JP3279662B2 - ヒドロシリル基含有イミド化合物 - Google Patents

ヒドロシリル基含有イミド化合物

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JP3279662B2 JP22893292A JP22893292A JP3279662B2 JP 3279662 B2 JP3279662 B2 JP 3279662B2 JP 22893292 A JP22893292 A JP 22893292A JP 22893292 A JP22893292 A JP 22893292A JP 3279662 B2 JP3279662 B2 JP 3279662B2
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廉一 赤堀
克哉 大内
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な反応性イミド化合
物に関する。さらに詳しくは、硬化時に低沸点化合物の
発生を伴わず、比較的低温で速やかに硬化し、硬化後に
優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有する硬化物を
与えるイミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化性組成物として多くの組成物
が開発されている。その中でも、比較的低温で進行する
ヒドロシリル化反応を利用した硬化性組成物が開示され
ている(特開平1-138230号公報)。前記組成物において
は、硬化時に低沸点化合物の発生がほとんどなく、良好
な外観を呈する硬化物がえられるが、前記組成物の必須
成分であるアルケニル基含有成分およびヒドロシリル基
含有成分はともに主鎖がポリエーテルであり、えられる
硬化物の耐熱性、耐薬品性などが充分でなく、100 ℃と
いった温度でも短時間で機械的特性が大きく低下した
り、耐酸性、耐溶剤性が悪いなどの欠点を有していた。
したがって、耐熱性や耐薬品性の要求される用途、たと
えば電子部品まわりのコーティング剤、耐熱性接着剤な
どの用途には不適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の作用
により、比較的低温度でアルケニル基と反応しうるヒド
ロシリル基含有イミド化合物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題について鋭意検討を重ねた結果、アルケニル基を含む
化合物と比較的低温でも速やかに硬化し、硬化時に低沸
点化合物の発生を伴わず、硬化物の作成が容易で、硬化
後に優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有する硬化
物を与えるイミド化合物を見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I) :
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は炭素数6〜30個の4価の
香族基または2価の基を介して結合した芳香族環からな
4価の基を表し、複数のR1は同一であっても異なっ
ていてもよく、R24,4´−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4´−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3´−ジアミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス
{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、4,4´−ジアミノビフェニル、4,4
´−ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,3´−ジ
メトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−
ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−
ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´,
5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニ
ル、3,3´−ジカルボキシ−4,4´−ジアミノビフ
ェニル、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノ
ビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、1,3−ジア
ミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,2´−
ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパ
ン、2,2´−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビス(4
−アミノフェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビ
ス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、
2,2´−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル}スルホン、9,9´−ビス(4
−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9
´−ビス(4−アミノフェニル)フル オレン、オルトト
リジンスルホンから2個のアミノ基を除いた2価の基
または一般式(II):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基を表し、複数のR2は同一であっても異
なっていてもよく、R3メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、Y
【化4】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数で、かつ、2≦j+k<50、pは正
の整数、qは0または正の整数で、かつ2≦p+q≦4
を表わす)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロ
ジェンシロキサン基を表し、2つのR3、Yはそれぞれ
同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
化合物に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明の新規なイミド化合物は一
般式(I) :
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1は炭素数6〜30個の4価の
香族基または2価の基を介して結合した芳香族環からな
4価の基を表し、複数のR1は同一であっても異なっ
ていてもよく、R24,4´−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4´−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3´−ジアミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス
{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、4,4´−ジアミノビフェニル、4,4
´−ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,3´−ジ
メトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−
ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−
ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´,
5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニ
ル、3,3´−ジカルボキシ−4,4´−ジアミノビフ
ェニル、3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノ
ビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、1,3−ジア
ミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,2´−
ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパ
ン、2,2´−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビス(4
−アミノフェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−ア
ミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビ
ス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、
2,2´−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル}スルホン、9,9´−ビス(4
−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9
´−ビス(4−アミノフェニル)フル オレン、オルトト
リジンスルホンから2個のアミノ基を除いた2価の基
または一般式(II):
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基を表し、複数のR2は同一であっても異
なっていてもよく、R3メチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、Y
【化5】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数で、かつ、2≦j+k<50、pは正
の整数、qは0または正の整数で、かつ2≦p+q≦4
を表わす)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロ
ジェンシロキサン基を表し、2つのR3、Yはそれぞれ
同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
化合物である。
【0015】一般式(I) において、R1 は炭素数6〜30
個の4価の芳香族基または2価の基を介して結合した芳
香族環からなる4価の基であるが、これらは、硬化後に
耐熱性に優れた硬化物を与えるという点から好ましく、
とくに好ましい具体例としてはピロメリット酸、3,3
´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3
´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,
3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸、3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボ
ン酸からカルボキシル基を除いた残基などがあげられ、
これらを単独もしくは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0016】一般式(I) において、R24,4´−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4
´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4
´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノベンゾフェノ
ン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ス
ルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル}スルホン、ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フ
ェニル}スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼ
ン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エ
ーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス
(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3
−メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−ク
ロロ−4−アミノフェニル)メタン、4,4´−ジアミ
ノビフェニル、4,4´−ジアミノオクタフルオロビフ
ェニル、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビ
フェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビ
フェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビ
フェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4
´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジカルボキシ−
4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジヒドロキ
シ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノ
トルエン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミ
ノベンゼン、2,2´−ビス{4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル}プロパン、2,2´−ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2´−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
2,2´−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2´−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミ
ノフェニル)プロパン、2,2´−ビス(3−ヒドロキ
シ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビ
ス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホ
ン、9,9´−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、9,9´−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、オルトトリジンスルホンから2個のア
ミノ基を除いた2価の有機基、または一般式(II):
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基である。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】R2の具体例としては、前述のごとく、
4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´
−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノベ
ンゾフェノン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−アミノフェ
ノキシ)フェニル}スルホン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニ
ル)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}エーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタ
ン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス
(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、4,4´
−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノオクタフル
オロビフェニル、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジ
アミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジ
アミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジ
アミノビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ
−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジカルボ
キシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジヒ
ドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,4−ジ
アミノトルエン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−
ジアミノベンゼン、2,2´−ビス{4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、2,2´−ビス{4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2´−ビス(4−アミノフェニル)プロ
パン、2,2´−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2´−ビス(3−ヒドロキシ−4
−アミノフェニル)プロパン、2,2´−ビス(3−ヒ
ドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ス
ルホン、9,9´−ビス(4−アミノフェニル)−10−
ヒドロアントラセン、9,9´−ビス(4−アミノフェ
ニル)フルオレン、オルトトリジンスルホンから2個の
アミノ基を除いた2価の基;1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン、1,5−ビス
(3−アミノプロピル)ヘキサメチルトリシロキサン、
および一般式(III) :
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R5 、mは前記に同じ)で表され
るアミノ基末端ポリシロキサンなどのシロキサンジアミ
ンからアミノ基を除いた残基などがあげられ、これらを
単独または2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0025】R3メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、イ
ソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフ
チレン基、ベンジレン基、フェネチレン基である。2つ
のR3は同一でも異なっていてもよい。
【0026】Yは
【化6】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数で、かつ、2≦j+k<50、pは正
の整数、qは0または正の整数で、かつ2≦p+q≦4
を表わす)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロ
ジェンシロキサン基であり、2つのYは互いに同一であ
っても異なっていてもよい。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】これらYの中のヒドロシリル基はアルケニ
ル基を含有する化合物と反応して硬化生成物を与える。
【0036】同一分子中にヒドロシリル基含有基が2個
以上存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっ
ていても構わない。本発明のヒドロシリル基含有イミド
化合物に含まれるヒドロシリル基の総数については、少
なくとも1分子中に2個あればよいが、2〜15個が好ま
しく、3〜12個がとくに好ましい。ヒドロシリル基の個
数が2より少ないと、本発明のヒドロシリル基含有イミ
ド化合物をヒドロシリル化触媒存在下に、アルケニル基
を含有する化合物と混合してヒドロシリル化反応により
硬化させるばあいに、硬化不良を起こすことが多い。ま
た、ヒドロシリル基の数が15より多くなると、前記ヒド
ロシリル基含有イミド化合物の貯蔵安定性が悪くなり、
そのうえ、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物中に
残存し、ボイドやクラックの原因となる。
【0037】nは1〜100 の正の整数を表す。
【0038】一般式(I) で表されるヒドロシリル基含有
イミド化合物の製造方法としてはとくに制限はなく、任
意の方法を用いればよい。たとえば、分子内にSi−
Cl基をもつイミド化合物をLiAlH4 、NaBH4
などの還元剤で処理して該化合物中のSi−Cl基をS
i−H基に還元する方法、分子内にある官能基Xを持
つイミド化合物と分子内に前記官能基と反応する官能基
Zおよびヒドロシリル基を同時に持つ化合物とを反応さ
せる方法、アルケニル基を持つイミド化合物に対して
少なくとも2個のヒドロシリル基を持つポリヒドロシラ
ン化合物を選択ヒドロシリル化することにより、反応後
もヒドロシリル基を該化合物の分子中に残存させる方法
などが考えられる。これらのうち、原料の入手のしやす
さ、反応の簡便さ、収率の良さなどの点からの方法が
とくに好ましい。
【0039】前記の方法によるばあい、反応成分であ
るアルケニル基を有するイミド化合物を製造する方法と
しては、たとえば(1) まず芳香族テトラカルボン酸二無
水物とジアミンとを有機極性溶媒中で反応させ、続いて
アルケニル基含有1級アミンを反応させてポリアミド酸
の溶液をえ、次いで前記ポリアミド酸の溶液を加熱す
ることにより熱的にイミド化する方法、もしくは前記
ポリアミド酸の溶液に無水酢酸等の脱水剤を作用させ、
化学的にイミド化する方法、もしくは前記ポリアミド
酸の溶液を水、炭化水素のようなアミド酸に対する貧溶
媒と接触させてアミド酸を沈澱として析出させ、これを
加熱する方法、または(2) 芳香族テトラカルボン酸成分
とジアミンとを有機極性溶媒中でまず反応させ、続いて
アルケニル基含有イソシアネートとを有機極性溶媒中で
反応させて直接イミド化合物を得る方法などをあげるこ
とができる。
【0040】これらのいずれの方法によってもアルケニ
ル基を有するイミド化合物を製造することができ、とく
に制約を受けるものではないが、製造装置や製造工程が
より簡便あるいは容易であることや、使用する原料の入
手が容易であることから、(1) の方法、すなわち芳香
族テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機極性溶
媒中で反応させ、続いてアルケニル基含有1級アミンを
反応させてポリアミド酸の溶液をえ、次いで加熱してア
ルケニル基含有イミド化合物をえる方法が好ましい。
【0041】前記有機極性溶媒としてはたとえばジメチ
ルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキ
シド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キ
シレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどの
フェノール系溶媒、あるいはピリジン、ヘキサメチルホ
スホルアミド、γ−ブチロラクトンなど、またはこれら
2種以上の混合物があげられる。
【0042】反応は芳香族テトラカルボン酸二無水物、
ジアミンおよびアルケニル基含有1級アミンを前記有機
極性溶媒中、80℃以下の温度で反応させてポリアミド酸
の溶液をえ、ついでこれを100 〜250 ℃に加熱すること
による方法が好ましい。
【0043】使用するジアミンの量についてはとくに限
定はなく、任意の重合度のオリゴマーを選ぶことができ
る。
【0044】使用するアルケニル基含有1級アミンはテ
トラカルボン酸二無水物末端に対して2〜5倍量(モル
比、以下同様)、好ましくは2〜3倍量、より好ましく
は2〜2.5 倍量用いる。アルケニル基含有1級アミンの
量が2倍量より少ないと、当然、未反応の酸無水物基が
残存し、目的のアルケニル基含有イミド化合物の収率が
低下するので好ましくない。また、5倍量以上用いると
残存する未反応の酸無水物基の量は減少するが、過剰に
用いたアルケニル基含有1級アミンの除去が困難になる
ので好ましくない。
【0045】前記芳香族テトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、前記R1 の具体例に記載されたようなテ
トラカルボン酸の二無水物があげられる。
【0046】また、前記ジアミンの具体例としては、前
記R2 の具体例に記載されたようなジアミンがあげられ
る。
【0047】さらに前記アルケニル基含有1級アミンの
具体例としては、たとえばアリルアミン、ブテニルアミ
ン、o−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−ア
ミノスチレン、o−アリロキシアニリン、m−アリロキ
シアニリン、p−アリロキシアニリンなどがあげられ
る。
【0048】このようにしてえられたアルケニル基を有
するイミド化合物は 250℃以下の融点を有する。そして
後述するヒドロシリル基含有化合物と反応して本発明の
ヒドロシリル基含有イミド化合物を形成する。
【0049】ヒドロシリル化反応に用いられるヒドロシ
リル基含有化合物は2個以上のヒドロシリル基を有する
ポリヒドロシラン化合物であり、1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリメ
チルシクロトリシロキサン、フェニルシラン、シクロヘ
キシルシラン、1,1,2−トリメチルジシランなどが
あげられる。
【0050】ヒドロシリル化反応におけるアルケニル基
を有するイミド化合物とヒドロシリル基含有化合物の使
用量比はSiH成分が過剰であればとくに限定はない。
ただし、SiH基/アリル基が1に近いばあいには反応
系がゲル化することがあるので、SiH基を過剰に用い
ることが望ましい。たとえば、1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサンのばあい、好ましくはS
iH基/アリル基が4程度の条件下で反応を行なう。
【0051】またヒドロシリル化反応を行なうばあいに
は、ヒドロシリル化触媒を使用することが望ましい。ヒ
ドロシリル化触媒の例としては、白金の単体、アルミ
ナ、シリカ、カーボンブラックなどの単体に固体白金を
担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコー
ル、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィ
ン錯体(たとえば、Pt(CH2 =CH2 2 (PPh
3 2 Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 );白金−ビニ
ルシロキサン錯体(たとえば、Ptn (ViMe2Si
OSiMe2 Vi)m 、Pt[(MeViSiO)4
m )、白金−ホスフィン錯体(たとえば、Pt(PPh
3 4 、Pt(PBu)4 )、白金−ホスファイト錯体
(たとえば、Pt[P(OPh)3 4 )(式中、Me
はメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phは
フェニル基を表し、m,nは整数を表す)、ジカルボニ
ルジクロロ白金、また、アシュビー(Ashby)の米
国特許第3159601 および、3159662 号明細書中に記載さ
れた白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lam
oreaux)の米国特許第3220972 号明細書中に記載
された白金アルコラート触媒があげられる。さらに、モ
ディック(Modic)の米国特許第3516946 号明細書
中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明に
おいて有用である。
【0052】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl2
3 、RuCl3 、lrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4
どがあげられる。これらの触媒は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用しても構わない。触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル
シロキサン錯体が好ましい。
【0053】触媒量としてはとくに制限はないが、アル
ケニル基1mol に対して、10-1〜10 -8mol の範囲、好ま
しくは10-3〜10-6mol の範囲で用いるのがよい。10-8mo
l より少ないと反応が十分に進行しない。また、ヒドロ
シリル化触媒は一般に高価で腐食性であり、また水素ガ
スが大量に発生して、ヒドロシリル化反応が進行しにく
くなるばあいがあるので10-1mol 以上用いない方が好ま
しい。
【0054】ヒドロシリル化反応は、一般に0〜 150℃
の温度範囲で行なわれ、必要に応じて、たとえばヘキサ
ン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなど
のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
アニソールなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレン、ク
ロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素系溶媒の単独もしくは2種以上の混合物
などの適当な有機溶媒を用いてもよい。
【0055】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は、湿分が混入したりして粘度増大やゲル化などの起こ
ることを防止するために、脂肪族不飽和結合を含有する
化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化
合物、スズ系化合物、有機過酸化物などの貯蔵安定性改
良剤を含有させることができる。貯蔵安定性改良剤の使
用量は均一に分散する限りにおいてほぼ任意に選ぶこと
ができるが、前記ヒドロシリル基含有イミド化合物1mo
l に対し、10-6〜10-1mol の範囲で用いることが好まし
い。これは、10-6mol 以下だと前記ヒドロシリル基含有
イミド化合物の貯蔵安定性が十分改良されず、10-1mol
以上であると硬化を阻害する恐れが大きいからである。
貯蔵安定性改良剤は単独で用いても、また、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0056】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は、白、黄、または黄褐色で 250℃以下の融点を示し、
ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール
などのアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、アニソールなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムア
ミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセト
アミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセ
チル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンな
どのピロリドン系溶媒、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、ハロ
ゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶
媒、あるいはピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、
γ−ブチロラクトンおよびこれら2種以上の混合物に可
溶であり、水には不溶である。
【0057】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は分子内にヒドロシリル基を有するために、ヒドロシリ
ル化溶媒、たとえば白金の単体、アルミナ、シリカ、カ
ーボンブラックなどの単体に固体白金を担持させたも
の、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒ
ド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体、白金
−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金
−ホスファイト錯体などの白金系触媒、またはRhCl(PPh
3 ) 3 、RhCl3 、RhAl2 O 3 、RuCl3 、IrCl3 、FeC
l3 、AlCl3 、PdCl2 ・2H2 O 、NiCl2 、TiCl4 などの
存在下で0〜 300℃の温度範囲で容易にアルケニル基を
有する化合物と反応する。
【0058】前記アルケニル基を有する化合物はたとえ
ば、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,
9−デカジエン、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどの炭化水素系化合
物、ビスフェノールA−ジアリルエーテル、ビスフェノ
ールP−ジアリルエーテルなどのエーテル系化合物、ジ
アリルテレフタレート、ジアリルイソフタレートなどの
エステル系化合物、ジアリルカーボネートなどのカーボ
ネート系化合物などであり、前記触媒の存在下、0〜30
0 ℃の温度範囲で容易に硬化させることができる。必要
に応じて、ヒドロシリル基含有イミド化合物、アルケニ
ル基含有化合物、ヒドロシリル化触媒の3成分を混合す
る際に前記の溶媒を使用し、混合後溶媒を除去したのち
に前記の温度範囲に加熱する方法を用いてもよい。
【0059】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
の具体例を以下に示すが、本発明の化合物はこれらの具
体例のみに限定されるものではない。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】本発明の化合物を使用して硬化させてえら
れる樹脂は優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有
し、種々の用途、たとえば樹脂改質剤、高温に曝されや
すい部位へのコーティング材などに好適に用いられる。
【0063】以下に、実施例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0064】実施例1 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成1)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ジフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA) 31.
0g(0.10 mol)、N−メチル−2−ピロリドン(NM
P)230gを入れ、均一な溶液を調製した。ここに2,2
´−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プ
ロパン 20.5g(0.050mol)をNMP123.0gに溶解させた
溶液を室温でロートを用いて添加し、室温で1時間攪拌
を続けた。ついでこの反応溶液に、室温でアリルアミン
5.7g(0.10 mol)を滴下し、さらに30分間攪拌を続けた
後、 200℃のオイルバスで内温が 165〜 170℃になるま
で加熱した。この温度でさらに5時間加熱を続けた。
【0065】放冷後、反応溶液の全量を1900mlのメタノ
ールにそそぎ込んだ。生成した沈澱をろ過し、メタノー
ルで洗浄したのち、80℃で減圧乾燥して、アルケニル基
含有イミド化合物42.0g をえた。
【0066】1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン4.5gを 200mlの4つ口フラスコに仕込み、
そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液を0.93ml
加えた。室温において、上でえられたアルケニル基含有
イミド化合物10g をクロロホルム90g に溶解させた溶液
を、約30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、60℃
で10時間反応させた。反応後、クロロホルムおよび未反
応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを留去したのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的と
するヒドロシリル基を有するイミド化合物(IV) 14.2gを
えた。
【0067】
【化15】
【0068】融点:144 ℃ 実施例2 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成2)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコに3,3´,4,4´−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8g (0.10 mo
l)、NMP270gを入れ、均一な溶液を調製した。ここ
に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 14.
6g(0.050mol)をNMP 60.0gに溶解させた溶液を室温
でロートを用いて添加し、室温で1時間攪拌を続けた。
ついでこの反応溶液に、室温でアリルアミン5.7g(0.10
mol)を滴下し、さらに30分間攪拌を続けたのち、 200
℃のオイルバスで内温が 165〜 170℃になるまで加熱し
た。この温度でさらに5時間加熱を続けた。
【0069】引続き、実施例1と同様に処理してアルケ
ニル基含有イミド化合物41.4g をえた。
【0070】1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン5.0gを200ml の4つ口フラスコに仕込み、
そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液を1.00ml
加えた。室温において、上でえられたアルケニル基含有
イミド化合物10g をクロロホルム90g に溶解させた溶液
を、約30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、60℃
で10時間反応させた。反応後、クロロホルムおよび未反
応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを留去したのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的と
するヒドロシリル基を有するイミド化合物(V)14.9gをえ
た。
【0071】
【化16】
【0072】実施例3 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成3)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコにODPA 31.0g(0.10 mol)、
NMP230gを入れ、均一な溶液を調製した。ここにビス
{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン3
6.0g (0.083mol)をNMP187.0gに溶解させた溶液を
室温でロートを用いて添加し、室温で1時間攪拌を続け
た。ついでこの反応溶液に、室温でアリルアミン1.9g
(0.033mol)を滴下し、さらに30分間攪拌を続けたの
ち、 200℃のオイルバスで内温が165 〜170 ℃になるま
で加熱した。この温度でさらに5時間加熱を続けた。
【0073】引続き、実施例1と同様に処理してアルケ
ニル基含有イミド化合物76.0g をえた。
【0074】1,3,5−トリメチルシクロトリシロキ
サン0.92g を200ml の4つ口フラスコに仕込み、そこに
H2 PtCl6 ・6H2 O 10%エタノール溶液を0.26ml加え
た。室温において、上でえられたアルケニル基含有イミ
ド化合物10g をクロロホルム90g に溶解させた溶液を、
約30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、60℃で10
時間反応させた。反応後、クロロホルムおよび未反応の
1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサンを留去し
たのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシ
リル基を有するイミド化合物(VI)10.7g をえた。
【0075】
【化17】
【0076】参考例1(ヒドロシリル基含有イミド化合
物とアリル基含有化合物との反応) 実施例1で合成したイミド化合物(IV)2.0gおよび式(VI
I) :
【0077】
【化18】
【0078】で表されるアリル基含有化合物1.1gをクロ
ロホルム18g に溶解し、そこに H2 PtCl6 ・6H2 O 10%
エタノール溶液6.0 μlを配合して熱硬化性組成物をえ
た。該組成物を25℃/10mmHgの条件下で1日間保存し、
このあと 150℃で1時間処理して硬化物を作成した。表
1に、えられた硬化物の外観およびゲル分率(クロロホ
ルム不溶分の重量分率)を示す。
【0079】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N−ジメチル
ホルムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの
外観評価の結果を表2に示す。
【0080】参考比較例1 両末端にアリル基を有するポリプロピレングリコール
(分子量約8000)3g と、両末端に1,3,5,7−テ
トラメチルシクロテトラシロキシ基を有するポリプロピ
レングリコール(分子量約8000)1g を混合し、そこに
H2 PtCl6 ・6H2O 10%エタノール溶液4μlを配合し
て硬化性組成物を調製した。該組成物を 100℃に保った
オーブン内に1時間保存して硬化物を作成した。表1
に、えられた硬化物の外観およびゲル分率を示す。
【0081】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N−ジメチル
ホルムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬したのちの
外観評価の結果を表2に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】表1から本発明の化合物を用いた組成物を
硬化してえた樹脂は耐熱性に優れたものであることがわ
かる。また、表2から本発明の化合物を用いた組成物を
硬化してえた樹脂は耐薬品性に優れたものであることが
わかる。
【0085】
【発明の効果】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合
物は、比較的低融点を有し、かつ有機溶媒への溶解性に
優れている。また本発明化合物とアルケニル基含有化合
物およびヒドロシリル化触媒を含有してなる硬化性組成
物は容易に様々な形状の硬化物とすることができ、えら
れた硬化物はきわめて優れた耐熱性、耐薬品性を有して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米沢 和弥 兵庫県神戸市垂水区つつじが丘5−12− 11 (56)参考文献 特開 昭59−131629(JP,A) 特開 平5−320173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/21 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜30個の4価の芳香族基または
    2価の基を介して結合した芳香族環からなる4価の基
    表し、複数のR1は同一であっても異なっていてもよ
    く、R24,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
    3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジ
    アミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェ
    ニルスルフィド、4,4´−ビス(4−アミノフェノキ
    シ)ビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニルスルホ
    ン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´
    −ジアミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−アミノフ
    ェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミ
    ノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−
    アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,4−ビス
    (4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ア
    ミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェ
    ノキシ)フェニル}エーテル、4,4´−ジアミノジフ
    ェニルメタン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニ
    ル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)
    メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタ
    ン、4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミ
    ノオクタフルオロビフェニル、3,3´−ジメトキシ−
    4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−
    4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−
    4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´,5,5´−
    テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3
    ´−ジカルボキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、
    3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニ
    ル、2,4−ジアミノトルエン、1,3−ジアミノベン
    ゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,2´−ビス{4
    −(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,
    2´−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ ェニル}
    ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビス(4−アミノ
    フェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−アミノフェ
    ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2´−ビス(3−
    ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2´
    −ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサ
    フルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノフェノキ
    シ)フェニル}スルホン、9,9´−ビス(4−アミノ
    フェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9´−ビス
    (4−アミノフェニル)フルオレン、オルトトリジンス
    ルホンから2個のアミノ基を除いた2価の基、または一
    般式(II): 【化2】 (式中、R4メチレン基、エチレン基、プロピレン
    基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、イソプ
    ロピレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフチレ
    ン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R5メチル
    基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基を表し、
    複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異なっていて
    もよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表される2価
    の基を表し、複数のR2は同一であっても異なっていて
    もよく、R3メチレン基、エチレン基、プロピレン
    基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、イソプ
    ロピレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフチレ
    ン基、ベンジレン基、フェネチレン基、Yは 【化3】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
    が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
    は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
    は0または正の整数で、かつ、2≦j+k<50、pは正
    の整数、qは0または正の整数で、かつ2≦p+q≦4
    を表わす)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロ
    ジェンシロキサン基を表し、2つのR3、Yはそれぞれ
    同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
    の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
    化合物。
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