JPH06345585A - 単結晶引き上げ装置 - Google Patents

単結晶引き上げ装置

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JPH06345585A
JPH06345585A JP14182393A JP14182393A JPH06345585A JP H06345585 A JPH06345585 A JP H06345585A JP 14182393 A JP14182393 A JP 14182393A JP 14182393 A JP14182393 A JP 14182393A JP H06345585 A JPH06345585 A JP H06345585A
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crucible
cavity
single crystal
layer
refrigerant
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Application number
JP14182393A
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English (en)
Inventor
Masahiko Okui
正彦 奥井
Shunji Miyahara
俊二 宮原
Toshiyuki Fujiwara
俊幸 藤原
Takayuki Kubo
高行 久保
Hideki Fujiwara
秀樹 藤原
Shuichi Inami
修一 稲見
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 坩堝16を効率よく冷やすことができ、全融
再凝固方式における固体層31の形成時にサブヒータ1
9のパワーをオフする以外に溶融層30を効率よく冷却
することができ、固体層31の形成時間を大幅に短縮す
ることができ、また坩堝16の冷却範囲を調節すること
ができ、形成される固体層31の厚さを制御することが
できる単結晶引き上げ装置10を提供すること。 【構成】 坩堝支持軸の17内部に形成された冷媒の流
路20と、外層保持容器16b底部内に形成された冷媒
流通用の第1の空洞21とが接続され、外層保持容器1
6b底面部または側面部において第1の空洞21と外部
流路23とが接続されている単結晶引き上げ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶引き上げ装置に関
し、より詳細には例えばシリコン等の半導体物質の単結
晶を成長させるときに使用される単結晶引き上げ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単結晶を引き上げるには種々の装
置及び方法があり、その一つにチョクラルスキー法(以
下、CZ法と記す)がある。
【0003】図8は従来のCZ法で使用される単結晶引
き上げ装置を概略的に示した縦断面図であり、図中66
は坩堝を示している。坩堝66は有底円筒形状の石英製
の内層容器66aと、内層容器66aの外側に嵌合され
た同じく有底円筒形状の黒鉛製の外層保持容器66bと
から構成されており、坩堝66下部には坩堝支持軸37
が形成され、坩堝支持軸37には昇降・回転機構(図示
せず)が接続されている。さらに、坩堝66の外周には
ヒータ32が同心円筒状に配設されており、坩堝66内
にはヒータ32を用いて溶融させた結晶用原料の溶融液
29が充填され、またヒータ32は前記結晶原料の充填
高さと略同一高さを有して形成されている。また、坩堝
66の中心軸上にはワイヤ等を用いて形成された引き上
げ軸25が吊設され、引き上げ軸25は坩堝支持軸37
の回転方向と同方向または逆方向へ回転可能となってお
り、引き上げ軸25下端部にはシードチャック25aが
接続され、シードチャック25aには種結晶25bが装
着されている。
【0004】このように構成された装置を使用し、CZ
法により単結晶26を引き上げる場合、まず坩堝支持軸
37の昇降機構を用いて所定位置に坩堝66を設定し、
坩堝66内の結晶原料を溶融させる。そして引き上げ軸
25に取り付けられた種結晶25bを溶融液29の表面
に接触させ、引き上げ軸25を回転させながら溶融液2
9が凝固することにより形成される単結晶26を引き上
げる。
【0005】ところで、単結晶26の引き上げの際に
は、電気抵抗率や電気伝導型を調整するために、引き上
げ前に溶融液29中にドーパント(不純物)を添加する
ことが多い。この場合、溶融液29と単結晶26との界
面における単結晶26中の不純物濃度CS と溶融液29
中の不純物濃度CL との比Ke (実効分配係数)は、例
えばシリコン(以下、Siと記す)に対する不純物とし
てのリン(以下、Pと記す)の場合、0.35(「Si
単結晶とドーピング」;p35,丸善参照)である。し
たがってCZ法では、単結晶26の成長にともなって溶
融液29中の不純物濃度が高くなり、このため引き上げ
られる単結晶26中の不純物濃度が次第に増加し、その
結果単結晶26中で電気抵抗率が不均一になるという問
題があった。
【0006】不純物の偏析が生じていない単結晶26を
成長させることを目的として溶融層法が提案されてい
る。図9は従来の溶融層法で使用される単結晶引き上げ
装置を示した模式的断面図であり、図8に示したものと
略同様に構成されている。
【0007】このように構成された装置を使用して溶融
層法により単結晶26を引き上げる場合、まず坩堝支持
軸37の昇降機構を用いて所定位置に坩堝66を設定
し、ヒータ32を用いて坩堝66内における結晶原料の
上部を溶融させ、坩堝66内の上部には溶融層30、坩
堝66内の下部には固体層31を形成する。次に、ヒー
タ32のパワーを調整しつつ上側から下側へ向けて固体
層31を溶融させ、上記したCZ法の過程と同様にして
単結晶26を引き上げる。
【0008】この溶融層法には溶融層厚変化法と溶融層
厚一定法とがある。溶融層厚変化法は意図的に溶融層3
0の体積を変化させることにより、単結晶26の引き上
げ中に不純物を添加することなく、溶融層30中におけ
る不純物濃度を一定に保つ方法である(特開昭61−2
05691号、特開昭61−205692号及び特開昭
61−215285号公報)。一方、溶融層厚一定法は
単結晶26の成長と同時に、不純物を含有しない固体層
31を溶融させていき、単結晶26の引き上げ中に溶融
層30の体積を一定に保ちつつ不純物を連続的に添加す
ることにより、溶融層30中における不純物濃度を一定
に保つ方法である(特公昭34−8242号、特公昭6
2−880号及び実公平3−7405号公報)。
【0009】また、溶融層厚一定法では全融再凝固方式
が提案されている。この方法では図9に示した装置を使
用し、まず坩堝支持軸37の昇降機構を用いて坩堝66
を所定位置に設定し、ヒータ32を用いて結晶原料を一
旦すべて溶融させて溶融液29を形成する。次に、ヒー
タ32のパワーを下げ、比較的冷却されやすい坩堝66
内の下部から溶融液29を凝固させ、坩堝66内の上部
に所定厚さの溶融層30を坩堝66内の下部に所定厚さ
の固体層31を形成する。この後、不純物は添加せず、
坩堝66の上側から下側へ向けて固体層31を溶融さ
せ、ヒータ32のパワーを調整して略一定層厚の溶融層
30を形成することにより溶融層30中における不純物
濃度を一定に保ちつつ単結晶26を引き上げる(特開昭
63−252989号公報)。
【0010】しかし、図9に示した単結晶引き上げ装置
では、ヒータ32に対する坩堝66の位置が固定されて
いるため、溶融層法により単結晶26を引き上げる場
合、坩堝66を所定位置に設定した状態で、ヒータ32
のパワー調整のみにより固体層31の溶解量を制御する
ことは困難である。この結果、引き上げ時における溶融
層30中の不純物濃度が一定になり難く、引き上げた単
結晶26の軸方向に関して電気抵抗率が一定になり難い
という問題があった。
【0011】このような問題の解決を図るため、上下2
段に分割されるヒータを用いた単結晶引き上げ装置が提
案されている。図10はこの単結晶引き上げ装置を示し
た模式的断面図であり、図中66は図9の装置のものと
同様に構成された坩堝を示している。坩堝66上部の外
側にはメインヒータ18が同心円筒状に配設され、メイ
ンヒータ18の下方には、メインヒータ18と略同一形
状に形成されたサブヒータ19が同心円筒状に配設され
ており、メインヒータ18及びサブヒータ19はそれぞ
れパワーが調整可能となっている。
【0012】このように構成された装置を使用し、全融
再凝固方式を用いて単結晶を引き上げる場合、まず坩堝
66を所定位置に設定し、メインヒータ18及びサブヒ
ータ19を用いて坩堝66内の結晶原料を一旦全て溶融
させて溶融層30を形成する。次に、サブヒータ19の
パワーをオフにし、メインヒータ18パワーを下げて溶
融層30の下側に固体層31を形成するとともに溶融層
30内に不純物を添加して溶融させる。この後、メイン
ヒータ18及びサブヒータ19のパワーを調整し、固体
層31の溶解量を制御しつつ上記したCZ法の過程と同
様にして単結晶26を引き上げている(特開平5−24
972号公報)。
【0013】このように、メインヒータ18及びサブヒ
ータ19とが配設された装置では、メインヒータ18の
パワーとサブヒータ19とのパワーとを個別に調整する
ことにより、坩堝66の温度分布と坩堝66下部の冷却
速度とをかなり制御することができる。また、通常メイ
ンヒータ18及びサブヒータ19は固定されて配設され
ており、上記した方法における固体層31の形成の際、
坩堝66の位置をメインヒータ18及びサブヒータ19
の位置と相対的に決めて設定することにより、固体層3
1の厚みを一定にしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た単結晶引き上げ装置においては、単結晶の引き上げを
行なう毎にメインヒータ18及びサブヒータ19の消耗
等により発熱状態等が微妙に変化してしまい、固体層3
1の形成時にメインヒータ18及びサブヒータ19に対
する坩堝66の相対位置を一定に設定しても、形成され
る固体層31の厚みが毎回変化する。このため、形成さ
れる固体層31の厚さを制御することが難しく、一定の
厚みを有する固体層31を形成することは困難であると
いう課題があった。
【0015】また、固体層31の形成の際、サブヒータ
19のパワーをオフする以外に坩堝66を冷却する手段
がなく、このため溶融層30を効率よく冷却することが
できない。このため、固体層31の形成速度が遅くな
り、固体層31の形成に時間がかかり、その結果プロセ
ス時間が長くなり、生産効率が悪くなるという課題があ
った。
【0016】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、坩堝を効率よく冷やすことができ、全融再凝
固方式における固体層の形成時にサブヒータのパワーを
オフにする以外に溶融層を効率よく冷却することがで
き、固体層の形成時間を大幅に短縮することができ、ま
た前記坩堝の冷却範囲を調節することができ、形成され
る前記固体層の厚さを制御することができる単結晶引き
上げ装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る単結晶引き上げ装置は、坩堝支持軸の内
部に形成された冷媒の流路と、外層保持容器の底部内に
形成された冷媒流通用の第1の空洞とが接続され、前記
外層保持容器の底面部または側面部において前記第1の
空洞と外部流路とが接続されていることを特徴としてい
る(1)。
【0018】また、上記(1)記載の単結晶引き上げ装
置において、前記外層保持容器の側面部内に、前記第1
の空洞から連続した第2の空洞が形成されていることを
特徴としている(2)。
【0019】さらに、上記(2)記載の単結晶引き上げ
装置において、前記第2の空洞に孔のあいたまたは孔の
あいていない円筒形状の仕切り板が内設されていること
を特徴としている。
【0020】
【作用】上記(1)記載の単結晶引き上げ装置によれ
ば、坩堝支持軸の内部に形成された冷媒の流路と、外層
保持容器の底部内に形成された冷媒流通用の第1の空洞
とが接続され、前記外層保持容器の底面部または側面部
において前記第1の空洞と外部流路とが接続されている
ので、冷媒が前記流路、前記第1の空洞及び前記外部流
路を流れることにより、前記坩堝の底部が効率よく冷却
される。このため、全融再凝固方式における固体層の形
成時にサブヒータのパワーをオフする以外に、前記坩堝
下部の溶融層が効率よく冷却され、該溶融層が短時間で
凝固し、前記固体層の形成速度が速められる。その結
果、該固体層の形成時間が短縮され、プロセス時間の短
縮を図ることが可能となり、生産効率を向上させること
が可能となる。なお、前記外部流路は前記坩堝の昇降へ
の妨害や他の装置との接触等がないように配設されてい
ることが望ましい。
【0021】また、上記(2)記載の単結晶引き上げ装
置によれば、上記(1)記載の単結晶引き上げ装置にお
いて、前記外層保持容器の側面部内に、前記第1の空洞
から連続した第2の空洞が形成されているので、冷媒が
前記流路、前記第1の空洞、前記第2の空洞及び前記外
部流路を流れることにより、前記坩堝の底部及び側部が
広い範囲で効率よく冷却される。このため、全融再凝固
方式における固体層の形成時にサブヒータのパワーをオ
フする以外に、前記坩堝内の溶融層が広い範囲で効率よ
く冷却され、該溶融層がより短時間で凝固し、前記固体
層の形成速度が一層速められ、その結果該固体層の形成
時間が大幅に短縮される。
【0022】さらに、上記(2)記載の単結晶引き上げ
装置において、前記第2の空洞に孔のあいていない円筒
形状の仕切り板が内設されている場合には、冷媒が前記
第2の空洞の上部まで確実に流れることにより、前記坩
堝の側部がより確実に冷却され、(2)記載の単結晶引
き上げ装置による作用がより確実に得られる。
【0023】そのうえ、上記(2)記載の単結晶引き上
げ装置において、前記第2の空洞に孔のあいた円筒形状
の仕切り板が内設されている場合には、(2)記載の単
結晶引き上げ装置による作用に加え、冷媒の流量を調整
することにより、前記坩堝の側部における冷却範囲を制
御することも可能となる。すなわち、冷媒の流量を少な
くした場合、冷媒が前記仕切り板の低い部分の前記孔を
通り前記第2の空洞を流れるため、冷媒は前記第2の空
洞の高い部分まで流れず、これにより冷却部分が前記外
層保持容器側部の低い部分に限定される。また、流量を
多くした場合は、冷媒が前記第2の空洞の高い部分まで
流れるため、前記外層保持容器側部の高い部分まで冷却
される。このため、全融再凝固方式における固体層の形
成時に前記坩堝の冷却範囲を制御することが可能とな
り、該坩堝内の溶融層の冷却範囲を調節することが可能
となり、その結果前記固体層の厚みを制御することが可
能となり、所望の厚みの固体層を形成することが可能と
なる。
【0024】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ装置の実施例及び比較例を図面に基づいて説明する。
なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符
号を付すこととする。図1は本発明に係る単結晶引き上
げ装置の実施例を概略的に示した縦断面図であり、図2
は図1におけるX−X線断面図を示している。図中10
は単結晶引き上げ装置を示しており、メインチャンバー
11は軸長方向を垂直とした略円筒形状の真空容器11
aで形成されており、メインチャンバー11上部には小
形の略円筒形状に形成されたプルチャンバー12が連設
されている。真空容器11a下部には真空ポンプ(図示
せず)が接続される排気口13が形成され、また冷媒の
流入口27及び流出口28が引き出されている。また、
プルチャンバー12上部壁にはガス導入管14が接続さ
れており、プルチャンバー12とメインチャンバー11
とは前記真空ポンプを用いて排気され、Ar雰囲気で充
満されるようになっている。
【0025】メインチャンバー11の中央下部には坩堝
支持軸17及び昇降・回転機構(図示せず)が配設され
ており、坩堝支持軸17の内部には冷媒の流路20が形
成され、坩堝支持軸17の外部には冷媒の外部流路23
が配設されている。なお、外部流路23は坩堝16の昇
降を妨害することがなく、また他の装置と接触すること
がないように配設されている。
【0026】また、坩堝支持軸17上には坩堝16が配
設されており、この坩堝16は有底円筒形状の石英製の
内層容器16aと、内層容器16aの外側に嵌合された
同じく有底円筒形状の外層保持容器16bとから構成さ
れている。この外層保持容器16bの底部には冷媒流通
用の第1の空洞21が形成され、第1の空洞21には外
層保持容器16bの底部中央部分において流路20が接
続され、また第1の空洞21は外層保持容器16bの底
面部において外部流路23に接続されている。このよう
に、流入してきた冷媒が流路20から第1の空洞21を
経て外部流路23に流れるようになっている。
【0027】また、坩堝16の中心軸上にはプルチャン
バー12を通して引き上げ軸25が回転・昇降可能に吊
設され、引き上げ軸25下端部には種結晶25bを着脱
可能に保持するシードチャック25aが接続されてい
る。
【0028】一方、坩堝16の外周には、例えば90mm
程度の発熱長を有するメインヒータ18が同心円筒状に
配設され、またメインヒータ18の下方には、これと略
同一形状を有するサブヒータ19が同心円筒状に配設さ
れており、さらにメインヒータ18及びサブヒータ19
の外側には保温筒15が周設されている。
【0029】このように構成された本実施例に係る単結
晶引き上げ装置10にあっては、冷媒が流路20、第1
の空洞21及び外部流路23を流れるので、坩堝16底
部を効率よく冷却することができる。このため、全融再
凝固方式における固体層31の形成時にサブヒータ19
のパワーをオフする以外に、坩堝16下部の溶融層30
を効率よく冷却することができ、溶融層30を短時間で
凝固させることができ、固体層31の形成時間を短縮す
ることができる。
【0030】図3は別の実施例に係る単結晶引き上げ装
置の坩堝及び坩堝支持軸部分を示した模式的断面図であ
る。この単結晶引き上げ装置は、図1に示した実施例に
係る単結晶引き上げ装置10と略同様の構成を有し、か
つ外層保持容器の側面部内に第1の空洞から連続した第
2の空洞が形成され、該第2の空洞に孔のあいていない
円筒形状の仕切り板が内設されている。
【0031】図1に示した単結晶引き上げ装置10と同
様に坩堝支持軸17の内部には冷媒の流路20が形成さ
れており、坩堝支持軸17の外部には冷媒の外部流路2
3が配設されている。坩堝支持軸17上には坩堝46が
配設されており、坩堝46は内層容器46aと外層保持
容器46bとから構成されている。また、外層保持容器
46b底部には冷媒流通用の第1の空洞41が形成され
ており、第1の空洞41には外層保持容器46bの底部
中央部分において流路20が接続されている。外層保持
容器46bの側面部には第1の空洞41から連続した第
2の空洞22が形成されており、第2の空洞22にはタ
ングステンあるいはモリブデン製の孔のあいていない仕
切り板24が外層保持容器46bとの一体形成により内
設されている。また、第2の空洞22は外層保持容器4
6bの底面側部において、外部流路23に接続されてお
り、流入してきた冷媒が流路20から第1の空洞41を
通り、さらに第2の空洞22を通って外部流路23に流
れるようになっている。
【0032】このように構成された本実施例に係る単結
晶引き上げ装置にあっては、冷媒が流路20、第1の空
洞41、第2の空洞22及び外部流路23を流れるの
で、坩堝46の底部及び側部を効率よく冷却することが
できる。また、第2の空洞22に孔のあいていない仕切
り板24が内設されているので、冷媒が前記第2の空洞
22の上部にまで確実に流れ、坩堝46側部を一層効率
よく冷却することができる。このため、全融再凝固方式
における固体層31の形成時に、サブヒータ19のパワ
ーをオフする以外に、坩堝46内の溶融層30が広い範
囲でしかも効率よく冷却され、溶融層30をより短時間
で凝固させることができる。このため、固体層31の形
成速度をより一層速くすることができ、固体層31の形
成時間を大幅に短縮することができる。
【0033】図4はさらに別の実施例に係る坩堝及び坩
堝支持軸を示した模式的断面図であり、この単結晶引き
上げ装置は、図3に示した単結晶引き上げ装置と略同様
の構成を有し、第2の空洞に孔のあいた円筒状の仕切り
板が内設されている。
【0034】図中17は坩堝支持軸を示しており、単結
晶引き上げ装置10と同様に坩堝支持軸17の内部には
冷媒の流路20が形成され、坩堝支持軸17の外部には
冷媒の外部流路23が配設されている。坩堝支持軸17
上には坩堝56が配設されており、この坩堝56は有底
円筒形状の石英製の内層容器56aと、内層容器56a
の外側に嵌合された同じく有底円筒形状のタングステン
製の外層保持容器56bとから構成されている。また、
この外層保持容器56bの底部内には冷媒流通用の第1
の空洞51が形成され、第1の空洞51は外層保持容器
56bの底部中央部分において流路20に接続されてお
り、外層保持容器56bの側面部内には第1の空洞51
と接続された冷媒流通用の第2の空洞52が形成され、
図5に示したように第2の空洞52には図6に示したよ
うな孔34aのあいた円筒形状のタングステンあるいは
モリブデン製の仕切り板34が介装されることにより内
設されている。また、第2の空洞52は外層保持容器5
6bの底面側部において外部流路23に接続されてお
り、流入された冷媒が流路20から第1の空洞51を通
って第2の空洞52を通り外部流路23に流れるように
なっている。
【0035】次に、図4のように構成された単結晶引き
上げ装置を使用し、全融再凝固方式により単結晶26を
引き上げた場合について説明する。まず、坩堝56内に
結晶用原料として約65kgの多結晶Siを充填し、n
型不純物として0.6gのP(リン)を添加した。この
後、チャンバー11内を10TorrのAr(アルゴ
ン)雰囲気に設定し、メインヒータ18への印加電力を
約50kw、サブヒータ19への印加電力を約50kw
にそれぞれ設定し、全ての多結晶Si及びリンを溶融さ
せて溶融層30を形成した。次に、昇降機構を駆動させ
て坩堝56を所定の高さに設定した後、メインヒータ1
8への印加電力を約70kw、サブヒータ19への印加
電力を0kwにそれぞれ設定するとともに、冷媒の流入
口27から冷却水(冷媒)を流入し、流路20、第1の
空洞51、第2の空洞52及び外部流路23に流した。
こうして、意図した固体層31の厚さが得られるまで坩
堝56底部から上方へ向けて溶融層30を凝固させ、坩
堝56内の上側に溶融層30を形成し、下側に固体層3
1を形成した。
【0036】次に、種結晶25b下端を溶融層30に浸
漬した後、たとえば坩堝56の回転速度を1rpm、引
き上げ軸25の回転速度を10rpmのように坩堝56
の毎分回転数/引き上げ軸25の毎分回転数=1/10
になるように設定して回転させつつ単結晶26を引き上
げた。ネック部26a、ショルダー部26bを経てボデ
イ部26cにかかる箇所まで単結晶26を引き上げた
際、坩堝56を所定位置に設定し、その後メインヒータ
18及びサブヒータ19への印加電力を調整することに
より固体層31の溶解量を制御し、かつ溶融層30中の
不純物濃度を一定に保ち、引き上げ速度を1mm/mi
n、単結晶26の直径を154mmに保持しつつ単結晶
26を引き上げた。
【0037】図7は本実施例に係る単結晶引き上げ装置
を使用し、上記した方法により坩堝56下部の溶融層3
0を凝固させて固体層31を形成し、固体層31の厚み
が約100mmになるまでに要した時間を測定し、これ
を20回行なった結果の度数分布図であり、従来の単結
晶引き上げ装置(図10)を用いて同様の測定を行なっ
た場合の度数分布を比較例として図7に併記する。
【0038】図7から明らかなように、約100mmの
厚みの固体層31を形成するのに要した時間は、比較例
のものの場合、平均すると約8時間であったが、実施例
のものの場合は、平均すると約6時間であり、平均して
約2時間短縮されている。このように、サブヒータ19
のパワーをオフにした場合でも坩堝56の周囲を冷却す
ることにより、固体層31の形成に要する時間を大幅に
短縮することができることを確認することができた。
【0039】以上説明したように、本実施例に係る単結
晶引き上げ装置にあっては、冷却水(冷媒)が流路2
0、第1の空洞51、第2の空洞52及び外部流路23
を流れるので、坩堝56の底部及び側部を効率よく冷却
することができる。このため、全融再凝固方式における
固体層31の形成時に、サブヒータ19のパワーをオフ
する以外に、坩堝56内の溶融層30を広い範囲でしか
も効率よく冷却することができ、溶融層30を短時間で
凝固させることができる。このため、固体層31の形成
速度をより速くすることができ、固体層31の形成時間
を大幅に短縮することができる。
【0040】また、第2の空洞52に孔34aのあいた
仕切り板34が内設されているので、冷媒の流量を少な
くした場合、冷却水(冷媒)が仕切り板34の低い部分
の孔34aを通って第1の空洞51側に流れ込むため、
冷却水(冷媒)は第2の空洞52の高い部分にまでは流
れず、これにより冷却部分を外層保持容器56b側部の
低い部分に限定することができる。また、流量を多くし
た場合は、冷却水(冷媒)が第2の空洞52の高い部分
にまで流れるため、外層保持容器56b側部の高い部分
まで冷やすことができる。このように、冷却水(冷媒)
の流量を調節することにより、坩堝56の冷却範囲を調
整することができる。このため、全融再凝固方式におけ
る固体層31の形成時に冷却水(冷媒)の流量を調節す
ることにより、坩堝56の冷却範囲を調整することがで
き、形成される固体層31の厚みを制御することがで
き、所望の厚みの固体層31を形成することができる。
【0041】なお、上記した実施例では外層保持容器が
タングステンを用いて形成されている場合について説明
したが、外層保持容器を形成する材質としてはカーボン
と同程度以上の熱伝導性を有し、かつSiよりも融点が
高いMo(モリブデン)、Ta(タンタル)等の金属あ
るいは耐熱性に優れたSiC(炭化珪素)等のセラミッ
クスを用いることができる。
【0042】また、上記した実施例では第1の空洞と外
部流路との接続箇所が外層保持容器の底面部である場合
を例にとって説明したが、接続箇所が外層保持容器の側
面部である場合でも同様の効果を得ることができる。
【0043】さらに、上記した実施例では第2の空洞に
孔のあいていない円筒形状の仕切り板が内設されている
場合を例にとって説明したが、孔のあいていない円筒形
状の仕切り板が内設されていない場合でも略同様の効果
を得ることができる。
【0044】しかも、上記した実施例では冷媒として冷
却水を用いた場合を例にとって説明したが、冷媒として
はその他Ar(アルゴン)ガスやHe(ヘリウム)ガス
等を用いることができる。また、冷媒は流すだけでなく
循環させることもできる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る単結晶
引き上げ装置(1)にあっては、坩堝支持軸の内部に形
成された冷媒の流路と、外層保持容器の底部内に形成さ
れた冷媒流通用の第1の空洞とが接続され、前記外層保
持容器の底面部または側面部において前記第1の空洞と
外部流路とが接続されているので、冷媒が前記流路、前
記第1の空洞及び前記外部流路を流れることにより、前
記坩堝の底部を効率よく冷却することができる。このた
め、全融再凝固方式における固体層の形成時にサブヒー
タのパワーをオフする以外に、前記坩堝下部の溶融層を
効率よく冷却することができ、該溶融層を短時間で凝固
させることができ、前記固体層の形成速度を速めること
ができる。その結果、該固体層の形成時間を短縮するこ
とができ、プロセス時間の短縮を図ることができ、生産
効率を向上させることができる。
【0046】また、本発明に係る単結晶引き上げ装置
(2)にあっては、上記(1)記載の単結晶引き上げ装
置において、前記外層保持容器の側面部内に、前記第1
の空洞から連続した第2の空洞が形成されているので、
冷媒が前記流路、前記第1の空洞、前記第2の空洞及び
前記外部流路を流れることにより、前記坩堝の底部及び
側部を効率よく冷却することができる。このため、全融
再凝固方式における固体層の形成時にサブヒータのパワ
ーをオフする以外に、前記坩堝内の溶融層を広い範囲で
効率よく冷却することができ、該溶融層をより短時間で
凝固させることができ、前記固体層の形成速度を一層速
めることができ、その結果該固体層の形成時間を大幅に
短縮することができる。
【0047】さらに、上記(2)記載の単結晶引き上げ
装置において、前記第2の空洞に孔のあいていない円筒
形状の仕切り板が内設されている場合は、冷媒が前記第
2の空洞の上部まで流れることにより、前記坩堝の側面
部をより確実に冷却することができ、このため単結晶引
き上げ装置(2)における効果をより確実に得ることが
できる。
【0048】さらに、上記(2)記載の単結晶引き上げ
装置において、前記第2の空洞に孔のあいた円筒形状の
仕切り板が内設されている場合は、単結晶引き上げ装置
(2)における効果に加え、冷媒の流量を調整すること
により、前記坩堝の側部における冷却範囲を制御するこ
とができる。すなわち、冷媒の流量を少なくした場合、
冷媒が前記仕切り板の低い部分の前記孔を通り、前記第
2の空洞を流れるため、冷媒は前記第2の空洞の高い部
分まで流れず、これにより冷却部分を前記外層保持容器
側部の低い部分に限定することができる。また、流量を
多くした場合は、冷媒が前記第2の空洞の高い部分まで
流れるため、前記外層保持容器側部の高い部分まで冷や
すことができる。このため、全融再凝固方式における固
体層の形成時に、前記坩堝内の冷却範囲を制御すること
ができ、該坩堝内の溶融層の冷却範囲を制御することが
でき、その結果前記固体層の厚みを制御することがで
き、所望の厚みの固体層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引き上げ装置の実施例を示
した模式的縦断面図である。
【図2】実施例に係る単結晶引き上げ装置を概略的に示
した図1におけるX−X線断面図である。
【図3】別の実施例に係る単結晶引き上げ装置の坩堝及
び坩堝支持軸部分を示した模式的縦断面図である。
【図4】さらに別の実施例に係る単結晶引き上げ装置の
坩堝及び坩堝支持軸部分を示した模式的縦断面図であ
る。
【図5】さらに別の実施例に係る仕切り板の部分を示し
た図4におけるX’−X’線断面図である。
【図6】さらに別の実施例に係る仕切り板を示した斜視
図である。
【図7】溶融層を凝固させて固体層を形成し、固体層の
厚みが100mmになるまでに要した時間を測定した結
果を示した度数分布図である。
【図8】従来のCZ法で使用される単結晶引き上げ装置
を概略的に示した縦断面図である。
【図9】従来の溶融層法で使用される単結晶引き上げ装
置を概略的に示した縦断面図である。
【図10】上下2段に分割されるヒータを用いた従来の
単結晶引き上げ装置を概略的に示した縦断面図である。
【符号の説明】
16b 外層保持容器 17 坩堝支持軸 20 流路 21 第1の空洞 22 第2の空洞 23 外部流路 24、34 仕切り板 34b 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 高行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 稲見 修一 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 坩堝支持軸の内部に形成された冷媒の流
    路と、外層保持容器の底部内に形成された冷媒流通用の
    第1の空洞とが接続され、前記外層保持容器の底面部ま
    たは側面部において前記第1の空洞と外部流路とが接続
    されていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。
  2. 【請求項2】 前記外層保持容器の側面部内に、前記第
    1の空洞から連続した第2の空洞が形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の単結晶引き上げ装置。
  3. 【請求項3】前記第2の空洞に孔のあいたまたは孔のあ
    いていない円筒形状の仕切り板が内設されていることを
    特徴とする請求項2記載の単結晶引き上げ装置。
JP14182393A 1993-06-14 1993-06-14 単結晶引き上げ装置 Pending JPH06345585A (ja)

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