JPH08244324A - サーマルプリンタの印刷制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 面順次カラーマルチインクリボンを用いて少
ないリボン使用で長尺印刷を行う。 【構成】 標準長さＬの印刷の場合（図２（ａ））は、
面順次カラーマルチインクリボンの１画面分で長さＬの
受像紙にカラー印刷するが、ｍ（例えばｍ＝３）倍長さ
の印刷の場合（図２（ｂ））は、面順次カラーマルチイ
ンクリボン１画面分の最初のＹリボンの１／ｍの長さで
ｍ画面の長さの１画面目を印刷し、次の１／ｍの長さで
２画面目を印刷して最初のＹ色リボンにより順次ｍ画面
の長さを印刷する。次のＭ色のリボンでは、受像紙をｍ
画面分もとに戻して同様の印刷を行い、最終的に面順次
カラーマルチインクリボン１画面分の長さで、ｍ倍画面
のカラー印刷を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタの印
刷制御方法に関し、より詳細には、面順次カラーマルチ
インクリボンを用いたサーマルプリンタにより長尺印刷
あるいはパノラマ印刷する印刷制御方法に関し、カラー
サーマルプリンタに応用される。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタは、ノンインパクトプ
リンティング技術による記録装置であり、構造が簡単
で、装置の小型化が可能となり、信頼性や低騒音とする
ことができる特長があるので、インクジェット記録方式
の記録装置とともに多用されている。具体的なサーマル
プリンタは、画像信号により選択的に加熱駆動されるサ
ーマルヘッドとプラテンローラを有し、該サーマルヘッ
ドとプラテンローラとの間にインクリボンと受像紙とを
移動可能に重ねて圧接し、インクリボンの色材を受像紙
上に熱的に溶融又は昇華して印写する記録装置である。

【０００３】サーマルプリンタ用のインクリボンとして
は、ワンタイムタイプのものが使用されているのが現状
である。ワンタイムタイプのインクリボンは、例えば、
樹脂フィルム上に染料を主成分とする薄い転写層を設け
たものであり、ワンタイムタイプのリボンの消費量と受
像紙の消費量との比は１対１の関係にあり、ワンタイム
タイプリボンと受像紙とは同一速度で圧接しながらサー
マルヘッドとプラテンローラ間を移動している。

【０００４】一方、ワンタイムタイプのインクリボンに
対してマルチタイプのインクリボンが開発され、受像紙
の消費量に対し、マルチタイプインクリボンの消費量を
１／ｎ（ｎは１０から５０程度の数でマルチ数と呼ぶ）
の消費量で済ませることができるようになった。マルチ
タイプのインクリボンは、例えば、昇華性染料，結着樹
脂，熱硬化樹脂スペーサ等とからなり、熱転写により一
画面当りに消費される染料の量よりも供給される染料の
量が遥かに多いように構成されている。このため、マル
チインクリボンの長さは、受像紙の長さに比べ短くてよ
く、インクリボンコストが安くなり、経済的である。

【０００５】マルチタイプのインクリボンを用いてカラ
ー印刷する場合、インクリボンとして色の３原色である
Ｙ（イエロー），Ｍ（マゼンタ），Ｃ（シアン）、ある
いは、上記３原色に加えＢｋ（ブラック）が用いられる
が、カラー印刷用のマルチタイプのインクリボンとして
は、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋの色をもつ単色のインクリボンを
巻回した複数のインクリボンロールを用いて各色のイン
クリボンロールを色別に駆動して重ね印刷する方式と、
カラー印刷に要する１画像面のＹ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋ色をカ
ラーリボンの中に一定の順序で並べ、これの多数画像面
分を１本のカラーインクリボン内に納めた面順次カラー
マルチインクリボンを用いて印刷する方式がある。

【０００６】面順次カラーマルチインクリボンを用いて
印刷する方式では、１画像面に相当する受像紙に１画像
面に対応して並べられた面順次カラーマルチインクリボ
ンの色順、例えば、Ｙ，Ｍ，Ｃ，Ｂｋの順序に従って重
ね印刷し、１画像面のカラー印刷がなされる。

【０００７】一方、サーマルプリンタを用いて印刷する
場合、目的により長尺印刷やパノラマ印刷が求められ
る。従来、熱転写方式のサーマルプリンタでは、モノク
ロタイプの長尺印刷が行われ、また、昇華型熱転写方式
のサーマルプリンタでも長尺印刷が行われてパノラマ印
刷などといわれていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】熱転写方式や昇華型方
式のサーマルプリンタで長尺印刷をする場合、従来の方
式で用いられるインクリボンは、マルチインクリボンを
用いたものではなく、標準の画像面のｍ倍長尺印刷を行
う場合は、ｍ倍の長さのインクリボンが必要であった。
同様に、面順次カラーマルチインクリボンを用いても長
尺の印刷を行う場合でも、通常のｍ倍の長尺のインクリ
ボンが必要であり、その分コスト高になった。

【０００９】本発明は、面順次カラーマルチインクリボ
ンを用いて長尺の印刷を行う場合、インクリボンの消費
量を少くしてリボンコストを安くする印刷方法を提供
し、更には、長尺用として使用されるサーマルプリンタ
側の画像メモリーを少くし、機械製作価格の安いサーマ
ルプリンタを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、（１）インクリボンの色が少くとも色の
３原色、Ｙ，Ｍ，Ｃをもつ面順次カラーマルチインクリ
ボンと、サーマルヘッド等で構成され、画像信号に応じ
て加熱駆動した前記サーマルヘッドにより前記インクリ
ボンを加熱して受像紙にカラー印刷するカラーサーマル
プリンタにおいて、標準長さの印刷時には標準長さのイ
ンクリボン量を使用し、標準長さのｍ倍長さの印刷時に
は、前記インクリボンの送り速度を標準長さの印刷時の
リボン送り速度の１／ｍにして印刷し、標準長さのイン
クリボン量でｍ倍の長尺印刷を得ること、更には、
（２）前記（１）において、前記標準長さのインクリボ
ン量で標準長さのｍ倍の印刷を行う長尺印刷は、前記面
順次カラーマルチインクリボンの第１色を、１／ｍ送り
出すと同時に受像紙を標準長さの１画面分送り出して印
刷し、これをｍ回繰り返して前記面順次カラーマルチイ
ンクリボンの前記第１色を１画面分のｍ倍長さの受像紙
に印刷し、印刷完了後、次の第２色の印刷においては、
前記受像紙を最初の１画面目の先頭位置まで引き戻し、
前記第１色の印刷と同じ順序に従って第２色目を標準の
ｍ倍の長さ印刷を行い、この印刷を第３，第４の色に関
して順次繰り返し行うように、前記インクリボンと受像
紙の送りを制御すること、更には、（３）前記（１）又
は（２）において、標準長さのｍ倍長さの長尺印刷がで
きるカラープリンタの備える画像メモリーとして、３色
カラーリボンＹ，Ｍ，Ｃの場合は、３ｍ画面分のメモリ
ーより少なく、２ｍ＋１以上の画面メモリーを持ち、黒
色Ｂｋを加えた４色のカラーリボンの場合は、４ｍ画面
分のメモリーより少なく、３ｍ＋１以上の画面メモリー
を持つことを特徴としたものである。

【００１１】

【作用】サーマルプリンタで使用されるインクリボンを
面順次カラーマルチインクリボンとして選択することに
より、標準長さの印刷と、長尺印刷とを行うもので、標
準長さのカラー印刷を行う場合は、標準長さの一画面分
のインクリボン量を使用し、標準長さのｍ倍長さの長尺
印刷を行う場合、一画面分のインクリボンの各色毎にｍ
倍の受像紙画像を印刷して各色毎の画像を重ねる。

【００１２】

【実施例】

実施例１（請求項１，２に対応） 図１は、本発明の印刷制御方法を説明するためのサーマ
ルプリンタの具体例であり、図中、１は面順次カラーマ
ルチリボンロール（以後、単にリボンロールと呼ぶ）、
２は受像紙ロール、３はサーマルヘッド、４はプラテン
ローラであり、簡略化するため、他の構成要素の符号は
省いている。

【００１３】図１に示したサーマルプリンタは、本発明
の説明に必要なサーマルプリンタの主な構成要素である
リボンロール１，受像紙ロール２，サーマルヘッド３，
プラテンローラ４を備えている。リボンロール１と受像
紙ロール２とは、各々異なる駆動系（図示せず）をもっ
ており、制御手段（図示せず）により、各々目的に応じ
た速度で駆動される。

【００１４】リボンロール１の駆動により面順次カラー
マルチリボン１ａ（以降、単にカラーマルチリボンと呼
ぶ）が実線で示す矢印Ｒ方向に送り出され、同時に受像
紙ロール２からは受像紙２ａが実線で示す矢印Ｐ方向に
送り出される。カラーマルチリボン１ａと受像紙２ａと
はガイドローラに案内されて重ねられ、対向して設けら
れたサーマルヘッド３とプラテンローラ４との間に圧接
された状態で、画像信号に応じて加熱駆動されたサーマ
ルヘッド３の熱によってカラーマルチリボン１ａの染料
により印刷される。

【００１５】印刷された受像紙２ａは、送り出しローラ
により送り出され、カラーマルチリボン１ａは巻取りド
ラムに巻取られる。各色の重ね印刷時には印刷完了した
１画像分の受像紙２ａが点線で示す矢印（−Ｐ）方向に
戻される。次に、図１に示したサーマルプリンタによる
印刷制御方法を図２に基づき説明する。

【００１６】図２は、本発明によるサーマルプリンタの
印刷制御方法を説明するための図で、図２（ａ）は標準
長さの印刷の場合、図２（ｂ）はｍ倍長さの印刷の場合
におけるカラーマルチインクリボンと受像紙との関係を
示しており、説明の簡略化のため、マルチリボンの色の
種類を色の３原色Ｙ，Ｍ，Ｃとしている。

【００１７】図２（ａ）に示す標準長さの印刷を行う場
合は、受像紙２ａの１画面当りの長さＬに対し、カラー
マルチインクリボン１ａの１画面当りの長さＬをＮ（Ｎ
＝カラー数）等分，Ｙ，Ｍ，Ｃのカラーの場合は３等分
割している。このため、各カラー部の長さはＬ／３であ
る。もし、Ｂｋが加わった場合はＬ／４となる。

【００１８】（１）標準長さの印刷を行う場合（図２
（ａ）） まず、Ｌ／３の長さのＹカラー部のカラーマルチインク
リボン１ａで受像紙１画面の長さＬを印刷し、印刷完了
後、受像紙２ａを図１の点線矢標（−Ｐ）方向に１画面
分戻し、次のＬ／３長さのＭカラー部で１画面分印刷
し、次のＣカラー部においても、同様な方法で、同一画
面を印刷し、標準長さＬのカラー印刷が完了すると、同
様にして２画面、３画面と印刷する。

【００１９】（２）標準長さのｍ倍長さ（例えば、３倍
のパノラマ印刷）の印刷を行う場合（図２（ｂ）） カラーマルチインクリボン１ａの各カラー数の１画面分
の長さを１／ｍに等分割し（図示例の場合ｍ＝３）、最
初にＹカラー部の１／３の長さで受像紙２ａに１画面目
を印刷し、次の１／３で２画面目を印刷し、次の１／３
で３画面目を印刷する。これで、インクリボン１ａのＹ
カラーを３画面（３倍）に拡大して印刷したことにな
る。

【００２０】次いで、画像紙２ａを最初の位置（点線Ｈ
の位置）に戻し、Ｍカラーについて前記と同様にして３
画面印刷し、次いで、画像紙２ａを再度最初の位置に戻
してＣカラーについて３画面印刷する。これにより、図
２（ａ）の場合に比して、３倍に拡大したパノラマ印刷
を行うことができる。Ｂｋカラー部を有する場合にも、
同様にして更にＹ，Ｍ，Ｃと重ね印刷を行う。

【００２１】要するに、カラーマルチリボンは１画面分
しか使用しないが、受像紙は当然ｍ倍長さの受像紙が使
用される。このようなｍ倍長さの長尺印刷をパノラマ印
刷などと言い、ｍ数は２から５程度が一般的である。前
記説明から明かな様に、ｍ倍長さのパノラマ印刷をして
もインクリボンは１画面分しか使用しないからコスト的
に安上がりである。

【００２２】実施例２（請求項３に対応） また、長尺印刷ができるプリンタの画像メモリー（フレ
イムメモリー）についてであるが、一般にコンピュータ
からは１画面毎の各色Ｙ，Ｍ，Ｃのデータが送られてく
るから１画面分で３色、または、４色分の画面メモリー
が必要となる。しかし、１画面目を印刷完了すると、Ｙ
カラーメモリーによる印刷が完了しているので、次の２
画面目の画像メモリー用に使用できる。すなわち、３色
インクリボンの場合は、２画面目は最初の未印刷色Ｍ，
Ｃのメモリーと２画面目のＹ，Ｍ，Ｃの３画面併せて２
×２＋１＝５画面分のメモリーでよい。もし、ｍ画面分
なら２ｍ＋１画面分のメモリーでよいことになる。４色
リボンの場合は同様に考え、４ｍ＋１以上のメモリーが
あればよい。通常の場合は、当然リボンタイプに毎に、
３ｍまたは４ｍ画面分のメモリーが必要である。長尺印
刷をするプリンタでは、以上のような手段により、通常
より少なくてすむ画像メモリーを用いて長尺印刷ができ
る。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、下記の効果がある。 （１）請求項１,２に対応する効果 面順次カラーマルチリボンを用いてｍ倍長尺の印刷を行
う場合、１画面分のカラーマルチリボンの各色毎にｍ倍
長さの画像面に印刷したので、長尺印刷を行う時にイン
クリボンの使用量が少くてすみ、カラーマルチインクリ
ボンのコストが安くなる。更に、標準長さのカラー印刷
も可能としたので、応用範囲が広くなる。 （２）請求項３に対応する効果 長尺印刷するためには、１画面で各色の画像メモリを必
要とするが、本発明によると、Ｙカラーによる１画面目
の印刷が完了すると、この部分のメモリーを未印刷のメ
モリーとして利用できるようにしたので、長尺印刷を行
うプリンタの画像メモリーを通常より少くてすむので、
機械が安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の印刷制御方法を説明するためのサー
マルプリンタの具体例である。

【図２】 本発明によるサーマルプリンタの印刷制御方
法を説明するための図である。

【符号の説明】

１…面順次カラーマルチリボンロール、２…受像紙ロー
ル、３…サーマルヘッド、４…プラテンローラ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクリボンの色が少くとも色の３原
   色、Ｙ，Ｍ，Ｃをもつ面順次カラーマルチインクリボン
   と、サーマルヘッド等で構成され、画像信号に応じて加
   熱駆動した前記サーマルヘッドにより前記インクリボン
   を加熱して受像紙にカラー印刷するカラーサーマルプリ
   ンタにおいて、標準長さの印刷時には標準長さのインク
   リボン量を使用し、標準長さのｍ倍長さの印刷時には、
   前記インクリボンの送り速度を標準長さの印刷時のリボ
   ン送り速度の１／ｍにして印刷し、標準長さのインクリ
   ボン量でｍ倍の長尺印刷を得ることを特徴とするサーマ
   ルプリンタの印刷制御方法。
2. 【請求項２】 前記標準長さのインクリボン量で標準長
   さのｍ倍の印刷を行う長尺印刷は、前記面順次カラーマ
   ルチインクリボンの第１色を、１／ｍ送り出すと同時に
   受像紙を標準長さの１画面分送り出して印刷し、これを
   ｍ回繰り返して前記面順次カラーマルチインクリボンの
   前記第１色を１画面分のｍ倍長さの受像紙に印刷し、印
   刷完了後、次の第２色の印刷においては、前記受像紙を
   最初の１画面目の先頭位置まで引き戻し、前記第１色の
   印刷と同じ順序に従って第２色目を標準のｍ倍の長さ印
   刷を行い、この印刷を第３，第４の色に関して順次繰り
   返し行うように、前記インクリボンと受像紙の送りを制
   御することを特徴とする請求項１に記載のサーマルプリ
   ンタの印刷制御方法。
3. 【請求項３】 標準長さのｍ倍長さの長尺印刷ができる
   カラープリンタの備える画像メモリーとして、３色
   （Ｙ，Ｍ，Ｃ）カラーリボンの場合は、３ｍ画面分のメ
   モリーより少なく、２ｍ＋１以上の画面メモリーを持
   ち、黒色Ｂｋを加えた４色のカラーリボンの場合は、４
   ｍ画面分のメモリーより少なく、３ｍ＋１以上の画面メ
   モリーを持つことを特徴とする請求項１又は２に記載の
   サーマルプリンタの印刷制御方法。