JP3480536B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP3480536B2
JP3480536B2 JP26019195A JP26019195A JP3480536B2 JP 3480536 B2 JP3480536 B2 JP 3480536B2 JP 26019195 A JP26019195 A JP 26019195A JP 26019195 A JP26019195 A JP 26019195A JP 3480536 B2 JP3480536 B2 JP 3480536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明基板上に少なく
とも色素を含有する記録層、反射層を有する光記録媒体
で、620〜690nmから選ばれた波長のレーザー光
で記録及び再生が可能な光記録媒体に関するものであ
り、さらに、770〜800nmから選ばれた波長のレ
ーザー光で記録及び再生が出来る記録可能コンパクトデ
ィスク(以下CD−Rと称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし、且つ反射率を大きく
するため、記録層の上に金属の反射層を設け更にこの上
に保護層を設けた単板型の記録可能な光記録媒体は、例
えば、Optical Data Storage 1989, Technical Digest
Series Vol. 1 45(1989)に開示されている。又、この
ような媒体の記録層に、シアニン色素や本発明に用いら
れるフタロシアニン色素を用いた媒体は記録可能コンパ
クトディスク媒体(以下CD−R媒体と称する)として
市場に供されている。かかる光記録媒体は、基本的に、
基板上に、記録層、反射層、保護層をこの順に形成した
ものである。この光記録媒体の記録層に半導体レーザー
等のレーザー光を高パワーで照射すると、記録層が物理
的あるいは化学的変化を起こし、ピットの形で情報を記
録する。形成されたピットに低パワーのレーザー光を照
射し、反射光を検出することによりピットの情報を再生
することができる。
【0003】CD−R媒体はオレンジブック規格に準拠
しており、770〜830nmから選ばれた波長(λ
1)の光に対して65%以上の反射率を有し、且つこの
λ1の光を吸収する。それ故、780nmの半導体レー
ザーで記録することが出来、且つ780nmの半導体レ
ーザーを搭載している市販のCDプレーヤーやCD−R
OMプレーヤーで再生できるという特徴を有する。一
方、現在の光記録媒体は650MBの容量しか持たず、
デジタル動画のような大容量の情報を記録するには記録
時間が15分以下と短い。又、機器の小型化が進むなか
で、従来の記録密度では媒体を小型にすると容量が不足
する。
【0004】最近、620〜690nmから選ばれた波
長(λ2)の半導体レーザーが開発され、高密度の記録
及び又は再生が可能となりつつある。この半導体レーザ
ーを用いて、従来の媒体の5〜8倍の記録容量を有する
高密度記録媒体やこの高密度記録媒体を再生することが
できる高密度記録媒体対応のプレーヤーの開発が検討さ
れている。特に、映画をデジタルで2時間以上収録でき
るシステムはDVD (degital video disk) として、そ
の再生専用の媒体及び再生プレーヤーの上市が目前に迫
っている。この高密度記録媒体の1つとして、従来のC
DやCD−ROM媒体と同じように、基板成形時にピッ
トを形成しアルミ反射層を設けた再生専用媒体が挙げら
れる。この再生専用高密度記録媒体は70%以上の反射
率を有する。それ故にこの高密度記録媒体を再生できる
高密度対応プレーヤーは70%以上の高反射率を有する
前記再生専用媒体が再生できるように設計されている。
そして当然従来の例えばCD、CD−ROMやCD−R
等の媒体も該高密度対応プレーヤーで再生できることが
望まれている。従来のCDやCD−ROM媒体は再生専
用であり、その製法は前記再生専用高密度記録媒体と同
じであって、70%以上の高い反射率を有するので高密
度対応プレーヤーでも容易に再生が可能である。
【0005】一方、現在市場に供されているCD−R媒
体は確かに780nm前後の光に対する反射率は65%
以上有し、市販のCDやCD−ROMプレーヤーで再生
できるが、620〜690nmから選ばれた波長(λ
2)の光で再生しようとした場合、反射率が10%以下
と非常に小さいことが問題となる。又変調度も小さく、
且つ記録部の反射率が未記録部より大きくなる。いわゆ
る low to high 記録となり、通常のCD等(high to
low 記録)とは極性が逆になり、好ましくない。更に、
記録波形に大きな歪が観察される。このような数々の欠
点のために従来のCD−R媒体は620〜690nmか
ら選ばれた波長(λ2)のレーザーを搭載した高密度対
応プレーヤーでは再生することは困難であった。
【0006】例えば、 USP-5090009には、色素を含む記
録層、反射層、保護層を基板上に順次積層したCD-R媒
体、及びこの媒体の基板と記録層の間や記録層と反射層
の間に干渉層を設けた媒体が開示されている。そして、
CDの規格(レッドブック)を満足するためや記録を可
能とするための記録層の光学定数や膜厚が開示されてい
る。確かにここで開示されている媒体は、CDに用いら
れている780nmの光の一部を吸収すると共に反射率
が70%以上得られ、この波長の光で記録及び再生がで
きる。しかしながら、620〜690nmから選ばれた
波長(λ2)の光での記録及び/又は再生を目的として
おらず、該波長の光に対する反射率や記録層の光学定
数、更に干渉層の光路長に関しては何も開示されていな
い。該特許には記録層にインドジカルボシアニン色素を
用い、干渉層を有しない媒体及び無機化合物やポリマー
からなる干渉層を有した媒体の実施例が多数開示されて
いる。しかしながら、この記録層にインドジカルボシア
ニン色素を用いた媒体は620〜690nmから選ばれ
た波長の光に対する反射率が10%以下あり、且つ、記
録部の反射率が未記録部より大きくなり(low to high
記録)、好ましくない。反射率が小さくなる理由は、C
D−R媒体に用いられる色素は光学特性の波長依存性が
大きく、前記したインドジカルボシアニン色素は記録膜
で測定すると600〜750nmに非常に大きな吸収を
有すると共に、CD−R媒体は780nm前後の光に対
して反射率が大きくなるように記録層の膜厚や光学定数
(屈折率、消哀係数)が設計されているために、620
〜690nmでの反射率が小さくなる。又、該特許の実
施例8や14には本発明の記録層に用いられる フタロ
シアニン色素とは異なる t-ブチル置換フタロシアニン
色素を記録層とし、ポリマーや無機化合物からなる干渉
層を有する媒体が開示されている。しかしながら、これ
らの媒体は、反射率や変調度はCDの規格を満足する
が、CDと同じパルス幅変調により記録された信号を6
20〜690nmから選ばれた波長(λ2)の光で再生
した場合、再生波形には大きな歪が観測され、エラーレ
ートやジッターが大きく、高密度対応プレーヤーでは再
生できない。
【0007】EP-19329には酸化バナジウムフタロシアニ
ン色素を記録層とし、該記録層の上にセルロースからな
る300nm干渉層を設けた媒体が開示されている。し
かしながら、該特許も特定の1つの波長に対する反射率
と記録感度を改良することを目的としたものであり、本
発明の様に770〜830nmから選ばれた波長(λ
1)の光と620〜690nmから選ばれた波長(λ
2)の光の2つの光で記録及び再生が出来るように記録
層は最適化されていない。更に、この媒体もCDと同じ
パルス幅変調により記録された信号を620 〜690n
mから選ばれた波長(λ2)の光で再生した場合、再生
波形には大きな歪が観測され、エラーレートやジッター
が大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0008】USP-5124067 には本発明の記録層に用いら
れる色素と同じような色素及び該色素を用いた媒体が多
数開示されている。しかしながら、例えばその実施例9
8、100、102に開示された媒体もCDの規格は満
足するものの、620〜690nmから選ばれた波長
(λ2)の光で再生した場合、記録モードはlow to hig
h記録となり、且つ反射率は10%以下と小さく、更に
CDと同じパルス幅変調により記録された信号の再生波
形には歪が観測され、エラーレートやジッターが大き
く、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0009】さらに、特開平3−281287には、7
80nmら吸収曲線の長波長側端部を有し、780nm
での屈折率の虚数部の絶対値が0.2以下の複素屈折率
を有する色素(A)と該色素の吸収極大波長よりも短波
長側に極大吸収を有するトリメチンシアニン色素(B)
の混合物色素を記録層とする媒体が開示されている。こ
の媒体は耐久性に優れ、且つCD規格を満足する。しか
しながら、620〜690nmから選ばれた波長(λ
2)の光で再生が出来るように最適化されていない。実
施例からも明らかなようにトリメチンシアニン色素の使
用割合が50wt%、ペンタメチンシアニン色素が50
wt%であり、620〜690nmから選ばれた波長
(λ2)の光に対する吸収が大き過ぎて、反射率が15
%未満となって、高密度対応プレーヤーによる再生は難
しい。
【0010】特開平6−336086には特定の構造の
トリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニン色素の
混合物を記録層とする媒体が開示されている。この媒体
は780nm及び488nmの光で記録及び再生を目的
とし、トリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニン
色素の割合が1:10である。このようにペンタメチン
シアニン色素の使用割合が多いと620〜690nmか
ら選ばれた波長(λ2)の光に対する吸収が大き過ぎ、
反射率が15%未満となり高密度対応プレーヤーによる
再生は難しい。
【0011】特開平6−40162には記録層にトリメ
チンシアニン色素を用いた媒体が開示されている。この
媒体は630nmの光での記録及び再生を目的としてお
り、記録層が780nmの光に対する吸収を有しないた
めに780nmの光では記録が出来ない。
【0012】特開平3−290835には記録層とアル
ミ合金からなる反射層との間に低分子有機物からなる干
渉層を設けた媒体が開示されている。該媒体は反射層に
高価な金の代わりにアルミ合金を用いて、780nmに
於ける反射率を70%以上得るために干渉層を設けたも
のであり、確かに780nmに於ける反射率は70%以
上得られるものの、620〜690nmから選ばれた波
長(λ2)の光に対する反射率は小さく高密度媒体対応
プレーヤーでは再生できない。前記したように、少なく
とも色素を含有する記録層、反射層を有する光記録媒体
で、770〜830nmから選ばれた波長(λ1)のレ
ーザー光に対する反射率が65%以上得られ、高感度で
あり、記録特性に優れ、市販のCDやCD−ROMプレ
ーヤーで再生することが出来、且つ620〜690nm
から選ばれた波長(λ2)のレーザーを搭載した高密度
記録媒体対応のプレーヤーで再生出来る媒体はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、620
〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で記録及び
再生が可能であり、さらに、現行のCD−R媒体の規格
であるオレンジブック(770nm〜830nmから選
ばれた波長の光に対する反射率が65%以上で、該光で
記録及び再生が可能)を満足する媒体を提供することを
目的として鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の技術的事
項により特定される。 (1) 基板上に記録層、反射層及び保護層を有する光
記録媒体において、記録層中に式(1)〔化2〕で示
されるポルフィリン化合物と波長650〜900nm
に吸収極大を有する光吸収化合物を含有する光記録媒
体。
【0015】
【化2】 [式中、R1 −R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
基、アルキルチオ基又はハロゲン原子を示し、R9−R
12は水素原子、又はアルキル基を示し、X- はアニオン
を示す。] (2) 波長620〜690nmの赤色レーザーから選
ばれた光に対する基板側から測定した反射率が15%以
上であり、波長620〜690nmの赤色レーザーで少
なくとも再生可能である(1)記載の光記録媒体。 (3) 波長620〜690nmの赤色レーザーから選
ばれた光に対する基板側から測定した反射率が15%以
上であり、波長620〜690nmの赤色レーザーで記
録および再生可能である(1)記載の光記録媒体。 (4) 波長770〜830nmの近赤外レーザーから
選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が65%
以上であり、770〜830nmから選ばれた近赤外レ
ーザーで再生可能である(2)又は(3)記載の光記録
媒体。 (5) 波長770〜830nmから選ばれた近赤外レ
ーザーで記録再生可能である(2)または(3)記載の
光記録媒体。 (6) 光吸収化合物がフタロシアニン化合物である
(1)〜(5)記載の光記録媒体。 (7) 光吸収化合物がペンタ−メチンシアニン化合物
又はヘプタ−メチンシアニン化合物である(1)〜
(5)記載の光記録媒体。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て以下に説明する。本発明の光記録媒体は基板上に記録
層及び反射層を有する。光記録媒体とは予め情報を記録
されている再生専用の光再生専用媒体及び情報を記録し
て再生することのできる光記録媒体の両方を示すもので
ある。但し、ここでは適例として後者の情報を記録して
再生のできる光記録媒体、特に基板上に記録層、反射層
及び保護層をこの順で形成した光記録媒体に関して説明
する。この光記録媒体は、図1に示すような4層構造を
有している。即ち、基板1上に記録層2が形成されてお
り、その上に密着して反射層3が設けられており、さら
にその上に保護層4が反射層3を覆っている。
【0017】基板の材質としては、基本的には、記録光
及び再生光の波長で透明なものであればよい。例えば、
ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリ
ル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポ
キシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料が利用さ
れる。これらの基板材料は射出成形法等により円盤状に
基板に成形される。必要に応じて、基板表面に溝を形成
することもある。
【0018】色素層に用いる式(1)で示されるポルフ
ィリン化合物のR1 −R12の具体例を次に述べる。R1
−R8 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n
−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、
3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ドデシル基等
のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキ
シ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキ
シ基、n−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n
−ドデシルオキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、エ
チルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブ
チルカルボニル基等のアルキルカルボニル基;メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロピルオ
キシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基
等のアルコキシカルボニル基;メチルチオ基、エチルチ
オ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ヘ
キシルチオ基等のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、また、R9 −R
12としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基を挙げることができX- としては、F- 、Cl- 、B
r - 、I- 、CH3 COO- 、CF3 COO-、BF4
- 、B-(C6 5)4 - 、PF6 - 、CH3 OPO3 -
6 5-SO3 - 等のアニオンを示す。ただし2X-
代りにSO4 2- 、C6 5(SO3 - 2のように2価の
アニオンであってもよい。本発明で用いるポルフィリン
化合物の記録層における含有量に特に制限はないが、通
常30〜100重量%程度である。本発明で規定するポ
ルフィリン化合物は例えば文献( M.Gosmann ,B.Franc
k,Angew. chem. Int. Ed.Engl.,25 巻, 1100〜1101ペー
ジ ,1986年) に記載されている方法に準じて、下記のル
ート〔化3〕で合成することができる。
【0019】
【化3】 本発明においては、式(1)で示されるポルフィリン化
合物とともに、さらに感度向上のために、650nm〜
900nmに極大吸収を有する光吸収化合物を使用する
が、溶剤に溶解して塗布できることを考慮すると、該ポ
ルフィリン化合物との相溶性に優れる色素が好ましい。
(なお、極大吸収とは各々の範囲で最大吸収もしくは最
大吸収に近い吸収を表し、ピークが複数存在する場合は
最も長波長側のピークとする。さらに、色素の吸収特性
は分子の会合状態によって異なり、溶液と固体(膜)及
び濃度で吸収特性は異なるが、本発明に於ける極大吸収
波長は色素単独の膜で測定した値とする。)併用量は特
に制限はないが、0.1〜50重量%(両者の合計ベー
ス)、好ましくは1〜25重量%程度混合して使用して
よい。かかる光吸収化合物の具体例としては、フタロニ
アニン色素、ナフタロシアニン色素、シアニン色素、ス
チリル色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素、
ピリリウム色素、アントラキノン色素、ナフトキノン色
素、ベンゾキノン色素、他のポリフィリン色素、アゾ色
素、ジチオール金属錯体色素、インドフェノール色素、
トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、インダンス
レン色素、インジゴ色素、オキサジン色素、チアジン色
素、アクリジン色素、インドアニリン色素およびアズレ
ニウム色素等が挙げられ、これらに金属が含有されてい
てもよい。
【0020】中でも、650nm〜900nmに極大吸
収を有するものとして、ペンタ−又はヘプタ−メチンシ
アニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン色素は極大
吸収モル吸光係数が大きく好ましい。フタロシアニン、
ナフタロシアニン色素は著しい耐光性、耐湿性を有すた
め特に好ましい。
【0021】記録層を生膜する際に必要に応じてバイン
ダーを併用することもできる。好ましいバインダーとし
ては、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボ
ネート、ポリオレフィン等が挙げられる。
【0022】なお、参考までに、式(1)で示したポル
フィリン化合物のうちR1 −R7 =C2 5 、R9 −R
12=CH3 、X- =CF3 COO- のものについては、
ガラス等の基板上にスピンコートすることにより、透明
な極めて良好な薄膜を形成することは開示されている
(HOSODAら, Jpn.J. Appl. Phys. Vol.31 (1922) PPL24
9-L251)。これは本発明とは全く異なる技術分野である
3次の非線型光学材料として極めて優れた素子を提供で
きるとされている。上記の650〜900nmに極大を
有する光吸収化合物として最も好ましいフタロシアニン
は式(2)、〔化4〕で示す化合物である。
【0023】
【化4】 [式(2)に於いて、Mは2個の水素、又は金属、金属
酸化物、金属ハロゲン化物を表し、Y1 、Y2 、Y3
4 は酸素又は硫黄を、Z1 、Z2 、Z3 、Z4は4〜
12個の炭素を有する無置換又は置換炭化水素基を、X
1 、X2 、X3 、X4 はハロゲンを、l1 、I2
3 、I4 は1又は2を、m1 、m2 、m3 、m4 は0
〜3の整数を表す。] 前記式(2)で表されるフタロシアニン色素に於けるM
の具体例としては、Cu、Pd、Ni、Mg、Zn、P
b、Cd等の2価の金属、VO等の金属酸化物やAlC
l等の金属のハロゲン化物等が挙げられる。一方、
1 、Z2 、Z3 、Z4 は、炭素数が4〜12の無置換
又は置換炭化水素基または4〜12個の炭素と酸素、窒
素、硫黄およびハロゲンから選択される少なくとも1種
の元素とからなる基であるが、具体的には、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ジ
メチルシクロヘキシル基等の飽和炭化水素基や、ブテニ
ル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ドデセニル基、フ
ェニル基、メチルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキ
シルフェニル基等の不飽和炭化水素基等が挙げられる。
これらの炭化水素基は直鎖状でも分枝状であっても良
い。又、これらの炭化水素基はハロゲン、アミノ基、エ
ーテル基等で置換されていても良い。アミノ基やエーテ
ル基で置換されている場合でも置換基(Z1 〜Z4 )中
の全ての炭素原子数は4〜12個である。又、X1 、X
2 、X3 、X4 で表されるハロゲンとしてはフッ素、塩
素、臭素、沃素等が挙げられる。
【0024】フタロシアニンを構成するベンゼン環に結
合している前記したX1 〜X4 の置換基の置換位置およ
びY1 〜Y4 の置換基の置換位置は特に限定するもので
はなく、又置換基の種類及び数は一分子中の4つのベン
ゼン環で異なっていても良いのである。前記したフタロ
シアニン色素の中で、反射率及び感度、波形歪、エラー
レートやジッター等の記録特性からはl1 〜l4 は1が
好ましい。
【0025】好ましいフタロシアニン色素の具体例とし
ては、例えば特開平3−62878、特開平3−141
582、特開平3−215466に記載されている色素
が挙げられる。例えば、〔化5〕〜〔化7〕の如きもの
である。
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】 また、ペンタ−又はヘプタ−メチンシアニン化合物とし
て好ましい化合物として、下記の化合物〔化8〕が挙げ
られる。
【0029】
【化8】
【0030】本発明において、記録層を形成するための
これらの化合物・色素等は、スピンコート法やキャスト
法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法、真空蒸着法等
によって基板上に厚さ50〜500nm、好ましくは1
00〜150nmの記録層を形成する。特に塗布法にお
いては色素を溶解あるいは分散させた塗布溶媒を用いる
が、この際溶媒は基板にダメージを与えないものを選ぶ
ことが好ましい。例えば、メタノール等のアルコール系
溶媒、ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、
シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒、ベンゼン等の
芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化炭
化水素系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチル
セロソルブ等のセロソルブ系溶媒、アセトン等のケトン
系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒などが1種ある
いは複数混合して用いられる。また、記録層は1層だけ
でなく複数の色素を多層形成させたり、色素を高分子薄
膜などに例えば好ましくは50%程度以上分散して用い
たりすることもできる。また、基板にダメージを与えな
い溶媒を選択できない場合はスパッタ法、化学蒸着法や
真空蒸着法などが有効である。
【0031】次に記録層の上に厚さ50〜300nm、
好ましくは100〜150nmの反射層を形成する。反
射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高い
もの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、
Ni、Pt、Ta、Cr及びPdの金属を単独あるいは
合金にして用いることが可能である。このなかでもAu
やAlは反射率が高く反射層の材料として適している。
これ以外でも下記のものを含んでいてもよい。例えば、
Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、
Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、I
n、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの
金属及び半金属を挙げることができる。また、Auを主
成分としているものは反射率の高い反射層が容易に得ら
れるため好適である。ここで主成分というのは含有率が
50%以上のものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄
膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、
反射層として用いることも可能である。
【0032】反射層を形成する方法としては、例えば、
スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
また、反射率を高めるためや密着性をよくするために記
録層と反射層の間にそれぞれ反射増幅層や接着層を設け
ることもできる。
【0033】このようにして得られる本発明は、基板上
に記録層及び反射層が形成された媒体で、620〜69
0nm、好ましくは630〜690nmの範囲から選ば
れた波長の光に対する基板側からの反射率が15%以
上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以
上、さらに好ましくは40%以上あり、また、770n
m〜830nmの範囲から選ばれた波長の光に対する基
板側からの反射率が65%以上、好ましくは70%以上
有するもので、レッドブック(CD)規格及びオレンジ
ブック(CD−R)規格の反射率に満足するものであ
る。これらの規格を満足すれば、従来より市販されてい
るCDプレーヤーでも良好に再生することができる。
【0034】さらに、反射層の上に保護層を形成させる
こともできる。保護層の材料としては反射層を外力から
保護するものであれば特に限定しない。有機物質として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を
挙げることができる。なかでもUV硬化性樹脂が好まし
い。又、無機物質としては、SiO2 、SiN4 、Mg
2 、SnO2 等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾
燥することによって形成することができる。UV硬化性
樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液
を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して
硬化させることによって形成することができる。UV硬
化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどの
アクリレート樹脂を用いることができる。これらの材料
は単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけで
なく多層膜にして用いてもいっこうに差し支えない。
【0035】保護層の形成の方法としては、記録層と同
様にスピンコート法やキャスト法などの塗布法やスパッ
タ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、このなかで
もスピンコート法が好ましい。
【0036】本発明における赤色レーザーは、620〜
690nmの波長のレーザーであれば何でも良い。例え
ば、可視領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザー
や波長633nmのヘリウムネオンレーザー、最近開発
されている波長635nmや680nmの高出力半導体
レーザーなどがあるが、装置に搭載することを考えると
半導体レーザーが好適である。また、近赤外レーザー
は、770〜830nmの波長のレーザーであれば何で
も良いが、市販のCDプレーヤーやCDレコーダーに用
いられている半導体レーザーが適している。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れによりなんら限定されるものではない。 〔実施例1〕 化合物(A)〔化9〕
【0038】
【化9】 で示されるポルフィリン化合物0.2gおよび光吸収剤
としてペンタメチンシアニン色素NK2929(1,
3,3,1’,3’,3’−ヘキサメチル−2,2’−
(4,5,4’,5’−ジベンゾ)インドジカルボシア
ニンパ−クロレ−ト)〔日本感光色素研究所製〕0.0
2gをジアセトンアルコ−ル(東京化成品)10mlに
溶解し、色素溶液を調製した。基板は、ポリカーボネー
ト樹脂製で連続した案内溝(トラックピッチ:1.6μ
m)を有する直径120mmφ、厚さ1.2mmの円盤
状のものを用いた。この基板上に色素溶液を回転数15
00rpmでスピンコートし、70℃2時間乾燥して、
150nmの記録層を形成した。この記録層の上にバル
ザース社製スパッタ装置(CDI−900)を用いてA
uをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形成した。
スパッタガスには、アルゴンガスを用いた。スパッタ条
件は、スパッタパワー2.5kW、スパッタガス圧1.
0×10-2Torrで行った。さらに反射層の上に紫外
線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工業製)をス
ピンコートした後、紫外線照射して厚さ6μmの保護層
を形成した。サンプルを635nm赤色半導体レーザー
ヘッドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装
置D DU−1000及びKENWOOD製EFMエン
コーダーを用いて、線速度5.6m/s、レーザーパワ
ー10mWで記録した。記録後、同評価装置を用いて信
号を再生した結果、きれいなアイパターンが観測され
た。このときの反射率は26%であった。また、この記
録したサンプルを再生波長が780nmの市販CDプレ
ーヤーで再生評価した結果、反射率が75%でエラー率
が3cpsで良好に再生可能であり、近赤外半導体レー
ザーヘッドを用いた再生機でも再生可能であることが確
認された。
【0039】〔実施例2〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(B)〔化10〕
【0040】
【化10】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評
価装置を用いて信号を再生した結果、反射率は28%で
あった。また、この記録したサンプルを再生波長が78
0nmの市販CDプレーヤーで再生評価した結果反射率
が74%でエラー率が3cpsで良好に再生できた。
【0041】〔実施例3〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(C)〔化11〕
【0042】
【化11】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を780nm半導体レーザーヘッ
ドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装置D
DU−1000及びKENWOOD製EFMエンコーダ
ーを用いて、線速度5.6m/s、レーザーパワー7m
Wで記録した。記録後、同評価装置を用いて信号を再生
した結果、反射率は75%であった。また、この記録し
たサンプルを再生波長が635nmの装置で再生評価し
た結果反射率が34%で、またエラー率が4cpsで良
好に再生できた。
【0043】〔実施例4〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(D)〔化12〕
【0044】
【化12】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評
価装置を用いて信号を再生した結果、反射率は33%で
あった。また、この記録したサンプルを再生波長が78
0nmの市販CDプレーヤーで再生評価した結果、反射
率が71%でエラー率が3cpsで良好に再生できた。
【0045】〔実施例5〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(E)、〔化13〕
【0046】
【化13】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評
価装置を用いて信号を再生した結果、反射率は31%で
あった。また、この記録したサンプルを再生波長が78
0nmの市販CDプレーヤーで再生評価した結果、反射
率が76%でエラー率が3cpsで良好に再生できた。
【0047】〔実施例6〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(F)、〔化14〕
【0048】
【化14】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評
価装置を用いて信号を再生した結果、反射率は33%で
あった。また、この記録したサンプルを再生波長が78
0nmの市販CDプレーヤーで再生評価した結果、反射
率が77%でエラー率が4cpsで良好に再生できた。
【0049】〔実施例7〕実施例1において色素(A)
の代わりにポルフィリン化合物(G)〔化15〕
【0050】
【化15】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評
価装置を用いて信号を再生した結果、反射率は25%で
あった。また、この記録したサンプルを再生波長が78
0nmの市販CDプレーヤーで再生評価した結果、反射
率が70%でエラー率が4cpsで良好に再生できた。 〔実施例8〕実施例1において光吸収剤NK2929の
代わりにフタロシアニン化合物(H)〔化16〕
【0051】
【化16】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を実施例1と同様に635nm赤
色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー8mWで記録した。記録後、同評価
装置を用いて信号を再生した結果、反射率は30%であ
った。また、サンプルを波長が780nmの市販CDプ
レーヤーで再生評価した結果、反射率70%、エラー率
が3cpsで良好に再生できた。
【0052】一方、未記録の本サンプルを半導体レーザ
ー波長が780nmの装置で同様に記録後、同装置で再
生したところ、反射率73%、エラー率が4cpsで良
好に再生できた。
【0053】さらに、前記635nm半導体レーザー装
置で再生したところ、反射率は34%でエラー率が2c
psで良好に再生できた。
【0054】〔実施例9〕実施例1において光吸収剤N
K2929の代わりにフタロシアニン化合物(I)〔化
17〕
【0055】
【化17】 で示される色素を用いたこと以外は同様にして光記録媒
体を作製した。本媒体を780nm赤色半導体レーザー
ヘッドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装
置DDU−1000及びKENWOOD製EFMエンコ
ーダーを用いて、線速度5.6m/s、レーザーパワー
6mWで記録した。記録後、同評価装置を用いて信号を
再生した結果、反射率は73%であった。また、この記
録したサンプルを再生波長が635nmの装置で再生評
価した結果、反射率が30%、エラー率が4cpsで良
好に再生できた。
【0056】〔実施例10〕実施例1において、ペンタ
メチルシアニン色素NK2929を添加しない色素溶液
を用いて、同様にして光記録媒体を作製した。本サンプ
ルを前記635nm赤色半導体レーザーの装置を用いて
同様に記録し、再生した結果、きれいなアイパターンが
観測された。このときの反射率は31%でエラー率が5
cpsで、利用項に再生できることが確認された。
【0057】〔比較例1〕実施例1においてポルフィリ
ン色素(A)の添加を無しにするほかは同様にして光記
録媒体を作製した。作製した媒体を実施例1と同様に6
35nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステ
ック工業製光ディスク評価装置DDU−1000及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて、線速度
5.6m/s、レーザーパワー10mWで記録した。記
録後、同評価装置を用いて信号を再生した結果、反射率
が9%程度と低く、波形も歪んでいた。しかも長時間再
生していると信号が劣化した。また、この記録した媒体
を再生波長780nmの市販のCDプレーヤーで評価し
た結果、エラー率が2980cpsで再生不良であるこ
とが確認された。
【0058】〔比較例2〕実施例1においてポルフィリ
ン色素(A)の添加を無しにて、しかも光吸収剤にペン
タメチンシアニン色素NK2627(3,3’−ジエチ
ル−2,2’−(6,7,6’,7’−ジベンゾ)チア
ジカルボシアニンアイオダイド)〔日本感光色素研究所
製〕を用いること以外は同様にして光記録媒体を作製し
た。作製した媒体を実施例1と同様に635nm赤色半
導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製光デ
ィスク評価装置DDU−1000及びKENWOOD製
EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/s、レ
ーザーパワー10mWで記録した。記録後、同評価装置
を用いて信号を再生した結果、反射率が8%と低く、波
形も歪んでいた。しかも長時間再生していると信号が劣
化した。また、この記録した媒体を再生波長780nm
の市販のCDプレーヤーで評価した結果、エラー率が3
320cpsで再生不良であった。
【0059】〔比較例3〕実施例1においてポルフィリ
ン色素(A)の添加無しにて、しかも光吸収剤にペンタ
メチンシアニン色素NK1456(1,1’−ジエチル
−2,2’−キノジカルボシアニンアイオダイド)〔日
本感光色素研究所製〕を用いること以外は同様にして光
記録媒体を作製した。作製した媒体を実施例1と同様に
680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルス
テック工業製光ディスク評価装置DDU−1000及び
KENWOOD製EFMエンコーダーを用いて、線速度
5.6m/s、レーザーパワー10mWで記録した。記
録後、同評価装置を用いて信号を再生した結果、反射率
が6%程度と低く、波形も歪んでいた。しかも長時間再
生していると信号が劣化した。また、この記録した媒体
を再生波長780nmの市販のCDプレーヤーで評価し
た結果、エラー率が3570cpsで再生不良であっ
た。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ポルフィリン化合物か
らなる色素と、好ましくはさらに光吸収剤を記録層とし
て用いることにより、近年移行しつつある、記録再生波
長が635nmの赤色レーザーで記録再生が可能でなる
のみならず、従来より使用されている780nmの近赤
外レーザーでも再生が可能な、互換性のある光記録媒体
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体の断面構造図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層
フロントページの続き (72)発明者 谷口 義輝 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 広瀬 純夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−122685(JP,A) 特開 平2−179790(JP,A) 特開 平4−295644(JP,A) 特開 平6−115252(JP,A) 特開 平3−281287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) MARPAT(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層、反射層及び保護層を有
    する光記録媒体において、記録層中に 式(1)〔化1〕で示されるポルフィリン化合物と 波長650〜900nmに吸収極大を有する光吸収化
    合物を含有する光記録媒体。 【化1】 [式中、R1 −R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
    基、アルキルチオ基又はハロゲン原子を示し、R9−R
    12は水素原子、又はアルキル基を示し、X- はアニオン
    を示す。]
  2. 【請求項2】 波長620〜690nmの赤色レーザー
    から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が1
    5%以上であり、波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーで少なくとも再生可能である請求項1記載の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 波長620〜690nmの赤色レーザー
    から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が1
    5%以上であり、波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーで記録および再生可能である請求項1記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 波長770〜830nmの近赤外レーザ
    ーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が
    65%以上であり、770〜830nmから選ばれた近
    赤外レーザーで再生可能である請求項2または3記載の
    光記録媒体。
  5. 【請求項5】 波長770〜830nmから選ばれた近
    赤外レーザーで記録再生可能である請求項2または3記
    載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 光吸収化合物がフタロシアニン化合物で
    ある請求項1〜5記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 光吸収化合物がペンタ−メチンシアニン
    化合物又はヘプタ−メチンシアニン化合物である請求項
    1〜5記載の光記録媒体。
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