JPH1079836A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

Info

Publication number
JPH1079836A
JPH1079836A JP8235431A JP23543196A JPH1079836A JP H1079836 A JPH1079836 A JP H1079836A JP 8235431 A JP8235431 A JP 8235431A JP 23543196 A JP23543196 A JP 23543196A JP H1079836 A JPH1079836 A JP H1079836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reading
center
image
original
gravity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8235431A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Wada
真一郎 和田
Masaki Narita
昌樹 成田
Takefumi Adachi
猛文 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP8235431A priority Critical patent/JPH1079836A/ja
Publication of JPH1079836A publication Critical patent/JPH1079836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Input (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動給紙される原稿を読み取るための自動読
取機能と、静的に置かれた原稿を読み取るための固定読
取機能とを備えた画像読取装置において、原稿の搬送速
度むらとキャリッジの速度むらに寄る画像の伸び縮みの
ない原稿に忠実な画像データを得ることができるように
する。 【解決手段】 ADF200付きの画像読取装置100
において、ADF100内の搬送ドラム15に測定用の
斜線パターン10bを設けるとともに原稿Pを載置する
コンタクトガラス1の端部にも測定用の斜線パターン1
0aを設け、ADF200を使用して原稿を読み取ると
きには、搬送ドラム15側のパターン10bを原稿と同
時に読み取り、コンタクトガラス1上に載置した固定原
稿を読み取るときには、前記コンタクトガラス1上の端
部に設けた前記斜線パターン10aを原稿と同時に読み
取って位置誤差を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、読み取ったビット
マップ形式の画像データの位置誤差を測定して画像デー
タの画素の位置誤差を補正する画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の画像読取装置として例えば日本
機械学会第71期通常総会講演会講演論文集(IV)で
発表された「高精細画像入力装置の開発」(従来例1)
が知られている。ここでは、副走査方向に並べて配置さ
れた等ピッチラインのテストチャートを読み取った画
像、すなわち、副走査方向のライン間隔で離散化された
画像データに対して補間演算を行い、演算された結果か
ら、等ピッチラインの黒線、白線の中心位置を求め、テ
ストチャートの基準ピッチとの差を読み取ることで、装
置の振動などに起因する画像データの読み取り位置誤差
を検出するようになっている。
【0003】他の従来例として特開平6−297758
号公報「走査線ピッチ計測方法」(従来例2)がある。
この公知例は、等ピッチパターンのデータを書き込んだ
ハードコピーのパターンを読み取ってハードコピー装置
の書き込みの走査線のピッチむらを計測するようになっ
ている。
【0004】光学的リニアスケールとして、例えばオー
ム社から出版された「サーボセンサの基礎と応用」(大
島康次郎、秋山勇治共著)〔昭和63年2月20日発
行〕(従来例3)も知られている。この従来例では、リ
ニアスケールの一例としてポジションスケールを例に挙
げている。例に挙げられたリニアスケールは、全く等し
いピッチの明暗の格子をもった2枚1組のメインスケー
ルとインデックススケールとからなるガラススケール
と、そのスケールを照明するLEDからなる光源と、ス
ケールを透過した光を検知するフォトダイオードから構
成される。通常はインデックスケールが固定され、メイ
ンスケールが移動するがその移動に連れてフォトダイオ
ードの出力が変化する。出力は2枚のガラスの透過部が
一致したとき最大となり、透過部とクロム蒸着された不
透明部が重なったときには、出力は理想状態では0とな
る。したがって、その出力波形は理想的には三角波とな
るが、実際には明暗の格子ピッチが8μmと小さいた
め、光の回折の影響やクロム烝着面での反射の影響があ
り、近似正弦波の形で出力される。この出力波形の山の
間隔がスケールのピッチに相当するので、山の数を数え
ることにより移動量を知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
1では、等ピッチラインのパターンのエッジと読み取り
のサンプリングのタイミングとの位置関係との相違によ
り同じ形状のパターンを読み取って得られるデータがそ
れぞれ異なってしまうモアレという現象がある。読み取
ったデータはこのモアレによって必ずしもパターンのエ
ッジの位置と対応しないので、位置誤差の測定精度を劣
化させる。モアレの影響は、等ピッチラインパターンを
精細にして読み取り装置の分解能に近づけると非常に顕
著になり、条件によっては位置誤差の測定ができなくな
るほどになる。したがってこの方式では、読み取り装置
の分解能に近い、あるいはそれ以下の位置誤差を高精度
で測定することはできない。
【0006】また、等ピッチラインのパターンを使うの
で、モアレの影響を無視しても、高い周波数成分の位置
誤差を測定するためにパターンのピッチを精細にする
と、結像光学系のMTF(Modulation Tr
ansfer Ratio)の限界によって得られた画
像の濃淡の信号の差が小さくなり、測定精度が劣化せざ
るを得ない。
【0007】さらに、パターンの精細化では、測定の周
波数帯域を高い方向に広げ、精度を上げることができな
いのでサンプリングしたデータを補間する処理を行って
いる。より良い補間を行うには、より多くの周辺データ
を使ったり、複雑な演算処理が必要になり、処理時間が
長くなる。さらに補間はあくまでも補間であり、真のデ
ータとのずれが生じることは避けられず、測定精度を劣
化させる要因になる。また、光電変換装置の中の特定の
1つの受光素子が副走査方向に走査することによって得
られる画像データを使用しているので、受光素子そのも
のが持つノイズが測定そのものの精度に影響を与えて、
精度を劣化させる。
【0008】従来例2では、計測時には光電変換装置で
パターンを読み込んだデータを使うので、計測に当たっ
てはハードコピーの読み取り時の走査むらはないという
条件で読み取ってハードコピーのピッチむらを計測して
いる。その他、特に説明しないが、前述の従来例1と同
様のモアレの問題を有する。
【0009】従来例3では、上述のようなリニアスケー
ルにおいては、光源(LED)の発する光をコリメート
レンズで平行光線にしてメインスケールとインデックス
スケールの重なりを通過してくる光を受光素子で検出す
るようにしているので、微細かつ高精度のメインスケー
ル、インデックススケール、および精密なコリメートが
必要になる。その結果、当然コストも高くなってしま
う。
【0010】一方、一般に、例えばR、G、Bの複数の
イメージセンサが副走査方向に離間し、且つ平行に配列
されたライン走査型画像読取装置では、各センサにより
読み取られる原稿の同一位置の画像データには時間的な
ずれがあり、したがって、原稿の同一位置の画像データ
が各センサから得られるように補正を行わないとカラー
画像の読み取りにおいては色ずれが発生し、色を正しく
読み取ることができない。このずれは各センサの間隔と
読み取り走査速度に応じて決定され、また、走査速度に
むらがあると色ずれの原因となる。
【0011】上記不具合を避けるために、例えば特開平
6−22159号公報には読み取りキャリッジを駆動す
るモータの回転に伴って発生するパルスの間隔の期間
中、マイクロプロセッサが内部クロックを計数すること
によりモータの駆動速度を求めて実際の走査速度とし、
この走査速度に基づいて複数のセンサ間の位置ずれを補
正する方法が提案されている。この方法では、副走査方
向の下流のセンサに対して上流のセンサのデータが合わ
せられ、センサ間の位置ずれが補正される。
【0012】補正の内容は、複数のセンサ間の位置ずれ
の補正を目的とし、上流のセンサのデータの遅延量と、
1ラインに満たない遅延に対してはその前後のデータの
重み付け平均を取っている。ここで行われている補正
は、最も下流のセンサに対して上流のセンサのデータを
合わせるという補正で、センサ間のずれによる色ズレを
防止するようにしている。
【0013】この従来技術においては、副走査方向の走
査速度の検出を駆動モータの回転から検出しているが、
平面の上に置かれた原稿を走査して読み取る形式の読取
装置では、モータの回転運動を直線運動に変換する機構
が必要であり、それゆえ当該機構に起因する速度むらの
発生を完全に除去することはできない。また、モータの
回転むらとキャリッジの移動速度むらは必ずしも一致す
るものではないので、走査速度を正確に検出することが
できず、その結果、前記従来技術における速度データは
ライン間の位置ズレを補正するデータとして必ずしもふ
さわしくない場合もある。
【0014】さらに、上記従来の読取装置では、下流の
センサに対して上流のセンサのデータを合わせるので、
勿論、最下流のセンサから得られるデータに対して補正
する必要はない。ここで、補正を行わない最下流のセン
サから得られるデータに着目すると、読み取り走査速度
が変動した場合には一定速度で走査して読み取る場合に
比べると原稿上の読み取り位置がずれることになり、結
果として速度変動に伴う画像の伸び縮みが起きるという
問題点がある。
【0015】すなわち、上記従来の読取装置では、この
伸び縮みが生じるデータに対して上流のセンサのデータ
を補正しているので、結果として色ずれは防止できてい
ることになるが、カラー画像全体としては走査速度の変
動に伴う画像の伸び縮みを防止することができず、本来
の画素との位置ずれは残ることになる。また、この従来
の読取装置では、複数のラインセンサの間隔が変化しな
いものとして補正基準としているので、1つのセンサの
みを有する読取装置には適用することができない。
【0016】本発明はこのような背景に鑑みてなされた
もので、その第1の目的は、自動給紙される原稿をビッ
トマップ形式で読み取る画像読取装置の位置誤差を簡単
な演算処理で高精度で読み取ることができるようにする
ことにある。
【0017】第2の目的は、自動給紙される原稿を読み
取るための自動読取機能と、静的に置かれた原稿を読み
取るための固定読取機能とを備えた画像読取装置におい
て、原稿の搬送速度むらとキャリッジの速度むらによる
画像の伸び縮みがなく、原稿に忠実な画像データを得る
ことができるようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の手段は、原稿を自動的にコンタクトガラス上
に給送し、あらかじめ設定された一定の時間間隔で線順
次に走査して原稿画像を読み取る画像読取装置におい
て、あらかじめ走査方向に対して一定の傾きを有する線
を等ピッチで並べて構成した斜線パターンと、前記斜線
パターンを光学的に読み取って電気信号に変換する手段
と、この変換する手段によって電気信号に変換された前
記斜線パターンの画像データにウィンドウを設定して、
ウィンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、こ
の重心を計算する手段に計算された重心の値に応じてウ
ィンドウを移動させる手段と、前記重心を計算する手段
によって計算された重心の値から画素の位置誤差を測定
する手段とを備え、前記斜線パターンを原稿の搬送方向
と同方向に同速度で移動させることを特徴としている。
【0019】第2の手段は、第1の手段において原稿が
搬送ドラムによって搬送され、前記搬送ドラム表面の原
稿の読取領域外に前記斜線パターンを設けたことを特徴
としている。
【0020】第3の手段は、第1の主段において原稿が
搬送ローラによって搬送され、前記搬送ローラ表面の原
稿の読取領域外に前記斜線パターンを設けたことを特徴
としている。
【0021】第4の手段は、第1の主段において原稿が
搬送ベルトによって搬送され、記搬送ベルト表面の原稿
の読取領域外に前記斜線パターンを設けたことを特徴と
している。
【0022】第5の手段は、原稿を自動的にコンタクト
ガラス上に給送し、あらかじめ設定された一定の時間間
隔で線順次に走査して原稿画像を読み取る自動読取機能
と、コンタクトガラス上に置かれた原稿をあらかじめ設
定された一定の時間間隔で線順次に走査して原稿画像を
読み取る固定読取機能とを備えた画像読取装置におい
て、あらかじめ走査方向に対して一定の傾きを有する線
を等ピッチで並べて構成した斜線パターンと、前記斜線
パターンを光学的に読み取って電気信号に変換する手段
と、この変換する手段によって電気信号に変換された前
記斜線パターンの画像データにウィンドウを設定して、
ウィンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、こ
の重心を計算する手段に計算された重心の値に応じてウ
ィンドウを移動させる手段と、前記重心を計算する手段
によって計算された重心の値から画素の位置誤差を測定
する手段とを備え、自動読取機能によって原稿を読み取
るときには、原稿搬送手段側に設けた前記斜線パターン
を原稿と同時に読み取り、固定読取機能によって原稿を
読み取るときには、前記コンタクトガラス上の端部に設
けた前記斜線パターンを原稿と同時に読み取って位置誤
差を測定することを特徴としている。
【0023】第6の手段は、第1または第5の手段に、
前記画素の位置誤差を測定する手段によって測定された
データに基づいて重み付け関数から補間係数を計算する
手段と、計算された補間係数と読み取った画像データか
ら原稿からの反射光を最初に受光する第1ミラーが搭載
された第1キャリッジの副走査方向の位置誤差がないと
きに得られるはずの画像データを補間して求める手段と
をさらに設けたことを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。
【0025】1.画像読取装置の概略構成 図1に本発明の実施形態に係るADFを備えた画像読取
装置の概略を示す。同図において、コンタクトガラス1
は筐体2により支持され、ブック原稿などの原稿を固定
して読み取る場合には、原稿を読み取り面を下にしてコ
ンタクトガラス1上に載置する。コンタクトガラス1上
の原稿は照明ランプ18とリフレクタ19の反射光によ
って照明され、読み取り面の反射光が第1ミラー3、一
体に構成された第2ミラー20および第3ミラー21に
より順次反射され、次いでレンズ22によって光電変換
装置上のライン状に並べられた光電変換素子(CCD)
23の受光面に結像され、光学的に読み取った画像を電
気信号に変換する。第1ミラー3、照明ランプ18、第
2ミラー20および第3ミラー21は図示しない走行体
駆動モータを駆動源として図示A方向に移動するように
構成されている。なお、第1ミラー3および照明ランプ
18は図示しない第1キャリッジに取り付けられてお
り、同じく図示しない駆動装置によって原稿を線順次に
読み取るため、原稿面との距離を一定に保った状態で移
動する。第2ミラー20と第3ミラー21は、図示しな
い第2キャリッジに取り付けられ、第1キャリッジの1
/2の速度で第1キャリッジと同様に移動する。このよ
うな構成で原稿を走査することによってコンタクトガラ
ス21上の所定の範囲の画像を線順次で読み取る。
【0026】自動給紙される原稿を読み取る場合には、
原稿トレイ12に載置された原稿Pは、通常の読み取り
動作では、ピックアップローラ13、レジストローラ対
31,32、搬送ドラム15および搬送ローラ4によっ
て読み取り位置Bを経て、排紙ガイド24から排紙ロー
ラ対25に送り込まれ、排紙トレイ26上に排出され
る。原稿は読み取り位置Bを通過する際に、読み取り位
置近傍に移動している照明ランプ18とリフレクタ19
の反射光によって照明され、原稿に照射された照明光の
反射光が第1のミラー3、第2のミラー20および第3
ミラー21で走査される。その後、反射光はレンズ22
によって集光されて光電変換素子(CCD)23に照射
され、当該光電変換素子23によって光電変換される。
【0027】なお、図1においては、コンタクトガラス
1、筐体2、照明ランプ18、リフレクタ19、第1ミ
ラー3、第2ミラー20、第3ミラー21、光電変換素
子(CCD)23および走行体駆動モータによってスキ
ャナ(画像読取装置本体)100が構成され、原稿トレ
イ12、ピックアップローラ13、レジストローラ対3
1,32、搬送ドラム15、排紙ガイド24、排紙ロー
ラ対25および排紙トレイ26によって自動原稿給送装
置(ADF)200が構成されている。
【0028】図2は、図1に示した画像読取装置本体の
平面図で、コンタクトガラス1、筐体2、シェーディン
グ補正の基準データを光電変換部に与えるための基準濃
度板9、および読み取った画像データの画素の位置誤差
を測定するために設けられた測定用パターン10の配置
の状態を示していている。ここで、基準濃度板9および
測定用パターン10が鎖線で示してあるのは、光電変換
装置23で読み取れるように読取装置の外面には出てい
ないことを示すためである。特に測定用パターン10は
画像データとともに光電変換装置23で読み込むので原
稿と同様に光電変換素子の受光面に結像する必要があ
り、コンタクトガラス1の原稿が置かれる面に設けられ
ている。
【0029】図3は図2において2点鎖線の円CLで囲
んだ部分の詳細を示す図である。基準濃度板9は測定用
パターン10を読み取る光電変換素子の画素に対しても
シェーディング補正が行えるようにするため、測定用パ
ターン10が配置されている領域まで延ばしてある。ま
た、第1キャリッジの副走査方向の走査位置または走査
速度を検出するためにあらかじめ設定された角度、この
実施形態では図4に示すように副走査方向に対して45
°傾斜した斜線が書き込まれた斜線パターン(チャー
ト)10が副走査方向に平行に、走査光学系によって読
み取られる位置に貼付されている。前記斜線は白地上に
一定幅で多数の黒の斜線LNからなり、これらの斜線L
Nの集合によってパターン10aが形成される。
【0030】また、背景板を兼ねた搬送ドラム15上に
は、原稿読取領域L外の端部に図5に示すような斜線パ
ターン10bが形成されている。この斜線パターン10
bは図1の読取位置Bで原稿と同時に読み取られる。原
稿の搬送に背景板を兼ねた搬送ローラ40を使用する場
合には、図6に示すような斜線パターン10cを原稿読
取領域L外の端部に形成する。この斜線パターン10c
も図1の読取位置Bで原稿と同時に読み取られる。ま
た、原稿の搬送に背景板を兼ねた搬送ベルト41を使用
する場合には、図7に示すような斜線パターン10dを
原稿読取領域L外の端部に形成する。この斜線パターン
10cも図1の読取位置Bで原稿と同時に読み取られ
る。
【0031】図5、図6および図7に示した斜線パター
ンは、それぞれ図4に示すような45°副走査方向に傾
斜した斜線が書き込まれたチャートであり、原稿の搬送
手段である搬送ドラム15、搬送ローラ40あるいは搬
送ベルト41上に設置されているので、原稿と同方向に
同速度で移動する。
【0032】2.システム構成 図8に本発明の実施形態に係る画像読取装置に組み込ま
れる位置誤差測定装置のシステム構成を示す。なお、こ
の位置誤差測定装置は画像読取装置への付加機能として
組み込まれ、リアルタイムで画素の位置誤差を測定する
ものである。
【0033】すなわち、位置画素測定装置は、光電変換
部101と、A/D変換部102と、シェーディング補
正部103と、斜線判別部104と、位置誤差測定部1
05と、位置誤差補正部106と、制御部107とから
構成されている。光電変換部101は、この実施形態で
はラインCCDからなり、読み取った画像が電気信号に
変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部
102でデジタルの多値の画像データに変換される。変
換されたデータは照明の不均一さ、レンズの周辺光量の
低下、光電変換部101の画素間の感度の違いなどをシ
ェーディング補正部103で補正され、補正されたデー
タは斜線判別部104に入力される。斜線判別部104
では、画像データの斜線パターン部分を判別し、その判
別結果を制御部107に出力する。また、画像データは
位置誤差測定部105に入力され、測定結果の誤差信号
を位置誤差補正部106に出力する。位置誤差補正部1
06では、画像データと位置誤差データである誤差信号
から位置誤差を補正した画像データを生成し、ビデオ信
号として出力する。なお、各部(101〜106,10
8)は制御部107によってそれぞれタイミングの制
御、動作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作
するようになっている。
【0034】3.測定原理 引き続き、位置誤差測定部における読取誤差の測定原理
について説明する。
【0035】まず、位置誤差を測定する処理は以下のよ
うになる。
【0036】図9の矢印で示す主走査方向は、ラインC
CD23が線順次で同時に読み取る1ラインの画素の並
びと、この並列データを直列データに変換したときの時
間軸上の順序を示している。また、矢印で示す副走査方
向は、主走査方向の1ラインを読み取る範囲を順次移動
させながら読み取る方向を示している。
【0037】図9において主走査方向と副走査方向の各
平行な線により囲まれた4角形領域を画素とすると、こ
の画素により構成される平面は、原稿の画像を電気信号
に変換した場合に原稿画像の写像がそのまま並んでいる
という形で捉えることができる。なお、これはビットマ
ップということもある。このデータはラインCCD7か
らリアルタイムで出力される時には主走査方向、副走査
方向が時間的な順序を有するが、メモリに取り込んだ状
態ではそれぞれの画素を任意にアクセスすることができ
るので、主走査方向、副走査方向、時間の順序にとらわ
れないで扱うことができる。
【0038】図9はまた、主走査方向、副走査方向の画
素サイズが等しい場合において、副走査方向の走査速度
が変動しないときの45°の斜線LNの読み取りデータ
aと、走査速度が変動するときの読み取りデータbをビ
ットマップに対応させて示している。すなわち、読み取
りデータaは副走査方向の読み取りタイミングを制御す
るクロックに対応する所定の一定速度で走査したときを
示し、ビットマップとしても45°の斜線像である。
【0039】これに対し、読み取りデータbは走査速度
の変動に応じて傾きが異なる。副走査方向の区間A−B
は走査速度が「0」のときを示し、この場合には副走査
方向の読み取りタイミングを制御するクロックによりビ
ットマップのアドレスが進んでも読み取り位置が変わら
ないので、副走査方向に平行な線となる。また、区間B
−Cは走査速度が所定速度の1/2のときを示し、この
場合にはビットマップのアドレスが進んでもその半分し
か進まない位置の画像を読み取るのでその読み取り画像
の角度は約26.57°(tan θ=0.5)である。区
間C−Dは所定速度で走査しているときを示し、45°
の角度が得られる。D以降の区間は走査速度が所定速度
の2倍の場合を示し、その角度は約63.4°である。
【0040】したがって、走査速度が変動すると像の傾
きが異なることを測定原理として、言い換えれば斜線の
主走査方向への移動量が副走査方向に移動速度に対応す
ることを測定原理として、副走査方向の走査速度のむら
と、ミラー、レンズ、光電変換部(CCD)の振動など
に起因するビットマップ画像の画素の位置誤差を測定す
ることができる。
【0041】なお、図9では正方形の画素を示したが、
画素が正方形ではなく、例えば主走査方向の分解能が4
00dpi、副走査方向の分解能が600dpiのよう
な画素にも適用することができる。また、45°以外の
斜線を用いても同様に、斜線画像の主走査方向への移動
量が副走査方向の読み取り速度に依存するという関係が
成立するので、画素の位置誤差を計測することができ
る。
【0042】4.斜線パターン判別処理 次に、斜線判別部における斜線パターン判別処理につい
て説明する。図10は図9と同様にビットマップに斜線
が有る場合を示し、図11はその場合の8ビット(0〜
255)の読み取り値を示している。なお、0=白、2
55=黒であり、主走査方向の座標をXn、副走査方向
の座標をYmとしている。また、図12は主走査方向3
画素×副走査方向3画素の斜線パターン検知用ウィンド
ウを示し、図12(a)〜(e)はそれぞれ主走査方向
に1画素ずつシフトしたウィンドウを示している。
【0043】ここで、図12(a)に示すウィンドウ
(X2〜X4、Y1〜3)内の中心画素の挟む対角方
向、すなわち中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素
値の和Paと右下斜め方向の3つの画素値の和Qaを計
算すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y
2)=3+1+1=5 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y
3)=3+4+8=15 となる。
【0044】同様に、図12(b)〜(e)について求
めると、 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y
2)=1+4+2=7 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y
3)=13+8+201=222 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y
2)=4+2+3=9 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y
3)=216+201+250=667 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y
2)=2+18+13=33 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y
3)=248+250+252=750 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y
2)=18+220+216=454 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y
3)=250+252+249=751 となる。
【0045】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を含む)の差Rを求めると、 Ra=15−5=10 Rb=222−7=215 Rc=667−9=658 Rd=750−33=717 Re=751−454=297 となる。
【0046】この差Rの値が大きい場合に3×3画素の
ウィンドウ内に斜線パターンが有ることを示す。したが
って、例えばRの値が500以上の場合に斜線パターン
が有ると判断すれば図12(c),(d)に示すウィン
ドウ内に斜線パターンが有ると判断することができる。
【0047】次に、図13を参照して他の斜線パターン
判別処理を説明する。図12(a)〜(e)はそれぞれ
図11(a)〜(e)に示すウィンドウ内の各値を閾値
=128で2値化した場合を示し、同様に各ウィンドウ
内の中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素値の和P
a〜Peと右下斜め方向の3つの画素値の和Qa〜Qe
を計算すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y
2)=0+0+0=0 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y
3)=0+0+0=0 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y
2)=0+0+0=0 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y
3)=0+0+1=1 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y
2)=0+0+0=0 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y
3)=1+1+1=3 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y
2)=0+0+0=0 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y
3)=1+1+1=3 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y
2)=0+1+1=2 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y
3)=1+1+1=3 となる。
【0048】次に、中心画素と右下斜め方向3画素(中
心画素を含む)の差Ra〜Reを求めると、 Ra=0−0=0 Rb=1−0=1 Rc=3−0=3 Rd=3−0=3 Re=3−2=1 となる。
【0049】したがって、この場合にも同様にこの差R
の値が大きい場合に3×3画素のウィンドウ内に斜線パ
ターンが有ることを示し、例えばRa〜Reの値が2以
上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図13
(c), (d)に示すウィンドウ内に斜線パターンが有
ると判断することができる。また、このように画素値を
2値化することにより、加算演算を簡単にすることがで
きる。
【0050】図14(a)〜(d)は斜線パターン検出
用のマッチングパターンを示し、図中の白領域は
「0」、黒領域は「1」を表している。先ず、画像デー
タを図12に示すように2値化し、その2値化データと
図14(a)〜(d)に示すマッチングパターンを比較
し、合致した場合に斜線パターンがあると判断する。こ
の例では、図13(c)と図14(b)、及び図13
(d)と図14(a)が合致しており、このウィンドウ
内に斜線パターンがあると判断される。
【0051】なお、上記実施形態では、ウィンドウの大
きさを3×3としたが、もちろんウィンドウサイズが異
なる場合にも同様な判断方法により斜線パターンを検知
することができる。但し、一般にウィンドウサイズが大
きい程、判別制度は上がるが、その分処理時間が長くな
り、また回路規模も大きくなる。
【0052】5.位置誤差の測定処理 次に、位置誤差測定部における位置誤差の測定処理につ
いて説明する。図15は図9に示すビットマップにおけ
る複数個の斜線(図では3本の斜線K1 〜K3)を示
し、また、この複数個の斜線を用いて位置誤差を測定す
るための10×3のサイズのウィンドウWを示してい
る。先ず、ウィンドウW内のデータ位置を求めるために
主走査方向の重心を演算し、以下、斜線K2に対するW
1 →W2 →W3 のようにウィンドウWを斜め左下45°
の方向に1画素ずつシフトする。そして、斜線K2の最
後のウィンドウWn に到達すると、ウィンドウWを主走
査方向のみに移動させて次の斜線K3のウィンドウWn+
1 に移動させる。
【0053】ここで、重心の主走査方向の位置は、45
°の斜線の場合、画素の位置が何らかの誤差要因により
移動することがなければ、図のようにウィンドウWをシ
フトさせると主走査方向に1画素ずつ移動する筈であ
る。また、画素の移動量が1画素分でない場合には、何
らかの原因により画素の位置が変動したことになり、し
たがって、位置誤差を求めることができる。位置誤差の
主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが
分かっている場合には、位置誤差のデータから速度むら
にデータを変換することは容易である。
【0054】ここで、CCD固有のノイズを始めとして
様々なノイズが画像データに含まれているが、重心を求
めるために周辺の画素のデータを含む多数の画素のデー
タを用いているので、重心を求める過程でノイズの影響
を軽減してS/N比が高い測定が可能となる。この場
合、通常、ウィンドウの画素の数が多い程、S/N比が
高くなる。ウィンドウの形状は、主走査方向の重心を求
めるので主走査方向に大きいほうが望ましく、副走査方
向のサイズは1ラインでも測定可能である。
【0055】6.重心の測定処理 次に、重心の測定処理は、図16のフローチャートに示
す手順で行われる。この処理は、原稿の走査開始と同時
にスタートし、先ず、主走査方向、副走査方向の各座標
値X、Yがイニシャライズ(X=0,Y=0)される
(ステップS1)。この座標値X、Yは斜線判別用の例
えば3×3のウィンドウ内のある画素位置例えば中心画
素の座標となる。次に、1本の斜線に対する測定回数を
示す変数iがイニシャライズ(i=0)される(ステッ
プS2)。
【0056】次に位置誤差測定部105により斜線判別
用の3×3のウィンドウ内に斜線パターンが存在するか
否かが判断され(ステップS3)、無い場合にはその3
×3のウィンドウを主走査方向に1画素分シフト(X=
X+1)する(ステップS4)。なお、このシフト量は
ウィンドウの大きさ、斜線の太さに応じて決められ、1
画素以上でもよい。ステップS3において斜線パターン
が存在する場合には、重心測定用の例えば10×3のウ
ィンドウW1 を設定し、そのウィンドウW1 内の重心を
求める(ステップS5)。このとき、ウィンドウW1 の
大きさ、斜線の太さに応じて、斜線と判別された画素の
位置から主走査方向に整数画素分だけシフトし、斜線の
部分がウィンドウW1 の中心付近になるようにウィンド
ウW1 を設定してもよい。
【0057】重心の測定を終了すると、重心のズレを計
算し(ステップS6)、次いで主走査方向に−1画素
分、副走査方向に+1画素分シフトしたウィンドウW2
を設定し、また、測定回数用のカウント値iを1つイン
クリメントする(ステップS7)。なお、この実施形態
では、ウィンドウWを1画素ずつ移動させているが、画
素の位置誤差を起こす原因となる振動などの周波数帯域
が低い場合には、2画素以上ずつ移動させてもよく、こ
の方法により測定に要する時間を短縮することができ
る。
【0058】次いで、予め設定された同一ラインの測定
回数nに対してi=nとならない場合にはステップS8
からステップS5に戻り、他方、i=nとなった場合す
なわちウィンドウWn に達した場合には次の斜線のウィ
ンドウWn+1 に移動させる(ステップS8→S9)。そ
の方法としては、斜線の主走査方向の間隔に相当する画
素分より整数画素mだけ、ウィンドウ座標を主走査方向
にシフトした後、測定カウント値iをクリアし(ステッ
プS2)、斜線判別処理(ステップS3)に戻る。以下
同様に、1本の斜線に対してウィンドウWn+1 、Wn+2
、Wn+3 〜のように移動させて位置誤差を測定する。
【0059】このように複数の斜線を用いて位置誤差を
測定することにより、読取装置の読み取り範囲が縦長で
あっても、副走査領域の全域に渡って位置誤差を測定す
ることができる。更に、主走査方向の狭い幅だけ測定す
るので、主走査方向の中央部、手前、奥側のように分け
て測定することもできる。また、高い分解能で位置誤差
を測定する場合にも、斜線のパターンを細くする必要は
全くなく、システムのMTFの制約を受けずに幅が広い
パターンを用いることができる。
【0060】更に、幅が広いパターンを用いた場合、幅
に応じてウィンドウも大きくなるので結果として測定精
度を向上させることができる。したがって、斜線の幅は
処理速度、リアルタイム処理を行う場合にはバッファの
サイズ、回路規模の経済性などとのバランスを考慮して
設定すればよい。また、幅が広いパターンを用いてその
片側のエッジを検出することにより位置誤差を測定する
ことができる。更に、例えば副走査方向の読み取りタイ
ミングに関係なく白黒パターンを副走査方向に配列する
とモアレの発生が問題となるが、本実施形態では副走査
方向の読み取りタイミングと斜線の関係は常に同じであ
るのでモアレの発生が問題とならず、その結果、高精度
で位置誤差を測定することができる。
【0061】7.ウィンドウデータと重心の計算 次に、ウィンドウのデータと重心の計算について詳細に
説明する。
【0062】図17はウィンドウデータと斜線パターン
の各画素の読み取り値の関係を示し、読み取り値は8ビ
ットであって10進(0〜255)で示されている。主
走査方向の重心を求めるには、副走査方向の各列(3ラ
イン分)の和を求め、図に示すようにこれを左側からX
0、X1〜X9として、それぞれ18、50、202、
427、590、562、345、150、37、14
を求める。そして、各画素の主走査方向の中心座標を左
から順に0〜9とし、主走査方向の重心位置をRmとす
ると、重心位置Rmの回りのモーメントは0になるの
で、 X0(Rm−0)+X1(Rm−1)・・・+X9(R
m−9)=0 が成り立ち、数値を代入して計算するとRm=4.36
2が得られる。
【0063】重心を求める理由は、補間などの前処理を
必要とせず、演算を簡素化、高速化することができるか
らである。また、画像位置を求める場合、各列毎のデー
タの和の並びから補間により所定の分解能のデータ列を
得て、そのデータからピーク値が存在する位置を求める
方法を用いることができる。
【0064】8.チャートの重心の計算 次に、複数本の斜線から成るチャートの重心を計算する
場合について説明する。図15に示すように複数本から
成る斜線の重心を計算する場合、同一線上の線では問題
とならないが、違う線にウィンドウが移動したときには
移動前と移動後では斜線の主走査方向の間隔が丁度、整
数画素数でない限り重心の値が異なるので、補正しなけ
ればならない。一例として図13に示す斜線K2のウィ
ンドウWn の重心の値Rn が4.65となり、次の斜線
K3に移動した場合のウィンドウWn+1 の重心の値Rn+
1 が4.38、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 が
4.40、ウィンドウWn+3 の重心の値Rn+3 が4.4
1となった場合、ウィンドウが移動したラインにおける
重心の差ΔRを計算すると、 ΔR=Rn −Rn+1 =4.65−4.38=0.27 となる。
【0065】この値ΔRを斜線K3の重心の値に加算
し、この加算結果を重心の値として位置誤差を求める。
この場合、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 、ウィン
ドウWn+3 の重心の値Rn+3 は、 Rn+2 =Rn+2 +ΔR=4.40+0.27=4.67 Rn+3 =Rn+3 +ΔR=4.41+0.27=4.68 となる。したがって、このように複数本の斜線からなる
チャートを使用しても、連続して高精度で位置誤差を測
定することができる。ただし、斜線K2のウィンドウW
n から斜線K3のウィンドウWn+1 に移動する場合、斜
線K2、K3は主走査方向に同時に存在しなければなら
ない。
【0066】図18は斜線の配置関係を示し、長さL1
の複数の斜線が主走査方向に対して角度θで配置され、
主走査方向の斜線の始点と終点の位置が同一の場合、主
走査方向の斜線間隔をL2 とすると、 L2 <L1 ×cos θ ・・・(1) の関係が成り立つように斜線を配置すれば、斜線は主走
査方向には重なるので、ウィンドウを主走査方向に移動
して次の斜線の重心を連続して測定することができる。
ここで、斜線の長さL1 と斜線の始点、終点の主走査方
向の位置は式(1)の大小関係が大きいほど精度を必要
としなくなる。
【0067】9.位置誤差補正処理 位置誤差補正部における読み取りデータの補正は次のよ
うにして行われる。
【0068】すなわち、この実施形態では3次関数コン
ボリューションを利用して補正を行う。図19に3次関
数コンボリューションを利用した補正のモデル図を、図
20に補正の処理手順を示すフローチャートを示す。図
から分かるように速度ムラがない場合の副走査方向の画
素位置は、画素列Pで示すように等間隔となる。しか
し、速度ムラがある場合には、画素列Qで示すようにそ
の間隔はバラツキ、正しい位置から外れてくる。図は本
来Pn の位置になければならない画素が実際には画素Q
n の位置にあることを示している。
【0069】ここで、nライン目のある走査方向のデー
タPn の画像データ(濃度データ)を画素列Qの画像デ
ータと位置データとから重み関数である3次関数コンボ
リューションを使用して作成する例について説明する。
【0070】3次関数コンボリューションを利用する場
合、理想的なnライン目(Pn )の位置から2画素分以
内(r0 )のデータを位置誤差データから検出する(ス
テップ171,172)。この場合は、Qn 、Qn+1 、
Qn+2 、Qn+3 、Qn+4 のデータが対象となる。ここで
2画素分以内としているのは、r0 以上のデータは補正
係数を0として取り扱うのでそれ以上のデータは必要が
ないためである。そして、各データのPn からの距離r
によって各データQにおける補間関数h(r )を求め
る。これが補正係数となる(ステップ173)。ここ
で、補間関数h(r)はsinx/xの区分的3次多項
式近似で中心からの距離rによって以下の式、すなわ
ち、 h(r )=1−2|r|2 +|r|3 ・・・(2) ただし、0≦|r|<1 h(r )=4−8|r|+5|r|2 −|r|3 ・・・(3) ただし、1≦|r|<2 h(r )=0 ・・・(4) ただし、2≦|r| で表わされる。そして、この補間関数h(r )のもと
で、補正係数を対応するQのデータに掛けて、Pn を求
める。また、濃度ムラを補正するために各補正係数の合
計が1になるように分母に補正係数の合計をとる。すな
わち、 Pn ={Qn ・h(r1)+Qn+1 ・h(r2)+Qn+2 ・h(r3) +Qn+3 ・h(r4)+Qn+4 ・h(r5)}/{h(r1) +h(r2)+h(r3)+h(r4)+h(r5)} ・・・(5) となる(ステップ174)。
【0071】この制御をnライン目の各主走査方向のデ
ータにおいて終了したら、n+1ライン目へのラインを
シフトしていき、最終ラインまで繰り返し行う(ステッ
プ175)。このとき式(5)において補間係数h(r
)と分母の補間係数の和の計算とその逆数の計算は、
対応する主走査方向の画像データの補正の前に1回実行
すればよい。このように制御することによって前述のよ
うにして測定した位置誤差データに基づいて、読み取っ
た画像データから正しい位置で読み取った場合の画像デ
ータを作成することができ、これによって位置誤差を補
正することが可能になる。
【0072】このようにして補正した前後の状態を図2
1に示す。通常の読取装置はキャリッジが走査を開始し
てから一定速度になった後に画像の読み取りを開始する
が、図21(a)では位置誤差を大きく見せるためにキ
ャリッジが走査を開始した直後から画像の読み取りを始
めたものを図示している。このとき、45度の斜線も同
時に読み込んでおり、この斜線パターン部分の画像から
前述の方式で位置誤差を求め、その位置誤差データと読
み取った画像データとから位置誤差を補正した画像が図
21(b)に示すものである。このようにして補正する
ことによってたとえ位置誤差を非常に大きく読み取って
しまったとしても、原稿に忠実な画像を再現できること
がわかる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、斜線パターンを原稿を搬送方向と同方向に同
速度で移動させて読み取るので、自動給紙される原稿を
読み取るための自動読取機能を備えた画像読取装置にお
いても、精細なパターンを用いる必要がなくなる。ま
た、これに加えて、速度補正を行う必要がなくなるの
で、モアレの影響を受けずに画像読取装置の画素サイズ
よりも高い分解能で位置誤差を簡単な演算処理で測定す
ることが可能になり、原稿の搬送速度ムラによる画像の
伸び縮みのない原稿に忠実な画像データを得ることがで
きる。
【0074】請求項2ないし4記載の発明によれば、請
求項1記載の発明の効果に加えて、斜線パターンが画像
領域外に位置しているので、原稿の読取範囲に影響を与
えることなく位置誤差の測定が行える。
【0075】請求項5記載の発明によれば、自動読取機
能によって原稿を読み取るときには、原稿搬送手段側に
設けた前記斜線パターンを原稿と同時に読み取り、固定
読取機能によって原稿を読み取るときには、前記コンタ
クトガラス上の端部に設けた前記斜線パターンを原稿と
同時に読み取って位置誤差を測定するので、自動読取機
能と固定読取機能を備えた画像読取装置において、精細
なパターンを用いる必要がなくなる。また、これに加え
て、速度補正を行う必要がなくなるので、モアレの影響
を受けずに画像読取装置の画素サイズよりも高い分解能
で位置誤差を簡単な演算処理で測定することが可能にな
り、原稿の搬送速度ムラとキャリッジの速度ムラによる
画像の伸び縮みのない原稿に忠実な画像データを得るこ
とができる。
【0076】請求項6記載の発明によれば、画素の位置
誤差を測定する手段によって測定されたデータに基づい
て重み付け関数から補間係数を計算する手段と、計算さ
れた補間係数と読み取った画像データから原稿からの反
射光を最初に受光する第1ミラーが搭載された第1キャ
リッジの副走査方向の位置誤差がないときに得られるは
ずの画像データを補間して求める手段とをさらに備えた
ので、画像読取と画素の位置誤差を生じる主要原因であ
る自動原稿給紙時の原稿搬送速度と、原稿固定読取時の
第1キャリッジの位置あるいは速度測定を同時に行って
画素の位置誤差を高精度に測定し、その位置差データに
基づいて位置誤差がないときに得られるはずの画像デー
タを補間して求めて補正することが可能になり、これに
よって位置歪みの少ない画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るADFを備えた画像
読取装置の概略構成図である。
【図2】図1における画像読取装置本体の平面図であ
る。
【図3】図2において2点鎖線の円で囲んだ部分の拡大
図である。
【図4】図2における測定用パターンの要部拡大図であ
る。
【図5】斜線パターンが表面に設けられた搬送ドラムの
斜視図である。
【図6】斜線パターンが表面に設けられた搬送ローラの
斜視図である。
【図7】斜線パターンが表面に設けられた搬送ベルトの
斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像読取装置に付設さ
れる位置誤差測定装置のシステム構成を示すブロック図
である。
【図9】走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取
りデータを示す説明図である。
【図10】斜線パターンを拡大して示す説明図である。
【図11】図10の斜線パターンの読み取り値を示す説
明図である。
【図12】斜線判定用ウィンドウを示す説明図である。
【図13】他の斜線判定用ウィンドウを示す説明図であ
る。
【図14】斜線判定用マッチングパターンを示す説明図
である。
【図15】重心測定用ウィンドウを示す説明図である。
【図16】画像読取装置における重心の測定処理を説明
するためのフローチャートである。
【図17】重心測定用ウィンドウにおける読み取り値及
び重心測定方法を示す説明図である。
【図18】パターンの長さ及び角度を示す説明図であ
る。
【図19】3次関数コンボリューションによる補正処理
を説明するための図である。
【図20】3次関数コンボリューションによる補正処理
の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】3次関数コンボリューションによる補正処理
における補正前と補正後の画像の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 コンタクトガラス 2 筐体 3,20,21 ミラー 10 斜線 10a,10b,10c,10d 斜線パターン 18 光源 15 搬送ドラム 22 レンズ 23 光電変換素子(ラインCCD) 40 搬送ローラ 41 搬送ベルト 100 ADF(自動原稿給送装置) 101 光電変換部 102 A/D変換部 103 シェーディング補正部 104 斜線判別部 105 位置誤差測定部 106 位置誤差補正部 107 制御部 200 スキャナ P 原稿

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を自動的にコンタクトガラス上に給
    送し、あらかじめ設定された一定の時間間隔で線順次に
    走査して原稿画像を読み取る画像読取装置において、 あらかじめ走査方向に対して一定の傾きを有する線を等
    ピッチで並べて構成した斜線パターンと、 前記斜線パターンを光学的に読み取って電気信号に変換
    する手段と、 この変換する手段によって電気信号に変換された前記斜
    線パターンの画像データにウィンドウを設定して、ウィ
    ンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、 この重心を計算する手段に計算された重心の値に応じて
    ウィンドウを移動させる手段と、 前記重心を計算する手段によって計算された重心の値か
    ら画素の位置誤差を測定する手段と、を備え、前記斜線
    パターンが原稿の搬送方向と同方向に同速度で移動する
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記原稿は搬送ドラムによって搬送さ
    れ、前記搬送ドラム表面の原稿の読取領域外に前記斜線
    パターンが設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記原稿は搬送ローラによって搬送さ
    れ、記搬送ローラ表面の原稿の読取領域外に前記斜線パ
    ターンが設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記原稿は搬送ベルトによって搬送さ
    れ、記搬送ベルト表面の原稿の読取領域外に前記斜線パ
    ターンが設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の画像読取装置。
  5. 【請求項5】 原稿を自動的にコンタクトガラス上に給
    送し、あらかじめ設定された一定の時間間隔で線順次に
    走査して原稿画像を読み取る自動読取機能と、コンタク
    トガラス上に置かれた原稿をあらかじめ設定された一定
    の時間間隔で線順次に走査して原稿画像を読み取る固定
    読取機能とを備えた画像読取装置において、 あらかじめ走査方向に対して一定の傾きを有する線を等
    ピッチで並べて構成した斜線パターンと、 前記斜線パターンを光学的に読み取って電気信号に変換
    する手段と、 この変換する手段によって電気信号に変換された前記斜
    線パターンの画像データにウィンドウを設定して、ウィ
    ンドウ内の画像データの重心を計算する手段と、 この重心を計算する手段に計算された重心の値に応じて
    ウィンドウを移動させる手段と、 前記重心を計算する手段によって計算された重心の値か
    ら画素の位置誤差を測定する手段と、を備え、自動読取
    機能によって原稿を読み取るときには、原稿搬送手段側
    に設けた前記斜線パターンを原稿と同時に読み取り、固
    定読取機能によって原稿を読み取るときには、前記コン
    タクトガラス上の端部に設けた前記斜線パターンを原稿
    と同時に読み取って位置誤差を測定することを特徴とす
    る画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記画素の位置誤差を測定する手段によ
    って測定されたデータに基づいて重み付け関数から補間
    係数を計算する手段と、計算された補間係数と読み取っ
    た画像データから原稿からの反射光を最初に受光する第
    1ミラーが搭載された第1キャリッジの副走査方向の位
    置誤差がないときに得られるはずの画像データを補間し
    て求める手段とをさらに備えていることを特徴とする請
    求項1または5記載の画像読取装置。
JP8235431A 1996-09-05 1996-09-05 画像読取装置 Pending JPH1079836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8235431A JPH1079836A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 画像読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8235431A JPH1079836A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 画像読取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1079836A true JPH1079836A (ja) 1998-03-24

Family

ID=16986014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8235431A Pending JPH1079836A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1079836A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011188021A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2012015855A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Ricoh Co Ltd 画像読取装置、画像形成装置および画像読取方法
JP2012239114A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Pfu Ltd 画像読取装置、画像処理方法、及びプログラム
CN103136838A (zh) * 2011-12-01 2013-06-05 日立欧姆龙金融系统有限公司 介质识别装置、纸币处理装置、介质识别方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011188021A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2012015855A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Ricoh Co Ltd 画像読取装置、画像形成装置および画像読取方法
JP2012239114A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Pfu Ltd 画像読取装置、画像処理方法、及びプログラム
US8873111B2 (en) 2011-05-13 2014-10-28 Pfu Limited Image reading device, image processing method and computer readable medium
CN103136838A (zh) * 2011-12-01 2013-06-05 日立欧姆龙金融系统有限公司 介质识别装置、纸币处理装置、介质识别方法
WO2013080485A1 (ja) * 2011-12-01 2013-06-06 日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 媒体認識装置、紙幣取扱装置、媒体認識方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008158110A (ja) 位置検出装置、回転体検出制御装置、回転体走行装置および画像形成装置
US6023537A (en) Image reading apparatus using an image reading position error measuring device
US6608705B1 (en) Image reading device and focus adjustment method thereof
JP3683375B2 (ja) ロータリエンコーダ
JPH1079836A (ja) 画像読取装置
JPH1051628A (ja) 画像読取装置
JPH1075331A (ja) 画像読取装置
JPH118734A (ja) 画像読取装置
JPH10248013A (ja) 画像形成装置および画像読取システム
JP3647982B2 (ja) 画素の位置誤差測定装置および画像読取装置
JP3556076B2 (ja) 画像の位置誤差測定装置
JP3517764B2 (ja) リニアスケール
JP3655383B2 (ja) 画素位置測定方法、画素位置測定装置および画像読み取り装置
JP3464736B2 (ja) 画素の位置誤差測定装置
JPH05199375A (ja) 複写機光学系の速度制御装置
JP3647981B2 (ja) 画像読取装置
JP3534920B2 (ja) 画像読取装置
JPH10126584A (ja) 画像読取装置
JPH09163081A (ja) 画像読取装置
JP3464737B2 (ja) 画像読取装置
JPH1065875A (ja) 画像読取装置
JP3614271B2 (ja) 画像読取装置
JPH1098584A (ja) 画素の位置誤差または原稿の走査速度の測定装置
JP2910600B2 (ja) 画像入力装置
JPH1032685A (ja) 画像読取装置