JPH05321708A - 車両走行制御装置 - Google Patents

車両走行制御装置

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Publication number
JPH05321708A
JPH05321708A JP12394192A JP12394192A JPH05321708A JP H05321708 A JPH05321708 A JP H05321708A JP 12394192 A JP12394192 A JP 12394192A JP 12394192 A JP12394192 A JP 12394192A JP H05321708 A JPH05321708 A JP H05321708A
Authority
JP
Japan
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slip
torque value
wheel speed
vehicle
detecting means
Prior art date
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Pending
Application number
JP12394192A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nishigaki
和浩 西垣
Hitoshi Tasaka
仁志 田坂
Mitsuo Hara
光雄 原
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スリップを確実に収束させることができると
ともに、スリップの再発を招くことがなく、安定した車
両走行を実現することができる車両走行制御装置を提供
する。 【構成】 ECUは、ステップ102にてVslp (スリ
ップ速度)>VL (第1のしきい値)が成立し、かつ、
ステップ104にてVslp (スリップ速度)>VH (第
2のしきい値)が成立する場合に、燃料カットを実行す
る。あるいは、ECUは、ステップ102にてVslp
(スリップ速度)>VL (第1のしきい値)が成立し、
かつ、ステップ105にて燃料カット実行フラグXFC
が「1」にセットされている場合に、燃料カットを実行
する。又、ECUは、ステップ102にてVslp (スリ
ップ速度)≦VL (第1のしきい値)となるか、あるい
は、ステップ111にてRTQ(実トルク)≧TTQ
(目標トルク)となる場合に、燃料カットを解除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両走行制御装置に
関するものであり、詳しくは、スリップ発生時に、内燃
機関の出力トルクを調節することにより、車両の安定走
行を実現する制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、路面の摩擦力が低い場合や、
発進時、あるいは加速時において、駆動輪と路面との摩
擦力を常にスリップ非発生限度内に制御するコントロー
ルシステムが提案されている。
【0003】例えば、特開昭60−104730号公報
に開示されているスリップ防止装置においては、スリッ
プ発生時に燃料カットを行うことにより、内燃機関の出
力トルクを低減させて、スリップを防止するように構成
されている。すなわち、このスリップ防止装置では、駆
動輪速度が従動輪速度に基づいて算出されたしきい値を
越え、かつエンジン回転数が所定のしきい値以上となる
と、燃料カットが実施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
スリップ防止装置においては、以下に示す問題があっ
た。
【0005】第1に、駆動輪速度がしきい値付近で変動
し続けると、燃料カットのオン・オフが繰り返され、内
燃機関や車両に脈動が生じたり、燃料を噴射するインジ
ェクタの磨耗が進んで、インジェクタの耐久性が悪化し
たりする。
【0006】第2に、燃料カットを実行すると、機関回
転数の低下により吸気管内の圧力が急増するが、この状
態で燃料カットを解除して燃料噴射を復帰させると、出
力トルクの立ち上がりにより、スリップが再発するおそ
れがある。そして、この再発したスリップの低減を従来
の制御で対処しても、再発スリップがすでに生じた後の
ことであり、しかも、スリップが再発した後の駆動輪の
速度を検出し、それをしきい値と比較して内燃機関を制
御するために、ある程度の遅れが生じ、スリップの再発
を完全に防止することはできない。加えて、内燃機関と
駆動輪との間のトルク伝達のタイムラグにより、スリッ
プ発生と燃料カットとのタイミングが一致せず、燃料カ
ットを必要以上に実行して、車両の安定走行性を損なう
おそれがあった。
【0007】又、前記特開昭60−104730号公報
とは異なり、出力トルクを低減させる方法として、点火
時期遅角を行う場合においても、駆動輪の速度等の現象
データのみに基づいてスリップ防止制御を行う限り、遅
角制御のオン・オフの繰り返しによる内燃機関の脈動、
あるいは、遅角制御解除時の再スリップという問題が生
じる。
【0008】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、スリップを確
実に収束させることができるとともに、スリップの再発
を招くことがなく、その結果、安定した車両走行を実現
することができる車両走行制御装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の車両走行制御装置は、図6に示すよう
に、車両の駆動輪の速度を検出する駆動輪速度検出手段
M1と、車両の従動輪の速度を検出する従動輪速度検出
手段M2と、前記駆動輪速度検出手段M1により検出さ
れた駆動輪速度と、前記従動輪速度検出手段M2により
検出された従動輪速度とに基づいて、車両走行時のスリ
ップの有無を判別するスリップ判別手段M3と、スリッ
プ時に、実際に発生している実効トルク値を算出する実
効トルク値算出手段M4と、前記駆動輪速度検出手段M
1により検出された駆動輪速度と、前記従動輪速度検出
手段M2により検出された従動輪速度とに基づいて、ス
リップ非発生限界となる目標トルク値を算出する目標ト
ルク値算出手段M5と、前記実効トルク値算出手段M4
により算出された実効トルク値と、前記目標トルク値算
出手段M5により算出された目標トルク値とに応じて内
燃機関の出力トルクの大小を調節してスリップを収束さ
せるトルク調節手段M6とを備えたことを要旨とする。
【0010】又、第2の発明では、トルク調節手段M6
は、スリップ判別手段M3により車両がスリップ状態で
あると判別された場合に、内燃機関の出力トルクを低減
させる出力トルク低減手段と、実効トルク値算出手段に
より算出された実効トルク値が、目標トルク値算出手段
により算出された目標トルク値よりも小さい場合に、前
記出力トルク低減手段による出力トルクの低減を解除す
る出力トルク低減解除手段とを有する。
【0011】又、第3の発明では、内燃機関の運転状態
を検出する内燃機関運転状態検出手段を備え、実効トル
ク値算出手段M4は、前記内燃機関運転状態検出手段に
よる検出に基づいて、実効トルク値を算出する。
【0012】さらに、第4の発明では、車両の操舵角を
検出する操舵角検出手段を備え、スリップ判別手段M3
は、駆動輪速度検出手段M1により検出された駆動輪速
度と、従動輪速度検出手段M2により検出された従動輪
速度と、操舵角検出手段により検出された操舵角とに基
づいて、車両のスリップの有無を判別する。
【0013】加えて、第5の発明では、内燃機関運転状
態検出手段は、内燃機関の機関回転数を検出する機関回
転数検出手段と、内燃機関に導入される吸入空気の量を
検出する吸入空気量検出手段とからなる。
【0014】
【作用】第1の発明によれば、スリップ判別手段M3に
よりスリップが検出されると、実効トルク値算出手段M
4により実効トルク値が算出されるとともに、目標トル
ク値算出手段M5によりスリップ非発生限界となる目標
トルク値が算出される。そして、トルク調節手段M6に
より実効トルク値と目標トルク値とが比較されて、出力
トルクが調節され、スリップが直ちに収束される。すな
わち、スリップ発生と同時に目標トルク値が算出され
て、それに応じて出力トルクが調節されるため、スリッ
プの再発はない。
【0015】又、第2の発明によれば、実効トルク値算
出手段M4により算出された実効トルク値が、目標トル
ク値算出手段M5により算出された目標トルク値よりも
小さい場合には、出力トルク低減解除手段により出力ト
ルク低減手段による出力トルクの低減が解除される。そ
の際、内燃機関の出力トルクは、スリップ発生限界の目
標トルク値以下であるため、スリップの再発はない。
【0016】又、第3の発明のように、実効トルク値の
算出の際には、内燃機関運転状態検出手段により、内燃
機関の運転状態を検出するとよい。さらに、第4の発明
によれば、スリップの判別において、操舵角検出手段に
より操舵角を検出して、その操舵角を利用するので、ス
リップの判別がより正確である。
【0017】加えて、第5の発明のように、内燃機関の
運転状態の検出は、機関回転数の検出と、吸入空気量の
検出とに基づいて行うとよい。
【0018】
【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図面に
従って説明する。図1に示すように、多気筒内燃機関
(以下、エンジンという)1には各気筒に対応して吸気
管2が設けられ、吸気管2の上流側にはエアフロメータ
3が配設されている。エアフロメータ3は吸気管2内に
導入される吸入空気量を検出するための吸入空気量検出
手段及び内燃機関運転状態検出手段を構成している。
又、同じく吸気管2内においてエアフロメータ3の下流
側には、図示しないアクセルペダルの踏み込み操作に連
動して開閉されるスロットルバルブ4が配設されてい
る。
【0019】サージタンク5は吸気管2のスロットルバ
ルブ4の下流側に形成されており、同サージタンク5に
は吸気管2内の圧力を検出するための吸気管圧力センサ
6が配設されている。さらに、サージタンク5の下流側
には図示しない燃料供給系からエンジン1に加圧燃料を
供給するためのインジェクタ7が配設されている。イン
ジェクタ7は後述する電子制御装置により燃料噴射時期
が制御される。
【0020】ピストン8はエンジン1のシリンダブロッ
ク9に往復動可能に配設されている。ピストン8とシリ
ンダブロック9とにて区画される燃焼室には点火プラグ
10が配設されている。点火プラグ10は後述する電子
制御装置により点火時期が制御される。
【0021】内燃機関運転状態検出手段及び機関回転数
検出手段としてのエンジン回転数センサ11はエンジン
1の図示しないクランク軸に配設され、エンジン1の回
転に応じて所定クランク角毎に信号を出力する。
【0022】駆動輪速度検出手段としての駆動輪速度セ
ンサ12は、車両の駆動輪(図示略)に配設され、車両
の駆動輪速度を検出する。又、従動輪速度検出手段とし
ての従動輪速度センサ13は、車両の従動輪(図示略)
に配設され、車両の従動輪速度を検出する。さらに、操
舵角検出手段としての操舵角センサ14はステアリング
(図示略)に配設され、ステアリングの操舵角を検出す
る。
【0023】電子制御装置(以下、ECUという)15
には、前述したエアフロメータ3、吸気管圧力センサ
6、エンジン回転数センサ11、駆動輪速度センサ1
2、従動輪速度センサ13及び操舵角センサ14が接続
されるとともに、インジェクタ7及び点火プラグ10が
接続されている。
【0024】そして、ECU15は、駆動輪速度センサ
12により検出される駆動輪速度と従動輪速度センサ1
3により検出される従動輪速度との差を、スリップ判定
のためのしきい値と比較して車両のスリップの有無を判
別する。このとき、ECU15は、車両がスリップ状態
である場合には、燃料カット実行フラグXFCをセット
する。このセットにより、インジェクタ7からの燃料噴
射がカットされ、エンジン1の出力トルクが低減され
る。
【0025】又、ECU15は、エアフロメータ3によ
り検出される吸入空気量とエンジン回転数センサ11に
より検出されるエンジン回転数とに基づいて、エンジン
1に発生している実効トルク値を算出する。さらに、E
CU15は、駆動輪速度センサ12により検出される駆
動輪速度と従動輪速度センサ13により検出される従動
輪速度とに基づいて、燃料カット時においてスリップ非
発生限界と対応する目標トルク値を算出する。そして、
ECU15は、実効トルク値が目標トルク値よりも小さ
くなる場合に、インジェクタ7からの燃料カット動作を
解除する。このように、本実施例においてECU15
は、トルク調節手段、スリップ判別手段、出力トルク低
減手段、実効トルク値算出手段、目標トルク値算出手
段、及び出力トルク低減解除手段をなしている。
【0026】次に、本実施例の車両走行制御装置の作用
について説明する。図2は車両走行制御のルーチンを示
すフローチャートであり、同ルーチンはECU15によ
って所定時間毎に起動される。
【0027】先ず、ECU15はステップ101で駆動
輪速度センサ12により検出される駆動輪速度VW と、
従動輪速度センサ13により検出される従動輪速度VV
との差からスリップ速度Vslp (Vslp =VW −VV )
を算出する。次いで、ECU15はステップ102でス
リップ速度Vslp がロウレベルの第1のしきい値VLよ
りも高いか否かを判別する(図3参照)。そして、スリ
ップ速度Vslp が第1のしきい値VL 以下で、Vslp ≦
VL であれば、ステップ103に移行し、燃料カット実
行フラグXFCを「0」にした後、ルーチンを終了す
る。なお、第1のしきい値VL は、スリップが発生して
も安定走行が損なわれず、スリップを体感できない程度
のレベルである。
【0028】又、スリップ速度Vslp が第1のしきい値
VL よりも高く、Vslp >VL であれば、ステップ10
4に移行し、スリップ速度Vslp がハイレベルの第2の
しきい値VH よりも高いか否かを判別する。そして、ス
リップ速度Vslp が第2のしきい値VH よりも高く、V
slp >VH であれば、ステップ106に移行し、又、ス
リップ速度Vslp が第2のしきい値VH 以下で、Vslp
≦VH であれば、ステップ105に移行する。ECU1
5はステップ105において、現在、燃料カット実行フ
ラグXFCが「1」にセットされているか否かを判別す
る。そして、燃料カット実行フラグXFCが「0」であ
れば、そのままルーチンを終了し、「1」であれば、ス
テップ106に移行する。
【0029】なお、前述したECU15によるスリップ
の有無の判別とは、前記ステップ101の処理を含ま
ず、ステップ102,104,105における判別を指
し、スリップ発生はスリップ有りと判別された場合を指
す。
【0030】ECU15は、ステップ106において、
燃料カット実行フラグXFCを「1」にセットする。E
CU15はこの燃料カットフラグXFCを受けてインジ
ェクタ7からの燃料噴射をカットする。すなわち、スリ
ップ速度Vslp が第1のしきい値VL より低い場合は、
例えば緩カーブ走行の場合や、緩発進の場合のように、
スリップが少ないために、車両の安定走行に問題を生じ
ることがなく、燃料カットは行われない。スリップ速度
Vslp が第1のしきい値VL と第2のしきい値VH との
間にある場合には、安定走行と不安定走行との間の領域
にあるために、現状を維持し、燃料供給又は燃料カット
の状態が継続される。スリップ速度Vslp が第2のしき
い値VH より高い場合には、安定走行に問題が生じるお
それがあるために、燃料カットが行われる。
【0031】なお、ステップ102,104における第
1及び第2のしきい値VL ,VH は車両の操舵角に応じ
て補正される値であり、そのしきい値VL ,VH の補正
に関しては後述する。
【0032】そして、ECU15は、続くステップ10
7でスリップ非発生限界となる目標トルク値TTQを算
出する。なお、この目標トルク値TTQは次式にて算出
される。
【0033】 TTQ=RTQ’−(GP・DV+GD・AV) ここで、DVは実際のスリップ速度Vslp の挙動である
スリップ速度Vslp の絶対値、AVはスリップ速度Vsl
p の変化の傾き、すなわち所定時間におけるスリップ速
度Vslp の増減値である。RTQ’は前回のルーチンに
おけるエンジン1の実効トルク値RTQである。又、G
P,GDは車両の特性に応じて変化する制御ゲインであ
る。
【0034】次いで、ECU15はステップ108でエ
ンジン回転数センサ11にて検出されたエンジン回転数
Ne を読み込み、ステップ109でエアフロメータ3に
て検出された吸入空気量Qを読み込む。
【0035】そして、ECU15はステップ110で、
ステップ108にて読み込んだエンジン回転数Ne とス
テップ109にて読み込んだ吸入空気量Qとから実効ト
ルク値RTQを算出する。なお、この実効トルク値RT
Qの算出には、例えば、ECU15内のメモリに格納さ
れているNe (回転数)−Q(吸入空気量)マップが用
いられる。
【0036】その後、ECU15はステップ111で、
ステップ110において算出した実効トルク値RTQ
と、ステップ107において算出した目標トルク値TT
Qとを比較する。そして、実効トルク値RTQが目標ト
ルク値TTQを下回り、RTQ<TTQであれば、ステ
ップ112に移行し、燃料カット実行フラグXFCを
「0」にリセットしてルーチンを終了する。すなわち、
燃料カット実行フラグXFCが「0」にリセットされた
時点で、インジェクタ7からの燃料噴射が再開される。
一方、実効トルク値RTQが目標トルク値TTQ以上
で、RTQ≧TTQであれば、そのままの状態、すなわ
ち燃料カットの実行を存続したまま、ルーチンを終了す
る。
【0037】以上のように、スリップ速度Vslp が検出
され、そのスリップ速度Vslp が一定値以上の場合、実
効トルク値RTQが目標トルク値TTQを下回るまで
は、燃料カットが継続される。
【0038】次いで、前述した図2のルーチンの動作タ
イミングについて、図3のタイミングチャートに従って
説明する。この図3において、t1 はスリップ速度Vsl
p が第2のしきい値VH を越えるタイミングであり、t
2 は実効トルク値RTQが目標トルク値TTQを下回る
タイミングである。
【0039】さて、タイミングt1 にてスリップ速度V
slp が第2のしきい値VH を越える値になると、燃料カ
ット実行フラグXFCが「1」にセットされ、ECU1
5により燃料カットが実行される。このとき、スリップ
速度Vslp の上昇に伴い、エンジン回転数Ne 及び吸入
空気量Qはそれぞれ一旦上昇する。又、実効トルク値R
TQもエンジン回転数Ne 及び吸入空気量Qの上昇に伴
い一旦上昇する。
【0040】そして、タイミングt1 から若干時間経過
後に、エンジン回転数Ne 及び吸入空気量Qが下降し始
め、それに伴い駆動輪速度VW が減少してスリップ速度
Vslp が低減される。又、タイミングt1 以降には、前
述した目標トルク値TTQ(二点鎖線で示す)が算出さ
れる。この目標トルク値TTQはスリップ非発生限界内
の値であるため、実効トルク値RTQに対し小さな値と
なっている。加えて、タイミングt1 以降には、実効ト
ルク値RTQがエンジン回転数Ne 及び吸入空気量Qの
下降に伴い低減される。
【0041】その後、タイミングt2 で実効トルク値R
TQが目標トルク値TTQ以下となると、燃料カット実
行フラグXFCが「0」にリセットされ、燃料カットが
解除される。
【0042】このように、スリップが発生し、そのスリ
ップ量が一定値以上であると、直ちに燃料カットが行わ
れてスリップが収束され、車両の安定走行が損なわれる
ことはない。一方、スリップ収束と同時にスリップ非発
生限界となる目標トルク値TTQが算出され、実効トル
ク値RTQがその目標トルク値TTQを下回ると、燃料
カットが停止されて、通常のエンジン運転状態に復帰す
る。そして、この復帰した状態では、前述のように実効
トルク値RTQが目標トルク値TTQを下回っているた
め、スリップが再発することはない。又、この車両走行
制御装置においては、スリップ発生と同時に目標トルク
値TTQが設定され、それに従って、出力トルクが制御
される。このため、例えスリップ速度Vslp がしきい値
VL ,VH を境に上下に小刻みに変動しても、実効トル
ク値RTQが目標トルク値TTQを下回るまでは、燃料
カットが解除されず、燃料カット動作のオン・オフの繰
り返しに基づく脈動の発生のおそれはない。従って、以
上のように燃料カット動作のオン・オフの繰り返しがな
いために、インジェクタ7の耐久性に問題を生じること
はない。
【0043】なお、実効トルク値RTQが目標トルク値
TTQ以下となる以前に、スリップ速度Vslp がロウレ
ベルの第1のしきい値VL 以下となった場合において
も、図2のステップ102,103から明らかなよう
に、燃料カット動作が解除される。この場合には、エン
ジン1のトルク値に関係なく、スリップ速度Vslp が十
分に小さく、つまり駆動輪速度VW が十分に小さい値と
なっているので、スリップの再発はない。
【0044】次に、スリップ速度Vslp のしきい値VL
,VH の設定のためのルーチンについて図4のフロー
チャートに従って説明する。このルーチンでは、先ず、
ECU15はステップ201で操舵角センサ14により
検出されるステアリングの操舵角θを読み込む。ステッ
プ202では、操舵角θと補正係数Kとの関係を示した
曲線L(図5に示す)から、操舵角θに応じたスリップ
速度Vslp の補正係数Kを求める。なお、この曲線Lに
対応したデータはECU15内のマップ(図示略)に格
納されている。
【0045】そして、ECU15はステップ203でス
リップ速度Vslp のしきい値の基本値VLO,VHOと補正
係数Kとを乗算することにより、スリップ速度Vslp の
しきい値VL ,VH を決定する。そして、このように求
められたしきい値VL ,VHは前述した図2のフローチ
ャートに反映される。
【0046】すなわち、直線路とカーブとでは、例え同
じスリップ量であっても車両は異なる挙動を示し、車両
走行における安定、不安定の態様が異なるものである。
これに対して、この実施例では操舵角に応じてしきい値
VL ,VH が変更調節されるため、直線路、カーブにか
かわらず、スリップが車両の安定走行を損なう程度のも
のであるか否かが的確に判別される。従って、不要な燃
料カット等が行われることはなく、安定走行に一層に寄
与することができる。
【0047】なお、この発明は、前記実施例に限定され
るものではなく、以下のような様態で具体化してもよ
い。 (イ)出力トルク低減を燃料カットにより実施するので
はなく、点火時期遅角にて実施すること。
【0048】(ロ)目標トルク値TTQの算出と、実効
トルク値RTQとの前後関係を前記実施例の逆にするこ
と。 (ハ)実効トルク値RTQの算出を動力伝達系の軸ねじ
れ量の変動に基づいて行うこと。
【0049】
【発明の効果】以上、詳述したように、この発明の車両
走行制御装置によれば、スリップを確実に収束させるこ
とができるとともに、スリップの再発を招くことがな
く、しかも脈動の発生を抑えることができ、その結果、
安定した車両走行を実現することができるという優れた
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成を示す図である。
【図2】燃料カット動作の実行及び解除の説明に供する
フローチャートである。
【図3】図2のフローチャートの説明に供するタイミン
グチャートである。
【図4】スリップ速度のしきい値を決定するためのフロ
ーチャートである。
【図5】操舵角と補正係数との関係を示す図である。
【図6】クレーム対応図である。
【符号の説明】
3…内燃機関運転状態検出手段及び吸入空気量検出手段
としてのエアフロメータ 11…内燃機関運転状態検出手段及び機関回転数検出手
段としてのエンジン回転数センサ 12…駆動輪速度検出手段としての駆動輪速度センサ 13…従動輪速度検出手段としての従動輪速度センサ 14…操舵角検出手段としての操舵角センサ 15…スリップ判別手段,トルク調節手段,実効トルク
値算出手段,目標トルク値算出手段,出力トルク低減手
段,出力トルク低減解除手段としての電子制御装置(E
CU)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動輪の速度を検出する駆動輪速
    度検出手段と、 車両の従動輪の速度を検出する従動輪速度検出手段と、 前記駆動輪速度検出手段により検出された駆動輪速度
    と、前記従動輪速度検出手段により検出された従動輪速
    度とに基づいて、車両走行時のスリップの有無を判別す
    るスリップ判別手段と、 スリップ時に、実際に発生している実効トルク値を算出
    する実効トルク値算出手段と、 前記駆動輪速度検出手段により検出された駆動輪速度
    と、前記従動輪速度検出手段により検出された従動輪速
    度とに基づいて、スリップ非発生限界となる目標トルク
    値を算出する目標トルク値算出手段と、 前記実効トルク値算出手段により算出された実効トルク
    値と、前記目標トルク値算出手段により算出された目標
    トルク値とに応じて内燃機関の出力トルクの大小を調節
    してスリップを収束させるトルク調節手段とを備えたこ
    とを特徴とする車両走行制御装置。
  2. 【請求項2】 トルク調節手段は、 スリップ判別手段により車両がスリップ状態であると判
    別された場合に、内燃機関の出力トルクを低減させる出
    力トルク低減手段と、 実効トルク値算出手段により算出された実効トルク値
    が、目標トルク値算出手段により算出された目標トルク
    値よりも小さい場合に、前記出力トルク低減手段による
    出力トルクの低減を解除する出力トルク低減解除手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の車両走行制
    御装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の運転状態を検出する内燃機関
    運転状態検出手段を備え、 実効トルク値算出手段は、前記内燃機関運転状態検出手
    段による検出に基づいて、実効トルク値を算出すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の車両走行制御装
    置。
  4. 【請求項4】 車両の操舵角を検出する操舵角検出手段
    を備え、 スリップ判別手段は、駆動輪速度検出手段により検出さ
    れた駆動輪速度と、従動輪速度検出手段により検出され
    た従動輪速度と、操舵角検出手段により検出された操舵
    角とに基づいて、車両のスリップの有無を判別すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両走行
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記内燃機関運転状態検出手段は、内燃
    機関の機関回転数を検出する機関回転数検出手段と、内
    燃機関に導入される吸入空気の量を検出する吸入空気量
    検出手段とからなることを特徴とする請求項3又は4に
    記載の車両走行制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010013949A (ja) * 2008-07-01 2010-01-21 Toyota Motor Corp 出力トルクの算出装置

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