JP2606046B2 - 単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法 - Google Patents
単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法Info
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- JP2606046B2 JP2606046B2 JP4096386A JP9638692A JP2606046B2 JP 2606046 B2 JP2606046 B2 JP 2606046B2 JP 4096386 A JP4096386 A JP 4096386A JP 9638692 A JP9638692 A JP 9638692A JP 2606046 B2 JP2606046 B2 JP 2606046B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶引き上げ時におけ
る単結晶酸素濃度の制御方法に関し、より詳細には溶融
層法において使用目的に合った酸素量をシリコン単結晶
に含有させることができるような単結晶引き上げ時にお
ける単結晶酸素濃度の制御方法に関する。
る単結晶酸素濃度の制御方法に関し、より詳細には溶融
層法において使用目的に合った酸素量をシリコン単結晶
に含有させることができるような単結晶引き上げ時にお
ける単結晶酸素濃度の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶を成長させるには種々の方法があ
るが、半導体等の材料に使用されるシリコン(以下、S
iと記す)単結晶は、チョクラルスキー法(以下、CZ
法と記す)やフロートゾーン法と呼ばれる引き上げ方法
によって形成される。
るが、半導体等の材料に使用されるシリコン(以下、S
iと記す)単結晶は、チョクラルスキー法(以下、CZ
法と記す)やフロートゾーン法と呼ばれる引き上げ方法
によって形成される。
【0003】図8は上記CZ法に用いられる成長炉を示
す部分断面正面図であり、成長炉20は主にメインチャ
ンバー21とプルチャンバー22とで構成され、メイン
チャンバー21とプルチャンバー22との間にはゲート
バルブ23が介装されている。メインチャンバー21内
には坩堝11、ヒータ15等が配設され、坩堝11内に
は溶融液12が充填される一方、プルチャンバー22の
上部からは単結晶14を引き上げるための引上げ軸17
が垂設されている。またメインチャンバー21及びプル
チャンバー22の上部にはそれぞれアルゴンガス(以
下、Arと記す)等の不活性ガスを供給するガス供給管
24が接続され、メインチャンバー21の下部には真空
ポンプ(図示せず)に接続される吸引管25が固着され
ている。
す部分断面正面図であり、成長炉20は主にメインチャ
ンバー21とプルチャンバー22とで構成され、メイン
チャンバー21とプルチャンバー22との間にはゲート
バルブ23が介装されている。メインチャンバー21内
には坩堝11、ヒータ15等が配設され、坩堝11内に
は溶融液12が充填される一方、プルチャンバー22の
上部からは単結晶14を引き上げるための引上げ軸17
が垂設されている。またメインチャンバー21及びプル
チャンバー22の上部にはそれぞれアルゴンガス(以
下、Arと記す)等の不活性ガスを供給するガス供給管
24が接続され、メインチャンバー21の下部には真空
ポンプ(図示せず)に接続される吸引管25が固着され
ている。
【0004】図9は上記成長炉の要部を示す模式的拡大
断面図であり、図中11は坩堝を示している。坩堝11
は石英坩堝11aと黒鉛坩堝11bとで構成されてお
り、有底円筒状の石英坩堝11aの外側に同じく有底円
筒状の黒鉛坩堝11bが嵌合されて構成されている。坩
堝11は支持軸16に支持されており、支持軸16が坩
堝11を図中矢印方向に所定速度で回転させ、かつ昇降
させるよう構成されている。坩堝11の外側にはヒータ
ー15が同心円筒状に配設されており、坩堝11の内側
にはヒータ15により結晶原料を溶融させて形成した溶
融液12が充填されている。また坩堝11の中心軸上に
はワイヤ等より成る引き上げ軸17が支持軸16の回転
方向と同一または逆方向に所定速度で回転可能に配設さ
れ、また引き上げ軸17の下端には種結晶(図示せず)
がシードチャック18により取り付けられている。
断面図であり、図中11は坩堝を示している。坩堝11
は石英坩堝11aと黒鉛坩堝11bとで構成されてお
り、有底円筒状の石英坩堝11aの外側に同じく有底円
筒状の黒鉛坩堝11bが嵌合されて構成されている。坩
堝11は支持軸16に支持されており、支持軸16が坩
堝11を図中矢印方向に所定速度で回転させ、かつ昇降
させるよう構成されている。坩堝11の外側にはヒータ
ー15が同心円筒状に配設されており、坩堝11の内側
にはヒータ15により結晶原料を溶融させて形成した溶
融液12が充填されている。また坩堝11の中心軸上に
はワイヤ等より成る引き上げ軸17が支持軸16の回転
方向と同一または逆方向に所定速度で回転可能に配設さ
れ、また引き上げ軸17の下端には種結晶(図示せず)
がシードチャック18により取り付けられている。
【0005】上記装置を用いて単結晶14を成長させる
際には、前記種結晶を溶融液12面に接触させて引き上
げ軸17を回転させながら引き上げることにより単結晶
14を成長させている。
際には、前記種結晶を溶融液12面に接触させて引き上
げ軸17を回転させながら引き上げることにより単結晶
14を成長させている。
【0006】ところで、半導体単結晶14をこの方法で
成長させる場合、単結晶14の引き上げ前に溶融液12
中に不純物元素を添加することが多いが、この際添加し
た不純物が単結晶14の結晶成長方向に沿って偏析し、
その結果、単結晶14の電気特性が結晶成長方向に均一
とならず、歩留りが33%程度に低下するという問題が
あった。
成長させる場合、単結晶14の引き上げ前に溶融液12
中に不純物元素を添加することが多いが、この際添加し
た不純物が単結晶14の結晶成長方向に沿って偏析し、
その結果、単結晶14の電気特性が結晶成長方向に均一
とならず、歩留りが33%程度に低下するという問題が
あった。
【0007】上記不純物の偏析を抑制しながら結晶を成
長させる方法として、溶融層法(Me1ted Lay
er法、以下、ML法と記す)がある。図10は従来の
ML法に用いられる装置の要部を示す模式的拡大断面図
であり、図9に示したものと同様に構成された坩堝11
内の結晶用原料の上部のみをヒータ15にて溶融させる
ことにより、坩堝11内の上部には溶融液12層、下部
には固体層13を形成して単結晶14を成長させてい
る。
長させる方法として、溶融層法(Me1ted Lay
er法、以下、ML法と記す)がある。図10は従来の
ML法に用いられる装置の要部を示す模式的拡大断面図
であり、図9に示したものと同様に構成された坩堝11
内の結晶用原料の上部のみをヒータ15にて溶融させる
ことにより、坩堝11内の上部には溶融液12層、下部
には固体層13を形成して単結晶14を成長させてい
る。
【0008】上記装置を用いて単結晶14を成長させる
際には、固体層13を溶融させながら所定の不純物濃度
を有する溶融液12層を形成し、溶融液12層に種結晶
(図示せず)を接触させ、引き上げ軸17を回転させな
がら引き上げることによって不純物濃度が一定の単結晶
14を成長させている。
際には、固体層13を溶融させながら所定の不純物濃度
を有する溶融液12層を形成し、溶融液12層に種結晶
(図示せず)を接触させ、引き上げ軸17を回転させな
がら引き上げることによって不純物濃度が一定の単結晶
14を成長させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】単結晶14には、使用
目的に応じて12〜17×1017/cm3程度の酸素
を含有させている。前記酸素は石英坩堝11aを形成す
るSiO2が溶融液12中へ溶け出すことによって供給
されており、通常単結晶14中の酸素濃度は坩堝11及
び引き上げ軸17の回転速度を変化させることにより調
整している。
目的に応じて12〜17×1017/cm3程度の酸素
を含有させている。前記酸素は石英坩堝11aを形成す
るSiO2が溶融液12中へ溶け出すことによって供給
されており、通常単結晶14中の酸素濃度は坩堝11及
び引き上げ軸17の回転速度を変化させることにより調
整している。
【0010】ところが、上記したML法においてはCZ
法と比較して歩留りは高いが、溶融液12が内層容器1
1aと接触する面積が固体層13によって減少して約半
分程度となる結果、単結晶14への酸素の供給量が減少
するので高酸素化を実現することができなくなるという
課題があった。
法と比較して歩留りは高いが、溶融液12が内層容器1
1aと接触する面積が固体層13によって減少して約半
分程度となる結果、単結晶14への酸素の供給量が減少
するので高酸素化を実現することができなくなるという
課題があった。
【0011】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、単結晶引き上げ時において単結晶中に所望の酸素量
を含有させることができる単結晶酸素濃度の制御方法を
提供することを目的としている。
り、単結晶引き上げ時において単結晶中に所望の酸素量
を含有させることができる単結晶酸素濃度の制御方法を
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃
度の制御方法は、固体層及び該固体層上方の溶融液層と
からなる原料が充填された坩堝及び該坩堝の周囲に配設
されたヒータ等を備え、前記坩堝と引き上げられた単結
晶との間に、下部に溶融液面と平行に位置するスカート
部が形成されている逆円錐台形状あるいは円筒形状の本
体部が前記単結晶を取り囲むように位置し、前記坩堝内
の溶融液面の上方近傍にその下端部が位置する熱遮蔽治
具が配設された結晶成長装置を用いて単結晶を成長させ
る際、前記熱遮蔽治具の下端部と溶融液面とのギャップ
を10〜40mmの間で変化させることを特徴としてい
る。
に本発明に係る単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃
度の制御方法は、固体層及び該固体層上方の溶融液層と
からなる原料が充填された坩堝及び該坩堝の周囲に配設
されたヒータ等を備え、前記坩堝と引き上げられた単結
晶との間に、下部に溶融液面と平行に位置するスカート
部が形成されている逆円錐台形状あるいは円筒形状の本
体部が前記単結晶を取り囲むように位置し、前記坩堝内
の溶融液面の上方近傍にその下端部が位置する熱遮蔽治
具が配設された結晶成長装置を用いて単結晶を成長させ
る際、前記熱遮蔽治具の下端部と溶融液面とのギャップ
を10〜40mmの間で変化させることを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】一般に、CZ法およびML法において石英坩堝
を形成するSiO2から溶融液中へ溶け出した酸素は、
溶融液面を介してその大部分が蒸発する。この際、溶融
液中及び溶融液面上の気体中の両方に、酸素(あるいは
SiO)の拡散層が形成され、この拡散層の拡散係数が
酸素(あるいはSiO)の流れを決定している。拡散係
数は温度が低いと小さくなり、拡散が抑制される。
を形成するSiO2から溶融液中へ溶け出した酸素は、
溶融液面を介してその大部分が蒸発する。この際、溶融
液中及び溶融液面上の気体中の両方に、酸素(あるいは
SiO)の拡散層が形成され、この拡散層の拡散係数が
酸素(あるいはSiO)の流れを決定している。拡散係
数は温度が低いと小さくなり、拡散が抑制される。
【0014】図2に示すようにヒータ15で加熱された
高温の坩堝11内に熱遮蔽治具31が配設される場合、
溶融液12面の温度は本体部31aを境として坩堝11
から隔てられている内側(A)は低温、坩堝11に近い
外側(B)は高温となる。したがって本体部31aの内
側(A)は拡散係数が小さくなり、溶融液12面(A)
からの酸素の放出が抑制され、その結果単結晶14への
酸素供給量が増加する。この場合、ギャップ(Z)を狭
くするにしたがい坩堝11の放射熱がより一層遮断され
やすくなり、その結果溶融液12面(A)の温度が下が
り、酸素の放出が抑制されて単結晶14中の酸素濃度が
増加する。
高温の坩堝11内に熱遮蔽治具31が配設される場合、
溶融液12面の温度は本体部31aを境として坩堝11
から隔てられている内側(A)は低温、坩堝11に近い
外側(B)は高温となる。したがって本体部31aの内
側(A)は拡散係数が小さくなり、溶融液12面(A)
からの酸素の放出が抑制され、その結果単結晶14への
酸素供給量が増加する。この場合、ギャップ(Z)を狭
くするにしたがい坩堝11の放射熱がより一層遮断され
やすくなり、その結果溶融液12面(A)の温度が下が
り、酸素の放出が抑制されて単結晶14中の酸素濃度が
増加する。
【0015】また図2に示すように一定圧力のArがギ
ャップ(Z)を通る場合、ギャップ(Z)を狭くするに
したがいArの流速が早くなり、溶融液12面(B)に
沿って流れるようになる。その結果、溶融液12面
(A)がより一層冷却されやすくなり、また溶融液12
面(B)も冷却されて低温の溶融液12面が拡大すると
考えられる。さらに、ギャップ(Z)は坩堝11の昇降
により微調整ができるので酸素濃度を正確に制御するこ
とが可能となり、また装置内雰囲気や結晶の冷却速度へ
の影響も少ないと考えられる。
ャップ(Z)を通る場合、ギャップ(Z)を狭くするに
したがいArの流速が早くなり、溶融液12面(B)に
沿って流れるようになる。その結果、溶融液12面
(A)がより一層冷却されやすくなり、また溶融液12
面(B)も冷却されて低温の溶融液12面が拡大すると
考えられる。さらに、ギャップ(Z)は坩堝11の昇降
により微調整ができるので酸素濃度を正確に制御するこ
とが可能となり、また装置内雰囲気や結晶の冷却速度へ
の影響も少ないと考えられる。
【0016】また、下端部31bの幅(L)を広くすれ
ば、Arが溶融液12面(B)に沿うように流れ、上記
と同様の現象が得やすくなる。
ば、Arが溶融液12面(B)に沿うように流れ、上記
と同様の現象が得やすくなる。
【0017】また、本体部31aの形状を円筒形にして
も、ギャップ(Z)の調整により上記と同様の作用が得
られる。
も、ギャップ(Z)の調整により上記と同様の作用が得
られる。
【0018】本発明に係る単結晶引き上げ時における単
結晶酸素濃度の制御方法によれば、逆円錐台形状の熱遮
蔽治具の下端部と溶融液面とのギャップを10〜40m
mの間で変化させるので、溶融液面の受熱量及びArに
よる溶融液面の冷却温度と冷却面積が制御されることと
なる。さらに、熱遮蔽治具の下部に溶融液面と平行に位
置するスカート部が形成されているので、Arがスカー
ト部の下面に沿って流れて広範囲の溶融液面を効率的に
冷却し得ることとなる。したがって上記したように、溶
融液中に溶け出した酸素(あるいはSiO)が溶融液面
に拡散して気体中へ蒸発するのが抑制され、その結果単
結晶への酸素供給量が制御される。またギャップの変更
は溶融液面上のみで行われるので操業条件全体への影響
が抑制され、また坩堝の昇降により微調整を行うので正
確な制御が可能となる。
結晶酸素濃度の制御方法によれば、逆円錐台形状の熱遮
蔽治具の下端部と溶融液面とのギャップを10〜40m
mの間で変化させるので、溶融液面の受熱量及びArに
よる溶融液面の冷却温度と冷却面積が制御されることと
なる。さらに、熱遮蔽治具の下部に溶融液面と平行に位
置するスカート部が形成されているので、Arがスカー
ト部の下面に沿って流れて広範囲の溶融液面を効率的に
冷却し得ることとなる。したがって上記したように、溶
融液中に溶け出した酸素(あるいはSiO)が溶融液面
に拡散して気体中へ蒸発するのが抑制され、その結果単
結晶への酸素供給量が制御される。またギャップの変更
は溶融液面上のみで行われるので操業条件全体への影響
が抑制され、また坩堝の昇降により微調整を行うので正
確な制御が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る単結晶引き上げ時におけ
る単結晶酸素濃度の制御方法の実施例を図面に基づいて
説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品に
は同一の符号を付すこととする。
る単結晶酸素濃度の制御方法の実施例を図面に基づいて
説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品に
は同一の符号を付すこととする。
【0020】なお、熱遮蔽治具を除いた結晶成長装置の
構成は従来のものと同一であるため、その説明を省略す
る。
構成は従来のものと同一であるため、その説明を省略す
る。
【0021】図1は本発明に係る単結晶引き上げ時にお
ける単結晶酸素濃度の制御方法に用いる装置の実施例1
を示した断面図であり、図中11は坩堝を示している。
坩堝11は支持軸16に支持されており、支持軸16が
坩堝11を図中矢印方向に所定速度で回転させ、かつ昇
降させるよう構成されている。坩堝11の上方には引き
上げ軸17が吊設されており、引き上げ軸17の下端に
は単結晶14が形成されている。また、単結晶14の周
囲にはカーボン製の熱遮蔽治具31が配設されている。
熱遮蔽治具31は上方に向かって拡開した逆円錐台形状
に形成されており、図2に示したように、下端部31b
の内径D1は190mm程度(坩堝内径の49%)に形
成され、下端部31bは坩堝11内の溶融液12面の上
方近傍に位置し、また下端部31bと溶融液12面との
ギャップ(Z)は支持軸16を昇降させることにより調
整可能となっている。
ける単結晶酸素濃度の制御方法に用いる装置の実施例1
を示した断面図であり、図中11は坩堝を示している。
坩堝11は支持軸16に支持されており、支持軸16が
坩堝11を図中矢印方向に所定速度で回転させ、かつ昇
降させるよう構成されている。坩堝11の上方には引き
上げ軸17が吊設されており、引き上げ軸17の下端に
は単結晶14が形成されている。また、単結晶14の周
囲にはカーボン製の熱遮蔽治具31が配設されている。
熱遮蔽治具31は上方に向かって拡開した逆円錐台形状
に形成されており、図2に示したように、下端部31b
の内径D1は190mm程度(坩堝内径の49%)に形
成され、下端部31bは坩堝11内の溶融液12面の上
方近傍に位置し、また下端部31bと溶融液12面との
ギャップ(Z)は支持軸16を昇降させることにより調
整可能となっている。
【0022】図2は実施例1の装置の要部を示した模式
的拡大断面図であり、単結晶14の周囲にはカーボン製
の熱遮蔽治具31が配設されており、その本体部31a
の下部には溶融液12面と平行に位置するスカート部3
1cが形成されている。
的拡大断面図であり、単結晶14の周囲にはカーボン製
の熱遮蔽治具31が配設されており、その本体部31a
の下部には溶融液12面と平行に位置するスカート部3
1cが形成されている。
【0023】上記した各装置を用いてML法により、そ
れぞれ直径6インチのSi単結晶の引き上げを行った。
引き上げ条件を下記の表1に示す。
れぞれ直径6インチのSi単結晶の引き上げを行った。
引き上げ条件を下記の表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】図3は、ギャップを略15〜20mmの範
囲内で変化させたとき、引き上げられた単結晶(全長1
000mm)中の平均酸素濃度を示したグラフであり、
白丸印が実施例1の場合を示している。また同図には比
較例としてスカート部のない熱遮蔽治具32(図11)
を用いて、同様の引き上げをした場合に得られる単結晶
の平均酸素濃度を併せて示している(黒丸印)。
囲内で変化させたとき、引き上げられた単結晶(全長1
000mm)中の平均酸素濃度を示したグラフであり、
白丸印が実施例1の場合を示している。また同図には比
較例としてスカート部のない熱遮蔽治具32(図11)
を用いて、同様の引き上げをした場合に得られる単結晶
の平均酸素濃度を併せて示している(黒丸印)。
【0026】図3より明らかなように、比較例のように
スカート部のない熱遮蔽治具32を用いた場合12〜1
7×10 17 atoms/cm 3 程度までの酸素濃度を
もつ単結晶を得るのに対して、実施例1のようにスカー
ト部31cを有する熱遮蔽治具31を用いた引き上げ法
では、16〜18×10 17 atoms/cm 3 程度の
範囲の高酸素濃度の単結晶を得ることができる。
スカート部のない熱遮蔽治具32を用いた場合12〜1
7×10 17 atoms/cm 3 程度までの酸素濃度を
もつ単結晶を得るのに対して、実施例1のようにスカー
ト部31cを有する熱遮蔽治具31を用いた引き上げ法
では、16〜18×10 17 atoms/cm 3 程度の
範囲の高酸素濃度の単結晶を得ることができる。
【0027】また、図4(a)は図3中A点、及び図4
(b)は図3中B点における単結晶引き上げ軸方向の酸
素濃度分布を示したグラフである。
(b)は図3中B点における単結晶引き上げ軸方向の酸
素濃度分布を示したグラフである。
【0028】図4より明らかなように、スカート部31
cが形成された熱遮蔽治具31を用いた場合、約15m
m及び約20mmのギャップで成長させた単結晶中の酸
素濃度はいずれも1000mm全長にわたって略均一と
なっている。
cが形成された熱遮蔽治具31を用いた場合、約15m
m及び約20mmのギャップで成長させた単結晶中の酸
素濃度はいずれも1000mm全長にわたって略均一と
なっている。
【0029】さらに、図5は図3中A点における単結晶
引き上げ軸方向の抵抗率分布を示したグラフである。
引き上げ軸方向の抵抗率分布を示したグラフである。
【0030】当初はギャップを変更することにより溶融
液12中の温度分布が変化して固体層13の量が変化
し、単結晶軸方向の抵抗率分布に悪影響を及ぼすことが
懸念されたが、図5より明らかなように1000mm全
長にわたり1:1.3の範囲に入り問題の無いことが分
かった。
液12中の温度分布が変化して固体層13の量が変化
し、単結晶軸方向の抵抗率分布に悪影響を及ぼすことが
懸念されたが、図5より明らかなように1000mm全
長にわたり1:1.3の範囲に入り問題の無いことが分
かった。
【0031】また図6、7は実施例2、3の装置の要部
を示した模式的拡大断面図であり、単結晶14の周囲に
は円筒形状のカーボン製の熱遮蔽治具34、35が配設
されており、その本体部34a、35aの下部には溶融
液12面と平行に位置するスカート部34c、35cが
形成されている。実施例1と同様、下端部34b、35
bの内径D1は190mm程度に形成され、下端部34
b、35bは坩堝11内の溶融液12面の上方近傍に位
置し、また下端部34b、35bと溶融液12面とのギ
ャップ(Z)は支持軸16を昇降させることにより調整
可能となっている。
を示した模式的拡大断面図であり、単結晶14の周囲に
は円筒形状のカーボン製の熱遮蔽治具34、35が配設
されており、その本体部34a、35aの下部には溶融
液12面と平行に位置するスカート部34c、35cが
形成されている。実施例1と同様、下端部34b、35
bの内径D1は190mm程度に形成され、下端部34
b、35bは坩堝11内の溶融液12面の上方近傍に位
置し、また下端部34b、35bと溶融液12面とのギ
ャップ(Z)は支持軸16を昇降させることにより調整
可能となっている。
【0032】また、上記熱遮蔽時治具31、34、35
の材質は、カーボン以外であっても耐熱性を有し、放射
熱を反射し、かつ装置を汚染しない材料であればよく、
例えばセラミックス等を使用することができる。
の材質は、カーボン以外であっても耐熱性を有し、放射
熱を反射し、かつ装置を汚染しない材料であればよく、
例えばセラミックス等を使用することができる。
【0033】以上の結果から明らかなように、実施例に
係る単結晶酸素濃度の制御方法では、熱遮蔽治具31、
34、35の下端部31b、34b、35bと溶融液1
2面とのギャップを変化させることによって、溶融液1
2面の受熱量及びArによる冷却温度、冷却面積をより
一層的確に制御し、溶融液12中にある酸素の蒸発量を
制御することができる。したがって、引き上げた単結晶
14中に所望の酸素を結晶成長方向に均一に含有させる
ことができ、また結晶軸方向の抵抗率分布に関しても問
題を生じさせず、また結晶欠陥の少ない単結晶を得るこ
とができる。
係る単結晶酸素濃度の制御方法では、熱遮蔽治具31、
34、35の下端部31b、34b、35bと溶融液1
2面とのギャップを変化させることによって、溶融液1
2面の受熱量及びArによる冷却温度、冷却面積をより
一層的確に制御し、溶融液12中にある酸素の蒸発量を
制御することができる。したがって、引き上げた単結晶
14中に所望の酸素を結晶成長方向に均一に含有させる
ことができ、また結晶軸方向の抵抗率分布に関しても問
題を生じさせず、また結晶欠陥の少ない単結晶を得るこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る単結晶
引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法にあって
は、下部に溶融液面と平行に位置するスカート部が形成
されている逆円錐台形状あるいは円筒形状の本体部が単
結晶を取り囲むように配設された熱遮蔽治具の下端部と
溶融液面とのギャップを変化させるので、熱遮蔽治具の
上方から溶融液面に供給された不活性ガスによる溶融液
面の冷却及び坩堝から溶融液面に放射される熱の遮蔽程
度を正確に制御することができ、その結果溶融液中にあ
る酸素の拡散蒸発が抑制され、単結晶への酸素供給量を
制御することができる。
引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法にあって
は、下部に溶融液面と平行に位置するスカート部が形成
されている逆円錐台形状あるいは円筒形状の本体部が単
結晶を取り囲むように配設された熱遮蔽治具の下端部と
溶融液面とのギャップを変化させるので、熱遮蔽治具の
上方から溶融液面に供給された不活性ガスによる溶融液
面の冷却及び坩堝から溶融液面に放射される熱の遮蔽程
度を正確に制御することができ、その結果溶融液中にあ
る酸素の拡散蒸発が抑制され、単結晶への酸素供給量を
制御することができる。
【0035】したがって、結晶の成長軸方向に均一で、
かつ使用目的に応じて単結晶中の酸素濃度を容易に調整
することができる。
かつ使用目的に応じて単結晶中の酸素濃度を容易に調整
することができる。
【図1】本発明に係る単結晶引き上げ時における単結晶
酸素濃度の制御方法に使用する実施例1の装置を示す断
面図である。
酸素濃度の制御方法に使用する実施例1の装置を示す断
面図である。
【図2】実施例1に係る装置の要部を示す模式的拡大断
面図である。
面図である。
【図3】ギャップを略15〜20mmの範囲内で変更さ
せたとき、引き上げられた単結晶中の平均酸素濃度を示
すグラフである。
せたとき、引き上げられた単結晶中の平均酸素濃度を示
すグラフである。
【図4】図3中A点およびB点における単結晶引き上げ
軸方向の酸素濃度を示すグラフである。
軸方向の酸素濃度を示すグラフである。
【図5】図3中A点における単結晶引き上げ軸方向の抵
抗率分布を示すグラフである。
抗率分布を示すグラフである。
【図6】実施例2に係る装置の要部を示す模式的拡大断
面図である。
面図である。
【図7】実施例3に係る装置の要部を示す模式的拡大断
面図である。
面図である。
【図8】従来のCZ法に用いられる成長炉を示す部分断
面正面図である。
面正面図である。
【図9】従来のCZ法に用いられる装置の要部を示す模
式的拡大断面図である。
式的拡大断面図である。
【図10】従来のML法に用いられる装置の要部を示す
模式的拡大断面図である。
模式的拡大断面図である。
【図11】比較例に係る装置の要部を示す模式的断面図
である。
である。
【符号の説明】11 坩堝 12 溶融液 14 単結晶 15 ヒータ 31、32、34、35 熱遮蔽治具 31a、32a、34a、35a 本体部 31b、32b、34b、35b 下端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 高行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 藤原 秀樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−160892(JP,A) 特開 昭61−205691(JP,A) 特開 昭64−72984(JP,A) 特開 昭63−315589(JP,A) 特開 昭64−65086(JP,A) 実開 昭61−150862(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】 固体層及び該固体層上方の溶融液層とか
らなる原料が充填された坩堝及び該坩堝の周囲に配設さ
れたヒータ等を備え、前記坩堝と引き上げられた単結晶
との間に、下部に溶融掖面と平行に位置するスカート部
が形成されている逆円錐台形状あるいは円筒形状の本体
部が前記単結晶を取り囲むように位置し、前記坩堝内の
溶融液面の上方近傍にその下端部が位置する熱遮蔽治具
が配設された結晶成長装置を用いて単結晶を成長させる
際、前記熱遮蔽治具の下端部と溶融液面とのギャップを
10〜40mmの間で変化させることを特徴とする単結
晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096386A JP2606046B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4096386A JP2606046B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0656571A JPH0656571A (ja) | 1994-03-01 |
JP2606046B2 true JP2606046B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=14163527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4096386A Expired - Lifetime JP2606046B2 (ja) | 1992-04-16 | 1992-04-16 | 単結晶引き上げ時における単結晶酸素濃度の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2606046B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101022909B1 (ko) * | 2003-12-08 | 2011-03-16 | 주식회사 엘지실트론 | 실리콘 단결정 잉곳 성장장치 |
CN102758258B (zh) * | 2012-06-20 | 2016-01-13 | 张永芳 | 单晶炉用伸展式热屏蔽器 |
CN112680793B (zh) * | 2019-10-17 | 2022-02-01 | 上海新昇半导体科技有限公司 | 一种半导体晶体生长装置 |
JP7509528B2 (ja) | 2019-11-11 | 2024-07-02 | グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社 | シリコン単結晶の製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH037405Y2 (ja) * | 1985-03-06 | 1991-02-25 | ||
JPS61205691A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-11 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 結晶成長方法 |
JPS63315589A (ja) * | 1987-06-16 | 1988-12-23 | Osaka Titanium Seizo Kk | 単結晶製造装置 |
JPH0639351B2 (ja) * | 1987-09-05 | 1994-05-25 | 信越半導体株式会社 | 単結晶棒の製造装置及び方法 |
JPH0639352B2 (ja) * | 1987-09-11 | 1994-05-25 | 信越半導体株式会社 | 単結晶の製造装置 |
JP2520925B2 (ja) * | 1987-12-16 | 1996-07-31 | 三菱マテリアル株式会社 | シリコン単結晶中の酸素濃度制御方法 |
-
1992
- 1992-04-16 JP JP4096386A patent/JP2606046B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0656571A (ja) | 1994-03-01 |
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