JPH04359933A - 軽量化ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

軽量化ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JPH04359933A
JPH04359933A JP16230891A JP16230891A JPH04359933A JP H04359933 A JPH04359933 A JP H04359933A JP 16230891 A JP16230891 A JP 16230891A JP 16230891 A JP16230891 A JP 16230891A JP H04359933 A JPH04359933 A JP H04359933A
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JP
Japan
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ethylene
film
random copolymer
weight
polyester film
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Application number
JP16230891A
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English (en)
Inventor
Eiji Yamamoto
英治 山本
Katsuyuki Toma
当麻 克行
Minoru Kishida
稔 岸田
Yoshiaki Kozuka
佳明 小塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微細なボイドを含み低密
度(比重が小)であり、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性
に優れたポリエステルフイルム及びその製造方法に関す
る。本発明の軽量化ポリエステルフイルムはその優れた
特性により、ラベル、情報紙、製図用紙、印刷用紙等に
用いられる。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムを軽量化する試み
としては、(イ)ガスあるいは気化可能な物質を添加す
る方法(例えば特開昭50−38765号公報、特公昭
57−46456号公報、特開昭57−34931号公
報)、(ロ)化学的反応によりガスを発生する物質を添
加する方法(例えば特開昭52−43871号公報、特
公昭58−50625号公報)、(ハ)溶剤に可溶な物
質を添加し、後にこれを溶剤で抽出する方法(例えば特
開昭51−34963号公報、特公昭52−27666
号公報)などが知られている。しかしこれらの方法はい
ずれもほとんど実用化されていない。その理由としては
、これらの方法によってポリエステルフイルム中にボイ
ドを発生せしめることは可能であるが、その大きさの制
御が非常に困難であり、粗大なボイドとなり易いばかり
でなく、その空間的な分布も不均一になりやすいこと、
従ってポリエステルフイルム中に極端に強度の低い部分
が発生し延伸時にフイルムの切断が起こり易いこと等が
挙げられている。さらにかかる方法によって得られるフ
イルムはその軽量性、強度、隠蔽性、筆記性及び性能の
均一性に於いて満足できるものではなかった。
【0003】また無機粒子を添加する方法(例えば特開
昭63−137927号公報)があるが無機粒子が二次
凝集しやすいため微粒子分散をさせることが困難で、重
合時に無機粒子を添加するといった方法がとられている
が(例えば特開昭63−66222号公報)、多量に無
機粒子を添加する場合は同じく二次凝集や少なくとも熱
可塑性ポリエステル樹脂の重合度に影響を及ぼす場合が
ある。また、無機粒子混合熱可塑性ポリエステル樹脂を
溶融押し出ししてフイルムを得ようとしても、無機粒子
がスクリーンに詰まるため、メッシュの粗いスクリーン
を使用することになり、大きなゴミがフイルムに混入す
るおそれがあり、延伸時にフイルムが切断する場合があ
る。また無機粒子の場合は、成形金型のリップを摩耗さ
せるといった欠点を有していた。さらに、フイルム中に
無機粒子が存在する事により、フイルムのスリット加工
等のカッティング加工においてナイフの寿命が著しく短
くなり、生産性が低下してしまったり、フイルムのエッ
ジで切傷するなど取扱い性においても問題があった。ま
た、磁気テープ用に使用する場合は録画機のヘッドを摩
耗させるため問題となっている。
【0004】これらの方法に対しボイド形成性ポリマー
をポリエステル樹脂に配合した組成物を溶融押出しして
未延伸フイルムとなし、これを延伸することによってボ
イドを発生する方法が提案されている(例えば特開昭6
3−168441号公報、特開平2−235942号公
報)。そしてかかるボイド形成性ポリマーの具体例とし
ては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリフェニレンオキサイド、液晶性ポリエス
テルが挙げられている。この方法ではボイド形成性ポリ
マーはポリエステルフイルム中に微粒子状に分散し、そ
の分散粒子径はボイド形成性ポリマーとポリエステルと
の親和性およびそれらの溶融粘度差に依存する。そして
この組成物からなる未延伸フイルムを少なくとも一軸に
延伸することにより、微粒子状に分散したボイド形成性
ポリマーとポリエステルとの界面に剥離が発生し、ボイ
ドが形成される。ボイド発生の程度は延伸条件に加えて
、ボイド形成性ポリマーのガラス転移温度及びボイド形
成性ポリマーとポリエステルとの親和性に依存する。 このボイド形成性ポリマーを配合することによって軽量
化ポリエステルフイルムを得る方法は、上記(イ)、(
ロ)及び(ハ)の方法で挙げた欠点がなく、よりすぐれ
た方法である。しかし上記のごとき具体的に提案された
ポリマーをボイド形成性ポリマーとして用いた軽量化ポ
リエステルフイルムにおいても、まだその性能は必ずし
も満足できるものではない。
【0005】例えばボイド形成性ポリマーとしてポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートお
よびポリメチルペンテン等の比較的低いガラス転移温度
のポリマーを用いた場合、ポリエステル樹脂の溶融押出
し温度におけるこれらボイド形成性ポリマーの溶融粘度
が低いため、組成物を溶融押出しして得た未延伸フイル
ム中のボイド形成性ポリマーは溶融押出し時の剪断応力
により、ポリエステルの流動方向に配向した棒状粒子と
なりやすく、球状粒子に分散しにくい。そのためかかる
組成物からなる未延伸フイルム及び延伸フイルムはいず
れも異方性が大きいという問題点があった。またかかる
組成物からなる未延伸フイルムをポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度以上の温度で延伸すると、ボイド形成性ポ
リマーのガラス転移温度が低いために、分散したボイド
形成性ポリマーが塑性変形しやすく、ボイドの発生が阻
害される。加えて延伸フイルム表面の微細な凹凸の程度
が不十分となる。従ってかかる組成物からなるフイルム
は軽量化、隠蔽性、筆記性の点で満足のゆくものではな
い。さらにボイド形成性ポリマーのガラス転移温度が低
いために、かかる組成物からなるフイルムはそれを越え
る温度での性能変化が大きいという問題点も指摘されて
いる。一方ボイド形成性ポリマーとしてポリフェニレン
サルファイドおよびポリフェニレンオキサイドを用いた
場合、これらのポリマーは比較的高いガラス転移温度を
有しているため上記の如き問題点はない。しかしこれら
のポリマーはそれ自体着色しており、かかる組成物から
なるフイルムは白色度に劣るという欠点がある。
【0006】ボイド形成性ポリマーとして液晶性ポリエ
ステルを用いる方法では、それが未延伸フイルム中で流
動方向に配向した棒状粒子となりやすいことに伴う問題
点、およびポリエステルとの親和性が著しく低いため生
じる問題点がことごとく発生する。また白色度に劣るこ
ともいうまでもない。
【0007】以上の如くボイド形成性ポリマーをポリエ
ステル樹脂に配合する方法においても適切なボイド形成
性ポリマーが発見されていないため、満足な特性を有す
る軽量化ポリエステルフイルムは得られていなかったの
が実状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情から、本発
明の課題はポリエステルとの適度な親和性と溶融粘度差
とを有するボイド形成性ポリマーを見い出し、これを用
いて低密度で、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性にすぐれ
たポリエステルフイルム及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、結晶性ポリエス
テル樹脂(A)とエチレン/DMON類ランダム共重合
体(B)との組成物からなり、特定の構造を有するポリ
エステルフイルムが本発明の課題をことごとく満足する
ことを見出し、本発明に到達したものである。
【0010】すなわち本発明の第一の要旨は、結晶性ポ
リエステル樹脂(A)が50重量%以上95重量%未満
と、エチレンと下記一般式化1で示される1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
 オクタヒドロナフタレン類(以下DMON類と呼ぶ)
とからなるランダム共重合体(B)が5重量%以上50
重量%未満との組成物からなるポリエステルフイルムで
あって、該ポリエステルフイルム中に該エチレン/DM
ON類からなるランダム共重合体が直径0.1から20
μmの粒子状に分散しており、かつ微細なボイドが存在
し、見掛け比重が0.3から1.1であることを特徴と
する軽量化ポリエステルフイルムである。
【0011】また本発明の第二の要旨は、結晶性ポリエ
ステル樹脂(A)が50重量%以上95重量%未満と、
エチレン/DMON類ランダム共重合体(B)が5重量
%以上50重量%未満とからなる組成物を溶融押出しし
て得られた未延伸ポリエステルフイルムを、該結晶性ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度以上、結晶化温度以下
の温度の範囲で少なくとも一軸方向に1.5倍以上延伸
することを特徴とする軽量化ポリエステルフイルムの製
造方法に存する。
【0012】本発明において結晶性とは、示差熱分析計
を用いて20℃/分の昇温速度で測定した結晶の融解熱
が1cal/g以上の値を示すことを意味する。また結
晶化温度は、同じく示差熱分析計を用いて20℃/分の
昇温速度で測定した際の結晶化温度ピークとして定義さ
れる。ガラス転移温度は一般に定義されているようにポ
リマー主鎖の熱運動の凍結開始温度を意味する。このガ
ラス転移温度も示差熱分析計を用いて測定することがで
きる。
【0013】本発明において用いられる結晶性ポリエス
テル樹脂は芳香族ジカルボン酸残基と脂肪族ジオール残
基および/あるいは脂環式ジオール残基とを主な構成成
分とするポリエステルである。かかる芳香族ジカルボン
酸の代表例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸等がある。これらの芳香族ジカルボ
ン酸の芳香族環はハロゲン、アルキル基あるいはその他
の置換基で置換されていてもよい。脂肪族ジオールある
いは脂環式ジオールの代表例としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キシレンジメタノール等がある。これらの芳香族ジカル
ボン酸、脂肪族ジオールおよび/あるいは脂環式ジオー
ルはそれぞれ2種類以上混合して用いることも可能であ
る。
【0014】本発明において特に好適な結晶性ポリエス
テル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート(PCT)がある。これら結
晶性ポリエステル樹脂の示差熱分析計を用いて測定した
ガラス転移温度(Tg)と結晶化温度(Tc)および結
晶融解温度(Tm)は以下の通りである。 PET(Tg=70℃、Tc=160℃、Tm=263
℃) PBT(Tg=45℃、Tc=130℃、Tm=220
℃) PEN(Tg=115℃、Tc=220℃、Tm=27
2℃) PCT(Tg=90℃、Tc=180℃、Tm=295
℃)
【0015】本発明においては、かかる結晶性ポリエス
テル樹脂を2種類以上混合して用いてもよいし、またそ
の他の成分を共重合した結晶性ポリエステル樹脂を用い
てもよい。
【0016】これらの結晶性ポリエステル樹脂は、芳香
族ジカルボン酸と脂肪族ジオールおよび/あるいは脂環
式ジオールとを直接反応させて製造されるほか、芳香族
ジカルボン酸のアルキルエステルと脂肪族ジオールおよ
び/あるいは脂環式ジオールとをエステル交換反応させ
た後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジ
グリコールエステルを重縮合させる等の方法によって製
造される。
【0017】本発明において用いられる結晶性ポリエス
テル樹脂の分子量については特に制限はなく、フイルム
形成能があれば足りるが、フェノール/テトラクロルエ
タン=1/1(重量比)の混合溶媒で25℃で測定した
固有粘度が0.4(dl/g)以上であることが好まし
い。
【0018】本発明において用いられるエチレン/DM
ON類ランダム共重合体は、組成物を構成する結晶性ポ
リエステル樹脂より少なくとも10℃高いガラス転移温
度を有するものである。かかるDMON類は、ノルボル
ネン類とシクロペンタジエンと下記化2に示すように縮
合することにより容易に製造できる。
【0019】
【化2】
【0020】(式中、R1およびR2はそれぞれ前記と
同じである。)DMON類の具体的な例としては、たと
えば1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a
,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンのほかに、2
−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4
,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−
エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−プ
ロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘ
キシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ス
テアリル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4
,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,
3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3
,4,4a,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−
メチル−3−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2
,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
、2,3−ジクロロ−1,4,5,8,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレンなどが例示できる。これらの中で好適なものは
R1、R2のいずれかが炭素原子数1ないし20のアル
キル基で置換されたものであり、特には、炭素原子数1
ないし3の低級アルキル基が好ましい。
【0021】本発明において用いられるエチレン/DM
ON類のランダム共重合体は、エチレン10モル%以上
90モル%未満、DMON類90モル%未満10モル%
以上、好ましくはエチレン20モル%以上85モル%未
満、DMON類80モル%未満15モル%以上であり、
特に好ましくはエチレン35モル%以上75モル%未満
、DMON類65モル%未満25モル%以上である。 その他共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない
範囲で使用してもよい。例えばDMON類以外のノルボ
ルネル化合物や、エチレン以外のα−オレフィンなどを
、DMON類単位の10モル%以下の範囲で共重合させ
てもよい。
【0022】本発明において用いられるエチレン/DM
ON類ランダム共重合体は、公知の液相重合法で製造す
ることができる。例えば特開昭60−168708号公
報に例示されている方法に従って製造することができる
【0023】本発明において用いられるエチレン/DM
ON類ランダム共重合体は、結晶性ポリエステル樹脂よ
りも少なくとも10℃、さらに好ましくは少なくとも2
0℃高いガラス転移温度を有するものである。エチレン
/DMON類ランダム共重合体のガラス転移温度が結晶
性ポリエステル樹脂のそれと同等かそれより低い場合に
は、組成物からなるフイルムを延伸するとエチレン/D
MON類ランダム共重合体が塑性変形し、ボイドの生成
が阻害されるので好ましくない。加えて延伸フイルムの
表面の微細な凹凸の程度が不十分となる。かかるガラス
転移温度の低いエチレン/DMON類ランダム共重合体
を用いた場合には、結果として得られる延伸ポリエステ
ルフイルムの軽量性、隠蔽性、筆記性は満足のゆくもの
ではない。
【0024】本発明において用いられるエチレン/DM
ON類ランダム共重合体の分子量については特に制限は
なく、組成物の溶融押出し時の温度において結晶性ポリ
エステル樹脂の溶融粘度の少なくとも1/10以上の溶
融粘度を与える分子量であることが好ましい。
【0025】本発明の軽量化ポリエステルを構成する結
晶性ポリエステル樹脂(A)の配合割合は50重量%以
上95重量%未満であり、エチレン/DMON類ランダ
ム共重合体のそれは5重量%以上50重量%未満である
。エチレン/DMON類ランダム共重合体(B)の配合
量が5重量%以下では、得られる最終的な延伸ポリエス
テルフイルム中の微細なボイドの生成量が少なく、軽量
性、隠蔽性及び筆記性が不十分となる。逆にそれが50
重量%以上ではフイルムの強度が低下し、延伸時の破断
が起こりやすくなるばかりでなく、組成物の溶融押出し
時の熱安定性が低下し熱分解等が発生するので好ましく
ない。
【0026】本発明の軽量化ポリエステルフイルムにお
いて、エチレン/DMON類ランダム共重合体(B)は
ポリエステル樹脂(A)からなるマトリックス中に直径
が0.1から20μmの粒子状に分散することが必要で
あり、好ましくは2から15μmである。この場合エチ
レン/DMON類ランダム共重合体の微粒子はできるだ
け球形であることが好ましい。球形の場合にはフイルム
の異方形が発生しにくく、延伸によって均一なボイドが
生成し、強度に優れたフイルムが得られるので好ましい
。エチレン/DMON類ランダム共重合体の微粒子径が
0.1μm未満の場合には延伸ポリエステルフイルム中
のボイドの生成量が少なく、軽量性、隠蔽性及び筆記性
が不十分となる。逆にそれが20μmを越える場合には
ボイドの生成量が多く、軽量性及び隠蔽性には優れるも
のの、フイルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こり
やすくなるので好ましくない。
【0027】本発明において未延伸フイルムは、結晶性
ポリエステル樹脂(A)とエチレン/DMON類ランダ
ム共重合体(B)とからなる組成物を溶融押出しして得
られる。この場合、結晶性ポリエステル樹脂(A)とエ
チレン/DMON類ランダム共重合体(B)とを押出機
等を用いて溶融混練し、あらかじめ組成物のペレットと
なし、ついでこれを溶融押出しして未延伸フイルムを得
てもよい。あるいは結晶性ポリエステル樹脂(A)とエ
チレン/DMON類ランダム共重合体(B)とをブレン
ドし、これを直接溶融押出しして未延伸フイルムを得て
もよい。溶融押出し温度としては、通常結晶性ポリエス
テル樹脂の結晶融解温度ないし該温度より50℃高い温
度の範囲で選ばれる。溶融された組成物は、たとえばT
ダイやサーキュラーダイから押出され、結晶性ポリエス
テル樹脂のガラス転移温度以下に冷却され実質的に無定
形のフイルムを得る。この未延伸フイルムには実質的に
ボイドの生成はなく、多くの場合透明あるいは半透明で
ある。
【0028】ついでこの未延伸フイルムは少なくとも一
軸方向に延伸される。延伸は結晶性ポリエステル樹脂の
ガラス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲の温度で行
われる。この温度範囲で延伸することにより、マトリッ
クスを形成する結晶性ポリエステルが配向結晶化すると
同時に、微粒子を形成するエチレン/DMON類ランダ
ム共重合体との界面でボイドが効果的に生成される。延
伸倍率は得られるフイルムの特性に大きな影響を与える
。延伸倍率が大きい程得られるフイルムの軽量性、隠蔽
性、強度は向上する。目的に応じて延伸倍率を選定する
ことは可能であるが、本発明の目的を達成するためには
少なくとも一軸に1.5倍以上に延伸することが必要で
ある。さらに縦横2軸に延伸することも可能である。 この場合にはさらに特性の向上を図ることができる。こ
の場合にもそれぞれの方向に1.5倍以上延伸すること
が好ましい。
【0029】延伸後のポリエステルフイルムは必要に応
じて熱固定される。この処理により延伸ポリエステルフ
イルムの寸法安定性はさらに高まる。通常熱固定の温度
は結晶性ポリエステル樹脂の結晶融解温度より約10℃
から30℃低い温度で行われる。
【0030】本発明の軽量化ポリエステルフイルムは延
伸を行うことによりその見掛け比重は1.1以下となる
。延伸倍率をさらに高めることにより見掛け比重を0.
3以下とすることも可能である。しかし延伸フイルムの
生産性や強度の低下が生じるので軽量化ポリエステルフ
イルムの見掛け比重は0.3から1.1の範囲にあるこ
とが好ましい。生産性や性能の面から最も好ましい比重
の範囲は0.5から1.0である。
【0031】本発明の組成物にはその特性を大きく損な
わない範囲で必要に応じて他のポリマーを配合してもよ
い。かかるポリマーとしてはたとえば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、
ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
リレート、ポリエチレングリコール、ポリサルフォン、
ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン
、ポリフェニレンサルファイド、フェノキシ樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、液晶ポリエステル、
フッ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹
脂、エポキシ樹脂などがある。
【0032】また本発明の組成物にはその特性を大きく
損なわない範囲で必要に応じてシリカ、酸化チタン、炭
酸カルシウム、アルミナ、カオリン、マイカ、タルクな
どの、無機質充填材や顔料を配合することも可能である
【0033】またその他の添加剤を配合することも可能
である。かかる例としては酸化防止剤、耐熱剤、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤などがある。
【0034】本発明の軽量化ポリエステルフイルムは単
独であるいは塗装、印刷、メタライジング等の処理を施
した上で包装用材料、ラベル、情報紙、製図用紙、印刷
用紙等に用いられる。また本発明の軽量化ポリエステル
フイルムは多層構造体の構成成分の一つとして用いるこ
とも可能である。このような多層構造体の例としてはラ
ミネートフイルム、複合シート、コンポジットなどがあ
る。以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
(参考例1)エチレン/DMON類ランダム共重合体の
製造は以下の通りである。ジクロロエトキシオキソバナ
ジウム2mg、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン30gを重合管に入れ、エチレンを40L/
時、窒素を160L/時流通し、エチルアルミニウムセ
スキクロリドを20mg入れ重合した。メタノールで反
応停止後、エチレン/DMON類ランダム共重合体を得
た(ア−1)。他のエチレン/DMON類ランダム共重
合体も同様に作成した。これらを表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例1〜11)タバイ(株)製直熱式
真空乾燥機を用い、120℃で48時間真空乾燥し、水
分率が0.001%のエチレン/DMON類ランダム共
重合体ペレットと、極限粘度が0.78のポリエチレン
テレフタレートペレット(下記表2のイ−1)をヘンシ
ェルミキサーで混合し、日本製鋼(株)製50mmφ押
出機を用いて280℃の条件でTダイにより溶融押し出
し、厚さ500μmのシートを得た。次いで90℃でM
D(縦方向)に3倍、TD(横方向)に3倍延伸し厚さ
55μのフイルムを得た。未延伸フイルム中のエチレン
/DMON類ランダム共重合体の分散粒子径と延伸性と
延伸フイルムの見掛け比重、3次元表面粗さ、ヘイズ(
Hz)、平行光線透過度(Tp)、光沢度(G)、白色
度、引張強度、筆記性を表3に示す。また結晶性ポリエ
ステル樹脂としてポリエチレンナフタレート樹脂(表2
のイ−2)を使用した実施例11は、300℃の製膜温
度で、125℃の延伸温度条件で実施した。同様にフイ
ルムの性能を表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】(比較例1〜7)実施例と同様の方法で、
ペレットを乾燥し溶融押し出しし、厚さ500μmのフ
イルムを得た。延伸温度は90℃、60℃、および20
0℃の条件で実施した。また延伸倍率は比較例6で1.
2×1.0とした以外は3×3倍で実施した。また比較
例7では添加ポリマーにエチレン/DMON類ランダム
共重合体の比較としてポリフェニレンオキサイド樹脂(
長瀬産業株式会社:PPO−534)を使用した。フイ
ルムの性能を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】実施例1〜11、比較例1〜7から次のこ
とが判る。エチレン/DMON類ランダム共重合体構成
成分のエチレン成分が95モル%のエチレン/DMON
類ランダム共重合体は熱安定性に欠け、その結晶性ポリ
エステル樹脂とエチレン/DMON類ランダム共重合体
組成物からなるフイルムは軽量性、マット性、白色性能
に欠けることが判る。エチレン/DMON類ランダム共
重合体の配合割合が3重量%の結晶性ポリエステル樹脂
とエチレン/DMON類ランダム共重合体からなるフイ
ルムは同様に、軽量性、マット性、白色性に欠けること
が判る。またエチレン/DMON類ランダム共重合体の
配合割合が55重量%の結晶性ポリエステル樹脂とエチ
レン/DMON類ランダム共重合体組成物からなるフイ
ルムは、分散粒子径が確認されず、また延伸性が悪いこ
とが判る。
【0043】延伸温度に関しては90℃が良好である。 60℃ではフイルムが破断し、延伸性に劣る。200℃
で延伸すると、フイルム厚みムラが大でフイルム品位が
大きく低下していること、また軽量性、マット性、白色
性に欠けることが判る。延伸倍率についても1.2×1
.0倍では軽量性、マット性、白色性に欠けることが判
る。また比較例7においては、分散粒子が20μmを越
えると得られたフイルムの強度が著しく低下することが
判る。
【0044】(測定方法)実施例で用いた測定方法は以
下の通りである。 1.粒子径 日本電子(株)製 JSM−15 型走査電子顕微鏡を
使用し、試料破断面の電子顕微鏡写真から寸法を読みと
る。 2.見掛け比重 JISK6758  に準じ水中置換法で測定した。 3.表面粗度 小坂研究所(株)製表面粗さ測定器 SE−3AK 型
を使用し、JISB−0601−1976の方法に準じ
て測定した。触針径 2mm、触針圧10mg. 4.曇度(Hz)、平行光線透過度(Tp)東京電色(
株)製ヘーズメーター を使用、ASTMD1003−
61に準じて測定した。 5.G% 村上色彩技術研究所(株)Gloss Meter G
M−30 型を使用し、入射角20°の光沢度を測定し
た。 6.白色度 スガ試験機 SM−4 型色差計を使用して測定した。 7.強度(引張り強度) 島津(株)DSS−500 型オートグラフを使用し 
ASTMD882に準じて測定し、縦、  横方向の平
均値で表示した。 8.筆記性 鉛筆引っかき値試験用鉛筆三菱(株)製Uniを使用し
、押圧500g  で筆記し、字が濃く書けた場合○、
非常に濃く書けた場合◎、薄い場合を×とした。
【0045】
【発明の効果】実施例で具体的に説明したように、本発
明により提供されるポリエステルフイルムは特定のボイ
ド形成性ポリマーを用いることにより、きわめて優れた
軽量性、強度、耐熱性、隠蔽性、筆記性および生産性が
付与され、これらの点において従来の軽量化ポリエステ
ルの性能を大きく凌駕するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  結晶性ポリエステル樹脂(A)が50
    重量%以上95重量%未満と、エチレンと下記一般式化
    1で示される1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
    4,4a,5,8,8a− オクタヒドロナフタレン類
    (以下DMON類と呼ぶ)とからなるランダム共重合体
    (B)が5重量%以上50重量%未満との組成物からな
    るポリエステルフイルムであって、該ポリエステルフイ
    ルム中に該エチレン/DMON類からなるランダム共重
    合体が直径0.1から20μmの粒子状に分散しており
    、かつ微細なボイドが存在し、見掛け比重が0.3から
    1.1であることを特徴とする軽量化ポリエステルフイ
    ルム。 【化1】 (ここでR1、R2は水素、アルキル基、またはハロゲ
    ンであって、各同一または異なっていてもよい。)ただ
    し、該エチレン/DMON類ランダム共重合体(B)は
    エチレン成分が10モル%以上90モル%未満、DMO
    N類成分が90モル%未満10モル%以上からなり、か
    つ該結晶性ポリエステル樹脂よりも少なくとも10℃高
    いガラス転移温度を有する。
  2. 【請求項2】  結晶性ポリエステル樹脂(A)が50
    重量%以上95重量%未満と、エチレン/DMON類ラ
    ンダム共重合体(B)が5重量%以上50重量%未満と
    からなる組成物を溶融押出しして得られた未延伸ポリエ
    ステルフイルムを、該結晶性ポリエステル樹脂のガラス
    転移温度以上、結晶化温度以下の温度の範囲で少なくと
    も一軸方向に1.5倍以上延伸することを特徴とする特
    許請求範囲第1項に記載の軽量化ポリエステルフイルム
    の製造方法。
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