JPH0532479A - 結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法

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JPH0532479A
JPH0532479A JP2616391A JP2616391A JPH0532479A JP H0532479 A JPH0532479 A JP H0532479A JP 2616391 A JP2616391 A JP 2616391A JP 2616391 A JP2616391 A JP 2616391A JP H0532479 A JPH0532479 A JP H0532479A
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JP
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crucible
crystal
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heater
melt
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JP2616391A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Sumio Kobayashi
純夫 小林
Shunji Miyahara
俊二 宮原
Takayuki Kubo
高行 久保
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】溶融層法において結晶用原料の溶融を行った際
のるつぼの破損を抑制することが出来る結晶生長装置及
び該装置を用いた結晶成長方法を提供する。 【構成】ヒータ22の下方にるつぼ11を加熱用の第2
のヒータ32を配設し、るつぼ11内に充填した結晶用
原料Sをヒータ22、32を用いて全て溶融し、溶融液
をるつぼ11底部より上方へ向けて凝固させて多結晶よ
りなる固体層を形成した後るつぼ11の溶融液部分から
結晶成長を開始させる。るつぼ11上部より流入する溶
融液がるつぼ11の下部側で凝固するのを抑制でき、ま
たるつぼ11の下部側の高温化により熱衝撃も緩和でき
るため、結晶用原料Sの溶融時におけるるつぼ11の破
損が抑制できる。結晶の引き上げ時にはヒータ32が熱
の遮へい体となるので、ドーピング不純物の偏析が防止
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶成長装置及び該装置
を用いた結晶成長方法に関し、より詳細には例えば半導
体材料として使用されるシリコン単結晶等のような、不
純物がドーピングされた結晶を成長させる結晶成長装置
及び該装置を用いた結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶を成長させるには種々の装置及び方
法があるが、その一つにチョクラルスキー法(以下、C
Z法と記す)がある。図2は従来のCZ法で使用される
結晶成長装置の模式的断面図であり、図中11はるつぼ
を示している。るつぼ11は有底円筒状の石英製の内層
容器11aと、この内層容器11aの外側に嵌合された
同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器11bとから
構成されており、るつぼ11は図中矢印方向に所定速度
で回転する支持軸19に支持されている。このるつぼ1
1の外側にはヒータ12が同心円筒状に配設されてお
り、るつぼ11内には上記ヒータ12により溶融させた
結晶用原料の溶融液13が充填されている。またるつぼ
11の中心軸上には、支持軸19と同一軸心で同方向又
は逆方向に所定速度で回転するワイヤ等の引き上げ軸1
4が配設されている。そして、引き上げ軸14の先に取
り付けられた種結晶15を溶融液13の表面に接触させ
て引き上げ軸14を引き上げていくことにより、溶融液
13が凝固して形成される結晶16を成長させている。
【0003】ところで、溶融液13中にドーピング不純
物を添加して結晶16を上記CZ法で成長させる場合、
この不純物はPfann の式で知られる下記の数1式に従っ
て結晶成長方向に偏析し、例えば半導体材料として使用
されるシリコン単結晶を成長させた場合であれば、得ら
れたシリコン単結晶の電気抵抗率は結晶方向に一定とな
らない現象を起こす。
【0004】
【数1】
【0005】但し、ke :実効偏析係数 Cs :結晶中不純物濃度 Co :初期溶融液中不純物濃度 fs :結晶引き上げ率(使用原料重量に対する結晶重量
の比) このドーピング不純物の偏析を防止しながら結晶を成長
させる方法及び装置として、溶融層法が知られている。
溶融層法は図3に示したごとく、図2に示したものと同
様に構成されたるつぼ11内の原料の上部のみをヒータ
22にて溶融させることにより、上部には溶融層17、
下部には溶融液とほぼ同材質の固体層18を形成し、溶
融層17中のドーピング不純物濃度を一定に保ちつつ上
側から下側へ向けて固体層18を溶融させ、上記したC
Z法の過程と同様にして結晶16を成長させる方法であ
り、溶融層17中のドーピング不純物濃度を一定に保つ
方法として溶融層厚一定法及び溶融層厚変化法が提案さ
れている。
【0006】すなわち溶融層厚一定法は、ドーピング不
純物を含有しない固体層18を結晶16の引き上げに伴
って溶融しつつ溶融層17の体積を一定に保ち、ドーピ
ング不純物を連続的に添加して溶融層17中の不純物濃
度を一定に保つ方法(特公昭34−8242号、特公昭
62−880号及び実開昭61−150862号公
報)、又は固体層18中に先にドーピング不純物を含有
させ、ドーピング不純物を添加せずに結晶引き上げ中に
おける溶融層17の体積を一定に保ち、溶融層17中の
不純物濃度をほぼ一定に保つ方法(特公昭62−880
号及び特開昭63−252989号公報)であり、溶融
層厚変化法は、意図的に溶融層17の体積を変化させる
ことにより、結晶引き上げ中にドーピング不純物を添加
することなく溶融層17中の不純物濃度を一定に保つ方
法(特開昭61−205691号、特開昭61−205
692号及び特開昭61−215285号公報)であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した溶融層法にお
いては、結晶用原料として高純度の多結晶等のロッド、
ロッドを破砕した塊、小片及び顆粒をそれぞれ単独もし
くは併用して用いていた。この結晶用原料をるつぼ11
内に充填したとき、その充填率は40〜70%程度であ
り、従って多量の空隙が結晶用原料の間に存在すること
になる。
【0008】結晶16を成長させる際に固体層18にこ
の空隙が残存すると、固体層18の溶融で空隙に溶融層
17が到達したときに、溶融液が落ち込んで溶融層17
が揺動し、また溶融液表面のレベル変動が生じてしまい
結晶欠陥を招くことがあった。さらに、固体原料表面の
酸化膜が完全に除去されていないと、例えばシリコン多
結晶を固体原料として用いる場合、酸化膜が一度SiO
等の形でガス化して結晶用原料の空隙内で凝縮するた
め、この凝縮物の存在する空隙に、結晶引き上げ中にお
いて溶融層17が到達すると、前記凝縮物が溶融層17
中を浮遊して引き上げ中の結晶16に付着し、結晶欠陥
を招くこともあった。
【0009】この問題点を解決するには、結晶用原料を
全て溶融した後に固体層18を形成する方法(特開昭6
3−252989号公報)が有効であると考えられる
が、溶融層法において結晶用原料を溶融する場合には次
のような課題が発生していた。
【0010】例えば結晶用原料を一部溶解し、固体原料
が多く残っている段階でしばしばるつぼ11が破損し、
その溶融液がるつぼ11から漏れ出すという現象が発生
したり、この現象を回避しても、さらに結晶用原料の溶
融を進めていくと、るつぼ11上部側の原料が全て溶融
した後にその溶融液下でるつぼ11の底に残存していた
固体原料がるつぼ11の底より遊離し、遊離した時点で
稀に上記と同様にるつぼ11が破損して溶融液が漏れ出
す現象が起こっていた。そして溶融液がるつぼ11から
漏れ出す現象が生じると、結晶16の引き上げが行なえ
ないばかりでなく、装置の故障を誘発する恐れがあっ
た。
【0011】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、溶融層法において結晶用原料の溶融を行なっ
た際のるつぼの破損を抑制することができる結晶成長装
置及び該装置を用いた結晶成長方法を提供することを目
的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る結晶成長装置は、結晶用原料が充填され
るるつぼを備え、該るつぼ内の結晶用原料を溶融させる
ヒータが前記るつぼの周囲に配設された結晶成長装置に
おいて、前記ヒータの下方に、前記るつぼを加熱するた
めの第2のヒータが配設されていることを特徴としてい
る。
【0013】また本発明に係る結晶成長方法は、るつぼ
内の結晶用原料を上側から下側へ向けて溶融しつつ、そ
の溶融液を上方に引き上げて結晶を成長させる結晶成長
方法において、上記記載の結晶成長装置を用い、るつぼ
内に充填した結晶用原料をヒータ及び第2のヒータを用
いて全て溶融し、この後該溶融液を前記るつぼ底部より
上方へ向けて凝固させて多結晶よりなる固体層を形成
し、さらにこの後前記るつぼの溶融液部分から結晶成長
を開始させることを特徴としている。
【0014】
【作用】溶融層法を用いた場合のるつぼの破損について
本発明者らが調査した結果、結晶用原料を一部溶融した
段階で起こるるつぼの破損は、るつぼの下部側で結晶用
原料のロッド及び塊が当接している部分を中心として発
生していることが多いということがわかった。また、結
晶用原料を直接保持するるつぼ内層容器の構成材料であ
る石英等は、それが低温であるときに例えば高温の溶融
液等に接触すると、熱衝撃により亀裂等が生じて破損す
ることが知られており、さらに例えばシリコン等の結晶
用原料は液体状態より固体状態のほうが密度が小さく、
溶融液が凝固するときに体積膨張を起こすということが
知られている。そしてさらに従来の溶融層法では、結晶
を引き上げる際にヒータの加熱により溶融層を形成し、
かつその下部に固体層を形成するため、るつぼの底部か
らの抜熱が促進されるように装置の設計がなされてい
た。以上の知見をもとに、本発明者らは以下に述べる2
つの過程のどちらかによりるつぼの破損が起こるもので
あると考察した。すなわち第1の過程は、溶融液が比較
的低温のるつぼの領域に流れ込み、凝固した際に発生す
るものである。るつぼ内で例えば固まりの結晶用原料を
溶融させる場合、まずヒータに近いるつぼの上部側の結
晶用原料の一部が溶融し、この溶融液がるつぼの下部側
の結晶用原料中へ流れるが、上記したようにるつぼ底部
は抜熱されやすいため、るつぼの下部側の結晶用原料は
比較的温度が低く、溶融液はるつぼの下部側の結晶用原
料の間隙で凝固する。このとき、上記したように溶融液
は体積膨張を起こすため、凝固物が結晶用原料の固まり
をるつぼの壁面に向けて押圧し、この場合に結晶用原料
の塊の尖端部がるつぼの壁面に当接していると、この尖
端部に押圧力が集中してるつぼが破損する。この第1の
過程が結晶用原料を一部溶融し、固体原料が多く残って
いる段階でのるつぼの破損の主原因であると考えられ
る。
【0015】第2の過程は、溶融液が比較的低温のるつ
ぼの領域へ流れ込み、るつぼが熱衝撃を受けた際に発生
するものである。第1の過程と同様に、るつぼの上部側
の結晶用原料の一部が溶融し、この溶融液がるつぼの下
部側の結晶用原料中へ流れんだとき、下部側の結晶用原
料間の空隙が大きければ流れこんだ溶融液は空隙で凝固
しきれず、一部はるつぼの比較的低温である底部まで到
達してしまう。これによってるつぼは熱衝撃を受け、そ
の結果亀裂が生じてるつぼが破損する。これが結晶用原
料を一部溶融し、固体原料が多く残っている段階でのる
つぼの破損のもう一つの主原因であると考えられる。さ
らに結晶用原料の末期の固体原料が、るつぼの底より遊
離した段階でも、固体原料と接していたるつぼ底部に固
体原料の遊離と同時に溶融液が流入する。これも固体原
料の遊離時における、るつぼの破損の原因であると考え
られる。
【0016】そして以上の考察から、るつぼの破損を抑
制するためには、結晶用原料を溶融する際に、るつぼの
下部側の結晶用原料及びるつぼの下部側自体を上部側の
結晶用原料及びるつぼの上部側と同じように加熱すれ
ば、上部より流入する溶融液がるつぼの下部側で凝固す
るのが抑制され、またるつぼの下部側の高温化により、
熱衝撃も緩和されることとなることがわかった。さら
に、るつぼの下部側の結晶用原料を上部側のそれと同程
度もしくは早く溶融すれば、上記した問題の発生が防止
されることがわかった。
【0017】本発明に係る結晶成長装置によれば、従来
のヒータの下方に、るつぼを加熱するための第2のヒー
タが配設されているので、前記るつぼ内の結晶用原料の
全溶融時においては、るつぼの下部側の結晶用原料及び
るつぼの下部側は、前記第2のヒータにより上部側の結
晶用原料及びるつぼの上部側と同じように加熱されるこ
ととなる。従って上記したように、るつぼ上部より流入
する溶融液がるつぼの下部側で凝固するのが抑制され、
またるつぼの下部側の高温化により、熱衝撃も緩和され
るため、結晶用原料の溶融時におけるるつぼの破損が抑
制される。また前記るつぼに充填された結晶用原料を全
て溶融した後は、前記第2のヒータへの供給電力を零に
すれば、該第2のヒータは上部のヒータからるつぼ下部
側へ輻射される熱の遮へい体としての役割を果たすこと
となり、溶融層法におけるドーピング不純物の偏析防止
に役立つこととなる。
【0018】また本発明に係る結晶成長方法によれば、
上記記載の結晶成長装置を用い、るつぼ内に充填した結
晶用原料をヒータ及び第2のヒータを用いて全て溶融
し、この後該溶融液を前記るつぼ底部より上方へ向けて
凝固させて多結晶よりなる固体層を形成し、さらにこの
後前記るつぼの溶融液部分から結晶成長を開始させるの
で、前記るつぼ内に充填した結晶用原料の間に存在する
多量の空隙が除去される。従って、固体層を溶融させる
際に溶融液が落ち込んで溶融層が揺動したり、溶融液表
面のレベル変動が生じてしまうことが防止され、しかも
溶融層法によりドーピング不純物の偏析も防止されるた
め、結晶欠陥の少ない結晶が得られることとなる。
【0019】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る結晶成長装置
及び該装置を用いた結晶成長方法の実施例及び比較例を
図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有
する構成部品には同一の符合を付すこととする。図1は
本発明に係る結晶成長装置の一実施例を模式的に示した
断面図であり、図中31はチャンバを示している。チャ
ンバ31は軸長方向を垂直とした略円筒形状の真空容器
31aにより形成されており、図示しない水冷機構によ
って水冷されている。チャンバ31の略中央位置には従
来と同様に構成され、結晶用原料Sが充填されるるつぼ
11が配設されており、るつぼ11底部の略中心箇所に
はチャンバ31の底壁を貫通する支持軸19が取り付け
られ、この支持軸19によってるつぼ11は回動及び昇
降可能に支持されている。るつぼ11上部側の外周には
ヒータ22が同心円筒状に配設されており、さらにヒー
タ22の下方、つまりるつぼ11下部側の外周には、ヒ
ータ22と略同径の第2のヒータ32が同心円筒状に配
設されている。この第2のヒータ32は、結晶用原料の
溶融時の効率及び結晶引き上げ時におけるヒータ22か
らの接触熱伝導を防止し、ヒータ22からの輻射熱を遮
蔽するため、ヒータ22から10〜30mm程度離して
配設するのが望ましく、またるつぼ11の回転及び昇降
動作を妨害せず、しかも結晶用原料の溶融時の効率を損
なわないよう、るつぼ11との間隔を10mm程度おい
て配設するのが望ましい。さらに第2のヒータ32の長
さは、結晶用原料溶融時のるつぼ11の下部側の温度分
布や結晶引き上げ時の固体層の厚み形状等を考慮して決
定する。これらヒータ22及び第2のヒータ32の外周
にはさらに、保温筒33が同心円筒状に配設されてお
り、保温筒33の上部側及び下部側には、それぞれ上部
断熱材34及び下部断熱材35が配設されている。
【0020】一方、るつぼ11の上方には、チャンバ3
1を通してワイヤ等の引き上げ軸14が回転並びに昇降
可能に垂設されており、引き上げ軸14の下端にはチャ
ック(図示せず)に掴持された種結晶15が着脱可能に
装着されている。そしてこの種結晶15をるつぼ11内
の結晶用原料Sを溶融させた溶融液になじませた後、こ
れを回転させつつ引き上げることにより、種結晶15の
下端から結晶を成長させていくようになっている。
【0021】このように構成された結晶成長装置を用い
て結晶を成長させる場合は、まずるつぼ11内に充填し
た結晶用原料Sをヒータ22及び第2のヒータ32を用
いて全て溶融し、この後第2のヒータ32の供給電力を
零にして溶融液をるつぼ11底部より上方へ向けて凝固
させ、多結晶よりなる固体層を形成する。次いで、固化
させたるつぼ11内の結晶用原料をヒータ22により溶
融し、るつぼ11の上部側に溶融層を形成する。そして
この溶融液に種結晶15をなじませ、溶融層中の不純物
濃度が一定に保たれるように固体層を上側から下側へ向
けて溶融しつつ引き上げ軸14を引き上げることによ
り、種結晶15の下端から結晶を成長させる。
【0022】以下に、結晶用原料Sとしてシリコン多結
晶を、またドーピング不純物としてシリコンに対し偏析
係数が0.35であるリンを用い、溶融層厚変化法によ
りシリコン単結晶引き上げを行なった結果について説明
する。なお比較例として、第2のヒータ32を配設して
いない従来の結晶成長装置で同様のシリコン単結晶引き
上げを行なった。引き上げ条件を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】なおこのとき、ヒータ22と第2のヒータ
32との間隔は20mmとした。
【0025】上記条件でまず結晶用原料Sの溶融を行な
った結果、従来の装置及び方法では、10回結晶用原料
Sを溶融した中で2回るつぼ11の破損を起こした。こ
のときのヒータ22の投入電力は110kwであり、結
晶用原料Sを全て溶融するのに平均約6時間を要し、毎
回例外なく溶融後半に直径100mm以上の固体原料の
浮上を観測した。
【0026】一方、本実施例に係る結晶成長装置及び結
晶成長方法では、ヒータ22及び第2のヒータ32の投
入電力並びに、その比を検討し、ヒータ22を47k
w、第2ヒータ32を55kw、計102kwとして1
5回結晶用原料Sの溶融を行なったが、るつぼ11の破
損は起こらなかった。また稀に溶融後半に固体原料の浮
上を観測したが、直径30mm以下の比較的小さなもの
であった。なお、結晶用原料Sを全て溶融するのに、従
来と同様に約6時間程度を要した。
【0027】この結果から明らかなように、本実施例に
係る結晶成長装置及び結晶成長方法では、従来の装置及
び方法に比べてるつぼ11の破損が抑制されている。従
って、るつぼ11の下部側の結晶用原料S及びるつぼ1
1の下部側を第2のヒータ32により加熱することによ
って、るつぼ11の上部より流入する溶融液がるつぼ1
1の下部側で凝固するのが抑制され、また溶融液による
熱衝撃が緩和されていることがわかる。また結晶用原料
Sの溶融後、第2のヒータ32への供給電力を零にして
固体層を形成し、結晶成長を行なったが、本実施例に係
る結晶成長装置及び結晶成長方法で得られたシリコン単
結晶は、従来の装置及び方法により得られた単結晶より
無偏析に近い状態であった。従って本実施例に係る結晶
成長装置及び結晶成長方法によれば、溶融層法における
ドーピング不純物の偏析防止により効果があり、結晶欠
陥の少ない結晶が得られることが確認された。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る結晶成
長装置にあっては、従来のヒータの下方に、るつぼを加
熱するための第2のヒータが配設されているので、るつ
ぼ上部より流入する溶融液がるつぼの下部側で凝固する
のを抑制することができ、またるつぼの下部側の高温化
により熱衝撃も緩和することができるため、結晶用原料
の溶融時におけるるつぼの破損を抑制することができ
る。また結晶の引き上げ時においては、前記第2のヒー
タは熱の遮へい体としての役割を果たすこととなるた
め、溶融層法におけるドーピング不純物の偏析を防止す
ることができ、結晶欠陥の少ない結晶を得ることができ
る。
【0029】また本発明に係る結晶成長方法にあって
は、上記記載の結晶成長装置を用い、るつぼ内に充填し
た結晶用原料をヒータ及び第2のヒータを用いて全て溶
融し、この後該溶融液を前記るつぼ底部より上方へ向け
て凝固させて多結晶よりなる固体層を形成し、さらにこ
の後前記るつぼの溶融液部分から結晶成長を開始させる
ので、固体層を溶融させる際に溶融液が落ち込んで溶融
層が揺動したり、溶融液表面のレベル変動が生じてしま
うことを防止することができ、しかも溶融層法によりド
ーピング不純物の偏析も防止することができるため、結
晶欠陥の少ない結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶成長装置の一実施例を模式的
に示した断面図である。
【図2】従来のCZ法で使用される結晶成長装置の模式
的断面図である。
【図3】溶融層法で使用される結晶成長装置の模式的断
面図である。
【符号の説明】 11 るつぼ 22 ヒータ 32 第2のヒータ S 結晶用原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 高行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶用原料が充填されるるつぼを備え、
    該るつぼ内の結晶用原料を溶融させるヒータが前記るつ
    ぼの周囲に配設された結晶成長装置において、前記ヒー
    タの下方に、前記るつぼを加熱するための第2のヒータ
    が配設されていることを特徴とする結晶成長装置。
  2. 【請求項2】 るつぼ内の結晶用原料を上側から下側へ
    向けて溶融しつつ、その溶融液を上方に引き上げて結晶
    を成長させる結晶成長方法において、請求項1記載の結
    晶成長装置を用い、るつぼ内に充填した結晶用原料をヒ
    ータ及び第2のヒータを用いて全て溶融し、この後該溶
    融液を前記るつぼ底部より上方へ向けて凝固させて多結
    晶よりなる固体層を形成し、さらにこの後前記るつぼの
    溶融液部分から結晶成長を開始させることを特徴とする
    結晶成長方法。
JP2616391A 1991-02-20 1991-02-20 結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法 Pending JPH0532479A (ja)

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JP2616391A JPH0532479A (ja) 1991-02-20 1991-02-20 結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法
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DE4204777A DE4204777A1 (de) 1991-02-20 1992-02-18 Vorrichtung und verfahren zum zuechten von einkristallen

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JP2616391A JPH0532479A (ja) 1991-02-20 1991-02-20 結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法

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JP2616391A Pending JPH0532479A (ja) 1991-02-20 1991-02-20 結晶成長装置及び該装置を用いた結晶成長方法

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