JPH05320516A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH05320516A
JPH05320516A JP12779792A JP12779792A JPH05320516A JP H05320516 A JPH05320516 A JP H05320516A JP 12779792 A JP12779792 A JP 12779792A JP 12779792 A JP12779792 A JP 12779792A JP H05320516 A JPH05320516 A JP H05320516A
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carbon
compound
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Yasuhisa Kishimoto
恭尚 岸本
Renichi Akahori
廉一 赤堀
Katsuya Ouchi
克哉 大内
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 (A)分子内に少なくとも2個のヒドロシリ
ル基を有するイミド化合物、(B)分子内に少なくとも
2個の炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物、およ
び(C)ヒドロシリル化触媒を含有してなる硬化性組成
物 【構成】 優れた耐熱性、耐薬品性を示すさまざまな形
状の硬化物を容易にうることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は反応性イミド化合物を含
んでなる硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、硬化
時に低沸点化合物の発生を伴わず、比較的低温で速やか
に硬化し、硬化後に優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特
性を有する硬化物を与える硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から硬化性組成物として多くのもの
が開発されている。その中でも比較的低温度で進行する
ヒドロシリル化反応を利用した硬化性組成物が開示され
ている(特開平1-138230号公報)。該組成物においては
硬化時に低沸点化合物の発生がほとんどなく良好な外観
を呈する硬化物がえられるが、該組成物の必須成分であ
るアルケニル基含有成分およびヒドロシリル基含有成分
はともに主鎖がポリエーテルであり、えられる硬化物は
耐熱性、耐薬品性などが充分でなく、100 ℃といった温
度でも短時間で機械的特性が大きく低下する、耐酸性、
耐溶剤性が悪いなどの欠点を有している。したがって耐
熱性、耐薬品性が要求される用途、たとえば電子部品ま
わりのコーティング剤、耐熱性接着剤などの用途には不
適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は硬化時に低沸
点化合物の発生を伴わず比較的低温で速やかに硬化し、
硬化後に耐熱性、耐薬品性、機械的強度の優れた硬化物
を与える硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、かかる問題
について鋭意検討を重ねた結果、(A)分子中に少なく
とも2個のヒドロシリル基を有するイミド化合物、
(B)分子内に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を
有するイミド化合物、および(C)ヒドロシリル化触媒
を含有してなる硬化性組成物が、比較的低温でも速やか
に硬化し、硬化時に低沸点化合物の発生を伴わないため
に、硬化物の作成が容易で、硬化後に優れた耐熱性、耐
薬品性、機械的特性を有する硬化物を与えることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、(A)分子内に少なくとも2個
のヒドロシリル基を有するイミド化合物、(B)分子内
に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を有するイミド
化合物、および(C)ヒドロシリル化触媒を含有してな
る硬化性組成物に関する。
【0006】
【作用および実施例】本発明の組成物は、ヒドロシリル
基を有する化合物が炭素−炭素二重結合を有する化合物
と、触媒の存在下で反応して硬化物を生成することを利
用したもので、炭素−炭素二重結合を有する化合物中に
イミド基があるので、硬化後にとくに優れた耐熱性、耐
薬品性、機械的特性を示す硬化物を与えるものである。
【0007】本発明に用いられるイミド化合物(A)と
しては一般式(I) :
【0008】
【化7】
【0009】(式中、R0 は炭素数6〜30個の芳香族基
を含有する2価の有機基、または一般式(II):
【0010】
【化8】
【0011】(R2 は炭素数1〜20個の2価の有機基、
3 はメチル基またはフェニル基を表わし、2つの
2 、複数のR3 はそれぞれ同一であってもよく、また
異なっていてもよく、kは1〜20の正の整数を表わす)
で表わされる基、R1 は少なくとも1つのヒドロシリル
基を含む炭素数1〜20の有機基であって、2つのR1
同一であってもよく、また異なっていてもよい)で表わ
されるイミド化合物や、一般式(III) :
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R4 は炭素数6〜30個の芳香族基
を含有する4価の有機基、R5 は炭素数1〜20個の2価
の有機基、Yは少なくとも1つのヒドロシリル基を含む
基を表わし、2つのR5 およびYはそれぞれ同一であっ
てもよく、異なっていてもよい)で表わされるイミド化
合物などがあげられる。
【0014】前記一般式(I) で表わされる化合物のR0
には炭素数が6〜30の芳香族基や、一般式(II)で表わさ
れる基が存在するので、硬化後にえられる硬化物の耐熱
性および耐薬品性が優れている。
【0015】前記R0 で示される2価の基は、ジアミノ
化合物からアミノ基を除いた形の2価の基であって、そ
の具体例としてはたとえば、 4,4′- ジアミノジフェニ
ルエーテル、 3,4′- ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′- ジアミノジフェニルエーテル、 4,4′- ジアミ
ノジフェニルスルフィド、 4,4′- ビス(4-アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、 4,4′- ジアミノジフェニルスル
ホン、 3,3′- ジアミノジフェニルスルホン、 3,3′-
ジアミノベンゾフェノン、ビス[4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、ビス[4-(2-アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、ビス[4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、 4,4′-
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3-エチル-4- アミノ
フェニル)メタン、ビス(3-メチル-4- アミノフェニ
ル)メタン、ビス(3-クロロ-4- アミノフェニル)メタ
ン、 4,4′- ジアミノビフェニル、 4,4′- ジアミノオ
クタフルオロビフェニル、 3,3′- ジメトキシ-4,4′-
ジアミノビフェニル、 3,3′- ジメチル-4,4′- ジアミ
ノビフェニル、 3,3′- ジクロロ-4,4′- ジアミノビフ
ェニル、 2,2′,5,5′- テトラクロロ-4,4′- ジアミノ
ビフェニル、 3,3′- ジカルボキシ-4,4′- ジアミノビ
フェニル、 3,3′- ジヒドロキシ-4,4′-ジアミノビフ
ェニル、2,4-ジアミノトルエン、1,3-ジアミノベンゼ
ン、1,4-ジアミノベンゼン、 2,2′- ビス[4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2′- ビス[4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロ
パン、2,2′- ビス(4-アミノフェニル)プロパン、 2,
2′- ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、 2,2′- ビス(3-ヒドロキシ-4- アミノフェニル)
プロパン、 2,2′- ビス(3-ヒドロキシ-4- アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、 9,9′- ビス(4-アミ
ノフェニル)-10-ヒドロアントラセン、オルトトリジン
スルホン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサン、1,5-ビス(3-アミノプロピル)ヘキサメ
チルトリシロキサン、および一般式(VI):
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R3 、kは前記に同じ)で表わさ
れるアミノ末端ポリシロキサンなどのジアミンからアミ
ノ基を除いた残基などがあげられ、これらの基は単独で
含まれていてもよく2種以上含まれていてもよい。
【0018】また、R1 は少なくとも1つのヒドロシリ
ル基を含む炭素数1〜20個の2価の有機基で、好ましく
は環を構成する炭素原子にヒドロシリル基を有する基が
直接結合した構造を有する2価の有機基であり、より好
ましい具体例としては以下の構造式、
【0019】
【化11】
【0020】から選ばれた少なくとも1つの基であっ
て、一般式(I) の2つのR1 は同一であってもよく、ま
た異なっていてもよい。
【0021】Wは少なくとも1つのヒドロシリル基を含
む基であり、式中のWは互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。そのような基を具体的に例示するなら
ば、
【0022】
【化12】
【0023】などのケイ素原子を1個有するヒドロシリ
ル基、
【0024】
【化13】
【0025】などのケイ素原子を2個含む基、
【0026】
【化14】
【0027】(式中、R10は、H、OSi(CH3 3
および、炭素数が1〜10の有機基より選ばれる基であり
各々のR10は同じでも異なっていてもよい。m、nは、
正の整数で、かつ、2<m+n<50である。)、
【0028】
【化15】
【0029】(式中、R10は前記に同じ、mは正の整
数、nは0または正の整数で、2<m+n<50、pは正
の整数、qは0または正の整数で、かつ2≦p+q≦4
を表わす)などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の各
種の多価ハイドロジェンシロキサンより誘導された基な
どがあげられる。
【0030】同一分子中にヒドロシリル基含有基が2個
以上存在するばあいには、それらは互いに同一でも異な
ってもかまわない。前記一般式(I) で表わされるヒドロ
シリル基含有イミド化合物中に含まれるヒドロシリル基
の総数については、少なくとも、1分子中に2個あれば
よいが、2〜15個が好ましく、3〜12個がとくに好まし
い。該ヒドロシリル基の個数が2より少ないと、ヒドロ
シリル基含有イミド化合物を、ヒドロシリル化触媒の存
在下に、分子内に少なくとも2個の炭素−炭素結合を含
有する化合物と混合してヒドロシリル化反応により硬化
させるばあいに、硬化不良を起こすばあいが多い。ま
た、該ヒドロシリル基の数が15より多くなると、該イミ
ド化合物の貯蔵安定性が悪くなり、そのうえ、硬化後も
多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやク
ラックの原因となる。
【0031】また一般式(II)において、R2 は炭素数1
〜20個の2価の有機基であり、具体例としては、たとえ
ばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基
などの直鎖状または分岐状の2価の炭化水素基、フェニ
レン基、ナフチレン基、
【0032】
【化16】
【0033】などをあげることができる。
【0034】また一般式(III) のイミド化合物におい
て、R4 は炭素数6〜30個の芳香族基を含有する4価の
有機基であって、とりわけ炭素数が6〜30個の4価の芳
香族基または2価の基を介して結合した芳香族環からな
る4価の基が、硬化後に耐熱性に優れた硬化物を与える
という点から好ましく、とくに好ましい具体例としては
ピロメリット酸、 3,3´,4,4´- ビフェニルテトラカル
ボン酸、 3,3´,4,4´-ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、 3,3´,4,4´- ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸、 3,3´,4,4´- ジフェニルエーテルテトラカルボン
酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、ナフタレン-1,2,5,6- テトラカルボン酸
などからカルボキシル基を除いた残基などがあげられ、
これらを単独もしくは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0035】R5 は炭素数1〜20個の2価の有機基であ
り、具体例としてはメチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、イソ
プロピレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフチ
レン基、ベンジレン基、フェネチレン基などを挙げるこ
とができる。
【0036】Yは前記Wと同様のものを示す。
【0037】本発明に用いられるイミド化合物の具体例
を以下に示すが、本発明に用いられるイミド化合物はこ
れら具体例のみに限定されるものではない。
【0038】一般式(I) で表わされる化合物としては、
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】などがあげられ、一般式(III) で表わされ
る化合物としては、
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】などがあげられる。
【0048】一般式(I) および(III) で表わされるヒド
ロシリル基含有イミド化合物の製造方法としてはとくに
制限はなく、種々の方法を用いることができる。たとえ
ば、分子内にSi−Cl基をもつイミド化合物をLi
AlH4 、NaBH4 などの還元剤で処理して該化合物
中のSi−Cl基をSi−H基に還元する方法、分子
内に官能基Xをもつイミド化合物と分子内に前記官能基
と反応する官能基Zおよびヒドロシリル基を同時にもつ
化合物とを反応させる方法、炭素−炭素二重結合をも
つイミド化合物に対して、少なくとも2個のヒドロシリ
ル基をもつポリヒドロシラン化合物を選択ヒドロシリル
化することにより、反応後もヒドロシリル基を該化合物
の分子中に残存させる方法などによることができる。こ
れらのうち、原料の入手のしやすさ、反応の簡便さ、収
率のよさなどの点からの炭素−炭素二重結合をもつイ
ミド化合物とポリヒドロシラン化合物との反応による方
法がとくに好ましい。
【0049】前記の方法によるばあい、反応成分であ
る炭素−炭素二重結合を有するイミド化合物を製造する
には、一般式(I) の化合物のばあい(1)ジアミン成分
と環状オレフィン含有酸無水物とを有機極性溶媒中で反
応させてアミド酸の溶液をえ、ついで(a)前記アミド
酸の溶液を加熱することにより熱的にイミド化する方
法、あるいは(b)前記アミド酸の溶液に無水酢酸など
の脱水剤を作用させ、化学的にイミド化する方法、ある
いは(c)前記アミド酸の溶液を水、炭化水素のような
アミド酸に対する貧溶媒と接触させてアミド酸を沈殿と
して析出させ、これを加熱する方法、あるいは(2)ジ
イソシアネート成分と環状オレフィン含有酸無水物とを
有機極性溶媒中で反応させて直接イミド化合物をえる方
法などをあげることができる。
【0050】これらのいずれの方法によっても同一分子
内に2つの環状オレフィンを含有するイミド化合物を製
造することができ、とくに制約を受けるものではない
が、製造装置や製造工程がより簡便あるいは容易である
ことや、使用する原料の入手が容易であることから、
(1)(a)の方法、すなわちジアミン成分と環状オレ
フィン含有酸無水物とを有機極性溶媒中で反応させ、つ
いで加熱してイミドをえる方法が好ましい。
【0051】一般式(III) の化合物をえるばあいも前記
(1)、(2)と類似の反応を用いることができる。
【0052】前記炭素−炭素二重結合を有するイミド化
合物とポリヒドロシリル化合物とのヒドロシリル化反応
は、前記の方法によるばあい、前記でえられた炭素−
炭素二重結合を有するイミド化合物とポリヒドロシラン
化合物、たとえばジエチルシラン、フェニルシラン、ジ
フェニルシランなどのシラン類、1,1,1,3,5,7,7,7-オク
タメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9-ノナメ
チルペンタシロキサンなどの鎖状ハイドロジェンポリシ
ロキサン、1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン、1,
3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状
ハイドロジェンポリシロキサンの化合物とをヒドロシリ
ル化触媒の存在下、炭素−炭素二重結合に対して2〜5
倍量(モル比)のポリヒドロシリル化合物を添加して行
う。
【0053】反応は一般に0〜150 ℃の温度範囲で行な
われ、必要に応じて、たとえばヘキサン、ヘプタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、メ
タノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコ
ール、1,4-ブタンジオールなどのアルコール系溶媒、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、アニソールなどのエーテル
系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステ
ル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒の
単独もしくは2種以上の混合物などの適当な有機溶媒を
用いてもよい。
【0054】かくしてえられたイミド化合物は、白また
は黄褐色の室温で液体または150 ℃以下の融点を示し、
メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール、1,4-ブタンジオールなどのアルコール系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、アニソールなどのエーテル
系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステ
ル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレ
ン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのス
ルホキシド系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジ
エチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミドなどの
アセトアミド系溶媒、N-メチル-2- ピロリドン、N-アセ
チル-2- ピロリドン、N-ビニル-2- ピロリドンなどのピ
ロリドン系溶媒、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾ
ール、p-クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノ
ール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはピ
リジン、ヘキサメチルホスホルアミド、γ- ブチロラク
トンおよびこれら2種以上の混合物に可溶で、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの炭化水素系溶媒および水には不溶または極めて
難溶である。
【0055】本発明に用いられるヒドロシリル基含有イ
ミド化合物は湿分により貯蔵中に粘度の増加やゲル化な
どを起こすばあいがある。この現象を防ぐために、イミ
ド化合物の中に、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、
有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、ス
ズ系化合物、有機過酸化物などの貯蔵安定性改良剤を含
有させることができる。
【0056】前記貯蔵安定性改良剤の使用量は均一に分
散する限りにおいてほぼ任意に選ぶことができるが、該
ヒドロシリル基含有イミド化合物1 molに対し、10-6
10-1molの範囲で用いることが好ましい。10-6 mol以下
では貯蔵安定性の効果が充分には発揮されず、10-1 mol
以上では硬化を阻害するおそれがある。貯蔵安定性改良
剤は単独で用いても、また、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0057】(B)成分である分子内に少なくとも2個
の炭素−炭素二重結合を有する化合物は、分子内にイミ
ド化合物を有する、前記一般式(IV)または(V) で表わさ
れる化合物が用いられる。
【0058】すなわち、一般式(IV)において、R7 は少
なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜
20個の2価の有機基であって、とりわけ環を形成する2
つの炭素原子からなる炭素−炭素二重結合を有する基が
好ましく、より好ましいR7の具体例としては
【0059】
【化24】
【0060】から選ばれた少なくとも1つの基をあげる
ことができる。
【0061】また一般式(V) において、R8 は炭素数6
〜30個の芳香族基を含有する4価の有機基であって、と
りわけ炭素数が6〜30個の4価の芳香族基または2価の
基を介して結合した芳香族環からなる4価の基が、のち
に耐熱性に優れた硬化物を与えるという点から好まし
く、特に好ましい具体例としてはピロメリット酸、 3,
3′,4,4′- ビフェニルテトラカルボン酸、 3,3′,4,
4′- ベンゾフェノンテトラカルボン酸、 3,3′,4,4′-
ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸、 3,3′,4,
4′- ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,2-ビス
(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、ナフタレン-1,2,5,6- テトラカルボン酸からカルボ
ン酸基を除いた残基などがあげられ、これらを単独もし
くは2種以上の混合物として用いることができる。
【0062】R9 は炭素数1〜20のアルケニル基であ
り、具体的にはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペン
テニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、
デセニル基、ウンデセニル基、イソプロペニル基、2-メ
チル-2- プロペニル基などをあげることができる。
【0063】一般式(IV)または(V) で表わされる化合物
はたとえば、ジアミン成分と環状オレフィン含有酸無水
物成分、またはテトラカルボン酸二無水物成分と炭素−
炭素二重結合含有1級アミン成分とを有機極性溶媒中で
反応させ、ついで加熱する方法によりえることができ
る。
【0064】一般式(IV)または(V) で表わされる炭素−
炭素二重結合を有するイミド化合物を(B)成分とした
硬化性組成物は炭素−炭素二重結合を含有しイミド基を
含まない化合物、たとえばエーテル系化合物、エステル
系化合物、炭化水素系化合物、カーボネート系化合物な
どを(B)成分とする硬化性組成物にくらべて、えられ
る硬化物の耐熱性、耐薬品性はさらにすぐれたものとな
る。
【0065】前記硬化性組成物としての(A)成分と
(B)成分の割合はSi−H基が炭素−炭素二重結合に
対してモル比で0.5 〜10倍量、より好ましくは0.5 〜5
倍量となるように配合することが好ましい。0.5 倍量よ
りも少ないと硬化が充分に進行せず、良好な硬化物がえ
られない。また、10倍量より多くなると、(A)成分と
(B)成分の混合物の貯蔵安定性がわるくなり、そのう
え、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存
し、ボイドやクラックの原因となりやすい。
【0066】本発明の組成物の(C)成分であるヒドロ
シリル化触媒としては、白金の単体、アルミナ、シリ
カ、カーボンブラックなどの単体に固体白金を担持させ
たもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデ
ヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体(た
とえば、Pt(CH2 =CH2 2 (PPh3 2 、P
t(CH2 =CH2 2 Cl2 );白金−ビニルシロキ
サン錯体(たとえば、Ptn (ViMe2 SiOSiM
2 Vi)m 、Pt[(MeViSiO)4 m)、白
金−ホスフィン錯体(たとえば、Pt(PPh3 4
Pt(PBu)4)、白金−ホスファイト錯体(たとえ
ば、Pt[P(OPh)3 4 )(式中、Meはメチル
基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル
基を表わし、m ,n は整数を表わす)、ジカルボニルジ
クロロ白金、また、アシュビー(Ashby )の米国特許第
3159601 号明細書および、同3159662 号明細書中に記載
された白金−炭化水素複合体、ならびに、ラモロー(La
moreaux )の米国特許第3220972 号明細書中に記載され
た白金アルコラート触媒があげられる。さらに、モディ
ック(Modic )の米国特許第3516946 号明細書中に記載
された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有
用である。
【0067】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl 3、RhAl2
3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4
どがあげられる。これらの触媒は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用しても構わない。触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金ビニルシ
ロキサン錯体が好ましい。
【0068】触媒量としてはとくに制限はないが、
(A)成分中のアルケニル基1mol に対して、10-1〜10
-8mol の範囲で用いられ、好ましくは10-3〜10-6mol の
範囲で用いられる。10-8mol より少ないと硬化が充分に
進行しない。また、ヒドロシリル化触媒は一般に高価で
腐食性であり、また、水素ガスが大量に発生して、硬化
物が発泡してしまうばあいがあるので10-1mol 以上用い
ない方が好ましい。
【0069】(A)成分、(B)成分のいずれもが常温
で液状であり、かつ互いに相溶可能であるばあいには、
(A)成分、(B)成分、および(C)成分を直接混ぜ
合わせることにより組成物とすることができる。
【0070】また、本発明の組成物の(A)成分および
(または)(B)成分が固体であるばあいは、(A)成
分、(B)成分、および(C)成分を適当な有機溶媒、
たとえばヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコール、1,4-ブタンジ
オールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエー
テル、アニソールなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミドなど
のホルムアミド系溶媒、N,N-ジメチルアセトアミド、N,
N-ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N-
メチル-2- ピロリドン、N-アセチル-2- ピロリドン、N-
ビニル-2- ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノ
ール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、キ
シレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどの
フェノール系溶媒、あるいはピリジン、ヘキサメチルホ
スホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの単独もしくは
2種以上の混合物などに溶解した溶液を組成物とするこ
とができる。
【0071】溶媒の使用量は、作業に支障を与えない範
囲であればとくに制限はされないが、好ましくは(A)
成分、(b)成分、および(C)成分それぞれの濃度
(重量%)の合計が、1〜60重量%、より好ましくは1
〜50重量%、さらに好ましくは1〜40重量%になるよう
に用いるのが好ましい。
【0072】本発明の組成物にはさらに必要に応じて接
着性改良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、可塑剤、
充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、
オゾン劣化防止剤、光安定剤、アミン系ラジカル連鎖禁
止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤など
の各種添加剤を適宜添加することが可能である。添加剤
の総量は硬化物の諸特性を著しく低下させない範囲なら
ばとくに制限はされないが、好ましくは前記イミド化合
物100 重量部に対して1〜300 重量部である。
【0073】本発明の組成物を硬化させるには、50℃以
上で(A)成分または(B)成分の分解温度以下の温度
範囲、好ましくは50〜350 ℃、より好ましくは50〜300
℃の温度範囲で1分〜30時間処理するのがよい。処理温
度が高すぎるばあいには硬化時に局部的な発熱や発泡が
生じ、良好な硬化物がえられにくくなるので好ましくな
い。また、組成物が有機溶剤溶液のばあいには、この組
成物の硬化前、硬化中、または硬化後の任意の段階で有
機溶媒を留去または揮発し、前記の硬化条件にいたらし
めることにより、硬化物をえることができる。
【0074】本発明の組成物を硬化させてえられる樹脂
は優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有し、種々の
用途、たとえば樹脂改質剤、高温に曝され易い部位への
コーティング材などに好適に用いられる。
【0075】以下に、実施例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0076】合成例1 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成1)窒素気流
下、2,3-ジカルボキシ- ビシクロ[2.2.1 ]ヘプタ-5-
エン二無水物32.8g(0.20 mol)を、N,N-ジメチルアセ
トアミド(以下、DMAcと略す)200 mlに溶解した。
室温において 4,4′- ジアミノジフェニルエーテル20.0
g(0.10 mol)をDMAc200 mlに溶解した溶液を約30
分間かけて徐々に添加した。添加終了後20分間撹拌を続
け、アミド酸溶液をえた。
【0077】引続き、えられたアミド酸溶液を還流する
まで加熱し、さらに3時間加熱撹拌を続けた。放冷後反
応溶液を大量のメタノール中へ注ぎ込み、生成物を沈殿
させたのち濾過し、えられたイミド化合物の針状結晶を
メタノールで洗浄、室温で数時間減圧乾燥した。
【0078】1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキ
サン52.2gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこに
2 PtCl6 ・6H2 Oの10%エタノール溶液を1.02
ml加えた。この液に前記イミド化合物10gをクロロベン
ゼン1リットルに溶解させた溶液を、室温で約30分かけ
てゆっくり滴下した。滴下終了後、100 ℃で40時間反応
させた。反応後、クロロベンゼンおよび未反応の1,3,5,
7-テトラメチルシクロテトラシロキサンを留去したの
ち、室温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシリル
基を有するイミド化合物(VII) 17.2gをえた。
【0079】
【化25】
【0080】合成例2 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成2)窒素気流
下、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物30.4g(0.20
mol)を、DMAc200 mlに溶解した。室温において
4,4′- ジアミノベンゼン10.8g(0.10mol)をDMAc
200 mlに溶解した溶液を約30分間かけて徐々に添加し
た。添加終了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえ
た。
【0081】引続き、合成例1と同様に処理してイミド
化合物をえた。
【0082】1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキ
サン63.8gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこに
2 PtCl6 ・6H2 Oの10%エタノール溶液を1.33
ml加えた。前記イミド化合物10gをクロロベンゼン500
mlに溶解させた溶液を、室温で約30分かけてゆっくり滴
下した。滴下終了後、50℃で15時間反応させた。反応
後、クロロベンゼンおよび未反応の1,3,5,7-テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンを留去したのち、室温で数時
間減圧乾燥し、目的とするヒドロシリル基を有するイミ
ド化合物(VIII)20.7gをえた。
【0083】
【化26】
【0084】合成例3 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成3)窒素気流
下、2,3-ジカルボキシ-7- オキサビシクロ[2.2.1 ]ヘ
プタ-5- エン二無水物33.2g(0.20 mol)を、DMAc
200 mlに溶解した。室温において1,3-ビス(3-アミノプ
ロピル)テトラメチルジシロキサン24.8g(0.10 mol)
をDMAc200 mlに溶解した溶液を約30分間かけて徐々
に添加した。添加終了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶
液をえた。
【0085】引続き、合成例1と同様に処理してイミド
化合物をえた。
【0086】1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン3
3.1gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこにH2
PtCl6 ・6H2 Oの10%エタノール溶液を0.92ml加
えた。前記イミド化合物10gをクロロベンゼン500 mlに
溶解させた溶液を、室温で約30分かけてゆっくり滴下し
た。滴下終了後、50℃で15時間反応させた。反応後、ク
ロロベンゼンおよび未反応の1,3,5-トリメチルシクロト
リシロキサンをエバポレートしたのち、室温で数時間減
圧乾燥し、目的とするヒドロシリル基を有するイミド化
合物(IX)15.3gをえた。
【0087】
【化27】
【0088】合成例4 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成4)窒素気流
下、ピロメリット酸二無水物26.2g(0.12 mol)を、D
MAc350 mlに溶解した。室温においてアリルアミン1
1.4g(0.20 mol)を約30分間かけて徐々に添加した。
添加終了後20分間撹拌を続け、アミド酸溶液をえた。
【0089】引続き、えられたアミド酸溶液を還流する
まで加熱し、さらに3時間加熱撹拌を続けた。放冷後反
応溶液を大量のメタノール中へ注ぎ込み、生成物を沈殿
させたのち濾過し、えられた針状結晶をメタノールで洗
浄、室温で数時間減圧乾燥した。
【0090】1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキ
サン65.0gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこに
2 PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶液を0.25ml
加えた。室温において、上でえられたイミド化合物10g
をクロロホルム200 mlに溶解させた溶液を、約30分かけ
てゆっくり滴下した。滴下終了後、50℃で15時間反応さ
せた。反応後、クロロホルムおよび未反応の1,3,5,7-テ
トラメチルシクロテトラシロキサンを留去したのち、室
温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシリル基を有
するイミド化合物(X) 23.1gをえた。
【0091】
【化28】
【0092】化合物(X) は室温で粘稠な液体であった。
【0093】1H NMR(CDCl3 )δ:0.18
(s,24H,SiCH3 )、0.62(t,4H,SiCH
2 )、1.76(m,4H,CH2 CH2 CH2 )、3.74
(t,4H,NCH2 )、4.68(s,6H,SiH)、
8.27(s,2H,aromatic)。
【0094】合成例5 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成5)窒素気流
下、 3,3′,4,4′- ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物32.2g(0.10 mol)を、DMAc350 mlに溶解し
た。室温においてアリルアミン11.4g(0.20 mol)を約
30分間かけて徐々に添加した。添加終了後20分間撹拌を
続け、アミド酸溶液をえた。
【0095】引続き、合成例4と同様に処理してイミド
化合物をえた。
【0096】1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキ
サン59.6gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこに
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液を0.25
ml加えた。室温において、上でえられたイミド化合物10
gをクロロホルム200 mlに溶解させた溶液を、約30分か
けてゆっくり滴下した。滴下終了後、50℃で15時間反応
させた。反応後、クロロホルムおよび未反応の1,3,5,7-
テトラメチルシクロテトラシロキサンをエバポレートし
たのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシ
リル基を有するイミド化合物(XI)20.8gをえた。
【0097】
【化29】
【0098】合成例6 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成3)窒素気流
下、 3,3′,4,4′- ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸二無水物35.8g(0.10 mol)を、DMAc350 mlに溶
解した。室温においてp-アミノスチレン23.8g(0.20 m
ol)をDMAc100 mlに溶解した溶液を約30分間かけて
徐々に添加した。添加終了後20分間撹拌を続け、アミド
酸溶液をえた。
【0099】引続き、合成例4と同様に処理してイミド
化合物をえた。
【0100】1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン3
2.1gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこにH2
PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶液を0.25ml加え
た。室温において、上でえられたイミド化合物10gをク
ロロホルム200 mlに溶解させた溶液を、約30分かけてゆ
っくり滴下した。滴下終了後、50℃で10時間反応させ
た。反応後、クロロホルムおよび未反応の1,3,5-トリメ
チルシクロトリシロキサンをエバポレートしたのち、室
温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシリル基を有
するイミド化合物(XII) 14.3gをえた。
【0101】
【化30】
【0102】実施例1 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
III):
【0103】
【化31】
【0104】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.2gをクロロホルム18gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液 6.0μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
(クロロホルム不溶分の重量分率)を表1に示す。
【0105】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0106】実施例2 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
IV) :
【0107】
【化32】
【0108】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物0.94gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液2.4 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表1に示す。
【0109】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0110】実施例3 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
V):
【0111】
【化33】
【0112】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.2gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表1に示す。
【0113】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0114】実施例4 合成例2で合成したイミド化合物(VIII)0.94gおよび式
(XIII)で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合
物 1.2gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH2 Pt
Cl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットル
を配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1
日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を
作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表1
に示す。
【0115】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0116】実施例5 合成例2で合成したイミド化合物(VIII) 1.2gおよび式
(XVI) :
【0117】
【化34】
【0118】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 2.0gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表1に示す。
【0119】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0120】実施例6 合成例3で合成したイミド化合物(IX) 1.0gおよび式(X
VII):
【0121】
【化35】
【0122】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.3gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表1に示す。
【0123】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0124】実施例7 合成例3で合成したイミド化合物(IX) 1.0gおよび式(X
IV) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
0.88gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtC
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットルを
配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日
間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作
成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表1に
示す。
【0125】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0126】比較例1 実施例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
XIII) :
【0127】
【化36】
【0128】で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合
物0.35gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 Pt
Cl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットル
を配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1
日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を
作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表1
に示す。
【0129】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0130】比較例2 両末端に炭素−炭素二重結合を有するポリプロピレング
リコール(分子量約8000)3gと、両末端に1,3,5,7-テ
トラメチルシクロテトラシロキシ基を有するポリプロピ
レングリコール(分子量約8000)1gを混合し、そこに
2 PtCl6・6H2 O 10%エタノール溶液4μリ
ットルを配合して硬化性組成物を調製した。該組成物を
100 ℃に保ったオーブン内に1時間保持して硬化物を作
成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表1に
示す。
【0131】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表2に示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】実施例8 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
VIII) :
【0135】
【化37】
【0136】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物0.74gをクロロホルム18gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
(クロロホルム不溶分の重量分率)を表3に示す。
【0137】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0138】実施例9 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
IX) :
【0139】
【化38】
【0140】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.0gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液2.4 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表3に示す。
【0141】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0142】実施例10 合成例1で合成したイミド化合物(VII)1.0gおよび式(X
X):
【0143】
【化39】
【0144】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.0gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表3に示す。
【0145】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0146】実施例11 合成例2で合成したイミド化合物(VIII) 1.0gおよび式
(XX)で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
1.1gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH2 PtC
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットルを
配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日
間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作
成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表3に
示す。
【0147】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0148】実施例12 合成例2で合成したイミド化合物(VIII) 1.0gおよび式
(XXI) :
【0149】
【化40】
【0150】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.2gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表3に示す。
【0151】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0152】実施例13 合成例3で合成したイミド化合物(IX) 1.0gおよび式(X
VIII) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合
物0.70gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 Pt
Cl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットル
を配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1
日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を
作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表3
に示す。
【0153】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0154】実施例14 合成例3で合成したイミド化合物(IX) 1.0gおよび式(X
XII):
【0155】
【化41】
【0156】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物 1.3gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表3に示す。
【0157】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表3に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表4に示す。
【0158】
【表3】
【0159】
【表4】
【0160】実施例15 合成例4で合成したイミド化合物(X) 0.94gおよび式(X
VIII) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合
物1.06gをクロロホルム18gに溶解し、そこにH2 Pt
Cl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットル
を配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1
日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を
作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率(クロ
ロホルム不溶分の重量分率)を表5に示す。
【0161】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0162】実施例16 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XI
X) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
1.2gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH2PtCl
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液2.4 μリットルを配
合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間
保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成
した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5に示
す。
【0163】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0164】実施例17 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XX)
で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物 1.2
gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtCl6
・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリットルを配合
して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保
存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5に示
す。
【0165】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0166】実施例18 合成例5で合成したイミド化合物(XI)0.94gおよび式(X
X)で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
1.1gをクロロホルム15gに溶解し、そこにH2PtCl
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットルを配
合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間
保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成
した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5に示
す。
【0167】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0168】実施例19 合成例5で合成したイミド化合物(XI) 1.0gおよび式(X
XI) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
1.2gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtC
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリットルを
配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日
間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作
成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5に
示す。
【0169】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0170】実施例20 合成例6で合成したイミド化合物(XII)1.0gおよび式(X
VIII) で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合
物0.52gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 Pt
Cl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットル
を配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1
日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を
作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5
に示す。
【0171】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0172】実施例21 合成例6で合成したイミド化合物(XII)1.0gおよび式(X
XII)で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミド化合物
0.98gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtC
6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットルを
配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日
間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作
成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表5に
示す。
【0173】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0174】比較例3 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XXI
II) :
【0175】
【化42】
【0176】で表わされる炭素−炭素二重結合含有イミ
ド化合物0.41gをクロロホルム10gに溶解し、そこにH
2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリ
ットルを配合して熱硬化性組成物をえた。該組成物を50
℃で1日間保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬
化物を作成した。えられた硬化物の外観およびゲル分率
を表5に示す。
【0177】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表5に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表6に示す。
【0178】
【表5】
【0179】
【表6】
【0180】実施例22 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XII
I)で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物 1.4gを
クロロホルム18gに溶解し、そこにH2 PtCl6 ・6
2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットルを配合して
熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率(クロロホル
ム不溶分の重量分率)を表7に示す。
【0181】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0182】実施例23 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XI
V) で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物 1.2g
をクロロホルム15gに溶解し、そこにH2 PtCl6
6H2 O 10%エタノール溶液2.4 μリットルを配合し
て熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示
す。
【0183】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0184】実施例24 合成例4で合成したイミド化合物(X)1.0gおよび式(XV)
で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物 1.4gをク
ロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtCl 6 ・6H
2 O 10%エタノール溶液3.0 μリットルを配合して熱
硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存し、
このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成した。え
られた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示す。
【0185】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0186】実施例25 合成例5で合成したイミド化合物(XI) 1.0gおよび式(X
III)で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物 1.3g
をクロロホルム15gに溶解し、そこにH2 PtCl6
6H2 O 10%エタノール溶液6.0 μリットルを配合し
て熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示
す。
【0187】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0188】実施例26 合成例5で合成したイミド化合物(XI) 1.0gおよび式(X
VI) で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物 1.9g
をクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtCl6
6H2 O 10%エタノール溶液3.0 μリットルを配合し
て熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示
す。
【0189】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0190】実施例27 合成例6で合成したイミド化合物(XII)1.0gおよび式(X
VII)で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物0.96g
をクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtCl6
6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットルを配合し
て熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示
す。
【0191】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0192】実施例28 合成例6で合成したイミド化合物(XII)1.0gおよび式(X
IV) で表わされる炭素−炭素二重結合含有化合物0.66g
をクロロホルム10gに溶解し、そこにH2 PtCl6
6H2 O 10%エタノール溶液1.8 μリットルを配合し
て熱硬化性組成物をえた。該組成物を50℃で1日間保存
し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成し
た。えられた硬化物の外観およびゲル分率を表7に示
す。
【0193】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表7に示す。また、硬化物をN,N-ジメチルホル
ムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの外観
評価の結果を表8に示す。
【0194】
【表7】
【0195】
【表8】
【0196】
【発明の効果】本発明のイミド化合物は、比較的低融点
を有し、かつ有機溶媒への溶解性に優れている。また該
イミド化合物と炭素−炭素二重結合含有化合物およびヒ
ドロシリル化触媒を含有してなる本発明の硬化性組成物
は容易に様々な形状の硬化物とすることができ、えられ
た硬化物はきわめて優れた耐熱性、耐薬品性を有してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米沢 和弥 兵庫県神戸市垂水区つつじが丘五丁目12− 11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内に少なくとも2個のヒドロ
    シリル基を有するイミド化合物、 (B)分子内に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合を
    有するイミド化合物、および (C)ヒドロシリル化触媒を含有してなる硬化性組成
    物。
  2. 【請求項2】 分子内に少なくとも2個のヒドロシリル
    基を有するイミド化合物が、一般式(I) : 【化1】 (式中、R0 は炭素数6〜30個の芳香族基を有する2価
    の有機基、または一般式(II): 【化2】 (R2 は炭素数1〜20個の2価の有機基、R3 はメチル
    基またはフェニル基を表わし、2つのR2 、複数のR3
    はそれぞれ同一であってもよく、また異なっていてもよ
    く、kは1〜20の正の整数を表わす)で表わされる基、
    1 は少なくとも1つのヒドロシリル基を含む炭素数1
    〜20の有機基であって、2つのR1 は同一であってもよ
    く、また異なっていてもよい)で表わされるイミド化合
    物、および一般式(III) : 【化3】 (式中、R4 は炭素数6〜30個の芳香族基を含有する4
    価の有機基、R5 は炭素数1〜20個の2価の有機基、Y
    は少なくとも1つのヒドロシリル基を含む基を表わし、
    2つのR5 およびYはそれぞれ同一であってもよく、異
    なっていてもよい)で表わされるイミド化合物から選ば
    れた少なくとも1種のイミド化合物を含む請求項1記載
    の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 分子内に少なくとも2個の炭素−炭素二
    重結合を有するイミド化合物が、一般式(IV): 【化4】 (式中、R6 は炭素数6〜30個の芳香族基を有する2価
    の有機基、または一般式(II): 【化5】 (R2 は炭素数1〜20個の2価の有機基、R3 はメチル
    基またはフェニル基を表わし、2つのR2 、複数のR3
    はそれぞれ同一であってもよく、また異なっていてもよ
    く、kは1〜20の正の整数を表わす)で表わされる基、
    7 は少なくとも1つの炭素−炭素2重結合を含む炭素
    数2〜20の有機基であって、2つのR7 は同一であって
    もよく、また異なっていてもよい)で表わされるイミド
    化合物、および一般式(V) : 【化6】 (式中、R8 は炭素数6〜30個の芳香族基を含有する4
    価の有機基、R9 は炭素数2〜20個のアルケニル基を表
    わし、2つのR9 は同一であってもよく、異なっていて
    もよい)で表わされるイミド化合物から選ばれた少なく
    とも1種のイミド化合物を含む請求項1記載の硬化性組
    成物。
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