JPH05311572A

JPH05311572A - 吸水性クロス

Info

Publication number: JPH05311572A
Application number: JP4110115A
Authority: JP
Inventors: Akira Watanabe; 明渡邊; Mitsuo Fujisawa; 光男藤沢
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-04-28
Filing date: 1992-04-28
Publication date: 1993-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】ほつれ止め加工に工数が掛からず、使い勝手
を向上させ得ると共に、装飾性に優れた吸水性クロスを
提供する。【構成】周縁部に熱溶融性繊維を混紡した織布の外周
囲３，５を、超音波加工装置により所定の形状に溶断し
たので、ほつれ止め加工が容易で、周縁部がかさばら
ず、使い勝手が向上する。また、織布を溶断するととも
に凹状の模様部４を形成したので、模様部４の形状をか
えることにより意匠の多様性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外周囲を超音波加工装
置により所定の形状に溶断した吸水性クロスに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の吸水性クロス例えばタオルにおい
ては、吸水性を確保するという理由から木綿等を使用し
ているため、そのほつれ止めとして、側縁部及び端縁部
を折り返し、この折り返し部を縫製している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したほつれ止め
は、縫製加工に手間がかかるばかりでなく、折り返し部
分がかさばり、使い勝手が悪くなるという問題点を有す
る。また、この折り返し部分には特に新しい装飾を施す
ことができず、吸水性クロスの装飾の限界となってい
た。本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その
目的は、ほつれ止め加工に工数が掛からず、使い勝手を
向上させ得ると共に、装飾性に優れた吸水性クロスを提
供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の吸水性ク
ロスは、周縁部に熱溶融性繊維を混紡した織布の外周囲
を、超音波加工装置により所定の形状に溶断したところ
に特徴を有する。請求項２の吸水性クロスは、織布を溶
断するとともに凹状の模様部を形成したところに特徴を
有する。請求項３の吸水性クロスは、織布の所定部分に
熱溶融性繊維を混紡すると共に当該所定部分を超音波加
工装置により溶断して模様孔部を形成したところに特徴
を有する。

【０００５】

【作用】本発明の吸水性クロスは、周縁部に熱溶融性繊
維を混紡した織布の外周囲を、超音波加工装置により所
定の形状に溶断したので、ほつれ止め加工が容易で、周
縁部がかさばらず、使い勝手が向上する。また、織布を
溶断するとともに凹状の模様部や模様孔部を形成したの
で、これらの形状をかえることにより意匠の多様性を得
ることができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明をタオルに適用した第１の実施
例につき図１乃至図８参照して説明する。まず、図２に
おいて、織布１は、範囲Ａ及びＢ部分の縦糸は、熱溶融
性繊維例えば化学繊維が用いられ、範囲Ｃの部分には天
然繊維例えば木綿が使用されている。また、範囲Ｄ及び
Ｅ部分の横糸は、熱溶融性繊維例えば化学繊維が用いら
れ、範囲Ｃの部分には天然繊維例えば木綿が使用されて
いる。そして、縦糸、横糸が共に木綿で構成される部分
（範囲Ｃ，Ｆで囲まれる部分）は、片面或いは両面にパ
イル加工が施されて表面にループが形成されており、吸
水性に富んでいる。

【０００７】図１に示すように、吸水性クロスとしての
タオル２は、織布１の外周囲としての側縁部３を超音波
加工装置により波形に溶断してほつれ止めを行い、近傍
に凹状の模様部４が形成されている（断面形状を図３に
示す）。さらに、外周囲としての端縁部５も同じく超音
波加工装置により波状に溶断され、この端縁部５に模様
孔部６が形成されている（断面形状を図４に示す）。

【０００８】この溶断及び溶着は、本発明者が先の出願
（特公平３−４２３４４号）において提案した「シート
材の超音波加工装置２０」或いは先の出願（特開平２−
６１１７１号公報）において提案した「縁飾り加工装置
３０」によって行なわれる。

【０００９】まず、「シート材の超音波加工装置２０」
を用いた場合について説明する。図５及び図６におい
て、側縁部３及び端縁部５を形成するために設けられた
鋭利な刃先を有する溶断刃２２と、凹状の模様部４を形
成するために設けられた平坦な刃先を有する溶着刃２３
とを備えた板状の型材２１に、被加工物たる織布１を載
置し、その上方から織布１に当接する超音波ホーン２４
を設け、この超音波ホーン２４に超音波振動を加えつ
つ、型材２１及び織布１を移動させることにより側縁部
３及び端縁部５を溶断し且つほつれ止めをするとともに
凹状の模様部４或いは模様孔部６を形成するれば、タオ
ル２が製作される。

【００１０】つぎに、「縁飾り加工装置３０」を用いた
場合について説明する。図７において、波状に形成され
た鋭利な刃先を有する溶断刃３２（断面形状を図８に示
す）と、その近傍に点状に設けられた平坦な刃先を有す
る溶着刃３３とを備えた加工ロール３１と、超音波ホー
ン３４とで、被加工材たる織布１を挟持し、超音波ホー
ン３４に超音波振動を加えつつ、加工ロール３１を回転
させることにより側縁部３及び端縁部５を溶断し且つほ
つれ止めするとともに凹状の模様部４或いは模様孔部６
を形成すれば、タオル２が製作される。

【００１１】ここで、側縁部３及び端縁部５の溶断及び
ほつれ止め加工と、凹状の模様部４及び模様孔部６の形
成は、超音波振動による熱溶融により行われるが、前述
の「シート材の超音波加工装置２０」及び「縁飾り加工
装置３０」は、超音波ホーン２４，３４に加える振動数
を変えることにより溶融温度を容易に変更することが可
能であるため、被加工物の材質に応じて最適の溶融温度
を得ることができる。また、織布１の化学繊維の混紡率
に応じて、溶断刃２２，２３の断面形状を鋭利にし、織
布１に対する溶断刃２２，２３の圧接力（単位面積当り
の圧力）を高めることにより、溶断を容易にすることが
できる。従って、加熱刃物等により溶断・溶着するのに
比較して、被加工物が溶融されすぎたり、焦げ付いたり
することがない。

【００１２】このような第１の実施例によれば、側縁部
３及び端縁部５の溶断と同時に切口に完全なほつれ止め
加工が施されるので、ほつれが発生することがなく且つ
切口がかさばらなず、使い勝手が向上し、さらに溶断刃
の形状をスカラ状やレース状にすることにより切口の装
飾性を高めることができる。しかも、タオル２の中央部
分は、縦糸、横糸に木綿を使用し、さらに、パイル加工
を施しているので、吸水性を確保できる。また、溶断と
同時に模様部４及び模様孔部６を形成したので、ほつれ
止めを確実なものとなし得、さらに模様部４及び模様孔
部６の形状をかえることにより意匠の多様性を得ること
ができる。

【００１３】図９乃至図１１は、本発明の第２の実施例
をしめすもので、本発明との相違は、織布７は、図９に
示す範囲Ｇの縦糸に化学繊維を混紡している。吸水性ク
ロスとしてのタオル８は、織布７の側縁部３を超音波加
工装置により波形に溶断してほつれ止めを行い、近傍に
凹状の模様部４を形成するとともに、範囲Ｇに花弁状の
模様部９及び模様孔部１０を形成している。また、端縁
部１１は、鋏等で切断し或いは溶断し、この端縁部１１
を、折り返し部１２の内側に収納し、折り返し部１２と
基部７ａを貫通して模様孔部１３を形成したものであ
る。この場合、ほつれ止めが完全なものとなるため、タ
オル等、頻繁に洗濯等される吸水性クロスに効果的であ
る。

【００１４】尚、本発明は、上記し且つ図面に示す実施
例にのみ限定されるものでなく、模様部４及び模様孔部
６は、意匠上の要求により適宜選択すればよく、また、
織布７に形成した化学繊維の混紡の範囲Ｇは、縦糸に限
らず横糸に形成し、ここに模様部９及び模様孔部１０を
形成しても良く、更に、吸水性クロスは、タオルに限ら
ず、ランチョンマット、コースター、ハンカチ等に応用
できる等、要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能で
ある。

【００１５】

【発明の効果】請求項１の吸水性クロスは、周縁部に熱
溶融性繊維を混紡した織布の外周囲を、超音波加工装置
により所定の形状に溶断したので、吸水性を確保した上
で、ほつれ止め加工を簡単になし得て、周縁部がかさば
らず、使い勝手を向上させ得ると共に装飾性に優れると
いう効果を奏する。請求項２の吸水性クロスは、織布を
溶断するとともに凹状の模様部を形成したので、ほつれ
止めの効果を一層確実になし得、模様部の形状をかえる
ことにより意匠の多様性を得るという効果を奏する。請
求項３の吸水性クロスは、所望の位置に模様部及び模様
孔部を形成できるので、一層装飾効果を高め得るという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のタオルの平面図であ
る。

【図２】織布の平面図である。

【図３】図１中III-III線に沿う拡大断面図である。

【図４】図１中IV-IV線に沿う拡大断面図である。

【図５】シート材の超音波加工装置の一例を示す斜視図
である。

【図６】図５における超音波ホーン近傍の部分拡大端面
図である。

【図７】縁飾り加工装置の加工ロール近傍の正面図であ
る。

【図８】図７における溶断刃の断面図である。

【図９】本発明の第２の実施例の織布の平面図である。

【図１０】本発明の第２の実施例のタオルの平面図であ
る。

【図１１】図１０におけるXI-XI線に沿う拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１織布２タオル（吸水性クロス）３側縁部（外周囲）４模様部５端縁部（外周囲）６模様孔部７織布８タオル（吸水性クロス）９模様部１０模様孔部１１端縁部（外周囲）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】周縁部に熱溶融性繊維を混紡した織布の
外周囲を、超音波加工装置により所定の形状に溶断して
なることを特徴とする吸水性クロス。
【請求項２】前記織布を溶断するとともに凹状の模様
部を形成してなることを特徴とする請求項１記載の吸水
性クロス。
【請求項３】前記織布の所定部分に熱溶融性繊維を混
紡すると共に当該所定部分を超音波加工装置により溶断
して模様孔部を形成してなることを特徴とする請求項１
又は２記載の吸水性クロス。