JPH05320400A - 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体の製造方法

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JPH05320400A
JPH05320400A JP4126010A JP12601092A JPH05320400A JP H05320400 A JPH05320400 A JP H05320400A JP 4126010 A JP4126010 A JP 4126010A JP 12601092 A JP12601092 A JP 12601092A JP H05320400 A JPH05320400 A JP H05320400A
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JP
Japan
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water
thermoplastic resin
foaming
weight
melt
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JP4126010A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kurio
浩行 栗尾
Hitoshi Shirato
斉 白土
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 この熱可塑性樹脂発泡体の製造方法は、熱可
塑性樹脂を押出機内で溶融し、該溶融物に無機ガスを圧
入すると共に、0.3〜80重量%の水を吸収させた吸
水性ポリマーを熱可塑性樹脂100重量部に対して0.
1〜30重量部圧入し、溶融混練後、溶融物を押出機か
ら押し出して発泡せしめることを特徴とするものであ
る。 【効果】 発泡(減圧)過程において、吸水性ポリマー
に吸水していた水または多孔質体に吸着していた水が気
化し、樹脂から蒸発潜熱を奪って、気泡を固定化し、均
一で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍率の発泡体が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリーンな発泡剤とし
て無機ガスを用いた熱可塑性樹脂発泡体の製造方法に関
し、更に詳しくは、熱可塑性樹脂組成物に吸収性ポリマ
ーまたは多孔質体を配合して樹脂溶融物に水を圧入する
か、もしくは、予め水を吸収させた吸水性ポリマー、ま
たは、水を吸着させた多孔質体を配合することにより、
発泡時において気泡を固定化させ、均一で微細な気泡を
持つ表面平滑な高倍率の発泡体を与える製造方法に関す
る。
【0002】本発明によって得られた発泡体は、断熱
材、緩衝剤、シール材、フロート材などの多方面への適
用が可能であり極めて有用である。
【0003】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂発泡体の製造方
法としては、熱分解型化学発泡剤を樹脂に練り込み、樹
脂組成物を該発泡剤の分解温度以上に加熱することによ
り発泡せしめる化学発泡剤法と、ブタン、ペンタン、ジ
クロロジフルオロメタン(フロンR−12)のような樹
脂の融点以下に沸点を有する有機ガスまたは揮発性液体
を溶融樹脂に圧入した後、加圧状態の溶融物を低圧域に
放出して発泡せしめるガス発泡法が知られている。
【0004】上記化学発泡剤法により、均一かつ微細な
独立気泡を有する発泡体を得ることができるが、発泡体
中に残存する発泡剤の分解残渣のために、発泡体の変
色、臭気の発生、食品衛生上の問題などを生じる。
【0005】一方、ガス発泡法では、上記のような有機
ガスまたは揮発性液体が発泡(減圧)過程において相変
化を伴ない、蒸発潜熱を溶融樹脂から奪って気泡膜の強
度を増加させ、気泡を固定化する。その結果、発泡適性
温度幅が広がり、温度制御が容易になる。しかし、使用
する発泡剤がブタン、ペンタンのような低沸点の有機ガ
スである場合、発泡体製造時に爆発性のガスが発生する
ので爆発の危険性がある。また、使用する発泡剤がジク
ロロジフルオロメタン(フロンR−12)である場合、
爆発の危険性は少なく、発泡時の気化に伴う蒸発潜熱に
より気泡膜を急激に冷却固化できるが、オゾン層破壊な
どの環境問題からフロン系ガスは全廃される方向へ進ん
でいる。
【0006】このような従来法の問題点を解決するため
に、炭酸ガス、窒素、空気のような無機ガスあるいは水
を発泡剤とするガス発泡法が提案されている。これらの
無機ガスは、クリーンであり、前記のような問題を招く
ことはないが、次のような別の問題がある:有機ガスは
発泡(減圧)過程において相変化を伴ない、蒸発潜熱を
溶融樹脂から奪って気泡膜の強度を増加させ、気泡を固
定化する効果を持つのに対し、無機ガスにはそのような
効果がほとんどない。そのため、無機ガスの場合、気泡
膜の破裂が起こらず、均一な独立気泡を持つ表面平滑な
発泡体が得られる発泡適性温度幅が非常に狭く、温度制
御が難しい。例えば、特開昭60−31538号公報に
は、ポリプロピレン系樹脂の無機ガスによる押出発泡法
について記載があるが、高倍率の発泡体は得られていな
い。その原因はつぎのように推測される。無機ガスは有
機ガスに比べ樹脂に対する溶融度が低く、高倍率の発泡
体を得るためには、高圧で無機ガスを樹脂中に圧入し、
溶解させる必要がある。そのため、発泡時に急激な膨脹
が起こるうえに、上述したように気泡固定化の効果も持
たないため、気泡膜は破裂してしまう。
【0007】一方、水はクリーンであるうえに、発泡
(減圧)過程において相変化を伴ない、有機ガスの約1
0倍の蒸発潜熱を溶融樹脂から奪って気泡膜の強度を増
加させ、気泡を固定化する。また、発泡時の温度制御も
容易に行える。ところが、水は樹脂との相溶性が非常に
悪いため、押出法として押出機内の溶融樹脂中に直接水
を圧入しても、水は溶融樹脂中でミクロな状態に均一分
散できず、得られる発泡体は局部的に粗大気泡を有す
る。例えば、特公昭52−20500号公報には、ポリ
オレフィン樹脂の押出発泡において、蒸発型発泡剤とと
もに少量の水を押出機のシリンダー内部に注入し、水の
蒸発潜熱を利用して、気泡を固定化する方法が開示され
ているが、水をミクロな状態に分散せしめる手段がとら
れていないため、粗大気泡が発生し、発泡製品は外観不
良を起こす。また、水を発泡剤として使用した場合、発
泡直後の高温時には蒸気として気泡内に存在していた水
が、冷却過程で凝縮し、その結果気泡が収縮して発泡体
表面にしわを生じる不都合が起こる。例えば、特公平1
−19332号公報には、熱可塑性樹脂発泡シートを発
泡剤として水を使用して押出成形するに当たり、水を溶
融樹脂中にミクロな状態で均一分散せしめるために、樹
脂に親水性固体微粉末を配合する方法が記載されている
が、水自身が発泡剤であるため、発泡体表面のしわの発
生が避けられない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を克服し、クリーンな発泡剤として無機
ガスを用いて、均一で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍
率の発泡体を製造する方法を提供することにある。
【0009】本発明者らは前記課題を解決すべく、発泡
剤として無機ガスを用い、しかも発泡時に気泡を固定化
できる手段を種々検討した結果、熱可塑性樹脂組成物に
吸収性ポリマーまたは多孔質体を配合して樹脂溶融物に
水を圧入するか、もしくは、予め水を吸収させた吸水性
ポリマー、または、水を吸着させた多孔質体を配合する
ことにより、発泡(減圧)過程において、吸水性ポリマ
ーに吸水していた水または多孔質体に吸着していた水が
気化し、樹脂から蒸発潜熱を奪って、気泡を固定化し、
均一で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍率の発泡体を製
造できることを見い出した。
【0010】本発明は、上記知見に基づいて完成された
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、吸水性
ポリマーを用いる方法として、1)熱可塑性樹脂を押出
機内で溶融し、該溶融物に無機ガスを圧入すると共に、
0.3〜80重量%の水を吸収させた吸水性ポリマーを
熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部
圧入し、溶融混練後、溶融物を押出機から押し出して発
泡せしめることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造
方法、および、2)熱可塑性樹脂100重量部に対し
て、吸水性ポリマー0.1〜30重量部を含有する樹脂
組成物を溶融混練し、溶融物に無機ガスを圧入すると共
に、水0.1〜3重量部を圧入し、加圧状態の溶融物を
低圧域に放出して発泡せしめることを特徴とする熱可塑
性樹脂発泡体の製造方法が提供される。
【0012】本発明によれば、また、多孔質体を用いる
方法として、3)熱可塑性樹脂組成物を押出発泡させる
に当たり、発泡剤として無機ガスを用い、水を十分吸着
させた平均粒径500μm以下の多孔質体を熱可塑性樹
脂100重量部に対して5〜100重量部配合すること
を特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法が提供され
る。
【0013】以下、本発明について詳述する。
【0014】本発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ABS樹
脂、ポリスチレン、スチレン分を50%以上含有する共
重合体などのポリオレフィンおよびポリスチレン系樹
脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンな
どのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル;ビスフェノ
ールA系のポリカーボネート;その他、ポリフェニレン
オキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィ
ドなどが例示される。これらの樹脂は単独で用いても2
種以上併用してもよい。
【0015】また、発泡剤としての無機ガスとしては、
炭酸ガス、窒素、空気、酸素、ネオン、アルゴンなどあ
るいはこれらの混合ガスが用いられるが、高倍率発泡体
を得るためには熱可塑性樹脂に対する溶解度の高い炭酸
ガスあるいは炭酸ガス含有混合ガスが好ましい。
【0016】吸水性ポリマーを用いる方法において、吸
水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸塩系重合体、澱
粉−アクリル酸グラフト共重合体、ビニルアルコール−
アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール系重合
体、ポリエチレンオキサイド系共重合体などが例示され
る。特に、ポリエチレンオキサイド系共重合体は一般の
熱可塑性樹脂との相溶性に優れているため好ましい。こ
れらの吸水性ポリマーは単独で用いても2種以上併用し
てもよい。また、上記吸水性ポリマーは、好ましくは、
ゲル化した微粉末の形態をなしている。この場合、微粉
体の平均粒径は200μm以下、好ましくは80μm以
下である。平均粒径が200μmより大きいものを用い
ると、均一で微細な気泡の発泡体が得られず、破泡の原
因となる。特に、平均粒径が80μm以下のものを用い
ると、微粉末自身が気泡核形成剤として作用し、気泡を
微細化、均一化し、気泡の分散を一様にする。
【0017】吸水性ポリマーの配合量は、熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.1〜30重量部である。吸水
性ポリマーの配合量が0.1重量部より少ないと、高温
高圧状態で吸水性ポリマーが吸水できる水の量では、気
泡を固定化するだけの蒸発潜熱を奪えない。逆に、吸水
性ポリマーの配合量が30重量部を越えると、吸水性ポ
リマーが発泡を阻害し、破泡も起こり易くなるため、高
倍率の発泡体を得ることが困難になる。
【0018】また、熱可塑性樹脂への水の添加量は、熱
可塑性樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部で
ある。水の添加量が0.1重量部より少ないと、発泡時
において気泡を固定化するだけの蒸発潜熱を奪えない。
逆に、水の添加量が3重量部を越えると、発泡後の冷却
過程において、気泡内の水蒸気の凝縮による気泡収縮量
が大きくなり、発泡体の表面にしわが生じて好ましくな
い。
【0019】予め水を吸収させた吸水性ポリマーを樹脂
組成物に配合する方法では、吸水性ポリマー中の水の含
有量は、0.3〜80重量%である。この限定理由は上
記と同じである。
【0020】多孔質体を用いる方法において、多孔質体
としては、ゼオライト、活性炭、アルミナ、シリカゲ
ル、多孔質ガラス、活性白土、珪藻土、クレーなど、あ
るいはこれらの2種以上の混合物が用いられる。
【0021】多孔質体は、その平均粒径が500μm以
下、好ましくは100μm以下のものである。平均粒径
が500μmより大きいものを用いると、均一で微細な
気泡の発泡体が得られず、破泡の原因となる。特に、平
均粒径100mμ以下の多孔質体は、それ自身が気泡核
形成剤として作用し、気泡を微細化しかつ均一化し、気
泡の分散を一様にする。
【0022】多孔質体の配合量は、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、通常5〜100重量部、好ましくは1
0〜70重量部である。多孔質体の配合量が5重量部未
満であると、気泡を固定するだけの水分を吸収できな
い。逆に、配合量が100重量部を越えると、多孔質体
が発泡を阻害し、破泡が起こり易いため、高倍率の発泡
体を得ることが困難である。
【0023】また、多孔質体に対する水の飽和吸着量
は、一般に温度と圧力に依存し、低温・高圧側で多くな
る。したがって、発泡(減圧)過程で多孔質体に対する
水の飽和吸着量は減少する。つまり、発泡直前の状態に
おいて、飽和吸着量の水が多孔質体に吸着していれば、
発泡(減圧)過程である量の水が脱着する。ところが、
発泡直前の状態において、発泡直後の大気圧における飽
和吸着量以下の水しか吸着していなければ、発泡(減
圧)過程で水は全く脱着せず、気泡を固定化できない。
したがって、多孔質体に水を吸着させるプロセスでは、
低温および/または高圧状態で十分に水を吸着させる必
要がある。
【0024】また、本発明方法においては必要に応じて
充填材、抗酸化剤、顔料、難燃剤、架橋剤などを樹脂組
成物に添加しても何ら差し支えない。
【0025】発泡性熱可塑性樹脂組成物から発泡体を製
造するには、押出機で発泡する方法、圧力容器中で発泡
する方法などが行われる。
【0026】押出機で発泡させる方法としては、(1) 吸
収性ポリマーまたは多孔質体と熱可塑性樹脂とからなる
組成物を押出機に投入して該樹脂組成物を溶融状態に
し、押出機の途中でガス圧入孔から水と無機ガスを圧入
して押圧発泡する方法、(2) 予め吸収性ポリマーまたは
多孔質体に水を吸収ないし吸着させておき、ドライブレ
ンドにより樹脂組成物を製造し、必要応じて押出機の途
中から無機ガスを圧入して押出発泡する方法、(3) 吸収
性ポリマーおよび多孔質体以外の樹脂組成物を押出機の
ホッパーから供給し、該組成物が溶融した状態にある所
に、予め水を吸収させた吸収性ポリマーまたは水を吸着
させた多孔質体と、無機ガスとを同時にまたは別々に注
入して押出発泡する方法などである。
【0027】圧力容器中で発泡する方法としては、まず
吸収性ポリマーまたは多孔質体と熱可塑性樹脂とからな
る組成物を溶融混練し、シート状またはブロック状に成
形し、次いで該成形体を圧力容器中に投入し、樹脂溶融
物に水と無機ガスを圧入して発泡性熱可塑性樹脂組成物
を得る。架橋する場合には、架橋はこの時の加熱により
行うか、あるいは圧力容器投入前に行う。水と無機ガス
を含浸した発泡性熱可塑性樹脂組成物を圧力のかかった
状態から低圧域に放出すると、樹脂組成物は発泡する。
この場合、樹脂組成物の溶融粘度を適正な範囲に調整し
ておくことが破泡を防ぐ上で重要である。
【0028】
【作用】発泡(減圧)過程において、吸水性ポリマーに
吸水していた水または多孔質体に吸着していた水は気化
し、樹脂から蒸発潜熱を奪って、気泡を固定化し、均一
で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍率の発泡体が得られ
る。
【0029】発泡は主に無機ガスによってなされ、吸水
性ポリマーに吸水していた水または多孔質体に吸着され
た水は、発泡(減圧)時に、気化と同時に溶融樹脂から
蒸発潜熱を奪って、気泡膜の強度を増加させ、気泡を固
定化する役目を果たす。このとき、吸水姓ポリマーまた
は多孔質体を配合せずに水を直接溶融樹脂に圧入して
も、水は溶融樹脂中でミクロな状態に均一分散できず、
得られる発泡体は局部的に粗大気泡を有する。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
について更に具体的に説明するが、本発明は、これらの
実施例のみに限定されるものではない。
【0031】実施例1 低密度ポリエチレン(密度0.921、メルトインデッ
クス=2.0)100重量部と抗酸化剤0.6重量部と
をドライブレンドし、得られたブレンド物を130℃に
設定されたベントタイプ押出機(径65mm、L/D=
35)のホッパーに供給した。樹脂と添加剤が押出機の
溶融部を通って充分に混練して生じた溶融物に、押出機
のベント部に設けた2つの注入口の一方から、50重量
%の水を吸収させたポリエチレンオキサイド系共重合体
製の吸水性ポリマーの微粉末(平均粒径50μm)を低
密度ポリエチレン100重量部に対して2.0重量部、
ギヤポンプを用いて圧入した。また、もう一方の注入口
から炭酸ガスを60kg/cm2 の圧力で圧入した。更
に充分混練を行った後、溶融物を113℃に設定された
径2mmの口金から20kg/時の吐出量でロッド状に
押出発泡させた。
【0032】得られた発泡体は、発泡倍率が19.5倍
で、表面平滑な均一微細気泡を持つものであった。
【0033】比較例1 実施例1において、吸水性ポリマーを用いず、水を直接
溶融物に圧入し、それ以外は実施例1と同一条件で操作
を行い、発泡体を得た。
【0034】この発泡体は、発泡倍率が18.0倍で、
局部的に径1〜3mmの粗大気泡が存在するものであっ
た。
【0035】比較例2 実施例1において、水を吸収させた吸水性ポリマー微粉
末を圧入せず、炭酸ガスのみを圧入し、それ以外は実施
例1と同一条件で操作を行い、発泡体を得た。
【0036】この発泡体は、発泡倍率が15.0倍で、
発泡体表面からのガス抜けのため表面平滑性の悪いもの
であった。
【0037】実施例2 低密度ポリエチレン(密度0.921、メルトインデッ
クス=2.0)100重量部と、20重量%の水を吸着
させたゼオライト(平均粒径10mμ)20重量部と、
抗酸化剤0.6重量部とをドライブレンドし、得られた
ブレンド物を130℃に設定されたベントタイプ押出機
(径65mm、L/D=35)のホッパーに供給した。
樹脂と添加剤が押出機の溶融部を通って充分に混練して
生じた溶融物に、押出機のベント部から炭酸ガスを60
kg/cm2 の圧力で圧入した。更に充分混練を行った
後、溶融物を113℃に設定された径2mmの口金から
20kg/時の吐出量でロッド状に押出発泡させた。
【0038】得られた発泡体は、発泡倍率が19.6倍
で、表面平滑な均一微細気泡を持つものであった。
【0039】比較例3 実施例2において、水を吸着させたゼオライトの代わり
に、気泡核形成剤としてタルク(平均粒径15μm)1
重量部を添加し、それ以外は実施例2と同一条件で操作
を行い、発泡体を得た。
【0040】この発泡体は、発泡倍率が14.0倍で、
発泡体表面からのガス抜けのため表面平滑性の悪いもの
であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、発泡(減
圧)過程において、吸水性ポリマーに吸水していた水ま
たは多孔質体に吸着していた水が気化し、樹脂から蒸発
潜熱を奪って、気泡を固定化し、均一で微細な気泡を持
つ表面平滑な高倍率の発泡体が得られる。
【0042】こうして、本発明によれば、クリーンな発
泡剤としてを使用し、安全上および環境上の問題がな
く、しかも均一で微細な気泡を持つ表面平滑な高倍率の
発泡体が容易に製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を押出機内で溶融し、該溶
    融物に無機ガスを圧入すると共に、0.3〜80重量%
    の水を吸収させた吸水性ポリマーを熱可塑性樹脂100
    重量部に対して0.1〜30重量部圧入し、溶融混練
    後、溶融物を押出機から押し出して発泡せしめることを
    特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂100重量部に対して、吸
    水性ポリマー0.1〜30重量部を含有する樹脂組成物
    を溶融混練し、溶融物に無機ガスを圧入すると共に、水
    0.1〜3重量部を圧入し、加圧状態の溶融物を低圧域
    に放出して発泡せしめることを特徴とする熱可塑性樹脂
    発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂組成物を押出発泡させるに
    当たり、発泡剤として無機ガスを用い、水を十分吸着さ
    せた平均粒径500μm以下の多孔質体を熱可塑性樹脂
    100重量部に対して5〜100重量部配合することを
    特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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