JP3279663B2 - ヒドロシリル基含有イミド化合物 - Google Patents

ヒドロシリル基含有イミド化合物

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JP3279663B2 JP22893392A JP22893392A JP3279663B2 JP 3279663 B2 JP3279663 B2 JP 3279663B2 JP 22893392 A JP22893392 A JP 22893392A JP 22893392 A JP22893392 A JP 22893392A JP 3279663 B2 JP3279663 B2 JP 3279663B2
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恭尚 岸本
廉一 赤堀
克哉 大内
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な反応性イミド化合
物に関する。さらに詳しくは、硬化時に低沸点化合物の
発生を伴わず、比較的低温で速やかに硬化し、硬化後に
優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有する硬化物を
与えるイミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化性組成物として多くの組成物
が開発されている。その中でも、比較的低温で進行する
ヒドロシリル化反応を利用した硬化性組成物が開示され
ている(特開平1-138230号公報)。前記組成物において
は、硬化時に低沸点化合物の発生がほとんどなく、良好
な外観を呈する硬化物がえられるが、前記組成物の必須
成分であるアルケニル基含有成分およびヒドロシリル基
含有成分はともに主鎖がポリエーテルであり、えられる
硬化物の耐熱性、耐薬品性などが充分でなく、100 ℃と
いった温度でも短時間で機械的特性が大きく低下した
り、耐酸性、耐溶剤性が悪いなどの欠点を有していた。
したがって、耐熱性や耐薬品性の要求される用途、たと
えば電子部品まわりのコーティング剤、耐熱性接着剤な
どの用途には不適である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、触媒の作用
により、比較的低温度でアルケニル基と反応しうるヒド
ロシリル基含有イミド化合物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題について鋭意検討を重ねた結果、アルケニル基を含む
化合物と比較的低温でも速やかに硬化し、硬化時に低沸
点化合物の発生を伴わず、硬化物の作成が容易で、硬化
後に優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有する硬化
物を与えるイミド化合物を見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I) :
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は炭素数6〜30個の4価の
香族基または2価の基を介して結合した芳香族環からな
る4価の基、R24,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4′−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3′−ジアミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス
{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、4,4′−ジアミノビフェニル、4,
4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,3′−
ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,
2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビ
フェニル、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
アミノビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、1,3
−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,
2′−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}
プロパン、2,2′−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビ
ス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2′−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プ
ロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、9,9′−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9′−ビス
(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、オ
ルトトリジンスルホンから2個のアミノ基を除 いた2価
の基、または一般式(II):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基を表し、複数のR1、R2は同一であって
も異なっていてもよく、R3一般式:
【化5】 (式中、Yは
【化6】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数、pは正の整数、qは0または正の
整数で、かつ、2≦j+k<50、2≦p+q≦4を表わ
す)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロジェン
シロキサン基)で表わされる基であって、2つのR3
同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
化合物に関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明の新規なイミド化合物は、
一般式(I) :
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1は炭素数6〜30個の4価の
香族基または2価の基を介して結合した芳香族環からな
4価の基、R24,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、4,4′−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,3′−ジアミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス
{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−エチル−4−ア
ミノフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノ
フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェ
ニル)メタン、4,4′−ジアミノビフェニル、4,
4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,3′−
ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′
−ジクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,
2′,5,5′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノビ
フェニル、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
アミノビフェニル、2,4−ジアミノトルエン、1,3
−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,
2′−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}
プロパン、2,2′−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビ
ス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2′−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プ
ロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、9,9′−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9′−ビス
(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、オ
ルトトリジンスルホンから2個のアミノ基を除 いた2価
の基、または一般式(II):
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基を表し、複数のR1、R2は同一であって
も異なっていてもよく、R3一般式:
【化7】 (式中、Yは
【化8】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数、pは正の整数、qは0または正の
整数で、かつ、2≦j+k<50、2≦p+q≦4を表わ
す)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロジェン
シロキサン基)で表わされる基であって、2つのR3
同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
化合物である。
【0015】一般式(I) において、R1 は炭素数6〜30
個の4価の芳香族基または2価の基を介して結合した芳
香族環からなる4価の基であるが、これらは、硬化後に
耐熱性に優れた硬化物を与えるという点から好ましく、
とくに好ましい具体例としてはピロメリット酸、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラ
カルボン酸、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカル
ボン酸からカルボキシル基を除いた残基などがあげら
れ、これらを単独もしくは2種以上の混合物として用い
ることができる。
【0016】一般式(I) において、R24,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,
4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,
4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェ
ノン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}
スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル}スルホン、ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フ
ェニル}スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼ
ン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エ
ーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス
(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3
−メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−ク
ロロ−4−アミノフェニル)メタン、4,4′−ジアミ
ノビフェニル、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフ
ェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビ
フェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビ
フェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノビ
フェニル、2,2′,5,5′−テトラクロロ−4,
4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジカルボキシ−
4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒドロキ
シ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノ
トルエン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミ
ノベンゼン、2,2′−ビス{4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル}プロパン、2,2′−ビス{4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、
2,2′−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミ
ノフェニル)プロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキ
シ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビ
ス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホ
ン、9,9′−ビス(4−アミノフェニル)フルオレ
ン、9,9′−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、オルトトリジンスルホンから2個のア
ミノ基を除いた2価の基、または一般式(II):
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R4メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン
基、イソプロピレン基、イソブチレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R
5メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル
を表し、複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異
なっていてもよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表
される2価の基である。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】R2の具体例としては、前述のごとく、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベ
ンゾフェノン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−アミノフェ
ノキシ)フェニル}スルホン、1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニ
ル)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル}エーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタン、ビス
(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、4,4′
−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノオクタフル
オロビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジ
アミノビフェニル、2,2′,5,5′−テトラクロロ
−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジカルボ
キシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、2,4−ジ
アミノトルエン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−
ジアミノベンゼン、2,2′−ビス{4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、2,2′−ビス{4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロ
パン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキシ−4
−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス(3−ヒ
ドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ス
ルホン、9,9′−ビス(4−アミノフェニル)フルオ
レン、9,9′−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒ
ドロアントラセン、オルトトリジンスルホンから2個の
アミノ基を除いた2価の基;1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン、1,5−ビス
(3−アミノプロピル)ヘキサメチルトリシロキサン、
および一般式(III) :
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R5 、mは前記に同じ)で表され
るアミノ末端ポリシロキサンなどのシロキサンジアミン
からアミノ基を除いた残基などがあげられ、これらを単
独もしくは2種以上の混合物として用いることができ
る。
【0025】また、R3一般
【0026】
【化9】
【0027】から選ばれた基があげられる。2つのR3
は同一であっても異なっていてもよい。
【0028】Yは
【化9】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
は0または正の整数、pは正の整数、qは0または正の
整数で、かつ、2≦j+k<50、2≦p+q≦4を表わ
す)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロジェン
シロキサン基であり、式中のYは互いに同一であっても
異なっていてもよい。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】これらYの中のヒドロシリル基はアルケニ
ル基を含有する化合物と反応して硬化性組成物を与え
る。
【0038】同一分子中にヒドロシリル基含有基が2個
以上存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっ
ていても構わない。本発明のヒドロシリル基含有イミド
化合物中に含まれるヒドロシリル基の総数については、
少なくとも1分子中に2個あればよいが、2〜15個が好
ましく、3〜12個がとくに好ましい。ヒドロシリル基の
個数が2より少ないと、本発明のヒドロシリル基含有イ
ミド化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に、アルケニ
ル基を含有する化合物と混合してヒドロシリル化反応に
より硬化させるばあいに、硬化不良を起こすことが多
い。また、ヒドロシリル基の数が15より多くなると、前
記ヒドロシリル基含有イミド化合物の貯蔵安定性が悪く
なり、そのうえ、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化
物中に残存し、ボイドやクラックの原因となる。
【0039】nは1〜100 の整数を表す。
【0040】本発明のイミド化合物の具体例を以下に示
すが、本発明のイミド化合物はこれら具体例のみに限定
されるものではない。
【0041】
【化14】
【0042】一般式(I) で表されるヒドロシリル基含有
イミド化合物の製造方法としてはとくに制限はなく、任
意の方法を用いればよい。たとえば、分子内にSi−
Cl基をもつイミド化合物をLiAlH4 、NaBH4
などの還元剤で処理して該化合物中のSi−Cl基をS
i−H基に還元する方法、分子内にある官能基Xを持
つイミド化合物と分子内に前記官能基と反応する官能基
Zおよびヒドロシリル基を同時に持つ化合物とを反応さ
せる方法、アルケニル基を有するイミド化合物に対し
て少なくとも2個のヒドロシリル基を持つポリヒドロシ
ラン化合物を選択ヒドロシリル化することにより、反応
後もヒドロシリル基を該化合物の分子中に残存させる方
法などが考えられる。これらのうち、原料の入手のしや
すさ、反応の簡便さ、収率の良さなどの点からの方法
がとくに好ましい。
【0043】前記の方法によるばあい、反応成分であ
るアルケニル基を有するイミド化合物を製造する方法と
しては、たとえばまず芳香族テトラカルボン酸二無水物
とジアミンとを有機極性溶媒中で反応させ、続いて環状
オレフィン含有酸無水物を反応させてポリアミド酸の溶
液をえ、次いで前記ポリアミド酸の溶液を加熱するこ
とにより熱的にイミド化する方法、もしくは前記ポリ
アミド酸の溶液に無水酢酸等の脱水剤を作用させ、化学
的にイミド化する方法、もしくは前記ポリアミド酸の
溶液を水、炭化水素のようなアミド酸に対する貧溶媒と
接触させてアミド酸を沈澱として析出させ、これを加熱
する方法などをあげることができる。
【0044】これらのいずれの方法によってもアルケニ
ル基を有するイミド化合物を製造することができ、とく
に制約を受けるものではないが、製造装置や製造工程が
より簡便あるいは容易であることや、使用する原料の入
手が容易であることから、の方法、すなわち芳香族テ
トラカルボン酸二無水物とジアミンとを有機極性溶媒中
で反応させ、続いて環状オレフィン含有酸無水物を反応
させてポリアミド酸の溶液をえ、次いで加熱してアルケ
ニル基含有イミド化合物をえる方法が好ましい。
【0045】前記有機極性溶媒としてはたとえばジメチ
ルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキ
シド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キ
シレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどの
フェノール系溶媒、あるいはピリジン、ヘキサメチルホ
スホルアミド、γ−ブチロラクトンおよびこれら2種以
上の混合物があげられる。
【0046】反応はテトラカルボン酸二無水物、ジアミ
ンおよび環状オレフィン含有酸無水物とを前記溶媒中、
80℃以下の温度で反応させてポリアミド酸の溶液をえ、
ついでこれを100 〜250 ℃に加熱することによる方法が
好ましい。
【0047】使用するジアミンの量はとくに限定はな
く、任意の重合度のオリゴマーを選ぶことができる。
【0048】使用する環状オレフィン含有酸無水物はジ
アミン成分に対して2〜5倍量(モル比、以下同様)、
好ましくは2〜3倍量、より好ましくは2〜2.5 倍量用
いる。環状オレフィン含有酸無水物の量が2倍量より少
ないと、当然、未反応のジアミンが残存し、目的のアル
ケニル基含有イミド化合物の収率が低下する。また、5
倍量以上用いると残存する未反応のジアミンの量は減少
するが、過剰に用いた環状オレフィン含有酸無水物の除
去が困難になるので好ましくない。
【0049】前記芳香族テトラカルボン酸二無水物とし
ては、前記R1 の具体例としてあげられた酸の二無水物
が好ましい。
【0050】また、前記ジアミンとしては、前記R2
具体例としてあげられたジアミンが好ましい。
【0051】さらに、環状オレフィン含有無水物として
は、
【0052】
【化15】
【0053】などをあげることができる。
【0054】前記環状オレフィン含有酸無水物、ジアミ
ン、およびテトラカルボン酸二無水物の反応生成物であ
るアルケニル基含有イミド化合物は250 ℃以下の融点を
有する。
【0055】そして後述するヒドロシリル基含有化合物
と反応して本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物を
形成する。
【0056】ヒドロシリル基含有化合物は、2個以上の
ヒドロシリル基を有するポリヒドロシラン化合物である
が、具体的には1,3,5,7−テトラメチルシクロテ
トラシロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシ
ロキサン、フェニルシラン、シクロヘキシルシラン、
1,1,2−トリメチルジシランなどがあげられる。
【0057】ヒドロシリル化反応におけるアルケニル基
を有するイミド化合物とヒドロシリル基含有化合物の使
用量比はSiH成分が過剰であればとくに限定はない。
ただし、SiH基/アリル基が1に近いばあいには反応
系がゲル化することがあるので、SiH基を過剰に用い
ることが望ましい。たとえば1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサンのばあい、好ましくはSi
H基/アリル基が4程度の条件下で反応を行なう。
【0058】またヒドロシリル化反応を行なうばあいに
は、ヒドロシリル化触媒を使用することが望ましい。ヒ
ドロシリル化触媒の例としては、白金の単体、アルミ
ナ、シリカ、カーボンブラックなどの単体に固体白金を
担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコー
ル、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィ
ン錯体(たとえば、Pt(CH2 =CH2 2 (PPh
3 2 Pt(CH2 =CH2 2 Cl2 );白金−ビニ
ルシロキサン錯体(たとえば、Ptn (ViMe2Si
OSiMe2 Vi)m 、Pt[(MeViSiO)4
m )、白金−ホスフィン錯体(たとえば、Pt(PPh
3 4 、Pt(PBu)4 )、白金−ホスファイト錯体
(たとえば、Pt[P(OPh)3 4 )(式中、Me
はメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phは
フェニル基を表し、m、nは整数を表す)、ジカルボニ
ルジクロロ白金、また、アシュビー(Ashby )の米国特
許第3159601 および、3159662 号明細書中に記載された
白金−炭化水素複合体、ならびに、ラモロー(Lamoreau
x )の米国特許第3220972 号明細書中に記載された白金
アルコラート触媒があげられる。さらに、モディック
(Modic )の米国特許第3516946 号明細書中に記載され
た塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用で
ある。
【0059】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl2
3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4
どがあげられる。これらの触媒は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用しても構わない。触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル
シロキサン錯体が好ましい。
【0060】触媒量としてはとくに制限はないが、アル
ケニル基1mol に対して10-1〜10-8mol の範囲、好まし
くは10-3〜10-6mol の範囲で用いるのがよい。10-8mol
より少ないと反応が十分に進行しない。また、ヒドロシ
リル化触媒は一般に高価で腐食性であり、また水素ガス
が大量に発生して、ヒドロシリル化反応が進行しにくく
なるばあいがあるので10-1mol 以上用いない方が好まし
い。
【0061】ヒドロシリル化反応は、一般に1〜150 ℃
の温度範囲で行なわれ、必要に応じて、たとえばヘキサ
ン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭
化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなど
のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
アニソールなどのエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、安息香酸チメル、安
息香酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレン、ク
ロロホルム、塩化エチレン、クロロベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素系溶媒の単独もしくは2種以上の混合物
などの適当な有機溶媒を用いてもよい。
【0062】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は、250 ℃以下の融点を示し、ヘキサン、ヘプタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、メ
タノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオールなどのアルコール系溶
媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、アニソールなどの
エーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなど
のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、塩化
エチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系
溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドな
どのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド
系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエ
チルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、
N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−ク
レゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテ
コールなどのフェノール系溶媒、あるいはピリジン、ヘ
キサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンおよび
これら2種以上の混合物に可溶であり、水には不溶であ
る。
【0063】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は湿分が混入したりして粘度増大やゲル化などの起こる
ことを防止するために脂肪族不飽和結合を含有する化合
物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合
物、スズ系化合物、有機過酸化物などの貯蔵安定性改良
剤を含有させることができる。
【0064】貯蔵安定性改良剤の使用量は均一に分散す
る限りにおいてほぼ任意に選ぶことができるが、前記ヒ
ドロシリル基含有イミド化合物1mol に対し、10-6〜10
-1mol の範囲で用いることが好ましい。これは、10-6mo
l 以下だと前記ヒドロキシル基含有イミド化合物の貯蔵
安定性が十分改良されず、10-1mol 以上であると硬化を
阻害する恐れが大きいからである。貯蔵安定性改良剤は
単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0065】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合物
は、分子内にヒドロシリル基を有するために、ヒドロシ
リル化触媒たとえば白金の単体、アルミナ、シリカ、カ
ーボンブラックなどの単体に固体白金を担持させたも
の、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒ
ド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体、白金
−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金
−ホスファイト錯体などの白金系触媒、またはRhCl
(PPh3 3 、RhCl3 、RhAl2 3 、RuC
3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl3 、PdCl
2 ・2H2 O、NiCl2 、TiCl4 などの存在下で
0〜300 ℃の温度範囲で容易にアルケニル基を有する化
合物と反応する。
【0066】前記アルケニル基を有する化合物はたとえ
ば、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,
9−デカジエン、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどの炭化水素系化合
物、ビスフェノールA−ジアリルエーテル、ビスフェノ
ールP−ジアリルエーテルなどのエーテル系化合物、ジ
アリルテレフタレート、ジアリルイソフタレートなどの
エステル系化合物、ジアリルカーボネートなどのカーボ
ネート系化合物などであり、前記触媒の存在下、0〜30
0 ℃の温度範囲で容易に硬化させることができる。必要
に応じて、ヒドロシリル基含有イミド化合物、アルケニ
ル基含有化合物、ヒドロシリル化触媒の3成分を混合す
る際に前記の溶媒を使用し、混合後溶媒を除去したのち
に前記の温度範囲に加熱する方法を用いてもよい。
【0067】本発明の化合物を使用して硬化させてえら
れる樹脂は優れた耐熱性、耐薬品性、機械的特性を有
し、種々の用途、たとえば樹脂改質剤、高温に曝され易
い部位へのコーティング材などに好適に用いられる。
【0068】以下に、実施例によって本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0069】実施例1 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成1)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコに1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン(APB)29.2g(0.10mol )、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)120 gを入れ、均一
な溶液を調製した。ここに3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.050mol)
をNMP145.0 gに溶解させた溶液を室温で添加し、室
温で1時間攪拌を続けた。ついでこの反応溶液に、室温
で2,3−ジカルボキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プタ−5−エン二無水物16.4g(0.10mol )をNMP14
0 gに溶解した溶液を滴下し、さらに30分間攪拌を続け
たのち、200 ℃のオイルバスで内温が165 〜170 ℃にな
るまで加熱した。この温度でさらに5時間加熱を続け
た。
【0070】放冷後、反応溶液の全量を1900mlのメタノ
ールにそそぎ込んだ。生成した沈澱をろ過し、メタノー
ルで洗浄したのち、80℃で減圧乾燥して、炭素−炭素二
重結合を有するイミド化合物46.8gをえた。
【0071】1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン4.4 gを500 mlの4つ口フラスコに仕込
み、そこにH2 PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶
液を0.91ml加えた。室温において、上でえられたイミド
化合物10gをクロロベンゼン90gに溶解させた溶液を、
約30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、100 ℃で
40時間反応させた。反応後、クロロベンゼンおよび未反
応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを留去したのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的と
するヒドロシリル基を有するイミド化合物(IV)14.2gを
えた。
【0072】
【化16】
【0073】実施例2 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成2)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコにAPB29.2g(0.10mol )、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)120 gを入れ、均
一な溶液を調製した。ここに3,3′,4,4′−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物15.5g(0.05
0mol)をNMP140.0 gに溶解させた溶液を室温で添加
し、室温で1時間攪拌を続けた。ついでこの反応溶液
に、室温で2,3−ジカルボキシル−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ−5−エン二無水物16.4g(0.10mol )
をNMP140 gに溶解した溶液を滴下し、さらに30分間
攪拌を続けたのち、200 ℃のオイルバスで内温が165 〜
170 ℃になるまで加熱した。この温度でさらに5時間加
熱を続けた。
【0074】引続き、実施例1と同様に処理して炭素−
炭素二重結合を有するイミド化合物46.8gをえた。
【0075】1,3,5,7−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン4.4 gを500ml の4つ口フラスコに仕込
み、そこにH2 PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶
液を0.91ml加えた。室温において、上でえられたイミド
化合物10gをクロロベンゼン90gに溶解させた溶液を、
約30分かけてゆっくり滴下した。滴下終了後、100 ℃で
40時間反応させた。反応後、クロロベンゼンおよび未反
応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サンを留去したのち、室温で数時間減圧乾燥し、目的と
するヒドロシリル基を有するイミド化合物(V) 14.1gを
えた。
【0076】
【化17】
【0077】実施例3 (ヒドロシリル基含有イミド化合物の合成3)窒素気流
下、メカニカルスターラー、玉型冷却管、温度計つきの
1000cc4つ口フラスコに1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン24.8g(0.10mol )、
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)120 gを入れ、
均一な溶液を調製した。ここに3,3′,4,4′−ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物29.7g(0.
083mol)をNMP270.0 gに溶解させた溶液を室温で添
加し、室温で1時間攪拌を続けた。ついでこの反応溶液
に、室温で2,3−ジカルボキシル−7−オキサビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン二無水物5.5g(0.0
33mol)をNMP50gに溶解した溶液を滴下し、さらに3
0分間攪拌を続けたのち、200 ℃のオイルバスで内温が1
65 〜170 ℃になるまで加熱した。この温度でさらに5
時間加熱を続けた。
【0078】引続き、実施例1と同様に処理した炭素−
炭素二重結合を有するイミド化合物49.4gをえた。
【0079】1,3,5−トリメチルシクロトリシロキ
サン1.1 gを500 mlの4つ口フラスコに仕込み、そこに
2 PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶液を0.33ml
加えた。室温において、上でえられたイミド化合物10g
をクロロベンゼン90gに溶解させた溶液を、約30分かけ
てゆっくり滴下した。滴下終了後、100 ℃で40時間反応
させた。反応後、クロロベンゼンおよび未反応の1,
3,5−トリメチルシクロトリシロキサンを留去したの
ち、室温で数時間減圧乾燥し、目的とするヒドロシリル
基を有するイミド化合物(VI)10.8gをえた。
【0080】
【化18】
【0081】参考例1(ヒドロシリル基含有イミド化合
物とアリル基含有化合物との反応) 実施例1で合成したイミド化合物(IV)2.0 gおよび式(V
II) :
【0082】
【化19】
【0083】で表されるアリル基含有化合物1.09gをク
ロロホルム18gに溶解し、そこにH2PtCl6 ・6H
2 O10%エタノール溶液2.5 μlを配合して熱硬化性組
成物をえた。該組成物を25℃/10mmHgの条件下で1日間
保存し、このあと100 ℃で1時間処理して硬化物を作成
した。えられた硬化物の外観およびゲル分率(クロロホ
ルム不溶分の重量分率)を表1に示す。
【0084】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N−ジメチル
ホルムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬した後の外
観評価の結果を表2に示す。
【0085】比較参考例1 両末端にアリル基を有するポリプロピレングリコール
(分子量約8000)3gと、両末端に1,3,5,7−テ
トラメチルシクロテトラシロキシ基を有するポリプロピ
レングリコール(分子量約8000)1gを混合し、そこに
2 PtCl6 ・6H2 O10%エタノール溶液4μlを
配合して硬化性組成物を調製した。該組成物を100 ℃に
保ったオーブン内に1時間保存して硬化物を作成した。
えられた硬化物の外観およびゲル分率を表1に示す。
【0086】えられた硬化物に対して理学電機(株)製
示差熱天秤TG−DTAを用いて、窒素気流下、TGA
測定を行なった。そこでえられた5%および10%重量損
失温度を表1に示す。また、硬化物をN,N−ジメチル
ホルムアミド、10%塩酸に室温で10日間浸漬した後の外
観評価の結果を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】表1から本発明の化合物を用いた組成物を
硬化してえた樹脂は耐熱性に優れたものであることがわ
かる。また、表2から本発明の化合物を用いた組成物を
硬化してえた樹脂は耐薬品性に優れたものであることが
わかる。
【0090】
【発明の効果】本発明のヒドロシリル基含有イミド化合
物は、比較的低融点を有し、かつ有機溶媒への溶解性に
優れている。また本発明化合物とアルケニル基含有化合
物およびヒドロシリル化触媒を含有してなる硬化性組成
物は容易に様々な形状の硬化物とすることができ、えら
れた硬化物はきわめて優れた耐熱性、耐薬品性を有して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米沢 和弥 兵庫県神戸市垂水区つつじが丘5−12− 11 (56)参考文献 特開 昭59−131629(JP,A) 特開 平5−320173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/21 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜30個の4価の芳香族基または
    2価の基を介して結合した芳香族環からなる4価の基
    24,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
    4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミ
    ノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
    スルフィド、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)
    ビフェニル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
    3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジ
    アミノベンゾフェノン、ビス{4−(4−アミノフェノ
    キシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフ
    ェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−アミ
    ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,4−ビス(4
    −アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ア
    ミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ
    フェニル)ベンゼン、ビス{4−(4−アミノフェノキ
    シ)フェニル}エーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
    ルメタン、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メ
    タン、ビス(3−メチル−4−アミノフェニル)メタ
    ン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、
    4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノオ
    クタフルオロビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,
    4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,
    4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジクロロ−4,
    4′−ジアミノビフェニル、2,2′,5,5′−テト
    ラクロロ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−
    ジカルボキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,
    3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、
    2,4−ジアミノトルエン、1,3−ジアミノベンゼ
    ン、1,4−ジアミノベンゼン、2,2′−ビス{4−
    (4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,
    2′−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}
    ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス(4− アミノ
    フェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェ
    ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2′−ビス(3−
    ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2′
    −ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサ
    フルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノフェノキ
    シ)フェニル}スルホン、9,9′−ビス(4−アミノ
    フェニル)フルオレン、9,9′−ビス(4−アミノフ
    ェニル)−10−ヒドロアントラセン、オルトトリジンス
    ルホンから2個のアミノ基を除いた2価の基、または一
    般式(II): 【化2】 (式中、R4メチレン基、エチレン基、プロピレン
    基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、イソプ
    ロピレン基、イソブチレン基、フェニレン基、ナフチレ
    ン基、ベンジレン基、フェネチレン基、R5メチル
    基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基を表し、
    複数のR4、R5はそれぞれ同一であっても異なっていて
    もよく、mは1〜20の正の整数を表す)で表される2価
    の基を表し、複数のR1、R2は同一であっても異なって
    いてもよく、R3一般式: 【化3】 (式中、Yは 【化4】 (式中、R 6 は、H、OSi(CH 3 3 および、炭素数
    が1〜10のアルキル基より選ばれる基であり各々のR 6
    は同一でも異なっていてもよく、jは2以上の整数、k
    は0または正の整数、pは正の整数、qは0または正の
    整数で、かつ、2≦j+k<50、2≦p+q≦4を表わ
    す)で示される枝分かれ状、環状の多価ハイドロジェン
    シロキサン基)で表わされる基であって、2つのR3
    同一であっても異なっていてもよく、nは1〜100 の正
    の整数を表す)で表わされるヒドロシリル基含有イミド
    化合物。
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