JPH05316875A - ハタケシメジの栽培用培養基 - Google Patents

ハタケシメジの栽培用培養基

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JPH05316875A
JPH05316875A JP4133410A JP13341092A JPH05316875A JP H05316875 A JPH05316875 A JP H05316875A JP 4133410 A JP4133410 A JP 4133410A JP 13341092 A JP13341092 A JP 13341092A JP H05316875 A JPH05316875 A JP H05316875A
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JP
Japan
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culture medium
agar
cultivation
residue
mixture
Prior art date
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Pending
Application number
JP4133410A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hara
弘 原
Tsutomu Ota
勉 太田
Tazuko Suezaki
たづ子 末崎
Hisami Morikawa
久美 森川
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハタケシメジの菌糸の成長を良好にし、かつ
短期間で確実に子実体を収穫できるハタケシメジの栽培
用培養基を提供する。 【構成】 寒天残渣とバーク堆肥と米ヌカを主成分とし
て含む培養基を用いて、ハタケシメジを栽培する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハタケシメジの栽培用
培養基に関するものである。さらに詳しくは本発明は、
短期間で確実に収穫できるハタケシメジの栽培用培養基
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エノキタケあるいはヒラタケ
等のきのこを人工栽培する場合、培養基として、支持体
であるオガクズもしくはバーク堆肥に、米ヌカ、鶏糞、
腐葉土、灰等を混合し、水分を調整して作製したものが
使用されている。一般的には、このような培養基を栽培
びんあるいは栽培袋に充填し、加熱殺菌処理をした後、
これにきのこの種菌を接種して培養を行い、菌糸が培養
基全体に蔓延した時期に、温度と湿度をコントロールし
て子実体を発生させている。上記のような培養基を、容
量が1リットル程度の大きさの栽培びんあるいは栽培袋
に充填したものを用いてきのこを栽培する場合、エノキ
タケあるいはヒラタケ等の菌糸の成長の速いきのこで
は、種菌を接種してから菌糸が培養基全体に蔓延するま
でに1〜2ヶ月程度の短期間であり、特に問題はないも
のである。
【0003】しかしながら、ハタケシメジの場合、菌糸
の成長が遅く、菌糸が蔓延するまでに3〜4ヶ月要する
ため、この間に雑菌が繁殖してハタケシメジの菌糸の成
長が阻害され、その結果、子実体が得られなくなること
がある。この場合、培養基に加える栄養源の量を多くす
ればハタケシメジの菌糸の成長は良好となるが、それ以
上に雑菌もまた繁殖し易くなる。また、培養基の加熱殺
菌処理を強化することも試みられているが、必ずしも満
足すべき結果は得られていない。さらに、ハタケシメジ
の人工栽培においては、菌糸の成長が遅いことに起因し
て、子実体を収穫できるまでの期間が長いことが問題と
なっている。したがって、ハタケシメジの菌糸の成長を
速くすることができれば、培養中に雑菌に成長を阻害さ
れることがなくなり、短期間で確実にハタケシメジを収
穫することが可能となるため、ハタケシメジの菌糸の成
長を良好にする培養基が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の従来の培養基の有する問題点を改善し、ハタケシメジ
の菌糸の成長を良好にし、かつ短期間で確実に子実体を
収穫できるハタケシメジの栽培用培養基を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ハタケシ
メジの栽培用培養基について鋭意研究した結果、従来か
ら使用されているバーク堆肥と米ヌカとからなる培養基
に寒天残渣を混合した培養基を使用することにより、確
実に、短期間でハタケシメジを栽培できることを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明のハタケシメ
ジの栽培用培養基は、寒天残渣と、バーク堆肥と、米ヌ
カとを主成分として含むことを特徴とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0006】培養基 本発明のハタケシメジの栽培用培養基は、寒天残渣とバ
ーク堆肥と米ヌカとの混合物に適宜栄養源となる材料を
混合して用いることができるが、好ましくは、寒天残渣
とバーク堆肥を容積比1:1〜5:1の範囲で混合した
後、この混合物と米ヌカを容積比2:1〜5:1の範囲
で混合し、含水率を60〜70%に調整したものを用い
る。さらに、必要に応じてフスマ等の有機質成分、カル
シウム、カリウム等の無機質成分を配合したものを用い
ることができる。
【0007】寒天残渣 本発明で使用する寒天残渣は、主としてマクサ、オゴノ
リ、オバクサ、オオオゴノリ、イタニグサ等の海藻を原
料として寒天を製造する際に得られる熱水不溶物質と、
濾過助剤として用いるパーライト等の混合物であり、醗
酵分解したものあるいは未醗酵のものどちらかでもよ
い。なお、このように製造された寒天残渣のなかには、
「アガーポスト」と言う名称で商標登録されているもの
もある(平成2年商標登録願141952号)。寒天お
よび寒天残渣の詳しい製造工程は図1に示す。
【0008】バーク堆肥 本発明で使用するバーク堆肥は国産材の広葉樹の樹皮を
使ったものが主体であるが、一部エゾマツ、トドマツ、
米ツガ、北洋材のものもある。また、製造方法は各企業
によって違いはあるが、現在市販されているバーク堆肥
であれば特に問題はない。
【0009】栽培容器 栽培容器は、一般的にきのこの人工栽培に使用されてい
る栽培容器であればいずれも使用できる。通常、ポリプ
ロピレン製のビンまたは直方体型の袋で、容量800〜
1000mlのものを使用するのが好ましい。
【0010】加熱殺菌方法 加熱殺菌方法は、一般に行われているようにオートクレ
ーブにより行うことができる。通常120〜130℃の
温度で2〜3時間殺菌を行えばよいが、場合によって
は、一度加熱殺菌したのち一定時間経過させ、次いで再
度加熱殺菌する、いわゆる間欠殺菌により培養基の殺菌
を強化してもよい。
【0011】種菌の作製 種菌を作製するには、通常の方法を用いればよく、例え
ば人工栽培したハタケシメジあるいは野生のハタケシメ
ジを採集して組織の一部を切り取って組織培養し、さら
に継代培養を繰り返して得られる無菌菌糸をバーク堆肥
またはオガクズと米ヌカとを容積割合で2:1〜5:1
に混合し、水分を60〜70%に調整した培地に接種し
て、20〜25℃で約20日間培養することによって得
ることができる。なお、組織培養および継代培養に用い
られる培地は、一般に担子菌が成育する培地であればい
ずれも使用可能であり、例えば「菌類研究法」、(青島
清雄、椿啓介、三浦宏一;P398〜408,昭和58
年6月1日発行、共立出版)に記載されている培地はい
ずれも使用できるが、特に好ましい例は、表1または表
2に示す組成の培地である。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】栽培方法 本発明におけるハタケシメジの栽培は、通常以下の方法
で行われる。寒天残渣とバーク堆肥と米ヌカとを一定の
割合で配合した混合物を含む培養基を栽培ビンあるいは
栽培袋等の容器に充填し、加熱殺菌し、これを冷却した
のち、予め作製しておいた種菌を無菌的に接種する。そ
の後、栽培ビンで栽培する場合は、室温20〜25℃お
よび湿度60〜80%に調整した室内で30〜90日間
培養し、菌糸が培養基全体に蔓延した時期に菌掻を行う
とともに、栽培ビンの口部分の上端まで水を加えて1〜
5時間放置したのち、開口部を下にして余分な水を除去
する。次いで含水率を60〜70%に調整した寒天残渣
で開口部を厚さ1〜5cm程度の厚さに被覆し、室温1
0〜20℃、湿度90〜95%、照度50〜300ルッ
クスの条件に調整した室内で栽培を継続すると、30〜
60日目に子実体を採取することができる。
【0015】また、栽培袋で栽培する場合には、種菌を
接種したのちに室温20〜25℃、湿度60〜80%に
調節した室内で60〜90日間培養する。このようにし
て袋内に菌糸が蔓延した時期に袋の上部を開放し、含水
率を60〜70%に調整した寒天残渣で1〜5cm程度
の厚さに被覆し、室温10〜20℃、湿度90〜95
%、照度50〜300ルックスの条件に調整した室内で
栽培を継続すると、30〜40日には子実体の収穫が可
能になる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。
【0017】実施例1 寒天残渣とバーク堆肥を容積比で1:1の割合で混合し
たものを用意し、次いでこの混合物と米ヌカを容積比で
3:1の割合で混合し、含水率を58%に調整した培養
基を850ml容のポリプロピレン製栽培ビンに約56
0g充填した。次いで、ビンの内部全体に空気を補給
し、菌糸の成育を良好にするために、ビンの口部分から
底部近くに達するまで、培養基の中央に直径10mmの
大きさの穴をあけたのち、このビンを120℃で3時間
オートクレーブして殺菌した。
【0018】培養基の温度が25℃以下になるまで放冷
した後、クリーンベンチ内で種菌を15g接種して、室
温23℃、湿度70%に調製した室内で60日間培養し
た。これによって、菌糸が栽培ビンの中に充分蔓延し、
さらに容器内の培養基の空隙に水滴が見られるようにな
り、菌糸が完熟した。この時点で菌掻を行い、さらに水
分補給のため水40mlを加え2時間放置したのち、開
口部を下にして余分な水を除去した。次いで、含水率6
5%の寒天残渣で開口部を厚さ2cmの厚さに被覆し、
室温17℃、湿度95%、照度80ルックスに調節した
室内で栽培を継続した。この結果、寒天残渣で被覆して
から30日目に栽培ビン当たり120gのハタケシメジ
の子実体が採取された。
【0019】実施例2 実施例1と同様にして調製した培養基を栽培袋に800
g充填し、120℃で3時間オートクレーブにて殺菌し
た。培養基の温度が25℃以下になるまで放冷したの
ち、クリーンベンチ内で種菌を15g接種して、室温2
3℃、湿度70%に調整した室内で60日間培養した。
次いで、袋の上部を切り開いて含水率65%の寒天残渣
で開口部を2cmの厚さに被覆し、室内温度17℃、湿
度95%、照度80ルックスの条件で栽培を継続した。
この結果、寒天残渣で被覆してから30日目に150g
のハタケシメジの子実体が採取された。
【0020】実施例3 実施例2と同様にして培養を行い、培養基全体に菌糸が
充分蔓延した状態の横10cm×縦5cm×高さ10c
mの大きさの菌床を作製した。次いで、横60cm×縦
20cm×深さ18cmのバット状容器の内底に含水率
65%の寒天残渣を3cmの厚さに敷いて、そこに袋を
除去した菌床を4個置いた。さらにこの上に含水率65
%の寒天残渣を菌床上面から3cmの厚さまで被覆し、
室温17℃、湿度95%、照度80ルックスに調節した
室内で栽培を継続し、適時霧吹きで給水した。この結
果、寒天残渣で被覆してから30日目に500gのハタ
ケシメジの子実体が採取された。
【0021】比較例1 バーク堆肥と米ヌカを容積比で3:1の割合で混合した
培養基を用いた以外は、実施例1と同様にしてハタケシ
メジの栽培を行った。その結果、菌糸が培養ビンの中に
充分蔓延するまでに90日間を要し、また寒天残渣で被
覆してから40日目に栽培ビン当り100gの子実体が
採取された。なお、栽培ビン20本を供試したが、その
内8本は雑菌に侵されたため栽培を中止した。
【0022】比較例2 比較例1と同様の培養基を用いた以外は、実施例2と同
様にしてハタケシメジの栽培を行った。その結果、菌糸
が袋全体に充分蔓延するまでに90日間を要し、また寒
天残渣で被覆してから40日目に120gの子実体が採
取された。なお、栽培袋20袋を供試したが、その内1
0袋は雑菌に侵されたため栽培を中止した。
【0023】
【発明の効果】本発明の培養基を用いることにより、ハ
タケシメジを短期間で確実に収穫できるようになり、産
業上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】寒天および寒天残渣の製造工程を示す工程説明
図である。
フロントページの続き (72)発明者 森川 久美 三重県亀山市能褒野町24−9 王子製紙株 式会社林木育種研究所亀山研究室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 寒天残渣と、バーク堆肥と、米ヌカとを
    主成分として含むハタケシメジの栽培用培養基。
JP4133410A 1992-05-26 1992-05-26 ハタケシメジの栽培用培養基 Pending JPH05316875A (ja)

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JP4133410A JPH05316875A (ja) 1992-05-26 1992-05-26 ハタケシメジの栽培用培養基

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JPH05316875A true JPH05316875A (ja) 1993-12-03

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