JPH09240144A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH09240144A
JPH09240144A JP8047582A JP4758296A JPH09240144A JP H09240144 A JPH09240144 A JP H09240144A JP 8047582 A JP8047582 A JP 8047582A JP 4758296 A JP4758296 A JP 4758296A JP H09240144 A JPH09240144 A JP H09240144A
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group
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optical recording
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JP8047582A
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English (en)
Inventor
Taizo Nishimoto
泰三 西本
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Takeshi Tsuda
武 津田
Hideki Umehara
英樹 梅原
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板上に、記録層および反射層を有する
光記録媒体において、記録層中に特定の式で示されるポ
ルフィリン化合物を含有させた光記録媒体。 【効果】 波長620〜690nmから選択される波長
の光に対して記録・再生または再生が可能で、且つ、7
70〜830nmから選択される波長の光に対してCD
規格に準拠した記録・再生または再生ができる良好な記
録特性を有する互換性のある、しかも耐光性の優れた光
記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基板上に、少
なくとも、色素を含有する記録層および反射層を有する
光記録媒体で、620〜690nmから選ばれた波長の
レーザー光で記録・再生または再生が可能な光記録媒体
に関するものであり、さらに、770〜800nmから
選ばれた波長のレーザー光で記録・再生または再生が出
来る記録可能コンパクトディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】色素を記録層とし、且つ、反射率を大き
くするため、記録層の上に金属の反射層を設け、更にこ
の上に保護層を設けた単板型の記録可能な光記録媒体
は、例えば、 Optical Data Storage 1989, Technical
Digest Series Vol. 1 45(1989)に開示されている。
又、このような媒体の記録層に、シアニン色素や本発明
に用いられるフタロシアニン色素を用いた媒体は記録可
能コンパクトディスク媒体(以下、CD−R媒体と称す
る)として市場に供されている。かかる光記録媒体は、
基本的には、基板上に、記録層、反射層、保護層をこの
順に形成したものである。この光記録媒体の記録層に半
導体レーザー等のレーザー光を高パワーで照射すると、
記録層が物理的あるいは化学的変化を起こし、ピットの
形で情報を記録する。形成されたピットに低パワーのレ
ーザー光を照射し、反射光を検出することによりピット
の情報を再生することができる。CD−R媒体はオレン
ジブック規格に準拠しており、770〜830nmから
選ばれた波長(λ1 )の光に対して65%以上の反射率
を有し、且つ、このλ1 の光を吸収する。それ故、78
0nmの半導体レーザーで記録することが出来、且つ、
780nmの半導体レーザーを搭載している市販のCD
プレーヤーやCD−ROMプレーヤーで再生できるとい
う特徴を有する。
【0003】一方、現在の光記録媒体は650MBの容
量しか持たず、デジタル動画のような大容量の情報を記
録するには記録時間が15分以下と短い。又、機器の小
型化が進むなかで、従来の記録密度では媒体を小型にす
ると容量が不足する。
【0004】最近、620〜690nmから選ばれた波
長(λ2 )の半導体レーザーが開発され、高密度の記録
及び/又は再生が可能となりつつある。この半導体レー
ザーを用いて、従来の媒体の5〜8倍の記録容量を有す
る高密度記録媒体や、この高密度記録媒体を再生するこ
とができる高密度記録媒体対応のプレーヤーの開発が検
討されている。特に、映画をデジタルで2時間以上収録
できるシステムはDVD (degital video disk) とし
て、その再生専用の媒体及び再生プレーヤーの上市が目
前に迫っている。
【0005】この高密度記録媒体の1つとして、従来の
CDやCD−ROM媒体と同じように、基板成形時にピ
ットを形成しアルミ反射層を設けた再生専用媒体が挙げ
られる。この再生専用高密度記録媒体は70%以上の反
射率を有する。それ故に、この高密度記録媒体を再生で
きる高密度対応プレーヤーは、70%以上の高反射率を
有する前記再生専用媒体が再生できるように設計されて
いる。そして、例えば、従来のCD、CD−ROMやC
D−R等の媒体も該高密度対応プレーヤーで再生できる
ことが当然望まれている。
【0006】従来のCDやCD−ROM媒体は再生専用
であり、その製法は前記再生専用高密度記録媒体と同じ
であって、70%以上の高い反射率を有するので高密度
対応プレーヤーでも容易に再生が可能である。
【0007】一方、現在市場に供されているCD−R媒
体は確かに780nm前後の光に対する反射率は65%
以上有し、市販のCDやCD−ROMプレーヤーで再生
できるが、620〜690nmから選ばれた波長
(λ2 )の光で再生しようとした場合、反射率が10%
以下と非常に小さいことが問題となる。又変調度も小さ
く、且つ、記録部の反射率が未記録部より大きくなる。
いわゆる low to high記録となり、通常のCD等(high
to low 記録)とは極性が逆になり、好ましくない。更
に、記録波形に大きな歪が観察される。このような数々
の欠点のために、従来のCD−R媒体は620〜690
nmから選ばれた波長(λ2 )のレーザーを搭載した高
密度対応プレーヤーでは再生することは困難であった。
例えば、 USP-5090009には、色素を含む記録層、反射
層、保護層を、基板上に順次積層したCD-R媒体、及びこ
の媒体の基板と記録層の間や、記録層と反射層の間に、
干渉層を設けた媒体が開示されている。そして、CDの
規格(レッドブック)を満足するためや、記録を可能と
するための記録層の光学定数や膜厚が開示されている。
確かに、ここで開示されている媒体は、CDに用いられ
ている780nmの光の一部を吸収すると共に、反射率
が70%以上得られ、この波長の光で記録及び再生がで
きる。しかしながら、620〜690nmから選ばれた
波長(λ2 )の光での記録及び/又は再生を目的として
おらず、該波長の光に対する反射率や、記録層の光学定
数、更に干渉層の光路長に関しては何も開示されていな
い。
【0008】該特許には、記録層にインドジカルボシア
ニン色素を用い、干渉層を有しない媒体、及び無機化合
物やポリマーからなる干渉層を有した媒体の実施例が多
数開示されている。しかしながら、この記録層にインド
ジカルボシアニン色素を用いた媒体は620〜690n
mから選ばれた波長の光に対する反射率が10%以下あ
り、且つ、記録部の反射率が未記録部より大きくなるlo
w to high 記録となり好ましくない。反射率が小さくな
る理由は、CD−R媒体に用いられる色素は光学特性の
波長依存性が大きく、前記したインドジカルボシアニン
色素は記録膜で測定すると600〜750nmに非常に
大きな吸収を有すると共に、CD−R媒体は780nm
前後の光に対して反射率が大きくなるように記録層の膜
厚や光学定数(屈折率、消哀係数)が設計されているた
めに、620〜690nmでの反射率が小さくなる。
又、該特許の実施例8や14には本発明の記録層に用い
られるフタロシアニン色素とは異なるt−ブチル置換フ
タロシアニン色素を記録層とし、ポリマーや無機化合物
からなる干渉層を有する媒体が開示されている。しかし
ながら、これらの媒体は、反射率や変調度はCDの規格
を満足するが、CDと同じ pulse width modulation に
より記録された信号を620〜690nmから選ばれた
波長(λ2 )の光で再生した場合、再生波形には大きな
歪が観測され、エラーレートやジッターが大きく、高密
度対応プレーヤーでは再生できない。
【0009】EP-19329には、VO−フタロシアニン色素を
記録層とし、該記録層の上にセルロースからなる300
nm干渉層を設けた媒体が開示されている。しかしなが
ら、該特許も特定の1つの波長に対する反射率と記録感
度を改良することを目的としたものであり、本発明の様
に、770〜830nmから選ばれた波長(λ1 )の光
と、620〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光
の2つの光で、記録及び再生が出来るように記録層は最
適化されていない。更に、この媒体もCDと同じ pulse
width modulation により記録された信号を620〜6
90nmから選ばれた波長(λ2 )の光で再生した場
合、再生波形には大きな歪が観測され、エラーレートや
ジッターが大きく、高密度対応プレーヤーでは再生でき
ない。USP-5124067 には、本発明の記録層に用いられる
色素と同じような色素及び該色素を用いた媒体が多数開
示されている。しかしながら、例えば、その実施例9
8、100、102に開示された媒体もCDの規格は満
足するものの、620〜690nmから選ばれた波長
(λ2 )の光で再生した場合、記録モードはlow to hig
h となり、且つ反射率は10%以下と小さく、更にCD
と同じ pulse width modulation により記録された信号
の再生波形には歪が観測され、エラーレートやジッター
が大きく、高密度対応プレーヤーでは再生できない。
【0010】さらに、特開平3−281287には、7
80nmに吸収曲線の長波長側端部を有し、780nm
での屈折率の imaginary part の絶対値が、0.2以下
のcomplex refractive indexを有する色素(A)と、該
色素の吸収極大波長よりも短波長側に極大吸収を有する
trimethine cyanine 色素(B)の混合物色素を記録層
とする媒体が開示されている。この媒体は耐久性に優
れ、且つ、CD規格を満足する。しかしながら、620
〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光で再生が出
来るように最適化されていない。実施例からも明らかな
ようにトリメチンシアニン色素の使用割合が50wt
%、ペンタメチンシアニン色素が50wt%であり、6
20〜690nmから選ばれた波長(λ2 )の光に対す
る吸収が大き過ぎて、反射率が15%未満となって、高
密度対応プレーヤーによる再生は難しい。
【0011】特開平6−336086には、特定の構造
のトリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニン色素
の混合物を記録層とする媒体が開示されている。この媒
体は780nm及び488nmの光で記録及び再生を目
的とし、トリメチンシアニン色素とペンタメチンシアニ
ン色素の割合が1:10である。このようにペンタメチ
ンシアニン色素の使用割合が多いと620〜690nm
から選ばれた波長(λ 2 )の光に対する吸収が大き過
ぎ、反射率が15%未満となり高密度対応プレーヤーに
よる再生は難しい。特開平6−40162には、記録層
にトリメチンシアニン色素を用いた媒体が開示されてい
る。この媒体は630nmの光での記録及び再生を目的
としており、記録層が780nmの光に対する吸収を有
しないために780nmの光では記録が出来ない。
【0012】特開平3−290835には、記録層とア
ルミ合金からなる反射層との間に低分子有機物からなる
干渉層を設けた媒体が開示されている。該媒体は反射層
に高価な金の代わりにアルミ合金を用いて、780nm
に於ける反射率を70%以上得るために干渉層を設けた
ものであり、確かに780nmに於ける反射率は70%
以上得られるものの、620〜690nmから選ばれた
波長(λ2 )の光に対する反射率は小さく高密度媒体対
応プレーヤーでは再生できない。前記したように、少な
くとも色素を含有する記録層、反射層を有する光記録媒
体で、770〜830nmから選ばれた波長(λ1 )の
レーザー光に対する反射率が65%以上得られ、高感度
であり、記録特性に優れ、市販のCDやCD−ROMプ
レーヤーで再生することが出来、且つ、620〜690
nmから選ばれた波長(λ2 )のレーザーを搭載した高
密度記録媒体対応のプレーヤーで再生出来る媒体はな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、62
0〜690nmから選ばれた波長のレーザー光で記録・
再生または再生が可能であり、さらに、現行のCD−R
媒体の規格であるオレンジブック(770nm〜830
nmから選ばれた波長の光に対する反射率が65%以上
で、該光で記録・再生が可能)を満足し、且つ耐光性に
優れた媒体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決することを目的として鋭意検討した結果、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、〔1〕
基板上に、少なくとも、記録層および反射層を有する光
記録媒体において、記録層中に一般式(1)(化3)で
示されるポルフィリン化合物を含有する光記録媒体、
【0015】
【化3】 〔式中、R1 〜R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
基、アルキルチオ基又はハロゲン原子を示し、R9〜R
12は水素原子又はアルキル基を示し、Xn-は金属キレー
ト化合物を示し、m及びnはそれぞれ1又は2を示し、
且つ、m×n=2である。〕〔2〕 金属キレート化合
物が、一重項酸素クエンチャーである〔1〕記載の光記
録媒体、〔3〕 金属キレート化合物が、一般式(2)
〜(11)(化4)のいずれかで表されるものである
〔2〕の光記録媒体。
【0016】
【化4】 〔式中、A,A’は置換または未置換のベンゼン環ある
いはナフタレン環を示し、同種であっても異種であって
も良く、R13〜R51は水素原子、置換または未置換のア
ルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、ヒドロキ
シ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換または未置
換のアリル基、置換または未置換のアルキルカルボキシ
ル基、置換または未置換のアラルキル基、置換または未
置換のアルキルカルボニル基、金属イオンと結合したス
ルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ
基、置換または未置換のアルキルアミノ基、あるいは、
置換または未置換のフェニル基を示し、Mは、Ni、C
o、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属を示し、且
つ、Mはn価(nは1または2の整数を示す)の負電荷
を持つ。〕
【0017】〔4〕 記録層中に、一般式(1)で示さ
れる化合物とともに、波長650〜900nmに吸収極
大を有する光吸収化合物を含有する〔1〕〜〔3〕のい
ずれかに記載の光記録媒体、〔5〕 光吸収化合物がフ
タロシアニン化合物である〔4〕記載の光記録媒体、
〔6〕 光吸収化合物がペンタメチンシアニン化合物又
はヘプタメチンシアニン化合物である〔4〕記載の光記
録媒体、〔7〕 波長620〜690nmの赤色レーザ
ーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が
15%以上であり、波長620〜690nmの赤色レー
ザーで少なくとも再生可能である〔1〕〜〔6〕のいず
れかの光記録媒体、〔8〕 波長620〜690nmの
赤色レーザーから選ばれた光に対する基板から測定した
反射率が15%以上であり、波長620〜690nmの
赤色レーザーで記録・再生可能である〔7〕の光記録媒
体、
〔9〕 波長770〜830nmの近赤外レーザー
から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が6
5%以上であり、770〜830nmから選ばれた近赤
外レーザーで少なくとも再生可能である〔7〕又は
〔8〕の光記録媒体、〔10〕 波長770〜830nm
から選ばれた近赤外レーザーで記録・再生可能である
〔9〕の光記録媒体、に関するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の光記録媒体は、基板上に、少なく
とも記録層及び反射層を有する。光記録媒体とは、予め
情報を記録されている再生専用の光再生専用媒体、及
び、情報を記録して再生することのできる光記録媒体の
両方を示すものである。但し、ここでは、適例として後
者の情報を記録して再生のできる光記録媒体、特に基板
上に記録層、反射層及び保護層をこの順で形成した光記
録媒体に関して説明する。この光記録媒体は、(図1)
に示すような4層構造を有している。即ち、基板1上に
記録層2が形成されており、その上に密着して反射層3
が設けられており、さらにその上に保護層4があり、反
射層3を覆っている。本発明で用いる基板としては、基
本的には、記録光及び再生光の波長で透明なものであれ
ばよい。例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリス
チレン樹脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の
無機材料が利用される。これらの基板材料は、射出成形
法等により円盤状の基板に成形される。必要に応じて、
基板表面に溝を形成することもある。
【0019】本発明において、記録層に含有される一般
式(1)で示されるポルフィリン化合物について述べ
る。R1 〜R8 としては、水素原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、i−アミ
ル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチ
ル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−ドデシ
ル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−
ブトキシ基、n−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ
基、n−ドデシルオキシ基等のアルコキシ基;アセチル
基、エチルカルボニル基、i−プロピルカルボニル基、
n−ブチルカルボニル基等のアルキルカルボニル基;メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロ
ピルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボ
ニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルチオ基、エ
チルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、
n−ヘキシルチオ基等のアルキルチオ基;フッ素原子、
塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。ま
た、R9 〜R12としては、水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基を挙げることができる。
【0020】Xn-は金属キレート化合物を示し、m及び
nはそれぞれ、m×n=2を満たす1または2の整数を
表す。Xn-で表される金属キレート化合物は種々の一重
項酸素クエンチャ−を表し、具体的には、前記一般式
(2)〜(11)で表される金属キレート化合物が挙げ
られる。一般式(2)〜(11)において、A,A’は
置換または未置換のベンゼン環、あるいは置換または未
置換のナフタレン環を示し、同種であっても異種であっ
てもよい。これらのベンゼン環あるいはナフタレン環上
の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アリル基、ア
ルキルカルボキシル基、アルキルアルコキシル基、アラ
ルキル基、アルキルカルボニル基、金属イオンと結合し
たスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、またはフェニル基であり、これらの置換
基は単数であっても、複数であってもよい。
【0021】また、R13〜R51は水素原子、置換または
未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ
基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置
換または未置換のアリル基、置換または未置換のアルキ
ルカルボキシル基、置換または未置換のアルキルアルコ
キシル基、置換または未置換のアラルキル基、置換また
は未置換のアルキルカルボニル基、金属イオンと結合し
たスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、シア
ノ基、置換または未置換のアルキルアミノ基、あるい
は、置換または未置換のフェニル基であり、MはNi、
Co、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属であり、
かつ、Mはn価(nは1または2の整数を示す)の負電
荷を持つ。なお、一般式(2)〜(11)で表される化
合物の具体例を、表1−1〜1−10(表1〜5)に示
すが、これらに限定されるものではない。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】 本発明で用いるポルフィリン化合物は、例えば、以下の
様にして製造される。まず、公知の方法、例えば、文献
( M.Gosmann ,B.Franck, Angew. chem. Int.Ed.Engl.,
25 巻, 1100〜1101ページ ,1986年) に記載されている
方法に準じて、下記(化5)のルートでアニオンと結合
したカチオン型のポルフィリン化合物を用意する。
【0027】
【化5】 他方、テトラアルキルアンモニウム等のカチオンと結合
したアニオン型のクエンチャーを用意する。次いで、こ
れらカチオン型のポルフィリン化合物とアニオン型のク
エンチャーの等モルを、極性有機溶媒に溶解する。その
後、過剰の水系溶媒、特に水を加え、複分解を生起さ
せ、沈殿を得る。沈殿を濾過乾燥し、再結晶を行い、本
発明で規定するポルフィリン化合物を得る。本発明で用
い得るポルフィリン化合物の例を表−2(表6〜10)
に示すが、本発明の化合物はこれによりなんら限定され
るものではない。
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
【表10】
【0033】本発明の光記録媒体は、基板上に、少なく
とも記録層および反射層を有するものであり、該記録層
は一般式(1)で表されるポルフィリン化合物を含有す
る。記録層におけるポルフィリン化合物の含有量は、特
に制限はないが、通常30〜100重量%程度である。
また、本発明の光記録媒体において、記録層は、さらに
感度向上のために、一般式(1)で示されるポルフィリ
ン化合物とともに、650〜900nmに極大吸収を有
する光吸収化合物を含有することも好ましい態様であ
る。光吸収化合物の併用量は、特に制限はないが、ポル
フィリン化合物と光吸収化合物の両者の合計に対し、
0.1〜50重量%、好ましくは1〜25重量%程度で
ある。かかる光吸収化合物の具体例としては、フタロシ
アニン色素、ナフタロシアニン色素、シアニン色素、ス
チリル色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素、
ピリリウム色素、アントラキノン色素、ナフトキノン色
素、ベンゾキノン色素、他のポリフィリン色素、アゾ色
素、ジチオール金属錯体色素、インドフェノール色素、
トリフェニルメタン色素、キサンテン色素、インダンス
レン色素、インジゴ色素、オキサジン色素、チアジン色
素、アクリジン色素、インドアニリン色素およびアズレ
ニウム色素等が挙げられ、これらに金属が含有されてい
てもよい。中でも、ペンタメチンシアニン、ヘプタメチ
ンシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン色素は
極大吸収モル吸光係数が大きく好ましい。フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン色素は著しい耐光性、耐湿性を有
すため特に好ましい。
【0034】記録層を生膜する際に、必要に応じて、バ
インダーを併用することもできる。好ましいバインダー
としては、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ケトン
樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカー
ボネート、ポリオレフィン等が挙げられる。また、溶剤
に溶解して塗布できることを考慮すると、前記した色素
において、650nm〜900nmに極大吸収を有する
ものと該ポリフィリン化合物が互いに相溶性に優れた色
素が好ましい。なお、極大吸収とは、各々の範囲で最大
吸収もしくは最大吸収に近い吸収を表し、ピークが複数
存在する場合は最も長波長側のピークとする。さらに、
色素の吸収特性は分子の会合状態によって異なり、溶液
と固体(膜)及び濃度で吸収特性は異なるが、本発明に
おける極大吸収波長は色素単独の膜で測定した値とす
る。上記の650〜900nmに極大を有する光吸収化
合物として最も好ましいフタロシアニンは一般式(1
2)(化6)で示す化合物である。
【0035】
【化6】 (式中、Meは2個の水素原子、金属原子、金属酸化
物、金属ハロゲン化物を表し、Y1 〜Y4 は酸素又は硫
黄原子を、Z1 〜Z4 は4〜12個の炭素を有する無置
換又は置換炭化水素基を、X1 〜X4 はハロゲン原子
を、l1 〜l4 は1又は2の整数を、m1 〜m4 は0〜
3の整数を表す。)
【0036】前記式(12)で表されるフタロシアニン
色素におけるMeの具体例としては、Cu、Pd、N
i、Mg、Zn、Pb、Cd等の2価の金属原子、VO
等の金属酸化物やAlCl等の金属のハロゲン化物等が
挙げられる。一方、Z1 〜Z4は炭素数が4〜12の無
置換又は置換炭化水素基、あるいは、4〜12個の炭素
原子と、酸素、窒素、硫黄およびハロゲン原子から選択
される少なくとも1種の元素とからなる基である。具体
的には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、シ
クロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等の飽和炭
化水素基や、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル
基、ドデセニル基、フェニル基、メチルフェニル基、ブ
チルフェニル基、ヘキシルフェニル基等の不飽和炭化水
素基等が挙げられる。これらの炭化水素基は直鎖状でも
分枝状であっても良い。又、これらの炭化水素基はハロ
ゲン、アミノ基、エーテル基等で置換されていても良
い。アミノ基やエーテル基で置換されている場合でも、
置換基(Z1 〜Z4 )中の全ての炭素原子数は4〜12
個である。又、X1 〜X4 で表されるハロゲン原子とし
てはフッ素、塩素、臭素、沃素等が挙げられる。
【0037】フタロシアニンを構成するベンゼン環に結
合している前記したX1 〜X4 の置換基の置換位置およ
びY1 〜Y4 の置換基の置換位置は特に限定するもので
はなく、又、置換基の種類及び数は一分子中の4つのベ
ンゼン環で異なっていても良い。前記したフタロシアニ
ン色素の中で、反射率及び感度、波形歪、エラーレート
やジッター等の記録特性からはl1 〜l4 は1であるこ
とが好ましい。好ましいフタロシアニン化合物の例を表
−3(表11〜13)に示すが、本発明の化合物はこれ
によりなんら限定されるものではない。
【0038】
【表11】
【0039】
【表12】
【0040】
【表13】 また、ペンタメチンシアニン又はヘプタメチンシアニン
化合物として好ましい化合物として、下記(化7)の化
合物が挙げられる。
【0041】
【化7】
【0042】本発明において、記録層を形成するための
これらの化合物・色素等は、スピンコート法やキャスト
法等の塗布法やスパッタ法や化学蒸着法、真空蒸着法等
によって、基板上に、厚さ50〜500nm、好ましく
は100〜150nmの記録層を形成する。特に塗布法
においては、色素を溶解あるいは分散させた塗布溶媒を
用いるが、この際、溶媒は基板にダメージを与えないも
のを選ぶことが好ましい。例えば、メタノール等のアル
コール系溶媒、ヘキサンやオクタン等の脂肪族炭化水素
系溶媒、シクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒、ベン
ゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、アセトン
等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒など
が1種あるいは複数混合して用いられる。また、記録層
は1層だけでなく、複数の色素を多層形成させたり、色
素を高分子薄膜などに、例えば、好ましくは50%程度
以上分散して用いたりすることもできる。また、基板に
ダメージを与えない溶媒を選択できない場合は、スパッ
タ法、化学蒸着法や真空蒸着法などが有効である。
【0043】次に、記録層の上に、厚さ50〜300n
m、好ましくは100〜150nmの反射層を形成す
る。反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十
分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、
Cr、Ni、Pt、Ta、Cr及びPdの金属を、単独
あるいは合金にして用いることが可能である。AuやA
lは反射率が高く、反射層の材料として適している。こ
れ以外に、例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、R
u、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、
Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Biなどの金属及び半金属を含んでいてもよ
い。また、Auを主成分としているものは反射率の高い
反射層が容易に得られるため好適である。ここで主成分
というのは、含有率が50%以上のものをいう。金属以
外の材料で、低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み
重ねて多層膜を形成し、反射層として用いることも可能
である。反射層を形成する方法としては、例えば、スパ
ッタ法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。ま
た、反射率を高めるためや、密着性をよくするために記
録層と反射層の間にそれぞれ反射増幅層や接着層を設け
ることもできる。
【0044】このようにして得られる本発明の光記録媒
体は、基板上に、少なくとも記録層及び反射層が形成さ
れた媒体で、620〜690nm、好ましくは630〜
690nmの範囲から選ばれた波長の光に対する基板側
からの反射率が15%以上、好ましくは20%以上、さ
らに好ましくは25%以上、さらに好ましくは40%以
上あり、また、770nm〜830nmの範囲から選ば
れた波長の光に対する基板側からの反射率が65%以
上、好ましくは70%以上有するもので、レッドブック
(CD)規格及びオレンジブック(CD−R)規格の反
射率に満足するものである。これらの規格を満足すれ
ば、従来より市販されているCDプレーヤーでも良好に
再生することができる。
【0045】さらに、反射層の上に保護層を形成させる
こともできる。保護層の材料としては、反射層を外力か
ら保護するものであれば特に限定しない。有機物質とし
ては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等
を挙げることができる。なかでもUV硬化性樹脂が好ま
しい。又、無機物質としては、SiO2 、SiN4 、M
gF2 、SnO2 等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、
この塗布液を塗布し、乾燥することによって形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当
な溶剤に溶解して塗布液を調製した後に、この塗布液を
塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成
することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、
ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエ
ステルアクリレートなどのアクリレート樹脂を用いるこ
とができる。これらの材料は単独で、あるいは混合して
用いてもよく、1層だけでなく多層膜にして用いても一
向に差し支えない。
【0046】保護層の形成の方法としては、記録層と同
様にスピンコート法やキャスト法などの塗布法や、スパ
ッタ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、このなか
でもスピンコート法が好ましい。
【0047】本発明の光記録媒体は、波長620〜69
0nmの赤色レーザーで少なくとも再生可能であり、再
生または記録・再生可能である。さらにまた、770〜
830nmから選ばれた近赤外レーザーで少なくとも再
生可能であり、記録・再生可能である。赤色レーザー
は、620〜690nmの波長のレーザーであれば何で
も良い。例えば、可視領域の広範囲で波長選択のできる
色素レーザーや波長633nmのヘリウムネオンレーザ
ー、最近開発されている波長635nmや680nmの
高出力半導体レーザーなどがあるが、装置に搭載するこ
とを考えると半導体レーザーが好適である。また、近赤
外レーザーは、770〜830nmの波長のレーザーで
あれば何でも良いが、市販のCDプレーヤーやCDレコ
ーダーに用いられている半導体レーザーが適している。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れによりなんら限定されるものではない。 実施例1 一般式(1)で示されるポルフィリン化合物のうち、表
−2に記載したポルフィリン化合物の式 No.(PQ-1)0.
2gおよび光吸収剤としてペンタメチンシアニン色素N
K2929(1,3,3,1',3',3'−ヘキサメチル−
2,2'−(4,5,4',5'−ジベンゾ)インドジカルボ
シアニンパークロレート)〔日本感光色素研究所製〕
0.02gをジアセトンアルコール(東京化成品)10
mlに溶解し、色素溶液を調製した。基板として、ポリ
カーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッ
チ:1.6μm)を有する直径120mmφ、厚さ1.
2mmの円盤状のものを用いた。この基板上に、色素溶
液を回転数1500rpmでスピンコートし、70℃で
2時間乾燥して、記録層を形成した。この記録層の上
に、バルザース社製スパッタ装置(CDI−900)を
用いてAuをスパッタし、厚さ100nmの反射層を形
成した。スパッタガスには、アルゴンガスを用いた。ス
パッタ条件は、スパッタパワー2.5kW、スパッタガ
ス圧1.0×10-2Torrで行った。さらに反射層の
上に、紫外線硬化樹脂SD−17(大日本インキ化学工
業製)をスピンコートした後、紫外線照射して厚さ6μ
mの保護層を形成した。
【0049】この光記録媒体に、780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライター(CDD
−521)を用いて、線速度2.8m/s、レーザーパ
ワー8mWでEFM信号を記録した。記録後、市販CD
プレーヤー(YAMAHACDX−1050、レーザー
波長786nm)を用いて信号を再生し、反射率、エラ
ー率及び変調度等を測定した。その結果、再生波形歪が
小さく、オレンジブック規格を満足した良好な値を示し
た。次に、この記録した媒体を、680及び635nm
赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業
製光ディスク評価装置(DDU−1000)を用いて信
号を再生し、反射率、エラー率及び最も短いピットの変
調度(I3/Itop) を測定した。いずれも良好な値を示すこ
とが確認された。さらに、この媒体に、680nm赤色
半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製光
ディスク評価装置(DDU−1000)及びKENWO
OD製EFMエンコーダーを用いて、線速度5.6m/
s、レーザーパワー10mWで記録した。記録後、68
0nm及び635nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載
した評価装置を用いて信号を再生し、反射率、エラー率
及びI3/Itop を測定した。いずれも良好な値を示した。
この記録した媒体を、市販CDプレーヤー(YAMAH
A CDX−1050、レーザー波長786nm)を用
いて、前記680nmのドライブ(DDU−1000)
で記録した信号を再生を行い、反射率、エラー率及びI3
/Itop を測定した。いずれもオレンジブック規格を満足
した良好な値であった。また、未記録の本媒体につい
て、キセノンランプにて、耐光性試験として、40℃で
100時間照射した後の786、680、635nmに
おける基板面反射率を測定し、反射率変化を求めたとこ
ろ、良好な耐光性を示した。 評価結果は表−4(表14〜18)に記載した。
【0050】実施例2 実施例1において、ポルフィリン化合物の式 No.(PQ-1)
の代わりに、表−2に記載したポルフィリン化合物の式
No.(PQ-2)を用いたこと、及びペンタメチンシアニン色
素NK2929の代わりに、表−3に記載したフタロシ
アニン化合物の式 No.(Pc-1)を用いること以外は、実施
例1と同様にして、光記録媒体を作製した。得られた記
録媒体について、実施例1と同様に記録、評価した結
果、いずれも良好な値を示すことが確認された。評価結
果は表−4に記載した。
【0051】実施例3〜10 ポルフィリン化合物の式 No.(PQ-3)〜(PQ-10) と、フタ
ロシアニン化合物の式No.(Pc-1),(Pc-2)を組み合わせて
用いた以外は、実施例2に準じて光記録媒体を作製し
た。得られた記録媒体について、実施例1と同様に記
録、評価した結果、いずれも良好な値を示すことが確認
された。色素の組み合わせ及び評価結果は表−4に記載
した。
【0052】実施例11 実施例1において、光吸収化合物ペンタメチンシアニン
色素NK2929を用いないこと以外は、同様にして記
録層を形成した。この形成された記録層の上に、さらに
表−3に記載したフタロシアニン化合物の式 No.(Pc-3)
0.8gをジメチルシクロヘキサン(東京化成)40m
lに溶解した溶液を用いて、スピンコート法により同様
の条件で色素膜を形成し、2層の記録層からなる光記録
媒体を作製した。得られた記録媒体について、実施例1
と同様に記録、評価した結果、いずれも良好な値を示す
ことが確認された。評価結果は表−4に記載した。
【0053】実施例12〜26 ポルフィリン化合物の式 No.(PQ-2)〜(PQ-22) と、フタ
ロシアニン化合物の式No.(Pc-4) 〜(Pc-9)を組み合わせ
て用いた以外は、実施例11に準じて光記録媒体を作製
した。得られた記録媒体について、実施例1と同様に記
録、評価した結果、いずれも良好な値を示すことが確認
された。色素の組み合わせ及び評価結果は表−4に記載
した。
【0054】比較例1 実施例11において、ポルフィリン化合物の式 No.(PQ-
1)の代わりに、式(A)(化8)で示されるポルフィリ
ン化合物を用いたこと、およびフタロシアニン化合物の
式 No.(Pc-3)の代わりに、表−3に記載したフタロシア
ニン化合物の式No.(Pc-4) を用いること以外は、実施例
11と同様にして、光記録媒体を作製した。得られた記
録媒体について、実施例1と同様に記録、評価した結
果、反射率、エラー率、変調度はいずれも良好な値を示
したが、耐光性試験の反射率変化は大きく、耐光性は著
しく低いことが確認された。評価結果は表−4に記載し
た。
【0055】
【化8】
【0056】比較例2 実施例11において、ポルフィリン化合物の式 No.(PQ-
1)の代わりに、式(B)(化9)で示されるポルフィリ
ン化合物を用いたこと、およびフタロシアニン化合物の
式 No.(Pc-3)の代わりに、表−3に記載したフタロシア
ニン化合物の式No.(Pc-4) を用いること以外は、実施例
11と同様にして、光記録媒体を作製した。得られた記
録媒体について、実施例1と同様に記録、評価した結
果、反射率、エラー率、変調度はいずれも良好な値を示
したが、耐光性試験の反射率変化は大きく、耐光性は著
しく低いことが確認された。評価結果は表−4に記載し
た。
【0057】
【化9】
【0058】比較例3 実施例1においてポルフィリン化合物の式 No.(PQ-1)の
添加を無しにした以外は、同様にして光記録媒体を作製
した。作製した記録媒体について、実施例1と同様に評
価したところ、786、680、635nmの各波長
で、再生信号波形が歪み、反射率も低かった。評価結果
は表−4に記載した。
【0059】比較例4 比較例3においてポルフィリン化合物の式 No.(PQ-1)の
添加を無しにし、また光吸収化合物ペンタメチンシアニ
ン色素NK2929の代わりに、フタロシアニン化合物
の式 No.(Pc-5)を用いた以外は、同様にして光記録媒体
を作製した。作製した記録媒体について、実施例1と同
様に評価したところ、786、680、635nmの各
波長で、再生信号波形が歪み、反射率も低かった。評価
結果は表−4に記載した。
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
【発明の効果】本発明は、ポルフィリン化合物と、好ま
しくはさらに光吸収剤を、記録層に含有させることによ
り、波長620〜690nmから選択される波長の光に
対して記録・再生または再生が可能で、且つ、波長77
0〜830nmから選択される波長の光に対してCD規
格に準拠した記録・再生または再生ができる良好な記録
特性を有する互換性のある、しかも、耐光性に優れた光
記録媒体を提供することを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体の断面構造図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 武 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 梅原 英樹 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも記録層および反射
    層を有する光記録媒体において、記録層中に一般式
    (1)(化1)で示されるポルフィリン化合物を含有す
    る光記録媒体。 【化1】 〔式中、R1 〜R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル
    基、アルキルチオ基又はハロゲン原子を示し、R9〜R
    12は水素原子又はアルキル基を示し、Xn-は金属キレー
    ト化合物を示し、m及びnはそれぞれ1又は2を示し、
    且つ、m×n=2である。〕
  2. 【請求項2】 金属キレート化合物が一重項酸素クエン
    チャーである請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 金属キレート化合物が一般式(2)〜
    (11)(化2)のいずれかで表されるものである請求
    項2記載の光記録媒体。 【化2】 〔式中、A,A’は置換または未置換のベンゼン環ある
    いはナフタレン環を示し、同種であっても異種であって
    もよく、R13〜R51は水素原子、置換または未置換のア
    ルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、ヒドロキ
    シ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換または未置
    換のアリル基、置換または未置換のアルキルカルボキシ
    ル基、置換または未置換のアラルキル基、置換または未
    置換のアルキルカルボニル基、金属イオンと結合したス
    ルホネートアルキル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ
    基、置換または未置換のアルキルアミノ基、あるいは、
    置換または未置換のフェニル基を示し、MはNi、C
    o、Mn、Cu、Pd及びPt等の遷移金属を示し、且
    つ、Mはn価(nは1または2の整数を示す)の負電荷
    を持つ。〕
  4. 【請求項4】 記録層中に、一般式(1)で示される化
    合物とともに、波長650〜900nmに吸収極大を有
    する光吸収化合物を含有する請求項1〜3のいずれかに
    記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 光吸収化合物がフタロシアニン化合物で
    ある請求項4記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 光吸収化合物がペンタメチンシアニン化
    合物又はヘプタメチンシアニン化合物である請求項4記
    載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 波長620〜690nmの赤色レーザー
    から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が1
    5%以上であり、波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーで少なくとも再生可能である請求項1〜6のいずれか
    に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 波長620〜690nmの赤色レーザー
    から選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が1
    5%以上であり、波長620〜690nmの赤色レーザ
    ーで記録・再生可能である請求項7記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 波長770〜830nmの近赤外レーザ
    ーから選ばれた光に対する基板側から測定した反射率が
    65%以上であり、770〜830nmから選ばれた近
    赤外レーザーで少なくとも再生可能である請求項7又は
    8記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 波長770〜830nmから選ばれた
    近赤外レーザーで記録・再生可能である請求項9記載の
    光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112279856A (zh) * 2019-07-24 2021-01-29 南方科技大学 一种非外围取代的可溶性金属酞菁及其合成方法和应用、一种钙钛矿太阳能电池

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