JPH10248013A - 画像形成装置および画像読取システム - Google Patents

画像形成装置および画像読取システム

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Publication number
JPH10248013A
JPH10248013A JP9050406A JP5040697A JPH10248013A JP H10248013 A JPH10248013 A JP H10248013A JP 9050406 A JP9050406 A JP 9050406A JP 5040697 A JP5040697 A JP 5040697A JP H10248013 A JPH10248013 A JP H10248013A
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JP
Japan
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pattern
image forming
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reading
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Pending
Application number
JP9050406A
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English (en)
Inventor
Takefumi Adachi
猛文 足立
Masaki Narita
昌樹 成田
Shinichiro Wada
真一郎 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な画像読取装置で位置誤差を簡単な演算
処理で検出し、高精度で読み取ることができる画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 原稿をコンタクトガラス上に給送し、原
稿上の画像を読み取って画像を形成する画像形成装置に
おいて、画像を形成する際に、画像を形成する転写紙1
0の外周の画像形成しない部分(画像処理用印字エリア
10b)に、画像処理用の斜線LNのパターンを形成す
る。このように画像形成装置の出力時にパターンも同時
に印字すると、あらかじめパターンが印刷された特殊な
紙や印字物などを用意する必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、読み取ったビット
マップ形式の画像データの位置誤差を測定して画像デー
タの画素の位置誤差を補正する画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の画像読取装置として例えば日本
機械学会第71期通常総会講演会講演論文集(IV)で
発表された「高精細画像入力装置の開発」(従来例1)
が知られている。ここでは、副走査方向に並べて配置さ
れた等ピッチラインのテストチャートを読み取った画
像、すなわち、副走査方向のライン間隔で離散化された
画像データに対して補間演算を行い、演算された結果か
ら、等ピッチラインの黒線、白線の中心位置を求め、テ
ストチャートの基準ピッチとの差を読み取ることで、装
置の振動などに起因する画像データの読み取り位置誤差
を検出するようになっている。
【0003】他の従来例として特開平6−297758
号公報「走査線ピッチ計測方法」(従来例2)がある。
この公知例は、等ピッチパターンのデータを書き込んだ
ハードコピーのパターンを読み取ってハードコピー装置
の書き込みの走査線のピッチむらを計測するようになっ
ている。
【0004】光学的リニアスケールとして、例えばオー
ム社から出版された「サーボセンサの基礎と応用」(大
島康次郎、秋山勇治共著)〔昭和63年2月20日発
行〕(従来例3)も知られている。この従来例では、リ
ニアスケールの一例としてポジションスケールを例に挙
げている。例に挙げられたリニアスケールは、全く等し
いピッチの明暗の格子をもった2枚1組のメインスケー
ルとインデックススケールとからなるガラススケール
と、そのスケールを照明するLEDからなる光源と、ス
ケールを透過した光を検知するフォトダイオードから構
成される。通常はインデックスケールが固定され、メイ
ンスケールが移動するがその移動に連れてフォトダイオ
ードの出力が変化する。出力は2枚のガラスの透過部が
一致したとき最大となり、透過部とクロム蒸着された不
透明部が重なったときには、出力は理想状態では0とな
る。したがって、その出力波形は理想的には三角波とな
るが、実際には明暗の格子ピッチが8μmと小さいた
め、光の回折の影響やクロム烝着面での反射の影響があ
り、近似正弦波の形で出力される。この出力波形の山の
間隔がスケールのピッチに相当するので、山の数を数え
ることにより移動量を知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
1では、等ピッチラインのパターンのエッジと読み取り
のサンプリングのタイミングとの位置関係との相違によ
り同じ形状のパターンを読み取って得られるデータがそ
れぞれ異なってしまうモアレという現象がある。読み取
ったデータはこのモアレによって必ずしもパターンのエ
ッジの位置と対応しないので、位置誤差の測定精度を劣
化させる。モアレの影響は、等ピッチラインパターンを
精細にして読み取り装置の分解能に近づけると非常に顕
著になり、条件によっては位置誤差の測定ができなくな
るほどになる。したがってこの方式では、読み取り装置
の分解能に近い、あるいはそれ以下の位置誤差を高精度
で測定することはできない。
【0006】また、等ピッチラインのパターンを使うの
で、モアレの影響を無視しても、高い周波数成分の位置
誤差を測定するためにパターンのピッチを精細にする
と、結像光学系のMTF(Modulation Tr
ansfer Ratio)の限界によって得られた画
像の濃淡の信号の差が小さくなり、測定精度が劣化せざ
るを得ない。
【0007】さらに、パターンの精細化では、測定の周
波数帯域を高い方向に広げ、精度を上げることができな
いのでサンプリングしたデータを補間する処理を行って
いる。より良い補間を行うには、より多くの周辺データ
を使ったり、複雑な演算処理が必要になり、処理時間が
長くなる。さらに補間はあくまでも補間であり、真のデ
ータとのずれが生じることは避けられず、測定精度を劣
化させる要因になる。また、光電変換装置の中の特定の
1つの受光素子が副走査方向に走査することによって得
られる画像データを使用しているので、受光素子そのも
のが持つノイズが測定そのものの精度に影響を与えて、
精度を劣化させる。
【0008】従来例2では、計測時には光電変換装置で
パターンを読み込んだデータを使うので、計測に当たっ
てはハードコピーの読み取り時の走査むらはないという
条件で読み取ってハードコピーのピッチむらを計測して
いる。その他、特に説明しないが、前述の従来例1と同
様のモアレの問題を有する。
【0009】従来例3では、上述のようなリニアスケー
ルにおいては、光源(LED)の発する光をコリメート
レンズで平行光線にしてメインスケールとインデックス
スケールの重なりを通過してくる光を受光素子で検出す
るようにしているので、微細かつ高精度のメインスケー
ル、インデックススケール、および精密なコリメートが
必要になる。その結果、当然コストも高くなってしま
う。
【0010】一方、一般に、例えばR、G、Bの複数の
イメージセンサが副走査方向に離間し、且つ平行に配列
されたライン走査型画像読取装置では、各センサにより
読み取られる原稿の同一位置の画像データには時間的な
ずれがあり、したがって、原稿の同一位置の画像データ
が各センサから得られるように補正を行わないとカラー
画像の読み取りにおいては色ずれが発生し、色を正しく
読み取ることができない。このずれは各センサの間隔と
読み取り走査速度に応じて決定され、また、走査速度に
むらがあると色ずれの原因となる。
【0011】上記不具合を避けるために、例えば特開平
6−22159号公報には読み取りキャリッジを駆動す
るモータの回転に伴って発生するパルスの間隔の期間
中、マイクロプロセッサが内部クロックを計数すること
によりモータの駆動速度を求めて実際の走査速度とし、
この走査速度に基づいて複数のセンサ間の位置ずれを補
正する方法が提案されている。この方法では、副走査方
向の下流のセンサに対して上流のセンサのデータが合わ
せられ、センサ間の位置ずれが補正される。
【0012】補正の内容は、複数のセンサ間の位置ずれ
の補正を目的とし、上流のセンサのデータの遅延量と、
1ラインに満たない遅延に対してはその前後のデータの
重み付け平均を取っている。ここで行われている補正
は、最も下流のセンサに対して上流のセンサのデータを
合わせるという補正で、センサ間のずれによる色ズレを
防止するようにしている。
【0013】この従来技術においては、副走査方向の走
査速度の検出を駆動モータの回転から検出しているが、
平面の上に置かれた原稿を走査して読み取る形式の読取
装置では、モータの回転運動を直線運動に変換する機構
が必要であり、それゆえ当該機構に起因する速度むらの
発生を完全に除去することはできない。また、モータの
回転むらとキャリッジの移動速度むらは必ずしも一致す
るものではないので、走査速度を正確に検出することが
できず、その結果、前記従来技術における速度データは
ライン間の位置ズレを補正するデータとして必ずしもふ
さわしくない場合もある。
【0014】さらに、上記従来の読取装置では、下流の
センサに対して上流のセンサのデータを合わせるので、
勿論、最下流のセンサから得られるデータに対して補正
する必要はない。ここで、補正を行わない最下流のセン
サから得られるデータに着目すると、読み取り走査速度
が変動した場合には一定速度で走査して読み取る場合に
比べると原稿上の読み取り位置がずれることになり、結
果として速度変動に伴う画像の伸び縮みが起きるという
問題点がある。
【0015】すなわち、上記従来の読取装置では、この
伸び縮みが生じるデータに対して上流のセンサのデータ
を補正しているので、結果として色ずれは防止できてい
ることになるが、カラー画像全体としては走査速度の変
動に伴う画像の伸び縮みを防止することができず、本来
の画素との位置ずれは残ることになる。また、この従来
の読取装置では、複数のラインセンサの間隔が変化しな
いものとして補正基準としているので、1つのセンサの
みを有する読取装置には適用することができない。
【0016】一方、高画質化が進んでいる昨今、読み取
り装置も600DPIは当然の読み取り密度となってき
ている。しかし、高画質化が進むにつれ、ジターや画素
ずれなどの異常画像に対する評価がシビアになってきて
いる。そのため、読み取り装置の送り機構はますます高
精度化傾向にあり、当然、読み取り装置は高価にならざ
るを得ない。
【0017】本発明はこのような背景に鑑みてなされた
もので、第1の目的は、安価な画像読取装置で位置誤差
を簡単な演算処理で検出し、高精度で読み取ることを可
能とする画像形成装置を提供することにある。
【0018】第2の目的は、前記画像形成装置によって
形成された転写媒体の画像を使用して、原稿の搬送速度
ムラとキャリッジの速度ムラによる画像の伸び縮みのな
い原稿に忠実な画像データを得ることができる安価な画
像読取システムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、第1の手段は、原稿をコンタクトガラス上に
給送し、原稿上の画像を読み取って画像を形成する画像
形成装置において、画像を形成する際に、画像を形成す
る転写媒体の外周の非画像形成部分に画像処理用のパタ
ーンを形成することを特徴としている。
【0020】このように画像形成装置の出力時にパター
ンも同時に印字すると、あらかじめパターンが印刷され
た特殊な紙や印字物などを用意する必要がなくなる。ま
た、普通紙が使用できるので、安価に提供することが可
能になる。
【0021】前記第1の目的を達成するために、第2の
手段は、第1の手段における画像処理用のパターンを、
主走査方向または副走査方向に対して一定の傾きの線を
等ピッチで並べて形成された複数の斜線から構成したこ
とを特徴としている。
【0022】このように一定の傾きを持ったパターンを
印字すると、その画像を読み取ったときに画像処理が容
易になる。
【0023】前記第1の目的を達成するため、第3の手
段は、第1の手段における非画像形成部分を転写媒体の
外周から1インチの範囲内の領域に設定したことを特徴
としている。
【0024】前記第2の目的を達成するため、第4の手
段は、画像形成装置と画像読取装置とから画像形成シス
テムを構成し、画像形成装置は第1ないし第3の手段の
いずれかの画像形成装置からなり、画像読取装置は、前
記画像形成装置によって画像を転写する転写媒体に形成
され、あらかじめ主走査方向または副走査方向に対して
一定の傾きを有する線を等ピッチで並べて構成された画
像処理用のパターンを光学的に読み取って電気信号に変
換する手段と、この変換する手段によって電気信号に変
換された前記斜線パターンの画像データにウィンドウを
設定してウィンドウ内の画像データの重心を計算する手
段と、この重心を計算する手段に計算された重心の値に
応じてウィンドウを移動させる手段と、前記重心を計算
する手段によって計算された重心の値から画素の位置誤
差を測定する手段とを備え、前記画像読取装置は、前記
画像形成装置によって形成された画像処理用のパターン
をあらかじめ設定された一定の時間間隔で線順次に走査
して読み取って画素の位置誤差を測定することを特徴と
している。
【0025】前記第2の目的を達成するため、第5の手
段は、第4の手段における画像読取装置に、測定された
画素の位置誤差から画素位置を補正する手段をさらに設
けたことを特徴としている。
【0026】これにより画像形成装置側にジターなどが
発生しても、読取時に発生したジターを画像処理するこ
とができ、データとしてジターの修正が可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。
【0028】1.画像読取装置の概略構成 図1に本発明の実施形態に係るADFを備えた画像読取
装置の概略を示す。同図において、コンタクトガラス1
は筐体2により支持され、ブック原稿などの原稿を固定
して読み取る場合には、原稿を読み取り面を下にしてコ
ンタクトガラス1上に載置する。コンタクトガラス1上
の原稿は照明ランプ18とリフレクタ19の反射光によ
って照明され、読み取り面の反射光が第1ミラー3、一
体に構成された第2ミラー20および第3ミラー21に
より順次反射され、次いでレンズ22によって光電変換
装置上のライン状に並べられた光電変換素子(CCD)
23の受光面に結像され、光学的に読み取った画像を電
気信号に変換する。第1ミラー3、照明ランプ18、第
2ミラー20および第3ミラー21は図示しない走行体
駆動モータを駆動源として図示A方向に移動するように
構成されている。なお、第1ミラー3および照明ランプ
18は図示しない第1キャリッジに取り付けられてお
り、同じく図示しない駆動装置によって原稿を線順次に
読み取るため、原稿面との距離を一定に保った状態で移
動する。第2ミラー20と第3ミラー21は、図示しな
い第2キャリッジに取り付けられ、第1キャリッジの1
/2の速度で第1キャリッジと同様に移動する。このよ
うな構成で原稿を走査することによってコンタクトガラ
ス21上の所定の範囲の画像を線順次で読み取る。
【0029】自動給紙される原稿を読み取る場合には、
原稿トレイ12に載置された原稿Pは、通常の読み取り
動作では、ピックアップローラ13、レジストローラ対
31,32、搬送ドラム15および搬送ローラ4によっ
て読み取り位置Bを経て、排紙ガイド24から排紙ロー
ラ対25に送り込まれ、排紙トレイ26上に排出され
る。原稿は読み取り位置Bを通過する際に、読み取り位
置近傍に移動している照明ランプ18とリフレクタ19
の反射光によって照明され、原稿に照射された照明光の
反射光が第1ミラー3、第2ミラー20および第3ミラ
ー21で走査される。その後、反射光はレンズ22によ
って集光されて光電変換素子(CCD)23に照射さ
れ、当該光電変換素子23によって光電変換される。
【0030】なお、図1においては、コンタクトガラス
1、筐体2、照明ランプ18、リフレクタ19、第1ミ
ラー3、第2ミラー20、第3ミラー21、光電変換素
子(CCD)23および走行体駆動モータによってスキ
ャナ(画像読取装置本体)100が構成され、原稿トレ
イ12、ピックアップローラ13、レジストローラ対3
1,32、搬送ドラム15、排紙ガイド24、排紙ロー
ラ対25および排紙トレイ26によって自動原稿給送装
置(ADF)200が構成されている。
【0031】図2は、図1に示した画像読取装置本体の
平面図で、コンタクトガラス1、筐体2、シェーディン
グ補正の基準データを光電変換部に与えるための基準濃
度板9の配置の状態を示していている。ここで、基準濃
度板9が鎖線で示してあるのは、光電変換装置23で読
み取れるように読取装置の外面には出ていないことを示
すためである。
【0032】2.画像形成装置 図3は画像形成装置の概念的構成を示すブロック図であ
る。この画像形成装置は、図1のような画像読取装置1
00と、公知の電子写真方式の画像形成装置300とか
らなり、画像形成装置300には画像処理部301と、
転写媒体である転写紙に画像を形成するためのパターン
を記憶したパターン記憶部302と、パターン記憶部3
02からパターンを引き出して画像処理する画像処理部
301からの画像データに基づいて画像を形成する画像
形成部303とが設けられ、画像読取装置100で読み
取り、画像処理部301で処理された画像にパターン記
憶部302に記憶されている画像が図4および図5に示
すように転写紙10の画像形成領域(画像印字エリア)
10aの外側の領域(画像処理用印字エリア)10bに
形成され、印字画像400として出力される。
【0033】このパターンは図4に示すように斜線LN
のパターンでもよいし、図5に示す用に格子LPのパタ
ーンでもよい。一般には斜線LNのパターンよりも格子
LPのパターンの方が違和感なく受け入れられる。な
お、ここでは、この2つのパターンを図示しているが、
その他、いろいろなパターンでも斜線パターンが入って
いればよい。斜線LNのフォーマットは、この実施形態
では、パターン記憶部302に格納されているが、ホス
トコンピュータ上で合成することも可能であり、ホスト
コンピュータ上で合成すれば、簡単に利用することがで
きる。
【0034】また、プリンタの操作部から、もしくはコ
マンドなどによってフォーマットの有無を指示できるよ
うにしておけば、必要なときのみフォーマットの印刷が
可能になる。
【0035】現在プリントアウトされる画像の用紙(転
写紙)の外周1/6ないし1/4は印字されていない。
これは用紙の先端は定着巻き付きジャム防止のため、あ
るいはレジスト調整のためである。そこで、この印字さ
れていない画像エリア10bを前述のパターン印字に使
用すれば、簡単にこのパターンを得ることができる。な
お、用紙の先端は黒べたでなければ、定着巻き付きジャ
ムは発生しにくいので、図4または図5に示したような
パターンを形成しても問題はない。また、図4および図
5では、用紙の外周から1インチの範囲内に斜線パター
ンLNもしくは格子パターン(2つの方向の異なる斜線
パターンの複合パターン)LPが印字された転写紙10
の状態を示している。これらのパターンの斜線LNのピ
ッチPは、この実施形態ではインチ基準で形成されてい
る。図4に示すように転写紙10の外周の全てにパター
ンが印字されているが場合には、転写紙10の送り方向
に対して縦送りでも横送りでもよいことになる。
【0036】例えば斜線LNのパターンのピッチが0.
5インチであれば、300DPIで読み込むときには、
斜線LN間のDPIは150ドットの読み込みとなる。
1インチなら300ドットとなり、画像の伸びや縮みを
補正する目安となる。その他のDPIでも同様である。
【0037】3.システム構成 図6に本発明の実施形態に係る画像読取装置に組み込ま
れる位置誤差測定装置のシステム構成を示す。なお、こ
の位置誤差測定装置は画像読取装置への付加機能として
組み込まれ、リアルタイムで画素の位置誤差を測定する
ものである。
【0038】すなわち、位置誤差測定装置は、光電変換
部101と、A/D変換部102と、シェーディング補
正部103と、斜線判別部104と、位置誤差測定部1
05と、位置誤差補正部106と、制御部107とから
構成されている。光電変換部101は、この実施形態で
はラインCCDからなり、読み取った画像が電気信号に
変換される。電気信号に変換された画像はA/D変換部
102でデジタルの多値の画像データに変換される。変
換されたデータは照明の不均一さ、レンズの周辺光量の
低下、光電変換部101の画素間の感度の違いなどをシ
ェーディング補正部103で補正され、補正されたデー
タは斜線判別部104に入力される。斜線判別部104
では、画像データの斜線パターン部分LNを判別し、そ
の判別結果を制御部107に出力する。また、画像デー
タは位置誤差測定部105に入力され、測定結果の誤差
信号を位置誤差補正部106に出力する。位置誤差補正
部106では、画像データと位置誤差データである誤差
信号から位置誤差を補正した画像データを生成し、ビデ
オ信号として出力する。なお、各部(101〜106)
は制御部107によってそれぞれタイミングの制御、動
作条件の設定などがなされ、相互に関連して動作するよ
うになっている。
【0039】4.測定原理 引き続き、位置誤差測定部105における読取誤差の測
定原理について説明する。
【0040】まず、位置誤差を測定する処理は以下のよ
うになる。
【0041】図7の矢印で示す主走査方向は、ラインC
CD23が線順次で同時に読み取る1ラインの画素の並
びと、この並列データを直列データに変換したときの時
間軸上の順序を示している。また、矢印で示す副走査方
向は、主走査方向の1ラインを読み取る範囲を順次移動
させながら読み取る方向を示している。
【0042】図7において主走査方向と副走査方向の各
平行な線により囲まれた4角形領域を画素とすると、こ
の画素により構成される平面は、原稿の画像を電気信号
に変換した場合に原稿画像の写像がそのまま並んでいる
という形で捉えることができる。なお、これはビットマ
ップということもある。このデータはラインCCD23
からリアルタイムで出力される時には主走査方向、副走
査方向が時間的な順序を有するが、メモリに取り込んだ
状態ではそれぞれの画素を任意にアクセスすることがで
きるので、主走査方向、副走査方向、時間の順序にとら
われないで扱うことができる。
【0043】図7はまた、主走査方向、副走査方向の画
素サイズが等しい場合において、副走査方向の走査速度
が変動しないときの45°の斜線LNの読み取りデータ
aと、走査速度が変動するときの読み取りデータbをビ
ットマップに対応させて示している。すなわち、読み取
りデータaは副走査方向の読み取りタイミングを制御す
るクロックに対応する所定の一定速度で走査したときを
示し、ビットマップとしても45°の斜線像である。
【0044】これに対し、読み取りデータbは走査速度
の変動に応じて傾きが異なる。副走査方向の区間A−B
は走査速度が「0」のときを示し、この場合には副走査
方向の読み取りタイミングを制御するクロックによりビ
ットマップのアドレスが進んでも読み取り位置が変わら
ないので、副走査方向に平行な線となる。また、区間B
−Cは走査速度が所定速度の1/2のときを示し、この
場合にはビットマップのアドレスが進んでもその半分し
か進まない位置の画像を読み取るのでその読み取り画像
の角度は約26.57°(tan θ=0.5)である。区
間C−Dは所定速度で走査しているときを示し、45°
の角度が得られる。D以降の区間は走査速度が所定速度
の2倍の場合を示し、その角度は約63.4°である。
【0045】したがって、走査速度が変動すると像の傾
きが異なることを測定原理として、言い換えれば斜線の
主走査方向への移動量が副走査方向に移動速度に対応す
ることを測定原理として、副走査方向の走査速度のむら
と、ミラー、レンズ、光電変換部(CCD)の振動など
に起因するビットマップ画像の画素の位置誤差を測定す
ることができる。
【0046】なお、図7では正方形の画素を示したが、
画素が正方形ではなく、例えば主走査方向の分解能が4
00dpi、副走査方向の分解能が600dpiのよう
な画素にも適用することができる。また、45°以外の
斜線を用いても同様に、斜線画像の主走査方向への移動
量が副走査方向の読み取り速度に依存するという関係が
成立するので、画素の位置誤差を計測することができ
る。
【0047】5.斜線パターン判別処理 次に、斜線判別部における斜線パターン判別処理につい
て説明する。図8は図7と同様にビットマップに斜線が
有る場合を示し、図9はその場合の8ビッ(0〜25
5)の読み取り値を示している。なお、0=白、255
=黒であり、主走査方向の座標をXn、副走査方向の座
標をYmとしている。また、図10は主走査方向3画素
×副走査方向3画素の斜線パターン検知用ウィンドウを
示し、図10(a)〜(e)はそれぞれ主走査方向に1
画素ずつシフトしたウィンドウを示している。
【0048】ここで、図10(a)に示すウィンドウ
(X2〜X4、Y1〜3)内の中心画素の挟む対角方
向、すなわち中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素
値の和Paと右下斜め方向の3つの画素値の和Qaを計
算すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =3+1+1=5 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =3+4+8=15 となる。
【0049】同様に、図10(b)〜(e)について求
めると、 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =1+4+2=7 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =13+8+201=222 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =4+2+3=9 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =216+201+250=667 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =2+18+13=33 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =248+250+252=750 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =18+220+216=454 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =250+252+249=751 となる。
【0050】次に、中心画素と右下斜め方向の3画素
(中心画素を含む)の差Rを求めると、 Ra=15−5=10 Rb=222−7=215 Rc=667−9=658 Rd=750−33=717 Re=751−454=297 となる。
【0051】この差Rの値が大きい場合に3×3画素の
ウィンドウ内に斜線パターンが有ることを示す。したが
って、例えばRの値が500以上の場合に斜線パターン
が有ると判断すれば図10(c),(d)に示すウィン
ドウ内に斜線パターンが有ると判断することができる。
【0052】次に、図11を参照して他の斜線パターン
判別処理を説明する。図11(a)〜(e)はそれぞれ
図10(a)〜(e)に示すウィンドウ内の各値を閾値
=128で2値化した場合を示し、同様に各ウィンドウ
内の中心画素を含む左上斜め方向の3つの画素値の和P
a〜Peと右下斜め方向の3つの画素値の和Qa〜Qe
を計算すると、 Pa=(X2,Y1)+(X3,Y1)+(X2,Y2) =0+0+0=0 Qa=(X4,Y2)+(X3,Y3)+(X4,Y3) =0+0+0=0 Pb=(X3,Y1)+(X4,Y1)+(X3,Y2) =0+0+0=0 Qb=(X5,Y2)+(X4,Y3)+(X5,Y3) =0+0+1=1 Pc=(X4,Y1)+(X5,Y1)+(X4,Y2) =0+0+0=0 Qc=(X6,Y2)+(X5,Y3)+(X6,Y3) =1+1+1=3 Pd=(X5,Y1)+(X6,Y1)+(X5,Y2) =0+0+0=0 Qd=(X7,Y2)+(X6,Y3)+(X7,Y3) =1+1+1=3 Pe=(X6,Y1)+(X7,Y1)+(X6,Y2) =0+1+1=2 Qe=(X8,Y2)+(X7,Y3)+(X8,Y3) =1+1+1=3 となる。
【0053】次に、中心画素と右下斜め方向3画素(中
心画素を含む)の差Ra〜Reを求めると、 Ra=0−0=0 Rb=1−0=1 Rc=3−0=3 Rd=3−0=3 Re=3−2=1 となる。
【0054】したがって、この場合にも同様にこの差R
の値が大きい場合に3×3画素のウィンドウ内に斜線パ
ターンが有ることを示し、例えばRa〜Reの値が2以
上の場合に斜線パターンが有ると判断すれば図11
(c), (d)に示すウィンドウ内に斜線パターンが有
ると判断することができる。また、このように画素値を
2値化することにより、加算演算を簡単にすることがで
きる。
【0055】図12(a)〜(d)は斜線パターン検出
用のマッチングパターンを示し、図中の白領域は
「0」、黒領域は「1」を表している。先ず、画像デー
タを図10に示すように2値化し、その2値化データと
図12(a)〜(d)に示すマッチングパターンを比較
し、合致した場合に斜線パターンがあると判断する。こ
の例では、図11(c)と図12(b)、及び図11
(d)と図12(a)が合致しており、このウィンドウ
内に斜線パターンがあると判断される。
【0056】なお、上記実施形態では、ウィンドウの大
きさを3×3としたが、もちろんウィンドウサイズが異
なる場合にも同様な判断方法により斜線パターンを検知
することができる。但し、一般にウィンドウサイズが大
きい程、判別精度は上がるが、その分処理時間が長くな
り、また回路規模も大きくなる。
【0057】6.位置誤差の測定処理 次に、位置誤差測定部における位置誤差の測定処理につ
いて説明する。図13は図7に示すビットマップにおけ
る複数個の斜線(図では3本の斜線K1 〜K3)を示
し、また、この複数個の斜線を用いて位置誤差を測定す
るための10×3のサイズのウィンドウWを示してい
る。先ず、ウィンドウW内のデータ位置を求めるために
主走査方向の重心を演算し、以下、斜線K2に対するW
1 →W2 →W3 のようにウィンドウWを斜め左下45°
の方向に1画素ずつシフトする。そして、斜線K2の最
後のウィンドウWn に到達すると、ウィンドウWを主走
査方向のみに移動させて次の斜線K3のウィンドウWn+
1 に移動させる。
【0058】ここで、重心の主走査方向の位置は、45
°の斜線の場合、画素の位置が何らかの誤差要因により
移動することがなければ、図のようにウィンドウWをシ
フトさせると主走査方向に1画素ずつ移動する筈であ
る。また、画素の移動量が1画素分でない場合には、何
らかの原因により画素の位置が変動したことになり、し
たがって、位置誤差を求めることができる。位置誤差の
主要な要因が副走査方向の走査速度のむらによることが
分かっている場合には、位置誤差のデータから速度むら
にデータを変換することは容易である。
【0059】ここで、CCD固有のノイズを始めとして
様々なノイズが画像データに含まれているが、重心を求
めるために周辺の画素のデータを含む多数の画素のデー
タを用いているので、重心を求める過程でノイズの影響
を軽減してS/N比が高い測定が可能となる。この場
合、通常、ウィンドウの画素の数が多い程、S/N比が
高くなる。ウィンドウの形状は、主走査方向の重心を求
めるので主走査方向に大きいほうが望ましく、副走査方
向のサイズは1ラインでも測定可能である。
【0060】7.重心の測定処理 次に、重心の測定処理は、図14のフローチャートに示
す手順で行われる。この処理は、原稿の走査開始と同時
にスタートし、先ず、主走査方向、副走査方向の各座標
値X、Yがイニシャライズ(X=0,Y=0)される
(ステップS1)。この座標値X、Yは斜線判別用の例
えば3×3のウィンドウ内のある画素位置例えば中心画
素の座標となる。次に、1本の斜線に対する測定回数を
示す変数iがイニシャライズ(i=0)される(ステッ
プS2)。
【0061】次に位置誤差測定部105により斜線判別
用の3×3のウィンドウ内に斜線パターンが存在するか
否かが判断され(ステップS3)、無い場合にはその3
×3のウィンドウを主走査方向に1画素分シフト(X=
X+1)する(ステップS4)。なお、このシフト量は
ウィンドウの大きさ、斜線の太さに応じて決められ、1
画素以上でもよい。ステップS3において斜線パターン
が存在する場合には、重心測定用の例えば10×3のウ
ィンドウW1 を設定し、そのウィンドウW1 内の重心を
求める(ステップS5)。このとき、ウィンドウW1 の
大きさ、斜線の太さに応じて、斜線と判別された画素の
位置から主走査方向に整数画素分だけシフトし、斜線の
部分がウィンドウW1 の中心付近になるようにウィンド
ウW1 を設定してもよい。
【0062】重心の測定を終了すると、重心のズレを計
算し(ステップS6)、次いで主走査方向に−1画素
分、副走査方向に+1画素分シフトしたウィンドウW2
を設定し、また、測定回数用のカウント値iを1つイン
クリメントする(ステップS7)。なお、この実施形態
では、ウィンドウWを1画素ずつ移動させているが、画
素の位置誤差を起こす原因となる振動などの周波数帯域
が低い場合には、2画素以上ずつ移動させてもよく、こ
の方法により測定に要する時間を短縮することができ
る。
【0063】次いで、予め設定された同一ラインの測定
回数nに対してi=nとならない場合にはステップS8
からステップS5に戻り、他方、i=nとなった場合す
なわちウィンドウWn に達した場合には次の斜線のウィ
ンドウWn+1 に移動させる(ステップS8→S9)。そ
の方法としては、斜線の主走査方向の間隔に相当する画
素分より整数画素mだけ、ウィンドウ座標を主走査方向
にシフトした後、測定カウント値iをクリアし(ステッ
プS2)、斜線判別処理(ステップS3)に戻る。以下
同様に、1本の斜線に対してウィンドウWn+1 、Wn+2
、Wn+3 〜のように移動させて位置誤差を測定する。
【0064】このように複数の斜線を用いて位置誤差を
測定することにより、読取装置の読み取り範囲が縦長で
あっても、副走査領域の全域に渡って位置誤差を測定す
ることができる。更に、主走査方向の狭い幅だけ測定す
るので、主走査方向の中央部、手前、奥側のように分け
て測定することもできる。また、高い分解能で位置誤差
を測定する場合にも、斜線のパターンを細くする必要は
全くなく、システムのMTFの制約を受けずに幅が広い
パターンを用いることができる。
【0065】更に、幅が広いパターンを用いた場合、幅
に応じてウィンドウも大きくなるので結果として測定精
度を向上させることができる。したがって、斜線の幅は
処理速度、リアルタイム処理を行う場合にはバッファの
サイズ、回路規模の経済性などとのバランスを考慮して
設定すればよい。また、幅が広いパターンを用いてその
片側のエッジを検出することにより位置誤差を測定する
ことができる。更に、例えば副走査方向の読み取りタイ
ミングに関係なく白黒パターンを副走査方向に配列する
とモアレの発生が問題となるが、本実施形態では副走査
方向の読み取りタイミングと斜線の関係は常に同じであ
るのでモアレの発生が問題とならず、その結果、高精度
で位置誤差を測定することができる。
【0066】8.ウィンドウデータと重心の計算 次に、ウィンドウのデータと重心の計算について詳細に
説明する。
【0067】図15はウィンドウデータと斜線パターン
の各画素の読み取り値の関係を示し、読み取り値は8ビ
ットであって10進(0〜255)で示されている。主
走査方向の重心を求めるには、副走査方向の各列(3ラ
イン分)の和を求め、図に示すようにこれを左側からX
0〜X9として、それぞれ18、50、202、42
7、590、562、345、150、37、14を求
める。そして、各画素の主走査方向の中心座標を左から
順に0〜9とし、主走査方向の重心位置をRmとする
と、重心位置Rmの回りのモーメントは0になるので、 X0(Rm−0)+X1(Rm−1)・・・+X9(R
m−9)=0 が成り立ち、数値を代入して計算するとRm=4.36
2が得られる。
【0068】重心を求める理由は、補間などの前処理を
必要とせず、演算を簡素化、高速化することができるか
らである。また、画像位置を求める場合、各列毎のデー
タの和の並びから補間により所定の分解能のデータ列を
得て、そのデータからピーク値が存在する位置を求める
方法を用いることができる。
【0069】9.チャートの重心の計算 次に、複数本の斜線から成るチャートの重心を計算する
場合について説明する。図13に示すように複数本から
成る斜線の重心を計算する場合、同一線上の線では問題
とならないが、違う線にウィンドウが移動したときには
移動前と移動後では斜線の主走査方向の間隔が丁度、整
数画素数でない限り重心の値が異なるので、補正しなけ
ればならない。一例として図13に示す斜線K2のウィ
ンドウWn の重心の値Rn が4.65となり、次の斜線
K3に移動した場合のウィンドウWn+1 の重心の値Rn+
1 が4.38、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 が
4.40、ウィンドウWn+3 の重心の値Rn+3 が4.4
1となった場合、ウィンドウが移動したラインにおける
重心の差ΔRを計算すると、 ΔR=Rn −Rn+1 =4.65−4.38=0.27 となる。
【0070】この値ΔRを斜線K3の重心の値に加算
し、この加算結果を重心の値として位置誤差を求める。
この場合、ウィンドウWn+2 の重心の値Rn+2 、ウィン
ドウWn+3 の重心の値Rn+3 は、 Rn+2 =Rn+2 +ΔR=4.40+0.27=4.67 Rn+3 =Rn+3 +ΔR=4.41+0.27=4.68 となる。したがって、このように複数本の斜線からなる
チャートを使用しても、連続して高精度で位置誤差を測
定することができる。ただし、斜線K2のウィンドウW
n から斜線K3のウィンドウWn+1 に移動する場合、斜
線K2、K3は主走査方向に同時に存在しなければなら
ない。
【0071】図16は斜線の配置関係を示し、長さL1
の複数の斜線が主走査方向に対して角度θで配置され、
主走査方向の斜線の始点と終点の位置が同一の場合、主
走査方向の斜線間隔をL2 とすると、 L2 <L1 ×cos θ ・・・(1) の関係が成り立つように斜線を配置すれば、斜線は主走
査方向には重なるので、ウィンドウを主走査方向に移動
して次の斜線の重心を連続して測定することができる。
ここで、斜線の長さL1 と斜線の始点、終点の主走査方
向の位置は式(1)の大小関係が大きいほど精度を必要
としなくなる。
【0072】10.位置誤差補正処理 位置誤差補正部106における読み取りデータの補正は
次のようにして行われる。
【0073】すなわち、この実施形態では3次関数コン
ボリューションを利用して補正を行う。図17に3次関
数コンボリューションを利用した補正のモデル図を、図
18に補正の処理手順を示すフローチャートを示す。図
から分かるように速度ムラがない場合の副走査方向の画
素位置は、画素列Pで示すように等間隔となる。しか
し、速度ムラがある場合には、画素列Qで示すようにそ
の間隔はばらついて正しい位置から外れてくる。図は本
来Pn の位置になければならない画素が実際には画素Q
n の位置にあることを示している。
【0074】ここで、nライン目のある走査方向のデー
タPn の画像データ(濃度データ)を画素列Qの画像デ
ータと位置データとから重み関数である3次関数コンボ
リューションを使用して作成する例について説明する。
【0075】3次関数コンボリューションを利用する場
合、理想的なnライン目(Pn )の位置から2画素分以
内(r0 )のデータを位置誤差データから検出する(ス
テップ171,172)。この場合は、Qn 、Qn+1 、
Qn+2 、Qn+3 、Qn+4 のデータが対象となる。ここで
2画素分以内としているのは、r0 以上のデータは補正
係数を0として取り扱うのでそれ以上のデータは必要が
ないためである。そして、各データのPn からの距離r
によって各データQにおける補間関数h(r )を求め
る。これが補正係数となる(ステップ173)。ここ
で、補間関数h(r)はsinx/xの区分的3次多項
式近似で中心からの距離rによって以下の式、すなわ
ち、 h(r )=1−2|r|2 +|r|3 ・・・(2) ただし、0≦|r|<1 h(r )=4−8|r|+5|r|2 −|r|3 ・・・(3) ただし、1≦|r|<2 h(r )=0 ・・・(4) ただし、2≦|r| で表わされる。そして、この補間関数h(r )のもと
で、補正係数を対応するQのデータに掛けて、Pn を求
める。また、濃度ムラを補正するために各補正係数の合
計が1になるように分母に補正係数の合計をとる。すな
わち、 Pn ={Qn ・h(r1)+Qn+1 ・h(r2)+Qn+2 ・h(r3) +Qn+3 ・h(r4)+Qn+4 ・h(r5)}/{h(r1) +h(r2)+h(r3)+h(r4)+h(r5)} ・・・(5) となる(ステップ174)。
【0076】この制御をnライン目の各主走査方向のデ
ータにおいて終了したら、n+1ライン目へのラインを
シフトしていき、最終ラインまで繰り返し行う(ステッ
プ175)。このとき式(5)において補間係数h(r
)と分母の補間係数の和の計算とその逆数の計算は、
対応する主走査方向の画像データの補正の前に1回実行
すればよい。このように制御することによって前述のよ
うにして測定した位置誤差データに基づいて、読み取っ
た画像データから正しい位置で読み取った場合の画像デ
ータを作成することができ、これによって位置誤差を補
正することが可能になる。
【0077】このようにして補正した前後の状態を図1
9に示す。通常の読取装置はキャリッジが走査を開始し
てから一定速度になった後に画像の読み取りを開始する
が、図19(a)では位置誤差を大きく見せるためにキ
ャリッジが走査を開始した直後から画像の読み取りを始
めたものを図示している。このとき、45度の斜線も同
時に読み込んでおり、この斜線パターン部分の画像から
前述の方式で位置誤差を求め、その位置誤差データと読
み取った画像データとから位置誤差を補正した画像が図
19(b)に示すものである。このようにして補正する
ことによってたとえ位置誤差を非常に大きく読み取って
しまったとしても、原稿に忠実な画像を再現できること
がわかる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、原稿をコンタクトガラス上に給送し、原稿上
の画像を読み取って画像を形成する画像形成装置におい
て、画像を形成する際に、画像を形成する転写媒体の外
周の非画像形成部分に、画像処理用のパターンを形成す
るので、位置誤差補正用のパターンが印刷された特別な
用紙やスケールなどを別途用意する必要がなく、簡便に
位置誤差補正用のパターンを用意することができ、しか
も、特別な用紙でなく、普通紙でよいので、安価であ
る。また、この画像処理用のパターンを画像読取装置で
読み取って補正することによって安価な画像読取装置で
も高精度の画像補正が行える。
【0079】請求項2記載の発明によれば、パターンの
傾きが一定であり、かつ等間隔であるでの、そのパター
ンを読み取った後の画像処理が容易になる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、非画像形成
部分が用紙の外周から1インチの範囲内に設定されてい
るので、ユーザはあらかじめ用紙の外周に位置誤差補正
用のパターンが形成されることを予測することができ
る。
【0081】請求項4記載の発明によれば、画像形成装
置によって転写媒体に形成された斜線パターンを光学的
に読み取って電気信号に変換し、変換されたする手段に
よ斜線パターンの画像データにウィンドウを設定して、
ウィンドウ内の画像データの重心を計算し、計算された
重心の値に応じてウィンドウを移動させ、重心を計算す
る手段によって計算された重心の値から画素の位置誤差
を測定するので、安価なシステムで画素の位置誤差の測
定が可能となり、原稿の搬送速度ムラとキャリッジの速
度ムラによる画像の伸び縮みのない原稿に忠実な画像デ
ータを得ることができる。
【0082】請求項5記載の発明によれば、測定した画
素の位置誤差から画素位置を補正するので、補正された
画素位置に基づいて原稿の搬送速度ムラとキャリッジの
速度ムラによる画像の伸び縮みのない原稿に忠実な画像
データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るADFを備えた画像
読取装置の概略構成図である。
【図2】図1における画像読取装置本体の平面図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置によって形成された斜線パターン
の一例を示す平面図である。
【図5】画像形成装置によって形成された斜線のパター
ンの他の例(格子パターン)を示す平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像読取装置に付設さ
れる位置誤差測定装置のシステム構成を示すブロック図
である。
【図7】走査速度の変動に応じた斜線パターンの読み取
りデータを示す説明図である。
【図8】斜線パターンを拡大して示す説明図である。
【図9】図8の斜線パターンの読み取り値を示す説明図
である。
【図10】斜線判定用ウィンドウを示す説明図である。
【図11】他の斜線判定用ウィンドウを示す説明図であ
る。
【図12】斜線判定用マッチングパターンを示す説明図
である。
【図13】重心測定用ウィンドウを示す説明図である。
【図14】画像読取装置における重心の測定処理を説明
するためのフローチャートである。
【図15】重心測定用ウィンドウにおける読み取り値及
び重心測定方法を示す説明図である。
【図16】パターンの長さ及び角度を示す説明図であ
る。
【図17】3次関数コンボリューションによる補正処理
を説明するための図である。
【図18】3次関数コンボリューションによる補正処理
の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】3次関数コンボリューションによる補正処理
における補正前と補正後の画像の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 コンタクトガラス 2 筐体 3,20,21 ミラー 10 転写紙(用紙) 10a 画像印字エリア 10b 画像処理用印字エリア 22 レンズ 23 光電変換素子(ラインCCD) 40 搬送ローラ 41 搬送ベルト 100 ADF(自動原稿給送装置) 101 光電変換部 102 A/D変換部 103 シェーディング補正部 104 斜線判別部 105 位置誤差測定部 106 位置誤差補正部 107 制御部 200 スキャナ 300 画像形成装置 301 画像処理部 302 パターン記憶部 303 画像形成部 P 原稿 LN 斜線 LP 格子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿をコンタクトガラス上に給送し、原
    稿上の画像を読み取って画像を形成する画像形成装置に
    おいて、 画像を形成する際に、画像を形成する転写媒体の外周の
    非画像形成部分に画像処理用のパターンを形成すること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画像処理用のパターンが主走査方向
    または副走査方向に対して一定の傾きを有する線を等ピ
    ッチで並べて形成された複数の斜線からなることを特徴
    とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記非画像形成部分が転写媒体の外周か
    ら1インチの範囲内の領域に設定されていることを特徴
    とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の画像形成装置と、 この画像形成装置によって画像を転写する転写媒体に形
    成され、あらかじめ主走査方向または副走査方向に対し
    て一定の傾きを有する線を等ピッチで並べて構成された
    画像処理用のパターンを光学的に読み取って電気信号に
    変換する手段、この変換する手段によって電気信号に変
    換された前記斜線パターンの画像データにウィンドウを
    設定してウィンドウ内の画像データの重心を計算する手
    段、この重心を計算する手段に計算された重心の値に応
    じてウィンドウを移動させる手段、および前記重心を計
    算する手段によって計算された重心の値から画素の位置
    誤差を測定する手段を有する画像読取装置とを備え、 前記画像形成装置によって形成された画像処理用のパタ
    ーンをあらかじめ設定された一定の時間間隔で線順次に
    走査して読み取って画素の位置誤差を測定することを特
    徴とする画像読取システム。
  5. 【請求項5】 前記画像読取装置が、測定された画素の
    位置誤差から画素位置を補正する手段をさらに備えてい
    ることを特徴とする請求項4記載の画像読取システム。
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