JPH05303402A - 調整制御装置 - Google Patents

調整制御装置

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Publication number
JPH05303402A
JPH05303402A JP34105992A JP34105992A JPH05303402A JP H05303402 A JPH05303402 A JP H05303402A JP 34105992 A JP34105992 A JP 34105992A JP 34105992 A JP34105992 A JP 34105992A JP H05303402 A JPH05303402 A JP H05303402A
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signal
control
deviation
switching means
calculation
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JP34105992A
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Masuo Yamazaki
益男 山崎
Shinichi Teramura
晋一 寺村
Kouji Kurano
耕至 倉野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】操作端3B制御信号とPID制御信号とは、偏
差演算手段17Aにより演算され、この偏差信号は加算
演算手段19AによりPID制御信号と加算され、自動
手動切替手段9Aへ入力される。操作端3A制御信号と
PID制御信号とは、偏差演算手段17Bで演算され、
この偏差信号は自動手動切替手段9A,9Bのいずれか
が自動操作でないときそのまま出力され、また、双方自
動操作になったとき前記偏差信号が時間遅れを持って零
となり、この信号が加算演算手段19BによりPID制
御信号と加算され自動手動切替手段9Bへ入力される。 【効果】手動操作と自動操作との間の切替えがバンプレ
スにできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2個の操作端を制御す
る調整制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、図19に示す如く、分岐した流
路に各々配置された操作端を1個の制御演算手段からな
る調整制御装置1により制御する場合について説明す
る。
【0003】この流路は、A方向からB方向へ流体が流
れ、途中分岐した分岐路2A,2Bにそれぞれ操作端3
A,3Bが配置されている。合流した流路にはオリフィ
ス4が設けられ差圧が検出器5で検出され開平演算され
た後に、この流量検出信号としての測定値が調整制御装
置1へ入力されている。調整制御装置1では、必要とす
る流量の半分ずつを操作端3A,3Bが分担するように
制御演算して操作端3A制御信号と操作端3B制御信号
とを対応する操作端3A,3Bへ出力して流路の流量を
所定値に制御する。
【0004】具体的には、調整制御装置1は、図20に
示す如く、設定手段6、偏差演算手段7、PID演算手
段8、2個の自動手動切替手段9A,9Bで構成され
る。
【0005】偏差演算手段7では、検出器5の検出信号
と設定手段6の設定信号との偏差信号が演算され、この
偏差信号は、PID演算手段8に入力される。PID演
算手段8では、偏差信号に基づいて比例、積分および微
分の演算処理がされ、PID制御信号が2個の自動手動
切替手段9A,9Bを介して各々の操作端3A制御信号
と操作端3B制御信号により対応する操作端3A,3B
を制御する。
【0006】ここで、手動操作のときは対応する自動手
動切替手段9A,9Bに備えられた手動部を操作する。
また、自動操作信号が自動手動切替手段9A,9Bに入
力しているときPID制御信号によりそのまま操作端3
A,3Bを開閉制御する。このようにして自動手動切替
手段9A,9Bでは、PID制御信号または手動操作に
よる信号に切替え、PID制御信号以外にも手動操作に
よって操作端3A,3Bの個別操作ができるようになっ
ている。
【0007】また、図19に示すプラント構成で、操作
端3A,3Bでそれぞれ必要とする流量を半分ずつ分担
するように制御する場合、操作端3A,3Bは、同一の
機器を使用するが、各機器により特性が若干異なること
がある。このような場合、機器の特性を補正する意味等
で片方の操作端制御信号に対してバイアス設定可能なよ
うにして、合流後の全体の流量を一定に制御する。
【0008】図21は、このように1つの制御対象を2
つの操作端で制御する場合に、バイアス設定手段10を
有する制御ブロック図の例である。まず、偏差演算手段
7は、測定信号と設定信号との偏差を演算し、PID演
算手段8へ出力する。PID演算手段8は、PID制御
信号を出力する。
【0009】ここで、操作端3B側の系ではバイアス機
能を有し、プラスまたはマイナスのバイアス設定信号を
バイアス設定手段10により設定し、加算手段11でP
ID制御信号にバイアス設定信号を加算し出力する。
【0010】次に、自動手動切替手段9A,9Bでは、
それぞれの自動操作と手動操作とを切替え、それぞれ手
動操作を可能としている。このとき、自動手動切替手段
9A,9Bが共に自動操作となっている場合は、操作端
3A制御信号も操作端3B制御信号もPID制御信号と
等しくなり(但し、操作端3Bのバイアス設定は0%と
する。)2つの操作端で設定信号と等しく流量を流すべ
く半分ずつを分担して制御できる。
【0011】また、例えば、図19に示すプラント構成
で、操作端3A,3Bがそれぞれ1弁で定格流量以上を
流すことが可能で、一方の操作端が故障したような場合
のためバックアップ用として予備の他方の操作端を持た
せる場合がある。このような場合、通常一方の操作端の
みを自動操作として、他方の操作端を手動操作としてお
く。
【0012】上記の場合、一方の自動操作の操作端を他
方の操作端に切替える場合、一旦、一方の操作端を手動
操作とし、その後、他方の操作端を自動操作に切替える
ことになるから、PID演算手段8の積分要素に、次に
自動操作となる操作端の現状出力をPID制御に切替わ
ったときにバンプレスとなるように常時トラッキングし
ておく必要がある。ところが、次にどちらが自動操作と
されるかを予想することは不可能であり、操作端3A,
3Bのどちらの出力をトラッキングするかを決めること
はできない。
【0013】このような場合の対策として、従来、図2
2に示す如く、操作端3A制御信号と操作端3B制御信
号との平均を演算し、PID演算手段8へトラッキング
する平均演算手段13Aを設けている。また、図23に
示すように操作端3A制御信号と操作端3B制御信号と
の出力の高値を選択しPID演算手段8へトラッキング
する高値選択演算手段13Bを設けている。さらに、図
24に示すように操作端3A制御信号と操作端3B制御
信号の出力の低値を選択し、PID演算手段8へトラッ
キングする低値選択演算手段13Cを設けるなどしてい
た。そして、自動選択信号Aと自動選択信号Bが共に、
実行停止信号(OFF信号)のときトラッキング条件演
算信号(ON信号)によりトラッキングさせていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置では、操作端をPID制御から切り離したり、PI
D制御下に入れたりする毎にプラントのプロセス系に外
乱を与えることとなり、外乱の大きさによってはプラン
トを危険な状態にしてしまうことがあるという問題があ
る。
【0015】まず、第1に、図20に示した構成の従来
の調整制御装置1では、自動手動切替手段9A,9Bが
両方共自動操作としている通常状態で、操作端3A制御
信号と操作端3B制御信号とは等しくなり、2個の操作
端3A,3Bにより設定信号と等しい流量とするように
半分ずつを分担して制御する。この状態から自動手動切
替手段9A,9Bのいずれか一方を手動操作に切替える
と、今まで操作端3Aと操作端3Bとが半分ずつ分担し
ていた流量に対して手動操作の操作量がプロセス系に対
して外乱を与え、プロセス系を変動させてしまうという
問題がある。
【0016】また、逆にいずれか一方の操作端を手動操
作している状態から自動操作に戻した場合にも同様にプ
ロセス系へ一旦は外乱を与えてしまう。このため、徐々
に自動操作中の操作端と手動操作中の操作端とが等しい
出力信号となるように操作した後に、自動操作に切替え
るといった熟練したオペレータの操作が必要であった。
【0017】第2に、図21に示した構成の従来の調整
制御装置1では、バイアス設定手段10および加算演算
手段11によりバイアス設定操作すると、それまで、操
作端3A,3Bが半分ずつの流量を流すことにより制御
していた状態から、バイアス操作量分がプロセス系に対
して外乱となり、プロセス系を変動させてしまう。ま
た、一方の操作端を手動操作にて操作している状態から
自動操作に戻した場合においても同様にプロセス系へ一
旦は外乱を与えてしまう。このような従来の装置では、
バイアス操作を行う度にプラントのプロセス系に外乱を
与えることになり、扱う補機によってはプラントを危険
な状態にしてしまうこともあり得たため、熟練したオペ
レータの操作が要求された。
【0018】また、第3に、図22乃至図24に示す従
来の装置では、次に、自動操作となる操作端の開度をト
ラッキングしているわけではないから、どのようなケー
スにも対応可能な完全なトラッキングとは言えない。す
なわち、図22に示す構成の場合は、操作端3A制御信
号と操作端3B制御信号との出力に差があるとき、その
平均値がトラッキングされるから操作端3A制御信号と
操作端3B制御信号のどちらを自動操作に切替えても、
まず、平均値へ突変し、その平均値から自動操作がされ
る。
【0019】図23に示す構成の場合は、操作端3A制
御信号と操作端3B制御信号の大きい方がトラッキング
されている。操作端3A制御信号と操作端3B制御信号
の大きな方が自動操作に切替えられた場合は、バンプレ
スに問題なく自動操作へ移行されるが、操作端3A制御
信号と操作端3B制御信号の小さい方が自動操作に切替
えられた場合、大きな方まで突変し、その後自動操作が
開始される。
【0020】図24の構成の場合は、操作端3A制御信
号と操作端3B制御信号の小さい方がトラッキングされ
ているから、小さい方が自動操作に切替えた場合は、バ
ンプレスに問題なく自動操作へ移行されるが、大きな方
が自動操作に切替えられた場合、小さな方まで突変し、
その後に自動操作が開始される。このような、操作端3
A制御信号と操作端3B制御信号との突変は、プラント
に対しての外乱となり、プラントを危険な状態とし、熟
練されたオペレータの操作が要求されるという問題があ
る。
【0021】そこで、本発明は自動と手動の双方の間で
の操作を簡単に切替え、しかも、プロセス系への外乱を
少なくする調整制御装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、プロ
セス量測定信号と対応するプロセス量設定信号との偏差
を演算する偏差演算手段と、この偏差演算手段からの偏
差を入力し、2個の操作端に制御演算信号を出力して前
記プロセス量を制御する制御演算手段と、この制御演算
手段または他の信号発生手段からの信号をそれぞれ操作
端制御信号として前記2個の操作端に適宜切替えて出力
するそれぞれ2個の信号切替手段とを備える調整制御装
置において、前記一方の信号切替手段へ前記制御演算手
段から出力される前記制御演算信号と前記他方の信号切
替手段からの前記操作端制御信号との偏差を演算し一方
の偏差信号として出力する一方の偏差演算手段と、前記
他方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力される
前記制御演算信号と前記一方の信号切替手段からの前記
操作端制御信号との偏差を演算し他方の偏差信号として
出力する他方の偏差演算手段と、前記信号切替手段のい
ずれか一方に前記他の信号発生手段からの信号が入力し
ているとき前記他方の偏差演算手段から出力される前記
他方の偏差信号をそのまま他方の偏差信号として出力す
ると共に、その偏差信号を保持し、前記信号切替手段の
前記いずれか一方へ制御演算手段からの信号が入力した
とき前記保持された前記偏差信号が所定の時間遅れをも
って零の他方の偏差信号として出力する時間遅れ調節手
段と、前記一方の偏差信号と前記制御演算信号とを加算
してこの加算信号を前記一方の信号切替手段へ出力する
一方の加算手段と、前記他方の偏差信号と前記制御演算
信号とを加算して、この加算信号を前記他方の信号切替
手段へ出力する他方の加算手段とを設けるようにしたも
のである。
【0023】請求項2の発明は、プロセス量測定信号と
対応するプロセス量設定信号との偏差を演算する偏差演
算手段と、この偏差演算手段からの偏差を入力し、2個
の操作端に制御演算信号を出力して前記プロセス量を制
御する制御演算手段と、この制御演算手段の出力する制
御演算信号を増減するためにバイアス設定信号を出力す
るバイアス設定手段と、前記制御演算手段または他の信
号発生手段からの信号をそれぞれ操作端制御信号として
前記2個の操作端に適宜切替えて出力するそれぞれ2個
の信号切替手段とを備える調整制御装置において、前記
一方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力される
前記制御演算信号と前記他方の信号切替手段からの前記
操作端制御信号との偏差を演算し一方の偏差信号として
出力する一方の偏差演算手段と、前記他方の信号切替手
段へ前記制御演算手段から出力される前記制御演算信号
と前記一方の信号切替手段からの前記操作端制御信号と
の偏差を演算し他方の偏差信号として出力する他方の偏
差演算手段と、前記信号切替手段のいずれか一方に前記
他の信号発生手段からの信号が入力しているとき前記他
方の偏差演算手段から出力される前記他方の偏差信号を
そのまま他方の偏差信号として出力すると共に、その偏
差信号を保持し、前記信号切替手段の前記いずれか一方
へ制御演算手段からの信号が入力したとき前記保持され
た前記偏差信号が所定の時間遅れをもって前記バイアス
設定信号の値の他方の偏差信号として出力する時間遅れ
調節手段と、前記一方の偏差信号と前記制御演算信号と
を加算してこの加算信号を前記一方の信号切替手段へ出
力する一方の加算手段と、前記他方の偏差信号と前記制
御演算信号とを加算して、この加算信号を前記他方の信
号切替手段へ出力する他方の加算手段とを設けるように
したものである。
【0024】請求項3の発明は、前記信号切替手段のそ
れぞれに前記他の信号発生手段からの信号が入力してい
るとき前記一方の信号切替手段からの前記操作端制御信
号と前記他方の信号切替手段からの前記操作端制御信号
との平均を演算し、この平均演算信号を前記制御演算手
段へ入力保持し前記制御演算信号とする手段を設けるよ
うにしたものである。
【0025】請求項4の発明は、プロセス量測定信号と
対応するプロセス量設定信号との偏差を演算する偏差演
算手段と、この偏差演算手段からの偏差を入力して制御
演算し、この制御演算信号を一方の操作端と他方の操作
端のいずれかに出力して前記プロセス量を制御する制御
演算手段と、前記一方の操作端へのみ前記制御演算信号
を出力するための第1の自動選択信号が実行信号となっ
たとき、前記制御演算信号へ切替えると共に、前記第1
の自動選択信号が実行停止信号となったとき、第1の信
号発生手段の他の信号へ切替え、一方の操作端制御信号
として前記一方の操作端へ出力する第1の信号切替手段
と、前記他方の操作端へのみ前記制御演算信号を出力す
るための第2の自動選択信号が実行信号となったとき、
所定時間後に切替条件信号の実行信号を出力すると共
に、前記第2の自動選択信号が実行停止信号となったと
き、前記切替条件信号の実行停止信号を出力する時間遅
れ手段と、前記切替条件信号が実行信号となったとき前
記制御演算信号へ切替えると共に、前記切替条件信号が
実行停止信号となったとき、第2の信号発生手段の他の
信号へ切替え、他方の操作端制御信号として前記他方の
操作端へ出力する第2の信号切替手段と、前記一方の操
作端制御信号へ切替えると共に、前記第2の自動選択信
号が実行信号となったとき、前記他方の操作端制御信号
へ切替え、前記制御演算信号にトラッキングさせるため
のトラッキング信号を前記制御演算手段へ出力する第3
の信号切替手段と、前記第1の自動選択信号と前記切替
条件信号とが共に、実行停止信号となっているとき前記
トラッキング信号を前記制御演算信号にトラッキングさ
せるトラッキング条件演算信号を前記制御演算手段へ出
力するトラッキング条件演算手段とを設けるようにした
ものである。
【0026】
【作用】請求項1の発明は、一方の偏差演算手段では、
一方の信号切替手段への制御演算信号と他方の信号切替
手段からの操作端制御信号との偏差信号が演算され、一
方の偏差信号が出力される。この一方の偏差信号は、一
方の加算手段により制御演算信号と加算され一方の信号
切替手段に制御演算信号に基づく信号として入力され
る。また、他方の偏差演算手段では、他方の信号切替手
段への制御演算信号と一方の信号切替手段からの操作端
制御信号との偏差信号が演算され、他方の偏差信号が出
力される。信号切替手段のいずれか一方に他の制御信号
が入力しているとき他方の偏差信号がそのまま、他方の
加算手段へ出力される。また、この状態で信号切替手段
のいずれにも他の制御信号が入力されないとき、その時
点の前記偏差信号の値から時間遅れをもって零の値へ変
化して他方の加算手段へ出力され、制御演算信号と加算
され、この加算信号が制御演算信号に基づいた信号とし
て他方の信号切替手段に入力される。これによつて、信
号切替手段のいずれかに他の制御信号が入力していると
きにも対応する信号切替手段への出力される制御演算信
号に基づく信号と当該信号切替手段から出力される他の
制御信号による操作端制御信号とは、ほぼ同じ値となっ
ている。この状態で、当該信号切替手段に他の制御手段
が入力されないとき、バンプレスに操作端制御信号の切
替えができ、プラントに大きな外乱を与えることがな
い。さらに、時間遅れを持たせて他の信号切替手段の操
作端制御信号へ徐々に近づき双方の操作端制御信号はほ
ぼ等しくなる。従って、一方の操作端を他の制御信号に
より操作している場合においても制御演算信号を先行的
に他方の操作端制御信号で補正しているから他の制御信
号から制御演算信号に切替わってもプロセスへの外乱を
最小に抑え速やかに制御系を安定させることができる。
【0027】請求項2の発明は、一方の偏差演算手段で
は、一方の信号切替手段への制御演算信号と他方の信号
切替手段からの操作端制御信号との偏差信号が演算さ
れ、一方の偏差信号が出力される。この一方の偏差信号
は、一方の加算手段により制御演算信号と加算され一方
の信号切替手段に制御演算信号に基づく信号として入力
される。また、他方の偏差演算手段では、他方の信号切
替手段への制御演算信号と一方の信号切替手段からの操
作端制御信号との偏差信号が演算され、他方の偏差信号
が出力される。信号切替手段のいずれか一方に他の制御
信号が入力しているとき他方の偏差信号がそのまま、他
方の加算手段へ出力される。また、この状態で信号切替
手段のいずれにも他の制御信号が入力されないとき、そ
の時点の前記偏差信号の値から時間遅れをもってバイア
ス設定信号に変化して他方の加算手段へ出力され、制御
演算信号と加算され、この加算信号が制御演算信号に基
づいた信号として他方の信号切替手段に入力される。こ
れによつて、信号切替手段のいずれかに他の制御信号が
入力しているときにも対応する信号切替手段への出力さ
れる制御演算信号に基づく信号と当該信号切替手段から
出力される他の制御信号による操作端制御信号とは、ほ
ぼ同じ値となっている。この状態で、当該信号切替手段
に自動操作信号が入力すると、バンプレスに操作端制御
信号の切替えができ、プラントに大きな外乱を与えるこ
とがない。さらに、時間遅れを持たせて他の信号切替手
段の操作端制御信号へ徐々に近づき双方の操作端制御信
号はほぼ等しくなる。このように、操作端が共に自動操
作のとき、一方の操作端へバイアス設定操作した場合、
両操作端への全体の制御演算信号を常に満足するように
働くことができる。また、バイアス設定操作によりバイ
アス設定信号を変化しても所定の時間遅れをもって追従
するからプロセス系への外乱を最小限に抑え速やかに制
御系を安定させることができる。
【0028】請求項3の発明は、請求項2記載または請
求項3記載の発明において、一方の操作端制御信号と他
の操作端制御信号との平均値を演算して、この平均値信
号を制御演算信号に入力保持しているから、両方の操作
端へ対して自動操作がされたときバンプレスに切替えら
れる。
【0029】請求項4の発明は、第1の信号切替手段
が、一方の操作端へ制御演算信号を出力するための第1
の自動選択信号が実行信号となったとき制御演算信号へ
切替えると共に、第1の自動選択信号が実行停止信号と
なったとき第1の信号発生手段の他の信号へ切替え、一
方の操作端制御信号として一方の操作端へ出力する。時
間遅れ手段は、他方の操作端へ制御演算信号を出力する
ための第2の自動選択信号が実行信号となったとき所定
時間後に切替条件信号の実行信号を出力すると共に、第
2の自動選択信号が実行停止信号となったとき切替条件
信号の実行停止信号を出力する。第2の信号切替手段
は、切替条件信号が実行信号となったとき制御演算信号
へ切替えると共に、切替条件信号が実行停止信号となっ
たとき第2の信号発生手段の他の信号へ切替え、他方の
操作端制御信号として他方の操作端へ出力する。第3の
信号切替手段は、一方の操作端制御信号へ切替えると共
に、第2の自動選択信号が実行信号となったとき、他方
の操作端制御信号へ切替え、制御演算信号にトラッキン
グするためのトラッキング信号を制御演算手段へ出力す
る。トラッキング条件演算手段は、第1の自動選択信号
と切替条件信号とが共に、実行停止信号となっていると
きトラッキング信号を制御演算信号にトラッキングさせ
るトラッキング条件演算信号を制御演算手段へ出力す
る。これにより、それぞれの操作端へいかなる出力のと
きであっても、両方の操作端が手動操作であるときは、
常に一方の操作端制御信号がトラッキングされており、
他方の操作端を自動操作に切替えようとした際は実際の
操作端制御信号を自動操作に切替えるタイミングとトラ
ッキングを解除するタイミングを遅らせ、その間にトラ
ッキング信号を他方の操作端制御信号へ切替えておくこ
とにより実際の操作端への出力を突変させることなく自
動操作へ切替えることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0031】図1は、本発明の第1実施例を示す調整制
御装置の構成概念図である。図20と同一符号は、同一
部分または相当部分を示す。図1に示す調整制御装置1
は、設定手段6と偏差演算手段7とPID演算手段8と
先行自動調節手段14と信号切替手段15A,15Bで
構成される。
【0032】ここで、設定手段6は、所定の設定信号を
出力する。偏差演算手段7は、検出器5の検出信号と設
定手段6の設定信号との偏差を演算して偏差信号を出力
する。
【0033】PID演算手段8は、偏差信号を入力し、
比例、積分、微分の演算をしてPID制御信号として出
力する。先行自動調節手段14は、当該操作端制御信号
についてPID制御信号に操作端制御信号を先行的に補
正し円滑に異なる制御信号に切替えることができるよう
にしている。信号切替手段15A,15Bは、所定の条
件で加算演算手段19A,19Bからの信号と他制御信
号とを切替え、対応する操作端3Aまたは操作端3Bへ
操作端制御信号を出力する。
【0034】先行自動調節手段14は、偏差演算手段1
7A,17Bと時間遅れ調節手段18と加算演算手段1
9A,19Bとからなっている。偏差演算手段17A
は、PID制御信号と他の操作端制御信号との差を演算
し偏差信号を出力する。偏差演算手段17BはPID制
御信号と他の操作端制御信号との差を演算し偏差信号を
出力する。時間遅れ調節手段18は、偏差演算手段17
Bの偏差信号を入力して手動操作からPID制御信号に
よる自動操作に戻す場合の時間遅れを制御する。加算演
算手段19Aは、PID制御信号と偏差演算手段17A
の偏差信号とを加算する。加算演算手段19Bは、PI
D制御信号と偏差演算手段17Bまたは時間遅れ調節手
段18を介した信号を加算する。なお、平均値演算手段
16は信号切替手段15A,15Bがいずれも手動操作
のときトラッキングを実行し、操作端3A制御信号と操
作端3B制御信号との平均値を演算して、この平均値に
基づいてPID演算手段8の積分要素にトラッキングを
かける。
【0035】次に、図1に示す第1実施例を図2に示す
制御構成図を参照して具体的に説明する。なお、図2に
示す調整制御装置1は、図19に示すプラントの2個の
操作端を対象とし、操作端は同じ定格流量であり、2個
の操作端で100%以上の流量を流すことができるもの
とする。
【0036】偏差演算手段17Bは、PID制御信号か
ら自動手動切替手段9Aからの操作端3A制御信号を減
算して、PID制御信号と操作端3A制御信号との偏差
を求める。つまり、自動手動切替手段9A,9Bが手動
操作であれば、偏差が正あるいは負となり、自動手動切
替手段9A,9Bが自動操作となっていれば偏差はほぼ
0%となる。
【0037】先行信号切替手段20Aは、自動手動切替
手段9A,9Bの両方が自動操作であれば、0%を出力
し、自動手動切替手段9A,9Bのいずれか一方でも手
動操作の場合は、偏差演算手段17Bの出力信号をその
まま出力する。時間遅れ調節手段18は、自動手動切替
手段9A,9Bが共に、自動操作であれば、先行信号切
替手段20Aの出力信号に一次遅れを持たせて出力す
る。いずれか一方でも、手動操作の場合、先行信号切替
手段20Aの出力信号は、時間遅れ調節手段18をバイ
パスして先行信号切替手段20Bへ入力され、先行信号
切替手段20Bからそのまま出力される。そして、時間
遅れ調節手段18の積分要素に対して、前記先行信号切
替手段20Aの出力信号をトラッキングさせる。
【0038】加算演算手段19Bは、PID制御信号と
先行信号切替手段20Bの出力信号を加算する。自動手
動切替手段9Bは、自動操作のとき加算演算手段19B
の出力信号をそのまま出力し、自動操作でないときオペ
レータが手動操作した信号を出力する。
【0039】一方、偏差演算手段17Aは、PID制御
信号から操作端3B制御信号を減算して、PID制御信
号と操作端3B制御信号との偏差を求める。つまり、自
動手動切替手段9A,9Bのいずれかが手動操作中であ
れば、偏差が正あるいは負となり、自動手動切替手段9
A,9Bが共に自動操作となっていれば、偏差はほぼ0
%となる。
【0040】ただし、自動手動切替手段9A,9Bが自
動操作へ移行した直後は、時間遅れ調節手段18と先行
信号切替手段20Bの作用により手動操作時に生じてい
た偏差値から0に向けて一次遅れ動作で移行中である場
合もある。このことは、偏差演算手段17Bについても
同様である。
【0041】加算演算手段19Aは、PID制御信号と
偏差演算手段17Aの出力信号を加算する。自動手動切
替手段9Aは、自動操作のとき加算演算手段19Aの出
力信号をそのまま出力し、自動操作でないときオペレー
タが手動操作した信号を出力する。
【0042】なお、固定値出力手段21は、0%の信号
を出力する。平均値演算手段16は、自動手動切替手段
9A,9Bが両方とも手動操作のとき、操作端3A制御
信号と操作端3B制御信号との平均を演算した値に基づ
いてPID演算手段8の積分要素にトラッキングをかけ
るものである。
【0043】ところで、操作端のCV特性がリニアでな
い場合、一般的に操作端3A,3Bで補正をしているの
で、本実施例では、CV補正手段を省略したが、操作端
3A,3Bで補正されない場合には、調整制御装置1に
CV補正手段を設けるようにする。
【0044】以下、本実施例の作用を(i)自動手動切
替手段9A,9B共に自動操作の場合、(ii)自動手
動切替手段9Aが手動操作で、自動手動切替手段9Bが
自動操作の場合、(iii)自動手動切替手段9Aが自
動操作で、自動手動切替手段9Bが手動操作の場合、
(iv)自動手動切替手段9A,9B共に手動操作の場
合に分けて説明する。なお、以下の説明で、PID演算
手段8の出力であるPID制御信号をD、自動手動切替
手段9Aの出力である操作端3A制御信号をA、自動手
動切替手段9Bの出力である操作端3B制御信号をBと
する。
【0045】(i)まず、自動手動切替手段9A,9B
共に自動操作の場合について図3を参照して説明する。
【0046】図3は、図2において自動手動切替手段9
A,9B共に自動操作の時に実行される制御ブロックの
みを抽出した図である。時間遅れ調節手段18では、一
方または両方の手動操作の時にトラッキングされていた
値xが0方向へ一次遅れをもって変化中(若しくは0)
であり、これをx→0と表す。よって、先行信号切替手
段20Bからx→0の信号が出力され、加算演算手段1
9Bの出力はD+(x→0)となる。
【0047】そして、自動手動切替手段9Bが自動操作
となっているから、B=D+(x→0)となる。また、
これを入力した偏差演算手段17Aでは,D−[D+
(x→0)]=−(x→0)となり、加算演算手段19
Aの出力はD−(x→0)となる。自動手動切替手段9
Aは自動操作となっているから操作端3A制御信号はA
=D−(x→0)となる。
【0048】以上の説明から操作端3A制御信号と操作
端3B制御信号は、いずれか一方が手動操作の状態から
両方が自動操作になった場合でも、それぞれPID制御
信号に向けてバンプレスに一次遅れで動作する。その
後、時間遅れ調節手段18の出力が0になれば、A=
D,B=Dとなり通常の自動操作状態となる。
【0049】(ii)次に、自動手動切替手段9Aが手
動操作で、自動手動切替手段9Bが自動操作の場合につ
いて、実行される制御ブロックのみを抽出した図4を参
照して説明する。
【0050】この場合、偏差演算手段17Bの出力はD
−Aとなり、先行信号切替手段20Aの出力もD−Aと
なる。また、時間遅れ調節手段18にはD−Aがトラッ
キングされている。この結果、自動手動切替手段9Aが
自動操作となった場合時間遅れ調節手段18は(D−
A)→0を一次遅れ動作で出力することとなる。
【0051】加算演算手段19Bでは、D+(D−A)
=2D−Aとなり、自動手動切替手段9Bが自動操作と
なっているからB=2D−Aとなる。つまり、制御系と
して操作端3Aと3Bとの全体の操作端制御信号からA
(手動操作値)を引いた値をBとすることで全体がバラ
ンスされている。
【0052】また、偏差演算手段17Aでは、D−(2
D−A)=A−Dとなり、加算演算手段19Aの出力は
Aとなる。つまり、自動手動切替手段9Aが自動操作に
切替わった場合にバンプレスに切替わる。
【0053】(iii)自動手動切替手段9Aが自動操
作で自動手動切替手段9Bが手動操作の場合について、
実行される制御ブロック図のみ抽出した図5を参照して
説明する。
【0054】この場合、偏差演算手段17Aの出力は、
D−Bであり、加算演算手段19Aでは、D+(D−
B)=2D−Bとなり、自動手動切替手段9Aが自動操
作となっているからA=2D−Bとなる。つまり、制御
系として操作端3Aと3Bとの全体の操作端制御信号か
らB(手動操作値)を引いた値をAとすることで全体が
バランスされる。
【0055】また、偏差演算手段17Bでは、D−(2
D−B)=B−Dとなり、先行信号切替手段20Aの出
力もB−Dとなる。このとき、時間遅れ調節手段18に
はB−Dがトラツキングされている。このため、自動手
動切替手段9Bが自動操作となった場合、B−D→0を
一次遅れ動作で出力することとなる。また、加算演算手
段19Bの出力は、D+(B−D)=Bとなる。これに
より、自動手動切替手段9Bが自動操作に切替わった場
合でも、バンプレスに切替わる。
【0056】(iv)次に、自動手動切替手段9A、自
動手動切替手段9B共に手動操作の場合について、実行
される制御ブロックを示す図6を参照して説明する。
【0057】この場合、平均値演算手段16によるA,
Bの平均値(A+B)/2がPID演算手段8の積分要
素にトラッキングされ、D=(A+B)/2となる。こ
れにより、偏差演算手段17Bの出力は[(A+B)/
2]−A=[(B−A)/2]で先行信号切替手段20
Aの出力も(B−A)/2となり、加算演算手段19B
では[(A+B)/2]+[(B−A)/2]=Bとな
る。
【0058】一方、偏差演算手段17Aの出力は、
[(A+B)/2]−B=(A−B)/2で加算演算手
段19Aでは、[(A+B)/2]+[(A−B)/
2]=Aとなる。これにより、自動手動切替手段9A,
9Bとをいつ自動操作へ戻してもバンプレスに切替わ
る。
【0059】次に、図2に示す制御ブロックの作用の1
例を図7を参照して実際の値を使って説明する。
【0060】まず、自動手動切替手段9A,9Bとが共
に、自動操作の時、図3で説明した制御ブロックが適用
され、図3に示すx=0となっており、図7の時刻t0
〜時刻t1に示す如く、PID演算手段8より60%相
当の流量を得るために、操作端3Aと操作端3BとにP
ID制御信号が各々30%出力されている状態で制御系
が安定している。
【0061】すなわち、この場合、先行信号切替手段2
0Aは、固定値出力手段21の0%が選択されており、
制御系はすでに安定し、先行信号切替手段20Bの出力
もすでに0%に到達している。従って、加算演算手段1
9Bの出力は、PID制御信号の30%と加算されて3
0%となる。自動手動切替手段9Bは自動操作となって
いるから、そのまま30%出力し、操作端3B制御信号
は30%となる。
【0062】一方、偏差演算手段17Aでは、PID制
御信号30%と操作端3B制御信号30%との差を演算
して0%となる。続いて、加算演算手段19Aでは、P
ID制御信号30%と偏差演算手段17Aの出力0%が
加算され30%となる。自動手動切替手段9Aは自動操
作となっているから、そのまま30%を出力する。以上
のようにしてPID制御信号が30%で安定して両操作
端3A,3Bへ出力されている。
【0063】次に、自動手動切替手段9Aが時刻t1に
手動操作とされ、徐々に操作端3A制御信号を降下させ
て時刻t2になったとする。すると、図4で説明した制
御ブロックが適用され、偏差演算手段17Bでは、PI
D制御信号30%と操作端3A制御信号の10%との差
が演算され、先行信号切替手段20Bの出力が20%と
なる。このとき、時間遅れ調節手段18には20%の値
がトラッキングされている。加算演算手段19Bでは、
PID制御信号30%と先行信号切替手段20Bの出力
20%が加算され50%となる。
【0064】自動手動切替手段9Bは自動操作であるか
ら、そのまま50%を出力し、操作端3B制御信号が5
0%となる。このとき前記したように操作端3Aへ操作
端3A制御信号が30%から10%徐々に手動操作され
ているから操作端3B制御信号も対応して30%から5
0%へ徐々に変化し、時刻t2には50%となってい
る。これによって、両操作端3A,3Bへ60%相当の
流量を流すために必要な操作端の開度が保たれたことと
なり、プロセスへ大きな外乱を与えないで済む。
【0065】偏差演算手段17Aでは、PID制御信号
30%と操作端3B制御信号の50%の差を演算し、−
20%を出力し、さらに、加算演算手段19AにPID
制御信号30%と加算されて10%となり、時刻t2に
は手動操作の開度10%と等しくなっている。従って、
この状態で、突然時刻t3に自動手動切替手段9Aを自
動操作に戻しても、操作端3A制御信号がバンプレスに
切替わる。さらに、自動手動切替手段9A,9Bが自動
操作になると、図3に示す制御ブロックが適用され、先
行信号切替手段20Aが0%固定値を出力する。時間遅
れ調節手段18のトラッキングも解除されて、トラッキ
ングされていた20%から0%を目標に時間遅れをもっ
て降下する。これによって、操作端3B制御信号も徐々
に低下して行く。
【0066】その後、時間遅れ調節手段18の出力が0
%になった時刻t4で、操作端3A制御信号はPID制
御信号と等しく30%となる。この過程で、偏差演算手
段17Aの出力が−20%から0%へ増加して、操作端
3A制御信号もPID制御信号の30%へ徐々に戻る。
【0067】このように、操作端3A,3Bの開度の和
は常に60%となる。これはPID制御信号を2倍した
値であり、60%相当の流量を得るために必要な開度を
保っていたことになる。従って、プロセス系への外乱は
図20に示す従来の制御と比較すると、極めて小さな外
乱で済むことができる。上記した動作は、自動手動切替
手段9Bを手動操作にした場合も同様であり、また、自
動手動切替手段9A,9Bが手動操作中であった場合に
おいても、本実施例によれば自動操作へ戻す際、バンプ
レスで、かつ、プロセス系への外乱を極めて小さく抑え
ながら自動操作へ移行することができる。
【0068】図8は、本発明の第2実施例を示す調整制
御装置の構成概念図である。
【0069】調整制御装置1は、設定手段6と偏差演算
手段7とPID演算手段8と先行自動調節手段14と信
号切替手段15A,15Bと平均値演算手段16とで構
成されている。
【0070】先行自動調節手段14は、PID制御信号
と他方の操作端制御信号との差を演算する偏差演算手段
17A,17Bと、バイアス設定手段22により設定さ
れるバイアス値をある時間遅れを持って加算演算手段1
9Bに出力する時間遅れ調節手段18と、PID制御信
号と偏差演算手段17A,17Bのそれぞれの出力信号
とを加算する加算演算手段19A,19Bとからなって
いる。
【0071】次に、図8に示す第2実施例を図9に示す
制御構成図を参照して具体的に説明する。なお、図9に
示す調整制御装置1は、図19に示すプラントの2個の
操作端を対象とし、2個の操作端の合計の流量で定格流
量の100%以上を流すことができるものとする。
【0072】偏差演算手段7は、測定信号と設定手段6
の設定信号との偏差を演算し、PID演算手段8へ入力
する。PID演算手段8は、偏差信号に応じたPID制
御信号を出力する。偏差演算手段17Bは、PID制御
信号から自動手動切替手段9Aの出力信号である操作端
3A制御信号を減算する演算を行い、PID制御信号と
操作端3A制御信号との偏差を求める。
【0073】先行信号切替手段20Aは、自動手動切替
手段9A,9Bが共に自動操作であれば、定常状態にバ
イアス設定手段22により設定されるバイアス値を出力
する。また、自動手動切替手段9A,9Bのいずれかが
手動操作の場合は、偏差演算手段17Bの出力をそのま
ま出力する。先行信号切替手段20Bは、自動手動切替
手段9A,9B共に自動操作であれば、先行信号切替手
段20Aの出力信号に一次遅れを持たせて出力する。
【0074】自動手動切替手段9A,9Bのいずれか一
方でも手動操作の場合、先行信号切替手段20Aの出力
信号は、時間遅れ調節手段18をバイパスして先行信号
切替手段20Bからそのまま出力される。但し、このよ
うにいずれか一方でも手動操作の場合、先行信号切替手
段20Aの出力信号は、時間遅れ調節手段18をバイパ
スするが、この場合であっても先行信号切替手段20A
の出力信号は時間遅れ調節手段18へ入力され、時間遅
れ調節手段18の積分要素に対して、トラッキングして
いる。
【0075】加算演算手段19Bは、PID制御信号と
先行信号切替手段20Bの出力信号を加算する。自動手
動切替手段9Bは、自動操作のとき、加算演算手段19
Bの出力信号をそのまま出力し、手動操作のとき、オペ
レータが手動操作した信号を出力する。
【0076】偏差演算手段17Aは、PID制御信号か
ら操作端3B制御信号を減算し、PID制御信号と操作
端3B制御信号の差を求める。
【0077】加算演算手段19Aは、PID制御信号と
偏差演算手段17Aの出力信号を加算する。自動手動切
替手段9Aは、自動操作のとき、加算演算手段19Aの
出力信号をそのまま出力する。手動操作のときは、オペ
レータが手動操作した信号を出力する。平均値演算手段
16は、操作端3A制御信号と操作端3B制御信号の平
均を演算し、この平均値を自動手動切替手段9A,9B
が共に手動操作のとき、PID演算手段8の積分要素に
トラッキングをかけるようにしている。
【0078】以下、第2実施例の作用を(i)自動手動
切替手段9A,9B共に自動操作の場合、(ii)自動
手動切替手段9Aが手動操作で、自動手動切替手段9B
が自動操作の場合、(iii)自動手動切替手段9Aが
自動操作で、自動手動切替手段9Bが手動操作の場合、
(iv)自動手動切替手段9A,9B共に手動操作の場
合に分けて説明する。なお、以下PID演算手段8の出
力であるPID制御信号をD、自動手動切替手段9Aの
出力である操作端3A制御信号をA、自動手動切替手段
9Bの出力である操作端3B制御信号をBとする。
【0079】(i)まず、自動手動切替手段9A,9B
共に、自動操作の場合について図10を参照して説明す
る。
【0080】図10は、図9において自動手動切替手段
9A,9Bが共に自動操作のときに実行される制御ブロ
ックのみを抽出した図である。図において、バイアス設
定手段22が出力するバイアス設定信号を±bとする
と、先行信号切替手段20Bの出力は、時間遅れ調節手
段18が手動操作のときに、トラッキングされていた値
xからバイパス設定信号±bに向けて一次遅れの動作に
より変化中であり、これをx→±bと表す。よって、加
算演算手段19Bの出力は、D+(x→±b)となり、
自動手動切替手段9Bが自動操作となっているので、B
は、B=D+(x→±b)となる。
【0081】これに対して、偏差演算手段17Aでは、
D−B=D−[D+(x→±b)]=−(x→±b)と
なり、加算演算手段19Aの出力は、D+[−(x→±
b)]=D−(x→±b)となる。自動手動切替手段9
Aは自動操作となっているから、操作端3A制御信号
は、A=D−(x→±b)となる。
【0082】このように、自動手動切替手段9A,9B
が手動操作から共に自動操作になった場合でも、それぞ
れPID制御信号に向けてバンプレスに一次遅れにて動
作する。このとき、バイアス値設定信号が0であれば、
時間遅れ調節手段18の出力は、トラッキングされてい
た値xから0へ一次遅れにより変化し、出力が0となっ
たとき、A=D,B=Dとなり通常の自動制御状態とな
る。
【0083】一方、バイアス設定値設定信号が0でない
とき、動作の考え方は、同様であり、トラッキングされ
ていた値xからバイアス設定値信号±bへ一次遅れによ
り変化する。操作端制御信号は、A=D−(x→±
b),B=D+(x→±b)となる。
【0084】(ii)次に、自動手動切替手段9Aが手
動操作で、自動手動切替手段9Bが自動操作の場合につ
いて実行される制御ブロックのみ抽出した図11を参照
して説明する。
【0085】この場合、偏差演算手段17Bの出力は、
D−Aであり、先行信号切替手段20Bの出力もD−A
となる。また、このとき、時間遅れ調節手段18には、
D−Aがトラッキングされており、自動手動切替手段9
A,9Bが共に自動操作となった場合に、D−A→±b
を一次遅れの動作により出力する。
【0086】加算演算手段19Bでは、D+(D−A)
=2D−Aとなり、自動手動切替手段9Bが自動操作と
なっているから、Bは、B=2D−Aとなる。つまり、
本制御系としては、操作端3A,3Bへの全体の操作端
制御信号からA(手動操作値)を引いた値をBとするこ
とで、全体としてバランスされる。
【0087】また、偏差演算手段17Aでは、D−(2
D−A)=A−Dとなり、加算演算手段19Aの出力は
Aとなる。つまり、自動手動切替手段9Aが自動操作に
切替わった場合でもバンプレスに切替わる。
【0088】(iii)次に、自動手動切替手段9Aが
自動操作で、自動手動切替手段9Bが手動操作の場合に
ついて実行される制御ブロックのみ抽出した図12を参
照して説明する。
【0089】この場合、偏差演算手段17Aの出力はD
−Bであり、加算演算手段19Aでは、D+(D−B)
=2D−Bとなり、自動手動切替手段9Aが自動操作に
選択されているので、Aは、A=2D−Bとなる。つま
り、本制御系として操作端3A,3Bへの全体の操作端
制御信号からB(手動操作値)を引いた値をAとするこ
とで全体としてバランスされる。
【0090】偏差演算手段17Bでは、D−(2D−
B)=B−Dとなり、先行信号切替手段20Bの出力も
B−Dとなる。このとき、時間遅れ調節手段18には、
B−Dがトラッキングされており、自動手動切替手段9
A,9Bが自動操作となった場合、B−D→±bを一次
遅れの動作により出力する。また、加算演算手段19B
の出力はD+(B−D)=Bとなる。これにより、自動
手動切替手段9Bが自動操作に切替わった場合でも、バ
ンプレスに切替わる。
【0091】(iv)次に、自動手動切替手段9A,9
Bが共に手動操作の場合について実行される制御ブロッ
クのみ抽出した図13を参照して説明する。
【0092】この場合、平均値演算手段16によるA,
Bの平均値(A+B)/2がPID演算手段8の積分要
素にトラッキングされ、D=(A+B)/2となる。こ
れにより、偏差演算手段17Bの出力は、(A+B)/
2−A=(B−A)/2で先行信号切替手段20Bの出
力も(B−A)/2となる。従って、加算演算手段19
Bでは、[(A+B)/2]+[(B−A)/2]=B
を出力する。
【0093】一方、偏差演算手段17Aでは、[(A+
B)/2]−B=[(A−B)/2]を出力し、加算演
算手段19Aでは、[(A+B)/2]+[(A−B)
/2]=Aとなる。これにより、自動手動切替手段9
A,9Bがいつ自動制御に戻ってもバンプレスに切替わ
る。
【0094】次に、図9に示す制御ブロックの作用の1
例を図14を参照して説明する。
【0095】まず、自動手動切替手段9A,9Bが共に
自動操作のとき、図10に示す制御ブロックが適用さ
れ、PID演算手段8より60%相当の流量を得るため
に、操作端3A,3Bにそれぞれ30%のPID制御信
号が出力されている状態で、時刻t0〜時刻t1の間、
制御系が安定している。但し、ここでは、バイアス設定
信号を±0%とする。
【0096】この場合、先行信号切替手段20Aは、バ
イアス設定手段22からのバイアス設定信号を入力する
が、上記したようにバイアス設定信号は±0%で制御系
はすでに安定しているから、先行信号切替手段20A,
20Bの出力もすでに0%に到達している。従って、加
算演算手段19Bでは、PID制御信号の30%が出力
される。自動手動切替手段9Bは、自動操作となってい
るから、操作端3B制御信号は、30%が出力される。
【0097】次に、偏差演算手段17Aでは、PID制
御信号30%と操作端3B制御信号30%との差を演算
して0%を出力し、加算演算手段19Aでは、PID制
御信号30%と偏差演算手段17Aの出力0%が加算さ
れ30%となっている。この結果自動手動切替手段9A
は、自動操作となっているから、そのまま30%が出力
される。
【0098】次に、バイアス設定手段22のバイアス設
定信号を+20%とした場合の作用を説明する。
【0099】前記時刻t0〜時刻t1に示すように、
今、操作端3A,3Bへそれぞれ30%のPID制御信
号が出力されて(但し、バイアス設定信号は±0%)制
御系が安定している。この状態で、時刻t1にバイアス
設定手段22が出力するバイアス設定信号を+20%と
した場合も図10の制御ブロックが適用される。先行信
号切替手段20Aは+20%を出力する。これにより、
時間遅れ調節手段18では、+20%が入力され、一次
遅れによって徐々に0%→+20%と変化して出力され
る。この時間遅れ調節手段18の出力は、先行信号切替
手段20Bに入力してそのまま出力される。加算演算手
段19Bは、PID制御信号と先行信号切替手段20B
の出力する信号を加算して出力する。これにより、加算
演算手段19Bは一次遅れにより、徐々に30%→50
%を出力する。このとき自動手動切替手段9Bは、自動
操作となっているから、同様に30%→50%と変化し
て、操作端3B制御信号は時刻t1の30%から時刻t
2の50%と変化する。
【0100】偏差演算手段17Aでは、PID制御信号
30%と操作端3B制御信号の30%→50%の変化に
対して両者の差を演算して0%→−20%を出力する。
続いて、加算演算手段19Aでは、PID制御信号30
%と偏差演算手段17Aの出力0%→−20%が加算さ
れて30%→10%を出力する。この結果、自動手動切
替手段9Aが自動操作となっているから、30%→10
%が出力される。この場合に、偏差演算手段17Bは、
操作端3A制御信号が、30%→10%と変化するに従
って、0%→20%と変化する。この結果、自動手動切
替手段9A,9Bが自動操作中にバイアス設定を行った
場合に、定常状態になると、偏差演算手段17Bの出力
と、バイアス設定信号が等しくなる。
【0101】この状態で、時刻t3に自動手動切替手段
9Aを手動操作として、操作量を50%から30%に降
下すると、図10の制御ブロックから図11の制御ブロ
ックに移行する。すなわち、自動手動切替手段9Aが手
動操作となると、先行信号切替手段20Aがバイアス設
定信号の入力から偏差演算手段17Bの入力に切替わ
る。このとき、バイアス設定信号(20%)と偏差演算
手段17Bの出力信号(20%)とは同じ値である。こ
の偏差演算手段17Bの出力信号20%は先行信号切替
手段20Bを介して加算演算手段19Bに入力される。
これにより、加算演算手段19Bは、50%を自動手動
切替手段9Bに出力する。従って、自動手動切替手段9
Aが手動操作となっても、操作端3Bは変化しない。一
方、偏差演算手段17AではBの50%とPID制御信
号30%を入力して−20%を出力する。これによっ
て、加算演算手段19Aから10%が出力されるから自
動操作から手動操作にバンプレスに切替えられる。その
後、徐々に自動手動切替手段9Aの操作量を上昇させ、
時刻t4に30%で一定とすると、自動手動切替手段9
Bの操作端3B制御信号も安定する。
【0102】このように、自動手動切替手段9A,9B
が自動操作のとき、一方の操作端にバイアス設定値を加
算することができ、もう一方の操作端でバイアス設定値
加算分を補正する動作により操作端3A,3Bへの操作
端制御信号の全体は変わらない。従って、プロセスへ与
える外乱を最小限におさえ、早く制御系を安定させるこ
とができる。なお、上記第1と第2の実施例では、時間
遅れ調節手段18を一次遅れで説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例えば、レイトリミッタ
(変化率制限器)を用いることもできる。
【0103】図15は、本発明の第3実施例を示す調整
制御装置の構成概念図である。図15に示す第3実施例
は、図19に示すプラント構成において、操作端A,操
作端Bがそれぞれ1弁で定格流量以上を流すことができ
る例である。一方の操作端のバックアップとして他方の
操作端が用意されている。
【0104】また、第3実施例は、図19に示すプラン
ト構成において、2個の操作端に並列に配置し、1個の
PID演算手段で、いずれか一方のみの操作端を自動操
作とするものとする。また、自動操作のときの操作端制
御信号は、別の手段で手動操作の出力値にトラッキング
しているものとする。図15に示す調整制御装置1は、
設定手段6と偏差演算手段7とPID演算手段8と信号
切替手段15A,15Bと時間遅れ手段23とトラッキ
ング条件演算手段24と信号切替手段25とで構成され
る。
【0105】ここで、設定手段6は所定の設定信号を出
力する。偏差演算手段7は、センサより入力されるプロ
セス量測定信号と設定信号との偏差を演算する。PID
演算手段8は、偏差信号を制御演算し、2個の操作端の
それぞれ一方しか制御演算信号を選択しない操作端にそ
の制御演算信号を出力してプロセス量測定信号を制御す
る。信号切替手段15Aは、操作端3Aへ制御演算信号
を出力するための自動選択信号Aが実行信号(ON信
号)となったとき、制御演算信号へ切替えると共に、自
動選択信号Aが実行停止信号(OFF信号)となったと
き、他の信号へ切替え、操作端3A制御信号として操作
端3Aへ出力する。時間遅れ手段23は、操作端3Bへ
制御演算信号を出力するための自動選択信号Bが実行信
号(ON信号)となったとき、所定時間後に切替条件信
号Bの実行信号(ON信号)を出力すると共に、自動選
択信号Bが実行停止信号(OFF信号)となったとき、
切替条件信号Bの実行停止信号(OFF信号)を時間遅
れを持たずに出力する。信号切替手段15Bは、切替条
件信号Bが実行信号(ON信号)となったとき制御演算
信号へ切替えると共に、切替条件信号Bが実行停止信号
(OFF信号)となったとき、他の信号へ切替え、操作
端制御3B信号として操作端3Bへ出力する。
【0106】信号切替手段25は、自動選択信号Aが実
行信号(ON信号)となったとき操作端3A制御信号へ
切替えると共に、自動選択信号Bが実行信号(ON信
号)となったとき、操作端3B制御信号へ切替え、制御
演算信号にトラッキングするためのトラッキング信号を
制御演算手段へ出力する。なお、自動選択信号Aが実行
信号(ON信号)のときは、自動選択信号Bは実行停止
信号(OFF信号)である。したがって、この実施例で
は、信号切替手段25は、信号を切替える条件として自
動選択信号Bのみを入力しており、自動選択信号Bが実
行信号(ON信号)のとき操作端へ切替え、自動選択信
号Bは実行停止信号(OFF信号)のとき操作端3A制
御信号へ切替えるようにしている。トラッキング条件演
算手段24は、自動選択信号Aと切替条件信号Bとが共
に、実行停止信号(OFF信号)となったときトラッキ
ング信号を制御演算信号にトラッキングさせるトラッキ
ング条件信号を制御演算手段8へ出力する。
【0107】次に、図15に示す第3実施例を図16に
示す制御構成図を参照して具体的に説明する。
【0108】偏差演算手段7は、検出器5からの測定信
号値と設定手段6の設定信号との偏差を演算し、偏差信
号をPID演算手段8へ入力する。PID演算手段8
は、偏差信号に応じたPID制御信号を出力する。信号
切替手段15A,15Bは、それぞれの自動選択信号が
ON信号のとき、自動操作へ切替え、自動選択信号がO
FF信号のとき手動操作へ切替える。
【0109】時間遅れ手段23は、信号切替手段15B
を自動操作へ切替えるための条件信号として自動選択信
号BがON信号のときのみ、一定時間の遅れを持たせて
出力する。信号切替手段15Bは、自動選択信号BがO
N信号とされてから一定時間後に自動操作へ切替わる。
自動選択信号BがOFF信号となったとき、瞬時に手動
操作へ切替わる。トラッキング条件演算手段24は、P
ID演算手段8へのトラッキング実行条件を演算し、信
号切替手段15A,15Bが共に、手動操作となってい
るとき、トラッキングがされ、自動選択信号AのON信
号のNOTと、自動選択信号BのON信号のNOTとの
論理積の成立でトラッキングを実行する。信号切替手段
25は、自動選択信号BがOFF信号のとき操作端3A
制御信号へ切替え、自動選択信号BがON信号のとき操
作端3B制御信号へ切替えてトラッキング信号を出力す
る。
【0110】次に、第3実施例の作用を具体的に図17
および図18を参照して説明する。
【0111】例えば、図17に示す如く、時刻t0から
時刻t1まで、信号切替手段15Aが手動操作で操作端
3A制御信号が30%、信号切替手段15Bが手動操作
で操作端3B制御信号が60%であったとする。この場
合、自動選択信号A,B共にOFF信号であり、信号切
替手段25は操作端3A制御信号を出力し、PID演算
手段8は、操作端3A制御信号でトラッキングされ、P
ID制御信号は30%となっている。
【0112】この状態で、時刻t1に自動選択信号Aが
ON信号になると、信号切替手段15Aにより自動操作
に切替えられ、PID演算手段8はトラッキングされて
いた30%からPID制御を開始するから操作端3A制
御信号は突変することなくPID制御へ移行する。そし
て、徐々に設定信号に近づく。
【0113】一方、図18に示す如く、時刻t0〜時刻
t1まで、信号切替手段15Aが手動操作で操作端3A
制御信号が30%、信号切替手段15Bが手動操作で、
操作端3B制御信号が60%であるとする。この状態か
ら、自動選択信号BがON信号となると、まず、直ちに
信号切替手段25が操作端3A制御信号30%から操作
端3B制御信号60%へ切替えられ、PID演算手段8
へのトラッキング信号が30%から60%へと変化す
る。
【0114】次に、時刻t1〜時刻t2まで信号切替手
段15Bは、信号切替条件信号が時間遅れを持っている
から信号切替手段15Bの切替えは実行されず、手動操
作の60%出力が保持される。つまり、信号切替手段1
5Bが時間遅れ手段23により、信号切替えのタイミン
グを遅らせられている間に、PID演算手段8のトラッ
キング信号だけが操作端3Aから操作端3B出力へ切替
わる。
【0115】その後、時間遅れ手段23の時間が経過し
て時刻t2になると、トラッキング条件演算手段24へ
入力されている切替条件信号BがON信号となる。これ
によって、トラッキング条件信号がOFF信号となり、
PID演算手段8のトラッキングは解除され、偏差信号
に基づいてPID制御信号に移行し60%を出力する。
これと同時に、信号切替手段15Bの切替条件信号もO
N信号とされ、信号切替手段15Bの出力はPID制御
信号に切替わり60%から突変することなくPID制御
へ移行する。
【0116】このように、それぞれの操作端がいかなる
出力のときであっても、両方の操作端が手動操作となっ
ているときは、常に一方の操作端制御信号がトラッキン
グされている。このため、一方の操作端を自動操作とす
ることは問題なく行える。他方の操作端を自動操作に切
替えるときは実際の操作端制御信号を自動操作に切替え
るタイミングとトラッキングを解除するタイミングを遅
らせ、その間にトラッキング信号を他方の操作端出力へ
切替えておくことにより、実際の操作端制御信号を突変
させることなく自動操作へ切替えることができる。操作
端を自動操作から手動操作へ切替える場合は、それまで
自動/手動の信号切替手段が出力していた操作端制御信
号を初期値として手動操作を開始する機能を図示しない
手動操作器に持たせておく。これにより、自動操作から
手動操作への切替時も操作端の出力を突変させることな
く実施できる。なお、このような機能は、第1と第2の
実施例にも備えられているが、自動/手動切替器では当
業者にとっても常識的な機能であるので、その詳細な説
明は、省略する。
【0117】なお、上記の3つのそれぞれの実施例の説
明では、PID制御信号を途中で遮断する機能として、
自動手動操作手段を用いたが、インターロック等により
他の制御信号と切替えても同様に実施できる。
【0118】ただし、第1と第2の実施例では、切替え
た瞬間に片方の操作端がステップ的に設定開度固定とな
る開度固定制御では自動操作する側の操作端も逆方向に
ステップ的に動作してしまう。この場合、両操作端3
A,3B全体では、必要な開度が確保されるが、両操作
端3A,3Bへの制御信号がステップ的に出力されるか
ら、プロセス系の外乱は上記説明のものより大きくなる
と予想される。
【0119】また、上記の3つの実施例では制御手段を
PID演算信号としたがこれに限ることなくPI演算手
段としてもよい。
【0120】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、一方の操作端
を他の制御信号により操作している場合においても制御
演算信号を先行的に他方の操作端制御信号で補正してい
るから他の制御信号から制御演算信号に切替わってもプ
ロセスへの外乱を最小に抑え速やかに制御系を安定させ
ることができる。
【0121】請求項2の発明は、操作端の両方が自動操
作のとき、一方の操作端へバイアス設定操作した場合、
両操作端への全体の制御演算信号を常に満足するように
働くことができる。また、バイアス設定操作によるバイ
アス設定信号を変化させても所定の時間遅れをもって追
従するからプロセス系への外乱を最小限に抑え速やかに
制御系を安定させることができる。
【0122】請求項3の発明は、請求項2記載または請
求項3記載の発明において、一方の操作端制御信号と他
の操作端制御信号との平均値を演算して、この平均値信
号を制御演算信号に入力保持しているから、操作端の両
方に対して自動操作がされたときバンプレスに切替えら
れる。
【0123】請求項4の発明は、それぞれの操作端制御
信号がいかなるときであっても、常に一方の操作端制御
信号が制御演算信号にトラッキングしており、実際の操
作端の出力を自動操作に切替えるタイミングとトラッキ
ングを解除するタイミングを遅らせ、その間にトラッキ
ング信号を他方の操作端の出力へ切替えるから実際の操
作端の出力を突変させることなく自動操作へ切替えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す調整制御装置の構成
概念図である。
【図2】同調整制御装置の制御ブロック構成図である。
【図3】図2の第1の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図4】図2の第2の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図5】図2の第3の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図6】図2の第4の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図7】図2の作用の一例を示すタイムチャートであ
る。
【図8】本発明の第2実施例を示す調整制御装置の構成
概念図である。
【図9】同調整制御装置の制御ブロック図である。
【図10】図9の第1の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図11】図9の第2の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図12】図9の第3の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図13】図9の第4の作用を示す制御ブロック図であ
る。
【図14】図9の作用の一例を示すタイムチャートであ
る。
【図15】本発明の第3実施例を示す調整制御装置の構
成概念図である。
【図16】同調整制御装置の制御ブロック図である。
【図17】図16の作用の一例を示すタイムチャートで
ある。
【図18】図16の作用の他の例を示すタイムチャート
である。
【図19】プラント構成の一例を示す系統図である。
【図20】従来例を示す図2に対応する制御ブロック図
である。
【図21】従来例を示す図9に対応する制御ブロック図
である。
【図22】従来例を示す図16に対応する第1の制御ブ
ロック図である。
【図23】従来例を示す図16に対応する第2の制御ブ
ロック図である。
【図24】従来例を示す図16に対応する第3の制御ブ
ロック図である。
【符号の説明】
3A,3B 操作端 5 検出器 6 設定手段 7 偏差演算手段 8 PID演算手段 9A,9B 自動手動切替手段 10 バイアス設定手段 13A 平均演算手段 13B 高値選択演算手段 13C 低値選択演算手段 14 先行自動調節手段 15A,15B 信号切替手段 16 平均値演算手段 17A,17B 偏差演算手段 18 時間遅れ調節手段 19A,19B 加算演算手段 20A,20B 先行信号切替手段 21 固定値出力手段 22 バイアス設定手段 23 時間遅れ要素手段 24 トラッキング条件演算手段 25 信号切替手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス量測定信号と対応するプロセス
    量設定信号との偏差を演算する偏差演算手段と、この偏
    差演算手段からの偏差を入力し、2個の操作端に制御演
    算信号を出力して前記プロセス量を制御する制御演算手
    段と、この制御演算手段または他の信号発生手段からの
    信号をそれぞれ操作端制御信号として前記2個の操作端
    に適宜切替えて出力するそれぞれ2個の信号切替手段と
    を備える調整制御装置において、 前記一方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力さ
    れる前記制御演算信号と前記他方の信号切替手段からの
    前記操作端制御信号との偏差を演算し一方の偏差信号と
    して出力する一方の偏差演算手段と、 前記他方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力さ
    れる前記制御演算信号と前記一方の信号切替手段からの
    前記操作端制御信号との偏差を演算し他方の偏差信号と
    して出力する他方の偏差演算手段と、 前記信号切替手段のいずれか一方に前記他の信号発生手
    段からの信号が入力しているとき前記他方の偏差演算手
    段から出力される前記他方の偏差信号をそのまま他方の
    偏差信号として出力すると共に、その偏差信号を保持
    し、前記信号切替手段の前記いずれか一方へ制御演算手
    段からの信号が入力したとき前記保持された前記偏差信
    号が所定の時間遅れをもって零の他方の偏差信号として
    出力する時間遅れ調節手段と、 前記一方の偏差信号と前記制御演算信号とを加算してこ
    の加算信号を前記一方の信号切替手段へ出力する一方の
    加算手段と、 前記他方の偏差信号と前記制御演算信号とを加算して、
    この加算信号を前記他方の信号切替手段へ出力する他方
    の加算手段とを備えたことを特徴とする調整制御装置。
  2. 【請求項2】 プロセス量測定信号と対応するプロセス
    量設定信号との偏差を演算する偏差演算手段と、この偏
    差演算手段からの偏差を入力し、2個の操作端に制御演
    算信号を出力して前記プロセス量を制御する制御演算手
    段と、この制御演算手段の出力する制御演算信号を増減
    するためにバイアス設定信号を出力するバイアス設定手
    段と、前記制御演算手段または他の信号発生手段からの
    信号をそれぞれ操作端制御信号として前記2個の操作端
    に適宜切替えて出力するそれぞれ2個の信号切替手段と
    を備える調整制御装置において、 前記一方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力さ
    れる前記制御演算信号と前記他方の信号切替手段からの
    前記操作端制御信号との偏差を演算し一方の偏差信号と
    して出力する一方の偏差演算手段と、 前記他方の信号切替手段へ前記制御演算手段から出力さ
    れる前記制御演算信号と前記一方の信号切替手段からの
    前記操作端制御信号との偏差を演算し他方の偏差信号と
    して出力する他方の偏差演算手段と、 前記信号切替手段のいずれか一方に前記他の信号発生手
    段からの信号が入力しているとき前記他方の偏差演算手
    段から出力される前記他方の偏差信号をそのまま他方の
    偏差信号として出力すると共に、その偏差信号を保持
    し、前記信号切替手段の前記いずれか一方へ制御演算手
    段からの信号が入力したとき前記保持された前記偏差信
    号が所定の時間遅れをもって前記バイアス設定信号の値
    の他方の偏差信号として出力する時間遅れ調節手段と、 前記一方の偏差信号と前記制御演算信号とを加算してこ
    の加算信号を前記一方の信号切替手段へ出力する一方の
    加算手段と、 前記他方の偏差信号と前記制御演算信号とを加算して、
    この加算信号を前記他方の信号切替手段へ出力する他方
    の加算手段とを備えたことを特徴とする調整制御装置。
  3. 【請求項3】 前記信号切替手段のそれぞれに前記他の
    信号発生手段からの信号が入力しているとき前記一方の
    信号切替手段からの前記操作端制御信号と前記他方の信
    号切替手段からの前記操作端制御信号との平均を演算
    し、この平均演算信号を前記制御演算手段へ入力保持し
    前記制御演算信号とする手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載または請求項2記載の調整制御装置。
  4. 【請求項4】 プロセス量測定信号と対応するプロセス
    量設定信号との偏差を演算する偏差演算手段と、 この偏差演算手段からの偏差を入力して制御演算し、こ
    の制御演算信号を一方の操作端と他方の操作端のいずれ
    かに出力して前記プロセス量を制御する制御演算手段
    と、 前記一方の操作端へのみ前記制御演算信号を出力するた
    めの第1の自動選択信号が実行信号となったとき、前記
    制御演算信号へ切替えると共に、前記第1の自動選択信
    号が実行停止信号となったとき、第1の信号発生手段の
    他の信号へ切替え、一方の操作端制御信号として前記一
    方の操作端へ出力する第1の信号切替手段と、 前記他方の操作端へのみ前記制御演算信号を出力するた
    めの第2の自動選択信号が実行信号となったとき、所定
    時間後に切替条件信号の実行信号を出力すると共に、前
    記第2の自動選択信号が実行停止信号となったとき、前
    記切替条件信号の実行停止信号を出力する時間遅れ手段
    と、 前記切替条件信号が実行信号となったとき前記制御演算
    信号へ切替えると共に、前記切替条件信号が実行停止信
    号となったとき、第2の信号発生手段の他の信号へ切替
    え、他方の操作端制御信号として前記他方の操作端へ出
    力する第2の信号切替手段と、 前記一方の操作端制御信号へ切替えると共に、前記第2
    の自動選択信号が実行信号となったとき、前記他方の操
    作端制御信号へ切替え、前記制御演算信号にトラッキン
    グさせるためのトラッキング信号を前記制御演算手段へ
    出力する第3の信号切替手段と、 前記第1の自動選択信号と前記切替条件信号とが共に、
    実行停止信号となっているとき前記トラッキング信号を
    前記制御演算信号にトラッキングさせるトラッキング条
    件演算信号を前記制御演算手段へ出力するトラッキング
    条件演算手段とを備えたことを特徴とする調整制御装
    置。
JP34105992A 1992-02-28 1992-11-30 調整制御装置 Pending JPH05303402A (ja)

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EP93301342A EP0558281B1 (en) 1992-02-28 1993-02-23 Modulating controller for controlling two operation terminals
DE69329306T DE69329306T2 (de) 1992-02-28 1993-02-23 Kontroller zur aufeinander abgestimmten Regelung zweier Bedienungsterminals
US08/022,464 US5490058A (en) 1992-02-28 1993-02-25 Modulating controller for controlling two operation terminals
CA002090572A CA2090572C (en) 1992-02-28 1993-02-26 Modulating controller for controlling two operation terminals

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013077192A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Toshiba Corp プラント制御装置、プラント制御方法およびプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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