JP3647982B2 - 画素の位置誤差測定装置および画像読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、読取装置で読み取ったビットマップ形式の画像データの位置誤差を測定する装置および当該装置を備えた画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像読取装置として例えば日本機械学会第71期通常総会講演会講演論文集(IV)で発表された「高精細画像入力装置の開発」(従来例1)が知られている。ここでは、副走査方向に並べて配置された等ピッチラインのテストチャートを読み取った画像、すなわち、副走査方向のライン間隔で離散化された画像データに対して補間演算を行い、演算された結果から、等ピッチラインの黒線、白線の中心位置を求め、テストチャートの基準ピッチとの差を読み取ることで、装置の振動などに起因する画像データの読み取り位置誤差を検出するようになっている。
【0003】
他の従来例として特開平6−297758号公報「走査線ピッチ計測方法」(従来例2)がある。この公知例は、等ピッチパターンのデータを書き込んだハードコピーのパターンを読み取ってハードコピー装置の書き込みの走査線のピッチむらを計測するようになっている。
【0004】
光学的リニアスケールとして、例えばオーム社から出版された「サーボセンサの基礎と応用」(大島康次郎、秋山勇治共著)〔昭和63年2月20日発行〕(従来例3)が知られている。この刊行物に記載された技術を図31ないし図33を参照して説明する。
【0005】
こではリニアスケールの一例としてポジションスケールを例に挙げている。例に挙げられたリニアスケールは、図43に示すように全く等しいピッチの明暗の格子をもった2枚1組のメインスケール81とインデックススケール82とからなるガラススケール83と、そのスケール83を照明するLEDからなる光源84と、スケール83を透過した光を検知するフォトダイオード85から構成される。通常はインデックススケール82が固定され、メインスケール81が移動するが、その移動に連れてフォトダイオード85の出力が変化する。
【0006】
図44(a)に示すように2枚のガラスの透過部が一致したとき、出力は最大となり、透過部とクロム蒸着された不透明部86が重なったときには、出力は理想状態では0となる。したがって、その出力波形は理想的には図44(b)に示したような光量変化となるが、実際には明暗の格子ピッチが8μmと小さいため、光の回折の影響やクロム烝着面での反射の影響があり、図44(c)に示すような出力波形のように近似正弦波の形で出力される。この出力波形の山の間隔がスケールのピッチに相当するので、山の数を数えることにより移動量を知ることができる。これがポジションスケールの基本原理であるが、実際には図43のフォトダイオードA,B,/A,/B(なお、「/」は反転を示す。)の4個を用いて各種の処理が行われている。
【0007】
A,B,/A,/Bのおのおのに対応するインデックススケール82の格子は、0°、90°、180°、270°の位相関係になっている。これをAと/A、Bと/Bを組み合わせて差動方式で検出し、スケール82の汚れや光量変化に対して強くなるように設定し、信頼性を高めている。このようにして得られた信号をおのおの改めてA、Bとし、さらに電気的に反転された信号をそれぞれ/A、/Bとする。そして、これらの信号を用いてさらに細かい寸法まで読み取るための処理が実行されている。
【0008】
スケール83の移動方向は図45に示すようにA信号とB信号のどちらの信号の位相が進んでいるかを知ることで判定できる。スケール83のピッチよりも細かく読む手法としては、A信号だけ用いると基準レベルを下からよぎるときと上からよぎるときの両方をとらえて4μm単位で読める。さらにB信号を用いると2μmまで読める。これ以上細かく読むためには、AとBの信号を用いて45°位相差の信号、Bと/Aの信号から135°位相差の信号を作る必要がある。
【0009】
一方、一般に、例えばR、G、Bの複数のイメージセンサが副走査方向に離間し、且つ平行に配列されたライン走査型画像読取装置では、各センサにより読み取られる原稿の同一位置の画像データには時間的なずれがあり、したがって、原稿の同一位置の画像データが各センサから得られるように補正を行わないとカラー画像の読み取りにおいては色ずれが発生し、色を正しく読み取ることができない。このずれは各センサの間隔と読み取り走査速度に応じて決定され、また、走査速度にむらがあると色ずれの原因となる。
【0010】
上記不具合を避けるために、例えば特開平6−22159号公報(従来例4)には読み取りキャリッジを駆動するモータの回転に伴って発生するパルスの間隔の期間中、マイクロプロセッサが内部クロックを計数することによりモータの駆動速度を求めて実際の走査速度とし、この走査速度に基づいて複数のセンサ間の位置ずれを補正する方法が提案されている。この方法では、副走査方向の下流のセンサに対して上流のセンサのデータが合わせられ、センサ間の位置ずれが補正される。
【0011】
補正の内容は、複数のセンサ間の位置ずれの補正を目的とし、上流のセンサのデータの遅延量と、1ラインに満たない遅延に対してはその前後のデータの重み付け平均を取っている。ここで行われている補正は、最も下流のセンサに対して上流のセンサのデータを合わせるという補正で、センサ間のずれによる色ズレを防止するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例1では、等ピッチラインのパターンのエッジと読み取りのサンプリングのタイミングとの位置関係との相違により同じ形状のパターンを読み取って得られるデータがそれぞれ異なってしまうモアレという現象がある。読み取ったデータはこのモアレによって必ずしもパターンのエッジの位置と対応しないので、位置誤差の測定精度を劣化させる。モアレの影響は、等ピッチラインパターンを精細にして読み取り装置の分解能に近づけると非常に顕著になり、条件によっては位置誤差の測定ができなくなるほどになる。したがってこの方式では、読み取り装置の分解能に近い、あるいはそれ以下の位置誤差を高精度で測定することはできない。
【0013】
また、等ピッチラインのパターンを使うので、モアレの影響を無視しても、高い周波数成分の位置誤差を測定するためにパターンのピッチを精細にすると、結像光学系のMTF(Modulation Transfer Ratio)の限界によって得られた画像の濃淡の信号の差が小さくなり、測定精度が劣化せざるを得ない。
【0014】
さらに、パターンの精細化では、測定の周波数帯域を高い方向に広げ、精度を上げることができないのでサンプリングしたデータを補間する処理を行っている。より良い補間を行うには、より多くの周辺データを使ったり、複雑な演算処理が必要になり、処理時間が長くなる。さらに補間はあくまでも補間であり、真のデータとのずれが生じることは避けられず、測定精度を劣化させる要因になる。また、光電変換装置の中の特定の1つの受光素子が副走査方向に走査することによって得られる画像データを使用しているので、受光素子そのものが持つノイズが測定そのものの精度に影響を与えて、精度を劣化させる。
【0015】
従来例2では、計測時には光電変換装置でパターンを読み込んだデータを使うので、計測に当たってはハードコピーの読み取り時の走査むらはないという条件で読み取ってハードコピーのピッチむらを計測している。その他、特に説明しないが、前述の従来例1と同様のモアレの問題を有する。
【0016】
従来例3では、上述のようなリニアスケールにおいては、光源(LED)84の発する光をコリメートレンズ87で平行光線にしてメインスケール81とインデックススケール82の重なりを通過してくる光を受光素子で検出するようにしているので、微細かつ高精度のメインスケール、インデックススケール、および精密なコリメートが必要になる。その結果、当然コストも高くなってしまう。
【0017】
このような点を考慮し、本出願人は、斜線パターンを設け、当該斜線パターンを読み取る際にウィンドウを設定し、ウィンドウ内に斜線パターンが存在するか否かを判別して、斜線パターンが存在していると判別したときにウィンドウを斜線の傾いた角度の方向に順次シフトし、各ウィンドウ内における斜線の位置変化に基づいて読み取り画素の位置誤差を測定する装置をすでに提案した。
【0018】
この提案では、斜線パターンの重心を求めるためにウィンドウの移動を順次整数個分ずつ移動する制御を行っている。例えば45°の斜線パターンを等倍で読み取る場合には、主走査方向1画素、副走査方向1画素分ウィンドウを移動する制御を行うことにより斜線パターンの重心を求めている。このような制御でも多少の位置誤差であれば、図46に示すようにウィンドウ内に斜線が収まるために問題はないが、位置誤差が大きくなってくるとウィンドウの内の重心のズレが大きくなる。すなわち、図47に示すようにウィンドウ内の斜線パターンの位置が中央から端部側によって斜線パターンがウィンドウからはみ出す場合も生じる。したがってその分ウィンドウのサイズを大きくする必要があり、それに伴ってメモリが新たに必要になったり、メモリを拡大する必要が生じる。また、メモリ容量が大きくなると演算時間も長くならざるを得なくなる。
【0019】
また、前述の従来例4では、副走査方向の走査速度の検出を駆動モータの回転から検出しているが、平面の上に置かれた原稿を走査して読み取る形式の読取装置では、モータの回転運動を直線運動に変換する機構が必要であり、それゆえ当該機構に起因する速度むらの発生を完全に除去することはできない。また、モータの回転むらとキャリッジの移動速度むらは必ずしも一致するものではないので、走査速度を正確に検出することができず、その結果、前記従来技術における速度データはライン間の位置ズレを補正するデータとして必ずしもふさわしくない場合もある。
【0020】
さらに、上記従来の読取装置では、下流のセンサに対して上流のセンサのデータを合わせるので、勿論、最下流のセンサから得られるデータに対して補正する必要はない。ここで、補正を行わない最下流のセンサから得られるデータに着目すると、読み取り走査速度が変動した場合には一定速度で走査して読み取る場合に比べると原稿上の読み取り位置がずれることになり、結果として速度変動に伴う画像の伸び縮みが起きるという問題点がある。
【0021】
すなわち、上記従来の読取装置では、この伸び縮みが生じるデータに対して上流のセンサのデータを補正しているので、結果として色ずれは防止できていることになるが、カラー画像全体としては走査速度の変動に伴う画像の伸び縮みを防止することができず、本来の画素との位置ずれは残ることになる。また、この従来の読取装置では、複数のラインセンサの間隔が変化しないものとして補正基準としているので、1つのセンサのみを有する読取装置には適用することができない。
【0022】
ここで、速度変動に伴う画素位置のずれがない画像データを得る他の方法として、特開昭63−287167号公報には、原稿の近傍に位置センサを配置してその出力によってイメージセンサの読み取りタイミングを制御する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、読み取りタイミングが一定でなくなるので、CCDの蓄積時間が変化して見かけ上の感度が変動し、そのために感度の補正が必要になる。
【0023】
また、読み取った画像データをフィルタリング、中間調処理などのように複数ラインにまたがった処理を行う場合に、ライン間の時間間隔が異なると、通常の処理系ではクロック同期システムにより処理を進めるので対応が困難となり、これに対応するためにはバッファメモリが必要になる。
【0024】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、画像をビットマップ形式で読み取る装置の画素の位置の誤差を高精度で測定することができる画素の位置誤差測定装置を提供することにある。
【0025】
第2の目的は、画像をビットマップ形式で読み取る画素の位置の誤差を、簡単な演算処理でさらに高精度で測定することができる画素の位置誤差測定装置を提供することにある。
【0026】
第3の目的は、位置誤差の測定装置を劣化させることなく、画像をビットマップ形式で読み取る画素の位置の誤差を、さらに簡単な演算処理で簡略化して測定することができる画素の位置誤差測定装置を提供することにある。
【0027】
第4の目的は、画像データの画面全体での位置誤差の測定と読取装置の特定の幅内における位置誤差の測定が可能な画素の位置誤差測定装置を提供することにある。
【0028】
第5の目的は、画像をビットマップ形式で読み取る画像読取装置で読み取った画素の位置の誤差あるいは画像を走査する速度を高精度で測定することができる画像読取装置を提供することにある。
【0029】
第6の目的は、前記第5の目的に関連して例えば斜線の繰り返しパターンの背景部に小さな汚れなどがついていても、その汚れが原因となって精度の高い正しい測定ができなくなることを防止できる画像読取装置を提供することにある。
【0030】
第7の目的は、パターンの斜線に小さな白いものがついてしまったり、斜線から離れた位置にあるデータを0に変換することでは取り除けないような汚れが斜線の近傍に付いて、読み取った画像データの中間レベルの値を持つ領域に影響を与えて測定に悪影響を及ぼすことを防止できる画像読取装置を提供することにある。
【0031】
第8の目的は、読み取った斜線パターンのコントラストが低い場合にも、高精度で測定ができる画像読取装置を提供することにある。
【0032】
第9の目的は、画像読取装置の階調の分解能の制約を越えて更に高精度の測定を可能にすることにある。
【0033】
第10の目的は、画像読取装置の空間の分解能の制約を越えて更に高精度の測定を可能にすることにある。
【0034】
第11の目的は、斜線の位置誤差が大きくなったときでも、ウィンドウサイズを大きくすることなく、したがって、メモリ容量を大きくすることなく短い演算時間で精度よく画素の位置誤差を測定できる画素の位置誤差測定装置を提供することにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、第1の手段は、画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、走査方向に対して一定の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、前記パターンとその周辺の地肌部に対応する連続した領域を設定する手段と、前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの位置を演算する手段と、領域の移動前後におけるパターンの位置データの変化を演算する手段と、前記位置データの変化の演算結果を出力する手段とを備えていることを特徴としている。
【0043】
第2の目的を達成するため、第2の手段は、主走査方向と副走査方向の画素サイズが等しく、画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、走査方向に対して45°の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、前記パターンとその周辺の地肌部に対応する連続した領域を設定する手段と、前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの位置を演算する手段と、領域の移動前後におけるパターンの位置データの変化を演算する手段と、前記位置データの変化の演算結果を出力する手段とを備えているとを特徴としている。
【0044】
第3の目的を達成するため、第3の手段は、主走査方向と副走査方向の画素サイズが等しく、画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、走査方向に対して45°の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、前記パターンとその周辺の地肌部に対応する主走査方向の長さが副走査方向の長さより大きい連続した領域を設定する手段と、前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの主走査方向の重心の位置を演算する手段と、領域の移動前後における前記パターンの主走査方向の重心の位置を演算する手段と、領域の移動前後における前記パターンの重心の位置の変化を演算する手段と、前記位置データの変化の演算結果を出力する手段とを備えていることを特徴としている。
【0045】
第4の目的を達成するため、第4の手段は、第1ないし第3の手段における前記パターンを、走査方向に対して所定の傾きを有する一定の幅の線を複数本、少なくとも設定した領域の走査方向の幅の分の重なりを有するように配置するとともに、計算の対象とする領域を他の線を読み取った画像データを含む領域に切り換える手段を備えていることを特徴としている。
【0046】
第5の目的を達成するため、第5の手段は、走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べて形成されるパターンと、当該パターンを読み取る光電変換手段と、当該光電変換手段によって得られた前記パターンの画像データに順次ウィンドウを設定して重心を計算する手段とを有する画像読取装置において、前記パターンの画像データのノイズ低減処理を行う手段と、当該ノイズ低減処理を行う手段によって処理した後に、前記ウィンドウの重心を計算し、画素の位置誤差または原稿の走査速度を測定する手段とを備えていることを特徴としている。
【0047】
第6の目的を達成するため、第6の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、前記パターンを形成する線分からあらかじめ設定された距離以上離れた位置にある前記ウィンドウ内のデータを0に変換する手段を含んで構成されていることを特徴としている。
【0048】
第7の目的を達成するため、第7の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、スムージング処理を行う手段を含んで構成されていることを特徴としている。
【0049】
第7の目的を達成するため、第8の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、孤立点を除去する手段を含んで構成されていることを特徴としている。
【0050】
第8の目的を達成するため、第9の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、画像データのコントラストを拡大する手段を含んで構成されていることを特徴としている。
【0051】
第9の目的を達成するため、第10の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、画像データの階調数を増加させる手段と、当該増加させる手段によって階調数が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んで構成されていることを特徴としている。
【0052】
第10の目的を達成するため、第11の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、画像データの分解能を増加させる手段と、当該増加させる手段によって分解能が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んで構成されていることを特徴としている。
【0053】
第9および第10の目的を達成するため、第12の手段は、第5の手段におけるノイズ低減処理を行う手段が、画像データの階調数と分解能を増加させる手段と、当該増加させる手段によって階調数と分解能が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んで構成されていることを特徴としている。
【0054】
第11の目的を達成するため、第13の手段は、光電変換手段によって画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、走査方向に対して一定の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、当該画像データを得る手段によって得られた画像データに対してウィンドウを設定し、ウィンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、当該重心を計算する手段の計算結果に基づいてウィンドウを移動させるか否かを制御する手段と、前記重心を計算する手段によって計算された重心から画素の位置誤差を測定する手段とを備えていることを特徴としている。
【0055】
第11の目的を達成するため、第14の手段は、第13の手段におけるウィンドウの主走査方向の大きさは、前記光電変換手段によって読み取られた前記パターンの主走査方向の幅以上の大きさに設定することを特徴としている。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、同等と見なせる各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0066】
1.第1の実施形態
1.1 測定原理
図1は、本出願の測定原理を典型的な場合を前提にして説明するための図である。図の主走査と書いた矢印101は線順次で画像を読み取る装置が同時に読み取る1ラインの画像の画素の並びと、この並列のデータを直線のデータに変換したときの時間軸上の順序を示す。図の副走査と書いた矢印102は主走査の1列が読み取る範囲を順次移動させながら読み取って行く方向を示している。移動する手段としては、原稿の画像を光電変換素子に投影するミラー、照明ランプなどを機械的に移動させるもの、原稿を移動させるもの、光電変換素子とその結像光学系を一体にして移動させるものなどがある。ここではこの主走査方向と副走査方向に平行な線で囲まれたそれぞれの4角形を画素ということにする。画素によって構成される平面は、原稿の画像を電気信号に変換されたデータが原稿の画像の写像がそのまま並んでいるというイメージでとらえることができ、ビットマップということもある。読み取り装置からリアルタイムで出力されるときには、主走査、副走査の方向が時間的な順序を示すが、出力されたデータをメモリに取り込んだ状態では、それぞれの画素を任意にアクセスすることも可能であり、主走査、副走査、時間の順序にとらわれない扱いも可能になる。
【0067】
図1は主走査と副走査の画素サイズが等しい場合で、副走査方向の走査速度が変動するときと、一定速度で45°の斜線を読み取るときに光電変換装置に投影されるが、像を全く劣化のないかたちでビットマップに対応させて示したものである。すなわち、aは副走査方向の読み取りのタイミングを制御するクロックに対応する所定の一定速度で走査したときで、ビットマップにも45°の像ができる。bは速度が変動するときの像で、速度に応じて傾きが異なってくる。
【0068】
つまり、A−Bは副走査方向の走査速度が0のときで、副走査方向の読み取りのタイミングを制御するクロックにより副走査方向のビットマップのアドレスが進んでも原稿を読み取っている位置が変わらないため、
副走査方向に平行な線になってしまう。
【0069】
B−Cは副走査方向の走査速度が所定の速度の1/2のときで、ビットマップのアドレスが進んでも、その半分しか進まない位置の画像を読んでいることになり、画像の副走査方向の線との角度はtanθ=0.5から、約26.57°である。
【0070】
C−Dは所定の速度で走査しているときで、傾きは45°である。同様にD−以降は走査速度が1.5倍の場合で、その角度は約56.31°である。つまり、走査速度によって像の傾きが異なること、言い換えれば斜線の主走査方向への移動量が、副走査方向の移動速度に対応することを測定原理として副走査方向の移動速度のむら、ミラー、レンズ、光電変換装置の振動などに起因するビットマップ画像の画素の位置誤差を計測する。
【0071】
以上、正方形の画素を持ち、45°の線を使用した場合で説明したが、画素が正方形でなく、例えば、主走査の分解能400dpi、副走査の分解能600dpiといった読み取り装置の画像データに適用することもでき、45°以外の斜線を用いても同様に、斜線の画像の主走査方向への移動量が副走査方向の読み取り方向の速度に依存するという関係は成立するので、画素の位置誤差を計測することができる。
【0072】
1.2 システム構成
図2は、本実施形態に係る画素の位置誤差測定装置のシステム構成の一例を示すブロック図で、画像読取装置への付加機能として組み込み、リアルタイムでその位置誤差を測定するものである。このシステムは光電変換部1、A/D変換部2、シェーディング補正部3、位置誤差測定部4および制御部5から基本的に構成されている。
【0073】
光電変換部(装置)1は、例えばラインCCDで、画像が電気信号に変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部(器)2でデジタルの多値の画像データに変換される。変換されたデータは、照明の不均一さ、レンズの周辺光量の低下、光電変換装置の画素間の感度の違いなどをシェーディング補正部3によってシェーディング補正する。シェーディング補正された画像データは、位置誤差測定部(回路)4に入力され、測定結果に応じての誤差信号6を出力する。同時に読取装置として画像データをビデオ信号7として出力する。それぞれの機能ブロックは、制御部5によってタイミングの制御、動作条件の設定などがなされ、
相互に関連して動作する。なお、符号8は制御部5との間で送受信されるビデオ制御信号8である。
【0074】
光電変換装置1として等倍センサを用いている読取装置ではレンズの特性による周辺光量の低下という問題がないので、シェーディング補正部3を省く場合があるが、そのような形式の読取装置にも、本願を適用することができる。
【0075】
図3は、読取装置の他の例に係るシステム構成を示すブロック図で、この例では、図2における位置誤差測定機能は含まれておらず、光電変換部1、A/D変換部2、シェーディング補正部3および制御部5から構成されている。この例では、斜線を読取装置に読み取らせ、ビデオ信号7として出力される画像データをメモリに取り込み、取り込んだデータをコンピュータで処理することによって位置誤差を測定するようになっている。この方式では、一旦画像データを光磁気ディスクなどに書き込み、必要なときに読み出して測定することが可能になる。また、測定した画像を保存しておくこともできる。
【0076】
1.3 位置誤差測定処理
図4は図1と同様のビットマップに斜線の画像データaがあるときの位置誤差の測定を行うときの処理を説明するためのものである。W1 は画像データの位置を求めるための演算を行う11×3のウィンドウである。ウィンドウ内のデータの位置を求めるため、主走査方向における重心を演算する。この演算では、順次ウィンドウの位置をW2,W3 ・・・と移動させながら重心を求める。重心の主走査方向の位置は45°の線の場合、画素の位置がなんらかの誤差要因で移動することがなければ、ウィンドウを図のように移動させた場合、主走査方向に1画素分ずつ移動するはずである。画素の移動量が1画素分と異なる場合は、何らかの原因で画素の位置が変動したことになり、位置誤差を求めることができる。位置誤差の主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが分かっている場合には、位置誤差のデータか速度むらにデータを変換することは容易である。
【0077】
重心を求めるのに周辺の画素のデータを含む多数の画素データを使っているので、CCD固有のノイズを始めとしてさまざまなノイズが画像データに含まれるが、重心を求める過程でノイズの影響が軽減され、S/Nの高い測定が可能になっている。通常、ウィンドウの画素の数が多いほどS/Nは高くなる。
【0078】
ウィンドウの形状は主走査方向の重心を求めることから、主走査側に大きいことが望ましい。副走査方向は1としても測定可能である。
【0079】
図5は斜線の数が複数あって複数の斜線a1 ,a2 ,a3 を使用して位置誤差を測定する場合のウィンドウの移動とそれに伴う処理を説明するものである。図4の例と同様にウィンドウを順次移動させ、あらかじめ設定したおいたWn に達したとき、その次のウィンドウとしてWn+1 に移動させる。移動する前後の斜線のパターンa1 とa2 の間隔は測定用チャートを作成する段階で決めておき、その間隔の値を主走査方向の重心の移動を計算するときに補正する。Wn+1 、Wn+2 、Wn+3 ・・・と移動させる。パターン間の間隔を画素サイズの整数倍に設定しておくと、ウィンドウをジャンプさせたときの補正が簡単であり、測定に先立って測定装置にこの補正量を入力するときにも便利である。
【0080】
この例ではウィンドウを1画素ずつ移動させているが、画素の位置誤差を起こす原因となる振動などの周波数帯域が低い場合は、ウィンドウを2画素以上ずつ移動させても良い。こうすることによって測定に要する時間短くすることができる。
【0081】
また、複数の斜線を使って位置誤差を測定するようにすれば、読み取り装置の読み取り範囲が縦長であっても副走査方向の全域にわたっての測定が可能になる。さらに、主走査方向の狭い幅のなかだけで測定するようにすれば、主走査方向における中央部とか、手前とか、奥側とかに分けて位置誤差を測定することも可能になる。
【0082】
これらの図からも明らかなように、本願では高い分解能で位置誤差を測定する場合でも、それに応じて斜線のパターンを細くする必要は全くなく、システムのMTFの制約の影響を受けない幅の広いパターンを使うことができるという特徴がある。幅の広いパターンを使えば、それに応じてウィンドウも大きくなり、結果として測定の精度を上げることができる。なお、処理速度、リアルタイム処理を行う場合は、バッファのサイズ、回路規模の経済性などとのバランスでパターンの幅を設定すればよい。
【0083】
なお、他の例として、幅の広い線のパターンを用い、どちらか片側のエッジのデータによっても同様に位置誤差を測定することが可能である。
【0084】
また、副走査の読み取りタイミングと斜線との関係は常に同じであるから、前述の公知例のように副走査方向に並べられた等間隔の白黒のパターンでは避けることのできないモアレの問題を回避することができ、高精度な位置誤差の測定を可能にしている。
【0085】
1.4 ウィンドウのデータと重心の計算
図6はウィンドウのデータと、斜線のパターンの関係を示すものである。ウィンドウの各画素には斜線のパターンを読み取って得られる画像データの値が記入されている。画像データの値は8ビットのデジタルデータで、10進法で表すと0〜255の値を取ることができる。図の値は画像のデータを10進法で表記した値である。
【0086】
主走査方向の重心を計算するには、各列ごとにデータの和を求める。これを右側からh0,h1,・・・h10とすると、それぞれ14、37、150、345、562、590、427、202、50、18、13である。各画素の主走査方向の中心の座標を右から順に0〜10とし、重心の主走査方向の位置をmとすると、
mの周りのモーメントは0となるので、
h0 (m−0)+h1 (m−1)+・・・h10(m−10)=0
が成り立ち、数値を入れて計算すると、
m=4.667
が得られる。
【0087】
重心を求めるのは、補間などの前処理を必要とせず、演算の簡素化、高速化に有用である。画像の位置を求めるのは、各列ごとのデータの和の並びから、補間により所定の分解能のデータ列を得て、そのデータからピーク値の存在する位置を求める方法を使うこともできる。
【0088】
1.5 斜線の幅
重心を計算するに当たり、斜線の幅はデータをきちんと読み取れるものであれば問題ないが、画素が正方形で、斜線の角度が45°であり、画像の走査速度を所定の目標速度からのわずかなズレをより高精度で測定する場合、斜線の主走査方向の幅を画素の整数倍にしておくと、ウィンドウを斜め方向に移動しても、斜線と画素の関係は斜線の両側で同じになり、画像データの誤差要因もバランスし、画像の位置を計算する精度を高めることができる。
【0089】
1.6 主走査方向の斜線の画像の移動量と副走査方向の画素の位置誤差の関係
この実施形態では、副走査方向の画素の位置誤差を測定するために、斜線を読み取った画像の主走査方向へ画像の位置の移動を見ている。正方形の画素で45°の斜線を使って測定する場合には、これまでの説明で明らかなように、主走査方向の移動量のウィンドウ間における偏差がそのまま、副走査方向の位置誤差になる。画素が正方形でない場合、斜線の角度が45°でない場合には、換算をして副走査方向の位置誤差を得る必要がある。
【0090】
1.7 測定の処理手順
図7は、測定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、まず、計算するウィンドウの位置を示すW.P.(ウィンドウポインタ)をセットし(ステップS1)、次に、W.P.で指示されるウィンドウのデータを取り込み(ステップS2)、取り込んだデータの総和Vを計算する(ステップS3)。そして、データの総和Vがあらかじめ設定したaとbとの間の値を持っているかどうかをチェックする(ステップS4)。このチェックでaとbとの間に入っていれば、重心の計算を行い(ステップS5)、さらに、
重心のずれを計算した(ステップS6)後、次のW.P.をセットする(ステップS7)。その後、ステップS2に戻ってデータフェッチ以降の処理を繰り返す。
【0091】
一方、ステップS4で、データの総和Vがaとbとの間に入っていなければ、ループから抜け出し、処理を終了する。
【0092】
なお、ステップS4で処理の総和をチェックするのは、スタートのときにW.P.を誤ってセットしたため、ウィンドウ内に斜線のデータがないような場合に、正しい測定がされていないのに測定結果が出力されるのを防止するという理由からである。また、測定に使う斜線の長さを短くしておけば、斜線が途切れた位置で打ち切ることができ、必要以上の測定を無駄を省くことができる。
【0093】
1.8 測定に使用する標準チャート
図8に測定に使用するチャートの例を示す。図8(a)に示したのは、縦長の読み取り範囲の先端から後端までの測定を可能にするためのチャートである。鎖線LH は2本の斜線L1 ,L2 が主走査のラインで見たときに重なりを持っていることを可能にすることを説明するための補助線である。重なりはウィンドウを別の斜線のデータを使うためにジャンプさせたとき、ウィンドウ内のデータが斜線の端部の影響を受けないことを保証するためのものである。
【0094】
図8(b)は、チャートの全面に斜線Lを持ち、折り返しを使えば画面全体のどの位置でも画素の位置誤差を計測できるようにするためのチャートである。この場合も、特定の1本の斜線Lに注目して図8(a)のような計測にも使用することができる。しかし、このチャートの場合には、他のパターンを入れて1枚の画像データで何種類もの項目の画像評価をすることには対応することはできない。
【0095】
図8(c)は中央を、図8(d)は中央と左右の画素の位置誤差を測定するためのチャートである。同図(c)の斜線のパターンがある部分だけと切り取ったストリップ状のチャートを従来からあるテストチャートの所定の位置に張り付ける形で、画素の位置誤差を測定するチャートを作ることもできる。あるいは、このストリップ状のチャートをそのまま測定用のチャートとすることもできる。
【0096】
2.第2の実施形態
以下、図面を参照し、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態において、前述の第1の実施形態と同等と見なせる各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0097】
2.1 システム構成
図9は、本実施形態に係る位置誤差測定装置のシステム構成の一例を示すブロック図で、画像読取装置への付加機能として組み込み、リアルタイムでその位置誤差を測定するものである。このシステムは光電変換部1、A/D変換部2、シェーディング補正部3、ノイズ低減処理部10、位置誤差測定部4および制御部5から基本的に構成され、制御部5にはライン同期信号9が入力される。
【0098】
光電変換装置1は、例えばラインCCDで、画像が電気信号に変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部2でデジタルの多値の画像データに変換される。変換されたデータは、照明の不均一さ、レンズの周辺光量の低下、光電変換装置の画素間の感度の違いなどをシェーディング補正部3によってシェーディング補正する。シェーディング補正された画像データは、ノイズ低減処理部10に入力される。ノイズ低減処理された画像データは位置誤差測定部4に入力され、測定結果に応じての誤差信号6を出力する。それぞれの機能ブロックは、制御部5によってタイミングの制御、動作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作する。勿論、シェーディング補正されたデータをコンピュータなどの別の処理計に取り込み、別途に処理することもできる。しかし、単なる測定の場合にはこのように構成したほうが便利な場合が多い。
【0099】
ノイズ低減処理部10と位置誤差測定部4の関係をノイズ処理を行わないまま位置誤差測定部4に入力し、
位置誤差測定部4で重心を計算するウィンドウを設定するたびに重心の計算に先だってウィンドウ内のデータに対してノイズ低減処理をするようにしても同様の効果を得ることができる。また、処理の内容によっては設定したウィンドウの外のデータを参照して処理を実行するようにすることもできる。
【0100】
前述の斜線Lの繰り返しパターンは十分に明るい背景に十分に暗い線があるという構成であるから、それを読み取った画像データは、非常に単純な構造を持つことになる。すなわち、入力データに相当するパターンは所定の線幅を持つ2値であるから、それを読み取った画像データから主走査ラインのひとつを取り出し、
横軸に主走査ラインアドレス、縦軸に8ビットで表現される読み取ったデータの値をプロットすれば、システムのMTF(Modulation Transfer Ratio)特性により高周波成分が取り除かれた図10に示すような矩形になる。斜線全体の画像としては主走査方向にこのような断面を持つデータが副走査方向に斜線に沿って滑らかにつながることになる。ノイズ低減処理部4はこのような形状を持つという特徴を生かして画像データのノイズを低減している。
【0101】
2.2 装置の概略構成
図11は、この実施形態に係る画像読取装置の概略構成を説明するための断面図である。同図において、筐体28の上面に、読み取るための原稿を載せるコンタクトガラス21が設けられ、当該コンタクトガラス21は筐体28に支えられた状態になっている。コンタクトガラス21の上面に画像を下にして置かれた原稿は、照明光源22によって照明され、原稿の反射光は第1ミラー23、第2ミラー24、第3ミラー25および結像レンズ26によって光電変換装置27(1)上の光電変換素子(CCD)の受光面に投影され、原稿の画像は電気信号に変換される。電気信号に変換されたデータは所定の処理をした後、出力される。
【0102】
照明光源22と第1ミラー23は、図示しない第1キャリッジに取り付けられており、同じく図示しない駆動装置によって原稿を線順次に読み取るため、原稿面との距離を一定に保った状態で移動する。第2ミラー24と第3ミラー25は、図示しない第2キャリッジに取り付けられ、第1キャリッジの1/2の速度で第1キャリッジと同様に移動する。このような構成で原稿を走査することによってコンタクトガラス21上の所定の範囲の画像を線順次で読み取る。
【0103】
図12は、図11に示した画像読取装置の平面図で、コンタクトガラス21、筐体28、シェーディング補正の基準データを光電変換部に与えるための基準濃度板29、および読み取った画像データの画素の位置誤差を測定するために設けられた測定用パターン(斜線パターン)30の配置の状態を示していている。ここで、基準濃度板29および測定用パターン30が破線で示してあるのは、光電変換装置27(1)で読み取れるように読取装置の外面には出ていないことを示すためである。特に測定用パターン30は画像データとともに光電変換装置27で読み込むので原稿と同様に光電変換素子(CCD)の受光面に結像する必要があり、コンタクトガラス21の原稿が置かれる面に設けられている。
【0104】
図13は図12において2点鎖線の円CLで囲んだ部分の詳細を示す図である。基準濃度板29は測定用パターン30を読み取る光電変換素子(CCD)の画素に対してもシェーディング補正が行えるようにするため、測定用パターン30が配置されている領域まで延ばしてある。
【0105】
図14は測定用のパターン30の一部を拡大した平面図であり、このパターン30は黒の斜線Lと背景の白で構成されている。このパターン30については、第1の実施形態で説明したものと同様なので、ここでの説明は省略する。なお、この実施形態では、測定用のパターン30を画像外の図12に示す位置に設置し、
画像と同時に読み取って測定するという点のみが異なる。
【0106】
3.第3の実施の形態
次に、第3の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第2の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0107】
斜線を読み取った画像データの主走査ラインのデータは前述の図10に示すように斜線の一方のエッジに対応する領域では単調に増加し、他方(反対側)のエッジに対応する領域では単調に減少する。この特性を使ってノイズ低減処理部4では斜線の中央に対応する位置を求め、その位置から所定の距離以上に離れた位置の画素データを0にする。斜線の繰り返しのパターンを構成する斜線の幅と、読み取りシステムのMTF特性からあらかじめこの距離を求めることができる。
【0108】
このように処理するようにすると、シェーディング補正がきちんと機能し、パターンに汚れなどの異常がなく、しかもシステムのノイズが十分に小さければ0になるはずの位置にある0以外のデータを除くことになり、画像データのノイズを減少させることになる。特に、前述のように重心に対するモーメントの和が0であるという条件を使うことによって重心を計算するので、重心から離れた位置にあるノイズほど重心の計算結果に対して大きな誤差の要因になるが、このようにしてノイズを除去することは測定のノイズの軽減に大きく寄与することになる。
【0109】
なお、この実施形態では、データを0に変換しているが、重心と計算する際、あらかじめ設定した距離よりも遠くにあるデータを無視して計算することによっても同様の効果を奏することができる。
【0110】
4.第4の実施の形態
次に、第4の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第1の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0111】
この実施形態では、ノイズ低減処理部10は45度の斜線を読み取ったデータであることを生かして斜線の傾き方向の対角線上の画素のデータの平均を取ることでスムージングを行う。以下に示す式(1)が対角線上の3画素の平均を取るマトリクスである。
【0112】
【数1】
【0113】
このマトリクスの対角線上の画素の数としては2以上の任意の数を取ることができるが、あまり大きな数をとると測定の帯域が狭くなるので、画素の数は画像データに含まれるノイズの性質と、測定の目的に従って選択することができる。斜線が45度ではなく、135度の場合には、その方向の対角に1が配列されたマトリクスにする。
【0114】
なお、スムージングするための手段として、ローパスフィルタを使用してもよい。すなわち、斜線を読み取った画像データは、読取装置のMTF特性により画像データに含まれる周波数成分は制限される。この特徴を利用して本来含まれるはずのない高い周波数成分はノイズであると考えることができるので、スムージング手段としてローパスフィルタを使用することができる。
【0115】
5.第5の実施の形態
次に、第5の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第1の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0116】
斜線を読み取った画像データの主走査ラインのデータは前述の図10に示すように斜線の一方のエッジに対応する領域では単調に増加し、他方(反対側)のエッジに対応する領域では単調に減少する。これは前述の第3の実施形態で説明した通りである。画像データを主走査の線の断面で見たとき、この単調に増加し、単調に減少する山の幅は、斜線の繰り返しパターンを形成する線の幅に依存していて所定の幅を持っている。
【0117】
そこで、この実施形態におけるノイズ低減処理部10では、この所定の幅より小さい増加から減少へ変化する領域、あるいは減少から増加へ変化する領域を検出し、その領域のデータをその領域の前後の画素の値の平均の値に変換することで小さな山や谷を形成する孤立点を除くように処理している。
【0118】
このような処理を行うことで、斜線の黒い部分に付着した白色の小さな異物、斜線のエッジの近傍に付着した黒色の小さな異物などが斜線の画像の肩の部分のデータに影響し、それが測定に及ぼす悪影響を軽減することができる。勿論斜線から離れた位置に孤立して存在する画像データに対しても前述の第3の実施の形と同様の効果を得ることができる。
【0119】
また、異物がパターンに付着していない場合に、読取装置のノイズにより本来単調増加すべき領域であるにもかかわらず、単調増加にならないケースがある。例えば8ビットで画像の階調を表現する読取装置で、ノイズレベルが8ビットで表現できる分解能を越えている場合には、ノイズの影響で階調が逆転する場合がある。このような場合、ノイズがなければ本来単調増加であるべき領域であるにもかかわらず、単調増加ではない場合が生じる。しかし、このような場合前述のように処理することによって、このような階調の逆転を生じる部分を検出してノイズを軽減させることができ、これによって測定の精度の向上を図ることができる。
【0120】
6.第6の実施の形態
次に、第6の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第2の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0121】
斜線の繰り返しのパターンの背景の濃度が高く、もしくは斜線の濃度が低く、読み取った画像データのコントラストが十分に得られない場合、あるいは読取装置が斜線の繰り返しパターンを読み取るときの感度調整の設定が不適切で、十分な画像データのコントラスト振幅が得られない場合に、ノイズ低減処理部では、コントラストの拡大処理を行う。すなわち、十分なコントラストが得られない場合にはS/Nが低下するので測定精度に悪影響を与えるのでコントラストの拡大処理を行ってS/Nの低下を防止する。
【0122】
コントラストの拡大処理は、読み取った斜線のパターンの裾の斜線から十分に離れた位置のデータの値DL 、斜線に対応する部分の山の一番高い部分のデータの値DH を求め、画像データの各ピクセルの値をDとして以下に示す(2)式の演算処理を行う。
【0123】
255(D−DL )/(DH −DL ) ・・・(2)ここで255は8ビットで表現できる最大値であり、コントラストが小さいデータを最小値が0、最大値が255になるように変換する。
【0124】
この処理の内容を決定するDL 、DH の取得は、測定を開始する先端部分だけで行い、その後の処理にはこの値を継続して使用する。途中で処理内容が変わることによる誤差を防止するためである。なお、この実施形態では、コントラストを0から255までの最大値としているが、先端だけで補正のデータを得ているので、データが0または255側でクリップするのを防止するためにクリップに対して余裕がとれるように係数を設定してもよい。重心を計算するに際し、データの少々のクリップは余り大きな影響を与えないので最大のコントラストになるようにしてもあまり問題にはならない。図15はこの実施形態で説明した補正を行う前の斜線の画像データの主走査線での断面を左に、それを補正したものを右に示したものである。
【0125】
なお、一旦メモリに斜線の繰り返しパターンを保持していからこのような処理を行う場合には、対象とする画像データ全体を調べてDL およびDH を得てコントラストの改善を行うようにすることもできる。また、
この処理を行った後、他の実施形態で説明した処理を行うことによって高精度の測定を行うようにすることもできる。
【0126】
7.第7の実施形態
次に、第7の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第2の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0127】
図16は8ビットの分解能で画像の明るさを表現するときの明るさのレベルを実線で、9ビットで表現することによって分解能が増したときのレベルを破線でそれぞれ示した図である。また、斜線の画像の光学的な投影像の主走査の線での断面のプロファイルの単調増加の部分の一部を取り出して曲線で示している。この投影像を8ビットと9ビットのデジタル値で表現したときのレベルをそれぞれ太い実線と太い破線で示している。すなわち、図16において8ビットの場合は、水平な実線fの間をつないで階段状に示され、9ビットの場合は水平な実線fと破線との間をつないだ実線と破線で階段状に示されている。
【0128】
すなわち、この実施形態では、ノイズ低減処理部10は、8ビットの分解能で読み取った斜線の画像データのLSB(Least Significant Bit)に値0の1ビットを増して9ビットで画像データを表現するようにする。これによって分解能は2倍になり、図では破線の横線で示したレベルが追加されることになる。したがって画像データを整数で表現する場合には8ビットでは0〜255であったのに対し、9ビットでは0〜511になる。そして、分解能を高めたデータに対して更に前述の第3の実施形態に示したスムージング処理を実行する。
【0129】
このようにして斜線を読み取った画像データの特徴を利用したスムージングを行うことにより図16で破線の太線で示した斜線の光学的な投影画像を9ビットの分解能でデジタル化した画像により近い画像を得ることができるので、8ビットで表現する際の避けることのできない量子化ノイズをはじめ光電変換素子のノイズ、その他の読み取りに伴うノイズを低減することができ、これによって測定の精度を高めることが可能になる。
【0130】
なお、この実施形態では8ビットに対して1ビット増やして9ビットとした例であるが、必要に応じてビット数の増加の数を更に増やすことができる。
【0131】
8.第8の実施形態
次に、第8の実施形態について説明する。この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第2の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。
【0132】
この実施形態では、ノイズ低減処理部10は画像データの空間の分解能400dpiを倍の800dpiとし、第4の実施形態と同様にして空間の画像データに並びに対してスムージング処理を行う。このようにすることによって、第7の実施形態と同様に斜線の空間の光学的な投影画像により近い画像データが得られるので、400dpiで表現する際にさけることのできない量子化ノイズをはじめ光電変換素子のノイズ、その他の読み取りに伴うノイズを低減することができ、測定の精度を高めることが可能になる。
【0133】
9.第9の実施形態
次に、第9の実施形態について説明する。
【0134】
この実施形態は、第2の実施形態に対してノイズ低減処理部10の処理内容に以下の処理を付加したもので、その他の構成、動作および処理内容は第2の実施形態と同様なので、異なる点についてのみ説明する。 この実施形態は、第7の実施形態における画像データの階調数の増加と第8の実施形態における空間の分解能の増加の両者を実行してスムージング処理を行うようにした例で、第7および第8の実施形態よりもさらに高精度の測定が可能になる。
【0135】
なお、この実施形態でも分かるように、斜線を読み取った画像データに対するいろいろな前処理は、前述した実施形態の中で一部触れたように、組み合わせて用いることが可能であり、組み合わせることによってそれぞれの効果を殺すことなく、より構成の測定が可能となることは言うまでもない。
【0136】
10.第10の実施形態
10.1 システム構成
図17は第10の実施形態に係る画素の位置誤差測定装置のシステム構成の一例を示すブロック図で、画像読取装置への付加機能として組み込み、リアルタイムでその位置誤差を測定するものである。このシステムは光電変換部1、A/D変換部2、シェーディング補正部3、斜線判別部11、位置誤差測定部4、および制御部5から基本的に構成されている。
【0137】
光電変換部(装置)1は、例えばラインCCDで、画像が電気信号に変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部2でデジタルの多値の画像データに変換される。変換されたデータは、照明の不均一さ、
レンズの周辺光量の低下、光電変換装置の画素間の感度の違いなどをシェーディング補正部3によってシェーディング補正する。シェーディング補正された画像データは、斜線判別部11に入力され、画像データの斜線パターン部分を判別し、その判別結果を制御部5に出力する。また、画像データは位置誤差測定部4に入力され、測定結果の誤差信号6を出力し、同時に読取装置として画像データをビデオ信号7として出力する。それぞれの機能ブロックは、制御部5によってタイミングの制御、動作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作する。なお、制御部5にはビデオ制御信号8が入出力される。
【0138】
10.2 斜線パターンの判別処理
次に、斜線パターン判別処理について説明する。
【0139】
図18は図1と同様にビットマップに斜線がある場合を示し、図19はその場合の8ビット(0〜25
5)の読み取り値を示している。なお、0=白、255=黒であり、主走査方向の座標をXn、副走査方向の座標をYmとしている。また、図20は主走査方向3画素×副走査方向3画素の斜線パターン検知用ウィンドウを示し、図20(a)〜(e)はそれぞれ主走査方向に1画素ずつシフトしたウィンドウを示している。
【0140】
ここで、図20(a)に示すウィンドウ(X2〜X4、Y1〜3)内の中心画素を挟む対角方向、すなわち中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素値の和Paと右下斜め方向の3つの画素値の和Qaを計算すると、
となる。
【0141】
同様に、図20(b)〜(e)について求めると、
となる。
【0142】
次に、中心画素と右下斜め方向の3画素(中心画素を含む)の差Rを求めると、
Ra=15−5=10
Rb=222−7=215
Rc=667−9=658
Rd=750−33=717
Re=751−454=297
となる。
【0143】
この差Rの値が大きい場合に3×3画素のウィンドウ内に斜線パターンが有ることを示す。したがって、例えばRの値が500以上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図20(c),(d)に示すウィンドウ内に斜線パターンが有ると判断することができる。
【0144】
次に、図21を参照して他の斜線パターン判別処理を説明する。図21(a)〜(e)はそれぞれ図20(a)〜(e)に示すウィンドウ内の各値を閾値=128で2値化した場合を示し、同様に各ウィンドウ内の中心画素の左上斜め方向の3つの画素値の和Pa〜Peと右下斜め方向の3つの画素値の和Qa〜Qeを計算すると、
となる。
【0145】
次に、中心画素と右下斜め方向の3画素(中心画素を含む)の差Ra〜Reを求めると、
Ra=0−0=0
Rb=1−0=1
Rc=3−0=3
Rd=3−0=3
Re=3−2=1
となる。
【0146】
したがって、この場合にも同様にこの差Rの値が大きい場合に3×3画素のウィンドウ内に斜線パターンが有ることを示し、例えばRa〜Reの値が2以上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図21(c),
(d)に示すウィンドウ内に斜線パターンが有ると判断することができる。また、このように画素値を2値化することにより、加算演算を簡単にすることができる。
【0147】
図22(a)〜(d)は斜線パターン検出用のマッチングパターンを示し、図中の白領域は「0」、黒領域は「1」を表している。先ず、画像データを図21に示すように2値化し、その2値化データと図22
(a)〜(d)に示すマッチングパターンを比較し、合致した場合に斜線パターンがあると判断する。この例では、図21(c)と図22(b)、及び図21(d)と図22(a)が合致しており、このウィンドウ内に斜線パターンがあると判断される。
【0148】
なお、上記実施例では、ウィンドウの大きさを3×3としたが、もちろんウィンドウサイズが異なる場合にも同様な判断方法により斜線パターンを検知することができる。ただし、一般にウィンドウサイズが大きい程、判別精度は上がるが、その分処理時間が長くなり、また回路規模も大きくなる。
【0149】
10.3 位置誤差の測定処理
10.3.1 概略
第1の実施形態と一部重複するがこの実施形態における位置誤差の測定処理について詳しく説明する。
【0150】
図23は図1に示すビットマップにおける複数個の斜線(図では3本の斜線K1 〜K3 )を示し、また、この複数個の斜線を用いて位置誤差を測定するための10×3のサイズのウィンドウWを示している。先ず、
ウィンドウW内のデータ位置を求めるために主走査方向の重心を演算し、以下、斜線K2に対してW1 →W2 →W3 のようにウィンドウWを斜め左下45°の方向に1画素ずつシフトする。そして、斜線K2の最後のウィンドウWn に到達すると、ウィンドウWを主走査方向のみに移動させて次の斜線K3のウィンドウWn+1 に移動させる。
【0151】
ここで、重心の主走査方向の位置は、45°の斜線の場合、画素の位置が何らかの誤差要因により移動することがなければ、図のようにウィンドウWをシフトさせると主走査方向に1画素ずつ移動する筈である。また、画素の移動量が1画素分でない場合には、何らかの原因により画素の位置が変動したことになり、したがって、位置誤差を求めることができる。位置誤差の主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが分かっている場合には、位置誤差のデータから速度むらにデータを変換することは容易である。
【0152】
ここで、CCD固有のノイズを始めとして様々なノイズが画像データに含まれているが、重心を求めるために周辺の画素のデータを含む多数の画素のデータを用いているので、重心を求める過程でノイズの影響を軽減してS/N比が高い測定が可能となる。この場合、通常、ウィンドウの画素の数が多い程、S/N比が高くなる。ウィンドウの形状は、主走査方向の重心を求めるので主走査方向に大きいほうが望ましく、副走査方向のサイズは1ラインでも測定可能である。
【0153】
10.3.2 重心の測定
次に、重心の測定処理について説明する。
【0154】
図24は重心の測定処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順では、原稿の走査開始と同時にスタートし、先ず、主走査方向、副走査方向の各座標値X、Yがイニシャライズ(X=0,Y=0)される(ステップS11)。この座標値X、Yは斜線判別用の例えば3×3のウィンドウ内のある画素位置例えば中心画素の座標となる。次に、1本の斜線に対する測定回数を示す変数iがイニシャライズ(i=0)される(ステップS12)。
【0155】
次に斜線判別部11により斜線判別用の3×3のウィンドウ内に斜線パターンが存在するか否かが判断され(ステップS13)、ない場合にはその3×3のウィンドウを主走査方向に1画素分シフト(X=X+1)する(ステップS14)。なお、このシフト量はウィンドウの大きさ、斜線の太さに応じて決められ、1画素以上でもよい。ステップS13において斜線パターンが存在する場合には、重心測定用の例えば10×3のウィンドウW1 を設定し、そのウィンドウW1 内の重心を求める(ステップS15,S16)。このとき、斜線Lがウィンドウの中央にあるかどうかを確認するため、重心の値とウィンドウの幅X_Wの1/2とを比較する(ステップS17)。その差が0に近いときが斜線パターンがウィンドウの中央付近にあることを示す。その差が+2以上のとき、ウィンドウの座標を主走査方向に+1画素シフトし、シフト量カウント変数sに1を加算する(ステップS18,S19)。その差が−2以下のときはウィンドウの座標を主走査方向に−1画素シフトし、シフト量カウント変数sから1減算する(ステップS18,S20)。 以上の手順を繰り返して、上記差が2以下になったとき、次の手順に進む。なお、この差の数字「2」は、この実施形態では「2」に設定してあるが、この数字に限定されるわけではなく、ウィンドウの大きさに応じて適宜設定されるものである。
【0156】
位置誤差の値は、ステップS16で計算した重心の値から重心のズレmomを減算し、シフト量sを加算して算出する(ステップS21)。このようにして位置誤差の値を算出すると、副走査方向+1画素シフトしたウィンドウW2 を設定する。また、測定回数のカウント値をiインクリメントする(ステップS22)。なお、この実施形態ではウィンドウを1画素ずつ移動させているが、画素の位置誤差を引き起こす原因となる振動などの周波数帯域が低い場合には、ウィンドウを2画素以上ずつ移動させてるようにしてもよい。このようにすることによって測定に要する時間を短くすることができる。同様にW2 、W3 とウィンドウを移動させる。
【0157】
そして、あらかじめ同一ラインの測定回数をn回と設定しておき、i=nとなったとき、つまりウィンドウWn に達したとき、その次のウィンドウとしてWn+1 に移動させる(ステップS23)。その方法としては、斜線の主走査方向の間隔に相当する画素分より整数画素少ない値mだけ主走査方向にウィンドウの座標をシフトした後、カウンタ値iをクリアして斜線判別部11の処理に戻る。この場合、ウィンドウWn+1 の重心の値mom2とWn の重心の値mom1との差(mom2−mom1)が重心のずれmomとなる。以下、同様にWn+1 、Wn+2 、Wn+3 ・・・とウィンドウを移動させて位置誤差を測定する。
【0158】
このように複数の斜線を使用して位置誤差を測定するようにすれば、読取装置の読取範囲が縦長であっても、副走査の全域にわたっての測定が可能になる。さらに主走査方向の狭い幅の中だけで測定を行うようにすれば、主走査方向における中央部とか、手前とか、奥側とかに分けて位置誤差を測定することも可能になる。
【0159】
図25に位置誤差が大きい場合に、上記のようにしてウィンドウを設定して測定を行ったときの状態を示す。このようにウィンドウの移動制御を行うと、ウィンドウ内の中央付近に常に斜線パターンがあることになり、高精度な位置誤差の測定を行うことができる。また、ウィンドウも必要以上に大きくしなくともウィンドウ内に斜線パターンを収めることができる。言い換えれば、斜線Lのパターン10を細くすることなく、
システムのMTFの制約の影響を受けない、幅の広いパターンを使用することができるという特徴がある。 10.3.3 ウィンドウのデータと重心の計算
次に、ウィンドウのデータと重心の計算について詳細に説明する。図26はウィンドウデータと斜線パターンの各画素の読み取り値の関係を示し、読み取り値は8ビットであって10進(0〜255)で示されている。主走査方向の重心を求めるには、副走査方向の各列(3ライン分)の和を求め、図に示すようにこれを左側からX0、X1〜X9とするとそれぞれ18、50、202、427、590、562、345、150、37、14が求まる。そして、各画素の主走査方向の中心座標を左から順に0〜9とし、主走査方向の重心位置をRmとすると、重心位置Rmの回りのモーメントは0になるので、
X0(Rm−0)+X1(Rm−1)+・・・+X9(Rm−9)=0
が成り立ち、数値を代入して計算するとRm=4.362が得られる。
【0160】
重心を求める理由は、補間などの前処理を必要とせず、演算を簡素化、高速化することができるからである。また、画像位置を求める場合、各列毎のデータの和の並びから補間により所定の分解能のデータ列を得て、そのデータからピーク値が存在する位置を求める方法を用いることができる。
【0161】
次に、複数本の斜線から成るチャートの重心を計算する場合について説明する。図23に示すように複数本から成る斜線の重心を計算する場合、同一線上の線では問題とならないが、違う線にウィンドウが移動したときには移動前と移動後では斜線の主走査方向の間隔が丁度、整数画素数でない限り重心の値が異なるので、補正しなければならない。一例として図23に示す斜線K2のウィンドウWn の重心の値Rn が4.65となり、次の斜線K3に移動した場合のウィンドウWn+1 の重心の値Rn+1 が4.38、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 が4.40、ウィンドウWn+3 の重心の値Rn+3 が4.41となった場合、ウィンドウが移動したラインにおける重心の差ΔRを計算する。すなわち、
ΔR=Rn −Rn+1 =4.65−4.38=0.27
となる。
【0162】
この値ΔRを斜線K3の重心の値に加算し、この加算結果を重心の値として位置誤差を求める。この場合、
ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 、ウィンドウWn+3 の重心の値Rn+3 は、
Rn+2 =Rn+2 +ΔR=4.40+0.27=4.67
Rn+3 =Rn+3 +ΔR=4.41+0.27=4.68
となる。したがって、このように複数本の斜線から成るチャートを使用しても、連続して高精度で位置誤差を測定することができる。ただし、斜線K2のウィンドウWn から斜線K3のウィンドウWn+1 に移動する場合、斜線K2、K3は主走査方向に同時に存在しなければならない。
【0163】
なお、斜線の配置関係、斜線の幅、主走査方向の斜線の画像の移動量と副走査方向の画素の位置誤差の関係等は、第1の実施形態において説明した通りである。
【0164】
11.第11の実施形態
11.1 システム構成
図27に第11の実施形態に係る画像読取装置に組み込まれる位置誤差測定装置のシステム構成を示す。なお、この位置誤差測定装置は画像読取装置への付加機能として組み込まれ、リアルタイムで画素の位置誤差を測定するものである。
【0165】
すなわち、位置画素測定装置は、光電変換部1と、A/D変換部2と、シェーディング補正部3と、斜線判別部11と、位置誤差測定部4と、位置誤差補正部12と、制御部5とから構成されている。光電変換部(装置)1は、この実施形態ではラインCCDからなり、読み取った画像が電気信号に変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部2でデジタルの多値の画像データに変換される。変換されたデータは照明の不均一さ、レンズの周辺光量の低下、光電変換部1の画素間の感度の違いなどをシェーディング補正部3で補正され、補正されたデータは斜線判別部11に入力される。斜線判別部11では、画像データの斜線パターン部分を判別し、その判別結果を制御部5に出力する。また、画像データは位置誤差測定部4に入力され、測定結果の誤差信号6を位置誤差補正部12に出力する。位置誤差補正部12では、画像データと位置誤差データである誤差信号6から位置誤差を補正した画像データを生成し、ビデオ信号として出力する。なお、各部は制御部5によってそれぞれタイミングの制御、動作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作するようになっている。
【0166】
なお、測定原理、斜線パターン判別処理、位置誤差の測定処理、重心の測定処理、ウィンドウデータと重心の計算、およびチャートの重心の計算等は第1もしくは第2の実施形態において説明した通りである。
【0167】
11.2 位置誤差補正処理
位置誤差補正部12における読み取りデータの補正は次のようにして行われる。すなわち、この実施形態では3次関数コンボリューションを利用して補正を行う。図28に3次関数コンボリューションを利用した補正のモデル図を、図29に補正の処理手順を示すフローチャートを示す。図から分かるように速度むらがない場合の副走査方向の画素位置は、画素列Pで示すように等間隔となる。しかし、速度むらがある場合には、画素列Qで示すようにその間隔はバラツキ、正しい位置から外れてくる。図は本来Pn の位置になければならない画素が実際には画素Qn の位置にあることを示している。
【0168】
ここで、nライン目のある走査方向のデータPn の画像データ(濃度データ)を画素列Qの画像データと位置データとから重み関数である3次関数コンボリューションを使用して作成する例について説明する。
【0169】
3次関数コンボリューションを利用する場合、理想的なnライン目(Pn )の位置から2画素分以内(r0 )のデータを位置誤差データから検出する(ステップS31,32)。この場合は、Qn , Qn+1 , Qn+2 , Qn+3 , Qn+4 のデータが対象となる。ここで2画素分以内としているのは、r0 以上のデータは補正係数を0として取り扱うのでそれ以上のデータは必要がないためである。そして、各データのPn からの距離rによって各データQにおける補間関数h(r)を求める。これが補正係数となる(ステップS33)。ここで、補間関数h(r)はsinx/xの区分的3次多項式近似で中心からの距離rによって以下の式、すなわち、
h(r)=1−2|r|2 +|r|3 ・・・(3)
ただし、0≦|r|<1
h(r)=4−8|r|+5|r|2 −|r|3 ・・・(4)
ただし、1≦|r|<2
h(r )=0 ・・・(5)
ただし、2≦|r|
で表わされる。そして、この補間関数h(r )のもとで、補正係数を対応するQのデータに掛けて、Pn を求める。また、濃度むらを補正するために各補正係数の合計が1になるように分母に補正係数の合計をとる。
【0170】
すなわち、
となる(ステップS34)。
【0171】
この制御をnライン目の各主走査方向のデータにおいて終了したら、n+1ライン目へのラインをシフトしていき、最終ラインまで繰り返し行う(ステップS35)。このとき式(6)において補間係数h(r)と分母の補間係数の和の計算とその逆数の計算は、対応する主走査方向の画像データの補正の前に1回実行すればよい。このように制御することによって前述のようにして測定した位置誤差データに基づいて、読み取った画像データから正しい位置で読み取った場合の画像データを作成することができ、これによって位置誤差を補正することが可能になる。
【0172】
このようにして補正した前後の状態を図30に示す。通常の読取装置はキャリッジが走査を開始してから一定速度になった後に画像の読み取りを開始するが、図30(a)では位置誤差を大きく見せるためにキャリッジが走査を開始した直後から画像の読み取りを始めたものを図示している。このとき、45度の斜線も同時に読み込んでおり、この斜線パターン部分の画像から前述の方式で位置誤差を求め、その位置誤差データと読み取った画像データとから位置誤差を補正した画像が図30(b)に示すものである。このようにして補正することによってたとえ位置誤差を非常に大きく読み取ってしまったとしても、原稿に忠実な画像を再現できることがわかる。
【0173】
12.第12の実施の形態
以下、第12の実施形態について説明する。
【0174】
12.1 装置の概略構成
装置および斜線パターンは第2の実施形態における図11ないし図14と同等に構成され、同様に動作するので、ここでの説明は省略する。
【0175】
12.2 システム構成
図31は、この実施形態に係る画像読取装置のシステム構成を示すブロック図である。この実施形態に係る画像読取装置は、前述の第1の実施形態において示した図2のシステム構成に位置誤差補正部10を付加し、位置誤差測定部4からの誤差信号6が前記位置誤差補正部10に入力される点が異なる。これよって、前述の第1の実施形態において説明したように、シェーディング補正部3でシェーディング補正が行われた画像データは、位置誤差測定部4で副走査方向の読取ラインごとにライン間の位置誤差が測定され、測定結果を位置誤差補正部10に出力される。位置誤差補正部10では、画像データ(ビデオ信号)とともに位置誤差信号6を受け取り、補正に必要な所定ライン数の画像データと、それらの隣接するライン間の誤差信号6を順次メモリに保持する。メモリのデータを使用し、補正を行う対象のラインの前後の画像データと誤差データにより、本来あるべき位置の画像データを読み取った画像の値に基づいた補間法によってライン上の画素ごとの値を計算し、補正したラインの画像データをラインごとにビデオ信号7として出力する。処理が済んでデータが不要になったメモリには次のデータを保持させ、順次処理を繰り返すことによって原稿の全面の画像を処理して出力する。それぞれの機能ブロックは、制御部5によってタイミングの制御、動作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作する。
【0176】
12.3 位置誤差に基づく読取データの配置
図32は位置誤差の補正をどのように行っているかを説明するための図である。縦軸は図31におけるシェーディング補正部3におけるシェーディング補正後の画像データの値を示し、データは8ビットのデジタル値であるから、10進法で表記すれば0〜255の値を持つ座標軸である。横軸はライン順次で読み取るラインの位置を示す。正の正数を割り当てた位置は、前述のシステムの制御部5が水晶振動子による発振周波数を分周して作ったライン読み込みのタイミング信号に対応する各ラインの位置である。水晶振動子の発振周波数の安定度は非常に高いので、整数を割り当てた位置はシステムの画像ラインの本来あるべき位置を示していることになる。この間隔はまた、本システムの読み取りの分解能、400dpiのドット間の距離にも対応する。
【0177】
装置に備えなければならないメモリの量を最小で済ますため、この例では画素の位置の補正をリアルタイムで行う。リアルタイムで行うためには処理に伴う演算を簡略化する必要があり、簡略にすれば処理系の回路規模も小さくなり、経済的な効果もあるので、処理の分解能を1/16ドットとしている。そのため、横軸の整数の間は16に分割したメモリが設けられている。
【0178】
横軸の0においては、システムの制御部5が決める位置と実際に読み取った画像の位置は位置しているものとして図示している。画素の位置誤差が生じる原因はいろいろあるが、中でも大きな原因となるのはキャリッジの速度が変動することである。図では、第1キャリッジの速度が所定の値よりも1/16、言い換えれば6%速い状態が続いた場合を示している。横軸の1の位置に本来対応する位置の画像を読み取るはずであるが、キャリッジが速いため、実際には1/16ドット分先の画像を読むことになる。この位置を細線bで示し、そのときのデータを小さな○で示している。このとき位置誤差の測定は、1ライン前の位置を基準とした次のラインの位置ずれを順次ラインごとに行うので、1/16の誤差が測定結果として画像データとともに出力され、補正部はそれを受け取る。位置誤差測定における重心の演算の精度は1/16よりも高いが、その結果を1/16の分解能になるように丸めを行っている。
【0179】
キャリッジの速度はそのまま速い状態を継続しているので、1ライン前に読み取ったデータとの関係で測定して得られる位置誤差は同じく1/16である。しかし、システムのクロックによって決まる本来画素があるべき位置2とは1ライン前のラインの位置がすでに1/16ずれていたので、さらに1/16ずれることになり、結果として2/16ずれた位置cの画像データを読んでいることになる。同様に、次の読み取りでは3/16ずれた位置dの画像データを読み取り、順次e,f,gの位置の画像を読み取って、それぞれの小さな○で示すデータが得られる。すなわちラインごとに測定する位置誤差の累積よって読み取った画像データの位置は決まり、1/16の分解能を持つ横軸に読み取ったデータが割り付けられる。
【0180】
12.4 読み取りデータの補正
図32のa〜gに対応している小さな○で示す位置誤差を含んだ読み取りデータから本来画像があるべき位置0〜7に対応する大きな○で示すデータを補間法で求めることによってデータの補正を行う。例えば、横軸の座標2に対応するデータを求めるには、2より前のデータ2個(a,bに対応する読み取りデータ)と後のデータ2個(c,dに対応する読み取りデータ)から3次補間法(Cubic Convolution)を使っている。順次補正を行う整数の座標の前のデータ2個と後のデータ2個を使って補正データを求める。補間法はこれに限らず、このほかのさまざまの補間法を使用することもできる。また、補間に使用するデータの数も必要に応じて増減することもできる。
【0181】
なお、この第12の実施形態において特に説明しない各部および動作などは前述の第1の実施形態に代表される各実施形態と同等に構成され、同様に動作する。
【0182】
13.第13の実施形態
13.1 装置の概略構成、その他
この実施形態における画像読取装置の概略構成、システム構成、位置誤差測定、位置誤差測定に基づく読取データの配置、読取データの補正は、それぞれ第12の実施形態と同等なので、説明は省略する。
【0183】
13.2 パターンの構成
前述の第2の実施形態において詳述した図14の測定用パターン30の例を以下に示す。なお、パターンは副走査方向に平行に設置されるものとする。
【0184】
13.2.1 一般的な複写機の副走査方向の原稿スケール
一般的な複写機の副走査方向の原稿スケール61は図33のようになっており、図示した測定用パターン30が配置される上部に位置する。
【0185】
13.2.1.1 パターンの形成例(その1)
この例は、原稿の読取領域外設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べ、背景を白色としたパターンが形成されたシート部材を、コンタクトガラスの原稿を置く面もしくはコンタクトガラスを押さえる原稿スケールのコンタクトガラスに接する面に長手方向の端部のみ接着もしくは固定した例である。すなわち、図34に示すように測定用パターン30が形成されたシート部材62は、コンタクトガラス21を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面61aに網掛けで示した端部62aのみ接着する。なお、固定方法は接着に限らない。接着していない部分はコンタクトガラス21に押さえ付けられることでコンタクトガラス21に密着し、水平と見なせる面になる。
【0186】
このように構成すると、シート部材62の端部62aのみの接着のため、接着部分以外の面はコンタクトガラス21の水平面にならう形となり、よれや凹凸が発生しないので、高精度かつ帯域の広い誤差測定が可能となり、より精度の高い画素の位置誤差の補正を行うことができる。これによって、より画素の位置の歪みの少ない画像を得ることができる。また、測定用パターン30が劣化したときには、パターン30を形成した部材62のみを交換すれば足りる。
【0187】
13.2.1.2 パターンの形成例(その2)
この例は、原稿の読取領域外設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べ、背景を白色で形成したパターンが硬質な部材からなり、コンタクトガラスを押さえる原稿スケールのコンタクトガラスに接する面に固定されるもので、図35に示すように、測定用パターン30が形成される部材63をコンタクトガラス21を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面61aに接着する。なお、固定方法は接着に限らない。
【0188】
このように構成すると、硬質な部材に形成された測定用パターン30を使用することで、原稿スケール61に接着するとき、よれや凹凸が発生することがないため、前項の例と同様の効果を奏する。
【0189】
13.2.1.3 パターンの形成例(その3)
この例は、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べてなるパターンが、コンタクトガラスの原稿を載置する面に形成され、さらに、パターンを押さえる原稿スケールのコンタクトガラスに接する面を白色に塗装した例である。具体的には、図36に示すように線の測定用パターン30はコンタクトガラス21の原稿を載置する面21aに形成し、白色の背景はその上を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面61aを白色に塗装する。
【0190】
このように構成すると、原稿読取面であるコンタクトガラス21の表面に直接、線のパターン30が形成されるため、焦点が正確に一致して精度の高い位置誤差測定が行える。また、コンタクトガラス21上の線のパターン30が劣化したり、原稿スケール61の白色の面61aが汚れたときには、いずれかを交換すれば足りる。
【0191】
13.2.1.4 パターンの形成例(その4)
この例は、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べてなるパターンが、コンタクトガラスの原稿を載置する面に形成され、原稿スケールのコンタクトガラスに接する面に接着された白色の部材が前記パターンを押さえるようにした例である。具体的は、図37に示すように線のパターン30はコンタクトガラス21の原稿を載置する面21aに形成し、白色の背景はその上を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面に接着された白色の部材64によって構成する。白色の部材64の固定は接着に限らない。
【0192】
このように構成すると、線のパターン30は原稿読取面であるコンタクトガラス21の表面に直接形成されるため、焦点が正確に一致し、また、背景の白色部材64も線のパターン30に押し当てられるため、これも原稿読取面を正確に一致する。これによってノイズ成分の少ない精度の高い位置誤差測定が可能になる。また、コンタクトガラス21上の線のパターン30が劣化したときにはコンタクトガラス21を交換し、原稿スケール61の白色の面が汚れたときは白色の部材64のみの交換ですむ。白色の部材64は取付に精度が不要なため、組立および交換が簡単に行える。
【0193】
13.2.1.5 パターンの形成例(その5)
この例は、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べてなるパターン30を、図38に示すようにコンタクトガラス21を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面に形成した例で、原稿スケール61の裏面は、パターン30の背景が白色になるように構成されていればよい。
【0194】
このように構成すると、高精度な位置決めをした斜線パターン30を設けた原稿スケール61を使用することで、高精度かつ帯域の広い誤差測定が可能となり、より精度の高い画素の位置誤差の補正を行うことができる。これによってより画素の位置の歪みの少ない画像を得ることができる。また、パターン30が一体成形のため、組立および交換が簡単に行え、パターン30が劣化したら原稿スケールを交換するだけで済む。
【0195】
13.2.1.6 パターンの形成例(その6)
この例は、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べてなるパターン30を、コンタクトガラス21の原稿を載置する面に形成したパターン30と、その上に塗装された白色の帯によって構成した例である。すなわち、まず線のパターン30をコンタクトガラス21の原稿を載置する面に形成し、次に、その上に白色の帯を塗装する。この場合、原稿スケール61は図12に示すように測定用パターン30が配置される上部に位置する必要はない。
【0196】
13.2.1.7 パターンの形成例(その7)
この例は、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べて構成したパターン30が、コンタクトガラス21の原稿を載置する面21aに形成された線のパターン30からなり、さらに、パターン30の上を押さえる原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面を白色に塗装した例である。すなわち、原稿の読取領域外に設置された走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行にコンタクトガラス21の原稿を載置する面21aに形成してパターン30とし、原稿スケール61のコンタクトガラス21に接する面61aに接着された白色の部材64によって線のパターン30を押さえるように構成した。これらのパターン30は、図39に示すように主走査方向に対してコンタクトガラス21の両端部に形成され、線の傾きは両端とも同一方向であるように設定されている。
【0197】
このように構成すると、パターン30が劣化しても同一のコンタクトガラス21を180°回転させて再度使用することが可能となる。
【0198】
なお、これらの(その1)ないし(その7)におけるパターン30上にコーティングを施すとよい。これによって、コンタクトガラス30と原稿スケール61の擦れなどによるパターン30の劣化を防止することができ、パターン30の劣化(交換)サイクルを長期化することが可能となる。
【0199】
13.2.1.8 パターンの形成例(その8)
この例は、コンタクトガラス21と原稿スケール61の位置関係を配慮した例である。すなわち、これまでのパターン30を読み取る高さ方向の位置と原稿スケール61がコンタクトガラス21に接する高さ方向の位置が同じになるように、原稿スケール61がコンタクトガラス21に接する部分とパターン30がある部分に段差を設けたものである。具体的には、図40に示すようにコンタクトガラス21の端部で原稿スケール61が重なる部分にパターンの厚み分もしくはそれ以上の厚みの段差65を設ける。
【0200】
このように構成すると、コンタクトガラス21と原稿スケール61との間に隙間がなくなるため、原稿セット時に原稿端部がコンタクトガラス21と原稿スケール61との隙間に入ることがなくなり、原稿を取るときの原稿の破損をを防止することができる。
【0201】
14.第14の実施形態
14.1 装置の概略構成
この実施形態における画像読取装置の概略構成、システム構成、位置誤差測定、位置誤差測定に基づく読取データの配置、読取データの補正は、それぞれ第12の実施形態と同等である。ただし、図41に示すように図13の部分に対して改良されている。すなわち、基準濃度板29の副走査方向において測定用パターン30に対応する部分66(図41においてハッチングで示した部分)の濃度を他の部分よりも濃くしている。この濃くした部分を読んだデータを使って測定用パターン30を読み取ったデータに対してシェーディング補正を行うので、測定用パターン30の背景部分に汚れなどによる薄い濃度のムラがあっても、画素の位置誤差の測定に影響を与えることがないようにできる。これによってより精度の高い位置誤差の測定が可能になる。
【0202】
14.2 他の測定用パターン
この例は、前述の図13の部分に対する改良を行ったものである。すなわち、図42に示すように基準濃度板29を原稿台に置かれた画像を読み取る範囲に対応する長さにし、その短くした部分まで測定用パターン30を延ばしている。この延ばした部分にももちろん斜線のパターンPは形成されている。これは測定用パターン30を作るときに連続した長いものを作り、それを所要の長さに切って使うことによって製造コストを下げる目的も持っている。しかし、シェーディング補正データを取得するときには斜線部分を読んだデータを排除する必要があり、そのために以下に述べるようなデータの取得方法を採っている。
【0203】
すなわち、第1キャリッジを斜線の副走査方向における幅以上の距離を移動させながらデータを読み取り、所定値以上に暗いデータを排除してシェーディング補正のデータとしている。この方向により測定用パターン30の背景部分を読み取っているので、測定用パターン30の背景部分の変色、ロット間の濃度のばらつきなどに対しても確実に対応することができ、より精度の高い位置誤差の測定が可能になる。
【0204】
なお、読み取ったシェーディング補正のデータの内、測定用のパターン30を読み取ったデータに対するシェーディングを行うためのデータに対しては、そのシェーディングデータを所定量暗い側にシフトさせ、シフトさせたデータを使ってシェーディング補正を行うようにしてもよい。
【0205】
【発明の効果】
これまでの説明で明らかなように、前述のように構成された本発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0206】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、精細なパターンを用いなくとも、装置の画素サイズより高い分解能で位置誤差を測定することができる。
【0207】
請求項2記載の発明によれば、精細なパターンを用いる必要がなく、しかもモアレの影響を受けることなく、装置の画素サイズより高い分解能の位置誤差を、簡単な演算処理で、さらに高精度で測定することができる。
【0208】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明における演算をさらに簡略化して測定するので、演算の簡略化を図り、これによって測定に要する時間を短縮することができる。
【0209】
請求項4記載の発明によれば、読取装置の手前、中央、奥などの特定の場所における位置誤差の測定が可能になり、場所間の測定データを比較することができる。また、45°の斜線を使用しても、縦長の画面の先端から後端までを連続して測定することもできる。さらに、位置誤差を測定する場所を限定することにより、解像力などの他の測定項目用の画像データを共存させることができる。
【0210】
請求項5記載の発明によれば、シェーディング補正された斜線の繰り返しパターンを読み取ったデータに対して測定のためにウィンドウを設定して重心を計算する前に、ノイズを低減する処理を行うので、ノイズに起因する誤差要因を低減することが可能になり、これによって高い精度で読み取った画素位置の誤差または原稿の走査速度を測定することができる。
【0211】
請求項6記載の発明によれば、パターンを形成する線分からあらかじめ設定された距離以上離れた位置に本来データの値が0であるはずの部分にたまたま0以外のデータがあっても0に変換するので、測定に影響を与えることがなくなり、その結果、高精度の測定が可能になる。特に重心の計算は重心の位置から離れた位置にあるノイズ程影響が大きくなるが、前記のように0とするという簡単な手法でノイズの影響を排除することができる。
【0212】
請求項7記載の発明によれば、線分のパターンを読み取った画像の特徴を生かすことによって画像データのノイズを大幅に減らすことができるので、測定精度を大幅に向上させることができる。
【0213】
請求項8記載の発明によれば、画像データに含まれる小さな凹凸を除去するので、パターンの斜線に小さな白いものがついてしまったり、斜線から離れた位置にあるデータを0に変換することでは取り除けないような汚れが斜線の近傍に付いて、読み取った画像データの中間レベルの値を持つ領域に影響を与えて測定に悪影響を及ぼすことを防止でき、これによって高精度の測定が可能になる。
【0214】
請求項9記載の発明によれば、読み取った線分のコントラストが低い場合にもコントラストを拡大するので、測定の精度が高くなる。
【0215】
請求項10記載の発明によれば、パターンの線分を読み取った画像データの階調数を増加させた上でスムージングを行うので、測定ノイズを大幅に減少させることができ、その結果、高精度の測定が可能になる。
【0216】
請求項11記載の発明によれば、パターンの線分を読み取った画像データの分解能を増加させた上でスムージングを行うので、測定ノイズを大幅に減少させることができ、その結果、高精度の測定が可能になる。
【0217】
請求項12記載の発明によれば、パターンの線分を読み取った画像データの階調数と分解能を増加させた上でスムージングを行うので、請求項10または11よりもさらに測定ノイズを減少させることができ、その結果、より高精度の測定が可能になる。
【0218】
請求項13記載の発明によれば、ウィンドウの移動を重心の測定結果に基づいて制御するので、ウィンドウのサイズを必要以上に大きくすることなく、副走査方向の画素の位置誤差を連続して高精度で測定することができ、ダイナミックレンジの広い測定が可能になる。また、ウィンドウの大きさを大きくする必要がないので、言い換えれば、ウィンドウの大きさを小さく設定することができるので、メモリの容量を大きくする必要がなく、演算時間が長くなることはない。
【0219】
請求項14記載の発明によれば、斜線のパターンを細くする必要がなく、システムのMTFの制約の影響を受けない幅の広いパターンを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における測定原理を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態におけるシステム構成の他の例を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態におけるビットマップに斜線の画像データがあるときの位置誤差測定を行うときの処理を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態におけるビットマップで複数の斜線を使って位置誤差を測定する場合のウィンドウの移動とそれに伴う処理を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態におけるウィンドウのデータと斜線のパターンの関係を示す図である。
【図7】第1の実施形態における測定の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態において測定に使用するチャートの例を示す図である。
【図9】第2の実施形態におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施形態において画像データを読み取ったときの特性を示す図である。
【図11】第2の実施形態における画像読取装置の概略構成を示す断面図である。
【図12】第2の実施形態における画像読取装置の平面図である。
【図13】図12において2点鎖線の円で囲んだ部分の拡大図である。
【図14】図12における測定用パターンの部分を拡大した拡大図である。
【図15】第6の実施形態において補正を行う前の斜線の画像データの主走査線での断面を左に、それを補正したものを右に示した図である。
【図16】第7の実施形態において8ビットの分解能で画像の明るさを表現するときの明るさのレベルを実線で、9ビットで表現することによって分解能が増したときのレベルを破線でそれぞれ示した図である。
【図17】第10の実施形態に係る画像読取装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図18】走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取りデータを示す説明図である。
【図19】図18の斜線パターンの読み取り値を示す説明図である。
【図20】斜線判定用ウィンドウを示す説明図である。
【図21】他の斜線判定用ウィンドウを示す説明図である。
【図22】斜線判定用マッチングパターンを示す説明図である。
【図23】図22のビットマップにおける複数個の斜線に対して重心を測定するときのウィンドウを示す説明図である。
【図24】重心の測定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図25】位置誤差が大きいときに図24の処理によってウィンドウを設定した場合の状態を示す説明図である。
【図26】重心測定用ウィンドウにおける読み取り値及び重心測定方法を示す説明図である。
【図27】第11の実施形態に係る画像読取装置のブロック図である。
【図28】3次関数コンボリューションによる補正処理を説明するための図である。
【図29】3次関数コンボリューションによる補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図30】3次関数コンボリューションによる補正処理における補正前と補正後の画像の状態を示す図である。
【図31】第12の実施形態に係る画像読取装置の概略構成図である。
【図32】第12の実施形態において位置誤差の補正をどのように行っているかを説明するための説明図である。
【図33】第13の実施形態における一般的な複写機の副走査方向の原稿スケールを示す図である。
【図34】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その1)を説明するための斜視図である。
【図35】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その2)を説明するための斜視図である。
【図36】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その3)を説明するための斜視図である。
【図37】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その4)を説明するための斜視図である。
【図38】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その5)を説明するための斜視図である。
【図39】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その7)を説明するための斜視図である。
【図40】第13の実施形態におけるパターンの形成例(その8)を説明するための断面図である。
【図41】第14の実施形態における濃度基準板と測定パターンの形成状態を示す要部拡大図である。
【図42】第14の実施形態における濃度基準板と測定パターンの形成状態の他の例を示す要部拡大図である。
【図43】従来例に係るリニアスケールの概略構成を示す斜視図である。
【図44】従来例に係るリニアスケールの検出原理を示す説明図である。
【図45】従来例に係るリニアスケールの移動方向の判別方法を示す図である。
【図46】従来例における斜線の位置誤差とウィンドウの関係を示す説明図である。
【図47】従来例における斜線の位置誤差とウィンドウの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光電変換部
2 A/D変換部(回路)
3 シェーディング補正部(回路)
4 位置誤差測定部(回路)
5 制御部
6 誤差信号
7 ビデオ信号
8 ビデオ制御信号
9 主走査同期信号
10 位置誤差補正部(回路)
11 斜線判別部
12 位置誤差補正部
21 コンタクトガラス
21a コンタクトガラスの原稿載置側の面
22 光源
29 基準濃度板
30 測定用パターン(斜線パターン)
L 線分(斜線)
Claims (14)
- 画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、
走査方向に対して一定の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、
前記パターンとその周辺の地肌部に対応する連続した領域を設定する手段と、 前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、
領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの位置を演算する手段と、 領域の移動前後におけるパターンの位置データの変化を演算する手段と、
前記位置データの変化の演算結果を出力する手段と、
を備えていることを特徴とする画素の位置誤差測定装置。 - 主走査方向と副走査方向の画素サイズが等しく、画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、
走査方向に対して45°の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、
前記パターンとその周辺の地肌部に対応する連続した領域を設定する手段と、 前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、
領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの位置を演算する手段と、 領域の移動前後におけるパターンの位置データの変化を演算する手段と、
前記位置データの変化の演算結果を出力する手段と、
を備えていることを特徴とする画素の位置誤差測定装置。 - 主走査方向と副走査方向の画素サイズが等しく、画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取る画像読取装置で読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、
走査方向に対して45°の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、
前記パターンとその周辺の地肌部に対応する主走査方向の長さが副走査方向の長さより大きい連続した領域を設定する手段と、
前記連続した領域を画素の整数個分ずつ順次移動させて設定し直す手段と、
領域が設定されるごとにその領域におけるパターンの主走査方向の重心の位置を演算する手段と、
領域の移動前後における前記パターンの主走査方向の重心の位置を演算する手段と、
領域の移動前後における前記パターンの重心の位置の変化を演算する手段と、 前記位置データの変化の演算結果を出力する手段と、
を備えていることを特徴とする画素の位置誤差測定装置。 - 前記パターンは走査方向に対して所定の傾きを有する一定の幅の線が複数本、少なくとも設定した領域の走査方向の幅の分の重なりを有するように配置されているとともに、計算の対象とする領域を他の線を読み取った画像データを含む領域に切り換える手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画素の位置誤差測定装置。
- 走査方向に対して傾きを有する線を等ピッチで平行に並べて形成されるパターンと、当該パターンを読み取る光電変換手段と、当該光電変換手段によって得られた前記パターンの画像データに順次ウィンドウを設定して重心を計算する手段とを有する画像読取装置において、
前記パターンの画像データのノイズ低減処理を行う手段と、
当該ノイズ低減処理を行う手段によって処理した後に、前記ウィンドウの重心を計算し、画素の位置誤差または原稿の走査速度を測定する手段と、
を備えていることを特徴とする画像読取装置。 - 前記ノイズ低減処理を行う手段は、前記パターンを形成する線分からあらかじめ設定された距離以上離れた位置にある前記ウィンドウ内のデータを0に変換する手段を含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、スムージング処理を行う手段を含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、孤立点を除去する手段を含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、画像データのコントラストを拡大する手段を含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、画像データの階調数を増加させる手段と、当該増加させる手段によって階調数が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、画像データの分解能を増加させる手段と、当該増加させる手段によって分解能が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 前記ノイズ低減処理を行う手段は、画像データの階調数と分解能を増加させる手段と、当該増加させる手段によって階調数と分解能が増加した画像データに対してスムージングを行う手段とを含んでなることを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
- 光電変換手段によって画像を一定の時間間隔で線順次に走査して読み取った画像の画素の位置誤差を測定する画素の位置誤差測定装置において、
走査方向に対して一定の傾きで一定の幅のパターンを読み取って画像データを得る手段と、
当該画像データを得る手段によって得られた画像データに対してウィンドウを設定し、ウィンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、
当該重心を計算する手段の計算結果に基づいてウィンドウを移動させるか否かを制御する手段と、
前記重心を計算する手段によって計算された重心から画素の位置誤差を測定する手段と、
を備えていることを特徴とする画素の位置誤差測定装置。 - 前記ウィンドウの主走査方向の大きさが、前記光電変換手段によって読み取られた前記パターンの主走査方向の幅以上の大きさに設定されていることを特徴とする請求項13記載の画素の位置誤差測定装置。
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