JPH09241238A - ビスピロール化合物及びそれを含有してなる光記録媒体 - Google Patents

ビスピロール化合物及びそれを含有してなる光記録媒体

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JPH09241238A
JPH09241238A JP8051418A JP5141896A JPH09241238A JP H09241238 A JPH09241238 A JP H09241238A JP 8051418 A JP8051418 A JP 8051418A JP 5141896 A JP5141896 A JP 5141896A JP H09241238 A JPH09241238 A JP H09241238A
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Application number
JP8051418A
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English (en)
Inventor
Taizo Nishimoto
泰三 西本
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Takeshi Tsuda
武 津田
Hideki Umehara
英樹 梅原
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 基板上に記録層および反射層を有する光
記録媒体において、記録層中に一般式(1)で示される
ビスピロール化合物を含有させた光記録媒体。 〔式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、R
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキル
カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ
基、アラルキル基又はハロゲン原子を示し、Xはアニ
オンを示す。〕 【効果】 波長620〜690nmから選択される波長
の光に対して記録・再生または再生が可能で、且つ、7
70〜830nmから選択される波長の光に対してCD
規格に準拠した記録・再生または再生ができる良好な記
録特性を有する互換性のある、しかも、耐光性に優れた
光記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基板上に、少
なくとも、色素を含有する記録層および反射層を有する
光記録媒体で、620〜690nmから選ばれた波長の
レーザー光で再生または記録・再生が可能な光記録媒体
に関するものであり、さらに、770〜800nmから
選ばれた波長のレーザー光で再生または記録・再生が出
来る記録可能コンパクトディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし、且つ、反射率を大き
くするため、記録層の上に金属の反射層を設け、更にこ
の上に保護層を設けた単板型の記録可能な光記録媒体
は、例えば、 Optical Data Storage 1989, Technical
Digest Series Vol.1, 45(1989)に開示されている。
又、このような媒体の記録層に、シアニン色素や本発明
に用いられるフタロシアニン色素を用いた媒体は、記録
可能コンパクトディスク媒体(以下、CD−R媒体と称
する)として市場に供されている。かかる光記録媒体
は、基本的には、基板上に、記録層、反射層、保護層を
この順に形成したものである。この光記録媒体の記録層
に半導体レーザー等のレーザー光を高パワーで照射する
と、記録層が物理的あるいは化学的変化を起こし、ピッ
トの形で情報を記録する。形成されたピットに低パワー
のレーザー光を照射し、反射光を検出することによりピ
ットの情報を再生することができる。CD−R媒体はオ
レンジブック規格に準拠しており、770〜830nm
から選ばれた波長(λ1 )の光に対して65%以上の反
射率を有し、且つ、このλ1 の光を吸収する。それ故、
780nmの半導体レーザーで記録することが出来、且
つ、780nmの半導体レーザーを搭載している市販の
CDプレーヤーやCD−ROMプレーヤーで再生できる
という特徴を有する。一方、現在の光記録媒体は650
MBの容量しか持たず、デジタル動画のような大容量の
情報を記録するには記録時間が15分以下と短い。又、
機器の小型化が進むなかで、従来の記録密度では媒体を
小型にすると容量が不足する。
【0003】最近、620〜690nmから選ばれた波
長(λ2 )の半導体レーザーが開発され、高密度の記録
及び又は再生が可能となりつつある。この半導体レーザ
ーを用いて、従来の媒体の5〜8倍の記録容量を有する
高密度記録媒体や、この高密度記録媒体を再生すること
ができる高密度記録媒体対応のプレーヤーの開発が検討
されている。特に、映画をデジタルで2時間以上収録で
きるシステムはDVD(degital video disk) として、
その再生専用の媒体及び再生プレーヤーの上市が目前に
迫っている。この高密度記録媒体の1つとして、従来の
CDやCD−ROM媒体と同じように、基板成形時にピ
ットを形成し、アルミ反射層を設けた再生専用媒体が挙
げられる。この再生専用高密度記録媒体は70%以上の
反射率を有する。それ故に、この高密度記録媒体を再生
できる高密度対応プレーヤーは、70%以上の高反射率
を有する前記再生専用媒体が再生できるように設計され
ている。そして、例えば、従来のCD、CD−ROMや
CD−R等の媒体も、該高密度対応プレーヤーで再生で
きることが当然望まれている。従来のCDやCD−RO
M媒体は再生専用であり、その製法は前記再生専用高密
度記録媒体と同じであって、70%以上の高い反射率を
有するので高密度対応プレーヤーでも容易に再生が可能
である。
【0004】一方、現在市場に供されているCD−R媒
体は、確かに780nm前後の光に対する反射率は65
%以上有し、市販のCDやCD−ROMプレーヤーで再
生できるが、620〜690nmから選ばれた波長(λ
2 )の光で再生しようとした場合、反射率が10%以下
と非常に小さいことが問題となる。また、変調度も小さ
く、且つ記録部の反射率が未記録部より大きくなる、い
わゆる、low to high記録となり、通常のCD等(high
to low 記録)とは極性が逆になり、好ましくない。更
に、記録波形に大きな歪が観察される。このような数々
の欠点のため、従来のCD−R媒体は620〜690n
mから選ばれた波長(λ2 )のレーザーを搭載した高密
度対応プレーヤーでは再生することは困難であった。例
えば、 USP-5090009には、色素を含む記録層、反射層、
保護層を基板上に順次積層したCD-R媒体、及びこの媒体
の基板と記録層の間や、記録層と反射層の間に、干渉層
を設けた媒体が開示されている。そして、CDの規格
(レッドブック)を満足するためや、記録を可能とする
ための記録層の光学定数や膜厚が開示されている。確か
にここで開示されている媒体は、CDに用いられている
780nmの光の一部を吸収すると共に反射率が70%
以上得られ、この波長の光で記録及び再生ができる。し
かしながら、620〜690nmから選ばれた波長(λ
2 )の光での記録及び/又は再生を目的としておらず、
該波長の光に対する反射率や記録層の光学定数、更に干
渉層の光路長に関しては何も開示されていない。
【0005】該特許には、記録層にインドジカルボシア
ニン色素を用い、干渉層を有しない媒体、及び無機化合
物やポリマーからなる干渉層を有した媒体の実施例が多
数開示されている。しかしながら、この記録層にインド
ジカルボシアニン色素を用いた媒体は、620〜690
nmから選ばれた波長の光に対する反射率が10%以下
であり、且つ、記録部の反射率が未記録部より大きくな
るlow to high 記録となり好ましくない。反射率が小さ
くなる理由は、CD−R媒体に用いられる色素は光学特
性の波長依存性が大きく、前記したインドジカルボシア
ニン色素は記録膜で測定すると600〜750nmに非
常に大きな吸収を有すると共に、CD−R媒体は780
nm前後の光に対して反射率が大きくなるように記録層
の膜厚や光学定数(屈折率、消衰係数)が設計されてい
るために、620〜690nmでの反射率が小さくな
る。また、該特許の実施例8や14には、本発明の記録
層に用いられるフタロシアニン色素とは異なるt−ブチ
ル置換フタロシアニン色素を記録層とし、ポリマーや無
機化合物からなる干渉層を有する媒体が開示されてい
る。しかしながら、これらの媒体は、反射率や変調度は
CDの規格を満足するが、CDと同じ pulse width mod
ulation により記録された信号を620〜690nmか
ら選ばれた波長(λ2 )の光で再生した場合、再生波形
には大きな歪が観測され、エラーレートやジッターが大
きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0006】EP-19329には、VO−フタロシアニン色素を
記録層とし、該記録層の上にセルロースからなる300
nm干渉層を設けた媒体が開示されている。しかしなが
ら、該特許も特定の1つの波長に対する反射率と記録感
度を改良することを目的としたものであり、本発明の様
に770〜830nmから選ばれた波長(λ1 )の光と
620〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光の2
つの光で記録及び再生が出来るように記録層は最適化さ
れていない。更に、この媒体もCDと同じ pulse width
modulation により記録された信号を620〜690n
mから選ばれた波長(λ2 )の光で再生した場合、再生
波形には大きな歪が観測され、エラーレートやジッター
が大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。US
P-5124067 には、本発明の記録層に用いられる色素と同
じような色素及び該色素を用いた媒体が多数開示されて
いる。しかしながら、例えば、その実施例98、10
0、102に開示された媒体はCDの規格は満足するも
のの、620〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の
光で再生した場合、記録モードはlow tohigh となり、
且つ反射率は10%以下と小さく、更にCDと同じ pul
se widthmodulation により記録された信号の再生波形
には歪が観測され、エラーレートやジッターが大きく、
高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0007】さらに、特開平3−281287には、7
80nmに吸収曲線の長波長側端部を有し、780nm
での屈折率の imaginary part の絶対値が、0.2以下
のcomplex refractive index を有する色素(A)と、
該色素の吸収極大波長よりも短波長側に極大吸収を有す
るトリメチンシアニン色素(B)の混合物色素を記録層
とする媒体が開示されている。この媒体は耐久性に優
れ、且つCD規格を満足する。しかしながら、620〜
690nmから選ばれた波長(λ2 )の光で再生が出来
るように最適化されていない。実施例からも明らかなよ
うに、トリメチンシアニン色素の使用割合が50wt
%、ペンタメチンシアニン色素が50wt%であり、6
20〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光に対す
る吸収が大き過ぎて、反射率が15%未満となって、高
密度対応プレーヤーによる再生は難しい。特開平6−3
36086には、特定の構造のトリメチンシアニン色素
とペンタメチンシアニン色素の混合物を記録層とする媒
体が開示されている。この媒体は780nm及び488
nmの光での記録及び再生を目的とし、トリメチンシア
ニン色素とペンタメチンシアニン色素の割合が1:10
である。このように、ペンタメチンシアニン色素の使用
割合が多いと620〜690nmから選ばれた波長(λ
2 )の光に対する吸収が大き過ぎ、反射率が15%未満
となり高密度対応プレーヤーによる再生は難しい。
【0008】特開平6−40162には、記録層にトリ
メチンシアニン色素を用いた媒体が開示されている。こ
の媒体は630nmの光での記録及び再生を目的として
おり、記録層が780nmの光に対する吸収を有しない
ために780nmの光では記録が出来ない。特開平3−
290835には、記録層と、アルミ合金からなる反射
層との間に低分子有機物からなる干渉層を設けた媒体が
開示されている。該媒体は、780nmに於ける反射率
を70%以上にするため、反射層に高価な金の代わりに
アルミ合金を用いて干渉層を設けたものであり、確かに
780nmに於ける反射率は70%以上得られるもの
の、620〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光
に対する反射率は小さく、高密度媒体対応プレーヤーで
は再生できない。前記したように、少なくとも色素を含
有する記録層、反射層を有する光記録媒体で、770〜
830nmから選ばれた波長(λ1 )のレーザー光に対
する反射率が65%以上得られ、高感度であり、記録特
性に優れ、市販のCDやCD−ROMプレーヤーで再生
することが出来、且つ620〜690nmから選ばれた
波長(λ2 )のレーザーを搭載した高密度記録媒体対応
のプレーヤーで再生出来る媒体はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、62
0〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で再生ま
たは記録・再生が可能であり、さらに、現行のCD−R
媒体の規格であるオレンジブック(770nm〜830
nmから選ばれた波長の光に対する反射率が65%以上
で、該光で記録・再生が可能)を満足し、且つ、耐光性
に優れた媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
の解決を目的として鋭意検討し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、〔1〕 一般式(1)(化
3)で示されるビスピロール化合物に関するものであ
る。
【0011】
【化3】 〔式中、R1 は水素原子又はアルキル基を示し、R2
6 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキル
カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ
基、アラルキル基又はハロゲン原子を示し、X- はアニ
オンを示す。〕 また、本発明は、〔2〕 アニオンが、金属キレート化
合物である〔1〕記載のビスピロール化合物、〔3〕
金属キレート化合物が、一重項酸素クエンチャーである
〔2〕記載のビスピロール化合物、〔4〕 金属キレー
ト化合物が、一般式(2)〜(11)(化4)のいずれ
かで表されるものである〔2〕記載のビスピロール化合
物に関するものである。
【0012】
【化4】 〔式中、A,A’は置換または未置換のベンゼン環、あ
るいは置換または未置換のナフタレン環を示し、同種で
あっても異種であってもよく、R7 〜R45は水素原子、
置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のア
ルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン
原子、置換または未置換のアリル基、置換または未置換
のアルキルカルボキシル基、置換または未置換のアルキ
ルアルコキシル基、置換または未置換のアラルキル基、
置換または未置換のアルキルカルボニル基、金属イオン
と結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ
基、シアノ基、置換または未置換のアルキルアミノ基、
あるいは置換または未置換のフェニル基であり、MはN
i、Co、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属を示
し、1価の負電荷を持つ。〕
【0013】さらに、本発明は、〔5〕 基板上に、少
なくとも記録層および反射層を有する光記録媒体におい
て、記録層中に〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のビス
ピロール化合物を含有する光記録媒体、〔6〕 記録層
中に一般式(1)で示される化合物とともに、波長65
0〜900nmに吸収極大を有する光吸収化合物を含有
する〔5〕記載の光記録媒体、〔7〕 光吸収化合物が
フタロシアニン化合物である〔6〕記載の光記録媒体、
〔8〕 光吸収化合物がペンタメチンシアニン化合物又
はヘプタメチンシアニン化合物である〔6〕記載の光記
録媒体、
〔9〕 波長620〜690nmの赤色レーザ
ーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が
15%以上であり、波長620〜690nmの赤色レー
ザーで少なくとも再生可能である〔5〕〜〔8〕のいず
れかに記載の光記録媒体、〔10〕 波長620〜690
nmの赤色レーザーから選ばれた光に対する基板側から
測定した反射率が15%以上であり、波長620〜69
0nmの赤色レーザーで記録および再生可能である
〔9〕に記載の光記録媒体、〔11〕 波長770〜83
0nmの近赤外レーザーから選ばれた光に対する基板側
から測定した反射率が65%以上であり、770〜83
0nmから選ばれた近赤外レーザーで再生可能である
〔9〕又は〔10〕記載の光記録媒体、〔12〕 波長77
0〜830nmから選ばれた近赤外レーザーで記録再生
可能である〔11〕記載の光記録媒体、に関するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て以下に説明する。本発明の光記録媒体は、基板上に、
少なくとも記録層及び反射層を有する。光記録媒体と
は、予め情報を記録されている再生専用の光再生専用媒
体、及び、情報を記録して再生することのできる光記録
媒体の両方を示すものである。但し、ここでは適例とし
て後者の情報を記録して再生のできる光記録媒体、特に
基板上に記録層、反射層及び保護層をこの順で形成した
光記録媒体に関して説明する。この光記録媒体は、(図
1)に示すような4層構造を有している。即ち、基板1
上に記録層2が形成されており、その上に密着して反射
層3が設けられており、さらにその上に保護層4があ
り、反射層3を覆っている。基板の材質としては、基本
的には、記録光及び再生光の波長で透明なものであれば
よい。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリス
チレン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料や、ガラス等
の無機材料が利用される。これらの基板材料は、射出成
形法等により円盤状に成形される。必要に応じて、基板
表面に溝を形成することもある。
【0015】本発明で色素層に用いるビスピロール化合
物は一般式(1)で表される。一般式(1)において、
具体的には、R1 としては水素原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチ
ル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ドデシ
ル基等のアルキル基が挙げられる。また、R2 〜R6
しては水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、3,5,5
−トリメチルヘキシル基、n−ドデシル基等のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−
プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−
アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ドデシル
オキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、エチルカルボ
ニル基、i−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボ
ニル基等のアルキルカルボニル基;メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、i−プロピルオキシカルボ
ニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−
プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−ヘキシルチオ
基等のアルキルチオ基;ベンジル基、ニトロベンジル
基、シアノベンジル基、ヒドロキシベンジル基、ナフチ
ルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチル
メチル基、ヒドロキシナフチルメチル基等のアラルキル
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子
が挙げられる。
【0016】X- の具体例としては、F- 、Cl- 、B
- 、I- 、CH3 COO- 、CF3 COO- 、BF4
- 、B(C6 5 4 - 、PF6 - 、CH3 OP
3 -、C6 5 SO3 - 等のアニオン、あるいは、前
記一般式(2)〜(11)で表される金属キレート化合
物が挙げられる。一般式(2)〜(11)において、
A,A’は置換または未置換のベンゼン環、あるいは置
換または未置換のナフタレン環を示し、同種であっても
異種であってもよい。これらのベンゼン環あるいはナフ
タレン環上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ア
リル基、アルキルカルボキシル基、アルキルアルコキシ
ル基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、金属イオ
ンと結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、またはフェニル基であり、こ
れらの置換基は単数であっても、複数であってもよい。
また、R7 〜R45は水素原子、置換または未置換のアル
キル基、置換または未置換のアルコキシ基、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換または未置換
のアリル基、置換または未置換のアルキルカルボキシル
基、置換または未置換のアルキルアルコキシル基、置換
または未置換のアラルキル基、置換または未置換のアル
キルカルボニル基、金属イオンと結合したスルホネート
アルキル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、置換また
は未置換のアルキルアミノ基、あるいは置換または未置
換のフェニル基であり、MはNi、Co、Mn、Cu、
Pd及びPt等の遷移金属であり、1価の負電荷を持つ
ものである。なお、一般式(2)〜(11)で表される
化合物の具体例を、表1−1〜1−10(表1〜5)に
示すが、これらに限定されるものではない。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】本発明で規定するビスピロール化合物は、
例えば、以下の様にして製造される。公知の方法、例え
ば、文献(R.A.Berger, Eugene LeGoff, Tetrahedron L
etters, No.44, p.4225-4228, 1978) に記載されている
方法に準じて、下記反応式(化5)に記す様に、HBF4
の無機酸触媒下、ピロール類と1,3-シクロヘキサンジオ
ン類を縮合させることにより、該無機酸の陰イオンと結
合したビスピロール化合物が得られる。
【0023】
【化5】 〔式中、R1 は水素原子又はアルキル基を示し、R2
6 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキル
カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ
基又はハロゲン原子を示し、X1 - は無機酸の陰イオン
を示す。〕 さらに、該無機酸の陰イオンを他の各種アニオンと置換
することにより、各種アニオンと結合したビスピロール
化合物が得られる。本発明で用いられるビスピロール化
合物の例を表−2(表6〜11)に示すが、本発明の化
合物はこれによりなんら限定されるものではない。
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】本発明の光記録媒体は、基板上に記録層、
反射層および保護層を有するものであり、該記録層は一
般式(1)で表されるビスピロール化合物を含有する。
記録層におけるビスピロール化合物の含有量は、特に制
限はないが、通常30〜100重量%程度である。ま
た、本発明の光記録媒体において、記録層は、さらに感
度向上のために、一般式(1)で表されるビスピロール
化合物とともに、650〜900nmに吸収極大を有す
る光吸収化合物を使用することは好ましい態様である。
この光吸収化合物の併用量は特に制限はないが、ビスピ
ロール化合物と光吸収化合物の両者の合計に対し、0.
1〜50重量%、好ましくは1〜25重量%程度であ
る。
【0031】本発明で用いられる光吸収化合物の具体例
としては、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色
素、シアニン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、
スクワリリウム色素、ピリリウム色素、アントラキノン
色素、ナフトキノン色素、ベンゾキノン色素、他のポリ
フィリン色素、アゾ色素、ジチオール金属錯体色素、イ
ンドフェノール色素、トリフェニルメタン色素、キサン
テン色素、インダンスレン色素、インジゴ色素、オキサ
ジン色素、チアジン色素、アクリジン色素、インドアニ
リン色素およびアズレニウム色素等が挙げられ、これら
に金属が含有されていてもよい。650nm〜900n
mに極大吸収を有するものとして、ペンタメチンシアニ
ン、ヘプタメチンシアニン、フタロシアニン、ナフタロ
シアニン色素は極大吸収モル吸光係数が大きく好まし
い。フタロシアニン、ナフタロシアニン色素は著しい耐
光性、耐湿性を有するため特に好ましい。
【0032】記録層を成膜する際に、必要に応じて、バ
インダーを併用することもできる。好ましいバインダー
としては、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカー
ボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。また、溶剤
に溶解して塗布できることを考慮すると、前記した色素
に於いて、650nm〜900nmに極大吸収を有する
ものと、該ポリフィリン化合物とが互いに相溶性に優れ
た色素が好ましい。なお、極大吸収とは各々の範囲で最
大吸収もしくは最大吸収に近い吸収を表し、ピークが複
数存在する場合は最も長波長側のピークとする。さら
に、色素の吸収特性は分子の会合状態によって異なり、
溶液と固体(膜)及び濃度で吸収特性は異なるが、本発
明に於ける極大吸収波長は色素単独の膜で測定した値と
する。上記の650〜900nmに極大を有する光吸収
化合物として最も好ましいフタロシアニンは一般式(1
2)(化6)で表される化合物である。
【0033】
【化6】 〔式中、Meは2個の水素原子、又は金属、金属酸化
物、金属ハロゲン化物を表し、Y1 〜Y4 は酸素又は硫
黄を、Z1 〜Z4 は4〜12個の炭素を有する無置換又
は置換炭化水素基を、X1 〜X4 はハロゲンを、l1 〜
l4 は1又は2を、m1 〜m4 は0〜3の整数を表
す。]
【0034】前記式(12)で表されるフタロシアニン
色素に於けるMeの具体例としては、Cu、Pd、N
i、Mg、Zn、Pb、Cd等の2価の金属、VO等の
金属酸化物やAlCl等の金属のハロゲン化物等が挙げ
られる。一方、Z1 〜Z4 は炭素数が4〜12の無置換
又は置換炭化水素基または4〜12個の炭素と、酸素、
窒素、硫黄およびハロゲンから選択される少なくとも1
種の元素とからなる基である。具体的には、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ジ
メチルシクロヘキシル基等の飽和炭化水素基や、ブテニ
ル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ドデセニル基、フ
ェニル基、メチルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキ
シルフェニル基等の不飽和炭化水素基等が挙げられる。
これらの炭化水素基は直鎖状でも分枝状であっても良
い。又、これらの炭化水素基はハロゲン、アミノ基、エ
ーテル基等で置換されていても良い。アミノ基やエーテ
ル基で置換されている場合でも置換基(Z1 〜Z4 )中
の全ての炭素原子数は4〜12個である。また、X1
4 で表されるハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、
沃素等が挙げられる。フタロシアニンを構成するベンゼ
ン環に結合している前記したX1 〜X4 の置換基の置換
位置およびY1 〜Y4 の置換基の置換位置は特に限定す
るものではなく、又置換基の種類及び数は一分子中の4
つのベンゼン環で異なっていても良いのである。前記し
たフタロシアニン色素の中で、反射率及び感度、波形
歪、エラーレートやジッター等の記録特性から、l1 〜
l4 は1であることが好ましい。好ましいフタロシアニ
ン化合物の例を表−3(表12〜14)に示すが、本発
明の化合物はこれによりなんら限定されるものではな
い。
【0035】
【表12】
【0036】
【表13】
【0037】
【表14】 また、ペンタ又はヘプタメチンシアニン化合物として好
ましい化合物として、下記の化合物(化7)等が挙げら
れる。
【0038】
【化7】
【0039】本発明において、記録層を形成するための
これらの化合物・色素等は、スピンコート法やキャスト
法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法、真空蒸着法等
によって、基板上に、厚さ50〜500nm、好ましく
は100〜150nmの記録層を形成する。特に塗布法
においては色素を溶解あるいは分散させた塗布溶媒を用
いるが、この際溶媒は基板にダメージを与えないものを
選ぶことが好ましい。例えば、メタノール等のアルコー
ル系溶媒、ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素系溶
媒、シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒、ベンゼン
等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム等のハロゲン
化炭化水素系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メ
チルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、アセトン等のケ
トン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒などが用い
られ、これらは1種あるいは複数混合して用いられる。
また、記録層は1層だけでなく、複数の色素を多層形成
させたり、色素を高分子薄膜などに、例えば、好ましく
は50%程度以上分散して用いたりすることもできる。
また、基板にダメージを与えない溶媒を選択できない場
合はスパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法などが有効で
ある。
【0040】次に、記録層の上に、厚さ50〜300n
m、好ましくは100〜150nmの反射層を形成す
る。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十
分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、
Cr、Ni、Pt、Ta、Cr又はPdの金属を、単独
あるいは合金にして用いることが可能である。この中で
もAuやAlは反射率が高く反射層の材料として適して
いる。これ以外でも下記のもの、例えば、Mg、Se、
Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、
Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金
属を含んでいてもよい。なお、Auを主成分としている
ものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適で
ある。ここで主成分というのは含有率が50%以上のも
のをいう。金属以外の材料で、低屈折率薄膜と高屈折率
薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として
用いることも可能である。反射層を形成する方法として
は、例えば、スパッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法等が
挙げられる。また、反射率を高めるためや、密着性をよ
くするために、記録層と反射層の間にそれぞれ反射増幅
層や接着層を設けることもできる。
【0041】このようにして得られる本発明の光記録媒
体は、620〜690nm、好ましくは630〜690
nmの範囲から選ばれた波長の光に対する基板側からの
反射率が15%以上であり、好ましくは20%以上、さ
らに好ましくは25%以上、さらに好ましくは40%以
上である。また、770nm〜830nmの範囲から選
ばれた波長の光に対する基板側からの反射率が65%以
上、好ましくは70%以上あるもので、レッドブック
(CD)規格及びオレンジブック(CD−R)規格の反
射率を満足するものである。これらの規格を満足すれ
ば、従来より市販されているCDプレーヤーでも良好に
再生することができる。
【0042】さらに、本発明の光記録媒体においては、
反射層の上に保護層を形成させることもできる。保護層
の材料としては、反射層を外力から保護するものであれ
ば特に限定しない。有機物質としては、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができ、
中でもUV硬化性樹脂が好ましい。又、無機物質として
は、SiO2 、SiN4 、MgF2 、SnO2 等が挙げ
られる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤
に溶解して塗布液とし、この塗布液を塗布し、乾燥する
ことによって、保護層を形成することができる。UV硬
化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗
布液を調製した後に、この塗布液を塗布し、UV光を照
射して硬化させることによって、保護層を形成すること
ができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルア
クリレートなどのアクリレート樹脂を用いることができ
る。これらの材料は単独で用いても、あるいは混合して
用いても良く、1層だけでなく多層膜にして用いても一
向に差し支えない。保護層の形成の方法としては、記録
層の場合と同様に、スピンコート法やキャスト法などの
塗布法やスパッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられる
が、この中でもスピンコート法が好ましい。
【0043】本発明の光記録媒体は、波長620〜69
0nmの赤色レーザーで少なくとも再生可能であり、再
生または記録・再生可能である。さらにまた、770〜
830nmから選ばれた近赤外レーザーで少なくとも再
生可能であり、記録・再生可能である。赤色レーザーと
しては、620〜690nmの波長のレーザーであれば
何でも良く、例えば、可視領域の広範囲で波長選択ので
きる色素レーザーや、波長633nmのヘリウムネオン
レーザー、最近開発されている波長635nmや680
nmの高出力半導体レーザーなどがあるが、装置に搭載
することを考えると半導体レーザーが好適である。ま
た、近赤外レーザーとしては、770〜830nmの波
長のレーザーであれば何でも良く、市販のCDプレーヤ
ーやCDレコーダーに用いられている半導体レーザーが
適している。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これによりなんら限定されるものではない。 実施例1 一般式(1)で示されるビスピロール化合物のうち、表
−2に記載したビスピロール化合物の式 No.(Bp-1)を
0.2g、および光吸収剤としてペンタメチンシアニン
色素NK2929〔1,3,3,1',3',3'−ヘキサメ
チル−2,2'−(4,5,4',5'−ジベンゾ)インドジ
カルボシアニンパークロレート〕(日本感光色素研究所
製)0.02gをジアセトンアルコール(東京化成品)
10mlに溶解し、色素溶液を調製した。基板は、ポリ
カーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッ
チ:1.6μm)を有する直径120mmφ、厚さ1.
2mmの円盤状のものを用いた。この基板上に、色素溶
液を回転数1500rpmでスピンコートし、70℃で
2時間乾燥して、記録層を形成した。この記録層の上
に、バルザース社製スパッタ装置(CDI−900)を
用いてAuをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形
成した。スパッタガスには、アルゴンガスを用いた。ス
パッタ条件は、スパッタパワー2.5kW、スパッタガ
ス圧1.0×10-2Torrで行った。さらに反射層の
上に、紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工
業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ6μ
mの保護層を形成した。得られた光記録媒体に、780
nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ラ
イター(CDD−521)を用いて、線速度2.8m/
s、レーザーパワー8mWでEFM信号を記録した。記
録後、市販CDプレーヤー(YAMAHACDX−10
50、レーザー波長786nm)を用いて信号を再生
し、反射率、エラー率及び変調度等を測定した。その結
果、再生波形歪が小さく、オレンジブック規格を満足し
た良好な値を示した。
【0045】次に、この記録した媒体について、680
及び635nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパ
ルステック工業製光ディスク評価装置(DDU−100
0)を用いて信号を再生し、反射率、エラー率及び最も
短いピットの変調度(I3/Itop) を測定した。いずれも良
好な値を示すことが確認された。さらに、この媒体に、
680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルス
テック工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)
及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて、線
速度5.6m/s、レーザーパワー10mWで記録し
た。記録後、680nm及び635nm赤色半導体レー
ザーヘッドを搭載した評価装置を用いて信号を再生し、
反射率、エラー率及びI3/Itop を測定した。いずれも良
好な値を示した。この記録した媒体について、市販CD
プレーヤー(YAMAHA CDX−1050、レーザ
ー波長786nm)を用いて、前記680nmのドライ
ブ(DDU−1000)で記録した信号の再生を行い、
反射率、エラー率及びI3/Itop を測定した。いずれもオ
レンジブック規格を満足した良好な値であった。また、
未記録の本媒体について、耐光性試験として、キセノン
ランプにて、40℃で100時間照射した後の786、
680、635nmにおける基板面反射率を測定し、反
射率変化を求めた。 これらの評価結果を表−4(表15〜22)に記載し
た。
【0046】実施例2 実施例1において、ビスピロール化合物の式 No.(Bp-1)
の代わりに、表−2に記載したビスピロール化合物の式
No.(Bp-2)を用いたこと、及びペンタメチンシアニン色
素NK2929の代わりに、表−3に記載したフタロシ
アニン化合物の式 No.(Pc-1)を用いること以外は、実施
例1と同様にして、光記録媒体を作製した。得られた媒
体について、実施例1と同様に記録、評価した結果、い
ずれも良好な値を示すことが確認された。評価結果を表
−4に記載した。
【0047】実施例3〜48 ビスピロール化合物の式 No.(Bp-3)〜(Bp-48) と、フタ
ロシアニン化合物の式No.(Pc-1) 、(Pc-2)とを組み合わ
せて用いた以外は、実施例2に準じて光記録媒体を作製
した。得られた媒体について、実施例1と同様に記録、
評価した結果、いずれも良好な値を示すことが確認され
た。色素の組み合わせ及び評価結果を表−4に記載し
た。
【0048】実施例49 実施例1において、光吸収化合物ペンタメチンシアニン
色素NK2929を用いなかったこと以外は、同様にし
て記録層を形成した。この形成された記録層の上に、さ
らに表−3に記載したフタロシアニン化合物の式 No.(P
c-3)0.8gをジメチルシクロヘキサン(東京化成)4
0mlに溶解した溶液を用いて、スピンコート法により
同様の条件で色素膜を形成し、2層の記録層からなる光
記録媒体を作製した。本媒体を実施例1と同様に記録、
評価した結果、いずれも良好な値を示すことが確認され
た。評価結果は表−4に記載した。
【0049】実施例50〜70 ビスピロール化合物の式 No.(Bp-2)〜(Bp-11) 及びNo.
(Bp-25)〜(Bp-35) とフタロシアニン化合物の式 No.(Pc
-4)〜(Pc-9)を組み合わせて用いた以外は、実施例49
に準じて光記録媒体を作製した。得られた媒体につい
て、実施例1と同様に記録、評価した結果、いずれも良
好な値を示すことが確認された。色素の組み合わせ及び
評価結果を表−4に記載した。
【0050】比較例1 実施例1においてビスピロール化合物の式 No.(Bp-1)の
添加を無しにする他は、実施例1と同様にして光記録媒
体を作製した。作製した媒体について、実施例1と同様
に評価したところ、786、680、635nmの各波
長で、再生信号波形が歪み、反射率も低かった。評価結
果を表−4に記載した。
【0051】比較例2 比較例1において、光吸収化合物ペンタメチンシアニン
色素NK2929の代わりに、フタロシアニン化合物の
式 No.(Pc-5)を用いること以外は、同様にして光記録媒
体を作製した。作製した媒体について、実施例1と同様
に評価したところ、786、680、635nmの各波
長で、再生信号波形が歪み、反射率も低かった。評価結
果を表−4に記載した。実施例1〜70及び、比較例
1、2において塗布した化合物の組み合わせ、及び評価
結果を全て表−4に記載した。
【0052】
【表15】
【0053】
【表16】
【0054】
【表17】
【0055】
【表18】
【0056】
【表19】
【0057】
【表20】
【0058】
【表21】
【0059】
【表22】
【0060】
【表23】
【0061】
【表24】
【0062】
【表25】
【0063】
【表26】
【0064】この結果から、本発明で特定されるビスピ
ロール化合物と、好ましくはさらに650〜900nm
に吸収極大を有する光吸収剤を記録層として用いること
により、波長620〜690nmから選択される波長の
光に対して記録・再生または再生が可能で、且つ、77
0〜830nmから選択される波長の光に対してCD規
格に準拠した記録・再生または再生ができ、良好な記録
特性を有する光記録媒体が得られることが明らかであ
る。また、本発明で特定されるビスピロール化合物のア
ニオンとして、アニオン型の金属キレート化合物を用い
ることにより、耐光性が向上することが明らかである。
【0065】
【発明の効果】本発明は、記録層に特定のビスピロール
化合物を含有させることにより、波長620〜690n
mから選択される波長の光に対して記録・再生または再
生が可能で、且つ、770〜830nmから選択される
波長の光に対してCD規格に準拠した記録・再生または
再生ができる良好な記録特性を有する互換性のある、し
かも、耐光性に優れた光記録媒体を提供することを可能
にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体の断面構造図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/30 7419−4H C07C 309/29 309/29 7419−4H 321/08 321/08 7419−4H 321/20 321/20 7419−4H 321/26 321/26 7419−4H 323/07 323/07 7419−4H 323/09 323/09 7419−4H 323/20 323/20 7419−4H 323/21 323/21 7419−4H 323/22 323/22 7419−4H 323/29 323/29 7419−4H 323/34 323/34 7419−4H 323/60 323/60 7419−4H 323/62 323/62 7106−4H 327/36 327/36 7106−4H 329/12 329/12 7106−4H 333/16 333/16 C07D 207/456 C07D 207/456 8721−5D G11B 7/24 516 G11B 7/24 516 B41M 5/26 Y (72)発明者 津田 武 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 梅原 英樹 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で示されるビスピ
    ロール化合物。 【化1】 〔式中、R1 は水素原子又はアルキル基を示し、R2
    6 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキル
    カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ
    基、アラルキル基又はハロゲン原子を示し、X- はアニ
    オンを示す。〕
  2. 【請求項2】 アニオンが、金属キレート化合物である
    請求項1記載のビスピロール化合物。
  3. 【請求項3】 金属キレート化合物が、一重項酸素クエ
    ンチャーである請求項2記載のビスピロール化合物。
  4. 【請求項4】 金属キレート化合物が、一般式(2)〜
    (11)(化2)のいずれかで表されるものである請求
    項2記載のビスピロール化合物。 【化2】 〔式中、A,A’は置換または未置換のベンゼン環、あ
    るいは置換または未置換のナフタレン環を示し、同種で
    あっても異種であってもよく、R7 〜R45は水素原子、
    置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のア
    ルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン
    原子、置換または未置換のアリル基、置換または未置換
    のアルキルカルボキシル基、置換または未置換のアルキ
    ルアルコキシル基、置換または未置換のアラルキル基、
    置換または未置換のアルキルカルボニル基、金属イオン
    と結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ
    基、シアノ基、置換または未置換のアルキルアミノ基、
    あるいは置換または未置換のフェニル基であり、MはN
    i、Co、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属を示
    し、1価の負電荷を持つ。〕
  5. 【請求項5】 基板上に、少なくとも記録層および反射
    層を有する光記録媒体において、記録層中に請求項1〜
    4のいずれかに記載のビスピロール化合物を含有する光
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層中に、一般式(1)で示される化
    合物とともに、波長650〜900nmに吸収極大を有
    する光吸収化合物を含有する請求項5記載の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 光吸収化合物がフタロシアニン化合物で
    ある請求項6記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 光吸収化合物がペンタメチンシアニン化
    合物またはヘプタメチンシアニン化合物である請求項6
    記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 波長620〜690nmの赤色レーザー
    から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が1
    5%以上であり、波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーで、少なくとも再生可能である請求項5〜8のいずれ
    かに記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が
    15%以上であり、波長620〜690nmの赤色レー
    ザーで記録・再生可能である請求項9記載の光記録媒
    体。
  11. 【請求項11】 波長770〜830nmの近赤外レー
    ザーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率
    が65%以上であり、770〜830nmから選ばれた
    近赤外レーザーで、少なくとも再生可能である請求項9
    または10記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 波長770〜830nmから選ばれた
    近赤外レーザーで記録・再生可能である請求項11記載
    の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007063923A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Fujifilm Corporation 光情報記録媒体、光情報記録媒体の製造方法、可視情報記録方法、混合物の利用方法及び混合物

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WO2007063923A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Fujifilm Corporation 光情報記録媒体、光情報記録媒体の製造方法、可視情報記録方法、混合物の利用方法及び混合物

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