JPH0533692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、内燃機関の排気ガスの消音に用い
るマフラの振動音防止装置に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

内燃機関は、機関の排気孔に連結した排気管の
後端にマフラを連結する。そして、マフラは、内
部が複数の消音室になつていて、排気ガスを順次
膨脹させて消音して後端から放出するようになつ
ている。マフラには、機関から間欠的に急激に放
出される高い圧力の排気ガスが流入し、特にマフ
ラ前部の排気管から受入れた直後の排気ガスの圧
力波が高く、この圧力波で、マフラの壁面を叩
き、マフラ壁面を振動させて、振動音を放出させ
る。マフラ筒の壁面の厚さを厚くすればよいが、
重量が重くなつて実用的でない。マフラの両側壁
を補強板で溶着連結して剛性を高め、振動を防ぐ
ものが、実公昭53−14849号公報に示されたよう
に知られている。このようにすると、剛性が高く
なるだけ振動が少くできるが、補強板が溶着され
て剛性が高くなる部分は、補強板が溶着された付
近に限られ、その他の場所では、尚、振動が発生
する不都合がある。

〔考案の目的〕

この考案は、マフラの左右の側壁を常に外側に
張つた状態に保つように張力を与え、弛みをなく
して振動の発生を押えることができるマフラの振
動音防止装置を得ることを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を図面に示す実施例によつて説明
する。

マフラは、左右の側壁１を鋼板を用いてプレス
成形し、これを最中状に合せて外周で溶着して筐
状にする。そして、前端を機関の排気孔に連結す
る排気管２の後端を挿入溶着する。マフラの一方
の側壁１には、貫孔を設けて、貫孔に合せてネジ
片３を溶着する。ネジ片３には、外側からボルト
４を螺合して貫通させ、先端に押え板５をかしめ
等によつて回転自在に取付ける。押え板５は、弾
性板でできた皿状のものが望ましい。こうして、
内側に押え板５を取付けたボルト４を突出させ、
一方の側壁１に他方の側壁１を溶着する。ボルト
４は、外側からトルクレンチを用いて、所定のト
ルクで、両側板１を外側に向けて張り、この状態
を保つように、ナツト６で固定する。

〔考案の作用〕

マフラを形成する両側板１の内側には、排気管
２を通つて間欠的に排気ガスが流入し、排気ガス
はその圧力波で、側板１を振動させようとする。
しかし、ボルト４と押え板５で、両側板１は、外
側に強く張られていて弛みがなく、圧力波を受け
ても振動するゆとりがない。こうして、両側板１
の振動発生を防ぎ、振動音の発生を防止できる。
尚、両側板１の張り強さは、ボルト４の締込み加
減で、適当になるように選べる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は、マフラの一
方の側壁に固定したネジ片にボルトを貫通し、ボ
ルトの先端に押え板を回転自在に取付けて該押え
板を他方の側壁に当て、ボルトを螺入して押え板
を他方の側壁に押当て、ボルトをナツトで固定す
るようにしたので、ボルトと押え板で、両側板を
張つた状態に保つことができ、振動するゆとりを
なくして、排気ガスによる圧力波の振動音の発生
を防ぐことができる。そして、両側板を張る力
は、ボルトの締込み加減で適切に調節でき、両側
板を溶着した後で、ボルトを締付けできるので、
製作も容易にできる。特に偏平な面があるマフラ
では、両側板を全体に張ることができて、有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は要部の拡大縦断面図である。 １……側壁、３……ネジ片、４……ボルト、５
……押え板、６……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マフラの一方の側壁に固定したネジ片にボルト
   を貫通し、ボルトの先端に押え板を回転自在に取
   付けて該押え板を他方の側壁に当て、ボルトを螺
   入して押え板を他方の側壁に押当て、ボルトをナ
   ツトで固定するようにしたことを特徴とするマフ
   ラの振動音防止装置。