JPH05305770A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH05305770A
JPH05305770A JP4136356A JP13635692A JPH05305770A JP H05305770 A JPH05305770 A JP H05305770A JP 4136356 A JP4136356 A JP 4136356A JP 13635692 A JP13635692 A JP 13635692A JP H05305770 A JPH05305770 A JP H05305770A
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JP4136356A
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Inventor
Kaoru Teramura
薫 寺村
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
Noboru Sasa
登 笹
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐光性の向上した光情報記録媒体を提供す
る。 【構成】 透光性を有する基板上に少なくとも光吸収
層、反射層が順次形成された光情報記録媒体において、
前記光吸収層が、一般式(I)の化合物を含む有機色素
材料層であることを特徴とする光情報記録媒体。 (式中、X1およびX2:硫黄原子等を示す。Z1:式
(Z1−1)と一緒に置換されてもよいピリリウム等を
完成するに必要な基を示す。) (Z2:式(Z2−1)と一緒に置換されてもよいピラン
等を完成するに必要な基を示す。) 1〜R7は水素原子等を、A-は陰イオンを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、追記型の光情報記録媒
体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、追記型CD(コンパクトディスク)
の開発が活発化してきている。これは従来のCDと異な
りユーザが情報を記録することが可能で、かつ記録後の
信号は従来のCDの規格を満足するための市販のCDプ
レーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このような
メディアは基板上に光吸収層を設け、その上に金属反射
層を設け、更にその上に保護層を設けた媒体構成をとる
ことが多い。ところで、光吸収層の材料としては従来、
特開平2−147286にも示されているように、シア
ニン色素、特にインドジカーボシアニンを用いるのが一
般的であった。この色素は、記録再生用レーザ光を吸収
する色素ではあるがレーザ光の波長に吸収極大をもつよ
うな色素ではない。もしレーザ光の波長に吸収極大をも
つような色素を用いると、レーザ光の吸収が大きすぎて
裏面の金属反射層からの反射光はほとんど利用できなく
なるため、CD規格である70%以上の反射率を実現で
きないからである。従って上記のインドジカーボシアニ
ンのように吸収極大がレーザ光の波長からはずれた色素
を用い、色素層の表裏両面での多量反射干渉効果を利用
して高反射率を得ている。このように吸収極大波長がレ
ーザ光の波長からはずれているとはいえ、ある程度は吸
収することから、再生光による劣化が生ずる。また、シ
アニン色素は、耐光性に劣るため再生劣化を生じやすい
という問題がある。前述の光吸収層の機能は、レーザ光
を吸収し熱に変換すること、及びその熱により溶融、蒸
発、昇華または変形することにより記録ピットを形成す
ることの2つに分けられる。本発明者は先において上記
2つの機能を分離し、2種類の色素のそれぞれに別々に
前記の機能をもたせることを提案した。即ち、レーザ光
を吸収する色素に第1の機能を、レーザ光に対し実質的
に透明な色素に第2の機能を担当させ、これらを混合し
て用いることにより光吸収層としての機能が発現され
る。レーザ光を吸収する色素を色素A、レーザ光に対し
実質的に透明な色素を色素Bとすると、色素Bは再生劣
化がほとんど起こらない。レーザ光を吸収しないためレ
ーザ光により励起されて反応活性状態にならないからで
ある。従って色素Aが耐光性に優れたものであれば光吸
収層全体としても再生劣化の生じにくいものとすること
ができる。本発明者の先の提案の中では、色素Aにトリ
カーボシアニン、色素Bにジカーボシアニンを用いる例
を示し、これにより従来より再生劣化を軽減し得ること
を示した。しかしながら、シアニン色素どうしの組合せ
であるため、耐光性が充分とは言えず、なお改良の余地
があった。
【0003】
【目的】本発明は、耐光性の向上した光情報記録媒体の
提供を目的とする。
【0004】
【構成】本発明者らは、前記のような従来技術の課題を
解決するために、レーザ光を吸収し熱に変換することが
でき、かつより耐光性の優れたものを見出すべく検討し
た結果、下記一般式(I)のピリリウム系色素がより耐
光性にすぐれ、効果的であることを見出し本発明に至っ
た。本発明は、透光性を有する基板上に少なくとも光吸
収層、反射層が順次形成された光情報記録媒体におい
て、前記光吸収層が、下記一般式(I)の化合物を含む
有機色素材料層であることを特徴とする光情報記録媒体
に関する。
【化5】 (式中、X1およびX2:硫黄原子、酸素原子又はセレン
原子を示す。 Z1:下記式(Z1−1)と一緒に置換されてもよいピリ
リウム、チオピリリウム、セレナピリリウム、ベンゾピ
リリウム、ベンゾチオピリリウム、ベンゾセレナピリリ
ウム、ナフトピリリウム、ナフトチオピリリウム又はナ
フトセレナピリリウムを完成するに必要な基を示す。
【化6】 2:下記式(Z2−1)と一緒に置換されてもよいピラ
ン、チオピラン、セレナピラン、ベンゾピラン、ベンゾ
チオピラン、ベンゾセレナピラン、ナフトピラン、ナフ
トチオピラン又はナフトセレナピランを完成するに必要
な基を示す。
【化7】 1、R2、R3およびR4:水素原子、置換もしくは未置
換のアルキル基又は置換もしくは未置換のアリール基を
示す。) R5、R6およびR7:水素原子、ハロゲン原子、置換も
しくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリ
ール基又は置換もしくは未置換のアラルキル基を示す。 mおよびl;1又は2を示す。 n;0、1又は2を示す。但し、nが2の時、R3はそ
れぞれ同一であってもよく又異なっていてもよい。また
4はそれぞれ同一であってもよく、又異なっていても
よい。 A-;陰イオンを示す。 一般式(I)の化合物は、耐光性にすぐれ、レーザ光を
吸収し熱に変換することができるので単独で用いること
も可能であるが、前述のように色素Bの役割をするもの
と混合して用い機能分離を行なうのがより効果的であ
る。この場合、色素Bとしてはレーザ光に対して実質的
に透明なものであればよいが、特に下記式(II)で表わ
されるインドジカーボシアニンを用いるのが効果的であ
る。
【化8】 (式中、R7、R8はアルキル基又はアルコキシ基を表わ
し、R9、R10は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、又はアルコキシ基を表わし、Y2は水素原子、ハロ
ゲン原子、又はアルキル基を示し、X-は陰イオンを示
す。)この化合物はレーザ光波長での屈折率が大きいた
め多重反射干渉効果により高い反射率を得るのに有利で
あり、又、化学的安定性に優れているため、メディアの
保存信頼性の観点からも有利である。
【0005】前記一般式(I)のピリリウム系色素の例
としては、 (以下余白)
【化9】
【化10】 があげられる。また、前記一般式(II)のインドジカー
ボシアニン系色素の例としては、
【化11】 があげられる。
【0006】本発明の光吸収層は、前記一般式(I)の
化合物あるいは該化合物と前記式(II)の化合物で示さ
れる有機色素の他に、他の有機色素を加えてもよく、ま
た、各種バインダー樹脂、安定剤、酸化防止剤等も加え
ることができる。特に光吸収層に加える添加剤として
は、色素より長波長域に吸収能を有するアミニウム、イ
モニウム、ジイモニウム系化合物等の有機化合物、また
は金属錯化合物があり、耐光性向上に有効である。前記
化合物としては、例えば、以下の式(A)、(B)また
は(C)の化合物、あるいは金属錯体(D)があげられ
る。
【化12】 (式中、Aはフェニル、シクロヘキシルアミノ、ジベン
ジルアミノまたはC1〜C4アルキル基を有するジアルキ
ルアミノを表わし、BはAと同じであるかあるいは水素
原子を表わし、Xは酸アニオンを表わしそして上記式中
に存在するすべての芳香核は低級アルキル、低級アルコ
キシ、低級アルキルチオ、ハロゲンまたは水酸基によっ
て置換されていてもよい)で表わされる化合物。 (以下余白)
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】 (以下余白)
【0007】
【化18】 〔式中、Zは置換もしくは未置換の炭素環ケトンを完成
するのに必要な原子群を表わし、この炭素環には芳香族
環が縮合していてもよく、R1およびR2は同じかまたは
異なっていてもよくそしてそれぞれは置換もしくは未置
換アルキル基あるいは置換もしくは未置換アリール基を
表わし、Xは錯体アニオンを表わし、mは1または2を
表わし、そしてAは
【化19】 (nは1または2を示す)または
【化20】 (m=2の場合)を表わし、該フェニル基はアルキル
基、アルコキシ基、、ハロゲンまたは水酸基で置換され
ていてもよい。〕 (以下余白)
【化21】
【化22】
【0008】
【化23】 〔式中、Rは水素または低級アルキル基を表わし、Xは
酸アニオンを表わし、mは0、1または2であり、Aは
【化24】 (nは1または2である)または
【化25】 (ただしmが2の場合)を表わし、そして存在するすべ
ての芳香核は低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ
ゲンまたは水酸基によって置換されていてもよい。〕 (以下余白)
【化26】
【化27】
【0009】金属錯体(D) アセチルアセトナートキレート系(D−1) (1)Ni(II)アクリルアセトナート (2)Cu(II)アセチルアセトナート (3)Mn(III)アセチルアセトナート (4)Co(II)アセチルアセトナート ビスジチオ−α−ジケトン系(D−2) (5)ビス(ジチオベンジル)ニッケル (6)ビス(ジチオビアセチル)ニッケル (7)ビス(4−ジエチルアミノベンジルジチオ)ニッ
ケル (8)ビス(4−ジメチルアミノベンジルジチオ)ニッ
ケル ビスフェニルジチオール系(D−3) (9)ビス(1,2−ジチオフェニル)ニッケル (10)ビス(1,2−ジチオ−3,6−ジメチルフェ
ニル)ニッケル (11)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチ
ルフェニル)ニッケル (12)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチ
ルフェニル)ニッケル (13)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5,6−テト
ラメチルフェニル)ニッケル (14)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5,6−テト
ラクロロフェニル)ニッケル (15)ビス(1,2−ジチオ−3,6−ジクロロフェ
ニル)ニッケル (16)ビス(1,2−ジチオ−〔d〕−ベンゾフェニ
ル)ニッケル (17)ビス(1,2−ジチオ−3,6−メチル−
〔d〕−ベンゾフェニル)ニッケル (18)ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフェニル)
ニッケル (19)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロ
ロフェニル)ニッケル (20)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロ
ロフェニル)ニッケル (21)ビス(1,2−ジチオフェニル)コバルト (22)ビス(1,2−ジチオフェニル)白金 (23)ビス(1,2−ジチオ−5−クロロフェニル)
ニッケル (24)ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフェニル)
ニッケル また、これらの金属錯体はカチオンと塩を形成してもよ
く、たとえば下記の第4級アンモニウム塩をあげること
ができる。 (25)ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフェニル)
ニッケルテトラブチルアンモニウム (26)ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフェニル)
ニッケルテトラブチルアンモニウム (27)ビス(1,2−ジチオ−3−メチルフェニル)
ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (28)ビス(1,2−ジチオ−4−メチルフェニル)
ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウム (29)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチ
ルフェニル)ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウ
ム (30)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチ
ルフェニル)ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウ
ム (31)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリメチ
ルフェニル)ニッケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)
アンモニウム (32)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリメチ
ルフェニル)ニッケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)
アンモニウム (33)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロ
ロフェニル)ニッケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)
アンモニウム (34)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロ
ロフェニル)ニッケルテトラ(4−ヒドロキシブチル)
アンモニウム (35)ビス(1,2−ジチオフェニル)コバルトテト
ラプロピルアンモニウム (36)ビス(1,2−ジチオフェニル)白金ジプロピ
ルジブチルアンモニウム (37)ビス(1,2−ジチオ−3,4,6−トリクロ
ロフェニル)ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウ
ム (38)ビス(1,2−ジチオ−3,4,5−トリクロ
ロフェニル)ニッケルテトラ(t−ブチル)アンモニウ
ム サリチルアルデヒドオキシム系(D−4)
【化28】 ここに、R1およびR2は、アルキル基を表わし、MはN
i、Co、Cu、Pd、Pt等の遷移金属原子を表わ
す。 (39)Ni(II)O−(N−イソプロピルホルムイミド
イル)フェノール (40)Ni(II)O−(N−ドデシルホルムイミドイ
ル)フェノール (41)Co(II)O−(N−ドデシルホルムイミドイ
ル)フェノール (42)Cu(II)O−(N−ドデシルホルムイミドイ
ル)フェノール (43)Ni(II)2,2′−〔エチレンビス(ニトリロ
メチリジン)〕ジフェノール (44)Co(II)2,2′−〔エチレンビス(ニトリロ
メチリジン)〕ジフェノール (45)Ni(II)2,2′−〔1,3−ナフチレンビス
(ニトリロメチリジン)〕ジフェノール (46)Ni(II)−(N−フェニルホルムイミドイル)
フェノール (47)Co(II)−(N−フェニルホルムイミドイル)
フェノール (48)Cu(II)−(N−フェニルホルムイミドイル)
フェノール (49)Ni(II)サリチルアルデヒドフェニルヒドラゾ
ン (50)Ni(II)サリチルアルデヒドオキシム チオビスフェノレートキレート系(D−5)
【化29】 ここに、Mは前記と同じであり、R3およびR4は、アル
キル基を表わす。また、Mは−電荷をもち、カチオンと
塩とを形成していてもよい。 (51)Ni(II)n−ブチルアミノ〔2,2′−チオビ
ス(4−t−オクチル)−フェノレート〕〔Cyaso
rb−UV−1084(アメリカンシアナミド カンパ
ニーリミテッド)〕 (52)Co(II)n−ブチルアミノ〔2,2′−チオビ
ス(4−t−オクチル)−フェノレート〕 (53)Ni(II)−2,2′−チオビス(4−t−オク
チル)フェノレート ヒドラジン−s−メチルジチオカルボキシレート類(D
−6)
【化30】 (54)R=C65 M=Ni (55)R=4−CH3OC64 M=Ni (56)R=4−NO264 M=Ni (57)R=2−NO264 M=Ni (58)R=C65 M=Co (59)R=4−CH3OC64 M=Co (60)R=C65 M=Pt (61)R=C65 M=Pd (D−7)
【化31】 A X Y (62) N H H (63) N Cl H (64) N CH3 H (65) N CH3 CH3 (66) N CH3 Cl (67) C(CN) H H (68) C(CN) H C25 (69) C(CN) Br H 一般式
【化32】 M R123 (70)Ni CH349 CH3 (71)Ni CH2Cl C4925 (72)Co C49 CH349 (73)Pt 4−CH3OC6449 4−CH3OC44 (74)Ni 3−CH3OC6449 3−CH3OC44 (75)Cu C65 CH2=CH− C65
【0010】該光吸収層は、その複素屈折率の実数部n
(x)(x=abs)と膜厚d(x)(x=abs)と再
生光の波長とで与えられるρ=n(x)・d(x)/λ
が、0.6<ρ<1.6の条件を満足しており、その背
後に下記金属膜からなる光反射層を有する光情報記録媒
体によると、70%以上の高い反射率を有し、かつデー
タの再生に際し、CDフォーマットに準拠する変調度の
出力信号が得られる書き込みが可能な光情報記録媒体が
得られる。例えば、図1は、再生光として波長λ=78
0nmの半導体レーザを用いた場合に、上記光ディスク
の光吸収層の複素屈折率の実数部n(x)、膜厚d
(x)及び再生光の波長λで与えられるρ=n(x)・
d(x)/λと、基板側から入射させた光の反射率との
関係を示すグラフである。このグラフは、指数関数と周
期関数の組み合わされた関数として表わされるものであ
り、ρが大きくなるに従って周期関数の振幅が大きくな
る。このグラフから分かるように、ピーク点では、反射
率が70%を越えることが可能である。この周期関数の
振幅は、光情報記録媒体を構成する層の複素屈折率、膜
厚、それらの均質性等をパラメーターとして変化する。
例えば、光吸収層より光が入射する側にある層の屈折率
が小さいと、反射率は、グラフ全体として反射率が高く
なる方向にシフトする等である。また、このグラフは、
k(x)・d(x)(x=abs)をパラメーターとす
る指数関数で表わされ、光吸収層の複素屈折率の虚部k
(x)が大きくなるほどグラフ全体の反射率の減衰が大
きくなるということがわかっている。光吸収層が均質で
あり、その複素屈折率の実部n(x)、膜厚d(x)に
不均一な分布が無い限り、上記グラフのピークを示す点
の周期には変化が無いことが本件発明者らのシュミレー
ションにより分かっている。なお、条件により上記グラ
フのボトム点の反射率についても、上記パラメーター条
件を制御することによりこれを高くすることが可能であ
るが、ρをボトム点付近に設定した場合には、変調度を
大きくとることが困難であり、ある場合には、記録前よ
りも反射率が上昇してしまう場合も生じる。従って、ρ
はピーク点付近に設定することが望ましい。本件発明者
らのシュミレーション結果より、0.6<ρ<1.6の
範囲において、ピーク点は2点あり、常に0.6<ρ<
1.10の範囲と、1.10<ρ<1.6の範囲とにあ
り、それらにおいて高い反射率を得ることができること
が分かっている。なお、0.6≧ρのときには、周期関
数の振幅が小さいために記録による変調度は、本発明の
範囲より小さくなる。また、1.6≧ρのときには、膜
厚が厚くなるため、膜厚の制御が困難になり製造上問題
がある。図2は、反射層のAu膜を用いた光ディスクに
おいて、光吸収層の透光性を変え、その複素屈折率の実
数部をn(x)=3.2及びn(x)=4.7と一定に
しながら、その虚部k(x)を0に近い値から1.0ま
で変化させたときの各々の反射率が示されている。な
お、d(x)は0.6<ρ<1.10の中で最適条件に
設定した。このグラフから分かるように、70%以上の
k(x)が0.2より大きいと、高い反射率を得ること
が困難である。さらに、光吸収層は、n(x)・k
(x)の数値設定が容易であるため、光吸収層に隣接す
る層、例えば基板等の表面に明確な光学的変性部分を形
成できる。そしてこのビットからは、変調度が高い再生
信号が得られ、CD規格に準拠した記録可能型光情報記
録媒体が容易に得られるため望ましい。基板としては、
使用レーザー光に対して透明であれば、その種類は制限
されないが、基板材料としては、アクリル樹脂、塩化ビ
ニル共重合体樹脂、ポリカーボネートなどのプラスチッ
ク又はガラスなどを用いることができる。なお、基板の
表面にはアドレス信号などのプレフォーマットや案内溝
のプレグルーブが形成されていてもよい。本発明の光記
録媒体としては、上記のような基板上に記録層および光
反射層を設けたものが最も基本的なものであるが、必要
に応じ、基板と記録層の間に下引き層、あるいは保護層
を設けたり、記録層の上に保護層を設けたり、さらには
光反射層の上に保護層を設けたもの等であってもよい。
下引き層は記録層との接着性の向上、水又はガスなどの
バリヤー、記録層の保存安定性の向上及び溶剤からの基
板の保護、プレグルーブの形成などを目的として使用さ
れる。前記光吸収層の上に形成される反射層の材料とし
ては、反射率の高い金属、半金属を用いることができ、
例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Au、Ag、Al等
を挙げることができる。特にAu、Alが好ましい。反
射層の上には更に保護層を設けることができ、その材料
としては、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、シリコーン、
液状ゴム等の各種高分子材料、SiO、SiO2、Ti
2、TiN、Si34等の無機化合物、紫外線硬化樹
脂等を単独又は積層して用いることができる。
【0011】
【実施例】
実施例1 表面に溝巾0.5μm、溝深さ1600Å、トラックピ
ッチ1.6μmのプレグルーブが設けられたポリカーボ
ネート射出成形ディスク基板1を用意し、その上に下記
色素A、B(混合重量比2:8)を2,2,3,3−テ
トラフロロプロパノール溶液としてスピンコートし、厚
さ約1300Åの光吸収層2を形成した。
【化33】
【化34】 更にその上にスパッタリングにより約800Åの厚さに
Au反射層3を設けた後、紫外線硬化型樹脂コート層4
を約5μmの厚さに設け記録媒体とした。 実施例2 下記色素C、D(混合重量比3:7)を使用し、実施例
1と同様にして光情報記録媒体を作成した。
【化35】 実施例3 実施例1において、色素A、Bにさらに下記色素Eをク
エンチヤとして、10重量%(色素A、Bに対する外
添)を加え、実施例1と同様にして光情報記録媒体を作
成した。
【化36】 比較例 下記色素Fのみを使用し、実施例3で使用した色素Eを
クエンチヤとして色素Aに対し10重量%(外添)加
え、実施例1と同様にして光情報記録媒体を作成した。
【化37】 以上のようにして作成した媒体に線速1.3m/se
c、記録パワー6mW(波長780nm)でCDフォー
マット信号を記録した。再生波形の観測の結果いずれも
CD規格を満足する信号レベルが得られ、反射率(Rt
op)も0.65以上有していた。次に、再生パワー
0.7mWで同一トラックを何度も再生する再生劣化テ
ストを行なった。結果を次表1を示す。表1の結果か
ら、従来のシアニン色素系に比較して耐光性の面で著し
く向上したことが理解される。
【表1】
【0012】
【効果】再生劣化を軽減し、再生回数が大幅に向上した
光情報記録媒体が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】再生光として波長λ=780nmの半導体レー
ザを用いた場合のρ=n(X)・d(X)/λと光の反
射率(%)との関係を示す図である。
【図2】記録層の複屈折率の虚部K(X)と光の反射率
(%)との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の光情報記録媒体の断面をモ
デル的に示す図である。
【符号の説明】
1 ポリカーボネイト基板 2 光吸収層 3 Au反射層 4 紫外線硬化樹脂コート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹 登 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基板上に少なくとも光吸
    収層、反射層が順次形成された光情報記録媒体におい
    て、前記光吸収層が、下記一般式(I)の化合物を含む
    有機色素材料層であることを特徴とする光情報記録媒
    体。 【化1】 (式中、X1およびX2:硫黄原子、酸素原子又はセレン
    原子を示す。 Z1:下記式(Z1−1)と一緒に置換されてもよいピリ
    リウム、チオピリリウム、セレナピリリウム、ベンゾピ
    リリウム、ベンゾチオピリリウム、ベンゾセレナピリリ
    ウム、ナフトピリリウム、ナフトチオピリリウム又はナ
    フトセレナピリリウムを完成するに必要な基を示す。 【化2】 2:下記式(Z2−1)と一緒に置換されてもよいピラ
    ン、チオピラン、セレナピラン、ベンゾピラン、ベンゾ
    チオピラン、ベンゾセレナピラン、ナフトピラン、ナフ
    トチオピラン又はナフトセレナピランを完成するに必要
    な基を示す。 【化3】 1、R2、R3およびR4:水素原子、置換もしくは未置
    換のアルキル基又は置換もしくは未置換のアリール基を
    示す。) R5、R6およびR7:水素原子、ハロゲン原子、置換も
    しくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリ
    ール基又は置換もしくは未置換のアラルキル基を示す。 mおよびl;1又は2を示す。 n;0、1又は2を示す。但し、nが2の時、R3はそ
    れぞれ同一であってもよく又異なっていてもよい。また
    4はそれぞれ同一であってもよく、又異なっていても
    よい。 A-;陰イオンを示す。
  2. 【請求項2】 前記光吸収層が、少なくとも1種類以上
    の前記一般式(I)の化合物を含む2種類以上の有機色
    素材料を含有することを特徴とする請求項1記載の光情
    報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記有機色素材料が、レーザ光を吸収
    し、熱に変換する前記一般式(I)の化合物とレーザ光
    に対して実質的に透明であって、前記の熱により溶融、
    蒸発または変形することにより記録ピットを形成する有
    機色素材料を含有するものであることを特徴とする請求
    項2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 レーザ光に対して実質的に透明な有機色
    素材料が、下記式(II)の化合物であることを特徴とす
    る請求項3記載の光情報記録媒体。 【化4】 (式中、R7、R8はアルキル基又はアルコキシ基を表わ
    し、R9、R10は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
    基、又はアルコキシ基を表わし、Y2は水素原子、ハロ
    ゲン原子、又はアルキル基を示し、X-は陰イオンを示
    す。)
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光記録媒体において、そ
    の光吸収層の複素屈折率の実数部n(x)(x=ab
    s)と膜厚d(x)(x=abs)と再生光の波長λと
    で与えられるρ=n(x)・d(x)/λが、0.6<
    ρ<1.6であり、虚部k(x)(x=abs)が0.
    2以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
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