JP4135878B2 - スライディングサッシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として学校、病院などに用いられるスライディングサッシに関する。
【0002】
【従来の技術】
スライディングサッシとしては、サッシ枠に内障子と外障子を面内方向に移動自在にそれぞれ装着した引き違いサッシ、サッシ枠の室外側部に障子を面内方向に移動自在に装着した外動片引きサッシ、サッシ枠の室内側部に障子を面内方向に移動自在に装着した内動片引きサッシなどが知られている。
【0003】
学校、病院などに用いられるスライディングサッシとしては、障子の開放ストロークを制限して障子を全開できないようにすることで、障子を開放した時のサッシの開口幅を全開幅よりも小さくし、サッシ開口部から人が誤って落下しないようにしたものが知られている。
例えば、障子の開放ストロークを制限するスライディングサッシが実開平4−119088号公報(実用新案登録第2542821号公報)に開示されている。
このスライディングサッシは、サッシ枠の下枠に固定部材を取付け、サッシ枠の室外側部に装着した障子の下框に受けブロックを取付け、この受けブロックがストッパに当たることで障子の開放ストロークを制限するものである。
【0004】
また、火災等の非常時に室外から開放して非常進入口として利用できるようにスライディングが提案されている。
例えば、特開平8−165827号公報には、外ハンドルで障子の解錠をできるようにし、非常時には室外から外ハンドルを操作して障子を解錠して開放できるようにしたスライディングサッシが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した固定部材と受けブロックを取付けると共に、前述した外ハンドルを設けることで、障子の開放ストロークを制限できると共に、室外から開放できるようにしたスライディングサッシとすることが可能である。
しかしながら、前述のようにしたスライディングサッシは、室外から外ハンドルを操作して障子を解錠して障子を開放した時に固定部材と受けブロックのために障子の開放ストロークが制限され、障子を全開できない。
このために、室外から障子を開放した時のサッシの開口幅が小さく、人が出入りしづらいから非常進入口として好ましくない。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みなされたものであり、その目的は室内から障子を開放する時には開放ストロークを制限し、室外から障子を開放する時には開放ストロークを制限せずに全開できるようにしたスライディングサッシを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
この障子を閉じ位置で施錠・解錠すると共に、室内から施錠・解錠でき、かつ室外から解錠できる錠装置と、
前記サッシ枠と障子とに亘って設けられ室内から障子の開放ストロークを全開より小さくする制限状態と全開とする非制限状態に操作される障子の開放ストロークを制限する開放制限装置を備え、
前記開放制限装置は、サッシ枠に取付けたストッパ部と、障子に設けた受け部と、この受け部を障子を開放した時にストッパ部と当接しない第1位置と、当接して開放ストロークを制限する第2位置に移動する操作部材を有し、
前記操作部材は障子の室内側部に取付けられていると共に、障子の引寄せ、引寄せ解除の機能を有し、受け部が第1位置の時には障子を引寄せ、第2位置の時には引寄せ解除する構成としたことを特徴とするスライディングサッシである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において錠装置は、室内側操作部材と室外側操作部材で施錠・解錠される構成であるスライディングサッシである。
【0009】
第3の発明は、サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
この障子を閉じ位置で施錠・解錠すると共に、室内から施錠・解錠でき、かつ室外から解錠できる錠装置と、
前記サッシ枠と障子とに亘って設けられ室外から障子の開放ストロークを全開より小さくする制限状態と全開とする非制限状態に操作される障子の開放ストロークを制限する開放制限装置を備え、
前記開放制限装置は、サッシ枠に取付けたストッパ部と、障子に設けた受け部と、この受け部を障子を開放した時にストッパ部と当接しない第1位置と、当接して開放ストロークを制限する第2位置に移動する操作部材を有し、
前記操作部材は障子の室外側部に取付けられていることを特徴とするスライディングサッシである。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において錠装置は、室内側操作部材と室外側操作部材で施錠・解錠される構成であるスライディングサッシである。
【0011】
第5の発明は、サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
室内側操作部材によって障子を閉じ位置で施錠・解錠する錠装置と、
室外側操作部材によって障子の開放ストロークを制限する制限状態と制限しない非制限状態に操作される開放制限装置を備え、
前記室内側操作部材と室外側操作部材が、室内側操作部材を操作して錠装置を施錠・解除する時には室外側操作部材が動かずに開放制限装置が制限状態に保持され、錠装置が施錠状態で室外側操作部材を操作して開放制限装置を非制限状態とすると錠装置が解錠するように連結されていることを特徴とするスライディングサッシである。
【0012】
【作用】
第1の発明によれば、開放制限装置を制限状態として室内から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子の開放ストロークを制限できる。
また、開放制限装置を非制限状態として室外から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子を全開できる。
よって、室内から障子を開放する時には開放ストロークが制限されてサッシ開口幅が小さく、学校や病院などに用いるスライディングサッシとして好ましい。
しかも、室外から障子を全開できるから非常進入口として有効利用できる。
また、障子を施錠した時には操作部材を操作して障子を引寄せるので、受け部が第1位置に移動するから、室外から錠装置を解錠することで障子を全開できる。
室内から障子を開放する時には錠装置を解錠すると共に、操作部材を操作して引寄せ解除するので、受け部が第2位置に移動するから、室内から障子を開放する時には開放ストロークを制限できる。
しかも、引寄せ、引寄せ解除と連動して受け部が第1位置、第2位置に移動するから、誤操作することがない。
【0013】
第2の発明によれば、錠装置を室内側操作部材及び室外側操作部材で施錠、解錠できる。
【0014】
第3の発明によれば、開放制限装置を制限状態として室内から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子の開放ストロークを制限できる。
また、開放制限装置を非制限状態として室外から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子を全開できる。
よって、室内から障子を開放する時には開放ストロークが制限されてサッシ開口幅が小さく、学校や病院などに用いるスライディングサッシとして好ましい。
しかも、室外から障子を全開できるから非常進入口として有効利用できる。
また、非常時など室外から障子を開放する時には操作部材を操作して受け部を第1位置とすることで、障子を全開できる。
通常時には受け部を第2位置に保持することで、室内から障子を開放する時に開放ストロークを制限できる。
【0015】
第4の発明によれば、錠装置を室内側操作部材及び室外側操作部材で施錠、解錠できる。
【0016】
第5の発明によれば、錠装置が施錠状態で室外側操作部材を操作することで開放制限装置を非制限状態とすると錠装置が解錠され、室外から障子を全開できる。
開放制限装置が制限状態で、室内側操作部材を操作して錠装置を施錠・解錠する際には開放制限装置は制限状態に保持され、室内から障子を開放する時には開放ストロークを制限できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。
サッシ枠1には障子2が面内方向に開閉移動自在に装着されてスライディングサッシを構成している。
前記障子2を閉じ位置で施錠・解錠すると共に、室内から施錠・解錠でき、かつ室外から解錠できる錠装置3を備えている。
例えば、障子2の室内側部に取付けた室内側操作部材4と室外側部に取付けた室外側操作部5を備え、室内側操作部材4を操作することで施錠・解錠でき、室外側操作部材5を操作することで解錠できる。なお、施錠できるようにしても良い。
前記サッシ枠1と障子2とに亘って障子2の開放ストロークを制限する開放制限装置6が設けてある。
この開放制限装置6は室内又は室外から障子2の開放ストロークを全開より小さくする制限状態と全開とする非制限状態に操作できる。
例えば、サッシ枠1に設けたストッパ部7と、障子2に設けた受け部8、操作部材9を備え、この受け部8は障子2を開放した時にストッパ部7と当接しない第1位置と、当接して開放ストロークを制限する第2位置とに亘って移動自在で、操作部材9を室内から操作することで受け部8が第1位置と第2位置に移動する。
【0018】
図1に示す実施の形態では、受け部8は点線で示す上方位置(第1位置)と二点鎖線で示す下方位置(第2位置)に上下移動し、操作部材(ハンドル)9で回転される軸10にグレモン機構などの回転を往復動に変換する変換機構11を設け、この変換機構11で上下動される杆体12に受け部8が連結してある。
受け部8が上方位置であるとストッパ部7と高さ方向の位置がずれて障子2を開放しても受け部8がストッパ部7に当接しない(つまり、非制限状態である)。
受け部8が下方位置であるとストッパ部7と同一高さとなり、障子2を開放するとストッパ部7に当接する(つまり、制限状態である)。
なお、受け部8が上方位置の時にストッパ部7と同一高さで、下方位置の時にストッパ部7と高さ方向の位置が異なるようにしても良い。
【0019】
このようであるから、操作部材9を操作して受け部8を上方位置(第1位置)とすることで開放制限装置6が非制限状態となり、障子2を閉じ位置から開きエンド位置まで移動できる。つまり、障子2を全開できる。
また、操作部材9を操作して受け部8を下方位置(第2位置)とすれば制限状態となり、障子2が開きエンド位置まで移動する手前で図1に一点鎖線で示すように受け部8がストッパ部7に当接するので、その開放ストロークを制限する。よってサッシの開口幅Hが小さくなる。
【0020】
このようであるから、錠装置3で障子2を施錠している状態では操作部材9を操作して受け部8を第1位置に保持する。
この状態で室外から室外側操作部材5で錠装置3を解錠すれば、障子3を室外から全開でき、非常進入口として利用できる。
室内から錠装置3を解錠して開放する時には操作部材9を操作して受け部8を第2位置とするようにする。これによって、室内から障子2を開放する時には受け部8がストッパ部7に当接し、障子2の開放ストロークが制限され、サッシ開口幅が小さいので、学校、病院などに用いるスライディングサッシとして好ましい。
【0021】
前述のように、錠装置3で障子2を施錠している状態で受け部8を第1位置に保持し、室内から錠装置3を解錠して開放する時に受け部8を第2位置とするには、操作部材9が受け部8を移動すると共に、その操作部材9によって障子2を引寄せ、引寄せ解除するようにすることが考えられる。
例えば、操作部材9を操作して障子2を引寄せすると受け部8が第1位置に移動し、操作部材9を操作して障子2の引寄せを解除すると受け部8が第2位置に移動するように構成する。
この場合には、受け部8が上方位置で第1位置、下方位置で第2位置とすることが好ましい。
【0022】
このようにすれば、室内から施錠する時には操作部材9を操作して障子2を引寄せするので、受け部8が第1位置に保持される。
室内から障子2を開放する時には解錠すると共に、操作部材9を操作して障子2の引寄せを解除するので、受け部8が第2位置に移動し、室内から障子2を開放する時の開放ストロークを制限することができる。
【0023】
次に、各部材の具体例を図1、図2、図3に基づき説明する。
サッシ枠1は上枠20と下枠21と左右の縦枠22を方形枠状に連結してあると共に、上枠20の室内寄り部と下枠21の室内寄り部に亘って縦骨23が連結され、この縦骨23と一方の縦枠22と上枠20、下枠21とに亘ってパネル材24が装着されてサッシ枠1の面内方向一側室内寄り部を固定障子25としてある。
前記障子2はサッシ枠1の室外寄り部に面内方向に移動自在に装着され、この実施の形態では外動片引きサッシを形成している。
なお、サッシ枠1の面内方向一側室外寄り部に障子を固定して内動片引きサッシとしても良い。
【0024】
前記障子2は上框30と下框31と召合せ框32と戸当り框33を方形状に連結し、その内部にパネル材34が装着してある。
前記錠装置3は召合せ框32の室内側部に取付けた前記室内側操作部材(例えばハンドル)4と召合せ框32の室外側部に取付けた前記室外側操作部材(例えばハンドル)5と、縦骨23の室内側部に取付けた錠受け35と、この錠受け35に係脱する錠36を備え、前記室内側操作部材4、室外側操作部材5によって錠36を錠受け35に係止して施錠したり、離脱して解錠できるようにしてある。
例えば、室内側操作部材4と室外側操作部材5を同一の軸37に設けて連動し、室内側操作部材4にクレセントを設けて錠36とし、縦骨23にクレセント受けを設けて錠受け35とする。
【0025】
前記ストッパ部7は下枠21における縦骨23と他方の縦枠22との間の位置に取付けてある。このストッパ部7はゴムなどの衝撃力を吸収緩和できる材質とすることが好ましく、ビス等で固着される。
前記受け部8は障子2の戸当り框33の下部寄りに上下動自在に設けてある。
例えば、受け部8が下方位置であるとストッパ部7と同一高さとなって前述の第2位置で、受け部8が上方位置であるとストッパ部7よりも上方で前述の第1位置である。
前記戸当り框33の室内側部に前述の操作部材9、例えばハンドルが取付けてある。
【0026】
この実施の形態では、下枠21は室内側部21aが室外側部21bよりも高い階段形状で、その室内側部21aと室外側部21bを連続する縦向部21cにストッパ部7が固着してある。
障子2の戸当り框33の中空部33aに前記変換機構11、杆体12が設けられ、その中空部33aを形成する室内側縦板33bの下部寄りに上下方向の長孔33cを形成し、この長孔33cから受け部8が上下動自在となるように突出している。
【0027】
次に、前記操作部材9の操作によって障子2を引寄せ、引寄せ解除する実施の形態を説明する。
前述の変換機構11によって上下反対方向に移動する上下の杆体12を設け、この各杆体12に図4に示すように上摺動片40、下摺動片41をそれぞれ取付ける。
上摺動片40は上方に移動することで上枠20の一部、例えば上ガイドレール20aに圧接して障子2(戸当り框33)を室内側に引寄せる。
下摺動片41は下方に移動することで下枠21の一部、例えば下ガイドレール21dに圧接して障子2(戸当り框33)を室内側に引寄せる。
前記下摺動片41に受け部8を設ける。例えば、ビス42で固着する。なお、下摺動片41と受け部8を一体としても良い。
この場合には前述のように、受け部8が下方位置の時にストッパ部7よりも下方で、前述の第1位置となり、受け部8が上方位置の時にストッパ部7と同一高さで前述の第2位置となる。
【0028】
このようであるから、障子2を閉じ位置として操作部材9を一方向に操作して上の杆体12を上方、下の杆体12を下方に移動すると上摺動片40が上ガイドレール20aに圧接し、下摺動片41が下ガイドレール21dに圧接して障子2(戸当り框33)を室内側に引寄せる。
これと同時に受け部8が下方位置に移動する。
障子2を開放する時には操作部材9を他方向に操作して上の杆体12を下方、下の杆体12を上方に移動して上摺動片40、下摺動片41を上ガイドレール20a、下ガイドレール21dから離隔して引寄せを解除する。
これと同時に受け部8が上方位置に移動してストッパ部7と同一高さとなるので、障子2の開放ストロークを制限できる。
なお、このようにした場合には室内側操作部材4の操作によっても障子2(召合せ框32)を室内側に引寄せするようにすることが好ましい
例えば、召合せ框32に前述と同様に上摺動片と下摺動片を上下動自在に取付ける。
【0029】
次に、前記開放制限装置6を室外から制限状態と非制限状態とに操作できる実施の形態を説明する。
図5に示すように、召合せ框32の中空部32aに変換機構11と杆体12を設け、その杆体12に受け部8を取付ける。
召合せ框32の室外側部、例えば中空部32aを形成する室外側縦板32bに操作部材9を取付け、この操作部材9を室外から操作することで受け部8を第1位置と第2位置、例えば上方位置と下方位置に移動できるようにする。
障子2の下枠21における縦骨23と一方の縦枠22との間にストッパ部7を取付ける。
【0030】
このようにした場合には、室外から操作部材9を操作して受け部8を第1位置とすると共に、室外側操作部材5を操作して錠装置3を解錠することで、障子2を全開する。
通常時には操作部材9を受け部8が第2位置となる位置に保持し、室内から障子2を開放する時に受け部8がストッパ部7に当接して開放ストロークを制限する。
【0031】
また、図6に示すように、室外側操作部材5によって開放制限装置6を制限状態と非制限状態に操作できると共に、錠装置3を解錠でき、室内側操作部材4で施錠・解錠する時には開放制限装置6を制限状態に保持するように構成する。
例えば、室内側操作部材4に連結された第1軸50と室外側操作部材5に連結された第2軸51を所定角度範囲で一体となって回転し、それ以外の角度範囲では相互に自由に回転するように連結し、その第2軸51に変換機構11を設けて受け部8を第1位置と第2位置に移動する。
【0032】
例えば、図7に示すように第1軸50は突部52を有し、第2軸51は切欠部53を有する。
前記突部52が切欠部53に突出するように第1軸50と第2軸51が連結され、第1軸50は第2軸51に対して切欠部53の範囲内では自由に回転する。
この実施の形態では、室内側操作部材4を上向きの解錠位置と下向きの施錠位置とに亘ってほぼ180度の範囲で操作する時には突部52が切欠部53内で移動し、第2軸51は回転しない。
室外側操作部材5を上向きの施錠位置と下向きの解錠位置とに亘ってほぼ180度の範囲で操作することで、第2軸51が回転して変換機構11で杆体12が上下移動して受け部8が上下に移動する。
室外側操作部材5が施錠位置の時には受け部8は第2位置で、解錠位置の時に受け部8が第1位置に移動する。
【0033】
このようであるから、室外側操作部材5を施錠位置として受け部8を第2位置に保持した状態で、室内側操作部材4を解錠位置から矢印a方向に操作して施錠位置とした時には突部52が仮想線で示すように第2軸51の切欠端面53aと接近、好ましくは接する。
この状態で室外側操作部材5を施錠位置から矢印b方向に操作して第2軸51を矢印b方向に回転すると、その切欠端面53aが突部52に接し、第1軸50を回転して室内側操作部材4を矢印cで示すように解錠位置に向けて回転する。
これとともに受け部8が第2位置から第1位置に移動する。
【0034】
したがって、室内側操作部材4を解錠位置とした時には受け部8が第2位置であるから、障子2を開放すると受け部8がストッパ部7に当接して開放ストロークを制限する。
また、室内側操作部材4が施錠位置の状態で、室外側操作部材5を施錠位置から解錠位置に向けて操作すると錠装置3が解錠されると共に、受け部8が第1位置となるので、障子2を全開できる。
なお、第1軸50に変換機構11を取付け、室内側操作部材4で受け部8を上下に移動するようにしても良い。
【0035】
前記各実施の形態における変換機構11の具体例を図8と図9に基づいて説明する。
2枚のプレート60を間隔を置いて連結し、この2枚のプレート60間に亘って回転子61と回転板62を回転自在に設けると共に、第1・第2可動板63,64を移動自在に設ける。前記回転子61は操作部材9で回転される軸10が嵌合する角孔61aを有すると共に、突起61bを有する。
前記第1・第2可動板63,64は長手方向の長孔63a,64aを有し、この長孔63a,64aに前記プレート60に設けたガイドピン65が摺動自在に挿通し、第1・第2可動板63,64はプレート60に対して長手方向に移動自在に支承される。
前記第1・第2可動板63,64の長手方向の一端部が回転板62にピン66でそれぞれ連結され、回転板62が回転すると第1・第2可動板63,64が反対方向に移動する。
前記突起61bにアーム67がピン68で連結され、このアーム67が第1可動板63にピン69で連結され、回転子61が回転すると第1可動板63が移動する。
【0036】
前記回転子61が回転するとアーム67を介して第1可動板63が移動する。
第1可動板63が移動すると回転板62が回転し、第2可動板64が反対方向に移動する。例えば、第1可動板63が下方に移動すると第2可動板64が上方に移動する。
【0037】
このようであるから、図1に示す実施の形態の場合には第1可動板63に杆体12を連結して受け部8を移動する。
図4に示す実施の形態の場合には第1・第2可動板63,64に杆体12をそれぞれ連結し、上摺動片40と下摺動片41を上下に移動する。
【0038】
以上の各実施の形態は、外動片引きサッシについて述べたが、内動片引きサッシ、引き違いサッシでも良い。
【0039】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、開放制限装置を制限状態として室内から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子の開放ストロークを制限できる。
また、開放制限装置を非制限状態として室外から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子を全開できる。
よって、室内から障子を開放する時には開放ストロークが制限されてサッシ開口幅が小さく、学校や病院などに用いるスライディングサッシとして好ましい。
しかも、室外から障子を全開できるから非常進入口として有効利用できる。
また、障子を施錠した時には操作部材を操作して障子を引寄せるので、受け部が第1位置に移動するから、室外から錠装置を解錠することで障子を全開できる。
室内から障子を開放する時には錠装置を解錠すると共に、操作部材を操作して引寄せ解除するので、受け部が第2位置に移動するから、室内から障子を開放する時には開放ストロークを制限できる。
しかも、引寄せ、引寄せ解除と連動して受け部が第1位置、第2位置に移動するから、誤操作することがない。
【0040】
請求項2に係る発明によれば、錠装置を室内側操作部材及び室外側操作部材で施錠、解錠できる。
【0041】
請求項3に係る発明によれば、開放制限装置を制限状態として室内から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子の開放ストロークを制限できる。
また、開放制限装置を非制限状態として室外から錠装置を解錠して障子を開放することで、障子を全開できる。
よって、室内から障子を開放する時には開放ストロークが制限されてサッシ開口幅が小さく、学校や病院などに用いるスライディングサッシとして好ましい。
しかも、室外から障子を全開できるから非常進入口として有効利用できる。
また、非常時など室外から障子を開放する時には操作部材を操作して受け部を第1位置とすることで、障子を全開できる。
通常時には受け部を第2位置に保持することで、室内から障子を開放する時に開放ストロークを制限できる。
【0042】
請求項4に係る発明によれば、錠装置を室内側操作部材及び室外側操作部材で施錠、解錠できる。
【0043】
請求項5に係る発明によれば、錠装置が施錠状態で室外側操作部材を操作することで開放制限装置を非制限状態とすると錠装置が解錠され、室外から障子を全開できる。
開放制限装置が制限状態で、室内側操作部材を操作して錠装置を施錠・解錠する際には開放制限装置は制限状態に保持され、室内から障子を開放する時には開放ストロークを制限できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す外動片引きサッシの内観図である。
【図2】図1のA−A詳細断面図である。
【図3】図1のB−B詳細断面図である。
【図4】障子を引寄せる形態の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す横断面図である。
【図7】室内側操作部材と室外側操作部材の連結部分解斜視図である。
【図8】変換機構の一例を示す正面図である。
【図9】図8の側面図である。
【符号の説明】
1…サッシ枠、2…障子、3…錠装置、4…室内側操作部材、5…室外側操作部材、6…開放制限装置、7…ストッパ部、8…受け部、9…操作部材、11…変換機構、12…杆体、50…第1軸、51…第2軸、52…突部、53…切欠部。
Claims (5)
- サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
この障子を閉じ位置で施錠・解錠すると共に、室内から施錠・解錠でき、かつ室外から解錠できる錠装置と、
前記サッシ枠と障子とに亘って設けられ室内から障子の開放ストロークを全開より小さくする制限状態と全開とする非制限状態に操作される障子の開放ストロークを制限する開放制限装置を備え、
前記開放制限装置は、サッシ枠に取付けたストッパ部と、障子に設けた受け部と、この受け部を障子を開放した時にストッパ部と当接しない第1位置と、当接して開放ストロークを制限する第2位置に移動する操作部材を有し、
前記操作部材は障子の室内側部に取付けられていると共に、障子の引寄せ、引寄せ解除の機能を有し、受け部が第1位置の時には障子を引寄せ、第2位置の時には引寄せ解除する構成としたことを特徴とするスライディングサッシ。 - 錠装置は、室内側操作部材と室外側操作部材で施錠・解錠される構成である請求項1記載のスライディングサッシ。
- サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
この障子を閉じ位置で施錠・解錠すると共に、室内から施錠・解錠でき、かつ室外から解錠できる錠装置と、
前記サッシ枠と障子とに亘って設けられ室外から障子の開放ストロークを全開より小さくする制限状態と全開とする非制限状態に操作される障子の開放ストロークを制限する開放制限装置を備え、
前記開放制限装置は、サッシ枠に取付けたストッパ部と、障子に設けた受け部と、この受け部を障子を開放した時にストッパ部と当接しない第1位置と、当接して開放ストロークを制限する第2位置に移動する操作部材を有し、
前記操作部材は障子の室外側部に取付けられていることを特徴とするスライディングサッシ。 - 錠装置は、室内側操作部材と室外側操作部材で施錠・解錠される構成である請求項3記載のスライディングサッシ。
- サッシ枠に障子を面内方向に開閉移動自在に装着され、
室内側操作部材によって障子を閉じ位置で施錠・解錠する錠装置と、
室外側操作部材によって障子の開放ストロークを制限する制限状態と制限しない非制限状態に操作される開放制限装置を備え、
前記室内側操作部材と室外側操作部材が、室内側操作部材を操作して錠装置を施錠・解除する時には室外側操作部材が動かずに開放制限装置が制限状態に保持され、錠装置が施錠状態で室外側操作部材を操作して開放制限装置を非制限状態とすると錠装置が解錠するように連結されていることを特徴とするスライディングサッシ。
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