JPH06335264A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH06335264A
JPH06335264A JP11471993A JP11471993A JPH06335264A JP H06335264 A JPH06335264 A JP H06335264A JP 11471993 A JP11471993 A JP 11471993A JP 11471993 A JP11471993 A JP 11471993A JP H06335264 A JPH06335264 A JP H06335264A
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JP
Japan
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stator
stators
electrostatic actuator
mover
electrode
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JP11471993A
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English (en)
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Shinji Konno
信次 今野
Hisashi Fukuyama
尚志 福山
Hiroshi Mitani
浩 三谷
Masahiro Yamamoto
正弘 山本
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超大型の静電アクチュエータが容易に製造で
きる。 【構成】 絶縁性支持体に電極を所定間隔で並べた固定
子と絶縁性薄葉体に正負の電荷を付与した移動子とが接
するように配置して成る静電アクチュエータにおいて、
該固定子を少なくとも2個以上任意に配列してなること
を特徴とする静電アクチュエータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電アクチュエータに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電アクチュエータは、絶縁性支持体に
帯状電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性フィルムの
ような絶縁性薄葉体に抵抗体層を設けた移動子とから成
り、該固定子と該移動子とが接するように配置されて構
成される。そして、静電気の作用により、移動子を瞬間
的に浮上させて摩擦を防止しながら移動させるものであ
る(平成元年度電気学会全国大会講演予稿集6−19
1、特開平2−285978号公報等参照)。
【0003】静電アクチュエータは、電極やギャップの
寸法を小さくすることにより、力密度を大きくでき、ま
た、小型化し易いという特徴を有する。そのため、静電
アクチュエータは、ワードプロセッサーやファクシミリ
等における用紙搬送機構のような小型駆動装置、その他
の微小な機械システムの駆動装置として応用されること
が期待されている。
【0004】図13の(a)〜(d)は、移動子を絶縁
性フィルムにて構成した静電アクチュエータ(静電フィ
ルムアクチュエータ)の作動原理の説明図であり、図
中、(1)は絶縁性支持体、(2)は帯状電極、(3)
は固定子、(4)は絶縁性フィルム、(5)は抵抗体
層、(6)は移動子、(7)〜(9)は電線を示す。先
ず、図13の(a)に示すように、電線(7)に正、電
線(8)に負の電圧を印加する。これにより、電線
(7)に接続した電極に存する電荷と電線(8)に接
続した電極に存する電荷の電位差により抵抗体層
(5)に電流が流れ、移動子(6)の絶縁性フィルム
(4)と抵抗体層(5)の境界に電荷が誘導されて平衡
状態となる。この電荷は、説明の便宜上、図13の
(b)の点線で示した鏡像電荷、で置き換えること
ができる。そして、この電荷、の極性は、それぞれ
電極、の極性と異なるので、図13の(b)の状態
では移動子(6)は固定子(3)に吸引されている。
【0005】次に、図13の(c)に示すように、電線
(7)に負、電線(8)に正、電線(9)に負の電圧を
印加する。これにより、電極内の電荷は、瞬時に移動で
きるが、移動子(6)の鏡像電荷は、抵抗体層(5)の
抵抗値が高いためにすぐには移動できない。その結果、
移動子(6)と固定子(3)の間には反発力が発生す
る。反発力が発生することにより、固定子(3)と移動
子(6)の間の摩擦が減少し、電線(9)に電圧を印加
した結果生じる負の電荷と正の誘導電荷(鏡像電荷で
言えば)によって、右方向の駆動力が発生する。
【0006】図13の(d)は、上記の駆動力により、
移動子(6)が電極1ピッチ分右方向に移動した結果を
示している。移動子(6)を左方向に移動させる場合に
は、電線(9)に正の電圧を印加すればよい。そして、
上記の電極1ピッチ毎の移動操作における印加電圧パタ
ーン(図13の(c)に示すパターン)は、図13の
(a)に示す状態とは逆符号の電圧を電線(7)、
(8)に印加するものであるから、図13の(c)にお
ける誘導電荷(鏡像電荷で言えば、及び)は減衰す
ることになる。
【0007】従って、移動子(6)を右方向に電極1ピ
ッチ毎に連続移動させるには、電荷充電操作と移動操作
とを繰り返す下記のようなパターンの電圧を繰り返し印
加することが必要である。なお、下記に例示した電圧パ
ターンは1サイクルの電圧パターンであり、(G)は電
圧を印加してない状態を示し、(C)及び(A)は、そ
れぞれ、電荷充電操作、移動操作を示し、最初の(C)
は図13の(a)に示す状態、最初の(A)は、図13
の(c)に示す状態である。
【0008】
【表1】 C1 A1 C2 A2 C3 A3(1サイクル) 電線(7) + − G − − + (8) − + + − G − (9) G − − + + − そして、駆動電圧のパターンは、例えば、3相構造の電
極の場合は、上記のようにアース状態を適宜のタイミン
グで設けて電荷充電操作と移動操作とを繰り返し得るパ
ターンであれば、各種のパターンを採用することができ
る。例えば、上記のパターンにおいて、(C1)と(C
2)とを省略したパターンを採用することも出来る。
【0009】静電アクチュエータを電極1ピッチ毎に安
定に連続移動させるには、移動子(6)(抵抗体層
(5))の表面固有抵抗率は、1012〜1015Ω/□の
範囲でなければならないとされている。その理由は、次
の通りである。即ち、移動子(6)の表面固有抵抗が大
きい場合には電荷充電に比較的長い時間を要し、小さい
場合には発生した電荷が瞬時に減衰する。ところが、図
13に示した静電アクチュエータの場合には、移動子を
構成する絶縁性フィルムの抵抗値が大きすぎるために、
上記のような抵抗体層を該絶縁性フィルムに設けて僅か
な導電性を付与する必要がある。
【0010】なお、図13に示した公知の静電アクチュ
エータにおいて、絶縁性フィルム(4)の代わりに、こ
れと同程度の抵抗値を有する他の絶縁性薄葉体を使用し
てもよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静電ア
クチュエータは未だ研究段階にあり、実用化のためには
各要素の詳細を検討しなければならない状況にある。特
に、大型な広告塔、店頭ディスプレイ等に用いる場合、
固定子電極を、例えば1m以上と大きくする必要がある
場合がある。また、静電アクチュエータの発生力向上の
為には、電極ピッチの微細化が必要であるが、固定子電
極を大型なものとし、且つ電極ピッチを微細化するとな
ると加工が困難であり、コスト高ともなり、静電アクチ
ュエータの実用化の妨げになる。
【0012】さらに、移動子フィルムの一方向のみの駆
動では、ディスプレイ効果が薄れ、簡単に平面内を自由
自在に駆動できる方法が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の静電アクチュ
エータは、上記目的を達成するために、絶縁性支持体に
多数の電極を所定間隔で並べた固定子と絶縁性薄葉体に
正負の電荷を付与した移動子とが接するように配置して
成る静電アクチュエータにおいて、該固定子を少なくと
も2個以上任意に配列することを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項2の静電アクチュエータは、移動子
を移動させるための固定子上の電極に印加する駆動電圧
を制御する手段を有し、該手段が配列された2個以上の
固定子に同時に駆動電圧を印加するように設定されてな
る、又は、夫々固定子1個ずつ順次切り替えて駆動電圧
を印加するように設定されてなることを特徴とするもの
である。
【0015】請求項3の静電アクチュエータは、移動子
を移動させるための固定子上の電極に印加する駆動電圧
を制御する手段を有し、該手段が配列された2個以上の
固定子に同時に駆動電圧を印加するように設定されてな
る、又は、夫々固定子1個ずつ順次切り替えて駆動電圧
を印加するように設定されてなるものであり、且つ、移
動子及び固定子の任意の箇所に移動子と固定子の相対的
位置関係を検出する手段を有することを特徴とするもの
である。
【0016】
【作用】請求項1の静電アクチュエータによれば、多数
の電極を並べた所定形状の固定子を2個以上任意に配列
することにより、超大型の静電アクチュエータを形成す
ることができる。また、一つの固定子を小さくできるの
で、固定子上の電極の加工上、ファインピッチの電極を
形成することができ、発生力を大きくすることができ
る。さらに、電極の配列を任意にすることができるの
で、移動子を固定子の配列に合わせて前後、左右、斜
め、回転等固定子電極上で自由自在に駆動することがで
きる。
【0017】請求項2の静電アクチュエータによれば、
2個以上任意に配列された所定形状の固定子に駆動電
圧、駆動周波数等同一形状の駆動パルスを同期させて印
加する、又は、固定子1個ずつ順次切り替えて印加する
ように設定しているので、移動子を固定子の配列に合わ
せた移動ができる。請求項3の静電アクチュエータによ
れば、移動子と固定子に夫々の相対位置関係を検出する
センサーによって、移動子を固定子上の決められた位置
に保持することできる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 実施例1(図1、図2及び図3参照) 図1に示すように、二辺が30cmの直角二等辺三角形
状の固定子(3)を作製し、3(a)、3(b)、3
(c)、3(d)とそれぞれ4枚並べて、5mm厚さの
アクリル板に載置して、正方形になるようにした。並べ
方は、それぞれ位置精度を確保するために、アクリル
板、固定子(3)にガイドマークを予め作製しておき、
それに合わせて貼合わせた。貼合わせ方法としては、テ
ープ、粘着剤、粘着剤付きフィルム等を用いることがで
きる。本実施例では、4枚並べた場合を示しているが、
何枚でも自由に任意形状に並べることが可能であるの
で、さらに超大型の静電アクチュエータが可能である一
方、固定子一枚の大きさが小さいので、固定子を多量に
作製でき、低コスト化が可能でもある。
【0019】また、移動子は30cm×30cm、厚さ
25μmのPETフィルムを用いて作製し、図1に示す
静電アクチュエータに載置した。PETフィルム上には
帯電防止剤をスプレー塗布して、抵抗体層とした。抵抗
値は、2×1014Ω/□であった。まず、固定子(3)
について、詳細に説明する。
【0020】固定子(3)は、図2に示す様な400μ
mピッチで3相の櫛形電極である。3相であるため、集
合線は、表面に2相設け、残りの1相は、電極の端部に
設けたランド(図2では丸形)の中心に穴明けしたスル
ホールを用いてめっきスルホール法等の周知の方法を適
用して裏面に設ける。固定子(3)を構成する絶縁性支
持体(1)は、絶縁性材料より成るフィルムやシート等
より構成される。絶縁性材料としては、特に制限はな
く、絶縁性の良好な各種の合成樹脂、セラミックス、ガ
ラス等を使用することができる。絶縁性樹脂の具体例と
しては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等
が挙げられ、好ましい絶縁性樹脂としては、ポリイミド
樹脂、ポリエステル樹脂である。
【0021】絶縁性支持体(1)に設けられる電極
(2)は、絶縁性支持体(1)の表面に並べて設けても
よく、また、絶縁性支持体(1)の中に埋設して設けて
もよい。さらに、電極間の絶縁性を向上させるために
は、帯状電極(2)の表面に絶縁層を形成し、絶縁性支
持体(1)と絶縁層との間に電極(2)を埋設するのが
よい。
【0022】電極(2)の埋設方法は、絶縁性の高い合
成樹脂を塗布する方法、絶縁性合成樹脂フィルム(カバ
ーフィルム)又は絶縁性の高い粘着剤付きフィルムを積
層する方法が挙げられる。さらに、これらの各方法を適
宜組み合わせて使用することもできる。帯状電極(2)
の間隔は、特に限定されるものでないが、通常0.1〜
2mmであり、静電アクチュエータの発生力、駆動電圧
等の駆動性能を向上させる為には、帯状電極の間隔の微
細化が望ましい。そして、電極(2)としては、通常、
帯状電極が採用されるが、ドット型電極であってもよ
い。
【0023】また、電極(2)の形成方法は、特に制限
されないが、公知のスクリーン印刷法、銅、ITO等の
エッチング方法を適用する。次に、移動子(6)につい
て詳細に説明する。移動子(6)を構成する絶縁性薄葉
体(4)は、好適には、固定子(3)を構成する前記の
絶縁性樹脂と同様の合成樹脂より構成されるが、かかる
合成樹脂と同程度の抵抗値を有するガラス又はセラミッ
クスにて構成することもできる。そして、絶縁性薄葉体
(4)を合成樹脂フィルムで構成する場合、特に好まし
いフィルムとしては、密度、曲げ弾性率、耐皺性等の点
から、ポリエステルフィルム、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルムが挙げられる。
【0024】絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を付与す
る方法は、図13に示した公知の静電フィルムアクチュ
エータと同様に、絶縁性薄葉体(4)に抵抗体層(5)
を設ける方法が挙げられる。具体的には、例えば、絶縁
性薄葉体(4)の表面に帯電防止剤を塗布する方法等を
使用し得る。この場合、抵抗体層(5)の表面固有抵抗
率は1012〜1015Ω/□の範囲、好ましくは1014Ω
/□前後にすることが必要である。そして、抵抗体層
(5)を設ける方向は、移動子(6)の固定子(3)と
接する面又は他方の面の何れであってもよいが、他方の
面上が好ましい。
【0025】また、絶縁性薄葉体(4)に正負の電荷を
付与する方法は、上記の方法に限定されず、当業者にと
って自明の各種の他の方法を採用し得る。例えば、絶縁
性薄葉体(4)を合成樹脂フィルムで構成する場合に
は、カーボンブラック等の導電性物質を練り込んで絶縁
性薄葉体(4)自体を上記と同様の抵抗率を有する抵抗
体とする方法が挙げられる。さらに、絶縁性薄葉体
(4)に帯状電極を設ける方法、イオン発生装置を利用
する方法、絶縁性薄葉体(4)にエレクトレット材料を
利用する方法が等が挙げられる。
【0026】絶縁性薄葉体(4)の厚さは、該絶縁性薄
葉体に電荷を付与する方法によって静電アクチュエータ
の発生力が異なるために一概には決定できないが、通常
は10μm以上とするのが好ましい。絶縁性薄葉体
(4)の厚さは、絶縁性支持体(1)に並べた帯状電極
(2)の間隔をPとし、帯状電極(2)の表面と絶縁性
薄葉体(4)と抵抗体層(5)との境界面との距離をG
とした場合、0.15<G/P<0.4の関係を満足す
る範囲とするのが好ましい。
【0027】さらに広告ディスプレイ等に用いる場合、
移動子フィルムに絵画、文字等を印刷すればより効果が
あるが、その場合、使用するインクは、印刷しても、上
記で作製した抵抗体層の抵抗値が変化しないインクを選
定することがより好ましい。次に、本実施例における移
動子の駆動方法について説明する。駆動パルスの条件
は、表2に示す通りである。
【0028】
【表2】 <駆動条件> 初期充電時間:1s 充電時間 :18ms 移動時間 :2ms 駆動周波数 :50Hz 駆動電圧 :±600V
【0029】上記の駆動条件で図3の矢印で示す方向に
移動子を移動する駆動方法について説明する。まず、固
定子3(a)のみに表2パルスを移動距離が30cmと
なるように印加する。この時、他の固定子3(b)、3
(c)、3(d)の電極は、接地された状態である。移
動子は右から左方向へ30cm移動したところで停止し
た。次に固定子3(b)のみに上記駆動パルスを印加す
ると移動子は上から下方向へ30cm移動した。この操
作を順次繰り返して、固定子3(a)、3(b)、3
(c)、3(d)に順番に駆動電圧を印加すると、移動
子が左右上下と反時計廻りに連続的に移動した。また、
移動子(6)を固定子(3)の中心に載置して、4枚の
電極に矢印方向の進行パルスを同時に印加すると、移動
子(6)の回転が可能である。
【0030】実施例2(図4、図5及び図6参照) 次に、図4の矢印に示す方向に移動するようなパルスを
4枚の電極に同時に印加すると、移動子を斜めに移動す
ることができる。さらに、移動子をどの位置からでも上
記パルスを連続的に印加し続ければ、図4に示す位置に
移動させることができる。そして、図5に示すように、
固定子(3)の下部に光学的センサー、例えばフォトカ
プラー(10)、移動子に光を遮るマーク、例えば黒印
(11)を取り付ければ、移動子の精密な位置合わせが
可能である。また、移動子の位置関係の検出方法とし
て、例えば光学的手法として、固定子と移動子の一方ず
つに発光素子と受光素子をもたせる方法、光反射率に変
化をもたせ反射光を用いる方法等を用いることもでき
る。
【0031】さらに、移動子(6)が図6に示す位置に
ある場合、移動子(6)の固定子3(c)上の面積と3
(d)上の面積の比(A対B)が異なるので、移動子
(6)は矢印方向に駆動することができる。固定子
(3)に印加する駆動電圧、駆動周波数の異なったパル
スを4枚の電極に印加しても、複雑な移動が可能であ
る。上記では、固定子(3)の電極ピッチが400μm
と4枚とも同一であったが、4枚の固定子電極のピッチ
をそれぞれ変えても複雑な移動が可能である。
【0032】実施例3(図7及び図8参照) 図7に示すように、実施例1、2で使用した固定子
(3)をアクリル板(20)に貼合わせ、その上に移動
子(6)を載置した。さらに、アクリル板(20)の4
方を枠(21)を貼合わせ、その上に蓋(22)を載せ
て、静電アクチュエータをケースの中に納めた。本実施
例では、アクリル板を用いたが、静電アクチュエータを
収納するケースとしては、各種の合成樹脂、金属であっ
てもよい。金属を用いる場合は、静電アクチュエータと
の絶縁を施さなければならない。静電アクチュエータを
ケースに収納したので、防埃性、温度、湿度に対する耐
環境性が著しく向上する。さらに、ケースに耐候性樹脂
等を塗布すれば、屋外で使用する場合にフィルムの寿命
が著しく向上する。
【0033】実施例1、2で使用した移動子の厚さを1
00μmと変えて、図8に示すように移動子の4辺に三
角状のガイド(厚さ100μmのPET製)を取り付け
た。これを上記のケースの中で実施例1、2に示す要領
で移動したところ、フィルムが位置ずれをおこしてもケ
ースの枠(21)とガイド(23)が点接触して位置ず
れが修正されて長期連続駆動が可能である。即ち、三角
形状のガイドは、フィルムであるので、バネ要素となっ
ており、枠(21)と接触した場合の反力を吸収するの
で、位置ずれの量が少なくて済む。
【0034】実施例4(図9参照) 図9に示すように三角形状の固定子(3a)、(3b)
を6枚並べて、六角形状とした。六角形状の中心に移動
子(6)を載置すれば、実施例1より細かいピッチでの
回転が可能である。また、六角形状の電極を4枚配置し
ているので、移動子の自由自在な動きが実施例1、2に
比べて可能である。本実施例では、三角形状の固定子を
組み合わせて六角形としているが、これに限定されず、
n角形(nは整数)等任意形状とすることができる。ま
た、平面状ばかりでなく、任意形状の固定子を立体的
に、例えば球状に載置してもよい。
【0035】実施例5(図10参照) 図10に示すように帯状電極が3(g)、3(h)のよ
うに形成された固定子(3)を16個放射状に配置し
た。この固定子上に実施例1と同様な移動子を載置し
た。3(g)の形状の固定子のみに同時に実施例1と同
様の駆動パルスを印加すると移動子が連続的に回転す
る。
【0036】さらに、移動子の回転速度検出方法とし
て、16個の固定子の内、一部駆動用でなく、移動子の
電位検出用のセンサーとして利用すれば、回転速度の検
出も可能である。また、実施例2と同様に位置関係の検
出方法として、例えば光学的方法として、固定子と移動
子の一方ずつに発光素子と受光素子を持たせる方法、光
反射率に変化をもたせ反射光を用いる方法等を用いても
よい。また、固定子3(g)、3(h)にパルスを印加
すると、移動子(6)は螺旋状に回転する。
【0037】実施例6(図11参照) 図11に示すように円弧状の固定子(3i)と直線状の
固定子(3j)を組み合わせて、レール状の固定子を形
成した。このレール状の固定子状に移動子フィルム
(6)を載置すれば、移動子のレールに沿った移動が可
能である。また、移動子フィルムの代わりに、発砲スチ
ロール等からなる立体模型等もレール上を移動させるこ
とが可能である。この場合、立体模型の固定子と接する
面に抵抗値が1013〜1015Ω/□となるように帯電防
止剤をスプレー塗布することが好ましい。
【0038】実施例7(図12参照) 実施例6では固定子上の電極(2)が略直線状に形成さ
れていたが、図12に示すように電極(2)が所定の角
度をなすように略くの字形に形成した。電極(2)をこ
のように形成すれば、固定子3(k)上の移動子の位置
によって、縦、横、斜めの移動が可能である。また、こ
のような固定子3(k)を2枚以上配置すれば、移動子
をさらに複雑に移動させることができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1の静電アクチュエータによれ
ば、多数の電極を並べた所定形状の固定子を2個以上任
意に配列することにより、超大型の静電アクチュエータ
が容易に製造できるという効果がある。また、一つの固
定子を小さくできるので、電極の加工上、ファインピッ
チの電極が形成できるので、発生力を大きくすることが
できる利点がある。さらに、固定子上の電極の配列を任
意にすることができるので、移動子を固定子の配列に合
わせて前後、左右、斜め、回転等固定子電極上で自由自
在に駆動することができる。
【0040】請求項2の静電アクチュエータによれば、
2個以上任意に配列された所定形状の固定子に駆動電
圧、駆動周波数等同一形状の駆動パルスを同期させて印
加する、又は、固定子1個ずつ順次切り替えて印加する
ように設定しているので、移動子を固定子の配列に合わ
せた移動ができるという利点がある。請求項3の静電ア
クチュエータによれば、移動子と固定子に夫々の相対位
置関係を検出するセンサーにより、移動子を固定子上の
決められた位置に保持することが可能になるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2の固定子の配置図。
【図2】実施例1〜3に用いる固定子の平面図。
【図3】実施例1の静電アクチュエータの動作説明図。
【図4】実施例2の静電アクチュエータの動作説明図。
【図5】実施例2の静電アクチュエータの位置検出手段
を示す要部断面図。
【図6】実施例2の静電アクチュエータの動作説明図。
【図7】実施例3に用いるケースの断面図。
【図8】実施例3に用いる移動子の形状を示す平面図。
【図9】実施例4に用いる固定子の配置図。
【図10】実施例5に用いる固定子の配置図。
【図11】実施例6に用いる固定子の配置図。
【図12】実施例7に用いる固定子の説明図。
【図13】従来の静電アクチュエータの動作説明図。
【符号の説明】
1:絶縁性支持体 2:帯状電極 3:固定子 4:絶縁性フィルム 5:抵抗体層 6:移動子 7〜9:配線用電線 10:光学的センサー 11:マーク 20:アクリル板 21:枠 22:蓋 23:ガイド
フロントページの続き (72)発明者 山本 正弘 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性支持体に電極を所定間隔で並べた
    固定子と絶縁性薄葉体に正負の電荷を付与した移動子と
    が接するように配置されて成る静電アクチュエータにお
    いて、該固定子を少なくとも2個以上任意に配列してな
    ることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 移動子を移動させるための固定子上の電
    極に印加する駆動電圧を制御する手段を有し、該手段が
    配列された2個以上の固定子に同時に駆動電圧を印加す
    るように設定されてなる、又は、夫々固定子1個ずつ順
    次切り替えて駆動電圧を印加するように設定されてなる
    請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 移動子及び固定子の任意の箇所に移動子
    と固定子の相対的位置関係を検出する手段を有する請求
    項2記載の静電アクチュエータ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009048036A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物
JP2009048038A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物
JP2009145625A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物
JP2018189822A (ja) * 2017-05-08 2018-11-29 国立大学法人 東京大学 シート立体形状形成装置、シート立体形状形成方法およびシート立体形状形成プログラム

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