JPH05302023A - ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物 - Google Patents

ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物

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JPH05302023A
JPH05302023A JP10779892A JP10779892A JPH05302023A JP H05302023 A JPH05302023 A JP H05302023A JP 10779892 A JP10779892 A JP 10779892A JP 10779892 A JP10779892 A JP 10779892A JP H05302023 A JPH05302023 A JP H05302023A
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glycol
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JP10779892A
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Kunio Kimura
邦生 木村
Hideo Isoda
英夫 磯田
Keiichi Uno
敬一 宇野
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性回復性における温度依存性の改善された
ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物を得るこ
と。 【構成】 テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレン
ジカルボン酸及び脂肪族グリコール及びポリオキシアル
キレングリコールを構成成分とし、粘弾性挙動における
β分散の正接極大温度および30°と70℃における正
接損失の比を特定し、かつ還元比粘度が1.2以上であ
るポリエーテルエステルブロック共重合体(A成分)
に、亜鉛、マグネシウム、カルシウム及びコバルトから
選ばれた一種又は二種以上の金属又はその化合物とホス
ホン酸、亜ホスホン酸及びそれらのエステルから選ばれ
た一種又は二種以上のリン化合物との塩及び/又はタル
ク(B成分)を含有することを特徴とするポリエーテル
エステルブロック共重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリエーテルエ
ステルブロック共重合体組成物に関し、更に詳しくは弾
性的性能が優れ、永久歪が少なく、特にその性能が70
℃程度の温度下でも著しく低下しないことを特徴とする
熱可塑性ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物
に関する。また本発明ポリエーテルエステルブロック共
重合体組成物は、優れた弾性回復性を有しており、その
性能の温度による低下が少なく、且つ熱可塑性であるた
めに、繊維は基よりフイルム、シート、コーティング
剤、その他成形体或るいは、接着剤などに用いることが
出来る。特に弾性性質を必要とする部位の接着剤として
は有用であり、詰物内の繊維間接着剤に適している。こ
の様に利用分野は広く、衣料用途のみならず産業資材用
途及び自動車、電気用途等、各分野で利用されるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から弾性体素材としては、ゴムやポ
リウレタン等が使用されているが、これらは弾性回復と
いう点では優れた特性を有しているものの、難燃性やリ
サイクル性、或るいは燃焼時の有毒ガス発生等の問題が
ある。他方、近年になってポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体が弾性体として使用され、このポリマーは比
較的良好な弾性的性能を示し、熱可塑性であるために溶
融紡糸や成形が可能であるというメリットがある。特に
資源再利用の観点からリサイクル性が益々重視され、よ
り注目される素材である。
【0003】しかしながら前記ポリエーテルエステルブ
ロック共重合体は、ポリウレタンやゴムと異なり、ハー
ドセグメントの結晶によって分子鎖を拘束しているた
め、変形後の永久歪が大きかったり、弾性的性質が劣る
等の問題がある。特に、結晶相による分子鎖拘束故に、
弾性回復性の温度依存性が大きく、現在知られているポ
リエーテルエステルブロック共重合体では70℃程度で
も長時間変形後の回復性は著しく低下してしまうという
欠点がある。なお70℃の弾性回復性は、弾性体の用途
を考える上で耐熱性の一つの尺度であり、この温度での
良好な弾性回復性は非常に重要である。従って、ポリエ
ーテルエステルブロック共重合体のかかる欠点は、産業
上の利用分野を著しく制限しており、この欠点の改善さ
れたポリエーテルエステルブロック共重合体が得られれ
ば、産業上の利用分野は飛躍的広がるはずである。
【0004】上記欠点を改善するために、例えば成形後
或るいは成形時に分子鎖を架橋する方法が提案されてい
る(例えば特開昭54−131688号公報、55−1
51029号公報、56−2320号公報及び56−1
4525号公報等)が、これらの方法でも、あらゆる点
について満足する値は得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
弾性回復性の温度依存性の小さい、即ち70℃の加熱下
長時間変形後も弾性回復性に大きな低下のないポリエー
テルエステルブロック共重合体の開発が重要であるとの
認識に立ち、上記欠点を解決することを本発明の課題と
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者らは鋭意研究、検討した結果、驚くべきことに
ハードセグメントとソフトセグメントの選択、組み合わ
せによって得られたポリエーテルエステルブロック共重
合体を用い、且つそれに特定の塩を配合することによ
り、前記課題が著しく改善されることを見い出し、更に
詳細な検討を重ねた結果、遂に本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、テレフタル酸及び/又は2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を主とするジカルボン酸又はその
エステル形成性誘導体(a成分)と、脂肪族グリコール
を主とする低分子量グリコール又はそのエステル形成性
誘導体(b成分)及び平均分子量が約400〜6000
のポリオキシアルキレングリコール(c成分)を構成成
分とし、下記数1および数2を満足し、かつ還元比粘度
が1.2以上であるポリエーテルエステルブロック共重
合体(A成分)と、亜鉛、マグネシウム、カルシウム及
びコバルトから選ばれた一種又は二種以上の金属又はそ
の化合物とホスホン酸、亜ホスホン酸及びそれらのエス
テルから選ばれた一種又は二種以上のリン化合物との塩
及び/又はタルク(B成分)を含有することを特徴とす
るポリエーテルエステルブロック共重合体組成物。
【0007】
【数3】
【0008】
【数4】 (なお、数3におけるTβは、粘弾性挙動におけるβ分
散の正接損失極大温度を示し、数4におけるδ1 及びδ
2 はそれぞれ30℃及び70℃での正接損失の値を示
す。)
【0009】本発明においてA成分であるポリエーテル
エステルブロック共重合体を構成するa成分としては、
ジカルボン酸の60モル%以上好ましくは70モル%以
上がテレフタル及び/又は2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸又はそれらのエステル形成性誘導体であり、エステ
ル形成性誘導体としては、炭素数1〜4の低級アルキル
エステル、フェニルエステル等を挙げることが出来る。
なおテレフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸
以外に用いられるジカルボン酸類としては、フタル酸、
イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−ベンゾフェノンジカルボン酸、ビス(4−カルボ
キシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニ
ル)スルホン、1,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)エタン、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸類、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン
酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4′
−ビス(4−カルボキシシクロヘキシル)メタン等の脂
環式ジカルボン酸類、又はそれらの炭素数1〜4の低級
アルキルエステル、フェニルエステル、シクロアルキル
エステル、ヒドロキシアルキルエステル等を挙げること
が出来る。これらは2種以上の混合物として用いても良
い。
【0010】本発明においてb成分である脂肪族グリコ
ールを主とする低分子量グリコール又はそのエステル形
成性誘導体に用いられる低分子量グリコールとしては、
全体の70モル%以上がエチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、又はシクロヘキサンジメタノール等の
低分子量アルキレングリコールが好ましく、特に1,4
−ブタンジオールが望ましい。他に用いることのできる
グリコールとしては、トリメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロ
キシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]スルホン等分子量が原則として
400以下のものが用いられる。なお難燃性等種々の機
能が要求される場合には、2,2−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロ
パン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)3,5−
ジブロモフェニル]スルホン等の含ハロゲン化合物、あ
るいは各種のリン化合物等、比較的分子量の大きいグリ
コール類も用いられる。これらは混合物として用いても
よい。
【0011】本発明においてc成分である平均分子量が
約400〜6000のポリオキシアルキレングリコール
としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール及びこれらの
共重合体等が挙げられ、特にポリテトラメチレングリコ
ール及びテトラメチレンオキシド単位を主成分とするポ
リオキシアルキレングリコール共重合体が好ましい。ポ
リオキシアルキレングリコールの平均分子量は400〜
6000であり、特に800〜5000が好ましい。平
均分子量が400未満では、得られるポリエーテルエス
テルブロック共重合体のブロック性が低下するため弾性
的性能が著しく劣るため好ましくない。一方、ポリオキ
シアルキレングリコールの平均分子量が6000を越え
ると、生成ポリマーが相分離してブロック共重合体とな
り難く、同様に弾性的性能が劣ってしまい好ましくな
い。
【0012】次に本発明の目的を達成するためには、ポ
リエーテルエステルブロック共重合体が、下記数5及び
数6をともに満足することが必要である。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】 (式中Tβ は粘弾性挙動におけるβ分散の正接損失極
大温度を示し、またδ1 及びδ2 はそれぞれ30℃及び
70℃での正接損失の値を示す。)
【0015】本発明ポリエーテルエステルブロック共重
合体において、前記Tβが−42℃より高温になると、
ソフトセグメントが緊張され、弾性回復性が低下してし
まうので好ましくなく、また、δ2 /δ1 が1.15を
越えると、70℃での弾性回復性が著しく低下してしま
い目的を達成することができないので好ましくない。
【0016】更に、本発明において目的とする弾性的性
能を達成するためには、該重合体のフェノールと1,
1,2,2−テトラクロロエタンを60/40の重量比
で混合した溶液中0.2g/100mlの濃度、30℃
で測定した還元比粘度(ηsp/c)が1.2dl/g
以上とすることが必要であり、好ましくは1.4〜4.
0、特に1.7〜3.0が望ましい。還元比粘度が1.
2dl/g未満では、弾性的性質を含む諸性質が低下し
てしまい、目的とする共重合体が得られない。還元比粘
度は1.2dl/g以上であれば良いが、余り高すぎる
と溶融粘度が増大してしまい、成形加工に困難が生じる
とともに、経済的にも不利である。
【0017】本発明のA成分であるブロック共重合体を
製造する方法としては、従来の共重合ポリエステルの製
造法を採用することができる。具体的には、例えば芳香
族ジカルボン酸及び/又はそのアルキルエステル(a成
分)と脂肪族グリコール(b成分)及びポリオキシアル
キレングリコール(c成分)とを反応器に入れ、触媒の
存在下又は不存在下で直接エステル化或るいはエステル
交換反応し、更に高真空で重縮合反応を行なって所望の
重合度まで上げる方法である。
【0018】該ポリエーテルエステルブロック共重合体
には、通常のポリエステルと同じく、艶消剤、顔料、例
えばカーボンブラック等、ヒンダードアミン化合物、リ
ン系化合物、紫外線吸収剤、例えばベンゾフェノン化合
物、ベンゾトリアゾール化合物、サクシレート化合物
等、また場合によっては架橋性基を持つ化合物などを本
発明ブロック共重合体の性質を損わない限り、含んでい
ても何ら差し支えない。
【0019】次に本発明において、前記A成分であるポ
リエーテルエステルブロック共重合体に配合されるB成
分としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム及びコバ
ルトから選ばれた一種又は二種以上の金属又はその化合
物とホスホン酸、亜ホスホン酸及びそれらのエステルか
ら選ばれた一種又は二種以上のリン化合物との塩及び/
又はタルクであり、前記金属化合物としては、前記金属
との酢酸やプロピロン酸等の脂肪族カルボン酸塩、芳香
族カルボン酸塩、炭酸塩、または金属アルコラート、金
属ハライドなどが挙げられ、リン化合物としては、有機
ホスホン酸、有機亜ホスホン酸及びそれらのエステルか
ら選ばれるが、具体的には、フェニルホスホン酸、ナフ
チルホスホン酸、p−トリルホスホン酸、o−トリルホ
スホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸、エ
チルホスホン酸、ブチルホスホン酸、オクチルホスホン
酸、フェニル亜ホスホン酸、ナフチル亜ホスホン酸、p
−トリル亜ホスホン酸、o−トリル亜ホスホン酸、ベン
ジル亜ホスホン酸、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホス
ホン酸、ブチル亜ホスホン酸、オクチル亜ホスホン酸な
ど、又はそれらのアルキル、アリール、ヒドロキシアル
キルエステル類などが挙げられる。特にリン原子に直結
した炭化水素基に一個以上のベンゼン核が含有されてい
るリン化合物を用いることが好ましい。
【0020】本発明においてB成分である金属またはそ
の化合物とリン化合物との塩は、化学当量的に等量の金
属またはその化合物とリン化合物とをエチレングリコー
ルなどの適当な溶媒に溶解したものを混合するか、又は
混合後加熱するこのにより得ることができる。
【0021】本発明において、前記B成分をA成分であ
るポリエーテルエステルブロック共重合体に配合する方
法としては、B成分の微粉末をポリマーの製造過程で添
加混合する方法、製造されたポリマーのチップに付着さ
せた後、溶融混合する方法などが挙げられるが、最も好
ましい方法としては、ポリマーの重縮合初期以前に、B
成分を形成する金属又はその化合物と、リン化合物とを
同時に又は別々に添加し、ポリマーの重縮合中に両者を
反応させB成分である塩を形成させる方法である。
【0022】
【作用】通常ポリエーテルエステルブロック共重合体
は、粘弾性挙動として特徴的に0℃以上にハードセグメ
ントの運動に起因するα分散と、0℃以下にソフトセグ
メントの運動に起因するβ分散が見られる。本発明者ら
は、それぞれの分散のピーク温度と正接損失(tan
δ)の値が弾性的性質と大きな相関があることを見い出
し、さらにB成分である塩及び/又はタルクを配合する
ことにより、ポリエーテルエステルブロック共重合体の
ハードセグメントの結晶性を高めると同時に、分子鎖間
の拘束、延いてはハードセグメント間の凝集を誘発する
ことによって、結晶相内及び相間がより強く拘束され、
高温下での弾性回復性が改善されるものと考えられる。
【0023】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を具体的に示す
が、これらでもって本発明が限定されるものではない。
なお実施例における「部」は全て重量部を示す。また実
施例、比較例で得られるポリエーテルエステルブロック
共重合体の特性は、下記方法によって測定した。
【0024】1.還元比粘度:下記条件下で測定した。 溶媒 フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエ
タン 60/40重量比 濃度 50mg/25ml 温度 30℃ 2.結晶融点の評価:パーキンエルマー社製DSC−7
型示差走査型熱量計により、試料10mgを窒素気流下
20℃/分の昇降速度で30℃から250℃まで昇温
し、250℃で3分保持した後30℃まで降温した。こ
の様にして熱履歴を消した試料を再び250℃まで昇温
し、その過程で得られる吸熱ピークのピークトップ温度
を結晶融点(Tm)とした。 3.粘弾性挙動の評価:トーヨーボールドウィン社製
レオ−2000DDV−II−EA型バイブロンにより、
周波数110Hz、昇温速度1℃/分で測定した。ハー
ドセグメントの運動に起因する高温側の分散をα分散、
ソフトセグメントの運動に起因する低温側の分散をβ分
散とし、β分散での正接損失tanδのピーク温度をT
βとし、30℃及び70℃での正接損失tanδの値を
それぞれδ1 及びδ2 とした。 4.弾性回復性評価:ヒートプレス法により厚さ0.4
〜0.6mm、幅10mmの短冊状試験片を作製し、こ
の試験片を熱風乾燥機内で130℃、3分熱処理を行な
った後、トーヨーボールドウィン社製テンシロンII型に
チャッ間距離60mmとなる様セットした。初期荷重3
gをかけ、20分かけて雰囲気温度を70℃にし、引張
速度100mm/分で引張歪長6mmになる迄引っ張
り、この状態で22時間放置した。歪を0に戻し、5分
間放置後、上記条件にて再伸長し、応力−ひずみ曲線か
ら得た値より、弾性回復率(%)として算出した。
【0025】実施例1 2リットルの撹拌機、温度計、メタノール流出管付反応
器に、テレフタル酸ジメチル(a成分)485部、1,
4−ブタンジオール(b成分)337部及びテトラブチ
ルチタネート3部を供給し、徐々に昇温して、エステル
交換反応を行なった。エステル交換反応終了後230℃
に加温し、平均分子量3000のポリテトラメチレング
リコール1497部を入れたオートクレーブに酢酸カル
シウム一水和物のエチレングリコール溶液35.9ml
(濃度50g/l)と1,3,5−トリス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジーtert−ブチルベンジル)−2,
4,6−トリメチルベンゼン4部を加えて、窒素気流
下、攪拌しながら反応混合物とフェニルホスホン酸のエ
チレングリコール溶液32.2ml(濃度50g/l)
をオートクレーブに移し、5分間攪拌した。次いで徐々
に昇温し、60分間で250℃まで昇温すると同時に圧
力を0.1mmHgまで減圧にした。そのままで所定の
溶融粘度に到達するまで重縮合をつづけた後、窒素ガス
により常圧にもどし、オートクレーブ下部に設置した細
孔から窒素ガス圧によりポリマーを水中に押し出しカッ
ターを用いてチップ状に成形した。得られたポリマーの
還元比粘度は2.41dL/gであり、Tmは205
℃、Tβは−51.2℃、δ2 /δ1 は0.98であっ
た。また、弾性回復率は80%であり、非常に良好な弾
性回復性を示した。
【0026】実施例2〜7、比較例1〜3 実施例1において、B成分である金属塩の種類及びその
添加量を代える以外は全て実施例1と同様にして共重合
体組成物を得た。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例8 2リットルの撹拌機、温度計、メタノール流出管付反応
器に、テレフタル酸ジメチル(a成分)485部、1,
4−ブタンジオール(b成分)337部及びテトラブチ
ルチタネート3部を供給し、徐々に昇温して、エステル
交換反応を行なった。エステル交換反応終了後230℃
に加温し、平均分子量3000のポリテトラメチレング
リコール1497部を入れたオートクレーブにタルク微
粉末10部と1,3,5−トリス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジーtert−ブチルベンジル)−2,4,6
−トリメチルベンゼン4部を加えて、窒素気流下、攪拌
しながら反応混合物をオートクレーブに移し、5分間攪
拌した。次いで徐々に昇温し、60分間で250℃まで
昇温すると同時に圧力を0.1mmHgまで減圧にし
た。そのままで所定の溶融粘度に到達するまで重縮合を
つづけた後、窒素ガスにより常圧にもどし、オートクレ
ーブ下部に設置した細孔から窒素ガス圧によりポリマー
を水中に押し出しカッターを用いてチップ状に成形し
た。得られたポリマーの還元比粘度は2.40dL/g
であり、Tmは208℃、Tβは−51.2℃、δ2 /
δ1 は0.98であった。また、弾性回復率は80%で
あり、非常に良好な弾性回復性を示した。
【0029】
【発明の効果】表1より明らかなように、本発明ブロッ
ク共重合体は弾性回復率が77%以上もあり、温度によ
る影響をほとんど受けていないことが判る。またこの様
に本発明ブロック共重合体は弾性回復率が優れているの
で、その利用範囲は大巾に広がり、産業界に寄与するこ
と大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/521 KKD 7242−4J 5/524

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタ
    レンジカルボン酸を主とするジカルボン酸又はそのエス
    テル形成性誘導体(a成分)と、脂肪族グリコールを主
    とする低分子量グリコール又はそのエステル形成性誘導
    体(b成分)及び平均分子量が約400〜6000のポ
    リオキシアルキレングリコール(c成分)を構成成分と
    し、下記数1および数2を満足し、かつ還元比粘度が
    1.2以上であるポリエーテルエステルブロック共重合
    体(A成分)と、亜鉛、マグネシウム、カルシウム及び
    コバルトから選ばれた一種又は二種以上の金属又はその
    化合物とホスホン酸、亜ホスホン酸及びそれらのエステ
    ルから選ばれた一種又は二種以上のリン化合物との塩及
    び/又はタルク(B成分)を含有することを特徴とする
    ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物。 【数1】 【数2】 (なお、数1におけるTβは、粘弾性挙動におけるβ分
    散の正接損失極大温度を示し、数2におけるδ1 及びδ
    2 はそれぞれ30℃及び70℃での正接損失の値を示
    す。)
JP10779892A 1992-04-27 1992-04-27 ポリエーテルエステルブロック共重合体組成物 Pending JPH05302023A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190023627A (ko) * 2017-08-29 2019-03-08 주식회사 엘지화학 폴리에테르에스테르 공중합체의 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190023627A (ko) * 2017-08-29 2019-03-08 주식회사 엘지화학 폴리에테르에스테르 공중합체의 제조 방법

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