JPH05336313A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH05336313A
JPH05336313A JP4161965A JP16196592A JPH05336313A JP H05336313 A JPH05336313 A JP H05336313A JP 4161965 A JP4161965 A JP 4161965A JP 16196592 A JP16196592 A JP 16196592A JP H05336313 A JPH05336313 A JP H05336313A
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JP
Japan
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image data
line
scanning direction
correction coefficient
image
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JP4161965A
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English (en)
Inventor
Takashi Sakamoto
多賀司 阪本
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本画像処理装置20は、副走査方向Yと直交
する主走査方向Xへ一致し、かつ、変調度が部分的に低
下しない補正画像データを得ることができる。 【構成】 保持部材72に取り付けられたラインセンサ
74は、ライン状に画像信号を読み出されると共に、原
稿Gに対して副走査方向Yへ相対的に移動されることに
より、複数のラインの画像データを得る。画像データ
は、補正係数と共に演算処理されて補正画像データが作
成される。この補正係数は、複数の検出素子に対して点
光源を照射して、点光源から出力される画像信号の分布
から点広がり関数を求め、この点広がり関数に対して、
理想的な点光源を復元するように逆変換した逆関数を求
め、この逆関数から得られる係数である。この係数を用
いた補正画像データは、点光源を主走査方向Xへ並べ、
かつ変調度の部分的な低下のない1ラインの画像データ
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラインセンサを用いた
画像処理装置に関するもので、詳しくは、保持部材に取
り付けられるラインセンサの主走査方向への位置ズレを
電気的に補正する機能を備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像処理装置として、C
CDからなる検出素子(セル)を主走査方向へ配列した
ラインセンサと、このラインセンサを取り付ける保持部
材と、この保持部材と原稿とを相対的に副走査方向へ駆
動する駆動機構とを備え、ラインセンサの画像信号を電
気的に読み出しつつ、上記駆動機構の駆動によりライン
センサと原稿とを相対的に副走査方向へ1ラインづつ移
動することにより、原稿の全面を読み取るものがある。
【0003】この画像処理装置では、原稿の読取位置の
精度や、画像の平行度や伸直性等を向上させるために、
ラインセンサからの画像信号に基づいて主走査方向と一
致する画像データを得る必要がある。しかし、ラインセ
ンサを保持部材に主走査方向へ精度よく取り付けること
は難しく、機械的な取付精度を上げるだけでは、主走査
方向と一致する画像データを得ることは難しい。
【0004】そこで、ラインセンサから得られる画像信
号を電気的に補正する技術が知られている。例えば、ラ
インセンサから得られる複数ラインの画像データをライ
ンメモリに記憶し、複数ラインの画像データに基づい
て、主走査方向へ一致した1ラインの画像データを得る
技術である。
【0005】すなわち、図8のように、ラインセンサ3
00が保持部材302上に主走査方向Xに対して傾いて
取り付けられている場合において、この傾いて取り付け
られているラインセンサ300により主走査方向Xに一
致するように設けた基準線BLを含むサンプル板SDを
読み取る。この画像信号をラインメモリに展開すると、
図9に示すようになる。図9において、MAxはライン
メモリの主走査アドレス、SAyは各ラインL1,L
2,…L5に対応する副走査アドレスを示し、また、X
aは主走査アドレスMAxが増加する方向、Yは副走査
方向を示している。このラインメモリにおいて、基準線
BLを読み取った画像データは、斜線で示す各アドレス
に記憶される。
【0006】そして、基準線BLのデータを読み取った
ラインメモリ上の各アドレスを読取アドレスとして予め
求めて記憶しておき、原稿の読取走査の際には、読取ア
ドレスにしたがって、複数ラインのラインメモリから画
像信号を読み取り、この画像信号から1ラインの画像デ
ータを得る。このように、複数ラインのラインメモリか
ら、主走査アドレスMAxが増加する方向に同期して読
み出す副走査アドレスSAyを変更することにより、主
走査方向Xと一致した1ラインの画像データを得ること
ができる。
【0007】しかし、このような技術では、読取アドレ
スがラインメモリをまたがる部分において、画像データ
が主走査方向へ直線的に復元されず、ギザギザが発生す
るという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題を解決す
る技術として、図10に示すように、ラインメモリをま
たがる部分の画像データ(例えば、点Rにて示す)を、
隣接したラインメモリのアドレスに記憶されている画像
データから作成するものがある。すなわち、点Rの画像
データを、隣接するラインメモリの副走査アドレスL
3,L4の画像データに対して点Rとの距離a,bに相
当する逆比例の重みつけを行なって、これらの画像デー
タを加算し、見かけ上、画像データが斜めに連続的につ
ながるように工夫したものである。
【0009】この技術では、読取アドレスがQ点のよう
に、ラインメモリ上にあるときは、その画像データは、
ラインセンサ自体がもっている本来の変調度MTFの特
性を最大限発揮したデータとなる。ここで、変調度MT
Fは、画像の鮮明度を表わす指標であり、副走査方向に
配置した白線と黒線の交互のパターンに対して認識でき
る線密度に基づいた分解能特性を示す値である。しか
し、上述した2ライン間の真ん中にあるR点の画像デー
タは、実質的に変調度MTFを1/2に低下させている
という問題がある。
【0010】本発明は、上記従来の技術の問題点を解決
することを課題とし、保持部材にラインセンサが傾いて
取り付けられていても、副走査方向と直交する主走査方
向へ一致する補正画像データが作成されると共に、その
補正画像データに対する副走査方向への変調度が部分的
に低下しない優れた画像を得ることができる画像処理装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明は、保持部材に取り付けられ、かつ原
稿からの反射光または透過光に応じて画像信号を出力す
る検出素子をライン状に配列したラインセンサと、この
ラインセンサが原稿の全面にわたって画像信号を出力す
るように、原稿またはラインセンサを副走査方向へ相対
的に駆動する駆動手段と、この駆動手段を駆動すること
により、ラインセンサから得られる複数ライン分の画像
信号に基づいて、副走査方向と直交する主走査方向に一
致する補正画像データを作成する画像処理手段と、を備
え、上記画像処理手段は、ラインセンサから出力される
画像信号を、記憶アドレスを指定することにより複数の
ラインデータとして記憶する記憶手段と、この記憶手段
に記憶されたラインデータを読み出す読出手段と、記憶
手段の記憶アドレスに対応し、かつ予め設定した補正係
数を記憶した補正係数記憶手段と、上記読出手段にて読
み出された複数のラインデータ及び、上記補正係数記憶
手段に記憶された補正係数を用いて演算処理することに
より、上記補正画像データを求める演算手段と、を備
え、上記補正係数記憶手段の補正係数は、整列配置した
複数の検出素子に点光源を照射し、上記検出素子から出
力される画像信号の分布から点広がり関数を求め、この
点広がり関数に対して、理想的な点光源の光分布を復元
するような逆変換して求めた逆関数の係数であり、
【0012】
【作用】本発明の画像処理装置において、保持部材に取
り付けられたラインセンサは、ライン状に配列された各
検出素子から、原稿からの反射光または透過光を受けて
画像信号を出力すると共に、駆動手段により、原稿に対
して副走査方向へ相対的に移動されることにより、原稿
の全面を読み取る。つまり、ラインセンサからの画像信
号は、主走査方向へ1ライン走査し終えると副走査方向
へ走査し、これらを繰り返すことにより、複数のライン
データが画像処理装置の記憶手段に送られる。記憶手段
では、画像信号が記憶アドレスを指定されながら、ライ
ンデータが複数ライン分記憶される。
【0013】記憶手段に記憶された複数のラインデータ
は、読出手段により順次読み出され、演算手段に送られ
る。演算手段では、複数のラインデータと、該ラインデ
ータの記憶アドレスに対応して記憶された係数記憶手段
の補正係数とに基づいて、これらを演算処理することに
より、補正画像データを求める。すなわち、複数のライ
ンデータは、上記補正係数を用いて演算処理することに
より、保持部材にラインセンサが傾いて取り付けられて
いても、副走査方向と直交する主走査方向へ一致する補
正画像データとして復元されることになる。
【0014】上記補正係数は、以下の手順により求めら
れたものである。すなわち、整列配置した複数の検出素
子に対して点光源を照射して、点光源から出力される画
像信号の分布から点広がり関数を求める。さらに、この
点広がり関数に対して、理想的な点光源を復元するよう
に逆変換した逆関数を求める。そして、この逆関数の補
正係数をラインデータに対応するように係数記憶手段の
所定の記憶アドレスに記憶する。すなわち、まず、ライ
ンセンサが保持部材に主走査方向に対して傾いて取り付
けられることを見込んで、主走査方向の補正画像データ
が記憶される記憶手段の記憶アドレスを求めておく。そ
して、主走査方向へ対応する補正係数記憶手段の記憶ア
ドレスに、点広がり関数の分布の中心に対応した補正係
数を記憶する。
【0015】すなわち、ラインセンサの検出素子の配列
方向は、主走査方向に対して傾きが見込まれるが、この
主走査方向を予め求めておき、この主走査方向に沿っ
て、補正係数を、点広がり関数の点光源の分布の中心に
対応するものを配置する。したがって、復元される補正
画像データは、主走査方向と一致するように1ラインの
画像に作成され、該作成された画像の途中にギザギザを
生じない。しかも、補正画像データは、点光源を主走査
方向へ並べた状態のラインデータとして作成されるの
で、変調度の部分的な低下がない鮮明な画像となる。
【0016】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0017】図1は本発明の一実施例に係る画像処理装
置を示す概略構成図である。画像処理装置20は、原稿
Gを読み取る読取機構部30と、この読取機構部30か
らの画像信号Sを信号処理する信号処理回路100とを
備えている。
【0018】上記読取機構部30は、原稿テーブル40
と、駆動部50と、光学系60と、読取部70とを備え
ている。
【0019】上記駆動部50は、副走査用モータ52を
備えている。この副走査用モータ52は、その駆動軸5
4の先端に設けたギヤ56が上記原稿テーブル40の枠
体44の側部に設けたラック46に噛合して駆動力を伝
達する。
【0020】上記光学系60は、原稿テーブル40の下
方に設置した図示しない光源と、原稿テーブル40の上
方に設置したレンズ62とを備えている。上記レンズ6
2は、光源から発しかつ透明ガラス板42及び原稿Gを
透過した光を受けて、読取部70に入射するように配置
されている。
【0021】上記読取部70は、原稿テーブル40の上
方に、主走査方向Xに架設された保持部材72と、この
保持部材72の下面に設置されたラインセンサ74とを
備えている。このラインセンサ74は、光の強弱に応じ
た画像信号Sを出力するセル(検出素子)をほぼ主走査
方向Xへライン状に配置したセンサである。
【0022】上記読取機構部30において、光学系60
の光源からの光は、原稿テーブル40の透明ガラス板4
2及び原稿Gを透過して読取部70のラインセンサ74
に入力される。ラインセンサ74には、各々のセルに電
荷が蓄積され、該蓄積された電荷が主走査アドレスが増
加する方向へ順次読み出されることにより、1ラインの
画像信号Sが出力される。
【0023】そして、1ラインの画像信号Sを読み終え
た後に、駆動部50の副走査用モータ52に駆動信号D
Sを送って副走査用モータ52を駆動して、ギヤ56及
びラック46を介して原稿テーブル40を副走査方向Y
へ移動する。このときの移動量は、1ラインの読出周期
に同期して副走査方向Yへ1ライン分に設定する。その
後、次のラインの画像信号Sをラインセンサ74から読
み出す。このような走査を連続的に繰り返すことによ
り、原稿Gの全面が読み取られる。
【0024】上記信号処理回路100は、前処理回路1
10と、後処理回路130と、制御部170とを備えて
いる。まず、前処理回路110について説明すると、前
処理回路110は、画像信号Sを所定のレベルに調整す
るシェーディング補正回路、サンプルホールド回路及び
A/D変換器を備えており、制御部170からのクロッ
ク信号CSを受けて信号処理する。上記シェーディング
補正回路は、光源の配光特性が均一でないこと、レンズ
62の明るさが周辺部に近づくにつれて低下すること、
及びラインセンサ74の各セル間の感度のばらつき等を
補正するものであり、基準となる白色板(図示省略)を
照射したときに受光した基準レベル信号を記憶し、この
基準レベル信号により補正を行なう回路である。
【0025】また、後処理回路130について説明する
と、後処理回路130は、前処理回路110に接続され
たラインメモリ部140を備えている。このラインメモ
リ部140は、複数のラインメモリ回路142L1,1
42L2,…142Ln(nは自然数)を直列に接続し
て構成されている。ラインメモリ回路142L1は、後
述する制御部170から主走査アドレスを指定した転送
アドレス信号ADSを受けて、前処理回路110から出
力される画像データを記憶し、また、各々ラインメモリ
回路142L1,142L2…142L(n−1)は、
転送アドレス信号ADSを受けたときに、該信号に同期
して、次のラインメモリ回路142L2,…142Ln
の同じ主走査アドレスに画像データを順次転送する。し
たがって、ラインメモリ部140は、画像データを複数
列の画像データとして展開して記憶することになる。
【0026】ラインメモリ部140には、ラッチバッフ
ァ部144が接続されている。ラッチバッファ部144
は、ラッチバッファ回路144L1,144L2,…1
44Lnを備え、それぞれラインメモリ回路142L1
〜142Lnに接続されている。このラッチバッファ回
路144L1〜144Lnは、ラインメモリ回路142
L1〜142Lnからの画像データを一次的にそれぞれ
記憶して、制御部170から転送クロック信号TCSを
受けたときに、画像データを乗算部152に順次転送す
る。上記転送クロック信号TCSは、上記転送アドレス
信号ADSの周期の間に、ラッチバッファ回路144L
1〜144Lnのすべての画像データを転送する1/n
の周期のクロックに設定されている。
【0027】乗算部152は、ラッチバッファ回路14
4L1〜144Lnから転送される画像データを係数記
憶器160から出力される補正係数に順次乗算して、累
積加算部156に送る。
【0028】上記係数記憶器160は、画像データに乗
算するための補正係数をラインメモリ回路142L1〜
142Lnによって展開される2次元メモリ空間のアド
レスに対応して記憶しており、制御部170からの読み
出し信号RSに同期して、ラインメモリ回路142L1
〜142Lnから出力される画像データに対応した各ア
ドレスの補正係数を出力する。なお、補正係数について
は、後に詳細に説明する。
【0029】上記累積加算部156は、乗算部152の
演算値を副走査アドレスの数だけ加算することにより、
1つの副走査アドレスの複数の画像データから1副走査
アドレスの画像データを算出する。
【0030】上記制御部170は、読取機構部30、前
処理回路110及び後処理回路130に対する制御及び
画像データの演算処理を司るものであり、つまり、駆動
部50の副走査用モータ52への駆動信号DSと、前処
理回路110へのクロック信号CSと、画像データをラ
インメモリ回路142L1〜142Lnの所定のアドレ
スに記憶させる転送アドレス信号ADSと、ラッチバッ
ファ回路144L1〜144Lnに記憶された画像デー
タを転送する転送クロック信号TCSと、係数記憶器1
60に記憶されている補正係数を読み出す読み出し信号
RSとを作成すると共に、画像データに基づいて後述す
る補正係数の演算等の各種処理を行なう。
【0031】なお、制御部170には、キーボード等か
らなる操作部182が接続されており、さらに、画像デ
ータの処理手順等を表示する表示部184が接続されて
いる。
【0032】次に、画像処理装置20による一連の画像
データ処理について説明する。いま、操作部182に対
する起動操作により、操作部182から制御部170に
原稿Gの読取指令信号が出力されると、駆動部50の副
走査用モータ52に対して駆動信号DSが出力されて1
ライン毎に順次画像信号Sが読み取られると共に、この
画像信号Sが信号処理回路100の前処理回路110に
よりディジタルの画像データに信号処理され、さらに、
後処理回路130により複数のラインの画像データから
1ラインの補正画像データが作成される。
【0033】後処理回路130の処理を中心に説明する
と、ラインメモリ部140のラインメモリ回路142L
1は、前処理回路110からの画像データを、制御部1
70により出力される転送アドレス信号ADSを受け
て、その先頭アドレスから順次記憶する。続いて、ライ
ンメモリ回路142L1は、制御部170からの転送ア
ドレス信号ADSを受けて、該当するアドレスの画像デ
ータを、ラッチバッファ回路144L1に転送すると共
に次のラインメモリ回路142L2の同じアドレスに書
き込む。同様に、ラインメモリ回路142L2〜142
Lnは、それぞれ転送アドレス信号ADSを受けて、該
当するアドレスの画像データを、ラッチバッファ回路1
44L2〜141Lnに順次転送する。これと同時に、
ラインメモリ回路L2〜142L(n−1)は、次のラ
インメモリ回路142L3〜142Lnの同じアドレス
に順次画像データを書き込む。
【0034】したがって、ラインメモリ部140は、同
じ主走査アドレスの画像データを順次、ラッチバッファ
回路144L1〜144Lnに転送すると共に、ライン
メモリ回路142L1〜142Lnの間で順次画像デー
タを受け渡すことにより、画像データを複数のラインの
データとして2次元のメモリ空間に展開することにな
る。
【0035】ラッチバッファ回路144L1〜144L
nは、制御部170から転送クロック信号TCSをそれ
ぞれ受け、各ゲートを順次開いて、画像データを乗算部
152へ転送する。乗算部152では、この画像データ
に、転送クロック信号TCSと同じタイミングで係数記
憶器160から出力される補正係数を乗算して、その演
算結果を累積加算部156へ送る。このとき係数記憶器
160から読み出される補正係数は、ラインメモリ回路
142L1〜142Lnのアドレスに対応している。
【0036】累積加算部156では、主走査アドレス毎
の画像データをラインの数だけ累積加算して演算結果を
出力する。この演算結果は、主走査方向Xに沿った1点
の画像データを示す。よって、主走査アドレスの全域に
わたってデータ処理することにより、副走査方向Yと直
交する主走査方向Xの補正画像データを得ることができ
る。
【0037】次に、上述した画像データから補正画像デ
ータを得るために用いられる補正係数を求める原理、及
びその演算処理について説明する。
【0038】図2は、保持部材72に角度θだけ傾いて
取り付けられたラインセンサ74に対して、サンプル板
SDを相対的に副走査方向Yへ移動してサンプル板SD
を読み取る状態を示す。ここで、上記サンプル板SD
は、透明の背景WBに黒色の基準線BLを主走査方向X
へ描き、かつその濃淡データ及び基準線BLの幅が判別
しているものである。
【0039】この読取走査により、ラインメモリ部14
0には、図3に示すように、複数ラインの画像データを
配列した2次元画像空間が作成される。図3において、
MAxはラインメモリの主走査アドレスを表わし、SA
yはラインメモリのライン番号に当たる副走査アドレス
を表わす。この2次元画像空間において展開される基準
線BLは、斜線で示す傾斜したライン状領域に配列さ
れ、かつ、副走査アドレスSAyによって濃度差を有し
た画像データとなる。なお、このライン状の配置の傾き
は、ラインセンサ74の傾斜角度θに対応している。
【0040】ここで、主走査アドレスMAxの1点にお
ける画像データ量は、例えば、図5に表される。つま
り、図5(A)は主走査アドレスMAkにおける副走査
アドレスSAy(L1〜L7)の画像データ量である。
同図から分かるように、基準線BLの画像データは、ラ
インセンサ74によって読み取ると、階段状の分布を示
す。
【0041】ラインセンサ74が基準線BLの画像デー
タを1ピクセル幅の理想的な点光源の画像データとして
認識するならば、図5(B)に示すような1ピクセルだ
けの出力となる。しかし、上述のように、実際には、図
5(A)のような複数ラインにまたがって読み取られた
画像データとなる。このような読取画像のデータの分布
は、点広がり関数によって近似することができ、この点
広がり関数を逆変換することにより得られた関数を用い
て、実際に読み取った画像データから点光源を再現する
ことができる。また、この関数を用いると、図6に示す
ように、点光源がラインセンサのセルに対応する位置に
ない場合、つまり副走査アドレスL3とL4との間に位
置する場合にも、その間の副走査アドレス位置における
点光源として再現される。このことを利用して、複数ラ
インの画像データから点光源を連続した状態の画像を復
元することができる。
【0042】次に、上述した補正係数を求める演算過程
について説明する。いま、原画像をf(i) とし、読み取
った画像データをg(i) とし、点広がり関数をh(k) と
すると、これらは、次式(1)により表わされる。
【数1】 ここで、上式(1)は離散型コンボリューションであ
る。上式(1)の両辺をフーリエ変換すると、次式
(2)で表わされる。 G=H・F … (2) ここで、G,H,Fは、それぞれ関数g(i) ,h(k) ,
f(i) のフーリエ変換された関数である。
【0043】上式(2)に基づいて、逆フーリエ変換す
ることにより求められる原画像f(i) は、次式(3)で
表わされる。 f=F-1(G・1/H) … (3) この式(3)を、=c*gとおく。なお、F-1は逆フー
リエ演算子、*はコンボリューション演算子、cは1/
Hの逆フーリエ関数が存在する場合の関数である。
【0044】上式(1)にならって、補正後の画像f’
(i) を求める式は、次式(4)となる。
【数2】 ここで、補正誤差eは、xの期待値をE(x) とすると、
次式(5)で定義できる。 e=E[(f(i)−f’(i))2] … (5) 補正誤差eの誤差最小条件は、次式(6)によって求め
られる。 δe/δc(k) =0 … (6)
【0045】上式(6)に上式(4),(5)を代入
し、さらに、f(i) に原画像に対応する基準画像デー
タ、g(i) に実際に読み取られた画像データを代入して
解くと、補正係数c(k) が求められる。例えば、基準画
像データが[0],[0],[1],[0],[0]で
あり、画像データが[0.05],[0.1],[0.
7],[0.1],[0.05]であるとき、補正係数
として[0],[−0.1],[0.8],[−0.
1],[0]が求められる。
【0046】次に、上記画像処理装置20を用いて、実
際の補正係数を求める演算処理について説明する。図7
は補正係数の演算処理を示すフローチャートである。
【0047】本補正係数の演算処理では、上述した黒色
の基準線BLを描いたサンプル板SDを用いた場合につ
いて説明する。
【0048】図7において、まず、ステップS200に
て、操作部182におけるキーボードからサンプル板S
Dのデータ、つまり、基準線BLと背景WBの濃淡デー
タ及び基準線BLの幅を入力する。
【0049】続くステップS210では、サンプル板S
Dの読取走査を行なう。すなわち、原稿テーブル40上
に上記サンプル板SDを設置した状態にて、副走査用モ
ータ52を1ラインづつ駆動しつつ、ラインセンサ74
から出力される画像信号Sを信号処理回路100の前処
理回路110により処理し、さらに、後処理回路130
のラインメモリ回路142L1〜142Lnに複数のラ
インの画像データとして記憶する。この記憶動作と共
に、制御部170は、ラッチバッファ回路144L1〜
144Lnに対する転送クロック信号TCSの出力を中
止して、ラインメモリ回路142L1〜142Lnの画
像データを主走査アドレス及び副走査アドレスを付して
取り込み、その内部メモリに記憶する。
【0050】次のステップS220では、保持部材72
に対するラインセンサ74の傾きに相当する傾き関数K
(図4参照)が求められ、制御部170の内部メモリに
記憶される。この傾き関数Kは、制御部170の内部メ
モリに記憶された画像データに基づいて、その基準線B
Lがある主走査アドレスMAx及び副走査アドレスSA
yを求め、これらのアドレスから、例えば、SAy=c
MAx+d(c,dは定数)にて表わされる1次関数と
して求める。この傾き関数Kによって、主走査アドレス
MAxから、傾き関数K上の副走査アドレスSAyが求
められる。
【0051】次のステップS230では、傾き関数K上
の座標に、黒色の基準線BLの濃淡データ及び基準線B
Lの幅を設定し、他の座標に背景データWBの濃淡デー
タを設定することにより基準画像データを作成する。こ
の基準画像データは、制御部170の内部メモリに記憶
される。
【0052】ステップS240では、制御部170によ
って、予め内部メモリに記憶されている上述した式
(6)を用いて、この式(6)に主走査アドレス毎に、
上記基準画像データと、実際に読み取った画像データと
を代入して補正係数を演算する。この補正係数は、係数
記憶器160に記憶される。主走査アドレスに対応して
記憶される補正係数のうち3点について図4の下欄に示
す。
【0053】このような演算処理により得られた補正係
数を用いて、原稿Gの読取走査を行なうことにより、主
走査方向Xと一致する1ラインの補正画像データが得ら
れ、さらに、副走査アドレス毎に連続して実行すること
により、原稿Gの全体が読み取られる。
【0054】上記実施例において、補正係数を用いた補
正画像データは、保持部材72にラインセンサ74が傾
いて取り付けられていても、副走査方向Yと直交する主
走査方向Xへ一致するラインデータとして復元される。
しかも、補正画像データは、すべてのライン上において
主走査アドレスに対応した補正係数を用いて作成される
ので、従来の技術で説明したような、ラインのまたがる
部分だけの補正でないから、変調度MTFの部分的な低
下がなく、鮮明な画像となる。
【0055】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0056】(1) 上記実施例では、操作部182の
キーボード入力により、サンプル板SDの読取を指示す
ると、読取走査、補正係数の演算、補正係数のメモリへ
の書込の一連の動作が行なわれるが、各工程毎に表示部
184の画面に表示させて、オペレータからの個々の指
示で各工程を実行させてもよい。
【0057】(2) 上記実施例では、白黒等の濃淡画
像を読み取る画像処理装置について説明したが、これに
限らず、カラー画像の読取にも適用することができる。
この場合において、1つのラインメモリを用いてカラー
画像に対応するときは、ラインメモリへの入力光路に、
赤色,緑色,青色の各フィルタを順次、介挿交換して、
3回の読取走査を行なえばよい。この場合には、1つの
ラインセンサの傾きに対する補正係数を求めればよいか
ら、演算が簡単になると共に、補正係数を求めるオペレ
ーション作業が容易になる。また、各色に対応してライ
ンセンサを合計3つ用いてカラー画像に対応するとき
は、ラインメモリへの入力光路にダイクロイックプリズ
ムを配置した装置構成とし、該プリズムによって原稿か
らの光を分解して各ラインセンサに入力しつつ、1回の
読取走査を行なえばよい。この場合には、各々のライン
センサについての補正係数を予め求めておけばよい。
【0058】(3) 上記実施例では、光を透過させる
原稿を読み取る透過型装置について説明したが、これに
限らず、透過しない原稿を読み取る、いわゆる反射型装
置に適用してもよい。この場合には、原稿テーブルに光
を透過させない原稿載置台を用いると共に、光源を原稿
テーブルの上方に設置することにより構成する。
【0059】(4) 上記実施例では、ラインセンサ7
4を固定して、原稿テーブル40上の原稿Gを副走査方
向へ移動する構成について説明したが、原稿側を固定し
てラインセンサを移動する構成としてもよく、いずれに
しても、ラインセンサと原稿とを相対的に移動させる構
成であればよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像処理
装置では、ラインセンサにより読み取られた複数のライ
ンデータと、該ラインデータの記憶アドレスに対応する
係数記憶手段の補正係数とに基づいて、これらを演算処
理することにより、副走査方向と直交する主走査方向へ
の補正画像データが求められる。この補正画像データに
用いられる補正係数は、整列配置した複数の検出素子に
対して点光源を照射して、点光源から出力される画像信
号の分布から点広がり関数を求め、さらに、この点広が
り関数に対して、理想的な点光源を復元するように逆変
換した逆関数を求め、この逆関数により得られた補正係
数である。
【0061】この補正係数を用いた補正画像データは、
保持部材にラインセンサが傾いて取り付けられていて
も、副走査方向と直交する主走査方向へ一致するライン
データとして復元され、しかも、点光源を主走査方向へ
並べた状態のラインデータとして復元されるので、変調
度の部分的な低下がない鮮明な画像となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る画像処理装置を示す概
略構成図。
【図2】同実施例に係るサンプル板をラインセンサによ
り読み取る状態を説明する説明図。
【図3】ラインメモリに記憶される画像データの状態を
説明する説明図。
【図4】ラインセンサの傾斜と補正係数との関係を説明
する説明図。
【図5】ラインメモリに記憶される画像データ及び補正
画像データとラインメモリの副走査アドレスとの関係を
示すグラフ。
【図6】ラインメモリに記憶される画像データ及び補正
画像データとラインメモリの副走査アドレスとの関係を
示すグラフ。
【図7】補正係数の演算処理を説明するフローチャー
ト。
【図8】従来の技術に係るサンプル板をラインセンサに
より読み取る状態を説明する説明図。
【図9】従来の技術に係るラインメモリに記憶される画
像データの状態を説明する説明図。
【図10】従来の技術に係るラインセンサの傾斜に対す
る補正処理を説明する説明図。
【符号の説明】
20…画像処理装置 30…読取機構部 40…原稿テーブル 42…透明ガラス板 44…枠体 46…ラック 50…駆動部 52…副走査用モータ 54…駆動軸 56…ギヤ 60…光学系 62…レンズ 70…読取部 72…保持部材 74…ラインセンサ 100…信号処理回路 110…前処理回路 130…画像処理回路 140…ラインメモリ部 144…ラッチバッファ部 152…乗算部 156…累積加算部 160…係数記憶器 170…制御部 182…操作部 S…画像信号 DS…駆動信号 CS…クロック信号 ADS…転送アドレス信号 TCS…転送クロック信号 RS…読み出し信号 SD…サンプル板 BL…基準線 WB…背景 G…原稿 MAx…主走査アドレス SAy…副走査アドレス X…主走査方向 Y…副走査方向 Xa…主走査アドレスが増加する方向 WB…背景

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持部材に取り付けられかつ原稿からの
    反射光または透過光に応じて画像信号を出力する検出素
    子をライン状に配列したラインセンサと、 このラインセンサが原稿の全面にわたって画像信号を出
    力するように、原稿またはラインセンサを副走査方向へ
    相対的に駆動する駆動手段と、 この駆動手段を駆動することにより、ラインセンサから
    得られる複数ライン分の画像信号に基づいて、副走査方
    向と直交する主走査方向に一致する補正画像データを作
    成する画像処理手段と、 を備え、 上記画像処理手段は、 ラインセンサから出力される画像信号を、記憶アドレス
    を指定することにより複数のラインデータとして記憶す
    る記憶手段と、 この記憶手段に記憶されたラインデータを読み出す読出
    手段と、 記憶手段の記憶アドレスに対応し、かつ予め設定した補
    正係数を記憶した補正係数記憶手段と、 上記読出手段にて読み出された複数のラインデータ及
    び、上記補正係数記憶手段に記憶された補正係数を用い
    て演算処理することにより、上記補正画像データを求め
    る演算手段と、 を備え、 上記補正係数記憶手段の補正係数は、 整列配置した複数の検出素子に点光源を照射し、上記検
    出素子から出力される画像信号の分布から点広がり関数
    を求め、この点広がり関数に対して、理想的な点光源の
    光分布を復元するような逆変換して求めた逆関数の係数
    であり、 この補正係数のうち、点広がり関数の上記分布の中心に
    対応した補正係数を、 予め求めた主走査方向に対応する記憶アドレスに記憶さ
    れていることを特徴とする画像処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7907177B2 (en) 2006-11-16 2011-03-15 Eastman Kodak Company Method for eliminating error in camera having angular velocity detection system

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