JPH0532603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は錠装置と引寄せ装置の組合せ構造に関
するものである。

従来錠装置と引寄せ装置の組合せたものにおい
て、錠装置のラツチは障子の開いた状態において
も施錠位置に突き出されるので、ついうつかりし
てその突出状態にて扉を閉じラツチや扉の縦框や
出入口の縦枠を破損また損損傷させる。

本考案は上記に鑑み、錠装置と引寄せ装置の動
作を関連させて、扉が開いているときは錠装置の
ラツチは引寄せ装置の上下動する駆動杆の妨げに
て突出できないように構成して、ラツチ等の破損
や損傷の発生を阻止しようとするものである。

以下本考案の実施例を具体的に説明する。

クランク１はその一端両側に隆起した駆動軸２
を有し、該駆動軸をケース３と蓋４の軸受孔に挿
入して、クランクを揺動可能にケースと蓋に取り
付けている。クランク１の他端にはほゞコ字状に
曲げられた二叉部５が形成されている。

ラツチ６はその一端に鎌状のクツク部７が形成
され、他端の孔に揺動軸８が貫通さて該軸をケー
ス３と蓋４の弧状の溝９に移動可能に嵌合させて
いる。

クランク１とラツチ６は、駆動ピン１０をクラ
ンクの孔とラツチのくの字形の従動溝１１に貫通
させて、互いに連結されている。

ラツチ６は、第２図において解錠位置にクラン
ク１で引き込められている。この状態からクラン
ク１を時計方向に回転させると、ピン１０が溝１
１の縁を押しながら相対的に摺動してラツチ６を
反時計方向に回転させ、第３図のように施錠位置
に突き出して受け１２の孔１３に嵌合させる。こ
の位置からクランク１を反時計方向に回転させる
と、ピン１０と溝１１を介してラツチ６が解錠位
置に引き込められる。

従動溝１１はくの字形により、ピン１０の回転
軌道に対して大きな角度で交錯するので、従動溝
の両端間の直線的長さを短くすることができて、
ラツチの幅を短くすることができる。またラツチ
６が施錠位置に存するとき、クランク１の駆動軸
２と駆動ピン１０と揺動軸８の各中心を結ぶ線分
が三角形を形成し、ピン１０と溝１１の噛み合い
点における法線Ｎの方向がクランク１を施錠方向
（図において時計方向）に回転させる方向に向い
ているので、ラツチ６を押し上げて解錠しようと
しても回転できず、施錠状態が保持される。この
溝１１とピン１０の噛み合いもくの字形の溝１１
による小さなラツチで得られる。

揺動軸８も溝９に対して移動可能であるので、
クランク１のピン１０とラツチ６の溝１１を介し
てクランクでラツチを解錠位置から施錠位置に又
はその逆に回転させることがより一層円滑になさ
れる。

クランク１の駆動軸２の上方には弧状の板ばね
１４が存し、該ばねの両端が錠箱にピン１５で固
定されている。このばね１４は、クランク１の突
起１６と常時接触する関係にあり、クランクをラ
ツチの施錠位置と解錠位置に対応する位置に保持
する。

この錠装置は、出入口や窓の開き戸や引き戸に
使用されるが、実施例は出入口の開き戸に適用さ
れている。

開き戸１７は第５図と第６図に示すように開く
方向（矢印Ａ）を室外側とし、右端が吊元となつ
ている。

ケース３は開き戸１７の縦框１８内に固着さ
れ、受け１２は出入口の縦枠１９に固着されてい
て、これらのケースと受けは開き戸のほゞ中間の
高さの位置をとつており、この位置にてラツチ６
による施錠と解錠がなされる。

上記クランク１を回転させる手段として、キー
２０で操作されるシリンダー錠２１が戸の外側に
またつまみ２２が戸の内側にとりつけられ、シリ
ンダー錠とつまみから延びる角形の駆動軸２３，
２４がクランクの駆動軸２の角形の中心孔２５に
嵌合している。

開き戸１７の自由端の縦框１８とこれに相対す
る出入口の縦枠１９の間の上中下の三点に開き戸
を枠に引き寄せる手段が設けられ、その構成は次
の通りである。

帯状の駆動杆２６が縦框１８内にその上下両端
にわたつて延び、この駆動杆の中間をラツク２７
に固着している。ラツク２７はケース３内に摺動
自在に組み込まれており、該ラツクに噛み合うピ
ニオン２８がケース３に回転自在に取り付けられ
ている。ピニオン２８を回転させるレバーハンド
ル２９が開き戸１７の外側と内側に取り付けら
れ、該ハンドルの角形の駆動軸３０をピニオン２
８の角孔３１に嵌合している。レバーハンドル２
９の回転操作により、ピニオン２８とラツク２７
を介して駆動杆２６が上下動される。

駆動杆の上中下の３点に引寄せ用の突起３２が
起立され、これらの突起３２と噛み合う受け３３
が戸の縦枠１９に固着されている。駆動杆２６が
下降位置をとるときには、突起３２は受け３３と
噛み合わないで受けからはずれた位置に存し、戸
１７が開放可能である。駆動杆２６が上昇する
と、突起３２は受け３３に乗り上げて戸１を戸枠
１９に引き寄せて気密にする。突起３２はその外
周に筒状のリングを設けると、受け３３との噛み
合いが軽快になされる。

駆動杆２６はラツチ６の突出する方向の面に存
し、その一部にラツチの通過用の孔３４が穿設さ
れている。この孔３４は駆動杆２６が上昇すると
ラツチの通過点に達して該ラツチの回転を可能し
（第３図）、駆動杆が下降するとラツチの通過点か
らはずれ、この孔３４に連設する板状の部分３５
が通過点に達してラツチの突出を阻止すると共に
錠箱の内部が視かれないようになる（第２図）。

本考案は上記のように、シリンダー錠やつまみ
で施錠位置と解錠位置の間を移動されるラツチ６
と、該ラツチとかみ合う受け１２で構成された錠
装置と、ハンドルで上下動されると共に引寄せ突
起３２を有する駆動杆２６と、上記引寄せ突起３
２とかみ合う受け３３で構成された引寄せ装置と
の組合わせ構造において、上記駆動杆２６はその
引寄せ突起３２が受け１２にかみ合つて扉を引寄
せる位置を取つているときにはラツチ６が解錠位
置から施錠位置に移動するのを許容する孔３４
と、引寄せ突起３２が受け１２からはずれて引寄
せ解錠位置を取つているときにはラツチ６が解錠
位置から施錠位置に移動するのを阻止する部分３
５を有するので、扉が開いているときにはラツチ
６は施錠位置に突き出ることがなく、従つて扉を
閉じる際にラツチが出入口の縦枠に突き当る恐れ
が全くなく、その結果ラツチや扉の縦框や出入口
の縦枠が破損したり損傷したりする恐れがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
図、第２図と第３図は一部拡大縦断面図、第４図
は第２図の−線断面図、第５図は第２図の
−線断面図、第６図は第２図の−線断面図
である。 図中１はクランク、２は駆動軸、３はケース、
４は蓋、６はラツチ、８は揺動軸、９は溝、１０
は駆動ピン、１１は溝、１２は受け、１４は板ば
ね、１７は開き戸、１９は出入口の縦枠、２０は
キー、２１はシリンダー錠、２２はつまみ、２３
と２４は駆動軸、２６は駆動杆、２７はラツク、
２８はピニオン、２９はレバーハンドル、３０は
駆動軸、３２は突起、３３は受けである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー錠やつまみで施錠位置と解錠位置の
   間を揺動されるラツチ６と、該ラツチとかみ合う
   受け１２で構成された錠装置と、ハンドルで上下
   動されると共に引寄せ突起３２を有する駆動杆２
   ６と、上記引寄せ突起とかみ合う受け３３で構成
   された引寄せ装置との組合わせ構造において、上
   記駆動杆２６はその引寄せ突起３２が受け３３に
   かみ合つて開き扉を引き寄せる位置を取つている
   ときにはラツチ６が解錠位置から施錠位置に揺動
   するのを許容する孔３４と、引寄せ突起３２が受
   け３３からはずれて引寄せ解除位置を取つている
   ときにはラツチ６が解錠位置から施錠位置に揺動
   するのを阻止する部分３５を有することを特徴と
   する錠装置と引寄せ装置との組合わせ構造。