JPH118734A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JPH118734A
JPH118734A JP9158840A JP15884097A JPH118734A JP H118734 A JPH118734 A JP H118734A JP 9158840 A JP9158840 A JP 9158840A JP 15884097 A JP15884097 A JP 15884097A JP H118734 A JPH118734 A JP H118734A
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JP
Japan
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scanning direction
chromatic aberration
data
pixel
main scanning
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JP9158840A
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English (en)
Inventor
Koichi Noguchi
浩一 野口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主走査方向の色収差に起因する画素の位置誤
差を補正するために、画像間の主走査方向の相対的な色
収差を測定することができる画像読取装置を提供する 【解決手段】 分光感度の異なる複数ラインのセンサで
構成されたCCD7によって原稿を線順次に走査して画
像を読み取る画像読取装置において、同一の傾斜角で平
行に設けられた複数の斜線の繰り返しパターンを前記複
数ラインのCCD7のそれぞれのラインが読み取って得
られる画像データからそれぞれの画素の位置誤差の副走
査方向のデータ列を原点検出/位置誤差測定部23によ
って求め、さらに、求められたデータ列から制御部20
のマイクロプロセッサによって前記データ列のそれぞれ
の平均の傾きを求め、求められた平均の傾きから各ライ
ン間の相対的な色収差を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複数のラインで構成された光
電変換素子によってカラー画像を読み取る画像読取装置
に係り、特に、読み取った主走査方向の色収差の補正に
特徴のある画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばR、G、Bの複数のイメ
ージセンサが副走査方向に離間し、且つ平行に配列され
たライン走査型画像読取装置では、各センサにより読み
取られる原稿の同一位置の画像データには時間的なずれ
があり、したがって、原稿の同一位置の画像データが各
センサから得られるように補正を行わないとカラー画像
の読み取りにおいては色ずれが発生し、色を正しく読み
取ることができない。このずれは各センサの間隔と読み
取り走査速度に応じて決定され、また、走査速度にむら
があると色ずれの原因となる。
【0003】上記不具合を避けるために、例えば特開平
6−22159号公報には読み取りキャリッジを駆動す
るモータの回転に伴って発生するパルスの間隔の間、マ
イクロプロセッサが内部クロックを計数することにより
モータの駆動速度を求めて実際の走査速度とし、この走
査速度に基づいて複数のセンサ間の位置ずれを補正する
方法が提案されている。この方法では、副走査方向の下
流のセンサに対して上流のセンサのデータが合わせら
れ、センサ間の位置ずれが補正される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−22159号公報に示す従来の読み取り装置では、
副走査方向の走査速度をモータから検出しているので、
モータの回転運動を直線運動に変換する機構によりモー
タの回転むらとキャリッジの移動速度むらは必ずしも一
致するものではなく、走査速度を正確に検出することが
できず、その結果、画素の位置ずれが発生する。
【0005】また、原稿を照明する光源が搭載されて副
走査方向に移動するキャリッジは、主走査方向の幅が大
きいので、両端が同一の速度で移動しているとは限ら
ず、したがって、両端が同一の速度で移動していない場
合にはキャリッジの両端位置で画素の位置ずれが発生す
る。
【0006】また、上記従来の読み取り装置では、下流
のセンサに対して上流のセンサのデータを合わせるの
で、勿論、最下流のセンサから得られるデータに対して
補正する必要はない。ここで、補正を行わない最下流の
センサから得られるデータに着目すると、読み取り走査
速度が変動した場合には一定速度で走査して読み取る場
合に比べると原稿上の読み取り位置がずれることにな
り、結果として速度変動に伴う画像の伸び縮みが発生し
てしまう。
【0007】すなわち、上記従来の読み取り装置では、
この伸び縮みが生じるデータに対して上流のセンサのデ
ータを補正しているので、結果として色ずれは防止でき
ていることになるが、カラー画像全体としては走査速度
の変動に伴う画像の伸び縮みを防止することができず、
本来の画素との位置ずれは残ることになる。また、この
従来の読み取り装置では、複数のラインセンサの間隔が
変化しないものとして補正基準としているので、1つの
センサのみを有する読み取り装置には適用することがで
きない。
【0008】そこで、本出願人は特願平7−25648
2として原稿の副走査方向の原点位置を決定する原点位
置決定手段と、読み取り画素の副走査方向の位置誤差を
測定する位置誤差測定手段と、読み取りデータを前記原
点位置決定手段により決定された原点位置を基準として
前記位置誤差測定手段により測定された副走査方向の位
置誤差を補正する位置誤差補正手段とを備えた画像読取
装置を提案した。
【0009】この提案に係る画像読取装置では、原点位
置と副走査方向の位置誤差を検出し、読み取りデータを
原点位置を基準として副走査方向の位置誤差を補正する
ので、原稿の読み取り開始位置の近傍に設けられたマー
クを副走査方向のライン間隔より高精度で検出し、その
マークを基準位置として画素の副走査方向の位置誤差を
補正することができるようになった。
【0010】このような補正方法で補正をした場合の例
を図21に示す。この図21は、あるカラー画像の読取
装置の副走査方向の画素の位置誤差を測定した例であ
る。同図において、横軸は副走査方向の位置を画素の大
きさを単位に示し、縦軸は読取走査の速度ムラなどによ
って生じる位置誤差を速度ムラなどがなければ本来読み
取るはずの位置からのずれとして画素のサイズを単位に
ドット数で表示している。補正前(傾き補正なし)と表
示しているのは45°の斜線の繰り返しのパターンを読
み取り位置に置いたときに生じるわずかな走査方向に対
する傾きを補正する前のデータであることを示してい
る。測定は1回の走査におけるR、G、Bそれぞれにつ
いて実行し、それぞれ破線、1点鎖線、2点鎖線で示し
ている。それぞれの測定結果の平均の傾きは、tan
で、 R=0.003653 G=0.003771 B=0.003776 となり、図の右上にも示されている。この数値から、
G、Bに比べてRの傾きが特に異なっていることが分か
る。
【0011】この原因としては、同じ黒の斜線のパター
ンを読み取ったとき、正確には黒の斜線のパターンを読
み取ったデータを反転して画素の位置誤差を測定してい
るので、黒を背景とした白の線を読み取ったことにな
り、同じパターンから白の反射光として得られるR、
G、Bそれぞれの斜線の傾きが違っているようにライン
センサに投影されているからである。これは、R、G、
Bそれぞれの主走査方向における投影倍率が各色で異な
っていることを示しており、これが色収差であることが
分かる。この色収差は、Rの倍率を1としたとき、Gお
よびBの倍率の比はそれぞれ1.00023、1.00
024であり、ほぼ同一の値となる。
【0012】これだけR、G、B間の倍率が異なると、
読取装置が400DPIで、主走査方向がA4長手方向
の長さを読み取ることができるならば、約5000ドッ
トであり、光軸が中央にあれば、端部の画素は中央から
2500ドット離れ、主走査方向全域で倍率が均一であ
ると仮定すれば、RとG、Bとの画像の位置は約0.6
1ドット離れていることになる。すなわち、副走査方向
において走査速度のムラによってRGB間の位置誤差が
あるだけでなく、主走査方向についても色収差に起因す
る画素の位置誤差が存在することが分かる。
【0013】したがって、本発明の目的は、このような
主走査方向の色収差に起因する画素の位置誤差を補正す
るために、画像間の主走査方向の相対的な色収差を測定
することができる画像読取装置を提供することにある。
また、他の目的は、レンズなどの読取系に色収差があっ
ても、色収差のない読取データを得ることができる画像
読取装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の手段は、分光感度の異なる複数ラインのセン
サで構成された光電変換手段によって原稿を線順次に走
査して画像を読み取る画像読取装置において、同一の傾
斜角で平行に設けられた複数の斜線の繰り返しパターン
を前記複数ラインのセンサのそれぞれのラインが読み取
って得られる画像データからそれぞれの画素の位置誤差
の副走査方向のデータ列を得る手段と、前記データ列の
それぞれの平均の傾きを求める手段と、求められた平均
の傾きから各ライン間の相対的な色収差を求める手段と
を備えていることを特徴とする。
【0015】第2の手段は、第1の手段に、前記色収差
を求める手段によって求められた色収差に関するデータ
を記憶する手段と、この記憶する手段に記憶された色収
差に関するデータに基づいて主走査方向の画素の位置を
変換する手段とをさらに設けたことを特徴とする。
【0016】第3の手段は、第1の手段に、前記色収差
を求める手段によって求められた色収差に関するデータ
を記憶する手段と、この記憶する手段に記憶されたデー
タと読取光学系の主走査方向の光軸の位置のデータを画
像データとともに出力する手段とをさらに設けたことを
特徴とする。
【0017】第4の手段は、第1ないし第3の手段に、
色収差の測定を行なう旨の命令を受けたときのみ前記色
収差を求める手段による色収差の測定を行なう手段と、
この色収差の測定を行なう手段によって行なわれた測定
結果を記憶する不揮発性の記憶手段とをさらに設けたこ
とを特徴とする。
【0018】第5の手段は、第2の手段において、前記
主走査方向の画素の位置を変更する手段は、変倍動作時
に使用する主走査方向の画素位置の変換手段を使用して
画素位置を変更し、色収差の補正を行なうことを特徴と
する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係
る画像読取装置のブロック図、図2は図1の画像読取装
置を示す断面図、図3は図2の画像読取装置を示す平面
図、図4は図3のコンタクトガラスのコーナ部を拡大し
て示す平面図、図5は斜線パターンを示す説明図、図6
は走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取りデー
タを示す説明図、図7は斜線パターンを拡大して示す説
明図、図8は図7の斜線パターンの読み取り値を示す説
明図、図9は斜線判定用ウインドウを示す説明図、図1
0は他の斜線判定用ウインドウを示す説明図、図11は
斜線判定用マッチングパターンを示す説明図、図12は
重心測定用ウインドウを示す説明図、図13は図1の画
像読取装置の位置誤差測定処理を説明するためのフロー
チャート、図14は重心測定用ウインドウにおける読み
取り値及び重心測定方法を示す説明図、図15は斜線の
長さ及び角度を示す説明図、図16は3次関数コンボリ
ューションを利用した補正のモデル図、図17は補正の
処理手順を示すフローチャート、図18は補正した前後
の状態を示す図、図19は補正時のアドレスの変化を示
す説明図、図20は読取装置に色収差の測定を指示する
外部インターフェースを設けた他の実施形態を示すブロ
ック図である。
【0020】先ず、図2を参照して本実施例の読み取り
装置の概略を説明する。コンタクトガラス1は筐体8に
より支持され、原稿は読み取り面を下にしてコンタクト
ガラス1上に載置される。コンタクトガラス1上の原稿
は光源2により照明され、読み取り面の反射光が第1ミ
ラー3、第2ミラー4、第3ミラー5により順次反射さ
れ、次いでレンズ6により光電変換装置7上のライン状
の光電変換素子の受光面に結像されて電気信号に変換さ
れる。
【0021】光源2と第1ミラー3は不図示の第1キャ
リッジに取り付けられ、この第1キャリッジは原稿を線
順次で読み取るために原稿面との距離を一定にしたまま
不図示の駆動装置により副走査方向(図の左右方向)に
移動する。また、第2ミラー4と第3ミラー5は不図示
の第2キャリッジに取り付けられ、この第2キャリッジ
は第1キャリッジの1/2の速度で副走査方向に移動す
る。このような方法によりコンタクトガラス1上の所定
の範囲を線順次で読み取ることができる。
【0022】また、図3に示すようにコンタクトガラス
1の回りの筐体8には、シェーディング補正のために基
準濃度を光電変換素子に読み取らせるための基準濃度板
9が主走査方向に延びるように取り付けられると共に、
第1キャリッジの副走査方向の走査位置または走査速度
を検出するために図5に示すように白地上に一定幅、4
5°の角度の多数の黒の斜線Lのパターン10が副走査
方向に等ピッチで形成されている。基準濃度板9は光電
変換装置7により読み取られて、ライン状の光電変換素
子毎の感度バラツキや、照明むら、レンズ6の周辺光量
の低下等を補正するために用いられ、また、斜線パター
ン10も同様に光電変換装置7により読み取られる。
【0023】図4は図3の2点鎖線の円CLで囲んだ領
域を拡大して示し、第1キャリッジの副走査方向の走査
位置または走査速度の測定開始時の過度現象が原稿の読
み取り範囲の先端で納まるように、斜線パターン10は
第1キャリッジによる原稿の読み取り範囲の先端より前
の待機状態まで延びている。
【0024】次に、図1を参照して本実施例の読み取り
装置を詳細に説明する。光電変換装置7は例えばR、
G、Bの3ラインCCDであり、CCDの受光部に結像
された原稿画像をR、G、Bの電気信号に変換する。こ
のR、G、Bの電気信号はA/D変換器21により共に
ディジタルの多値データに変換され、次いでシェーディ
ング補正部22により基準濃度板9の基準濃度に基づい
てシェーディング補正される。そして、このデータに基
づいて原点検出/位置誤差測定部23により斜線パター
ン10が判別されて原点位置と位置誤差が測定され、次
いでこの測定結果に基づいて位置誤差補正部24により
副走査方向の画素の位置誤差が補正され、3ラインバッ
ファ25を介して出力される。
【0025】制御部20は、光電変換装置7、A/D変
換器21、シェーディング補正部22、原点検出/位置
誤差測定部23、位置誤差補正部24及びラインバッフ
ァ25のタイミング制御、動作条件の設定などを行い、
また、ビデオ制御信号を出力する。ラインバッファ25
からはこのビデオ制御信号に同期してR、G、Bのビデ
オ信号が出力される。
【0026】次に、位置誤差を測定する処理について説
明する。図6の矢印で示す主走査方向は、ラインCCD
7が線順次で同時に読み取る1ラインの画素の並びと、
この並列データを直列データに変換したときの時間軸上
の順序を示している。また、矢印で示す副走査方向は、
主走査方向の1ラインを読み取る範囲を順次移動させな
がら読み取る方向を示している。なお、移動手段として
は図2に示すように原稿を固定して走査光学系を移動さ
せる形式の他に、走査光学系を固定して原稿を移動させ
る形式がある。
【0027】図6において主走査方向と副走査方向の各
平行な線により囲まれた四角形領域を画素とすると、こ
の画素により構成される平面は、原稿の画像を電気信号
に変換した場合に原稿画像の写像がそのまま並んでいる
という形で捉えることができる。なお、これはビットマ
ップということもある。このデータはラインCCD7か
らリアルタイムで出力される時には主走査方向、副走査
方向が時間的な順序を有するが、メモリに取り込んだ状
態ではそれぞれの画素を任意にアクセスすることができ
るので、主走査方向、副走査方向、時間の順序にとらわ
らないで扱うことができる。
【0028】図6はまた、主走査方向、副走査方向の画
素サイズが等しい場合において、副走査方向の走査速度
が変動しないときの45°の斜線Lの読み取りデータa
と、走査速度が変動するときの読み取りデータbをビッ
トマップに対応させて示している。すなわち、読み取り
データaは副走査方向の読み取りタイミングを制御する
クロックに対応する所定の一定速度で走査したときを示
し、ビットマップとしても45°の斜線像である。
【0029】これに対し、読み取りデータbは走査速度
の変動に応じて傾きが異なる。副走査方向の区間A−B
は走査速度が「0」のときを示し、この場合には副走査
方向の読み取りタイミングを制御するクロックによりビ
ットマップのアドレスが進んでも読み取り位置が変わら
ないので、副走査方向に平行な線となる。また、区間B
−Cは走査速度が所定速度の1/2のときを示し、この
場合にはビットマップのアドレスが進んでもその半分し
か進まない位置の画像を読み取るのでその読み取り画像
の角度は約26.57°(tan θ=0.5)である。区
間C−Dは所定速度で走査しているときを示し、45°
の角度が得られる。D以降の区間は走査速度が所定速度
の1.5倍の場合を示し、その角度は約56.31°で
ある。
【0030】したがって、走査速度が変動すると像の傾
きが異なることを測定原理として、言い換えれば斜線の
主走査方向への移動量が副走査方向に移動速度に対応す
ることを測定原理として、副走査方向の走査速度のむら
と、ミラー3〜5、レンズ6、光電変換装置7の振動な
どに起因するビットマップ画像の画素の位置誤差を測定
することができる。
【0031】なお、図6では正方形の画素を示したが、
画素が正方形ではなく、例えば主走査方向の分解能が4
00dpi、副走査方向の分解能が600dpiのよう
な画素にも適用することができる。また、45°以外の
斜線を用いても同様に、斜線画像の主走査方向への移動
量が副走査方向の読み取り速度に依存するという関係が
成立するので、画素の位置誤差を計測することができ
る。
【0032】次に、斜線パターン判別処理について説明
する。図7は図6と同様にビットマップに斜線が有る場
合を示し、図8はその場合の8ビット(0〜255)の
読み取り値を示している。なお、0=白、255=黒で
あり、主走査方向の座標をXn、副走査方向の座標をY
mとしている。また、図9は主走査方向3画素×副走査
方向3画素の斜線パターン検知用ウインドウを示し、図
9(a)〜(e)はそれぞれ主走査方向に1画素ずつシ
フトしたウインドウを示している。
【0033】ここで、図9(a)に示すウインドウ(X
2〜X4、Y1〜3)内の中心画素を挟む対角方向、す
なわち中心画素を挟む左上斜め方向の3つの画素値の和
Paと右下斜め方向の3つの画素値の和Qaを計算する
と、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =3+1+1=5 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =3+4+8=15 となる。
【0034】同様に、図9(b)〜(e)について求め
ると、 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =1+4+2=7 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =13+8+201=222 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =4+2+3=9 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =216+201+250=667 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =2+18+13=33 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =248+250+252=750 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =18+220+216=454 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =250+252+249=751 となる。
【0035】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を挟む)の差Rを求めると、 Ra=15−5=10 Rb=222−7=215 Rc=667−9=658 Rd=750−33=717 Re=751−454=297 となる。
【0036】この差Rの値が大きい場合に3×3画素の
ウインドウ内に斜線パターンが有ることを示す。したが
って、例えばRの値が500以上の場合に斜線パターン
が有ると判断すれば図9(c),(d)に示すウインド
ウ内に斜線パターンが有ると判断することができる。
【0037】次に、図10を参照して他の斜線パターン
判別処理を説明する。図10(a)〜(e)はそれぞれ
図9(a)〜(e)に示すウインドウ内の各値を閾値=
128で2値化した場合を示し、同様に各ウインドウ内
の中心画素の左上斜め方向の3つの画素値の和Pa〜P
eと右下斜め方向の3つの画素値の和Qa〜Qeを計算
すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =0+0+0=0 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =0+0+0=0 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =0+0+0=0 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =0+0+1=1 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =0+0+0=0 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =1+1+1=3 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =0+0+0=0 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =1+1+1=3 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =0+1+1=2 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =1+1+1=3 となる。
【0038】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を挟む)の差Ra〜Reを求めると、 Ra=0−0=0 Rb=1−0=1 Rc=3−0=3 Rd=3−0=3 Re=3−2=1 となる。
【0039】したがって、この場合にも同様にこの差R
の値が大きい場合に3×3画素のウインドウ内に斜線パ
ターンが有ることを示し、例えばRa〜Reの値が2以
上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図10
(c),(d)に示すウインドウ内に斜線パターンが有
ると判断することができる。また、このように画素値を
2値化することにより、加算演算を簡単にすることがで
きる。
【0040】図11(a)〜(d)は斜線パターン検出
用のマッチングパターンを示し、図中の白領域は
「0」、黒領域は「1」を表している。先ず、画像デー
タを図10に示すように2値化し、その2値化データと
図11(a)〜(d)に示すマッチングパターンを比較
し、合致した場合に斜線パターンがあると判断する。こ
の例では、図10(c)と図11(b)、及び図10
(d)と図11(a)が合致しており、このウインドウ
内に斜線パターンがあると判断される。
【0041】なお、上記実施例では、ウインドウの大き
さを3×3としたが、もちろんウインドウサイズが異な
る場合にも同様な判断方法により斜線パターンを検知す
ることができる。但し、一般にウインドウサイズが大き
い程、判別制度は上がるが、その分処理時間が長くな
り、また回路規模も大きくなる。
【0042】次に、位置誤差の測定処理を説明する。図
12は図11に示すビットマップにける複数個の斜線
(図では3本の斜線K1 〜K3 )を示し、また、この複
数個の斜線を用いて位置誤差を測定するための10×3
のサイズのウインドウWを示している。先ず、ウインド
ウW内のデータ位置を求めるために主走査方向の重心を
演算し、以下、斜線K2に対してW1 →W2 →W3 のよ
うにウインドウWを斜め左下45°の方向に1画素ずつ
シフトする。そして、斜線K2の最後のウインドウWn
に到達すると、ウインドウWを主走査方向のみに移動さ
せて次の斜線K3のウインドウWn+1 に移動させる。
【0043】ここで、重心の主走査方向の位置は、45
°の斜線の場合、画素の位置が何らかの誤差要因により
移動することがなければ、図のようにウインドウWをシ
フトさせると主走査方向に1画素ずつ移動する筈であ
る。また、画素の移動量が1画素分でない場合には、何
らかの原因により画素の位置が変動したことになり、し
たがって、位置誤差を求めることができる。位置誤差の
主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが
分かっている場合には、位置誤差のデータから速度むら
にデータを変換することは容易である。
【0044】ここで、CCD固有のノイズを始めとして
様々なノイズが画像データに含まれているが、重心を求
めるために周辺の画素のデータを含む多数の画素のデー
タを用いているので、重心を求める過程でノイズの影響
を軽減してS/N比が高い測定が可能となる。この場
合、通常、ウインドウの画素の数が多い程、S/N比が
高くなる。ウインドウの形状は、主走査方向の重心を求
めるので主走査方向に大きいほうが望ましく、副走査方
向のサイズは1ラインでも測定可能である。
【0045】次に、重心の測定処理を説明する。図13
に示す処理は原稿の走査開始と同時にスタートし、先
ず、主走査方向、副走査方向の各座標値X、Yがイニシ
ャライズ(X=0,Y=0)される(ステップS1)。
この座標値X、Yは斜線判別用の例えば3×3のウイン
ドウ内のある画素位置例えば中心画素の座標となる。次
に、1本の斜線に対する測定回数を示す変数iがイニシ
ャライズ(i=0)される(ステップS2)。
【0046】次に原点検出/位置誤差測定部23により
斜線判別用の3×3のウインドウ内に斜線パターンが存
在するか否かが判断され(ステップS3)、無い場合に
はその3×3のウインドウを主走査方向に1画素分シフ
ト(X=X+1)する(ステップS4)。なお、このシ
フト量はウインドウの大きさ、斜線の太さに応じて決め
られ、1画素以上でもよい。ステップS3において斜線
パターンが存在する場合には、重心測定用の例えば10
×3のウインドウW1 を設定し、そのウインドウW1 内
の重心を求める(ステップS5)。このとき、ウインド
ウW1 の大きさ、斜線の太さに応じて、斜線と判別され
た画素の位置から主走査方向に整数画素分だけシフト
し、斜線の部分がウインドウW1 の中心付近になるよう
にウインドウW1 を設定してもよい。
【0047】重心の測定を終了すると、重心のズレを計
算し(ステップS6)、次いで主走査方向に−1画素
分、副走査方向に+1画素分シフトしたウインドウW2
を設定し、また、測定回数用のカウント値iを1つイン
クリメントする(ステップS7)。なお、この実施例で
は、ウインドウWを1画素ずつ移動させているが、画素
の位置誤差を起こす原因となる振動などの周波数帯域が
低い場合には、2画素以上ずつ移動させてもよく、この
方法により測定に要する時間を短縮することができる。
【0048】次いで、予め設定された同一ラインの測定
回数nに対してi=nとならない場合にはステップS8
からステップS5に戻り、他方、i=nとなった場合す
なわちウインドウWn に達した場合には次の斜線のウイ
ンドウWn+1 に移動させる(ステップS8→S9)。そ
の方法としては、斜線の主走査方向の間隔に相当する画
素分より整数画素mだけ、ウインドウ座標を主走査方向
にシフトした後、測定カウント値iをクリアし(ステッ
プS2)、斜線判別処理(ステップS3)に戻る。以下
同様に、1本の斜線に対してウインドウWn+1 、Wn+2
、Wn+3 〜のように移動させて位置誤差を測定する。
【0049】このように複数の斜線を用いて位置誤差を
測定することにより、読み取り装置の読み取り範囲が縦
長であっても、副走査領域の全域に渡って位置誤差を測
定することができる。更に、主走査方向の狭い幅だけ測
定するので、主走査方向の中央部、手前、奥側のように
分けて測定することもできる。また、高い分解能で位置
誤差を測定する場合にも、斜線のパターンを細くする必
要は全くなく、システムのMTFの制約を受けずに幅が
広いパターンを用いることができる。
【0050】更に、幅が広いパターンを用いた場合、幅
に応じてウインドウも大きくなるので結果として測定精
度を向上させることができる。したがって、斜線の幅は
処理速度、リアルタイム処理を行う場合にはバッファの
サイズ、回路規模の経済性などとのバランスを考慮して
設定すればよい。また、幅が広いパターンを用いてその
片側のエッジを検出することにより位置誤差を測定する
ことができる。更に、例えば副走査方向の読み取りタイ
ミングに関係なく白黒パターンを副走査方向に配列する
とモアレの発生が問題となるが、本実施例では副走査方
向の読み取りタイミングと斜線の関係は常に同じである
のでモアレの発生が問題とならず、その結果、高精度で
位置誤差を測定することができる。
【0051】次に、ウインドウのデータと重心の計算に
ついて詳細に説明する。図14はウインドウデータと斜
線パターンの各画素の読み取り値の関係を示し、読み取
り値は8ビットであって10進(0〜255)で示され
ている。主走査方向の重心を求めるには、副走査方向の
各列(3ライン分)の和を求め、図に示すようにこれを
左側からX0、X1〜X9とするとそれぞれ18、5
0、202、427、590、562、345、15
0、37、14が求まる。そして、各画素の主走査方向
の中心座標を左から順に0〜9とし、主走査方向の重心
位置をRmとすると、重心位置Rmの回りのモーメント
は0になるので、 X0(Rm−0)+X1(Rm−1)・・・X9(Rm
−9)=0 が成り立ち、数値を代入して計算するとRm=4.36
2が得られる。
【0052】重心を求める理由は、補間などの前処理を
必要とせず、演算を簡素化、高速化することができるか
らである。また、画像位置を求める場合、各列毎のデー
タの和の並びから補間により所定の分解能のデータ列を
得て、そのデータからピーク値が存在する位置を求める
方法を用いることができる。
【0053】次に、複数本の斜線から成るチャートの重
心を計算する場合について説明する。図12に示すよう
に複数本から成る斜線の重心を計算する場合、同一線上
の線では問題とならないが、違う線にウインドウが移動
したときには移動前と移動後では斜線の主走査方向の間
隔が丁度、整数画素数でない限り重心の値が異なるの
で、補正しなければならない。一例として図12に示す
斜線K2のウインドウWn の重心の値Rn が4.65と
なり、次の斜線K3に移動した場合のウインドウWn+1
の重心の値Rn+1 が4.38、ウインドウWn+2 の重心
の値Rn+2 が4.40、ウインドウWn+3 の重心の値R
n+3 が4.41となった場合、ウインドウが移動したラ
インにおける重心の差ΔRを計算する。すなわち、 ΔR=Rn −Rn+1 =4.65−4.38=0.27 となる。
【0054】この値ΔRを斜線K3の重心の値に加算
し、この加算結果を重心の値として位置誤差を求める。
この場合、ウインドウWn+2 の重心の値Rn+2 、ウイン
ドウWn+3 の重心の値Rn+3 は、 Rn+2 =Rn+2 +ΔR=4.40+0.27=4.67 Rn+3 =Rn+3 +ΔR=4.41+0.27=4.68 となる。したがって、このように複数本の斜線から成る
チャートを使用しても、連続して高精度で位置誤差を測
定することができる。但し、斜線K2のウインドウWn
から斜線K3のウインドウWn+1 に移動する場合、斜線
K2、K3は主走査方向に同時に存在しなければならな
い。
【0055】図15は斜線の配置関係を示し、長さL1
の複数の斜線が主走査方向に対して角度θで配置され、
主走査方向の斜線の始点と終点の位置が同一の場合、主
走査方向の斜線間隔をL2 とすると、 L2 <L1 ×cos θ ・・・(1) の関係が成り立つように斜線を配置すれば、斜線は主走
査方向には重なるので、ウインドウを主走査方向に移動
して次の斜線の重心を連続して測定することができる。
ここで、斜線の長さL1 と斜線の始点、終点の主走査方
向の位置は式(1)の大小関係が大きいほど精度を必要
としなくなる。
【0056】次に、主走査方向の斜線の画像の移動量
と、副走査方向の画素の位置誤差の関係について説明す
る。本実施例では副走査方向の画素の位置誤差を測定す
るために、斜線を読み取った画像の主走査方向への画像
位置の移動を見ている。正方形の画素であって45°の
斜線を使って測定する場合には、前述したように主走査
方向の移動量のウインドウ間における偏差がそのまま副
走査方向の位置誤差となる。しかし、正方形の画素でな
い場合、斜線の角度が45°でない場合には、換算を行
って副走査方向の位置誤差を得る必要がある。
【0057】位置誤差補正部における読み取りデータの
補正は次のようにして行われる。
【0058】すなわち、この実施形態では3次関数コン
ボリューションを利用して補正を行う。図16に3次関
数コンボリューションを利用した補正のモデル図を、図
17に補正の処理手順を示すフローチャートを示す。図
から分かるように速度ムラがない場合の副走査方向の画
素位置は、画素列Pで示すように等間隔となる。しか
し、速度ムラがある場合には、画素列Qで示すようにそ
の間隔はバラツキ、正しい位置から外れてくる。図は本
来Pn の位置になければならない画素が実際には画素Q
n の位置にあることを示している。
【0059】ここで、nライン目のある走査方向のデー
タPn の画像データ(濃度データ)を画素列Qの画像デ
ータと位置データとから重み関数である3次関数コンボ
リューションを使用して作成する例について説明する。
【0060】3次関数コンボリューションを利用する場
合、理想的なnライン目(Pn )の位置から2画素分以
内(r0 )のデータを位置誤差データから検出する(ス
テップ171,172)。この場合は、Qn 、Qn+1 、
Qn+2 、Qn+3 、Qn+4 のデータが対象となる。ここで
2画素分以内としているのは、r0 以上のデータは補正
係数を0として取り扱うのでそれ以上のデータは必要が
ないためである。そして、各データのPn からの距離r
によって各データQにおける補間関数h(r )を求め
る。これが補正係数となる(ステップ173)。ここ
で、補間関数h(r)はsinx/xの区分的3次多項
式近似で中心からの距離rによって以下の式、すなわ
ち、 h(r )=1−2|r|2 +|r|3 ・・・(2) ただし、0≦|r|<1 h(r )=4−8|r|+5|r|2 −|r|3 ・・・(3) ただし、1≦|r|<2 h(r )=0 ・・・(4) ただし、2≦|r| で表わされる。そして、この補間関数h(r )のもと
で、補正係数を対応するQのデータに掛けて、Pn を求
める。また、濃度ムラを補正するために各補正係数の合
計が1になるように分母に補正係数の合計をとる。すな
わち、 Pn ={Qn ・h(r1)+Qn+1 ・h(r2)+Qn+2 ・h(r3) +Qn+3 ・h(r4)+Qn+4 ・h(r5)}/{h(r1) +h(r2)+h(r3)+h(r4)+h(r5)} ・・・(5) となる(ステップ174)。
【0061】この制御をnライン目の各主走査方向のデ
ータにおいて終了したら、n+1ライン目へのラインを
シフトしていき、最終ラインまで繰り返し行う(ステッ
プ175)。このとき式(5)において補間係数h(r
)と分母の補間係数の和の計算とその逆数の計算は、
対応する主走査方向の画像データの補正の前に1回実行
すればよい。このように制御することによって前述のよ
うにして測定した位置誤差データに基づいて、読み取っ
た画像データから正しい位置で読み取った場合の画像デ
ータを作成することができ、これによって位置誤差を補
正することが可能になる。
【0062】このようにして補正した前後の状態を図1
8に示す。通常の読取装置はキャリッジが走査を開始し
てから一定速度になった後に画像の読み取りを開始する
が、図18(a)では位置誤差を大きく見せるためにキ
ャリッジが走査を開始した直後から画像の読み取りを始
めたものを図示している。このとき、45度の斜線も同
時に読み込んでおり、この斜線パターン部分の画像から
前述の方式で位置誤差を求め、その位置誤差データと読
み取った画像データとから位置誤差を補正した画像が図
18(b)に示すものである。このようにして補正する
ことによってたとえ位置誤差を非常に大きく読み取って
しまったとしても、原稿に忠実な画像を再現できること
がわかる。
【0063】したがって、位置誤差の平均の傾きから斜
線の画像の傾きを計算し、その結果を補正に使用すれば
計算によって色収差に起因する位置誤差を修正すること
ができると考えられる。そこで、再び図21に戻ると、
この図21は、RGB各色について画素の位置誤差を測
定した結果を示し、斜線の傾きが45°のとき位置誤差
の平均傾きは0となるので、45°の線に対してどれだ
けの角度を持っているかを示していることになる。前述
のようにRは、tan で0.003653であるか
ら、45°のチャートは約4/1000傾いて原稿台に
置かれていることになる。
【0064】そこで、45°の線に対する角度をθrad
とすると、斜線そのものの角度は(π/4) +θであ
る。tanの加法定理から、 tan(θ1+θ2)=(tanθ1+tanθ2)/(1−
tanθ1tanθ2) tanθ=θ (θ≒0) ここで、θ1=π/4であるから、 したがって、RGBそれぞれのtanは、 R: 1.007306 G: 1.007542 B: 1.007552 となる。同じ線を読み取った画像データの傾きが色によ
って異なるのは、色によって主走査方向の倍率がことな
っているためで、これが色収差を表している。倍率の違
いは、Rの倍率を1としたときのG、Bの倍率を求める
ために比をとると、 G/R=1.000234 B/R=1.000244 となる。
【0065】このような計算は、読取装置を制御する制
御部20のマイクロプロセッサで行なわれ、計算結果を
メモリにいれて保持しておき、必要に応じて読み出して
計算に使用したり、計算結果を出力したりする。
【0066】ライン間の相対的な色収差の求め方につい
ては上述したので、ここでは色収差を補正するための主
走査方向の画素の位置の変換について説明する。
【0067】R,G,Bのいずれか1つを基準として他
の2つの色のデータを補正を行う。ここでは、前述の計
算例がRを基準としてGとBを補正しているので、それ
に倣う。まず、主走査のライン上に並ぶ画素のアドレス
を光軸に対応する位置を0としていずれか片側を正とし
て、その反対側を負として整数のアドレスを割り当て
る。割り当てたアドレスの値に対して補正をしようとす
る色の倍数、Gの場合は、前述の1.000234を掛
けて新しい主走査のアドレス列を得る。このアドレスの
値は整数ではなく、小数点以下の値となる。この新しい
アドレスのデータを使って主走査のライン上の整数の位
置のデータをすべてその整数値の近傍にあるデータを使
って前述の3次関数コンボリューション法で計算して求
める。計算して得られた整数のアドレスを持つデータ列
が色収差を補正されたGの画像データである。これは色
収差によって倍率が変わってしまったデータを使って色
収差がないときに得られるはずの位置の画像データの値
を3次関数コンボリューション法で補間して求めるもの
で、色収差のない良好な画像データを得ることができ
る。Bに対しても同様の処理を実行する。
【0068】図19はこの関係を示したもので、Gのア
ドレスに対して倍率mをかけると、図19の2段目のよ
うなアドレスを持ったデータ列が得られる。このデータ
列の画像データの値を使ってアドレスが整数の位置にあ
る画像の値を求める。色収差を補正後のG’のkの位置
の画像データを求める場合、kのアドレスの近傍にある
Gの画像データの値を使って計算する。
【0069】また、R,G,B間の相対的な色収差を相
対的な倍率として測定した結果と、読取装置の構造によ
って定まる固定値である光軸の位置を主走査方向の画素
のアドレスで表現した値を画像データに付加して送出す
る。これにより画像データを受け取った側で必要に応じ
て色収差の補正を行うことができるようにする。画像デ
ータに付加して送ることにより、読取装置のホストコン
ピュータだけではなく、その画像データを通信すること
によってポータブルな記憶手段を介して受け取ったコン
ピュータでも必要に応じて色収差の補正が可能になる。
【0070】そのため、図20に示すように読取装置に
色収差の測定を指示する外部インターフェースを設け
る。すなわち、この読取装置は、前記図1の読取装置の
原点検出/位置誤差測定部23に代えて位置誤差/色収
差測定部23aとするとともに色収差の測定を指示する
外部インターフェース20aを設けたもので、制御部2
0は色収差の測定の指示をホストから受け、色収差の測
定を位置誤差/色収差測定部23aで行う。また、ホス
トから色収差のデータを要求されたときには、光軸の位
置のデータとともに色収差のデータを送信する。また、
画像信号とともに色収差のデータと光軸の位置のデータ
を送信するときには、ビデオ制御信号の一部としてホス
トに送信する。
【0071】副走査方向については画像を走査する速度
を変更し、主走査方向については等倍のまま読み取り、
変倍して得られるはずの位置のデータを等倍で読み取っ
たデータを使用して3次関数コンボリューション法で求
めることにより変倍を行う読取装置では、主走査方向の
画素の位置を変換する機能を元々備えている。そこで、
色収差の補正に、この変倍の機能を使用する。等倍で読
取を行うときには、この変倍の機能は使用されないので
色収差の補正にこの機能を使用するには特別の工夫は不
要である。しかし、変倍で読み取りを行うときには、変
倍用と色収差補正用の処理を2度に分けて行うのは処理
時間がかかるだけでなく、処理系も2系統必要となり、
コスト的にも好ましくない。そこで、この実施形態で
は、色収差補正用のアドレス変換をまず実行し、その
後、色収差の補正と変倍に必要なアドレス変換をすませ
てから3次関数コンボリューションを実行する。このよ
うにすることによって比較的演算量が多く、ハードウエ
アで処理しようとすると回路規模が大きくなる3次関数
コンボリューション演算器を色収差補正用に専用に設け
る必要がなくなる。
【0072】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、同一の傾斜角で平行に設けられた複数の斜線の繰り
返しパターンを前記複数ラインのセンサのそれぞれのラ
インが読み取って得られる画像データからそれぞれの画
素の位置誤差の副走査方向のデータ列を得る手段と、前
記データ列のそれぞれの平均の傾きを求める手段と、求
められた平均の傾きから各ライン間の相対的な色収差を
求める手段とを備えているので、斜線の繰り返しのパタ
ーンによる副走査方向の画素の位置誤算データを使用し
て、複数のカラーラインセンサで画像を読み取るときの
主走査方向のライン間の色の違いに起因する色収差を高
精度に検出することができる。
【0073】請求項2記載の発明によれば、色収差を求
める手段によって求められた色収差に関するデータを記
憶する手段と、この記憶する手段に記憶された色収差に
関するデータに基づいて主走査方向の画素の位置を変換
する手段とをさらに備え、装置それぞれで実際に読み取
ったデータを基づいて色収差を測定して補正するので、
色収差の補正をレンズ単体の平均的な色収差に基づいて
行うものや、レンズ単体で色収差を補正する設計を行
い、色収差の補正を行わない場合と比べると、レンズな
どのばらつきの影響を受けないで色収差のない画像デー
タを得ることができる。
【0074】請求項3記載の発明によれば、色収差を求
める手段によって求められた色収差に関するデータを記
憶する手段と、この記憶する手段に記憶されたデータと
読取光学系の主走査方向の光軸の位置のデータを画像デ
ータとともに出力する手段とをさらに備え、装置固有の
色収差の値と光軸の中心の位置データとを画像データと
ともに送るので、受け取った側必要に応じて色収差の補
正を行うことができる。その結果、受け取った側でソフ
トウエアによる処理を行えば、処理のための特別なハー
ドウエアを設けなくとも色収差のない画像データを低コ
ストで得ることができる。
【0075】請求項4記載の発明によれば、色収差の測
定を行なう旨の命令を受けたときのみ前記色収差を求め
る手段による色収差の測定を行なう手段と、この色収差
の測定を行なう手段によって行なわれた測定結果を記憶
する不揮発性の記憶手段とをさらに備えているので、測
定を繰り返すことによる読取装置の効率の低下を防止す
ることができるとともに、通常の使用では測定の指示を
行う必要がないので、使用時の走査を簡略化することが
できる。
【0076】請求項5記載の発明によれば、主走査方向
の画素の位置を変更する手段は、変倍動作時に使用する
主走査方向の画素位置の変換手段を使用して画素位置を
変更し、色収差の補正を行なうので、専用の処理手段を
設けることなく低コストで色収差の補正を行うことが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取装置の一実施例を示すブ
ロック図である。
【図2】図1の画像読取装置を示す断面図である。
【図3】図2の画像読取装置を示す平面図である。
【図4】図3のコンタクトガラスのコーナ部を拡大して
示す平面図である。
【図5】斜線パターンを示す説明図である。
【図6】走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取
りデータを示す説明図である。
【図7】斜線パターンを拡大して示す説明図である。
【図8】図7の斜線パターンの読み取り値を示す説明図
である。
【図9】斜線判定用ウインドウを示す説明図である。
【図10】他の斜線判定用ウインドウを示す説明図であ
る。
【図11】斜線判定用マッチングパターンを示す説明図
である。
【図12】重心測定用ウインドウを示す説明図である。
【図13】図1の画像読取装置の位置誤差測定処理を説
明するためのフローチャートである。
【図14】重心測定用ウインドウにおける読み取り値及
び重心測定方法を示す説明図である。
【図15】斜線の長さ及び角度を示す説明図である。
【図16】3次関数コンボリューションを利用した補正
のモデル図である。
【図17】補正の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図18】補正した前後の状態を示す図である。
【図19】補正時のアドレスの変化を示す説明図であ
る。
【図20】読取装置に色収差の測定を指示する外部イン
ターフェースた実施形態を示すブロック図である。
【図21】主走査方向の読取画素に発生する色収差の状
態を示す図である。
【符号の説明】
1 コンタクトガラス 2 光源 3,4,5 ミラー 6 レンズ 7 光電変換装置 8 筐体 10 斜線パターン 20 制御部 23 原点検出/位置誤差測定部 24 位置誤差補正部 L 斜線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分光感度の異なる複数ラインのセンサで
    構成された光電変換手段によって原稿を線順次に走査し
    て画像を読み取る画像読取装置において、 同一の傾斜角で平行に設けられた複数の斜線の繰り返し
    パターンを前記複数ラインのセンサのそれぞれのライン
    が読み取って得られる画像データからそれぞれの画素の
    位置誤差の副走査方向のデータ列を得る手段と、 前記データ列のそれぞれの平均の傾きを求める手段と、 求められた平均の傾きから各ライン間の相対的な色収差
    を求める手段と、を備えていることを特徴とする画像読
    取装置。
  2. 【請求項2】 前記色収差を求める手段によって求めら
    れた色収差に関するデータを記憶する手段と、 この記憶する手段に記憶された色収差に関するデータに
    基づいて主走査方向の画素の位置を変換する手段と、を
    さらに備えていることを特徴とする請求項1記載の画像
    読取装置。
  3. 【請求項3】 前記色収差を求める手段によって求めら
    れた色収差に関するデータを記憶する手段と、 この記憶する手段に記憶されたデータと読取光学系の主
    走査方向の光軸の位置のデータを画像データとともに出
    力する手段と、をさらに備えていることを特徴とする請
    求項1記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 色収差の測定を行なう旨の命令を受けた
    ときのみ前記色収差を求める手段による色収差の測定を
    行なう手段と、 この色収差の測定を行なう手段によって行なわれた測定
    結果を記憶する不揮発性の記憶手段と、をさらに備えて
    いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記主走査方向の画素の位置を変更する
    手段は、変倍動作時に使用する主走査方向の画素位置の
    変換手段を使用して画素位置を変更し、色収差の補正を
    行なうことを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
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