JPH05339465A - Hcfc耐性熱可塑性樹脂組成物の製法 - Google Patents

Hcfc耐性熱可塑性樹脂組成物の製法

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JPH05339465A
JPH05339465A JP5008269A JP826993A JPH05339465A JP H05339465 A JPH05339465 A JP H05339465A JP 5008269 A JP5008269 A JP 5008269A JP 826993 A JP826993 A JP 826993A JP H05339465 A JPH05339465 A JP H05339465A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はHCFC耐性に優れる熱可塑性樹脂
組成物の製法を提供するものである。 【構成】 ゴムラテックス10〜50重量部および重合
防止剤0.001〜2.0重量部の存在下に50〜80重
量%のシアン化ビニル、20〜50重量%の芳香族ビニ
ル化合物と5重量%以下の不飽和カルボン酸、そのエス
テル類または酢酸ビニルの単量体混合物50〜90重量
部をグラフト重合させて製造したグラフト重合体(A)
と、50〜80重量%のシアン化ビニル、20〜50重
量%の芳香族ビニル化合物と5重量%以下の不飽和カル
ボン酸またはそのエステル類の単量体混合物を重合防止
剤2.0重量部以下を添加しながら重合させて製造した
共重合体(B)またはシアン化ビニル25〜40重量%
および芳香族ビニル化合物60〜75重量%からなる共
重合体(C)を混合して熱可塑性樹脂組成物中ゴムの含
量が10〜30重量%となるようにすることを特徴とす
る、HCFC耐性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、HCFC耐性(hydroc
hlorofluorocarbonresistance)および熱成型性に優
れ、色相変化のない熱可塑性樹脂組成物の製法に関す
る。さらに詳細にはグラフト重合途中重合防止剤を用い
て製造したグラフト重合体とSAN(styrene-acryloni
trile)共重合体とを混合して前記熱可塑性樹脂組成物
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に冷蔵庫の内箱と冷蔵庫の外部の鉄板との間に断熱材と
してウレタン発泡層を用いている。しかしながら、ウレ
タン系発泡剤の製造の時、発泡剤としてCFC(chl
orofluorocarbon)を用いてきたが、C
FCがオゾン層を破壊することが明らかになり、規制の
対象となって用いることが困難になった。したがって、
かかるCFCの代わりにオゾン層分解性の少ないHCF
C(hydrochlorofluorocarbon)を用いている。しかし
ながら、発泡剤としてHCFCを用いる場合、一般に、
冷蔵庫の内箱に用いられるABS(acrylonitrile-buta
diene-styrene)樹脂に亀裂(crack)および浸蝕現象が
発生するために冷蔵庫内箱として用いることができな
い。したがって、かかる用途として用いる場合、HCF
C耐性に優れた樹脂を用いなければならず、ABS樹脂
をHCFC耐性に優れた他の樹脂に取り替えようと努力
している。これと関連して、一般に、樹脂中のニトリル
の含量が高ければ高いほど化学物質に対する耐性が増大
するというのはよく知られている(米国特許第3426
102号参照)。しかしながら、樹脂中のニトリルの含
量が高ければ高いほど衝撃強度と流動性とが劣り、加工
の時、黄色に変色する傾向がある。かかる変色の問題点
を解決し、HCFC耐性に優れた樹脂を開発しようと鋭
意研究した結果、本発明を完成した。したがって、本発
明の目的は、シアン化ビニル、芳香族ビニル化合物およ
び不飽和カルボン酸をゴムラテックスおよび重合防止剤
の存在下にグラフト重合させて製造したグラフト重合体
とSAN共重合体とを、組成物中のゴム含量が10〜3
0重量%となるように混合して、加工の時変色せず、H
CFC耐性および熱成型性に優れ、衝撃強さおよび流動
性の高い樹脂を製造する方法を提供するものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様にお
いて、(1)小粒径ゴム粒子20重量%以下と大粒径ゴ
ム粒子80〜100重量%とを含んでいるゴムラテック
ス10〜50重量部および水溶性重合防止剤0.001
〜2.0重量部の存在下に50〜80重量%のシアン化
ビニル、20〜50重量%の芳香族ビニル化合物と5重
量%以下の不飽和カルボン酸、そのエステル類または酢
酸ビニルの単量体混合物50〜90重量部をグラフト重
合させてグラフト重合体(A)を製造し; (2)シアン化ビニル50〜80重量%、芳香族ビニル
化合物20〜50重量%および不飽和カルボン酸または
そのエステル類5重量%以下の単量体混合物を重合防止
剤2.0重量部以下を添加しながら重合させてSAN共
重合体(B)を製造し; (3)前記グラフト重合体(A)と前記共重合体(B)
とを組成物中ゴム含量が10〜30重量%となるように
混合することを特徴とするYI(yellowness index)値
が低く、HCFC耐性に優れた熱可塑性樹脂の製法が提
供される。本発明のさらに一つの態様は、シアン化ビニ
ル25〜40重量%および芳香族ビニル化合物60〜7
5重量%からなる塊状重合によって製造したSAN共重
合体(C)と前記グラフト重合体(A)とを混合してゴ
ム含量が10〜30重量%となるようにして、YI値が
大きく改善された熱可塑性樹脂を製造するものである。
【0004】本発明の方法において肝要なものはグラフ
ト重合体(A)を小粒径ゴム粒子20重量%以下と大粒
径ゴム粒子80〜100重量%とからなるゴムラテック
スの存在下で重合防止剤を添加しながら製造するもので
ある。本発明によって製造された熱可塑性樹脂組成物は
HCFC141bおよびHCFC141bとHCFC1
23との混合物に耐えることができる。しかしながら、
前記SAN共重合体(C)を用いる場合、HCFC14
1bにはよく耐えるが、HCFC141bとHCFC1
23との混合物中、HCFC123の含量が40重量%
を越える場合には耐性が劣ることが明らかになった。本
発明では耐衝撃性に優れるグラフト重合体(A)を得る
ためにゲルの含量が70〜90%であり、膨潤指数が2
5〜40である0.07μ〜0.15μの小粒径ゴム粒子
を製造して用いた。本発明で定義された膨潤指数とゲル
の含量は次の通りである。
【数1】
【数2】
【0005】また、本発明に用いられる小粒径ゴム粒子
の例としては、ポリブタジエンゴム、ブタジエンを50
%重量以上含んでいるブタジエンと、これと共重合でき
る単量体との共重合体を挙げることができ、ブタジエン
と共重合できる単量体の具体的な例としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビ
ニルの化合物と、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル化合物等を挙げることができる。
このような小粒径ゴム粒子を用いて凝集させて大粒径ゴ
ム粒子を製造しているが、凝集法としては酸、例えば、
硫酸、酢酸、メタクリル酸およびアクリル酸等による凝
集法を用いて粒径が0.25μ〜0.35μである大粒径
ゴム粒子を製造する。
【0006】グラフト重合に用いられる芳香族ビニル化
合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等が挙げられ、シアン化ビニルとしては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等を用いることがで
きる。また、アクリル酸およびメタクリル酸等の不飽和
カルボン酸またはそのメチル、エチル、プロピル、n−
ブチル、イソブチルエステル等のエステル類を用いるこ
とができ、酢酸ビニルも用いることができる。
【0007】本発明におけるグラフト重合は通常の乳化
剤、開始剤、分子量調節剤等を用いて行う。乳化剤とし
ては、ロジン酸カリウム、ロジン酸ナトリウム等のロジ
ン酸塩またはオレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリ
ウム等の脂肪酸塩とアルキルアリールスルホン酸塩等を
用いることができる。分子量調節剤としては、t−ドデ
シルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメル
カプタン類またはテルピノレン(terpinolene)、ジペン
テン、t−テルペン等のテルペン類やクロロホルム、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等を用いることができ
る。
【0008】開始剤としては、クメンヒドロペルオキシ
ド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等の有
機過酸化物とt−ブチルペルオキシピバレイト等のピバ
レイト系を用いており、この過酸化物と還元剤からなる
酸化還元系を用いることができる。一般に、重合防止剤
は重合を行った後、これ以上重合が行わないようにする
ために用いるが、本発明では重合の途中に投入し、変色
を招くポリイミンおよびニトロン−イミン共重合体を生
成するポリアクリロニトリルの連続的な単位体の生成を
抑制するのが目的である。用いられる重合防止剤として
は、p−t−ブチルカテコ−ル、α−ニトロソ−β−ナ
フト−ル、ジ−t−アミルヒドロキノン、ジニトロベン
ゼンチオル、ジニトロフェニルベンゾチアジールスルフ
ィド、ソジウムヒドロスルフィド、テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラメチルチウラミド−スルフィ
ド、ジニトロフェニルピリジニウムクロライド、ソジウ
ムジメチルジチオカルバメート、カリウムジメチルジチ
オカルバメート等のジアルキルジチオカルバム酸の金属
塩、五酸化二窒素、フェニルヒドラジン、ヒドロキシナ
フチルアミン、p−ニトロソメチルアニリン、ビス−
(p−ヒドロキシナフチル)アミン、テトラエチレンペ
ンタアミン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)アミン等
を挙げることができる。
【0009】グラフト重合の時、各成分の添加方法とし
ては、各成分の全量を一挙に投入する方法、分割して投
入する方法、全量または一部を連続的に投入する方法等
を用いることができる。本発明では2段階または3段階
にわけて用いており、1段階では全成分を一挙投入し、
2段階では反応転換率が94%となるまで乳化剤、単量
体、分子量調節剤および水を乳濁液状態にして連続的に
投入し、また、開始剤と重合防止剤も連続的に投入して
おり、反応転換率をさらに高めるために3段階反応を行
って反応を終了させるが、3段階では単量体および開始
剤と重合防止剤を連続的に投入する。
【0010】「転換率」というのは単量体の添加量と共
重合体の生成量との百分率を示しており、次のような公
式に示すことができる:
【数3】 SAN共重合体(B)は0.02重量部以下の重合防止
剤を反応の途中に添加すること以外には通常の方法によ
って製造することができ;SAN共重合体(C)は通常
の塊状重合により製造することができる。
【0011】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、これによって本発明が制限されるものではない。実
施例と比較例において「部」および「%」は「重量部」
および「重量%」を意味する。本発明の実施例と比較例
において物性測定は次の方法により行った。 A.引張強さおよび引張伸び:ASTM D 638 B.曲げ強さおよび曲げ弾性率:ASTM D 790 C.アイゾド衝撃強さ:ASTM D 256 D.メルトインデックス(MI):ASTMD 123
8(220℃、10Kg) E.耐応力亀裂性の試験 HCFC141bおよびHCFC123とHCFC14
1bとの混合物に対する耐応力亀裂性の試験は35mm
×150mm×2mmの圧縮成型した試片を応力亀裂ジ
グ(最大変形値1.0%)に試片を固定させ、HCFC
環境の下、23℃で24時間放置した後、表面を観察
し、臨界変形値を求めた。 ○:表面変化がなく、臨界変形値が0.3%以上 △:臨界変形値が0.15%以上、0.3%未満 ×:表面不良、臨界変形値が0.15%未満 F.YI(yellowness index):ASTM D 192
5 YI値が45以下である場合、白色への色相調節が可能
である。 G.高温伸び 熱成型性の基準として、140℃で引張試験を行って高
温伸びを測定した。試片は51×15.2×1.8mmの
ダンベル(dumbell)形の試片を用いており、ノッチ径
が6.35mm、ノッチの間隔が6.35mmであった。
高温伸びが800%以上である場合、熱成型性に優れて
いると判定する。 H.HCFCに対する耐薬品性の試験:ASTM D5
43 試片をHCFCに23℃、1日浸積させ、重さの変化を
測定した。
【0012】実施例1 A.小粒径ゴム粒子および大粒径ゴム粒子の製造 1、3−ブタジエン100部、乳化剤としてオレイン酸
カリウム3.3部、開始剤として過硫酸カリウム0.3
部、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.
2部および水150部を重合反応槽に入れて反応槽内部
の温度を55℃に上げて反応を進行させた。転換率が3
0%に至るとt−ドデシルメルカプタン0.1部をさら
に添加し、反応温度を60℃に上げた。その後転換率が
85%に至るとN、N−ジエチルヒドロキシアミン0.
02部を添加して反応を中断させ、未反応単量体を回収
して平均粒径が0.09μであり、ゲルの含量が83%
であり、膨潤指数が35である小粒径ゴム粒子(i)を
得た。小粒径ゴム粒子(i)を用いて酸による凝集反応
によって平均粒径が0.25〜0.35μである大粒径ゴ
ム粒子(ii)を製造した。
【0013】 B.グラフト重合体の製造 1段階 成 分 量 ゴム粒子 (i) 2部 ゴム粒子(ii) 28部 ロジン酸カリウム 1.0部 水 130部 スチレン 8.4部 アクリロニトリル 12.6部 t−ドデシルメルカプタン 0.4部 ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 0.04部 エチレンジアミンテトラアセト酸・4ナトリウム 0.01部 硫酸第1鉄・7水化物 0.001部 テトラメチルチウラムジスルフィド 0.01部 ジイソブチルベンゼンヒドロペルオキシド 0.04部 前記の成分を反応槽に一挙に投入し、反応温度を60℃
にして1時間重合を行った。
【0014】 2段階 成 分 量 スチレン 14.8部 アクリロニトリル 29.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.9部 ロジン酸カリウム 1.5部 水 80部 ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 0.08部 エチレンジアミンテトラアセト酸・4ナトリウム 0.03部 硫酸第1鉄・7水化物 0.02部 テトラメチルチウラムジスルフィド 0.07部 ジイソブチルベンゼンヒドロペルオキシド 0.1部 前記の成分の中、単量体と分子量調節剤、乳化剤および
水を乳濁液状態として3時間に亘って連続的に投入し、
還元剤水溶液、開始剤および重合防止剤も連続的に3時
間に亘って投入して、65℃で反応させた。
【0015】 3段階 成 分 量 メチルメタクリルレ−ト 2部 ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 0.03部 エチレンジアミンテトラアセト酸・4ナトリウム 0.01部 硫酸第1鉄・7水化物 0.001部 テトラメチルチウラムジスルフィド 0.005部 ジイソブチルベンゼンヒドロペルオキシド 0.03部 続いて反応温度を65℃とし、前記の成分などを1時間
に亘って連続的に投入して重合させた後、もう1時間熟
成させて反応を終了した。この時の反応転換率は99%
であった。ここにフェノ−ル系酸化防止剤を投入した後
5%硫酸水溶液により凝固させた後水洗および乾燥して
粉末のグラフト重合体を得た。
【0016】 C.共重合体(SAN)の製造 1段階 成 分 量 アクリロニトリル 60部 スチレン 40部 t−ドデオキシルメルカプタン 2.0部 ロジン酸カリウム 2.5部 水 220部 ホルムアルデヒドサルホキシル酸ナトリウム 0.1部 エチレンジアミンテトラアセト酸・4ナトリウム 0.04部 硫酸第1鉄・7水化物 0.003部 テトラメチルチウラムジスルフィド 0.01部 ジイソブチルベンゼンヒドロペルオキシド 0.01部 単量体、開始剤および重合防止剤を除いた余分の成分を
全部反応槽に投入四、反応温度を65℃とした後単量
体、開始剤および重合防止剤を5時間に亘って投入し
た。重合反応を終了した後、生成物を5%硫酸水溶液に
より凝固させた後洗浄および乾燥して共重合体を得た。
【0017】D.樹脂組成物の製造 グラフト重合体50部とスチレン−アクリロニトリル共
重合体(SAN) 50部に安定剤0.2部、滑剤1.0
部などの添加剤を用いて圧出した後、射出成形機から射
出して試片を製造した。試片に対して物性を測定して表
1に示した。
【0018】実施例2 段階Dにおいて、実施例1において製造したグラフト重
合体70部とスチレン−アクリロニトリル共重合体30
部を用いる以外には実施例1と同一に製造し、その結果
を1に示した。
【0019】実施例3 段階Dにおいて、実施例1において製造したグラフト重
合体40部とスチレン−アクリロニトリル共重合体60
部を用いる以外には実施例1と同一に製造し、その結果
を1に示した。
【0020】実施例4 グラフト重合体の製造のための段階Bにおいて幾つかの
成分および量を下記のように変化させた以外には実施例
1と同一に実施した。 1段階 成 分 量 ゴム粒子 (i) 1.3部 ゴム粒子 (ii) 18.7部 ロジン酸カリウム 1.0部 水 130部 スチレン 9.6部 アクリロニトリル 14.4部 t−ドデシルメルカプタン 0.46部
【0021】 2段階 成 分 量 スチレン 22.4部 アクリロニトリル 33.6部 t−ドデシルメルカプタン 1.1部 このようにして製造されたグラフト重合体50部と実施
例1から製造したスチレン−アクリロニトリル共重合体
50部を混合した以外には実施例1の段階Dと同様に試
片を製造してその物性測定試験を実施し、その結果を表
1に示した。
【0022】実施例5 実施例1の段階Bから製造したグラフト重合体50部と
塊状重合により製造されたアクリロニトリル32%とス
チレン68%とからなるスチレン−アクリロニトリル共
重合体50部とを混合する以外には実施例1と同一に実
施し、その結果を表1に示した。
【0023】実施例6 グラフト重合体を70部用い、スチレン−アクリロニト
リル共重合体30部を用いる以外には実施例5と同一に
実施しており、その結果を表1に示した。
【0024】実施例7 実施例1Bの2段階において、スチレンを16.8部用
いて、1時間をさらに熟成させて反応を終了して、2段
階まで重合した以外には実施例1と同一である。このこ
の時反応転換率は94%であって、その結果を表1に示
した。
【0025】実施例8 実施例1Bの1段階におけるスチレンを10.5部、ア
クリロニトリルを10.5部用いており、2段階におけ
るスチレンを22.5部、アクリロニトリルを24.5部
用いた以外には実施例1と同様に行い、その結果を表1
に示した。
【0026】実施例9 実施例8から製造されたグラフト重合体50部と塊状重
合により製造されたアクリロニトリル32%およびスチ
レン68%とからなるスチレン−アクリロニトリル共重
合体50部を混合した実施例8と同様に実施しており、
その結果を表1に示した。
【0027】実施例10 実施例1Bの3段階反応においてメチルメタクリルレー
トの代わりに酢酸ビニルを用いる以外には実施例1と同
様に行い、その結果を表1に示した。
【0028】実施例11 1段階 成 分 量 ゴム粒子 (i) 1部 ゴム粒子 (ii) 29部 ロジン酸カリウム 1.0部 水 130部 スチレン 8.4部 メタクリロニトリル 3.8部 アクリロニトリル 8.8部 t−ドデシルメルカプタン 0.4部 ジメチルジチオカルバミン酸カリウム 0.01部 t−ブチルペルオキシピバル酸塩 0.05部 前記成分を反応槽に一挙に投入し、60℃で1時間重合
を行った。
【0029】 2段階 成 分 量 スチレン 14.8部 アクリロニトリル 20.6部 メタクリロニトリル 8.8部 t−ドデシルメルカプタン 0.9部 ロジン酸カリウム 1.5部 ジメチルジチオカルバミン酸カリウム 0.07部 t−ブチルペルオキシピバル酸塩 0.1部 前記成分を乳濁液状態として4時間に亘って連続的に投
入して、65℃で重合した。
【0030】 3段階 成 分 量 メチルメタクリルレ−ト 2部 ジメチルジチオカルバミン酸カリウム 0.005部 t−ブチルペルオキシピバル酸塩 0.1部 反応温度を65℃にし、前記成分を全部1時間に亘って
連続的に投入した後、1時間をさらに熟成させた後反応
を終了した。以後の工程は実施例1と同一に行い、その
結果を表1に示した。
【0031】実施例12 実施例1の段階Bで製造されたグラフト重合体50部と
実施例1の段階Cにおいてメチルメタクリルレートを2
部さらに添加して同様に製造したSAN共重合体50部
とを混合する以外は実施例1と同様に実施しており、そ
の結果を表1に示した。
【0032】実施例13 実施例1の段階Bで製造されたグラフト重合体50部と
実施例1の段階Cにおいてテトラメチルチウラムジスル
フィドを用いずに同様に製造したSAN共重合体50部
とを混合する以外には実施例1と同様に実施しており、
その結果を表1に示した。
【0033】比較例1 実施例1からグラフト重合体とスチレン−アクリロニト
リル共重合体の製造の時、テトラメチルチウラムジスル
フィドを用いずに重合する以外には実施例1と同様に製
造しており、その結果を表1に示した。
【0034】比較例2 実施例7の段階Bの第1段階において、スチレンを1
2.6部、アクリロニトリルを8.4部用い、第2段階に
おいてスチレンを29.4部、アクリロニトリルを16.
8部用いてグラフト重合体を製造し、このようにして製
造されたグラフト重合体50部と塊状重合により製造さ
れたアクリロニトリル25%およびスチレン75%とか
らなるスチレン−アクリロニトリル共重合体50部とを
混合する以外には実施例7と同様に行い、その結果を表
1に示した。
【0035】比較例3 実施例4で製造したグラフト重合体30部と実施例1で
製造したスチレン−アクリロニトリル重合体70部とを
混合する以外には実施例1と同様に行い、その結果を表
1に示した。
【0036】
【表1】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 ユ・ジョンス 大韓民国デジョン、ソグ、サムチョンドン (番地の表示なし) ガラム・アパートメ ント15−401

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)10〜50重量部のゴムラテック
    スおよび0.001〜2.0重量部の重合防止剤の存在下
    に50〜80重量%のシアン化ビニル、20〜50重量
    %の芳香族ビニル化合物と5重量%以下の不飽和カルボ
    ン酸、そのエステル類または酢酸ビニルの単量体混合物
    50〜90重量部をグラフト重合させてグラフト重合体
    (A)を製造し; (2)50〜80重量%のシアン化ビニル、20〜50
    重量%の芳香族ビニル化合物と5重量%以下の不飽和カ
    ルボン酸またはそのエステル類の単量体混合物を2.0
    重量部以下の重合防止剤を添加しながら重合させてSA
    N共重合体(B)を製造し; (3)前記グラフト重合体(A)と前記SAN共重合体
    (B)とを熱可塑性樹脂組成物中ゴム含量が10〜30
    重量%となるように混合することを特徴とするHCFC
    耐性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製法。
  2. 【請求項2】 10〜50重量部のゴムラテックスおよ
    び0.001〜2.0重量部の重合防止剤の存在下に50
    〜80重量%のシアン化ビニル、20〜50重量%の芳
    香族ビニル化合物と5重量%以下の不飽和カルボン酸、
    そのエステル類または酢酸ビニルの単量体混合物50〜
    90重量部をグラフト重合させて製造したグラフト重合
    体(A)とシアン化ビニル25〜40重量%および芳香
    族ビニル化合物60〜75重量%とからなる共重合体
    (C)とを、熱可塑性樹脂組成物中ゴム含量が10〜3
    0重量%となるように混合することを特徴とするHCF
    C耐性に優れる樹脂組成物の製法。
  3. 【請求項3】 前記ゴムラテックスとして、平均粒径が
    0.07〜0.15μであるゴム粒子20重量%以下と平
    均粒径が0.25〜0.35μであるゴム粒子80〜10
    0重量%を用いる、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ゴム粒子のゲル含量が70〜90重量%
    である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記重合防止剤がp−t−ブチルカテコ
    −ル、α−ニトロソ−β−ナフト−ル、ジ−t−アミル
    ヒドロキノン、ジニトロベンゼンチ−オル、ジニトロフ
    ェニルベンゾチアジ−ルスルフィド、ソジウムヒドロス
    ルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラ
    メチルチウラミド−スルフィド、ジニトロフェニルピリ
    ジニウムクロライド、ソジウムジメチルジチオカルバメ
    −ト、カリウムジメチルジチオカルバメ−ト、五酸化二
    窒素、フェニルヒドラジン、ヒドロキシナフチルアミ
    ン、p−ニトロソメチルアニリン、テトラエチレンペン
    タアミン、ビス(p−ヒドロキシナフチル)アミン、ま
    たはビス−(p−ヒドロキシフェニル)アミンである、
    請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 シアン化ビニルがアクリロニトリルまた
    はメタクリロニトリルである請求項1または2記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 芳香族ビニル化合物がスチレン、α−メ
    チルスチレンまたはビニルトルエンである請求項1また
    は2記載の方法。
  8. 【請求項8】 不飽和カルボン酸またはそのエステル類
    がアクリル酸またはメタクリル酸またはそのメチル、エ
    チル、プロピル、n−ブチルまたはi−ブチルエステル
    である請求項1または2記載の方法。
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