JPH05308783A - 静電アクチュエータの駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータの駆動方法

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JPH05308783A
JPH05308783A JP13638192A JP13638192A JPH05308783A JP H05308783 A JPH05308783 A JP H05308783A JP 13638192 A JP13638192 A JP 13638192A JP 13638192 A JP13638192 A JP 13638192A JP H05308783 A JPH05308783 A JP H05308783A
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voltage
mover
stator
electrostatic actuator
positive
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JP13638192A
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Shinji Konno
信次 今野
Tomio Aida
富男 合田
Etsuo Hatabe
悦生 畑部
Yoshihiro Nagata
良浩 永田
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Mitsubishi Kasei Corp
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】移動子の移動前の待機時には当該移動子が固定
子に十分に吸引保持され、かつ、待機から移動に切り替
えた際には直ちに上記の移動子が移動し得るように改良
された静電アクチュエータの駆動方法を提供する。 【構成】絶縁性支持体1に3n(nは整数)相構造の電
極を所定間隔で並べた固定子3と絶縁性薄葉体4に正負
の電荷を付与した移動子6とが接するように配置されて
成る静電アクチュエータにおいて、電極に印加する電圧
パターンを切り替えて固定子3と移動子6との間に静電
気を生じさせ、当該静電気の作用によって移動子の移動
を行うに際し、当該移動子の移動前において、3相の各
相の電極に正負の積算電荷量が0.1Q−<Q+<10
Q−(Q−は負の電圧の積算量、Q+は正の電圧の積算
量)の条件を満足する交流波形の電圧を印加する。この
ような電圧としては、例えば、図1に示すパターンの電
圧が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータの
駆動方法に関するものであり、詳しくは、固定子と移動
子とから成る静電アクチュエータにおいて、移動子の移
動前の待機時には当該移動子が固定子に十分に吸引保持
され、かつ、待機から移動に切り替えた際には直ちに上
記の移動子が移動し得るように改良された静電アクチュ
エータの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電アクチュエータは、絶縁性支持体に
電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フイルムのよう
な絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成り、
当該固定子と当該移動子とが接するように配置されて構
成される。そして、静電気の作用により、移動子を瞬間
的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるものであ
る(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−19
1,日経メカニカル1989.5.29,112〜11
3ページ等)。
【0003】静電アクチュエータは、電極やギャップの
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
【0004】図1(a)〜(d)は、移動子を絶縁性フ
イルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フイルム
アクチュエータ)の駆動原理の説明図であり、図中、
(1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)は固
定子、(4)は絶縁性フイルム、(5)は抵抗体層、
(6)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。
【0005】先ず、図1(a)に示すように、電線
(7)に正、電線(8)に負の電圧を印加する。これに
より、電線(7)に接続した電極に存する電荷と電線
(8)に接続した電極に存する電荷の電位差により、
抵抗体層(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フ
イルム(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導され
て平衡状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図1
(b)の点線で示した鏡像電荷、で置き換えること
が出来る。そして、この電荷、の極性は、それぞれ
電荷、の極性と異なるので、図1(b)の状態では
移動子(6)は固定子(3)に吸引されている。
【0006】次に、図1(c)に示すように、電線
(7)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を
印加する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動で
きるが、移動子(6)の誘導電荷は、抵抗体層(5)の
抵抗値が高いために直ぐには移動できない。その結果、
移動子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生す
る。反発力が発生することにより、固定子(3)と移動
子(6)の間の摩擦が減少し、電線(9)に電圧を印加
した結果生じる負の電荷と正の誘導電荷(鏡像電荷で
言えば)の吸引力によって、移動子(6)には右方向
の駆動力が発生する。
【0007】図1(d)は、上記の駆動力により、移動
子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を示し
ている。移動子(6)を左方向に移動させる場合には、
電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、上記
の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パターン
(図1(c)に示すパターン)は、図1(a)に示す状
態とは逆符号の電圧を電線(7)、(8)に印加するも
のであるから、図1(c)における誘導電荷(鏡像電荷
で言えば、及び)は減衰することになる。
【0008】従って、移動子(6)を右方向に電極1ピ
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す必要があり、例えば、以下の[表1]に例
示するようなパターンの電圧を繰り返し印加することが
必要である。[表1]に例示した電圧パターンは、1サ
イクルの電圧パターンであり、(G)は電圧を印加して
ない状態を示し、(C1 )〜(C2 )及び(A1 )〜
(A3)は、それぞれ、電荷充電操作、移動操作を示
し、(C1 )は図1(a)に示す状態、(A1 )は図1
(c)に示す状態である。
【0009】
【表1】 1 1 2 2 3 3 (1サイクル) 電線(7) + − G − − + (8) − + + − G − (9) G − − + + −
【0010】そして、駆動電圧のパターンは、例えば、
3相構造の電極の場合は、[表1]に例示するように、
アース状態を適宜のタイミングで設けて電荷充電操作と
移動操作とを繰り返し得るパターンであれば、各種のパ
ターンを採用することが出来、例えば、[表1]に例示
するパターンにおいて、(C2 )と(C 3)とを省略し
たパターンを採用することも出来る。また、スローアッ
プやスローダウンのように、移動子(6)の移動速度を
台形的に制御するならば、駆動初期および停止動作時に
ける脱調子現象を防止して移動子(6)を安定して移動
させることが出来る。斯かる変形パターンは、例えば、
ステッピングモータの駆動用ICを利用して容易に達成
することが出来る。
【0011】静電アクチュエータを電極1ピッチ毎に安
定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗体層
(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015Ω/□の
範囲でなければならないとされている。その理由は、次
の通りである。すなわち、移動子(6)の表面固有抵抗
が大きい場合には電荷充電に比較的長い時間を要し、小
さい場合には誘導された電荷が瞬時に減衰する。ところ
が、図1に示した静電アクチュエータの場合には、移動
子を構成する絶縁性フイルムの抵抗値が大き過ぎるため
に、上記のような抵抗体層を当該絶縁性フイルムに設け
て僅かな導電性を付与する必要がある。なお、当然では
あるが、図1に示した公知の静電アクチュエータにおい
て、絶縁性フイルム(4)の代わりに、これと同程度の
抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用してもよい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、静電アクチ
ュエータは未だ研究段階にあり、実用化のためには駆動
方法を含めた検討が必要であるが、移動子の移動前の待
機時間が長い場合(例えば約10分以上の場合)は、十
分な駆動力を発生し得ないと言う問題が見出された。す
なわち、移動子の移動前の待機時間が長い場合とは、
[表1]に示した電圧パターンにおいては、電荷充電操
作の状態、例えば、(C1 )の状態(図1(a)に示す
状態)で長時間放置した場合に該当し、このような場合
は、次の移動操作(A1 )に示す電圧パターンに切り替
えても十分な駆動力が得られない。上記の原因は、(C
1 )の状態で長時間放置することにより、絶縁性支持体
(1)の表面付近に電荷が誘導されて導電層が形成さ
れ、移動子(6)の絶縁性フイルム(4)と抵抗体層
(5)の境界に誘導された電荷(図1(b)の点線で示
した鏡像電荷)が上記の導電層に拡散して減衰するため
と考えられる。
【0013】そして、実際問題として、移動子の移動前
の待機時間を全く採り得ないとした場合、静電アクチュ
エータを各種の駆動装置へ応用する際に極めて不都合で
ある。しかも、移動子を固定子に対して傾斜させた状態
で載置する必要がある場合は、移動子は移動前に固定子
に吸引保持されなければならないが、斯かる態様への静
電アクチュエータの応用は困難である。本発明は、上記
実情に鑑みなされたものであり、その目的は、移動子の
移動前の待機時には当該移動子が固定子に十分に吸引保
持され、かつ、待機から移動に切り替えた際には直ちに
上記の移動子が移動し得るように改良された静電アクチ
ュエータの駆動方法を提供することにある。
【0014】すなわち、本発明の要旨は、絶縁性支持体
に電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性薄葉体に正負
の電荷を付与した移動子とが接するように配置されて成
る静電アクチュエータにおいて、電極に印加する電圧パ
ターンを切り替えて固定子と移動子との間に静電気を生
じさせ、当該静電気の作用によって移動子の移動を行う
に際し、当該移動子の移動前において、3相の各相の電
極に正負の積算電荷量が0.1Q−<Q+<10Q−
(Q−は負の電圧の積算量、Q+は正の電圧の積算量)
の条件を満足する交流波形の電圧を印加することを特徴
とする静電アクチュエータの駆動方法に存する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
静電アクチュエータの基本的構成は、図1において、移
動子(6)の構成材料が絶縁性フイルムに限定されず、
また、移動子の構成がこれに抵抗体層を設けたものに限
定されない点を除き、同図に示した公知の静電アクチュ
エータと同じである。従って、以下の説明においては、
便宜上、図1中の(4)を絶縁性薄葉体として図1を参
照する。本発明静電アクチュエータは、絶縁性支持体
(1)に電極(2)を所定間隔で並べた固定子(3)と
絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与した移動子
(6)から成る。
【0016】先ず、固定子(3)について説明する。固
定子(3)を構成する絶縁性支持体(1)は、絶縁性材
料より成るフイルムやシート等より構成される。絶縁性
材料としては、特に制限はなく、絶縁性の良好な各種の
合成樹脂、セラミックス、ガラス等を使用することが出
来る。そして、絶縁性樹脂の具体例としては、エポキシ
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
好ましい絶縁性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂である。
【0017】絶縁性支持体(1)に設けられる電極
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けて
も、または、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けて
もよい。そして、電極の絶縁性を向上させるためには、
塗布等の方法により電極表面に絶縁層を形成し、絶縁性
支持体(1)と絶縁層との間に電極(2)を埋設するの
がよい。また、電極(2)の間隔は、特に限定されるも
のではないが、通常0.1〜2mmであり、静電アクチ
ュエータの発生力、駆動電圧等の駆動性能を向上させる
ためには電極間隔の微細化が望ましい。そして、電極
(2)としては、通常、帯状電極が採用されるが、ドッ
ト型電極であってもよい。また、電極(2)の構造は、
通常、3相構造が基本的であるが、これに限られず、3
n(nは整数)構造であってもよい。また、電極(2)
の形成方法は、特に制限されないが、スクリーン印刷方
法が安価で好ましい。この場合、電極材料としての導電
性インクは、スクリーンメッシュに合わように適宜の粘
度に調整されて使用される。
【0018】次に、移動子(6)について説明する。移
動子(6)を構成する絶縁性薄葉体(4)は、好適に
は、固定子(3)を構成する前記の絶縁性樹脂と同様の
合成樹脂より構成されるが、斯かる合成樹脂と同程度の
抵抗値を有するガラス又はセラミックスにて構成するこ
とも出来る。そして、絶縁性薄葉体(4)を絶縁性フイ
ルムで構成する場合、特に好ましいフイルムは、密度、
曲げ弾性率、耐皺性等の点からポリエチレンテレフタレ
ートフイルムである。
【0019】絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与す
る方法は、図1に示した公知の静電フイルムアクチュエ
ータと同様に、絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を
設ける方法が挙げられる。具体的には、例えば、絶縁性
薄葉体(4)の表面に帯電防止効果の弱い帯電防止剤を
塗布する方法等を使用し得る。この場合、抵抗体層
(5)の表面固有抵抗率は1012〜1015Ω/□の範
囲、好ましくは1014Ω/□前後にすることが必要であ
る。そして、抵抗体層(5)設ける方向は、移動子
(6)の固定子(3)と接する面または他方の面の何れ
であってもよいが、後者の面上が好ましい。
【0020】また、絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を
付与する方法は、上記の方法に限られず、当業者にとっ
て自明の各種の他の方法を採用し得る。例えば、絶縁性
薄葉体(4)を絶縁性フイルムで構成する場合には、カ
ーボンブラック等の導電性物質を練り込んで絶縁性薄葉
体(4)自体を上記と同様の抵抗率を有する抵抗体とす
る方法、イオン発生装置を利用する方法、絶縁性薄葉体
(4)にエレクトレット材料を利用する方法等が挙げら
れる。
【0021】イオン発生装置を利用する方法は、固定子
(3)に接して絶縁性薄葉体(4)を配置し、電線
(7)、電線(8)に正負の電圧を印加して電荷を誘導
した後、除電器として知られているイオン発生装置(針
電極に交流電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、生じ
た正負のイオン風を送風機にて帯電物体に当てるように
なされた装置)からのイオン風を絶縁性薄葉体(4)の
表面に当てる方法であって、絶縁性薄葉体(4)の表面
に形成されたイオン化空気層を鏡像電荷及びの代わ
りに利用する方法である。そして、イオン発生装置とし
ては、「静電気ハンドブック」(静電気学会偏、オーム
社出版、第1版819頁以降)に記載の各種の除電器を
使用することが出来る。
【0022】絶縁性薄葉体(4)の厚さは、当該絶縁性
薄葉体に電荷を付与する方法によって静電アクチュエー
タの発生力が異なるために一概には決定できないが、通
常は10μm以上とされる。そして、電荷を付与する方
法として絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)を設ける
方法を採用した場合には、10〜200μmの範囲とす
るのが好ましい。また、電荷の付与が何れの方法で行わ
れる場合においても、絶縁性薄葉体(4)の厚さは、絶
縁性支持体(1)に並べた帯状電極(2)の間隔をPと
し、帯状電極(2)の表面と絶縁性薄葉体(4)と抵抗
体層(5)(絶縁性薄葉体(4)に帯状電極を設けた場
合は当該帯状電極、イオン化空気層を形成した場合はそ
れ自体)との境界面との距離をGとした場合、0.1<
G/P<0.4の関係を満足する範囲とするのが好まし
い。
【0023】本発明の駆動方法は、上記のように固定子
と移動子とから成る静電アクチュエータにおいて、電極
に印加する電圧パターンを切り替えて固定子と移動子と
の間に静電気を生じさせ、当該静電気の作用によって移
動子の移動を行うに際し、当該移動子の移動前におい
て、3相の各相の電極に正負の積算電荷量が0.1Q−
<Q+<10Q−(Q−は負の電圧の積算量、Q+は正
の電圧の積算量)の条件を満足する交流波形の電圧を印
加することを特徴とする。
【0024】上記の条件を満足する電圧の印加によれ
ば、移動子(6)は、例えば、電極の微少ステップ内に
おいて左右または前後に移動し又は上下に微少移動す
る。その結果、絶縁性支持体(1)の表面付近に電荷が
誘導されるのが防止され、しかも、最初の移動操作に必
要な電荷が充電される。電極の微少ステップは、電極ピ
ッチ等によっても異なるが、通常は10ピッチ以下、好
ましくは数ピッチ以下とされる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を参照し
て更に詳しく説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、
以下の諸例においては、次の構成の静電アクチュエータ
を用いた。
【0026】(1)固定子 厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
の表面に幅が0.2mmでピッチが0.4mmの帯状電
極を形成し、当該帯状電極の表面に熱硬化型のポリエス
テル樹脂より成る厚さ45μmの絶縁層設け、図1に示
す3相電極構造の固定子を構成した。 (2)移動子 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
(ダイアホイルヘキスト(株)製、商品名「Sタイ
プ」)の片面に効果の弱い帯電防止剤をスプレー塗布す
ることにより抵抗体層を設けて移動子(10cm×10
cm)を構成した。表面固有抵抗率は1×1014Ω/□
であった。 (3)静電アクチュエータ 固定子と移動子とを接するように配置して静電アクチュ
エータを構成した。固定子と移動子の配置は、固定子の
絶縁層側と移動子の抵抗体層を設けていない側とが接す
るように行い、また、固定子と移動子の間には、移動子
の摺動性能を高めるために粒径約10μmの球状ガラス
ビーズ(東芝バロティニー社製、商品名「GB731
M」)を散在させた。
【0027】
【比較例1】固定子の電線(7)に+600v、電線
(8)に−600vの電圧を印加した状態で静電アクチ
ュエータで保持した。そして、フォースゲージ(シンポ
工業(株)製、商品名「DFG−0.2K」)により、
移動子を引っ張って固定子の吸引力の経時変化を測定し
た。電圧印加後、最初の1〜2分間は、固定子は移動子
を強力に吸引したが、約10分経過後に固定子の吸引力
は次第に弱まり、約30分経過後には殆どなくなった。
吸引力の測定結果は、[表2]に示す通りであった。
【0028】
【表2】
【0029】実施例1 固定子の電線(7)〜(8)に図2に示す波形パターン
の交流電圧(600v)を印加した状態で静電アクチュ
エータを30分間保持した。移動子は、電極の1ピッチ
毎に左右に移動し続けた。なお、図2に示す波形パター
ンにおいて、電荷充電操作は18ms、移動操作は12
msとなる。その後、図1(a)〜図1(d)に示す要
領に従って、以下の[表3]に示す条件で駆動を開始し
たところ、移動子は直ちに移動を開始し、引続き円滑に
移動した。駆動は20cm間の往復運動とした。
【0030】
【表3】 <駆動条件> 充電時間 :27ms 移動時間 :3ms 駆動周波数 :33Hz 駆動電圧 :±600v
【0031】実施例2 固定子の電線(7)〜(8)に図3に示す波形パターン
の交流電圧(600v)を印加した状態で静電アクチュ
エータを30分間保持した。移動子は、600msサイ
クルで上下動し続けた。その後、実施例1と同様の条件
で駆動を開始したところ、移動子は直ちに移動を開始
し、引続き円滑に移動した。
【0032】比較例2 実施例1において、図2に示す波形パターンを以下の
[表4]に示すパターンに変更して電荷充電操作を28
ms、移動操作を2msとし、静電アクチュエータを3
0分間保持した。
【0033】
【表4】 電線(7):Q+/Q−=30/2 電線(8):Q+/Q−=1/1 電線(9):Q+/Q−=2/30
【0034】移動子は、最初の数分間、電極の1ピッチ
毎に左右に移動し続けたが、約20分経過は移動が不調
となり、約30分経過は全く移動しなくった。その後、
実施例1と同様の条件で駆動を開始したところ、移動子
は直ちに移動しなかった。
【0035】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、移動子の
移動前の待機時には当該移動子が固定子に十分に吸引保
持され、かつ、待機から移動に切り替えた際には直ちに
上記の移動子が移動し得るように改良された静電アクチ
ュエータの駆動方法が提供される。そして、本発明の駆
動方法によれば、静電アクチュエータの各種の応用が実
現出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(d)は、静電アクチュエータの
駆動原理の説明図である。
【図2】本発明の駆動方法に適用される電圧パターンの
1例を示す説明図である。
【図3】本発明の駆動方法に適用される電圧パターンの
他の1例を示す説明図である。
【符号の説明】
(1):絶縁性支持体 (2):帯状電極 (3):固定子 (4):絶縁性フイルム又は絶縁性薄葉体 (5):抵抗体層 (6):移動子 (7)〜(9):電線
フロントページの続き (72)発明者 畑部 悦生 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 永田 良浩 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性支持体に3n(nは整数)相構造
    の電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性薄葉体に正負
    の電荷を付与した移動子とが接するように配置されて成
    る静電アクチュエータにおいて、電極に印加する電圧パ
    ターンを切り替えて固定子と移動子との間に静電気を生
    じさせ、当該静電気の作用によって移動子の移動を行う
    に際し、当該移動子の移動前において、3相の各相の電
    極に正負の積算電荷量が0.1Q−<Q+<10Q−
    (Q−は負の電圧の積算量、Q+は正の電圧の積算量)
    の条件を満足する交流波形の電圧を印加することを特徴
    とする静電アクチュエータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 交流波形の電圧が、電極の微少ステップ
    内において移動子を左右または前後に移動し得る電圧で
    ある請求項1に記載の静電アクチュエータの駆動方法。
  3. 【請求項3】 交流波形の電圧が、移動子を上下に微少
    移動し得る電圧である請求項1に記載の静電アクチュエ
    ータの駆動方法。
JP13638192A 1992-04-28 1992-04-28 静電アクチュエータの駆動方法 Pending JPH05308783A (ja)

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JP (1) JPH05308783A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08186987A (ja) * 1994-12-29 1996-07-16 Asmo Co Ltd 静電アクチュエータ
CN111366451A (zh) * 2018-12-26 2020-07-03 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种动态机械加载纳米材料的原位表征装置及方法

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