JPH0531940A - 熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 隣接ドットとの剥離開始位置をずらし、ドッ
ト形状を安定化させ画像のざらつきを抑える。 【構成】 ドットへの通電終了時間を一定にさせること
で剥離開始位置をずらす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は階調制御を行う熱転写記
録装置に関し、特に高画質を得るためのカラー熱転写記
録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、熱転写記録はノンインパクトで無
騒音、メンテナンスフリー、低コスト、小型軽量可能、
カラー化可能等の優れた特徴を有するために、ファクシ
ミリ、コンピュータ端末、レコーダ等多くの分野で用い
られている。この様な熱転写記録は、サーマルヘッドで
熱転写記録材の表面を昇温加熱するか或は、通電ヘッド
で通電発熱抵抗層を通電加熱することで、熱転写記録材
の熱溶融性インクを転写紙上に溶融転写し、印字或は画
像を提供するものである。

【０００３】この熱転写記録に於て、カラー転写を行う
場合主に次に示す方法が一般的である。図７に示すよう
に基材上にイエロー（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン
（Ｃ）、必要により黒等の熱溶融性のインクを順次塗
工、形成したカラー熱転写記録材３１を用い、図６に示
す様な記録装置を用いる方法である。すなわち、巻出し
コア３２より巻出されたカラー熱転写記録材３１は、図
示無き駆動手段によりＦF方向に送られる。サーマルヘ
ッド３４の発熱によりインクは溶融し転写紙３５に転写
される。転写が終わったカラー熱転写記録材３１は巻取
りコア３３に巻取られ、一方転写紙３５はプラテン３６
及び図示無き駆動手段により転写中はＦP 方向に移動
し、転写終了後ＲP 方向に一定量移動する。この動作を
複数回行うことで同一転写紙上にカラーの画像を得るこ
とができるものである。

【０００４】熱転写記録に於て階調制御を行う場合、通
電時間を制御するのが一般的であった。図４に１周期分
のタイミングチャートを示す。図において、Ｄ１は印画
周期、Ｄ２は通電時間を示す。２１〜２５は任意の階調
部分のタイミングチャートを示している。従来は、２０
の時刻から各ドット一斉に通電を開始しているのが一般
的であった。また、図５は図４のタイミングチャートで
印画を行った時のドット転写状態を示している。尚、印
画（インク剥離）方向は、矢印Ａで示している。

【０００５】しかし、各ドットを一斉に通電した場合、
主走査方向（水平方向）で殆ど同時に転写が始まり、剥
離される。剥離の瞬間には急激に引き剥し力が必要とな
り、ドット先端部が欠けるなど転写状態が不安定になり
易い。また引き剥し力を高めた場合、熱転写記録材と転
写紙との搬送バランスが崩れ、しわ等が発生し好ましく
ない。特にインクを複数回重ね合わせ転写を行うカラー
記録の場合、ドット形状が不安定になるとざらつきが目
立つようになる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する問題点は、インクの剥離が不安定で得られるドット
形状が不均一な点である。ドット形状が不均一になると
画像はざらつきが目立ち品質が好ましくない。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ドット形状が
均一で高品質の画像を得るために、複数個のドットから
構成されるサーマルヘッドを用い、通電時間により階調
制御を行う熱転写記録装置に於て、各ドットの通電終了
時刻を一定にすることを特徴とする。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はこれに限定するものではない。図１は、本発明
の熱転写記録装置のサーマルヘッドの駆動方法を説明す
るための一実施例の構成図である。本実施例は、０〜７
段階の８階調のシステムの例であり、サーマルヘッドを
任意の数に分割した１ブロックの構成図である。この図
では、１ブロックの数をＮとしている。また、１は発振
器、２は分周器、３は階調カウンタ、４はアドレス発生
器、５はメモリ、６は比較器を示している。まず、発振
器１より発生されるクロック信号は、分周器２により１
／Ｎに分周された後、、階調カウンタ３に送られ、次に
比較器６のＡに入力される。階調カウンタ３はリセット
と同時に最大階調数である７に初期設定され、１までカ
ウントダウンされる。

【０００９】一方、アドレス発生器４はリセットと同時
に０に初期設定されている。発振器１より送られたクロ
ック信号により、アドレス発生器４は０〜Ｎー１までア
ドレスをカウントアップする。アドレスによりメモリ５
から該当すべき画素位置のデータを出力、比較器６のＢ
に入力する。比較器６のＡ及びＢの数を比較しＡに対し
てＢが同等以上の時、ヘッドに通電を指示する信号を送
る。

【００１０】以上の動作を階調カウンタが１になるまで
繰り返し行い、階調信号を発生させる。最小通電時間
は、階調カウンタに供給されるクロック信号の周期で決
まる。以上の方法により、階調毎に通電幅の終端部分が
一定となる。

【００１１】図２に本実施例によって得られる各ドット
のタイミングチャートを示す。１１〜１７は、各階調の
ドットデータを示している。周期Ｄ２に於て、通電時間
Ｄ１を通電終了時刻１０のタイミングにそろえることで
図３に示すようにドットの転写開始部分が異なる転写が
できる。サーマルヘッド主走査方向に於て階調データ毎
に転写開始部分が異なることで剥離力が安定し、従来発
生していたドット転写開始部分の欠けがなくなることが
できた。

【００１２】以上記した方法によりＹ，Ｍ，Ｃインクの
転写を同一転写紙上に行い、印画品質を確認した。得ら
れた画像はドットが安定しており、ざらつきがみられな
かった。

【００１３】本実施例では、サーマルヘッドによる３色
重ね合わせ画像について述べたが、本発明はこれに限定
されるものではなく、通電熱転写記録方式への応用が可
能であり、カラー色数としては、Ｙ，Ｍ，Ｃの他にＢｋ
（黒）を含めた４色の記録材、また黒、赤等の２色の記
録材等への応用が可能である。また、黒等の単色で階調
制御を行う場合にも同等の効果があるのは言うまでもな
い。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱転写記
録装置は、各ドットの通電終了時刻を一定にすることで
階調毎にドット剥離開始時刻がずれ、その結果剥離が安
定し、転写状態が均一な品質の優れる画像を得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱転写記録装置のサーマルヘッドの駆
動方法を説明する一実施例の構成図である。

【図２】図１の動作を説明する一例のタイミング図であ
る。

【図３】図２のタイミングで印画された時のドット構成
図である。

【図４】従来の動作を説明するタイミング図である。

【図５】図４のタイミングで印画された時の従来のドッ
ト構成図である。

【図６】本発明の熱転写記録装置の一実施例を説明する
ための構造概略図である。

【図７】本発明の熱転写記録装置の一実施例に供するカ
ラー熱転写記録材の構造概略図である。

【符号の説明】

１ 発振器 ２ 分周器 ３ 階調カウンタ ４ アドレス発生器 ５ メモリ ６ 比較器 １０ 通電終了時刻 １１〜１７ 各ドットデータ Ｄ１ 通電時間 Ｄ２ 印画周期 Ａ 副走査方向 ２０ 通電開始時刻 ２１〜２５ 各ドットデータ ３１ 熱転写記録材 ３２ 巻き出しコア ３３ 巻取りコア ３４ サーマルヘッド ３５ 転写紙 ３６ プラテン

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 複数個のドットから構成されるサーマル
   ヘッドを用い、通電時間により階調制御を行う熱転写記
   録装置に於て、各ドットの通電終了時刻を一定にするこ
   とを特徴とする熱転写記録装置。