JPH05320396A - 軽量化ポリエステルフイルムおよびその製造方法 - Google Patents
軽量化ポリエステルフイルムおよびその製造方法Info
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- JPH05320396A JPH05320396A JP3032238A JP3223891A JPH05320396A JP H05320396 A JPH05320396 A JP H05320396A JP 3032238 A JP3032238 A JP 3032238A JP 3223891 A JP3223891 A JP 3223891A JP H05320396 A JPH05320396 A JP H05320396A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L35/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical, and containing at least one other carboxyl radical in the molecule, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L35/06—Copolymers with vinyl aromatic monomers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L67/00—Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L67/02—Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2367/00—Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
- C08J2367/02—Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量性、隠蔽性に優れラベルなどに有用なポ
リエステルフイルムを提供する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレートのような結晶性
ポリエステル50〜95重量%とN−フェニルマレミイ
ドとスチレンとの共重合体のようなマレイミド系共重合
体50〜5重量%とからなる軽量化ポリエステルフイル
ム。マレイミド系共重合体はフイルム中で直径0.1〜
20μmの粒子状で存在する。フイルムは微細なボイド
を有し、見掛け比重が0.3〜1.1である。
リエステルフイルムを提供する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレートのような結晶性
ポリエステル50〜95重量%とN−フェニルマレミイ
ドとスチレンとの共重合体のようなマレイミド系共重合
体50〜5重量%とからなる軽量化ポリエステルフイル
ム。マレイミド系共重合体はフイルム中で直径0.1〜
20μmの粒子状で存在する。フイルムは微細なボイド
を有し、見掛け比重が0.3〜1.1である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微細なボイドを含み低密
度であり、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性に優れたポリ
エステルフイルム及びその製造方法に関する。本発明の
軽量化ポリエステルフイルムはその優れた特性により、
ラベル、情報紙、製図用紙、印刷用紙等に用いられる。
度であり、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性に優れたポリ
エステルフイルム及びその製造方法に関する。本発明の
軽量化ポリエステルフイルムはその優れた特性により、
ラベル、情報紙、製図用紙、印刷用紙等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムを軽量化する試み
としては、(イ)ガスあるいは気化可能な物質を添加す
る方法(例えば特開昭50−38765号公報、特公昭
57−46456号公報、特開昭57−34931号公
報)、(ロ)化学的反応によりガスを発生する物質を添
加する方法(例えば特開昭52−43871号公報、特
公昭58−50625号公報)、(ハ)溶剤に可溶な物
質を添加し、後にこれを溶剤で抽出する方法(例えば特
開昭51−34963号公報、特公昭52−27666
号公報)などが知られている。
としては、(イ)ガスあるいは気化可能な物質を添加す
る方法(例えば特開昭50−38765号公報、特公昭
57−46456号公報、特開昭57−34931号公
報)、(ロ)化学的反応によりガスを発生する物質を添
加する方法(例えば特開昭52−43871号公報、特
公昭58−50625号公報)、(ハ)溶剤に可溶な物
質を添加し、後にこれを溶剤で抽出する方法(例えば特
開昭51−34963号公報、特公昭52−27666
号公報)などが知られている。
【0003】しかしこれらの方法はいずれもほとんど実
用化されていない。その理由としては、これらの方法に
よってポリエステルフイルム中にボイドを発生させるこ
とは可能であるが、その大きさの制御が非常に困難であ
り、粗大なボイドとなり易いばかりでなく、その空間的
な分布も不均一になりやすいこと、従ってポリエステル
フイルム中に極端に強度の低い部分が発生し、延伸時に
フイルムの切断が起こり易いことなどが挙げられてい
る。さらにかかる方法によって得られるフイルムはその
軽量性、強度、隠蔽性、筆記性及び性能の均一性におい
て満足できるものではなかった。
用化されていない。その理由としては、これらの方法に
よってポリエステルフイルム中にボイドを発生させるこ
とは可能であるが、その大きさの制御が非常に困難であ
り、粗大なボイドとなり易いばかりでなく、その空間的
な分布も不均一になりやすいこと、従ってポリエステル
フイルム中に極端に強度の低い部分が発生し、延伸時に
フイルムの切断が起こり易いことなどが挙げられてい
る。さらにかかる方法によって得られるフイルムはその
軽量性、強度、隠蔽性、筆記性及び性能の均一性におい
て満足できるものではなかった。
【0004】さらにボイド形成性ポリマーをポリエステ
ル樹脂に配合した組成物を溶融押出しして未延伸フイル
ムとし、これを延伸することによってボイドを発生させ
る方法が提案されている(例えば特開昭63−1684
41号公報、特開平2−235942号公報)。そして
かかるボイド形成性ポリマーの具体例としては、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、液晶性ポリエステルが挙げら
れている。
ル樹脂に配合した組成物を溶融押出しして未延伸フイル
ムとし、これを延伸することによってボイドを発生させ
る方法が提案されている(例えば特開昭63−1684
41号公報、特開平2−235942号公報)。そして
かかるボイド形成性ポリマーの具体例としては、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、液晶性ポリエステルが挙げら
れている。
【0005】この方法ではボイド形成性ポリマーはポリ
エステルフイルム中に微粒子状に分散し、その分散粒子
径はボイド形成性ポリマーとポリエステルとの親和性お
よびそれらの溶融粘度差に依存する。そしてこの組成物
からなる未延伸フイルムを少なくとも一軸に延伸するこ
とにより、微粒子状に分散したボイド形成性ポリマーと
ポリエステルとの界面に剥離が発生し、ボイドが形成さ
れる。ボイド発生の程度は延伸条件に加えて、ボイド形
成性ポリマーのガラス転移温度およびボイド形成性ポリ
マーとポリエステルとの親和性に依存する。
エステルフイルム中に微粒子状に分散し、その分散粒子
径はボイド形成性ポリマーとポリエステルとの親和性お
よびそれらの溶融粘度差に依存する。そしてこの組成物
からなる未延伸フイルムを少なくとも一軸に延伸するこ
とにより、微粒子状に分散したボイド形成性ポリマーと
ポリエステルとの界面に剥離が発生し、ボイドが形成さ
れる。ボイド発生の程度は延伸条件に加えて、ボイド形
成性ポリマーのガラス転移温度およびボイド形成性ポリ
マーとポリエステルとの親和性に依存する。
【0006】このボイド形成性ポリマーを配合すること
によって軽量化ポリエステルフイルムを得る方法は、上
記(イ)、(ロ)及び(ハ)の方法で挙げた欠点がな
く、よりすぐれた方法である。しかし上記のごとき具体
的に提案されたポリマーをボイド形成性ポリマーとして
用いた軽量化ポリエステルフイルムにおいても、まだそ
の性能は必ずしも満足できるものではない。
によって軽量化ポリエステルフイルムを得る方法は、上
記(イ)、(ロ)及び(ハ)の方法で挙げた欠点がな
く、よりすぐれた方法である。しかし上記のごとき具体
的に提案されたポリマーをボイド形成性ポリマーとして
用いた軽量化ポリエステルフイルムにおいても、まだそ
の性能は必ずしも満足できるものではない。
【0007】例えばボイド形成性ポリマーとしてポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートお
よびポリメチルペンテンなどの比較的低いガラス転移温
度のポリマーを用いた場合、ポリエステル樹脂の溶融押
出し温度におけるこれらボイド形成性ポリマーの溶融粘
度が低いため、組成物を溶融押出しして得た未延伸フイ
ルム中のボイド形成性ポリマーは溶融押出し時の剪断応
力により、ポリエステルの流動方向に配向した棒状粒子
となりやすく、球状粒子に分散しにくい。そのためかか
る組成物からなる未延伸フイルム及び延伸フイルムはい
ずれも異方性が大きいという問題点があった。またかか
る組成物からなる未延伸フイルムをポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以上の温度で延伸すると、ボイド形成性
ポリマーのガラス転移温度が低いために、分散したボイ
ド形成性ポリマーが塑性変形しやすく、ボイドの発生が
阻害される。加えて延伸フイルム表面の微細な凹凸の程
度が不十分となる。従ってかかる組成物からなるフイル
ムは軽量化、隠蔽性、筆記性の点で満足のゆくものでは
ない。さらにボイド形成性ポリマーのガラス転移温度が
低いために、かかる組成物からなるフイルムはそれを越
える温度での性能変化が大きいという問題点も指摘され
ている。
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートお
よびポリメチルペンテンなどの比較的低いガラス転移温
度のポリマーを用いた場合、ポリエステル樹脂の溶融押
出し温度におけるこれらボイド形成性ポリマーの溶融粘
度が低いため、組成物を溶融押出しして得た未延伸フイ
ルム中のボイド形成性ポリマーは溶融押出し時の剪断応
力により、ポリエステルの流動方向に配向した棒状粒子
となりやすく、球状粒子に分散しにくい。そのためかか
る組成物からなる未延伸フイルム及び延伸フイルムはい
ずれも異方性が大きいという問題点があった。またかか
る組成物からなる未延伸フイルムをポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以上の温度で延伸すると、ボイド形成性
ポリマーのガラス転移温度が低いために、分散したボイ
ド形成性ポリマーが塑性変形しやすく、ボイドの発生が
阻害される。加えて延伸フイルム表面の微細な凹凸の程
度が不十分となる。従ってかかる組成物からなるフイル
ムは軽量化、隠蔽性、筆記性の点で満足のゆくものでは
ない。さらにボイド形成性ポリマーのガラス転移温度が
低いために、かかる組成物からなるフイルムはそれを越
える温度での性能変化が大きいという問題点も指摘され
ている。
【0008】一方ボイド形成性ポリマーとしてポリフェ
ニレンサルファイトおよびポリフェニレンオキサイドを
用いた場合、これらのポリマーは比較的高いガラス転移
温度を有しているため上記の如き問題点はない。しかし
これらのポリマーはポリエステルとの親和性が著しく低
いため、あらたな問題点が発生する。すなわちかかる組
成物からなる未延伸フイルムを延伸すると、微粒子状に
分散したボイド形成性ポリマーとポリエステルとの界面
に過大な剥離が発生し、これがさらに成長しフイルムの
破断に至るという問題点があった。また破断に至らない
までもフイルムとしての強度が低いという問題点があっ
た。さらにポリフェニレンサルファイドおよびポリフェ
ニレンオキサイドはそれ自体着色しており、かかる組成
物からなるフイルムは白色度に劣るという欠点がある。
ニレンサルファイトおよびポリフェニレンオキサイドを
用いた場合、これらのポリマーは比較的高いガラス転移
温度を有しているため上記の如き問題点はない。しかし
これらのポリマーはポリエステルとの親和性が著しく低
いため、あらたな問題点が発生する。すなわちかかる組
成物からなる未延伸フイルムを延伸すると、微粒子状に
分散したボイド形成性ポリマーとポリエステルとの界面
に過大な剥離が発生し、これがさらに成長しフイルムの
破断に至るという問題点があった。また破断に至らない
までもフイルムとしての強度が低いという問題点があっ
た。さらにポリフェニレンサルファイドおよびポリフェ
ニレンオキサイドはそれ自体着色しており、かかる組成
物からなるフイルムは白色度に劣るという欠点がある。
【0009】ボイド形成性ポリマーとして液晶性ポリエ
ステルを用いる方法では、それが未延伸フイルム中で流
動方向に配向した棒状粒子となりやすいことに伴う問題
点、およびポリエステルとの親和性が著しく低いため生
じる問題点がことごとく発生する。また白色度に劣るこ
ともいうまでもない。
ステルを用いる方法では、それが未延伸フイルム中で流
動方向に配向した棒状粒子となりやすいことに伴う問題
点、およびポリエステルとの親和性が著しく低いため生
じる問題点がことごとく発生する。また白色度に劣るこ
ともいうまでもない。
【0010】以上の如くボイド形成性ポリマーをポリエ
ステル樹脂に配合する方法においても適切なボイド形成
性ポリマーが発見されていないため、満足な特性を有す
る軽量化ポリエステルフイルムは得られていなかったの
が実状であった。
ステル樹脂に配合する方法においても適切なボイド形成
性ポリマーが発見されていないため、満足な特性を有す
る軽量化ポリエステルフイルムは得られていなかったの
が実状であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情から、本発
明の課題はポリエステルとの適度な親和性と溶融粘度差
とを有するボイド形成性ポリマーを見い出し、これを用
いて低密度で、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性にすぐれ
たポリエステルフイルム及びその製造方法を提供するこ
とにある。
明の課題はポリエステルとの適度な親和性と溶融粘度差
とを有するボイド形成性ポリマーを見い出し、これを用
いて低密度で、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性にすぐれ
たポリエステルフイルム及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、(A)結晶性ポ
リエステル樹脂と(B)マレイミド系共重合体との組成
物からなり、特定の構造を有するポリエステルフイルム
が本発明の課題をことごとく解決することを見出し、本
発明に到達したものである。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、(A)結晶性ポ
リエステル樹脂と(B)マレイミド系共重合体との組成
物からなり、特定の構造を有するポリエステルフイルム
が本発明の課題をことごとく解決することを見出し、本
発明に到達したものである。
【0013】すなわち、本発明の要旨は(1)(A)結
晶性ポリエステル樹脂が50重量%以上95重量%以
下、(B)マレイミド系共重合体が5重量%以上50重
量%以下からなるポリエステルフイルムであって、フイ
ルム中にマレイミド系共重合体が直径0.1から20μ
m粒子状に分散しており、かつ微細なボイドが存在し、
見掛け比重が0.3から1.1であることを特徴とする
軽量化ポリエステルフイルム、および(2)(A)結晶
性ポリエステル樹脂が50重量%以上95重量%以下、
(B)マレイミド系共重合体が5重量%以上50重量%
以下からなる組成物を溶融押出しして得られた未延伸ポ
リエステルフイルムを、該結晶性ポリエステルフイルム
樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度以下の温度の範
囲で少なくとも一軸に1.5倍以上延伸することを特徴
とする軽量化ポリエステルフイルムの製造方法にある。
晶性ポリエステル樹脂が50重量%以上95重量%以
下、(B)マレイミド系共重合体が5重量%以上50重
量%以下からなるポリエステルフイルムであって、フイ
ルム中にマレイミド系共重合体が直径0.1から20μ
m粒子状に分散しており、かつ微細なボイドが存在し、
見掛け比重が0.3から1.1であることを特徴とする
軽量化ポリエステルフイルム、および(2)(A)結晶
性ポリエステル樹脂が50重量%以上95重量%以下、
(B)マレイミド系共重合体が5重量%以上50重量%
以下からなる組成物を溶融押出しして得られた未延伸ポ
リエステルフイルムを、該結晶性ポリエステルフイルム
樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度以下の温度の範
囲で少なくとも一軸に1.5倍以上延伸することを特徴
とする軽量化ポリエステルフイルムの製造方法にある。
【0014】本発明において結晶性とは示差熱分析計を
用いて20℃/分の昇温速度で測定した結晶の融解熱が
1cal/g以上の値を示すことを意味する。また結晶
化温度は同じく示差熱分析計を用いて20℃/分の昇温
速度で測定した際の結晶化温度ピークとして定義され
る。ガラス転移温度は一般に定義されているようにポリ
マー主鎖の熱運動の凍結開始温度を意味する。このガラ
ス転移温度も示差熱分析計を用いて測定することができ
る。
用いて20℃/分の昇温速度で測定した結晶の融解熱が
1cal/g以上の値を示すことを意味する。また結晶
化温度は同じく示差熱分析計を用いて20℃/分の昇温
速度で測定した際の結晶化温度ピークとして定義され
る。ガラス転移温度は一般に定義されているようにポリ
マー主鎖の熱運動の凍結開始温度を意味する。このガラ
ス転移温度も示差熱分析計を用いて測定することができ
る。
【0015】本発明において用いられる結晶性ポリエス
テル樹脂は、芳香族ジカルボン酸残基と脂肪族ジオール
残基および/あるいは脂環式ジオール残基とを主な構成
成分とするポリエステルである。
テル樹脂は、芳香族ジカルボン酸残基と脂肪族ジオール
残基および/あるいは脂環式ジオール残基とを主な構成
成分とするポリエステルである。
【0016】芳香族ジカルボン酸の代表例としてはテレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など
がある。これらの芳香族ジカルボン酸の芳香族環はハロ
ゲン、アルキル基あるいはその他の置換基で置換されて
いてもよい。脂肪族ジオールあるいは脂環式ジオールの
代表例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、シクロヘキシレンジメタノール
などがある。これらの芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオ
ールおよび/あるいは脂環式ジオールはそれぞれ2種類
以上混合して用いることも可能である。
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など
がある。これらの芳香族ジカルボン酸の芳香族環はハロ
ゲン、アルキル基あるいはその他の置換基で置換されて
いてもよい。脂肪族ジオールあるいは脂環式ジオールの
代表例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、シクロヘキシレンジメタノール
などがある。これらの芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオ
ールおよび/あるいは脂環式ジオールはそれぞれ2種類
以上混合して用いることも可能である。
【0017】本発明において特に好適な結晶性ポリエス
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート(PCT)がある。示差熱分
析計を用いて測定したこれら結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度(Tg)と結晶化温度(Tc)と結晶融
解温度(Tm)は以下の通りである。 Tg(℃) Tc(℃) Tm(℃) PET 70 160 263 PBT 45 130 220 PEN 115 220 272 PCT 90 180 295
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート(PCT)がある。示差熱分
析計を用いて測定したこれら結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度(Tg)と結晶化温度(Tc)と結晶融
解温度(Tm)は以下の通りである。 Tg(℃) Tc(℃) Tm(℃) PET 70 160 263 PBT 45 130 220 PEN 115 220 272 PCT 90 180 295
【0018】本発明においてはかかる結晶性ポリエステ
ル樹脂を2種類以上混合して用いてもよいし、またその
他の成分を共重合した結晶性ポリエステル樹脂を用いて
もよい。
ル樹脂を2種類以上混合して用いてもよいし、またその
他の成分を共重合した結晶性ポリエステル樹脂を用いて
もよい。
【0019】これらの結晶性ポリエステル樹脂は芳香族
ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよび/あるいは脂環式
ジオールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカル
ボン酸のアルキルエステルと脂肪族ジオールおよび/あ
るいは脂環式ジオールとをエステル交換反応させた後重
縮合させるかあるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造され
る。
ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよび/あるいは脂環式
ジオールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカル
ボン酸のアルキルエステルと脂肪族ジオールおよび/あ
るいは脂環式ジオールとをエステル交換反応させた後重
縮合させるかあるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造され
る。
【0020】本発明において用いられる結晶性ポリエス
テル樹脂の分子量については特に制限はなく、フイルム
形成能があれば足りるが、フェノール/テトラクロルエ
タン=1/1(重量比)の混合溶媒で25℃で測定した
固有粘度が0.4(dl/g)以上であることが好まし
い。
テル樹脂の分子量については特に制限はなく、フイルム
形成能があれば足りるが、フェノール/テトラクロルエ
タン=1/1(重量比)の混合溶媒で25℃で測定した
固有粘度が0.4(dl/g)以上であることが好まし
い。
【0021】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体はマレイミド系単量体基と芳香族ビニル単量体基
と必要に応じてさらに不飽和ジカルボン酸無水物単量体
基とその他の共重合可能な単量体基とからなり、かつ組
成物を構成する結晶性ポリエステル樹脂よりも少なくと
も10℃高いガラス転移温度を有するものである。
重合体はマレイミド系単量体基と芳香族ビニル単量体基
と必要に応じてさらに不飽和ジカルボン酸無水物単量体
基とその他の共重合可能な単量体基とからなり、かつ組
成物を構成する結晶性ポリエステル樹脂よりも少なくと
も10℃高いガラス転移温度を有するものである。
【0022】マレイミド系単量体の代表例としてはマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミ
ド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−トリルマレイミド、N−(ハロゲン化フェ
ニル)マレイミド、N−(アルキルフェニル)マレイミ
ド、N−(ニトロフェニル)マレイミド、N−(ヒドロ
キシフェニル)マレイミド、N−ナフチルマレイミド、
α−クロル−N−フェニルマレイミド、α−メチル−N
−フェニルマレイミドなどがある。
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミ
ド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−トリルマレイミド、N−(ハロゲン化フェ
ニル)マレイミド、N−(アルキルフェニル)マレイミ
ド、N−(ニトロフェニル)マレイミド、N−(ヒドロ
キシフェニル)マレイミド、N−ナフチルマレイミド、
α−クロル−N−フェニルマレイミド、α−メチル−N
−フェニルマレイミドなどがある。
【0023】芳香族ビニル単量体の代表例としてはスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチ
ルスチレン、ハロゲン化スチレンなどがある。
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチ
ルスチレン、ハロゲン化スチレンなどがある。
【0024】不飽和ジカルボン酸無水物単量体の代表例
としては無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水
1、2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、
無水フェニルマレイン酸などがある。
としては無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水
1、2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、
無水フェニルマレイン酸などがある。
【0025】他の共重合可能な単量体の例としてはアク
リル系単量体があり、これらの代表例としてはメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキ
シエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどがある。ここでメチル(メタ)アクリレ
ートとはメチルアクリレートあるいはメチルメタアクリ
レートを示すものとする。
リル系単量体があり、これらの代表例としてはメチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル
(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキ
シエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレートなどがある。ここでメチル(メタ)アクリレ
ートとはメチルアクリレートあるいはメチルメタアクリ
レートを示すものとする。
【0026】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体はマレイミド系単量体基が30モル%以上50モ
ル%以下、芳香族ビニル単量体基が30モル%以上70
モル%以下、不飽和ジカルボン酸無水物単量体基が0モ
ル%以上40モル%以下およびその他の共重合可能な単
量体基が0モル%以上50モル%以下からなる。
重合体はマレイミド系単量体基が30モル%以上50モ
ル%以下、芳香族ビニル単量体基が30モル%以上70
モル%以下、不飽和ジカルボン酸無水物単量体基が0モ
ル%以上40モル%以下およびその他の共重合可能な単
量体基が0モル%以上50モル%以下からなる。
【0027】マレイミド系単量体基が30モル%未満で
あるか、芳香族ビニル単量体基が70モル%を越える場
合には、マレイミド系共重合体のガラス転移温度が低下
し、かつ結晶性ポリエステル樹脂との親和性が低下する
ので好ましくない。
あるか、芳香族ビニル単量体基が70モル%を越える場
合には、マレイミド系共重合体のガラス転移温度が低下
し、かつ結晶性ポリエステル樹脂との親和性が低下する
ので好ましくない。
【0028】逆にマレイミド系単量体基が50モル%を
越え、芳香族ビニル単量体基が30モル%未満の場合に
は均質な共重合体を工業的に製造することが困難となる
ので好ましくない。
越え、芳香族ビニル単量体基が30モル%未満の場合に
は均質な共重合体を工業的に製造することが困難となる
ので好ましくない。
【0029】不飽和ジカルボン酸無水物単量体基が40
モル%を越えるかあるいはその他の共重合可能な単量体
基が50モル%を越える場合には、マレイミド系共重合
体のガラス転移温度が低下し、かつ結晶性ポリエステル
樹脂との組成物の熱安定性が低下するので好ましくな
い。
モル%を越えるかあるいはその他の共重合可能な単量体
基が50モル%を越える場合には、マレイミド系共重合
体のガラス転移温度が低下し、かつ結晶性ポリエステル
樹脂との組成物の熱安定性が低下するので好ましくな
い。
【0030】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体は必要に応じてそれぞれの共重合成分を2種類以
上混合して用いることもできるし、さらに他の異なる単
量体を共重合することも可能である。
重合体は必要に応じてそれぞれの共重合成分を2種類以
上混合して用いることもできるし、さらに他の異なる単
量体を共重合することも可能である。
【0031】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体は公知のラジカル重合法で製造することができ
る。また他のマレイミド系共重合体の製造方法として
は、不飽和ジカルボン酸無水物単量体と芳香族ビニル単
量体および必要に応じてその他の共重合可能な単量体と
の共重合体をアンモニアあるいは第一級アミンと反応さ
せて酸無水物基の全てあるいはその一部をイミド化する
方法を例示することができる。
重合体は公知のラジカル重合法で製造することができ
る。また他のマレイミド系共重合体の製造方法として
は、不飽和ジカルボン酸無水物単量体と芳香族ビニル単
量体および必要に応じてその他の共重合可能な単量体と
の共重合体をアンモニアあるいは第一級アミンと反応さ
せて酸無水物基の全てあるいはその一部をイミド化する
方法を例示することができる。
【0032】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体は結晶性ポリエステル樹脂よりも少なくとも10
℃、さらに好ましくは少なくとも20℃高いガラス転移
温度を有するものである。マレイミド系共重合体のガラ
ス転移温度が結晶性ポリエステル樹脂のそれと同等かそ
れより低い場合には、組成物からなるフイルムを延伸す
るとマレイミド系共重合体が塑性変形しボイドの生成が
阻害されるので好ましくない。加えて延伸フイルムの表
面の微細な凹凸の程度が不十分となる。ガラス転移温度
の低いマレイミド系共重合体を用いた場合には結果とし
て得られる延伸ポリエステルフイルムの軽量性、隠蔽
性、筆記性は満足のゆくものではない。
重合体は結晶性ポリエステル樹脂よりも少なくとも10
℃、さらに好ましくは少なくとも20℃高いガラス転移
温度を有するものである。マレイミド系共重合体のガラ
ス転移温度が結晶性ポリエステル樹脂のそれと同等かそ
れより低い場合には、組成物からなるフイルムを延伸す
るとマレイミド系共重合体が塑性変形しボイドの生成が
阻害されるので好ましくない。加えて延伸フイルムの表
面の微細な凹凸の程度が不十分となる。ガラス転移温度
の低いマレイミド系共重合体を用いた場合には結果とし
て得られる延伸ポリエステルフイルムの軽量性、隠蔽
性、筆記性は満足のゆくものではない。
【0033】本発明において用いられるマレイミド系共
重合体の分子量については特に制限はなく、組成物の溶
融押出し時の温度において結晶性ポリエステル樹脂の溶
融粘度の少なくとも1/10以上の溶融粘度を与える分
子量であれば足りる。
重合体の分子量については特に制限はなく、組成物の溶
融押出し時の温度において結晶性ポリエステル樹脂の溶
融粘度の少なくとも1/10以上の溶融粘度を与える分
子量であれば足りる。
【0034】本発明の軽量化ポリエステルフイルムを構
成する組成物の(A)成分である結晶性ポリエステル樹
脂の配合量は50重量%以上95重量%以下であり、
(B)成分のマレイミド系共重合体のそれは5重量%以
上50重量%以下である。
成する組成物の(A)成分である結晶性ポリエステル樹
脂の配合量は50重量%以上95重量%以下であり、
(B)成分のマレイミド系共重合体のそれは5重量%以
上50重量%以下である。
【0035】(B)成分のマレイミド共重合体の配合量
が5重量%未満では得られる最終的な延伸ポリエステル
フイルム中の微細なボイドの生成量が少なく、軽量性、
隠蔽性及び筆記性が不十分となる。逆にそれが50重量
%を越えるとフイルムの強度が低下し、延伸時の破断が
起こり易くなるばかりでなく、組成物の溶融押出し時の
熱安定性が低下し、熱分解等が発生するので好ましくな
い。
が5重量%未満では得られる最終的な延伸ポリエステル
フイルム中の微細なボイドの生成量が少なく、軽量性、
隠蔽性及び筆記性が不十分となる。逆にそれが50重量
%を越えるとフイルムの強度が低下し、延伸時の破断が
起こり易くなるばかりでなく、組成物の溶融押出し時の
熱安定性が低下し、熱分解等が発生するので好ましくな
い。
【0036】本発明の軽量化ポリエステルフイルムにお
いて、(B)成分のマレイミド系共重合体は(A)成分
である結晶性ポリエステル樹脂からなるマトリックス中
に直径が0.1から20μmの粒子状に分散する。この
場合マレイミド系共重合体の微粒子はできるだけ球形で
あることが好ましい。球形の場合にはフイルムの異方性
が発生しにくく、延伸によって均一なボイドが生成し、
強度に優れたフイルムが得られるので好ましい。
いて、(B)成分のマレイミド系共重合体は(A)成分
である結晶性ポリエステル樹脂からなるマトリックス中
に直径が0.1から20μmの粒子状に分散する。この
場合マレイミド系共重合体の微粒子はできるだけ球形で
あることが好ましい。球形の場合にはフイルムの異方性
が発生しにくく、延伸によって均一なボイドが生成し、
強度に優れたフイルムが得られるので好ましい。
【0037】マレイミド系共重合体の微粒子径が0.1
μm未満の場合には延伸ポリエステルフイルム中のボイ
ドの生成量が少なく、軽量性、隠蔽性及び筆記性が不十
分となる。逆にそれが20μmを越える場合にはボイド
の生成量が多く、軽量性及び隠蔽性には優れるものの、
フイルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすく
なるので好ましくない。
μm未満の場合には延伸ポリエステルフイルム中のボイ
ドの生成量が少なく、軽量性、隠蔽性及び筆記性が不十
分となる。逆にそれが20μmを越える場合にはボイド
の生成量が多く、軽量性及び隠蔽性には優れるものの、
フイルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすく
なるので好ましくない。
【0038】前述したごとくボイドの生成は、フイルム
の延伸条件およびボイド形成性ポリマーのガラス転移温
度に加えて、マトリックスを形成している結晶性ポリエ
ステル樹脂と微粒子を形成しているボイド形成性ポリマ
ーとの親和性に依存する。親和性が高すぎる場合にはフ
イルムを延伸してももはやボイドは生成しないか、わず
かしか生成しない。親和性が低すぎる場合には粗大なボ
イドが生成しやすく、延伸時にフイルムが切断しやすい
上に、得られた延伸フイルムの強度も低い。従ってボイ
ド形成性ポリマーは結晶性ポリエステル樹脂と適度な親
和性を有することが、満足な特性を備えた軽量化ポリエ
ステルフイルムを得るためには不可欠の条件である。本
発明でボイド形成性ポリマーとして用いられるマレイミ
ド系共重合体はマレイミド系単体量体基と芳香族ビニル
単量体基とを特定の共重合比で重合することにより、こ
のような要請に応えたものである。
の延伸条件およびボイド形成性ポリマーのガラス転移温
度に加えて、マトリックスを形成している結晶性ポリエ
ステル樹脂と微粒子を形成しているボイド形成性ポリマ
ーとの親和性に依存する。親和性が高すぎる場合にはフ
イルムを延伸してももはやボイドは生成しないか、わず
かしか生成しない。親和性が低すぎる場合には粗大なボ
イドが生成しやすく、延伸時にフイルムが切断しやすい
上に、得られた延伸フイルムの強度も低い。従ってボイ
ド形成性ポリマーは結晶性ポリエステル樹脂と適度な親
和性を有することが、満足な特性を備えた軽量化ポリエ
ステルフイルムを得るためには不可欠の条件である。本
発明でボイド形成性ポリマーとして用いられるマレイミ
ド系共重合体はマレイミド系単体量体基と芳香族ビニル
単量体基とを特定の共重合比で重合することにより、こ
のような要請に応えたものである。
【0039】本発明において未延伸フイルムは(A)結
晶性ポリエステル樹脂と(B)マレイミド系共重合体と
からなる組成物を溶融押出しして得られる。この場合
(A)結晶性ポリエステル樹脂と(B)マレイミド系共
重合体とを押出機等を用いて溶融混練しあらかじめ組成
物のペレットとなし、ついでこれを溶融押出しして未延
伸フイルムを得てもよい。あるいは(A)結晶性ポリエ
ステル樹脂と(B)マレイミド共重合体とをブレンド
し、これを直接溶融押出しして未延伸フイルムを得ても
よい。溶融押出し温度としては通常結晶性ポリエステル
樹脂の結晶融解温度からそれより50℃高い温度の範囲
で選ばれる。溶融された組成物はたとえばTダイやサー
キュラーダイから押出され、結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以下に冷却され実質的に無定形のフイル
ムとされる。この未延伸フイルムには実質的にボイドの
生成はなく、多くの場合透明あるいは半透明である。
晶性ポリエステル樹脂と(B)マレイミド系共重合体と
からなる組成物を溶融押出しして得られる。この場合
(A)結晶性ポリエステル樹脂と(B)マレイミド系共
重合体とを押出機等を用いて溶融混練しあらかじめ組成
物のペレットとなし、ついでこれを溶融押出しして未延
伸フイルムを得てもよい。あるいは(A)結晶性ポリエ
ステル樹脂と(B)マレイミド共重合体とをブレンド
し、これを直接溶融押出しして未延伸フイルムを得ても
よい。溶融押出し温度としては通常結晶性ポリエステル
樹脂の結晶融解温度からそれより50℃高い温度の範囲
で選ばれる。溶融された組成物はたとえばTダイやサー
キュラーダイから押出され、結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以下に冷却され実質的に無定形のフイル
ムとされる。この未延伸フイルムには実質的にボイドの
生成はなく、多くの場合透明あるいは半透明である。
【0040】次いでこの未延伸フイルムは少なくとも一
軸方向に延伸される。延伸は結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲の温度で行
われる。この温度範囲で延伸することにより、マトリッ
クスを形成する結晶性ポリエステルが配向結晶化すると
同時に、微粒子を形成するマレイミド系共重合体との界
面でボイドが効果的に生成される。延伸倍率は得られる
フイルムの特性に大きな影響を与える。延伸倍率が大き
い程得られるフイルムの軽量性、隠蔽性、強度は向上す
る。目的に応じて延伸倍率を選定することは可能である
が、本発明の目的を達成するためには少なくとも一軸に
1.5倍以上に延伸することが必要である。さらに縦横
二軸に延伸することも可能である。この場合にはさらに
特性の向上を図ることができる。この場合にもそれぞれ
の方向に1.5倍以上延伸することが好ましい。
軸方向に延伸される。延伸は結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲の温度で行
われる。この温度範囲で延伸することにより、マトリッ
クスを形成する結晶性ポリエステルが配向結晶化すると
同時に、微粒子を形成するマレイミド系共重合体との界
面でボイドが効果的に生成される。延伸倍率は得られる
フイルムの特性に大きな影響を与える。延伸倍率が大き
い程得られるフイルムの軽量性、隠蔽性、強度は向上す
る。目的に応じて延伸倍率を選定することは可能である
が、本発明の目的を達成するためには少なくとも一軸に
1.5倍以上に延伸することが必要である。さらに縦横
二軸に延伸することも可能である。この場合にはさらに
特性の向上を図ることができる。この場合にもそれぞれ
の方向に1.5倍以上延伸することが好ましい。
【0041】延伸後のポリエステルフイルムは必要に応
じて熱固定される。この処理により延伸ポリエステルフ
イルムの寸法安定性はさらに高まる。通常熱固定の温度
は結晶性ポリエステル樹脂の結晶融解温度より約10℃
から30℃低い温度で行われる。
じて熱固定される。この処理により延伸ポリエステルフ
イルムの寸法安定性はさらに高まる。通常熱固定の温度
は結晶性ポリエステル樹脂の結晶融解温度より約10℃
から30℃低い温度で行われる。
【0042】未延伸ポリエステルフイルムは延伸を行う
ことによりその見掛け比重が1.1以下となる。延伸倍
率をさらに高めることにより見掛け比重を0.3以下と
することも可能である。しかし延伸フイルムの生産性や
強度の低下が生じるので軽量化ポリエステルフイルムの
見掛け比重は0.3から1.1の範囲にあることが好ま
しい。生産性や性能の面から最も好ましい比重の範囲は
0.5から1.0である。
ことによりその見掛け比重が1.1以下となる。延伸倍
率をさらに高めることにより見掛け比重を0.3以下と
することも可能である。しかし延伸フイルムの生産性や
強度の低下が生じるので軽量化ポリエステルフイルムの
見掛け比重は0.3から1.1の範囲にあることが好ま
しい。生産性や性能の面から最も好ましい比重の範囲は
0.5から1.0である。
【0043】本発明における組成物には、その特性を大
きく損なわない範囲で必要に応じて他のポリマーを配合
してもよい。かかるポリマーとしてはたとえば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペ
ンテン、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリアリレート、ポリエチレングリコール、ポリサ
ルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンサルファイド、フェノキシ
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、液晶ポリ
エステル、フッソ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂などがある。
きく損なわない範囲で必要に応じて他のポリマーを配合
してもよい。かかるポリマーとしてはたとえば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペ
ンテン、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリ
カーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリアリレート、ポリエチレングリコール、ポリサ
ルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンサルファイド、フェノキシ
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、液晶ポリ
エステル、フッソ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ウレア樹脂、エポキシ樹脂などがある。
【0044】また本発明における組成物には、その特性
を大きく損なわない範囲で必要に応じてシリカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、アルミナ、カオリン、マイカ、
タルクなどの無機質充填材や顔料を配合することも可能
である。
を大きく損なわない範囲で必要に応じてシリカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、アルミナ、カオリン、マイカ、
タルクなどの無機質充填材や顔料を配合することも可能
である。
【0045】またその他の添加剤を配合することも可能
である。かかる添加剤の例としては酸化防止剤、耐熱
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などがあ
る。
である。かかる添加剤の例としては酸化防止剤、耐熱
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などがあ
る。
【0046】本発明の軽量化ポリエステルフイルムは単
独であるいは塗装、印刷、メタライジング等の処理を施
した上で包装用材料、ラベル、情報紙、製図用紙、印刷
用紙等に用いられる。また本発明の軽量化ポリエステル
フイルムは多層構造体の構成成分の一つとして用いるこ
とも可能である。このような多層構造体の例としてはラ
ミネートフイルム、複合シート、コンポジットなどがあ
る。
独であるいは塗装、印刷、メタライジング等の処理を施
した上で包装用材料、ラベル、情報紙、製図用紙、印刷
用紙等に用いられる。また本発明の軽量化ポリエステル
フイルムは多層構造体の構成成分の一つとして用いるこ
とも可能である。このような多層構造体の例としてはラ
ミネートフイルム、複合シート、コンポジットなどがあ
る。
【0047】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0048】実施例で用いたマレイミド系共重合体は、
スチレン約100部、無水マレイン酸約67部、ベンゾ
イルパーオキサイド0.2部、メチルエチルケトン30
0部を窒素雰囲気中80℃で10時間反応させ、得られ
た重合体とトリエチルアミン1.2部、アニリン46.
2部を130℃で、6時間反応させてマレイミド共重合
体を得た(ア−3)。他のマレイミド系共重合体も同様
に作成した。
スチレン約100部、無水マレイン酸約67部、ベンゾ
イルパーオキサイド0.2部、メチルエチルケトン30
0部を窒素雰囲気中80℃で10時間反応させ、得られ
た重合体とトリエチルアミン1.2部、アニリン46.
2部を130℃で、6時間反応させてマレイミド共重合
体を得た(ア−3)。他のマレイミド系共重合体も同様
に作成した。
【0049】実施例で用いたマレイミド系共重合体組成
物構成成分は表1の通りである。
物構成成分は表1の通りである。
【0050】
【表1】
【0051】実施例で用いた結晶性ポリエステル樹脂は
表2の通りである。
表2の通りである。
【0052】
【表2】
【0053】実施例で用いた測定方法は以下の通りであ
る。 1.粒子径 日本電子(株)製 JSM-15 型走査電子顕微鏡を使用し、
試料破断面の電子顕微鏡写真から寸法を読みとる。 2.比重 JISK6758 に準じ水中置換法で測定した。 3.表面粗度 小坂研究所(株)製表面粗さ測定器 SE-3AK 型を使用
し、JISB-0601-1976の方法に準じて測定した。触針径 2
mm、触針圧10mg. 4.曇度(Hz)、平行光線透過度(Tp) 東京電色(株)製ヘース゛メーター を使用、ASTMD1003-61に準
じて測定した。 5.G% 村上色彩技術研究所(株)Gloss Meter GM-30 型を使用
し、入射角20°の光沢度を測定した。 6.白色度 スガ試験機 SM-4 型色差計を使用して測定した。 7.強度(引張り強度) 島津(株)DSS-500 型オートグラフを使用し ASTMD882
に準じて測定し、縦、横方向の平均値で表示した。 8.筆記性 鉛筆引っかき値試験用鉛筆三菱鉛筆(株)製Uniを使
用し、押圧500gで筆記し、字が濃く書けた場合○、非常
に濃く書けた場合◎、薄い場合を×とした。
る。 1.粒子径 日本電子(株)製 JSM-15 型走査電子顕微鏡を使用し、
試料破断面の電子顕微鏡写真から寸法を読みとる。 2.比重 JISK6758 に準じ水中置換法で測定した。 3.表面粗度 小坂研究所(株)製表面粗さ測定器 SE-3AK 型を使用
し、JISB-0601-1976の方法に準じて測定した。触針径 2
mm、触針圧10mg. 4.曇度(Hz)、平行光線透過度(Tp) 東京電色(株)製ヘース゛メーター を使用、ASTMD1003-61に準
じて測定した。 5.G% 村上色彩技術研究所(株)Gloss Meter GM-30 型を使用
し、入射角20°の光沢度を測定した。 6.白色度 スガ試験機 SM-4 型色差計を使用して測定した。 7.強度(引張り強度) 島津(株)DSS-500 型オートグラフを使用し ASTMD882
に準じて測定し、縦、横方向の平均値で表示した。 8.筆記性 鉛筆引っかき値試験用鉛筆三菱鉛筆(株)製Uniを使
用し、押圧500gで筆記し、字が濃く書けた場合○、非常
に濃く書けた場合◎、薄い場合を×とした。
【0054】実施例1〜9 タバイ(株)製直熱式真空乾燥機を用い、120℃で4
8時間真空乾燥し、水分率を0.001%としたマレイ
ミド系共重合体ペレットと、極限粘度が0.78のポリ
エチレンテレフタレートペレットをヘンシェルミキサー
で混合し、日本製鋼(株)製50mmφ押出機を用いて
280℃の条件でTダイにより溶融押し出し、厚さ50
0μmのシートを得た。次いで90℃でMD(縦方向)
に3倍、TD(横方向)に3倍延伸し55μmのフイル
ムを得た。未延伸フイルム中のマレイミド系共重合体の
分散粒子径と延伸性と延伸フイルムの見掛け比重、3次
元表面粗さ、Hz、Tp、G%、白色度、引張強度、筆
記性を表3に示す。また結晶性ポリエステル樹脂として
ポリエチレンナフタレート樹脂を使用した場合は、30
0℃の製膜温度で、125℃の延伸温度条件で実施し
た。同様にフイルムの性能を表3に示す。
8時間真空乾燥し、水分率を0.001%としたマレイ
ミド系共重合体ペレットと、極限粘度が0.78のポリ
エチレンテレフタレートペレットをヘンシェルミキサー
で混合し、日本製鋼(株)製50mmφ押出機を用いて
280℃の条件でTダイにより溶融押し出し、厚さ50
0μmのシートを得た。次いで90℃でMD(縦方向)
に3倍、TD(横方向)に3倍延伸し55μmのフイル
ムを得た。未延伸フイルム中のマレイミド系共重合体の
分散粒子径と延伸性と延伸フイルムの見掛け比重、3次
元表面粗さ、Hz、Tp、G%、白色度、引張強度、筆
記性を表3に示す。また結晶性ポリエステル樹脂として
ポリエチレンナフタレート樹脂を使用した場合は、30
0℃の製膜温度で、125℃の延伸温度条件で実施し
た。同様にフイルムの性能を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】比較例1〜10 実施例と同様の方法で、ペレットを乾燥し溶融押し出し
500μmのフイルムを得た。延伸温度は90℃と、6
0℃、200℃の条件で実施した。また延伸倍率は3×
3倍以外1.2×1.0倍を実施した。また添加ポリマ
ーにマレイミド系共重合体の比較としてポリフェニレン
オキサイド樹脂を使用した、フイルムの性能を表4に示
す。
500μmのフイルムを得た。延伸温度は90℃と、6
0℃、200℃の条件で実施した。また延伸倍率は3×
3倍以外1.2×1.0倍を実施した。また添加ポリマ
ーにマレイミド系共重合体の比較としてポリフェニレン
オキサイド樹脂を使用した、フイルムの性能を表4に示
す。
【0057】
【表4】
【0058】実施例1〜9、比較例1〜10から次のこ
とが判る。マレイミド系共重合体構成成分のN−フェニ
ルマレイミドが60モル%の結晶化ポリエステル樹脂と
マレイミド系共重合体組成物フイルムは熱安定性に欠け
延伸性が悪いこと、またN−フェニルマレイミド共重合
体が20モル%の結晶性ポリエステル樹脂とマレイミド
系共重合体組成物フイルム、および不飽和ジカルボン酸
やメチルメタアクリレート樹脂が60モル%の結晶性ポ
リエステル樹脂とマレイミド系共重合体組成物フイルム
は軽量性、マット性、白色性能に欠けることが判る。マ
レイミド系共重合体が3重量%の結晶性ポリエステル樹
脂とマレイミド系共重合体組成物フイルムは同様に、軽
量性、マット性、白色性に欠けることが判る。またマレ
イミド系共重合体が55モル%の結晶性ポリエステル樹
脂とマレイミド系共重合体組成物フイルムは、分散粒子
径が確認されず、また延伸性が悪いことが判る。延伸温
度に関しては90℃が良好であるが、60℃ではフイル
ムが破断し、延伸性に劣る。200℃で延伸すると、フ
イルム厚みムラが大でフイルム品位が大きく低下してい
ること、また軽量性、マット性、白色性に欠けることが
判る。延伸倍率についても1.2×1.0倍では軽量
性、マット性、白色性に欠けることが判る。まら比較例
10においては、分散粒子が20μmを越えると得られ
たフイルムの強度が著しく低下することが判る。
とが判る。マレイミド系共重合体構成成分のN−フェニ
ルマレイミドが60モル%の結晶化ポリエステル樹脂と
マレイミド系共重合体組成物フイルムは熱安定性に欠け
延伸性が悪いこと、またN−フェニルマレイミド共重合
体が20モル%の結晶性ポリエステル樹脂とマレイミド
系共重合体組成物フイルム、および不飽和ジカルボン酸
やメチルメタアクリレート樹脂が60モル%の結晶性ポ
リエステル樹脂とマレイミド系共重合体組成物フイルム
は軽量性、マット性、白色性能に欠けることが判る。マ
レイミド系共重合体が3重量%の結晶性ポリエステル樹
脂とマレイミド系共重合体組成物フイルムは同様に、軽
量性、マット性、白色性に欠けることが判る。またマレ
イミド系共重合体が55モル%の結晶性ポリエステル樹
脂とマレイミド系共重合体組成物フイルムは、分散粒子
径が確認されず、また延伸性が悪いことが判る。延伸温
度に関しては90℃が良好であるが、60℃ではフイル
ムが破断し、延伸性に劣る。200℃で延伸すると、フ
イルム厚みムラが大でフイルム品位が大きく低下してい
ること、また軽量性、マット性、白色性に欠けることが
判る。延伸倍率についても1.2×1.0倍では軽量
性、マット性、白色性に欠けることが判る。まら比較例
10においては、分散粒子が20μmを越えると得られ
たフイルムの強度が著しく低下することが判る。
【0059】
【発明の効果】実施例で具体的に説明したように本発明
のポリエステルフイルムは特定のボイド形成性ポリマー
を用いることにより、きわめて優れた軽量性、強度、耐
熱性、隠蔽性、筆記性および生産性が付与され、これら
の点において従来軽量化ポリエステルの性能を大きく凌
駕する物である。
のポリエステルフイルムは特定のボイド形成性ポリマー
を用いることにより、きわめて優れた軽量性、強度、耐
熱性、隠蔽性、筆記性および生産性が付与され、これら
の点において従来軽量化ポリエステルの性能を大きく凌
駕する物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 67:02 (72)発明者 岸田 稔 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小塚 佳明 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)結晶性ポリエステル樹脂が50重
量%以上95重量%以下、(B)マレイミド系共重合体
が5重量%以上50重量%以下からなるポリエステルフ
イルムであって、フイルム中にマレイミド系共重合体が
直径0.1から20μmの粒子状に分散しており、かつ
微細なボイドが存在し、見掛け比重が0.3から1.1
であることを特徴とする軽量化ポリエステルフイルム。
ただし、マレイミド系共重合体はマレイミド系単量体基
が30モル%以上50モル%以下、芳香族ビニル単量体
基が30モル%以上70モル%以下、不飽和ジカルボン
酸無水物単量体基が0モル%以上40モル%以下および
その他の共重合可能な単量体基が0モル%以上50モル
%以下からなり、かつ結晶性ポリエステル樹脂よりも少
なくとも10℃高いガラス転移温度を有する。 - 【請求項2】 (A)結晶性ポリエステル樹脂が50重
量%以上95重量%以下、(B)マレイミド系共重合体
が5重量%以上50重量%以下からなる組成物を溶融押
出しして得られた未延伸ポリエステルフイルムを、結晶
性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度
以下の温度の範囲で少なくとも一軸に1.5倍以上延伸
することを特徴とする請求項1記載の軽量化ポリエステ
ルフイルムの製造方法。
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Family Applications (1)
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US7683138B1 (en) * | 2005-05-16 | 2010-03-23 | Henkel Corporation | Molding compositions |
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FR2604552A1 (fr) * | 1986-09-29 | 1988-04-01 | Rhone Poulenc Chimie | Substrat polymere rigide utilisable comme support d'enregistrement magnetique et le disque magnetique obtenu a partir de ce substrat |
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US4770931A (en) * | 1987-05-05 | 1988-09-13 | Eastman Kodak Company | Shaped articles from polyester and cellulose ester compositions |
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-
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-
1992
- 1992-01-28 EP EP92101365A patent/EP0497282B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1992-01-28 DE DE69230011T patent/DE69230011T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1992-01-30 US US07/828,146 patent/US5204418A/en not_active Expired - Lifetime
- 1992-01-31 KR KR1019920001480A patent/KR100213511B1/ko not_active IP Right Cessation
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