水溶性を付与するためには、単量体混合
物中の親水性単量体の割合が50重量%以上、好ましく
は70重量%以上である。親水性単量体とは、付加重合
性オキサゾリン(a)及び他の単量体(b)の中の、
(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−アミノエチル及びその塩、(メタ)アクリ
ル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、スチレンス
ルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/643 // B29K 21:00 B29L 29:00 4F 30:00 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−オキサゾリン基を含有する水溶性の
    重合体が水性媒体に溶解してなる繊維用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 レゾルシンとホルムアルデヒドとをアル
    カリの存在下において反応させて得られるアルカリ初期
    縮合物、および/または、ゴムラテックスが添加されて
    いる請求項1記載の繊維用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の繊維用接着剤組
    成物を繊維材料に付着させて熱処理した後、得られた熱
    処理物をゴム組成物と接着させる、繊維材料とゴムとの
    接着方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の繊維用接着剤組
    成物を繊維材料に付着させて熱処理したものに、レゾル
    シンとホルムアルデヒドとをアルカリの存在下において
    反応させて得られるアルカリ初期縮合物とゴムラテック
    スとの混合液を付着させて熱処理した後、得られた熱処
    理物をゴム組成物と接着させる、繊維材料とゴムとの接
    着方法。
  5. 【請求項5】 レゾルシンとホルムアルデヒドとをアル
    カリの存在下において反応させて得られるアルカリ初期
    縮合物とゴムラテックスとの混合液を繊維材料に付着さ
    せて熱処理したものに、請求項1または2記載の繊維用
    接着剤組成物を付着させて熱処理した後、得られた熱処
    理物をゴム組成物と接着させる、繊維材料とゴムとの接
    着方法。
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